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2020.10.25 (Sun)
【2020関西リーグ1部】最終週(10/24〜25)レポート
関西を制したのは近畿大
混戦リーグを制しインカレへ

全12チームによる1巡総当たり制で開催となった関西1部リーグはこの週が最終週となった。短期戦となったことで、上位勢のつば迫り合いが繰り広げられた優勝争いは、最終試合までその行方がもつれる展開となった。
写真:近畿大は、柱のパトリックは健在だが、そこに坂口太一らベンチメンバーも融合した総合力の高さが目立った。
ベンチメンバーも活躍した近畿大が王座奪還
土曜日を迎える時点で自力優勝の可能性があったのが大阪学院大。優勝のためには連勝が必要だったが、ここでまず前年王者の京都産業大を下し一歩前進する。このほかの近畿大と天理大はいずれも勝利したため、最終日を残す段階で京産大の連覇の可能性が潰えた。
そして最終日、第5試合に組まれていたのが勝てば優勝の大阪学院大と、天理大により一戦となった。だが近畿大に1敗を喫して以降、好内容の続く天理大がここでも良さを見せる。堅いインサイドで大阪学院大を封じ、この日好調の#58川真田(4年・C)らの奮起もあって20点差の大勝。これで優勝の可能性は天理大と、近畿大に絞られた。
天理大は希望を繋いだが、直後のリーグ最終試合は序盤から近畿大が京産大をリードする展開に。#9パトリック(3年・C)、#36榎田(4年・SF)の両輪はもちろん、ベンチスタートながら今大会貢献度の高い#7坂口颯馬(4年・SG)、#21坂口太一(2年・PG)といった面々の得点も伸び、連敗中の京産大を寄せ付けなかった。稀に見る混戦を近畿大が制する形でリーグ戦が閉幕した。
濱田、今村といった主戦選手が卒業し、久々の公式戦となった近畿大。これまで経験の少なかったメンバーが多くなり未知数の部分も多かったが、それらのメンバーが起用に応えた大会となった。終盤は#93大町(3年・C)をスタートで起用し、これまでになかった新しい布陣も披露。インカレではサイズ面の解消も課題となるだけに、これが最終的にフィットすれば飛躍を期待できそうだ。
しかし、優勝を争いながら2位以下となったチームも、インカレに向け可能性を感じさせる内容だったことは間違いない。近畿大に喫した敗戦が最後に響いた天理大は、その後京産大、天理大を圧倒。去年も試合に絡んでいたメンバーが多く、チームの成熟度は高く、#3藤澤(4年・PG)が繰り出す緩急をつけたオフェンスが最後まで効力を発揮した。大阪学院大は#8吉井(4年・SF)の安定度もさることながら、#30金田(2年・SF)も器用さを見せ、#0深田(1年・SF・中部大第一)や#31鈴木(1年・PG・三重海星)のルーキーコンビも早々にチームにフィットした。最後に3連敗となった京産大は、やや苦しい終盤戦に。インカレでの巻き返しに期待したい。
写真:近畿大オフェンスのタクトを振るった平尾。自信の深まるリーグ戦になっただろう。
昇格初年度の龍谷大が逆転5位
18年ぶりインカレへ

一方このリーグ戦でもう一つ注目だったのが、最後のインカレ行き切符を掴むことのできる5位争いだった。5週目までこのポジションを堅持していたのは関西学院大。しかし大会6日目、龍谷大がこれに勝利したことをきっかけに、龍谷大が連勝街道に入っていった。
当週土曜日のゲームでは、龍谷大が勝利しプレッシャーをかけると、関西学院大は天理大に迫るも僅かに及ばず、これでついに龍谷大が5位に浮上した。翌最終日は第1試合に龍谷大が神戸医療福祉大と対戦。これに勝てば龍谷大の5位が確定する。試合は序盤から龍谷大が大量リード。終盤は詰め寄られるがなんとか交わし、6連勝目。1部復帰初年度を勝ち越したばかりか、インカレ出場権も手にする結果となった。未経験の中での戦い、サイズ不足を全員で補い、目標を達成した。
優勝とはいかずとも、インカレには進みたかった中位以下のチームとしては、決して満足のいく結果ではなかったかもしれない。コロナ流行の影響で、チームによっては準備の濃淡差もあった。また教育実習時期もずれ込んだことで、主力を欠いたチームもあり、なんとも言えない歯がゆさを感じた選手、チームは少なくないだろう。ただレギュレーション上、今年のリーグは降格なしとなっている。今後も不透明な状況が続く中で、いかに時間を有効に使いながら次の戦いに向かっていくか。今から模索が続く。
写真:5連敗スタートから6連勝フィニッシュとなった龍谷大が最後のインカレ行きを掴んだ。
【最終結果】
優勝・近畿大 10勝1敗
2位・天理大 10勝1敗
3位・大阪学院大 9勝2敗
4位・京都産業大 8勝3敗
5位・龍谷大 6勝5敗(5位・龍谷大まではインカレ出場権を獲得)
6位・関西学院大 6勝5敗
7位・立命館大 4勝7敗
8位・同志社大 4勝7敗
9位・関西大 4勝7敗
10位・大阪体育大 3勝8敗
11位・神戸医療福祉大 1勝10敗
12位・大阪経済大 1勝10敗
※近畿大・榎田選手、渡辺選手、天理大・藤澤選手のインタビュー、
京都産業大・サンブ選手、龍谷大・高橋選手のコメントは「続きを読む」へ。
※リーグ後半戦のフォトギャラリーは別途掲載します。
「チームが熱くなっても冷静を保つことには責任を持って」
◆#36榎田拓真(近畿大・4年・主将・PF)
大会期間前には教育実習でチームを離れていたというが、これまでどおりの安定したプレーを続けた。アウトサイドでもインサイドでもコンスタントに得点できる能力の幅の広さはこの大会でも健在。最上級生、そして主将として、まずは納得できる結果を得られたと言えよう。インカレでもその力を出し切り、上位進出を目指す。
—まずお気持ちを聞かせてください。
「チームとしてすごく嬉しく思っています。学院に負けてミーティングをして、仕切り直して頑張っていこうという気持ちが最後まで続いたので、そこが良かったかなと思います」
—天理大に敗れたことで、練習のやり方も見直したそうですね。
「そうですね。あそこをきっかけにチームとしてのあり方を見直して、相手についてもどういうディフェンスをしてくるということもしっかり見て、チーム全体としても共有することで、練習でも僕らに対して次の対戦相手を踏まえた練習というのをチームメイトがやってくれて、そうやって対策していきました。雰囲気としても、ゲームに臨んでいくぞという雰囲気を出していけましたね」
—久々の公式戦で、感覚を合わせる難しさはありましたか。
「僕自身はリーグの始まる前に教育実習に行っていてチームを3週間抜けていた時期がありました。チームに合わせられない部分も出てしまって、試合でもチームに貢献できない部分があったので難しかったです。ただ最後はアジャストしてやれたのかなと思います」
—今年はキャプテンで役割も大きいですね。
「今までは自分の役割を果たすだけだったんですけど、チーム全体の雰囲気を保たないといけなかったり、一人ひとりの表情を見てやらないといけない部分もあったり、目配りや気配りをしたところが大変だったなと思います。今日の試合でもチームが熱くなってしまう場面があって、そこで冷静になる方向に持っていかないといけないので、そこは自分が責任を持ってやらないといけない部分だとも感じています」
—経験の少ないメンバーが増えましたが、彼らに話していることは?
「出るからにはミスを気にせずに思い切ってやれと言って、とにかく好きなようにやらせていた感じです」
—関西1位としてインカレに向かいますね。
「関東は4番や3番も大きいですし、関西とは違って高さと強さもあるので、うちも大町を使っていきながら高さ対策もしていって。今まで2回戦が最高なので、もしパトが退場したらどうするかも想定しながら、インカレまでやっていかないといけないと思います」
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「経験のない選手もいる中でやっぱり喋らないといけない」
◆#13渡辺 新(近畿大・4年・SG)
今季もスタメンの座に座る。同じポジション、同学年の坂口颯馬もゲームに絡むようになり、昨年ほどの出番ではないが、2人で2番ポジションを補っていければと話す。過去3年は辛酸をなめさせられてきたインカレは、今年こその思いは強い。目標達成なるか。
—優勝おめでとうございます。タイトルは久々ですね。
「去年は西日本しか勝てなくて、インカレでも関東に勝てずで、今年はコロナもあった中で、ミーティングを去年よりも多くして、話す機会も増えました。今回が初めての大会で、経験のない1年生もいる中でやっぱり喋らないといけないなと。こうして勝てたのでまずは良かったです」
—今年のチームで取り組まれていることは何ですか?
「濱田さんと今村さんが卒業して、2人はハーフコートでの一対一が強かったんですけど、今年はその得点源がなくなったことで、走ろうというテーマでした。平尾や米澤、坂口が試合に絡んできて、実際に走れるようになったので、ディフェンスからの速攻というのはずっとチームで話していました」
—2番ポジションは坂口颯馬選手が本格的に戻ってきましたね。
「去年は濱高さんの穴を二人で埋めようと話している中で、颯馬が怪我をして自分だけになってしまったんですけど、今年やっと戻ってきてくれて、お互いにフォローしあっていけましたね。二人で2番ポジションをカバーしていこうと話していました」
—今年は春の大会がなく、調整も難しかったと思います。
「去年の内容的にフィジカル面に課題があったと感じて、コロナの期間でそこを補っていこうと思って体重も10キロ増やせました。それによって自分も去年までは2番ポジションのまでの相手にしかつけなかったのが、下のポジション相手にもマークマンとしてつけるようになって、ローテーションも上手くいくようになりました。それはやってきてよかったと思います」
—今年こそはインカレで上位を目指したいはずです。
「2年連続でベスト16で負けてしまっている中で、今年はベスト4が目標なんですけど、そのためには関東に最低でも2回は勝たないといけないので、インカレまでの1か月ちょっとの期間でしっかり対策していきたいと思います」
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「全国でも少ない天理のスタイルでプレーしていくのは楽しい」
◆#3藤澤尚之(天理大・4年・主将・PG)
リーグ戦は、直接対決の結果が響き2位。惜しくも優勝には届かなかった。ただ最終盤の出来には目を見張るものもあったのも事実。最後のインカレに向け、更にチームスタイルに磨きをかけていきたい。
—まず、準優勝という結果への受け止め方は?
「チームとして優勝を目指してやってきたので、準優勝ということになると悔しい気持ちです」
—ただ終盤の内容は出色でした。
「近大に負けた試合というのは、こちらのシュートが入らなかったというのが大きくて、試合の流れ自体は天理のペースだったと思っていますし、みんなでも上手くいっていたということを確認し合って、その日のうちに切り替えられましたし、そこから全勝すればまだ可能性はあるということで、自分たちのバスケットをすることを心がけていました。学院が近大に勝った試合が3点差で、その3点差を越えようという訳ではないですけど、最後は勝って終わろうということをみんなで共有できていたので、自分のやるべきことを集中してやれていたと思います」
—敗れたものの切り替えられたんですね。
「京産戦はサンブを抑えようということで、やらせることをある程度絞らせることができたと思っています。学院相手にも吉井相手に高橋がフェイスガードの形でついて、そこでも最初の方から気持ち良くやらせることがなかったことが、天理のペースにできた要因だと思います」
—経験豊富なメンバーが上級生中心に多いことも天理大の強みだと思います。
「自分は1年生の時から試合に出してもらっていますけど、少しずつ経験のある選手が増えてきたということはみんなの自信と良いプレーにも繋がっていると思います」
—リーグ戦の内容を見ると、インカレも期待が集まります。
「関西2位ということで、2回戦で関東との対戦になるだろうと思っています。関東を一つずつ潰していけるようにと意識しています。ベスト4、あわよくば優勝を目指すつもりでやっていきたいと思います」
—天理大のスタイルはディレイドですが、藤澤選手が緩急をつけてコントロールしているのも今の特徴のように感じます。
「最近そう言ってもらえることが多いんですけど、自分が意識しているというよりは、走れる選手も増えてきて、簡単に取れる点数は簡単に取ろうと意識した結果、緩急のついたオフェンスになったのかなと思います」
—藤澤選手は高校時代のキャリアがありますが、今振り返ってみて天理大はどのような違いがありますか?
「東山の場合はわざわざ話さなくてもできる、ということが多かったんですけど、天理では最初は初めての選手が多い中で上手く噛み合わないことが多かったです。ただ去年くらいから天理のバスケットというのを自分自身も良く理解できるようになってきたこともあってか、周りと上手く合わせられるようになった感覚があります。全国的にも天理のようなバスケットをやっているチームは少ないので、そういうスタイルをしてプレーしていくのは楽しいですね」
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【COMMENT】
「対応できなかったところを修正してインカレに臨みたい」
◆#23サンブアンドレ(京都産業大・3年・C)
連覇を目指したこのリーグ戦だったが、最後はまさかの3連敗。沈みがちな状況でも一人声を枯らしながらチームメイトを鼓舞し続けてきたが、苦しい現実を突きつけられた。この悔しさをインカレで晴らせるか。
「チームとしても自分としてもできなかったことがあった。ディフェンスもオフェンスも、リバウンド面も苦しかった。ただ、ダメだったところを見つけられたので、このリーグで対応できなかったところを修正してインカレに臨みたいと思っている。
僕たちが大学に入ってから、関西としてはインカレで上位にいけていない。なので今年のインカレでは暴れたいと思っている。
(積極的に声出し、声かけを行っているのが目を引いた)下を向いていてはいけないと思っていて、自分はキャプテンではないですけど、試合に出ている以上リーダーとしてチームを引っ張る立場だと思うので、みんなが一つに戦えるようにしようと思っている。ただ、さっきの話のように課題が今は多過ぎるので、それをなくすことが一番だと思う」
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「4回生に恩返しできた喜びが一番にこみ上げてきた」
◆#21高橋克実(龍谷大・2年・SG)
リーグ戦途中からベンチに回ったが、龍谷大の大きな得点源として重要な役割を全うした。チームメンバー全員が未経験の舞台でも、そのスコアリングセンスを見せつけたい。
「僕は2回生で試合に出させてもらっていて、4回生に恩返しできたことの喜びが一番にこみ上げてきた。僕がベンチから出ていくことでチームに勢いをつけさせることができると思ったので、自分からスタートから外してもらってベンチからの出場に徹することにした。スタートの時は勢いを持たせるためにガツガツやることが大事だと思っていて、ベンチから出る時はチームに勢いがある状態で入れるので、どちらもやりやすいが、僕は代わりに出る方が自分のプレーができるかなと思っている。周りも僕にボールを集めてくれて、積極的に打てという感じなので、気持ち良くプレーできている。
この大会では試合をやっていく中でチームも完成していったと思う。キャプテン(#10下畑)を中心に切り替えてやっていこうという話をしていて、一試合ずつ、前の試合のことは忘れてやっていけた。1部での勝利という経験がなくて、関学に勝ったことで勝利の味を感じられたので、その後の試合は、初勝利でやったようにプレーしていくだけだった。途中からチーム一丸になっている感じを僕たち自身も感じていて、新チームになった時から目標だったインカレに一歩ずつ近づいていったので、そこは全員で目標を忘れずにやっていけた。最後に勝つことができてホッとしている。
今年初めて1部でプレーしてシュート力の部分は通用したが、フィジカルの部分や高さのある相手に対するシュートの部分はもっと練習して、インカレや来年のリーグ戦につなげていきたい。インカレは、レベルは高いと思うけれど、やれる部分はどこかしらあると思う。チームとして勝てる部分を強調して勝利を目指していきたい」
混戦リーグを制しインカレへ

全12チームによる1巡総当たり制で開催となった関西1部リーグはこの週が最終週となった。短期戦となったことで、上位勢のつば迫り合いが繰り広げられた優勝争いは、最終試合までその行方がもつれる展開となった。
写真:近畿大は、柱のパトリックは健在だが、そこに坂口太一らベンチメンバーも融合した総合力の高さが目立った。
ベンチメンバーも活躍した近畿大が王座奪還

そして最終日、第5試合に組まれていたのが勝てば優勝の大阪学院大と、天理大により一戦となった。だが近畿大に1敗を喫して以降、好内容の続く天理大がここでも良さを見せる。堅いインサイドで大阪学院大を封じ、この日好調の#58川真田(4年・C)らの奮起もあって20点差の大勝。これで優勝の可能性は天理大と、近畿大に絞られた。
天理大は希望を繋いだが、直後のリーグ最終試合は序盤から近畿大が京産大をリードする展開に。#9パトリック(3年・C)、#36榎田(4年・SF)の両輪はもちろん、ベンチスタートながら今大会貢献度の高い#7坂口颯馬(4年・SG)、#21坂口太一(2年・PG)といった面々の得点も伸び、連敗中の京産大を寄せ付けなかった。稀に見る混戦を近畿大が制する形でリーグ戦が閉幕した。
濱田、今村といった主戦選手が卒業し、久々の公式戦となった近畿大。これまで経験の少なかったメンバーが多くなり未知数の部分も多かったが、それらのメンバーが起用に応えた大会となった。終盤は#93大町(3年・C)をスタートで起用し、これまでになかった新しい布陣も披露。インカレではサイズ面の解消も課題となるだけに、これが最終的にフィットすれば飛躍を期待できそうだ。
しかし、優勝を争いながら2位以下となったチームも、インカレに向け可能性を感じさせる内容だったことは間違いない。近畿大に喫した敗戦が最後に響いた天理大は、その後京産大、天理大を圧倒。去年も試合に絡んでいたメンバーが多く、チームの成熟度は高く、#3藤澤(4年・PG)が繰り出す緩急をつけたオフェンスが最後まで効力を発揮した。大阪学院大は#8吉井(4年・SF)の安定度もさることながら、#30金田(2年・SF)も器用さを見せ、#0深田(1年・SF・中部大第一)や#31鈴木(1年・PG・三重海星)のルーキーコンビも早々にチームにフィットした。最後に3連敗となった京産大は、やや苦しい終盤戦に。インカレでの巻き返しに期待したい。
写真:近畿大オフェンスのタクトを振るった平尾。自信の深まるリーグ戦になっただろう。
昇格初年度の龍谷大が逆転5位
18年ぶりインカレへ

一方このリーグ戦でもう一つ注目だったのが、最後のインカレ行き切符を掴むことのできる5位争いだった。5週目までこのポジションを堅持していたのは関西学院大。しかし大会6日目、龍谷大がこれに勝利したことをきっかけに、龍谷大が連勝街道に入っていった。
当週土曜日のゲームでは、龍谷大が勝利しプレッシャーをかけると、関西学院大は天理大に迫るも僅かに及ばず、これでついに龍谷大が5位に浮上した。翌最終日は第1試合に龍谷大が神戸医療福祉大と対戦。これに勝てば龍谷大の5位が確定する。試合は序盤から龍谷大が大量リード。終盤は詰め寄られるがなんとか交わし、6連勝目。1部復帰初年度を勝ち越したばかりか、インカレ出場権も手にする結果となった。未経験の中での戦い、サイズ不足を全員で補い、目標を達成した。
優勝とはいかずとも、インカレには進みたかった中位以下のチームとしては、決して満足のいく結果ではなかったかもしれない。コロナ流行の影響で、チームによっては準備の濃淡差もあった。また教育実習時期もずれ込んだことで、主力を欠いたチームもあり、なんとも言えない歯がゆさを感じた選手、チームは少なくないだろう。ただレギュレーション上、今年のリーグは降格なしとなっている。今後も不透明な状況が続く中で、いかに時間を有効に使いながら次の戦いに向かっていくか。今から模索が続く。
写真:5連敗スタートから6連勝フィニッシュとなった龍谷大が最後のインカレ行きを掴んだ。
【最終結果】
優勝・近畿大 10勝1敗
2位・天理大 10勝1敗
3位・大阪学院大 9勝2敗
4位・京都産業大 8勝3敗
5位・龍谷大 6勝5敗(5位・龍谷大まではインカレ出場権を獲得)
6位・関西学院大 6勝5敗
7位・立命館大 4勝7敗
8位・同志社大 4勝7敗
9位・関西大 4勝7敗
10位・大阪体育大 3勝8敗
11位・神戸医療福祉大 1勝10敗
12位・大阪経済大 1勝10敗
※近畿大・榎田選手、渡辺選手、天理大・藤澤選手のインタビュー、
京都産業大・サンブ選手、龍谷大・高橋選手のコメントは「続きを読む」へ。
※リーグ後半戦のフォトギャラリーは別途掲載します。
[続きを読む]
【INTERVIEW】「チームが熱くなっても冷静を保つことには責任を持って」

大会期間前には教育実習でチームを離れていたというが、これまでどおりの安定したプレーを続けた。アウトサイドでもインサイドでもコンスタントに得点できる能力の幅の広さはこの大会でも健在。最上級生、そして主将として、まずは納得できる結果を得られたと言えよう。インカレでもその力を出し切り、上位進出を目指す。
—まずお気持ちを聞かせてください。
「チームとしてすごく嬉しく思っています。学院に負けてミーティングをして、仕切り直して頑張っていこうという気持ちが最後まで続いたので、そこが良かったかなと思います」
—天理大に敗れたことで、練習のやり方も見直したそうですね。
「そうですね。あそこをきっかけにチームとしてのあり方を見直して、相手についてもどういうディフェンスをしてくるということもしっかり見て、チーム全体としても共有することで、練習でも僕らに対して次の対戦相手を踏まえた練習というのをチームメイトがやってくれて、そうやって対策していきました。雰囲気としても、ゲームに臨んでいくぞという雰囲気を出していけましたね」
—久々の公式戦で、感覚を合わせる難しさはありましたか。
「僕自身はリーグの始まる前に教育実習に行っていてチームを3週間抜けていた時期がありました。チームに合わせられない部分も出てしまって、試合でもチームに貢献できない部分があったので難しかったです。ただ最後はアジャストしてやれたのかなと思います」
—今年はキャプテンで役割も大きいですね。
「今までは自分の役割を果たすだけだったんですけど、チーム全体の雰囲気を保たないといけなかったり、一人ひとりの表情を見てやらないといけない部分もあったり、目配りや気配りをしたところが大変だったなと思います。今日の試合でもチームが熱くなってしまう場面があって、そこで冷静になる方向に持っていかないといけないので、そこは自分が責任を持ってやらないといけない部分だとも感じています」
—経験の少ないメンバーが増えましたが、彼らに話していることは?
「出るからにはミスを気にせずに思い切ってやれと言って、とにかく好きなようにやらせていた感じです」
—関西1位としてインカレに向かいますね。
「関東は4番や3番も大きいですし、関西とは違って高さと強さもあるので、うちも大町を使っていきながら高さ対策もしていって。今まで2回戦が最高なので、もしパトが退場したらどうするかも想定しながら、インカレまでやっていかないといけないと思います」
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「経験のない選手もいる中でやっぱり喋らないといけない」

今季もスタメンの座に座る。同じポジション、同学年の坂口颯馬もゲームに絡むようになり、昨年ほどの出番ではないが、2人で2番ポジションを補っていければと話す。過去3年は辛酸をなめさせられてきたインカレは、今年こその思いは強い。目標達成なるか。
—優勝おめでとうございます。タイトルは久々ですね。
「去年は西日本しか勝てなくて、インカレでも関東に勝てずで、今年はコロナもあった中で、ミーティングを去年よりも多くして、話す機会も増えました。今回が初めての大会で、経験のない1年生もいる中でやっぱり喋らないといけないなと。こうして勝てたのでまずは良かったです」
—今年のチームで取り組まれていることは何ですか?
「濱田さんと今村さんが卒業して、2人はハーフコートでの一対一が強かったんですけど、今年はその得点源がなくなったことで、走ろうというテーマでした。平尾や米澤、坂口が試合に絡んできて、実際に走れるようになったので、ディフェンスからの速攻というのはずっとチームで話していました」
—2番ポジションは坂口颯馬選手が本格的に戻ってきましたね。
「去年は濱高さんの穴を二人で埋めようと話している中で、颯馬が怪我をして自分だけになってしまったんですけど、今年やっと戻ってきてくれて、お互いにフォローしあっていけましたね。二人で2番ポジションをカバーしていこうと話していました」
—今年は春の大会がなく、調整も難しかったと思います。
「去年の内容的にフィジカル面に課題があったと感じて、コロナの期間でそこを補っていこうと思って体重も10キロ増やせました。それによって自分も去年までは2番ポジションのまでの相手にしかつけなかったのが、下のポジション相手にもマークマンとしてつけるようになって、ローテーションも上手くいくようになりました。それはやってきてよかったと思います」
—今年こそはインカレで上位を目指したいはずです。
「2年連続でベスト16で負けてしまっている中で、今年はベスト4が目標なんですけど、そのためには関東に最低でも2回は勝たないといけないので、インカレまでの1か月ちょっとの期間でしっかり対策していきたいと思います」
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「全国でも少ない天理のスタイルでプレーしていくのは楽しい」

リーグ戦は、直接対決の結果が響き2位。惜しくも優勝には届かなかった。ただ最終盤の出来には目を見張るものもあったのも事実。最後のインカレに向け、更にチームスタイルに磨きをかけていきたい。
—まず、準優勝という結果への受け止め方は?
「チームとして優勝を目指してやってきたので、準優勝ということになると悔しい気持ちです」
—ただ終盤の内容は出色でした。
「近大に負けた試合というのは、こちらのシュートが入らなかったというのが大きくて、試合の流れ自体は天理のペースだったと思っていますし、みんなでも上手くいっていたということを確認し合って、その日のうちに切り替えられましたし、そこから全勝すればまだ可能性はあるということで、自分たちのバスケットをすることを心がけていました。学院が近大に勝った試合が3点差で、その3点差を越えようという訳ではないですけど、最後は勝って終わろうということをみんなで共有できていたので、自分のやるべきことを集中してやれていたと思います」
—敗れたものの切り替えられたんですね。
「京産戦はサンブを抑えようということで、やらせることをある程度絞らせることができたと思っています。学院相手にも吉井相手に高橋がフェイスガードの形でついて、そこでも最初の方から気持ち良くやらせることがなかったことが、天理のペースにできた要因だと思います」
—経験豊富なメンバーが上級生中心に多いことも天理大の強みだと思います。
「自分は1年生の時から試合に出してもらっていますけど、少しずつ経験のある選手が増えてきたということはみんなの自信と良いプレーにも繋がっていると思います」
—リーグ戦の内容を見ると、インカレも期待が集まります。
「関西2位ということで、2回戦で関東との対戦になるだろうと思っています。関東を一つずつ潰していけるようにと意識しています。ベスト4、あわよくば優勝を目指すつもりでやっていきたいと思います」
—天理大のスタイルはディレイドですが、藤澤選手が緩急をつけてコントロールしているのも今の特徴のように感じます。
「最近そう言ってもらえることが多いんですけど、自分が意識しているというよりは、走れる選手も増えてきて、簡単に取れる点数は簡単に取ろうと意識した結果、緩急のついたオフェンスになったのかなと思います」
—藤澤選手は高校時代のキャリアがありますが、今振り返ってみて天理大はどのような違いがありますか?
「東山の場合はわざわざ話さなくてもできる、ということが多かったんですけど、天理では最初は初めての選手が多い中で上手く噛み合わないことが多かったです。ただ去年くらいから天理のバスケットというのを自分自身も良く理解できるようになってきたこともあってか、周りと上手く合わせられるようになった感覚があります。全国的にも天理のようなバスケットをやっているチームは少ないので、そういうスタイルをしてプレーしていくのは楽しいですね」
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【COMMENT】
「対応できなかったところを修正してインカレに臨みたい」
◆#23サンブアンドレ(京都産業大・3年・C)

「チームとしても自分としてもできなかったことがあった。ディフェンスもオフェンスも、リバウンド面も苦しかった。ただ、ダメだったところを見つけられたので、このリーグで対応できなかったところを修正してインカレに臨みたいと思っている。
僕たちが大学に入ってから、関西としてはインカレで上位にいけていない。なので今年のインカレでは暴れたいと思っている。
(積極的に声出し、声かけを行っているのが目を引いた)下を向いていてはいけないと思っていて、自分はキャプテンではないですけど、試合に出ている以上リーダーとしてチームを引っ張る立場だと思うので、みんなが一つに戦えるようにしようと思っている。ただ、さっきの話のように課題が今は多過ぎるので、それをなくすことが一番だと思う」
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「4回生に恩返しできた喜びが一番にこみ上げてきた」
◆#21高橋克実(龍谷大・2年・SG)

「僕は2回生で試合に出させてもらっていて、4回生に恩返しできたことの喜びが一番にこみ上げてきた。僕がベンチから出ていくことでチームに勢いをつけさせることができると思ったので、自分からスタートから外してもらってベンチからの出場に徹することにした。スタートの時は勢いを持たせるためにガツガツやることが大事だと思っていて、ベンチから出る時はチームに勢いがある状態で入れるので、どちらもやりやすいが、僕は代わりに出る方が自分のプレーができるかなと思っている。周りも僕にボールを集めてくれて、積極的に打てという感じなので、気持ち良くプレーできている。
この大会では試合をやっていく中でチームも完成していったと思う。キャプテン(#10下畑)を中心に切り替えてやっていこうという話をしていて、一試合ずつ、前の試合のことは忘れてやっていけた。1部での勝利という経験がなくて、関学に勝ったことで勝利の味を感じられたので、その後の試合は、初勝利でやったようにプレーしていくだけだった。途中からチーム一丸になっている感じを僕たち自身も感じていて、新チームになった時から目標だったインカレに一歩ずつ近づいていったので、そこは全員で目標を忘れずにやっていけた。最後に勝つことができてホッとしている。
今年初めて1部でプレーしてシュート力の部分は通用したが、フィジカルの部分や高さのある相手に対するシュートの部分はもっと練習して、インカレや来年のリーグ戦につなげていきたい。インカレは、レベルは高いと思うけれど、やれる部分はどこかしらあると思う。チームとして勝てる部分を強調して勝利を目指していきたい」
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