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2019.10.27 (Sun)

【2019リーグ1部】10/27レポート(白鴎大学会場)

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大東文化大が創部51年目にして1部リーグ初優勝
白鴎大は復旧後のホームを白星で飾れず


 関東大学リーグはいよいよ終盤戦。台風19号により浸水被害のあった白鴎大学の体育館が東海大とともにこの週の会場に割り当てられていたが、大学や選手たちによる必死の復旧作業で影響なく試合を行うことができた。

 ここまでわずか1敗、優勝まであとわずかに迫っていた大東文化大は17節における筑波大の敗戦を受け、マジック1。この日、明治大と優勝をかけた戦いに挑み、逆転勝利で1部リーグ初優勝を決めた。竹野明倫(Bリーグ大阪AC)や阿部友和(Bリーグ富山)を擁した2007年にトーナメント、葛原大智(Bリーグ富山)、熊谷 航(Bリーグ三河)らが主力となった2017年にインカレを初制覇。そして、唯一手にしていなかったリーグ戦のタイトルを、この日ようやく手中に納めた。

 また、白鴎大はハードなスケジュールの中での再びのホームゲーム。走力を武器にする日本体育大相手に苦戦し、白星はならなかった。次は水曜日に延期となっていた神奈川大との対戦に臨む。

写真:優勝を決め、大東文化大・モッチが高々と両手を掲げ、天を指さした。



◆大東文化大VS明治大

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【大東文化大が逆転でリーグ優勝を決める】

 前節で2位の筑波大が破れたことにより、大東文化大が勝利すれば優勝が決まるというこの試合、前半は明治大のリードとなった。

 立ち上がりは大東大のシュートが単調になってしまい、ターンオーバーが相次いだ。明治大は#10須藤(4年・SG)、#56永田(4年・PF)のシュートで先行し、ディフェンスの穴を突いて積極的にアタック。#34富田(3年・F)のシュートも出た明治大は守ってはゾーンで大東大の足を止める。#12中村拓人(1年・PG・中部第一)のフリースロー、#25高木(4年・SF)の3Pが出て落ち着きたい大東大だが、明治大は高い位置でのディフェンスでミスを誘い、ターンオーバーを頻発させる。最後に#15渡辺(3年・PG)から#34富田への合わせも決まって1Qは明治大リードの19―26。

191027uematu.jpg 2Qは大東大#25高木、明治大#7植松(3年・PF)、続けて大東大#3星野(2年・SG)によるスリーの応酬で始まった。明治大は#34富田が好調で、#56永田もレイアップ、リバウンドで存在感を見せる。#7植松2本目のスリーもあって明治大は一時10点のリードに成功するが、大東大はディフェンスから反撃。大東大が4点差まで追い上げたところ、ここで#10須藤の3Pが決まり明治大も逃げ、37―44の明治大リードで前半終了。

 3Q、大東大は#15モッチ(4年・C)のゴール下、フリースローで追い上げる。明治大は#15渡辺の3Pがこれを食い止めるが、#34中村浩陸(4年・PG)のジャンパーでようやく大東大は同点とすると、5分に#15モッチのフリースローで逆転し、#25高木のジャンパーも決まった。明治大はタイムアウト。残り4分からゾーンを展開する。#2飴谷(2年・SG)のスリーがこれを破るが、ターンオーバーも出てしまう。しかし走って得点を重ね、59―55と大東大がリードして最終Qへ。

191027mochi.jpg 4Q、大東大は#39アビブ(2年・C)でスタート。#12中村拓人が明治大のディフェンスをかいくぐって倒れつつ決め、#81後藤(4年・SF)の3Pも決まった。明治大は#10須藤が開始2分で4ファウルとなるが出場は継続。大東大は#1深渡瀬(2年・SF)のレイアップが決まるも、明治大は#15渡辺が渾身のドライブでバスケットカウントを獲得。しかしアンスポーツマンライクファウルも出て、流れを引き戻せない。大東大は最大13点のリードとなるが、明治大も粘った。残り4分、#34富田の3Pで8点差。大東大はタイムアウトで#15モッチをコートに戻し、最後の引き締めにかかる。残り2分、明治大は#7植松がスリーを沈め3点差。しかし大東大は持ち味ともいえる勝負どころのディフェンスから#25高木が速攻を出し、残り1分半で75―70。明治大はタイムアウトのあと、#7植松のシュートで 再び3点差に迫った。しかし残り1分、#2飴谷2本目のスリーが沈むと大東文化大がほぼ勝利を手中に収め、79―73で試合終了。初の1部リーグ戦の優勝を決めた。

 明治大はディフェンスオフェンスとも、前半はペースを握った。ゾーンで足を止めたのもよかったが後半の展開は大東文化大の集中力が上だった。明治大は既に9位以下は決定している。残り4試合の中野下位チーム同士の直接対決で一つでも上を狙いたい。

191027daito2.jpg 大東文化大は昨年台風によって試合が延期になる不運もあり、調子のよかったところでリズムを崩して惜しくも2位に終わった。今季は熊谷が抜け、スタメンも3人が昨年と変わった。だが今の4年生は2部リーグも、インカレ優勝も、そして昨年あと少しで逃した勝利の数々も、すべてを知っている。彼らを大きくしたのはここまでに得た多くの“経験”であることは言うまでもない。主将の中村浩陸はホッとした顔を見せつつも、この日の明治大戦を反省。「リバウンドやディフェンスでアドバンテージを取れないと、いい形にはできないというのが出た試合」と課題を口にした。ただし、2位の筑波大が6敗をしているのに比べると、ここまで1敗というのはすばらしい集中力だ。「みんなが意識を高く持ってやってくれたので、集中力が途切れるということは感じずにやってこられた。まだ連勝も伸ばせるので、優勝したという実感はあまりない。勝ち続けることに挑戦したい」という。喜びを感じられるのはすべてを終えた最終日かもしれない。大東大の挑戦はまだ続く。

写真上:明治大は植松が3P3本を含む16点。須藤の21点につづき得点を引っ張った。
写真中:大東文化大・モッチは17点11リバウンド。前半は外から打たされる場面が目立ったが、後半に修正し、インサイドで得点を重ねた。

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◆日本大VS早稲田大

191027iio.jpg 前半途中までは大きな差はつかなかった。1Qは点の取り合いとなり早稲田大が17-20とリード。2Q開始序盤も競り合いが続いたが、早稲田大が途中で失速。このQ9点に終わってしまうと、一気に日本大がリードを広げて前半は40―29。

 後半3Q、早稲田大はプレスを仕掛けて#13柳川、#8津田の3Pにつなげて持ち直す。しかしタイトなディフェンスが仇となり、ファウルの笛も続いてしまう。日本大は#0シェイク(3年・C)が強さを発揮するが、#12土家(の3Pで早稲田大も切れない。#39桑田のドライブも決まった。しかし4点差にまではしたが、そのあとは#0シェイクに高さ面で簡単にやられてしまい、ダンクも2本許してしまう。日本大は#22飯尾が早稲田大の陣地深くから放ったシュートがブザーとともに決まると、64―44と20点のリードで3Q終了。4Qも日本大は得点を重ね、結局3Qとほとんど変わらない点差のままフィニッシュし、74―55

 日本大はこの週の勝利で下の4つの順位は免れた。あとは残り試合でどこまで順位を上げられるかがポイントだ。早稲田大は宮本の欠場が続き、人数的には厳しさもある。自力では入れ替え戦回避の道はないため、今の順位を維持したまま終われるかが重要だ。

写真:前半終わりにブザービーターを決めた飯尾。機動力が高く、高原とともに勢いをつけるには格好の選手として出番も増えている。



◆白鴎大VS日本体育大

191027ooura.jpg ともにトランジションを持ち味とする両チームの戦いは、ラン&ガンの応酬になった。立ち上がりは白鴎大が#24星野(4年・PF)のバスケットカウント、#77前田(4年・F)のレイアップなどで先行するが、日本体育大もディフェンスから巻き返し、#24土居(3年・SF)をはじめ、早い展開で返して追いついて逆転。一方白鴎大は#24星野が負傷してベンチへ。日体大は#3大浦(4年・PG)を起点に捌いて早い展開を続け、#33遠藤(3年・SG)の3Pで10点のリード。しかし#77前田もブザービーターで3Pを返す見事なプレー。1Qは25―18の日体大リード。2Q、白鴎大は日体大のゾーンプレスに足が止まり、開始2分は無得点。日体大はボールをカットして#33遠藤2本目の3Pがチームを沸かせる。白鴎大は#3板橋(3年・PG)のジャンパーを皮切りに返していくが、日体大は#3大浦をトップに立たせるプレスが効いて次々スティール。アグレッシブに攻め続けていくと差が開いた。前半は30―50で日体大がリード。

 3Q、今度は白鴎大が日体大のお株を奪うように足を使って攻撃し、#77前田、後半復帰した#24星野らが畳み掛けて開始3分で差は13点。しかしそこからは日体大も守りで勢いを止めていく。白鴎大は残り3分で#52ブラ(2年・C)が4ファウル。日体大は結局このQ、フリースローを何度も獲得し、69―52と大きく詰めさせずに終了。4Q、白鴎大はディフェンスを頑張り、#24星野のジャンパーやオフェンスリバウンド、#0関屋(1年・SG・飛龍)のドライブなどで果敢に攻め、残り1分半で8点まで差を縮めた。しかし追いつくまでに時間は足りず、最後は78―87。日本体育大が11勝目をあげた。

写真:日本体育大・大浦は19得点。この日はディフェンスもよくスティール6を記録。大浦の調子はチームの勝敗を大きく左右する。


18試合終了時(10/27)

優勝・大東文化大学 17勝1敗
青山学院大学 12勝5敗
東海大学   12勝6敗
筑波大学   12勝6敗
専修大学   12勝6敗
日本体育大学 11勝7敗
白鴎大学   8勝8敗
日本大学   10勝8敗
早稲田大学  4勝14敗
神奈川大学  3勝14敗
法政大学   3勝15敗
明治大学   2勝16敗

※延期試合があるため、合計試合数はチームによって異なります。

※大東文化大・後藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。




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【INTERVIEW】

「シュートも課題として練習してきた」
足りない分は努力し、自分の力と自信に変えて

◆#81後藤大輝(大東文化大・4年・SF)

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昨年度も控えとして試合出場する機会は多かったが、今年はスタメンとしてしっかり役目を果たしている。このリーグ戦ではたびたびいいところで3Pを決め、チームを盛り上げてきたが、それは意識して練習してきたことが大きいという。モッチが軸となり4年間を支えてきた。そしてそこに同期である4年生が成長して加わり、今の大東文化大はできている。全員の自覚と集中が、優勝というチームにとって初の栄冠をもたらした。残る試合とインカレで、その集大成を表現できるかが楽しみだ。


―優勝おめでとうございます。いまどんな気持ちですか?
「優勝はしましたが、まだリーグ戦は続くので、嬉しい気持ちとしっかり残りの4試合を戦ってインカレにつなげたい気持ちが半々です」

―今日の試合は先行されてしまいましたが、終盤にディフェンスの良さが出ましたね。
「オフェンスというよりはやはりディフェンスで流れを作って、気持ちよくシュートを打てるような流れが作りたいとチームで話をしていました。自分がディフェンスを集中して頑張って、少しでも流れを変えようという気持ちでやった結果が出たので、よかったです」

―特にゴール下でリバウンドを抑えたのは大きかったなと思いました。
「普段の試合ではあまりリバウンドに絡んでいなかったんですが、相手に取られていたし、しっかり入らないといけないなと思いました。身長はないですが、入ることで取れるチャンスはあるなと思ったし、行きました」

―後藤選手はリーグ途中から3Pなどシュートもかなり入ってきて、好調でしたね。
「ディフェンスを頑張るのと、もう一つシュート力も自分の課題にしていました。うちはインサイドが強いし、アウトサイドも決められればさらに点数が伸びます。だから3Pを自分のものにしようとして練習してきました。試合でも思い切り打つようにしています。高校時代もスリーは打たなかったし、むしろ苦手な方でした。でもオフェンスのスペーシングの問題からしても、今のチームでは3Pが打てないとオフェンスが詰まってしまいます。だから打つしかないと思って身に付けてきたものでもあります」

191027goto2.jpg―昨年の悔しさもあると思いますが、それを糧にやってきているんでしょうね。
「昨年は自分の貢献度は少なかったし、4年生になって成長しないといけないと感じてきました。去年の悔しさをバネにして頑張ろうと自分に発破をかけてきて、そのおかげで少しでもチームでも貢献できる場面が増えてきたので、よかったなと。それは去年の経験や悔しさからつながってきているものですね」

―リーグはここまで順調に勝てると考えていましたか?
「それはなかったです。でもバランス良く点数を取れているからこそだなと思うし、それが今のチームのいいところですね」

―残りは4試合。でも今日のような試合をしてしまうとまだまだ危ういという課題も見えたのでは。
「気持ち次第で結構変わるし、できるのにやらないというかやれないというか、そういうことがあると勝てる試合も苦しくなるのはこの土日でわかりました。もう一回気持ちを入れ替えてがんばろうと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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