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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】優勝・東海大インタビュー
打倒NBLという高い目標を掲げて
◆#8藤永佳昭(東海大・4年・主将・PG)

―優勝おめでとうございます。ちょっと危ないかなと思うところもありましたが、しっかり持ち味は出せましたね。
「コーチからも話はあったんですけど、押さえるところは押さえて、その部分はディフェンスはしっかりしようと。なかなか離そうとしても離せなかったんですけど、うちの持ち味であるディフェンスとリバウンドとルーズで粘って稼げたかなと思います」
―途中で筑波大のトランジションで流れを持っていかれる部分もありましたが。
「途中追い上げられたところはあったんですけど、自分としてはそんなにあわててなくて、4Qでしっかりやればいいかなと。向こうも足に来ている感じだったので、4Qで勝負しようとベンチでも落ち着いて話をしていたし、キャプテンとしてもそこは落ち着いてやれたと思います」
―スタメンガードとしてはベンドラメ選手(#0)がいて、藤永選手が要所で交代する形ですね。今年はキャプテンですが、意識していることはありますか?
「去年みたいに慌てるということはなくて、4年になったので、本当にガードとして落ち着いてまわりをよく見て、というのを本当に意識しています。誰が当たっていて、誰が調子が悪いかをしっかり見極めてパスをしたりだとか、自分が行くところは行くとか、意識してやっています」
―昨年より様子を見ている感じのプレーは確かにありますね。
「もっと点を取りに行こうかなとか、自分の中にもいろいろと考えていることはありますけどね」
―今年はメンバーもあまり変わりませんし、強いチームだと思いますが、キャプテンとしてどうしていきたいというのは?
「全員が同じ目標を持ってやりたいですね。練習でもまだまだもっと高い意識を持ってやれると思います。もっと詰めていかないと目標であるNBLには届かないと思うので、キツいとき、例えば練習の終盤でどれだけシュートを決められるかだとか、そういうのをもっと全員で意識を高く持ってやりたいです。学生相手だったらどこにでもバーンと離せるくらいの力をつけて、リーグ、インカレに臨みたいと思います」
―今大会は2年生が昨年よりグッと伸びていたのが印象的でした。
「練習態度も真面目だし、ケビン(#7晴山)やザック(#10バランスキー)も毎日しっかり後輩に言うし、本当に全員でいい雰囲気でやれているので、多分2年生もそれはやりやすいと思います。僕だけじゃなくて、コーチも含めてみんなでやっているから、いい雰囲気で練習できているのも大きいです」
―藤永選手自身は今年は学生代表としても活動していますが、それは自分としてはいかがですか?
「それは本当にいい経験をさせてもらっていて、選んでもらったぶん、こういう大会で表現しないといけないなと思うし、池内さん(代表チームHC)にも感謝しています。もっともっと感じたことをチームに伝えられるように練習からやっていきたいし、もっといチームにしていきたいです」
―まだカナダのヴィクトリア大との親善試合もありますが、ここから教育実習に行くそうですね。練習にはあまり参加する時間がありませんが。
「池内さんにはとりあえず走っておくように言われています。部活のついでに体力を保っておくよう務めます」
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1 決勝 筑波大VS東海大
筑波大は持ち味のトランジションで一時同点に追いつく

1Q、東海大は司令塔#0ベンドラメ(3年・PG)を中心に攻撃を組み立て、筑波大は#6馬場(1年・SF・富山第一)のバスケットカウントで幕開け。東海大は#13中山(2年・PG)が3Pを決めてガッツポーズを繰り出せば、筑波大はインサイドで2mの#21橋本(3年・C)をかわして#92村越(3年・PF)が決めるなど、互いに譲らない展開に。1Qは23-22と筑波大が1点リードとなった。
2Qでようやくエンジンがかかってきたのが東海大。筑波大から24秒を奪い、ディフェンスを固めると#10バランスキー(4年・PF)がブザーとともにシュートを沈め、交代していた#22飯島(4年・PG)がドライブ、3Pと連続得点。筑波大は冒頭に#16小松(3年・SG)からのアリウープパスを#2満田(2年・SF)が決めて以降、沈黙してしまう形となった。東海大は残り3分で#10バランスキーが3ファウルとなりベンチへ下がるが、ベンチスタートの#33鈴木(2年・SF)が2本の3Pを決める活躍。筑波大は残り5分から#17杉浦(1年・PF)、#6馬場らで得点を重ねるがこのQで11点しか取れず、前半を終了して34-42と逆転されてしまった。
3Q、筑波大が追い上げる。立ち上がりは両者ミスが続き、10点前後の差もなかなか詰まらない。東海大は残り5分、#22飯島の2本目の3Pで最大13点差とするが、ここからリバウンドを拾われて追い上げられる。筑波大は#2満田に続き#76寺部(2年・PF)の3Pが決まって差を縮めると、ここからエース#14坂東のアウトサイドやペネトレイト、2本の速攻も決めて一気に点差は2。さらに#76寺部の速攻で遂に残り15秒で56-56の同点に追いついた。東海大はここから得たフリースローを#0ベンドラメが2本落とすミス。しかし#10バランスキーのリバウンドから#33鈴木が3Pを沈めて56-59と3点差をつけて3Qを終了した。

東海大はこれでインカレ及び、関東大学におけるすべてのタイトルを保持することとなった。昨年のスタメンから抜けたのは田中大貴(2014年度主将・NBLトヨタ)のみ。経験豊富なメンバーに加え、1年生時から出場機会を得てきた中山や鈴木といった2年生の活躍が特に今大会では目を引いた。持ち味であるディフェンスはもちろん、今年も全員が点を取りにいけるチーム。手堅い攻守で安定度は申し分なく、今年はすべてのチームがこの東海大を目指し戦っていくことは間違いないだろう。
筑波大は途中で引き離される場面もあったものの、持ち味の速攻が出る場面も見られ、3Q終盤に同点に追いつく健闘を見せた。吉田監督は「ザックのファウルトラブルで『よし』と思ったが、逆に向こうが足を動かすバスケットになってしまった」と、好機を生かせなかった部分を悔やむ。さまざまな面で東海が上だったことを認めつつも、「1年は良かった」と評価。ルーキーの馬場、杉浦は今大会ではキーマンだったことは間違いない。その上でここまでチームを牽引してきた4年生、笹山や坂東、満田や昨年はケガで出番のなかった寺部の成長も頼もしい。チームプレーを練り上げていくのはこれからになるが、上位目指して今年は期待をかけたいチームだ。
写真上:12得点10リバウンドの晴山。リバウンドではチームハイで大きく貢献。
写真下:今大会は村越の活躍もチームにとっては欠かせない勝利の要因となった。
※筑波大・笹山選手、坂東選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※東海大のインタビューは別途掲載します。
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1 3位決定戦 青山学院大VS拓殖大
青学大に付け入る隙を与えず価値ある3位入賞

序盤から、主導権は完全に拓殖大だった。#99赤石(3年・C)のドライブと#39成田(2年・G)の3Pとバスケットカウントで早々に7−0。青学大はタイムアウト後に#7野本(4年・CF)の得点が続くものの、勢いづく拓殖大の攻撃に次々失点を許す悪い流れが続いた。拓殖大は#23バンバ(2年・C)も得点を重ね始めると、1Qで早々に二桁の点差に乗せる。2Qは序盤に#14大垣が3Pを続けて決めていき、一気に点差が離れた。#13鵤(3年・PG)が外のシュートを続けた青学大だったが、オーソドックスなハーフコートゲームを志向する展開が、前から厳しく当たるディフェンスを破れずにターンオーバーから走られる悪循環にも陥ってしまった。53−30とした拓殖大が、前半でほとんど試合を決めてみせた。
この展開で青学大は「完全に集中が切れ」(野本)、後半も淡白なオフェンスに終始。ディフェンスでは#23バンバを止めきることはできず、逆転のための光明も見出せなかった。最後はベンチメンバーも送り出した拓殖大が、95−64で完勝を収めた。

野本が「びっくりしてパニック状態。何をしてもうまくいかなかった」と話すほど、青学大はショッキングな敗戦を喫した。これほどの点差で負ける試合は2005年に1部復帰して以降、見たことがないと言っていいレベルだ。課題だったリバウンドは良くなく、ターンオーバーも拓殖大の倍以上の数字を記録。田中が率先して声を出し、チームを鼓舞しているが、こうした精神的な部分もチーム全体として必要になってくる。実力的にはここまでの大差ではないはず。これをバネにチームの成長が促されることを期待したい。
写真上:拓殖大は成田が12得点。バンバ、大垣に次ぐ数字を残した。
写真下:野本と並んで15得点を記録した鵤。彼も青学大を牽引しなければならない。
※拓殖大・大垣選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1 5位決定戦 神奈川大VS早稲田大
早稲田大が逃げ切って5位確定

立ち上がりは両者課題にしていたが、重かった。ミスが続いて互いに点が伸びず14-15と神奈川大が1点リード。しかし2Qになると早稲田大が調子を上げ、交代した#8新川(1年・F・京北)の3Pやドライブで抜け出し、#25伊藤(2年・F)の3Pで 残り3分で18-32と一気に神奈川大を突き放した。神奈川大は終盤になってようやく#7田村(1年・長岡・帝京長岡)のシュート、バスケットカウントで持ち直すが、前半を終えて23-40とダブルスコアに近い点数となった。
3Q、早稲田大は#34池田(3年・G)の得点のみになり、ファウルも続く。神奈川大はここでじわじわ反撃に出る。神奈川大も得点源の#98大石(4年・G)が奮闘し、早稲田大からターンオーバーを奪って少しずつ点差を詰めていく。しかし同時にファウルもかさみ、#98大石は3Qで3つ目をコールされる。早稲田大は終盤に#8新川の3P、#34池田のフリースローで45-56と大きくは詰められず11点のリードに。

早稲田大は2Qに大きなリードを得ながらも後半に神奈川大のディフェンスに捕まり、追い上げられた。池田が23点、ルーキーの新川も3P3本を含む15点など貢献したが、課題も残った。しかし春から取り組んできたガード主体の早いゲームでこの大会は見えてきたものも多い。この勢いで早慶戦に臨みたい。
神奈川大は追い上げ叶わず6位。勝てる試合だったと言えるが、わずかに届かなかった。しかし昨年とは異なり、新しい戦力がいくつも見えており、秋を見据えて計算できるメンバーになってきた。昨年にも増して2部は侮れないチーム揃いだが、この流れを維持してリーグ戦で上位争いができるかどうかが楽しみだ。
写真上:早稲田大・河合は池田とともにゲームをリード。
写真下:神奈川大のルーキー田村は、勝負強いシュートを決めていった。
※早稲田大・池田選手、神奈川大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1 7位決定戦 関東学院大VS白鴎大
関東学院大は勝負どころでのミスが響いて8位に

3Q、ようやく白鴎大が本領を発揮。#1大釜(4年・G)と#ジャニ(2年・C)の得点で追いつき、直後は得点を決め合ったものの、4分手前で関東学院大の#38蜂谷が4ファウル目。ベンチに下がると、ここからは#1大釜の独壇場。果敢にリングを狙っていき、面白いようにスコアを伸ばす。関東学院大は#23永野(2年・SF)の得点でどうにかついていくが、#10エリマンを経由させるパスがターンオーバーにつながるミスが続いてしまい、このQわずかに7得点。9点を追いかける展開となる。このまま白鴎大ペースかと思われたが、4Q早々に今度は#1大釜が4つ目の判定。#28川邉がこの苦しい状況でもスコアを伸ばすが、こちらも大事なところでファウルが出てダメ押しができない。#38蜂谷や#45大熊(3年・G)の得点でつなぐ関東学院大は、残り4分を切り#45大熊の3Pで3点差まで迫った。直後は互いに決めきれない展開が続き、予断を許さない状況となるが、白鴎大がここから1部の貫禄を見せた。#28川邉がフリースローを得るとこれを2投とも決め、更にはコートに戻った#1大釜がジャンプシュートを決めてリードを7点にまで戻した。関東学院大はファウルゲームに出るも、この中で得点源の#38蜂谷が退場し、イージーシュートをこぼすミスも出て詰め寄れず。69−62で白鴎大が逃げ切った。

明治大を撃破してベスト8入りを果たした関東学院大は、やはりエリマンや前川、蜂谷などの個人の力量は確か。ただ、順位決定戦では2試合とも競り合いに持ち込みながら、いずれも勝ちきれない展開が続いたことは反省点か。課題は、いかにチーム力を上げて連携を深め、ベンチの層を厚くできるかにある。昨年は夏のオフ期間が長かったというが、この先の3か月でのチーム力アップは必須のポイントとなってくる。
写真上:白鴎大の重要な得点源となった川邉。20得点の活躍だった。
写真下:1対1の能力の高さは、1部校相手にも充分通用することを示した関東学院大・蜂谷。
※白鴎大・大釜選手、星野選手、関東学院大・前川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】最終結果
準優勝 筑波大学
第3位 拓殖大学
第4位 青山学院大学
第5位 早稲田大学
第6位 神奈川大学
第7位 白鴎大学
第8位 関東学院大学
第9位 大東文化大学
第10位 日本大学
第11位 明治大学
第12位 法政大学
第13位 中央大学
第14位 国士舘大学
第15位 慶應義塾大学
第16位 駒澤大学

優勝 東海大学

準優勝 筑波大学

3位 拓殖大学

4位 青山学院大学
【個人賞】
■最優秀選手賞(MVP)バランスキー ザック(東海大学・4年)

■敢闘賞 笹山貴哉(筑波大学・4年)

■優秀選手賞

野本建吾(青山学院大学・4年)
坂東 拓(筑波大学・4年)
ベンドラメ礼生(東海大学・3年)
晴山ケビン(東海大学・4年)
ジョフ・チェイカ・アハマド バンバ(拓殖大学・2年)
※写真左から
■得点王 ジョフ・チェイカ・アハマド バンバ(拓殖大学・2年)131点

■3ポイント王 ジョフ・チェイカ・アハマド バンバ(拓殖大学・2年)11本

■リバウンド王 エリマン プイ(関東学院大学・4年)OF23/DF42/TO65

■アシスト王 池田 慶次郎(早稲田大学・3年)27本

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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1結果(最終日)
関東学院大学62(12-16,21-13,7-20,22-20)69白鴎大学(7位決定戦)
神奈川大学70(14-15,9-25,22-16,25-20)76早稲田大学(5位決定戦)
青山学院大学64(16-26,14-27,12-19,22-23)95拓殖大学(3位決定戦)
筑波大学67(23-22,11-20,22-17,11-23)82東海大学(決勝)
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2014.06.01 (Sun)
【2014トーナメント】6/1試合予定
11:00 関東学院大学 vs 白鴎大学(7位決定戦)
12:40 神奈川大学 vs 早稲田大学(5位決定戦)
14:30 青山学院大学 vs 拓殖大学(3位決定戦)
16:20 筑波大学 vs 東海大学(決勝)
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2014.05.31 (Sat)
【2014トーナメント】5/31レポート
拓殖大は粘るが東海大に届かず

順位決定戦は神奈川大、早稲田大がそれぞれ勝利し、5位決定戦へと進んだ。
写真:ベンチで肩を組む筑波大。チームの一体感が見える。
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【神奈川大が2部同士の対戦を制して5位決定戦へ】

3Qも、長くは競り合いの攻防が続いた。ここで存在感を見せたのが神奈川大の#7田村(1年・F・帝京長岡)。外角からのシュートを決めていき、チームを盛り上げる。関東学院大は、セットプレーで裏のスペースを狙ったパスがターンオーバーとなってしまうミスが続いてしまう。5点リードと、神奈川大がやや優勢となって迎えた4Qは、立ち上がりに#98大石の3P、#6山田のゴール下が出ると、主将の#13鶴巻(4年・G)も速攻を決めるなどして二桁の点差に。関東学院大は#38蜂谷が1対1で得点していくが、他の選手での得点が出ずに、詰め寄っても大事なあと一本が出なかった。最終的に78−71とした神奈川大が、5位決定戦進出を決めた。
終始ファウルトラブルで苦しんだ神奈川大だったが、コート上の5人がベンチスタートであろうとスタメンと遜色のない活躍を見せた。また、終盤は持ち前のディフェンスの良さを発揮して関東学院大の攻め手を封じた。関東学院大は、終盤に蜂谷のみが活躍する構図となり、得点が伸びず。また、ターンオーバーが15本と、相手の倍以上の数字を記録。エリマンのローポストを有効に活用できなかった。
写真:スモールサイズながら、インサイドで体を張った神奈川大・山田は8得点8リバウンド。
【アグレッシブなバスケットが生き、早稲田大が勝利】

3Qの立ち上がりは#38宮脇(2年・C)、#16山本(3年・F)の得点が続く早稲田大。白鴎大はインサイドで#51高麗のファウルが3となるが、早稲田大も#16山本が3つと似たような状況。だが、残り5分に白鴎大がルーズボールの部分でベンチテクニカルを取られたあたりからゲームの流れが変わってくる。早稲田大は#11河合(2年・G)の3Pに始まり#34池田のフリースロー、#8新川(1年・F・京北)の3Pなどが続き、2分半ほどの間に一気に11得点。白鴎大はここで#23ジャニが4ファウルとなってしまう。3Qは64-52と早稲田大が再びリードを得て終わると、4Qではさらに差を広げた。白鴎大は#81中村(4年・PF)が開始分でファウルアウトすると、その後は流れを取り戻せず。早稲田大が好調にシュートを決め続け、最後は88-66で5位決定戦へと進んだ。
早稲田大は1Qからリードし、追い上げられながらも崩れなかった。インサイドのジャニに勝負をさせず、自らは速い展開を出して得点を重ねた。選手のほとんどがガードという今年のチームは、高さで苦しむ場面はあるが、自分たちのペースに引き込めれば強い。それを証明する形となった。白鴎大は得点面で川邉の負う負担が大きく、インサイド陣ががファウルトラブルになってしまうと一層苦しくなった。
写真:インサイドで踏ん張りを見せた早稲田大・宮脇。
※早稲田大・山本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【拓殖大を振り切った東海大が3年連続の決勝戦へ】

序盤は、拓殖大の思い切りの良さが光った。#23バンバ(2年・C)の3P、#99赤石(3年・C)のミドルシュートが決まって好調な滑り出し。東海大はその都度返すが、#14大垣(4年・F)もアウトサイドのシュートをことごとく沈める好調ぶりで15−8とし、主導権を握ったかに見えた。すると東海大は#33鈴木(2年・SF)を投入し、#14大垣のラッシュを見事に止めてみせ、拓殖大は無得点の時間が続く。東海大は、この間に#13中山(2年・PG)や#21橋本(3年・C)らが相次いで得点して易々と逆転。#10バランスキーも中と外、それぞれでシュートを決め1Qを26−18でまとめた。2Q、拓殖大はゾーンディフェンスを敷き打開を図り、オフェンスでは#23バンバの活躍で詰め寄る。しかし、東海大は#33鈴木が3P。鈴木はここでも大きな役割を果たすと、#8藤永(4年・PG)にも3Pが出て二桁の点差に。更に#21橋本や#7晴山(4年・SF)も得点する。ターンオーバーが頻発した拓殖大はまたも陥った無得点の状態を#99赤石(3年・C)のドライブで破ると、#23バンバが次々とフリースローを得て追撃。最大17点のビハインドを10点に戻して後半につないだ。
3Q、東海大が勝負を決めにかかる。#21橋本、#13中山のシュートが決まり、#0ベンドラメ(3年・PG)もこれに続く。拓殖大は#23バンバひとりで得点を重ねる状況が続き、東海大インサイド陣のファウルをかさませるものの、再び点差が拡大。東海大が約15点を保ったまま、時間を進めていく。しかし微妙な判定などもあってフラストレーションが溜まりそうな状況でも、集中を維持し続けた拓殖大は、#29岩田(3年・F)のミドルや#39成田(2年・G)のフリースローなどでやや点差を詰め、東海大を脅かし続ける。残り時間僅かの状況で#99赤石が3ショットのフリースローを全て決め、#14大垣の速攻が出て6点差まで迫った。東海大は、最後は#8藤永が時間を上手く使って84−75で逃げ切ったが、拓殖大の諦めない姿勢が試合の緊迫感を最後まで保った。
拓殖大の粘りにファウルがかさんだものの、東海大はさすがの強さを発揮して試合を制した。昨年までの主力に加え、ここまで中山や鈴木といった2年生が大きな役割を果たしている。インカレ2連覇中の東海大だが、トーナメントのタイトルにはこれまで手が届いていない。フレッシュな力を擁する筑波大は現在の大学界では最も勢いのある存在と言えるが、貫禄を見せて、初めての『春の王者』となれるか。
拓殖大は、得点面でバンバに依存してしまう側面が出てしまったものの、リバウンドにはしつこく絡んで東海大を苦しめた。一方で、チーム本来の持ち味は走る展開だが、この日はそれが出せなかったと赤石も悔しい表情。志向する展開をいかに出せるかで、東海大が相手でも勝利は近くなるはずだ。翌日の3位決定戦で、秋に向けた糧を掴みたいところ。
写真:17得点の東海大・晴山。決勝戦では、もう少し外のシュートの確率を上げたい。
※東海大・鈴木選手、拓殖大・赤石選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【3Qの中盤で逆転した筑波大が決勝戦へ】

前半は青学大のペースだった。立ち上がりに両者ファウルが続く場面もあるが、青学大は#13鵤(3年・PG)がアウトサイドを決め、#7野本(4年・CF)も力強くゴール下でプレー。筑波大は#14坂東(4年・SG)が内外から積極的に攻めて対抗。しかし#7野本(4年・CF)のバスケットカウント、#9安藤(2年・SG)の3Pもあって最後は#14柏倉(2年・PG)がスクープを決めると22-16と青学大が6点リードで1Q終了。2Qは立ち上がりに#9安藤が2本目の3Pを決めて11点差と開く。筑波大は#0山本(3年・PG)がうまく青学大ディフェンスをかわしてシュートを決めるが、得点が伸び悩む。青学大はこのQも外が当たり、#9安藤がこのQだけで3本の3Pシュートを決める好調さを見せ、差を広げていく。筑波大は#6馬場(1年・SF・富山第一)が積極的に攻め始めてフリースローなどで得点するが、このQは11点とようやく二桁に乗ったという程度に終わり、前半は44-27の17点差で青学大がリードした。
後半、「気持ちに余裕ができたのがミスにつながった」と#9安藤。筑波大のディフェンスも変わり、ボールが回らずタフショット傾向になるがこれが入らない。リバウンドに絡めない青学大は#6馬場に次々と速攻に走られ、追い上げられる。前半は入らなかった#17杉浦(1年・PF・福大大濠)のシュートも入り始め、残り4分半で追いついた。青学大は#5高橋(4年・PG)の3Pもあるが#7の元、#0船生(3年・F)も3ファウルと苦しい状態。結局筑波大の勢いを止めることができずに51-56と逆転されてしまった。4Qも青学大は外を打たされる形が多く、筑波大の攻撃を止めるためにファウルがかさんでいってしまう。筑波大の勢いは途切れず、残り6分で10点のリードに。4Q後半に入って青学大は3Pや#7野本のゴール下のプレーも出るが、劣勢は変わらず。70-77で筑波大が27年ぶりの決勝進出を決めた。
青学大はここまで悪かったゲームの入りは改善。前半は良かった。しかし、「後半はディフェンスのヘルプも早く、誰かに頼ろうとしてしまった」(#9安藤)と、停滞したときにそれを打ち破る選手が出なかった。野本も後半はディフェンスで止められ、外も入らないという悪循環に陥ってしまった。田中を始め、必死に声を出して奮闘する場面もあったが、崩れかけたものを立て直すのは難しかったようだ。筑波大は前半は「フォーメーションで攻める中で自分が勝手に攻めてはいけないと思っていた」とおとなしかった馬場は、吉田監督にも発破をかけられて後半に奮起。それに杉浦も続いて、3Qに猛攻で畳み掛けた。寺部、村越、山本といった選手もそれぞれ役割を果たし、チームに大きく貢献した。
写真:シュートにいく筑波大・馬場。ダンクを失敗してリングをつかんだまま空中のボールに触れて、テクニカルを受ける場面もあった。しかしその反応ができるのも非凡な身体能力あってこそ。
※筑波大・村越選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.05.31 (Sat)
【2014トーナメント】5/31結果
神奈川大学78(24-17,13-21,20-15,20-18)71関東学院大学(順位決定戦)
早稲田大学88(23-12,14-24,27-16,24-14)66白鴎大学(順位決定戦)
拓殖大学75(18-26,18-20,17-23,22-15)84東海大学(準決勝)
青山学院大学70(22-16,22-11,7-29,19-21)77筑波大学(準決勝)
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2014.05.30 (Fri)
【2014トーナメント】5/30 9位決定戦 日本大VS大東文化大
大東文化大が終始リードで9位を獲得

日本大の得点源は#24刘とそして#14高橋(2年・SG)。#24刘はインサイドに#20毕がいる分、このポジションで優位とはならず、この日は#14高橋の当たりもなかなか来ない。ガードの#29上原(3年・PG)が1対1を仕掛けて決める場面もあるが日本大は2Qも8得点に終わる。大東大もロースコアながら速攻やアウトサイドも入って前半を終えて13-28とリード。
3Qに入るとようやく日本大は#14高橋の3Pが入って反撃の口火を切った。大東大も譲らず#20毕のアシスト、#99山崎のバスケットカウントなどオフェンスの流れは切らさず。日本大はこのQだけで3Pが4本入るが、#24刘が4ファウルとなり、苦しい状況に追い込まれてしまった。10点以上のリードを得て4Qに入った大東文化大は、そのままリードを許さず単発に終始する日本大を引き離す。日本大は#14高橋が攻めていき、#24刘もスティールからダンクを見せるが、大東大も#20毕がゲームの最後は3Pで締めて48-66でタイムアップ。大東文化大が勝利して昨年の14位より順位を上げて順位決定戦を締めくくった。

日本大は昨年度の16位よりランクアップしたものの、エース頼みになる点で明暗を分けた。高橋、上原、刘の3人が柱だが、困ったときはどうしても1対1に終始してしまう。能力ある選手は多数揃っており、チームプレーに磨きをかけていけるかも大事なポイントになるだろう。
写真上:見応えのあるマッチアップとなった日本大・と大東文化大・毕。
写真下:上原のガードとしての働きも今後の日本大が勝つための鍵となる。
※大東文化大・兒玉選手、日本大・高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.05.30 (Fri)
【2014トーナメント】11位決定戦 明治大VS法政大
主導権を握った明治大が押し切る

3Qも、2Q同様序盤は法政大ペース。#67佐藤の3Pと#24加藤の連続得点で再び逆転。このままの流れになるかとも思われたが、明治大には#37安藤と#12中東がいる。両名のシュートで返すと、明治大に主導権が渡った。法政大は#24加藤の孤軍奮闘という様相となり、攻撃のリズムが悪化。明治大は#22宮本(1年・PF・明成)も良い働きを見せ、終盤に出番を得た#2齋藤(1年・PG・桐光学園)も僅かなプレータイムながら7得点をマーク。法政大は#35山岸と#67佐藤のシュートが当たるも、劣勢を覆すには至らず。試合は84−74で、明治大に軍配が上がった。

法政大は、ベスト16入りは果たしたが、大会序盤に沼田が負傷で戦列を離れ、特に得点面で加藤への依存が高くなり過ぎた。今季のリーグ戦は、4年ぶりに1部の舞台。現在の選手たちには未体験の世界である。決して少なくはない課題を克服し、秋には存在感を示したいところだ。
写真上:伊澤は、大会を通じて明治大のインサイドを支え続けた。
写真下:シュートを打つ法政大・中野。このあたりの下級生もリーグ戦に向けてさらなる成長が必要だ。
※明治大・安藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※明治大・中東選手、法政大・松澤選手のインタビューは追って掲載します。
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2014.05.30 (Fri)
【2014トーナメント】13位決定戦 中央大VS国士舘大
中央大が劇的勝利!

1Q、#31流田(4年・G)が積極的に1on1を仕掛けてリードする中央大に対し、国士舘大も#18菅(3年・F)のドライブや#6伊集(4年・G)の3Pで対抗。#5永山(4年・F)の3Pも決まり14−16と国士館大が逆転して1Qを終えると、続く2Qも一進一退が続いた。中央大はルーキー#6柿内(1年・SG・北陸)が勝負強いシュートを決めていくが、国士館大#66馬(2年・C)や#9新田(4年・C)にリバウンドで粘られなかなかリードを広げられない。33−31と、中央大がわずかにリードして前半を終えた。
試合が動いたのは3Q。後半開始早々、#25森(2年・PF)のシュートを皮切りに中央大が怒濤の連続得点に成功する。#5谷口(4年・F)や#14鈴木(3年・F)のアウトサイドも気持ちよく決まり、開始5分で15点差をつけると、そのままリードを保持して58−48で4Qに進んだ。だが国士館大も、4Qから反撃開始。ベンチメンバーを起用する中央大に対し、前からディフェンスに当たって次々ターンオーバーを誘った。オフェンスでは#22原(3年・F)や#7大河原(4年・F)が冷静にシュートを決め、残り2分1点差と勝負は分からない。中央大は#31流田の得点で残り10.8秒2点先行したが、残り1.5秒で#22原がドライブを決め、試合は延長戦に突入した。
延長戦の先制点は#22原の3P。そこから国士館大がわずかに先行し、中央大が追いすがる展開が続いた。残り19.4秒に#22原が3Pを決めて国士館大が4点リードするが、残り13.3秒、#15八木橋(2年・PG)が3Pを決め返して1点差に。その後のファウルゲームで#6伊集がフリースローを1本決めて2点差としたが、#31流田のアシストから#25森が終了間際に決めて80−80の同点。勝負はダブルオーバータイムに持ち越された。

延長戦でどこまでも食い下がった中央大が最後に勝利をさらった。#14鈴木や#25森といった選手も活躍し、締めるところは4年生の#5谷口・#31流田がきっちり締めた。13位という結果ではあるが、新人戦、リーグ戦に向けてこの勝利を弾みにしたいところだ。一方の国士館大は、4Qでの追い上げは光ったものの、課題も見えた試合に。#22原、#9伊集には昨年以上の負担がかかり、本人たちも苦しんでいる状況だ。それでもまだシーズンは始まったばかり。1部を舞台とするリーグ戦に向け、夏の間の奮闘を期待したい。
写真上:国士舘大は大河原も走力を生かしたプレーを見せた。
写真下:決勝点を決めた#5谷口をチームメイトが囲んだ。
※中央大・谷口選手、流田選手、国士館大・伊集選手、原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.05.30 (Fri)
【2014トーナメント】5/30 15位決定戦 駒澤大VS慶應義塾大
下級生が経験を積んだ駒澤大は秋以降に期待

後半の立ち上がり、駒澤大は#6佐野の速攻や#20米澤(3年・SG)の3Pなどで開始3分で同点に。慶應大は#20西戸、#6権田(4年・F)の得点で返しその後もその後も控えを出しつつもじわじわ引き離した。駒澤大は#16渡邉(1年・PF・前橋育英)が積極的に攻撃を仕掛けるが、慶應大はフリースローなどで稼ぎ、このQで12点のリードを稼ぐと、4Qはそのリードを維持。終盤はディフェンスが甘くなり駒澤大に速攻に走られる場面もあったが、最後は72-88で慶應大が勝利した。

16位となった駒澤大は専修大を破ったベスト16決めの試合で攻守ともに一番良い部分が出せたが、さすがにベスト8以降の壁はそう簡単には崩せなかった。ただし、1年生が多くプレイングタイムを得ている状況下でこうして経験が得られたのは大きいはず。1年生は駒澤大得意のトランジションにも合ったメンバー。ここから新人戦、秋のリーグで確実に力をつけていければ2部復帰も視野に入る。
写真上:立ち上がりは西戸のシュートが好調だった慶應大。
写真下:駒澤大の川嵜は大会を通じてアウトサイドを決めていった。
※慶應義塾大・伊藤選手、吉川選手、駒澤大・佐野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2014.05.30 (Fri)
【2014トーナメント】5/31試合予定
12:00 神奈川大学 vs 関東学院大学(順位決定戦)
13:40 早稲田大学 vs 白鴎大学(順位決定戦)
15:30 拓殖大学 vs 東海大学(準決勝)
17:20 青山学院大学 vs 筑波大学(準決勝)
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