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2019.12.04 (Wed)

【2019関西新人戦】11/24 最終日レポート

関西新人戦は近畿大が6年ぶり制覇

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 リーグ戦の余熱を残したまま、関西では新人戦が開催された。準決勝までは連日ダブルヘッダーで一気に日程を消化する点はこれまでと同様だが、昨年からインカレの開催時期が12月に変わったことで、この新人戦も11月後半の実施に変更。リーグ戦とインカレの間の僅かな期間での開催となり、ここに臨む姿勢は各チームそれぞれとなった。

写真:優勝を決めた近畿大。


191124KISHIMOTO.jpg 大会はこの日が最終日。まず3位決定戦に登場したのは、大阪商業大関西学院大。来年はこれまでより上のカテゴリとなる2部で戦うことが決まっている大阪商業大が、序盤#6大坪(1年・PF・岐阜農林)、#0武本(1年・PF・福井)の3Pでリードする。しかし、関西学院大もすぐに反撃攻勢に転じる。#12岸本(2年・SG)のシュートが次々とゴールを射抜き、すぐに逆転に成功。ただ大阪商業大もここで切れることなく、#6大坪らの得点で食い下がり、1Qのビハインドは2点に止めた。だが、2Qからは地力差がのしかかり始める。関西学院大は、#97宮内(1年・C・箕面自由学園)の高さも活かしつつバランスよく得点を重ね、引き離しに成功。大阪商業大も#24雲井(2年・SG)の3Pで応戦するが、インサイドでは難しい戦いを強いられた。最後は90−71で、関西学院大が3位となった。

写真:25得点10リバウンドと気を吐いた関西学院大・岸本。


近畿大が本領を発揮し京都産業大に完勝

191124TAKEHARA.jpg 決勝は、関西でトップを走る存在となった京都産業大近畿大の対戦となった。序盤から近畿大は#46柳原(2年・PG)が好調。#9パトリック(2年・C)とともに次々とシュートを決めていきスタートダッシュに成功した。対する京産大は、#23サンブ(2年・C)がリーグ終盤に引き続き欠場。加えて#90北條(2年・PG)もポイント出場を強いられ苦しい陣容。その中でも#22武原(2年・PG)が大事なアウトサイドをことごとく沈めて近畿大に食い下がる。近畿大は#21坂口(1年・PG・金沢)もアウトサイドが好調で、前半はハイペースな内容に。50−43というスコアでの折り返しとなった。

 3Q、近畿大が一気にスパートを図る。京産大のシュートが落ち始めたのを尻目に、#9パトリックのインサイドで順調にオフェンスを展開。#4刀祢(1年・SG・宇部工業)の3Pなども出て、10分を残して19点リードに。4Qもペースを落とさず、リードを広げていき勝負を決めた。最後は95−67とし、6年ぶりの優勝を決めた。

191124TONE.jpg 近畿大、京産大とも、すぐにインカレが控えている中での大会となったが、決勝まで勝ち上がったのはさすが。京産大がベストコンディションでない中で大きな点差がついたが、その中でもともに前半は能力値の高さを見せつけるような内容だった。新人戦チームでの戦いではあったものの、この先のインカレでの目標である打倒・関東に向け、さらに勢いをつけていけるか。

写真上:スタメンに抜擢された京産大・武原。驚異的な確率でアウトサイドのシュートを沈めていった。
写真下:相手に大きなダメージを与えた刀祢の3P。近畿大は経験の少ないメンバーも存分に良さを発揮したゲームだった。

※近畿大・パトリック選手、京産大・小西選手のコメントは「続きを読む」へ。
EDIT  |  21:22  |  2019関西  |  Top↑

2019.11.07 (Thu)

【2019関西リーグチャレンジマッチ決勝】11/7 大阪体育大VS大阪国際大

地力の差を見せた大阪体育大が
インカレへの最終切符を掴む


 今年も関西のシーズン終盤の大一番、チャレンジマッチが、リーグ戦閉幕の4日後、東淀川体育館で行われた。昨年より各部を全勝で優勝したチームのみに出場権があるというレギュレーションもあり、今年ここで戦うこととなったのは、6部全勝の大阪国際大。これに対するは、1部5位を執念で確保した大阪体育大となった。

191107OGOSHI.jpg 所属するカテゴリの差の大きさゆえに、行方が全くの未知数となったこの一戦。立ち上がり、先手を打ったのは大阪国際大だった。#9森下(1年・PF・寝屋川西)が3Pを沈める。大阪体育大はその直後に#20山田(4年・SG)が3Pを狙うも外れ、やや不穏な流れ。だがその#20山田がジャンプシュートを決めて応援席も沸く。しかし#7坂本(3年・PF)がゴール下を決めて大阪国際大も盛り上がる。ただ、ここから流れは大阪体育大に。#20山田、#9藤本(3年・PG)の得点で逆転に成功。この間、大阪国際大にバイオレーションが続き、単発なオフェンスに陥る。反面大阪体育大は#11池田(3年・SF)のレイアップ、#14中原(2年・PF)のゴール下などで順調にスコアを伸ばし続ける。1Qで早くも2桁点差とすると、エンジンのかかった2Qは猛ラッシュ。持ち味の機動力を全面に出し、このQだけで30得点。大阪国際大は#14松原(1年・PG・神戸村野工業)の3Pなどもあるが、ファウルも出始め大きく引き離された。大阪体育大は、ベンチメンバーも起用しながら余裕ある試合運びを展開していった。最後は4年生のみのメンバーとし、107−52という快勝。2年ぶりのインカレ出場を決めた。

191107KAMEI.jpg 6部全勝優勝と言えども、さすがにこの舞台では地力差を示された大阪国際大。ただ、1年生を中心にしたチームであり、将来性を感じさせる。来年よりリーグ編成が変わることもあり、短い間にさらに力をつけ、上部のリーグを賑わせる存在になっていきそうだ。

 立ち上がりこそ出遅れたが、大阪体育大はさすがのパフォーマンスを発揮。終盤はベンチメンバーもコートに送り込んだが、スタメンと変わらない働きを見せたことは、今後に向けて収穫だろう。インカレの舞台は2年ぶり。貫いてきている脚力を活かしたバスケットがどこまで通用するか、期待したい。

写真上:最後のインカレ枠を手にした大阪体育大は、主将の生越も果敢な攻めを見せた。
写真下:亀井も1年生の大阪国際大。成長が楽しみなチームだ。

※大阪体育大・山田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
EDIT  |  23:00  |  2019関西  |  Top↑

2019.11.03 (Sun)

【2019関西リーグ1部】11/3 関西学院大VS関西大 & 天理大VS大阪体育大

負けられない関西学院大が勝ち点11とするも
大阪体育大も執念の勝利で最終的に5位を死守


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 前日を終えた段階で、勝ち点はともに10。関西学院大大阪体育大は、同勝ち点でリーグ最終日を迎えることとなった。ともに勝てば直接対決の得失点差で上回る大阪体育大がチャレンジマッチ行きとなるが、仮に関西学院大が勝利し、大阪体育大が敗れれば、関西学院大が逆転で5位となる状況。運命の最終日は、関西学院大が第2試合で関西大と、大阪体育大は第4試合で天理大と対戦することとなった。

写真:終了のブザーの瞬間、涙のウィリアムと笑顔の藤本が抱き合う。好対照な表情を見せた殊勲者2名が喜び合うその奥でも、比嘉監督が山田を労った。


関西大も食い下がるが関西学院大が押し切る

191103KG.jpg まず登場した関西学院大は、勝利して大阪体育大を追い込みたいところ。ただ、立ち上がりは関西大が#33関野(4年・PF)、#0足立(4年・PG)の3Pでリード。関西学院大は出遅れる。しかし2Q早々に#18古谷(2年・PF)の3Pで追いつくと波に乗った。#7横川(3年・SG)も3Pを続け、前半のうちに勝ち越しに成功してみせ、その後も#50坂本(4年・PF)が得点を続けていく。ただこの試合が今シーズン最後となることが決まっている関西大も、#56岸(2年・PF)の3P、#0足立(4年・PG)のドライブなどが出て大きくは離されない。終盤にはゾーンを展開し、関西学院大も一時無得点の時間帯に陥る。しかし#13古家(4年・PG)の3Pで事態を打開し、捕まえさせず。80−68とし、絶対条件であるこの試合での勝利をものにした。

191103KISHI.jpg 1巡目は負け越した関西学院大。生命線と言えるシュートがなかなか入らず苦しんだ。しかし2巡目は、坂本、横川といった面々が調子を上げ、上位陣に食い下がっていった。インサイドはウィークポイントではあるが、古谷の台頭も目立った。今回の順位如何にかかわらず、潜在的にそれだけの力を持ち合わせていることは改めて証明した格好となった。

 岸や西村といった下級生の働きも目立ったものの、関西大はリーグ序盤から安定しない戦いとなってしまった。1巡目に足立が負傷で欠場を強いられ、本人もこれを悔やんだ。ベンチメンバーも遜色ないプレーができれば、トップレベルのチームにも通用することは、近畿大などを破ったことからも証明済み。選手全員で安定したパフォーマンスを発揮できるかどうかが、来季以降の浮沈を左右する。

写真上:関西学院大は、小西、坂本、横川と言った面々が、リーグ終盤の猛追に大きく貢献。
写真下:今大会成長した関西大・岸は3P王に。この活躍を、来年以降も続けたい。

※関西学院大・古家選手、関西大・足立選手のインタビューは「続きを読む」へ。


2位も射程の天理大をねじ伏せ
大阪体育大がチャレンジマッチへ


191103FUJIMOTO.jpg 関西学院大が勝利したことで、5位確保には勝利が必要になった大阪体育大。序盤こそ、この試合で勝てば2位の可能性もある天理大と一進一退の攻防となるが、#20山田(4年・SG)のジャンプシュートを皮切りに、#6ウィリアム(2年・SF)のミドルシュート、#9藤本(3年・PG)の得点も出て波状攻撃に出る。互いにファウルが込みフリースローが多くなるが、#9藤本の3P、#6ウィリアムのバスケットカウントも出ると1Qの段階で大阪体育大が10点以上のリードに。早々に#20山田がファウルトラブルとなってしまうが、なおも#6ウィリアム、#9藤本の得点が出て天理大を翻弄する。ただ笛には苦しみ、#23志水(2年・C)、#11池田(3年・SF)も前半で3ファウルに。天理大も#58川真田(3年・C)や#93高橋(3年・SF)の得点で、前半は11点ビハインド。

 後半、まず口火を切ったのは#93高橋のシュート。それに3Pも加えると、#58川真田もペイント内を制し、天理大が詰め寄る。大阪体育大は得点が停滞。ただフリースローをコツコツと決め、どうにかつなぐ。5点差にまで戻された4Q、#6ウィリアムが速攻でバスケットカウントを決め、これで再び勢いづいた。この後#9藤本が得点を続け、逆に天理大の得点がストップ。再度10点差とされた天理大は#3藤澤(3年・PG)、#24佐々木(4年・PG)が返していくが、大阪体育大はその都度決め返してリードを堅持した。最後は67−58で逃げ切りに成功。5位の決まったタイムアップの瞬間、それぞれのメンバーが喜びを爆発させた。

191103TAKAHASHI.jpg 大阪体育大は、今大会1巡目から好調。ただ中盤はやや調子を落とし、関西学院大に迫られた。ただ、決してサイズに恵まれているチームではないが、40分間走り切るスタイルを最後まで貫き続けた。終盤は執念の勝利を積み上げ、インカレへの可能性をチャレンジマッチにつないだ。

 既にインカレ出場の決まっていた天理大。前日は京産大に快勝し、この日も高橋や川真田が良さを見せたが、気持ちでぶつかってきた大阪体育大を破るには至らず。しかし、リーグを通じ川真田とイソフにベンチから二見が絡むインサイドは安定し、佐々木らアウトサイド陣も高い能力を発揮。2部からの復帰初年度で、上々の結果と言えよう。インカレで、そのバスケットがどこまで通用するか。

写真上:この日24得点の藤本。気持ちを見せるプレーで大阪体育大を牽引した。
写真下:天理大は、高橋もリーグ戦を通じて成長した印象が強い。今後もよりレベルの高い働きを示したい。

※天理大・藤林選手のインタビューは「続きを読む」へ。
EDIT  |  23:55  |  2019関西  |  Top↑

2019.11.03 (Sun)

【2019関西リーグ1部】最終日(11/3)レポート

 関西リーグはこの日が1部の最終日。優勝チームは既に京都産業大に決まり、インカレ出場チームも4枠が固まった段階ではあったものの、出場各選手が気持ちの入ったプレーを披露。例年とは異なり、最終週も無料入場が可能になったことも手伝ってか、東淀川体育館には多くの観衆が詰めかけた。それに応えるかのように、リーグ戦の最後を飾るにふさわしい戦いが続いていった。


流通科学大が意地を示すも同志社大が譲らず白星締め

191103FURUMURA.jpg 最初に登場の流通科学大は10位が既に確定。2部3位との入替え戦に進むこととなっているが、前日関西大相手に見せたのと同様に、この日も勝利への執念を見せた。序盤こそ同志社大がフリースローで得点を伸ばすが、#18永本(1年・PG・西海学園)、#54山本(3年・SF)の連続3Pですかさず追いつく。この日は#54山本が好調で、同志社大が抜け出しかけても外のシュートを決めていき僅差での攻防が続く。だが同志社大は#84北方(2年・SG)の3P、#88長﨑(2年・SG)の速攻が出て8点リードし前半終了。こうなるとこのまま引き離される展開が目立っていた今年の流通科学大。しかしこの日は粘る。3Q、今度は#14松屋(4年・SF)がオフェンスを牽引。サイズで優位な同志社大に引かず、次々と3Pを決めて一挙に逆転。3Q終盤に一旦は9点差とした。一方負けて終われない同志社大もここから#21田邉(4年・PF)、#24万久里(3年・SF)の奮闘で迫り、4Q開始すぐに#5古村(4年・PF)の速攻で再び同点とする。ここからは一進一退の攻防となるが、終盤は同志社大#88長﨑の活躍が際立ち貴重なセカンドショット、さらにバスケットカウントも出て僅かながらのリードを維持。最後は#24万久里の3Pで勝利をほぼ手中とした。最後は77−72となり、同志社大が3つ目の勝ち点を得て大会を終えた。

191103MATSUYA.jpg ともに苦しいリーグ戦だったが、同志社大は2巡目に立命館大に勝利したことで、流通科学大との勝ち点差を広げ、これが最終週に効き、順位決定を最終日前に決めることができた。しかし自動残留を決めたチームからは古村、田邉の両名が卒業していくこととなり、チームの再構築は必至。幸いリーグ戦では高嶋や丸山といった下級生インサイドも経験を重ねた。昨年リーグ4位となった躍進を再現するために、オフシーズンからの強化にいかに力を注いでいけるかも重要だ。

 流通科学大は、最後までサイズ面で苦しい戦いとなった。今年は入替え戦で挽回のチャンスがあるが、この点をいかに克服していくかが、入替え戦のみならず来年以降に突きつけられた課題と言えよう。能力のあるメンバーは揃っているだけに、ポテンシャルは見えている。その弱点をカバーできれば今後怖い存在になっていけるだろう。


写真上:同志社大は、古村が田邉の負傷欠場中も献身的に我慢のプレーを続け、入替え戦を回避した。
写真下:170センチのサイズでも果敢に攻め込み続けた流通科学大・松屋。


大阪学院大が立命館大を寄せ付けず13勝目

191103OGAWA.jpg 2巡目に入り、勢いに乗っている大阪学院大。既にインカレ出場が決まってはいるものの、最終日も立命館大相手に、その力を余すことなくぶつけていった。相手のフリースローのミス、24秒オーバーを尻目に#8吉井(3年・SF)を中心に#43都築(3年・PF)、#6山下(2年・PG)の得点もあって快調に飛ばす。立命館大は#13大竹(3年・SG)の3Pや#1満尾(1年・SF・尼崎小田)のゴール下などが出るが、前半で2桁点差に。後半早々に#32大野(4年・SG)の2本の3Pで迫るも、ここで大阪学院大が#8吉井が気を吐き、一挙に差を開いた。結局最後はやや立命館大に詰め寄られたが、80−71で13勝目を挙げた。

 2巡目は順調に白星を並べ、近畿大に肉薄することとなった大阪学院大。吉井の実力はさることながら、2巡目は都築がリバウンド面で貢献し、小川も本来の状態を取り戻していった。ガードにも儀間を据え、固まってきた印象だ。毎年出場を続けているインカレの舞台では、関東勢を越えるには至っていない。今年はこの状態を持続させ、上のステージで戦うことができるか。

191103MATSUHASHI.jpg 長年守ってきた1部から降格し、昨年の2部2位を経て言わば再出発元年となった立命館大は8位。このチームも、この日好調だった大竹や満尾のみならず、3年生以下にも才能の片鱗を感じさせるプレーヤーは多い。サイズ面でも他に引けを取らない布陣だけに、今大会でなかなか勝ち切れなかったのは惜しいところ。来年こそは上位進出、インカレ出場に期待したい。


写真上:大阪学院大は、小川も2巡目は一気にパフォーマンスを上げた。コンスタントな活躍ぶりを、この先も継続させていきたい。
写真下:マークが寄る中でも果敢にシュートを狙い続けた立命館大・松橋。最上級生となる来季は、これまで以上のプレーに期待が集まる。


不調を感じさせないプライドを見せた近畿大が一矢報いる

191103KONISHI.jpg すでに優勝を決めたものの、前週負傷のサンブが前日に続いて欠場の京都産業大。対する近畿大もこの日はパトリックが欠場という中でのリーグ最終試合となった。先行は京産大。成長著しい#7小西(1年・C・鳥羽)がペイント内で順調にスコアを伸ばし、近畿大は単発なオフェンスで大きく出遅れる。しかし2Qに入り#13渡辺(3年・SG)の連続得点でエンジンがかかり始め、#33濱田(4年・PG)、#24今村(4年・PF)も3Pを決めてじわじわと点差を埋めていく。3Q中盤、#36榎田(3年・PF)の得点が続いて一気に逆転に成功。その後も攻撃の手を緩めない。追いつかれた京産大は#10上田(2年・SG)が得意の鋭いドライブでスコアを重ね、この時間帯はシーソーゲームの様相となった。最終盤になり勝利の女神を振り向かせたのは近畿大。#36榎田の得点で勝ち越すと、#24今村のフリースロー、#56米澤(1年・SG・延岡学園)のレイアップなどで5点リードに。京産大は当たりにいくが、#33濱田が冷静にフリースローを決めてリードを堅持し79-73でゲームセット。2巡目は非常に苦しんだ近畿大だったが、最後に京産大を下し、2位の座は確保した。

191103IMAMURA.jpg リーグ佳境の段階からまさかの失速で連覇を逸した近畿大。歯車が噛み合わないどん底の3週間だったが、なんとか最後は意地を見せた。インカレには態勢を立て直して臨みたいところだろう。一方の京産大は、重要だと認識していた優勝決定後のゲームで連敗し。最後に課題を突きつけられた。ただ、多くのメンバーが万全の状態でなかった今大会を鑑みれば、この2日間はまさに満身創痍の状態でもあった。インカレ前には新人戦も控えるが、まずは早期にコンディションを回復してほしい。

 インカレでは両者とも昨年悔しい思いを経験している。今年も立ちはだかる関東勢との戦いは、容易なものではないだろう。リーグ終盤に味わった苦い思いをインカレの舞台で払拭し、一歩上のレベルに到達できるか。


写真上:新人賞を獲得した京産大・小西。このリーグ戦は、インサイド陣のアクシデントを支え続けた。
写真下:いつも以上のアグレッシブさを見せた今村。近畿大に意地の白星をもたらした。

【最終成績】
優勝・京都産業大学 勝ち点15
2位・近畿大学   勝ち点13
3位・大阪学院大学 勝ち点13
4位・天理大学   勝ち点12
5位・大阪体育大学 勝ち点11
6位・関西学院大学 勝ち点11
7位・関西大学   勝ち点7
8位・立命館大学  勝ち点5
9位・同志社大学  勝ち点3
10位・流通科学大学 勝ち点0


・近畿大・濱田選手
・大阪学院大・吉井選手のインタビュー
・立命館大・葛原選手
・同志社大・田邊選手のコメントは「続きを読む」へ。


※天理大vs大阪体育大、関西学院大vs関西大は別途掲載します。
EDIT  |  23:49  |  2019関西  |  Top↑

2019.11.02 (Sat)

【2019関西リーグ1部】終盤戦レポート(10/27〜11/2)

京都産業大が2年ぶりの優勝を決める
インカレのかかる5位争いは最終日へ


 約2ヶ月にわたって全18試合をこなす関西リーグは、大会17日目までが終了した。日程は、いよいよ最終日を残すのみとなった。

 負傷者も決して少なくない状況で、例年以上に各チームの好不調の波が見られた今大会。全ての期間を通じ、満足な戦績、内容とはならなかったチームは少なくないだろう。それでも最終日は最後だからこそ、それぞれが納得できる戦いぶりを示し、これから臨むこの先の戦いへのきっかけとしたいところだ。


黒星発進から立て直し見事な15連勝
負傷者を補った京産大のチーム力


191102KYOSAN.jpg 昨年と同じように京都産業大近畿大の並走が続いた優勝争いは、中盤以降安定感のある戦いを続けた京産大が2試合を残す状況で制することとなった。開幕時は#38リンダー(4年・PF)を負傷で欠き、初戦でいきなり敗れるという最悪の滑り出しだった。しかし、2試合目以降はどうにか勝ち星を並べ続け、徐々にではあるが本来の状態を取り戻していった。

 その中で14試合目には#24大庭(4年・SF)が負傷交代。追走する近畿大が調子を落とし、引き離す機運が出た中でのアクシデントに、不安を掻き立てられたメンバーもいただろう。しかし、その大庭が欠場となった翌週の15試合目・大阪学院大とのゲームを僅差で制すと、翌日の大阪体育大相手には完勝。この時点で2年ぶりのリーグ優勝を決めた。

 結局2戦目以降は15連勝を記録し優勝を決めた今大会の京産大。期間中、負傷者に悩まされてきたが、バックアップのメンバーがそれを我慢強く補い続けた。まさしくチーム力、総合力の高さを見せつけた優勝だった。


2〜4位・5〜6位の最終順位確定は最終日の結果次第に
最後のインカレ枠挑戦権は大阪体育大か、関西学院大か


<上位・インカレ出場争い>

191102TSUZUKI.jpg 一方でそのすぐ下の順位争いは、近年稀に見る大混戦となっている。17日目終了時点で、京産大以外にインカレ出場を決めたのは近畿大、大阪学院大、天理大といった面々。近畿大はこの終盤にかけてまさかの苦戦を強いられている反面、大阪学院大は2巡目に入り絶好調といった具合に、現状の状態はそれぞれ異なっている。しかし、この3チームは現在勝ち点12で並んでおり、直接対決は既に終了。即ちいずれのチームにも最終順位2〜4位の可能性がある。インカレでの躍進を遂げるためには、リーグを良い形で終わらせることは必要不可欠だ。

 また、関西に5枠与えられているインカレ出場権は、最後の1枠は最終的にはチャレンジマッチに委ねられる。しかし、ここに進むこととなる1部5位がどうなるのかも、まだ固まっていない。これを争うのは、大阪体育大関西学院大の2チーム。両者とも勝ち点10でこの争いも並んでおり、直接対決の結果では大阪体育大が優位に立つ。最終日に先に登場する関西学院大としては、対戦相手の関西大を下すことが絶対条件。その上で、天理大と対戦する大阪体育大のゲームの結果を待つこととなる。

191102YOKOKAWA.jpg 18試合中10勝以上をマークしてもインカレに届かないチームが出ることとなる上位拮抗の今リーグだが、この5位をめぐる攻防が最終日の最大の見どころと言えよう。


<残留争い>

 来年度のチーム編成の変更で、9位までが残留、10位は2部3位チームとの入替え戦となる下位争いは、既に流通科学大の最下位が決まっている。今年は全関こそベスト8となったが、高さのある相手にミスマッチとなって苦しめられた。#18永本(1年・PG・西海学園)や#15星野(2年・SF)など、下級生には才能の片鱗を感じさせる選手も多い。この先に控える入替え戦は、なんとしても勝ち抜きたい。

 関西大の7位、立命館大の8位、そして同志社大の9位は既に決まっている。来年も1部で戦う権利は確保したが、黒星先行の今大会の轍は踏みたくないはず。そのためには、最終日が学生としてはラストゲームとなる4年生がどれだけの働き、姿勢を示せるか。その姿を、見る者も胸に焼き付けたい。

【第17日目終了時点】
京都産業大学 勝ち点15
近畿大学   勝ち点12
大阪学院大学 勝ち点12
天理大学   勝ち点12
大阪体育大  勝ち点10
関西学院大  勝ち点10
関西大学   勝ち点7
立命館大学  勝ち点5
同志社大学  勝ち点2
流通科学大学 勝ち点0

写真上:京産大は、次世代を担う2年生3名が頼もしい働きぶりを見せた。
写真中:2巡目は7勝1敗という怒涛の巻き返しでインカレ出場はおろか2位も圏内の大阪学院大。都築の奮闘も光っている。
写真下:最後のインカレ枠を目指す関西学院大。横川の果敢な攻めも、確率が上がってきている。

※京都産業大・大庭選手、川口選手、上田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
EDIT  |  23:00  |  2019関西  |  Top↑

2019.10.20 (Sun)

【2019関西リーグ1部】中盤戦(9/28〜10/20)レポート

優勝争いもインカレ出場権争いも熾烈
関西リーグは予断を許さず最終盤へ


191020LINDER.jpg 長丁場のリーグ戦も、いよいよ佳境に差し掛かってきた。10チームによる関西リーグは残り4試合。優勝争いも予断を許さないが、インカレ出場権をかけた順位争いまでもが例年以上に混沌としている。各チームともスカウティングには注力しているようで、1巡目に大勝した相手に2巡目で苦しめられる、という場面が特に目立つ。最後まで目の離せない戦いが続きそうだ。


 大方の予想通り、首位争いを演じているのは京都産業大近畿大の両チーム。京産大は開幕戦を落とし、序盤は低調な内容も目立ったが、1巡目での黒星はその1敗に止めた。リーグ戦の折り返し地点で迎えた近畿大との一戦は、ここまで安定したプレーを続ける#23サンブ(2年・C)が近畿大の#9パトリック(2年・C)を相手に20得点22リバウンドという活躍を見せたこともあり、序盤からリード。最後は近畿大に迫られたが、なんとか逃げ切りこの時点で首位に立った。接戦となるゲームも多いが、2巡目はここまで取りこぼしなく1敗を維持している。

191020IMAMURA.jpg 追いかける近畿大は、2巡目に入り#24今村(4年・PF)が復帰。体制は整ったが、13日目に関西大に敗れ、星の上でも京産大には1つ差を空けられた状況となった。切り替えたい翌日も、大阪体育大にあわやというゲームを演じられるなど、順調さを欠いている。ただ、最終日には京産大との直接対決があり、自力優勝の可能性は残る。好調を取り戻し、逆転での戴冠を目指す。

 インカレ出場の可能性を左右する中位争いも白熱している。序盤は#8吉井(3年・SF)の働きぶりが良くも悪くも顕著だった大阪学院大は、中盤から一気に波に乗っている。#43都築(3年・PF)のリバウンドや#71小川(2年・SF)のアウトサイドも際立ち、2巡目はここまで全勝。順位を一気に3位にまで浮上させている。ここに来て状態を上げているのは関西学院大も同様で、2巡目に入り、1巡目では敗れた天理大、大阪体育大を相次いで下して踏みとどまっている。現状では6位に位置し、このままではインカレに届かないポジションだが、2巡目の勝利で点差をつけており、最終的に勝ち点数で並べば上回れる可能性のある状態に持ち込んでいる。

 対照的に、1巡目は好調だった天理大大阪体育大は、2巡目に入ると勢いに陰りが見え、失速傾向にある。天理大は#24佐々木(4年・PG)、大阪体育大は#20山田(4年・SG)という絶対的エースを擁するが、マークも厳しく思うように得点が伸ばせていない。早い段階で立て直し、インカレへの道筋を開きたい。

191020NISHIMURA.jpg 下位争いに目を転じると、流通科学大は未だ白星を上げることが出来ていない。ただ、9位の同志社大もここまで1勝に止まっており、こちらも苦しんでいる状況だ。関西でも来年より1部リーグが12チームによる構成となる予定。そのため今年は最下位の場合は2部3位との入替え戦にまわり、9位以上ならば残留となる。例年に比べれば余裕のあるレギュレーションだが、それでもまず目指すは自動での残留確定だ。

 7位の関西大は、既に残留は決まっている。インカレ出場となると少々厳しいが、大阪体育大、関西学院大といった当落線上のチームとの直接対決も残っているだけに、上位陣へのプレッシャーをかけていきたいところだ。また1部復帰初年度の立命館大は現在8位。あと1勝すれば残留となる状況にまでこぎつけた。いずれも下級生の有望株が存在感を出している。来シーズンにつなげる意味でも、残り4試合を戦い抜きたい。

【第14日目終了時点】
京都産業大学 勝ち点13
近畿大学   勝ち点12
大阪学院大学 勝ち点10
天理大学   勝ち点9
大阪体育大  勝ち点8
関西学院大学 勝ち点7
関西大学   勝ち点6
立命館大学  勝ち点4
同志社大学  勝ち点1
流通科学大学 勝ち点0

写真上:京産大はリンダーがコートに戻ってきた。ポイント出場に限られるが、さすがのプレーを見せている。
写真中:近畿大・今村もコートに復帰。逆転優勝を虎視眈々と狙う。
写真下:黒星先行の関西大だが、ルーキー西村の働きぶりは白眉。

・京都産業大・サンブ選手
・近畿大・米澤選手
・大阪学院大・儀間選手
・天理大・二見選手
・大阪体育大・ウィリアム選手
・関西学院大・坂本選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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2019.09.15 (Sun)

【2019関西リーグ1部】序盤戦(9/4〜9/16)レポート

190915TENRI.jpg


関西リーグも7試合目まで終了
序盤戦は思わぬアップセットも


 関西でも9月4日から1部リーグがスタート。オールジャパンなどとの日程の兼ね合いから、2週間で7試合をこなすタイトスケジュールがまずは一旦終わった。

 上位陣に目を向けると、王者・近畿大が7戦全勝で単独首位。さぞや盤石の内容かと思いきや、大会前にエースの#24今村(4年・PF)が負傷し欠場が続いている。序盤は危ない試合も見られた。だが、それでも星を落とさず、白星を並べているのはさすがだ。

 一方その近畿大の対抗勢力と言うべき京都産業大には、悪夢の開幕に。支柱の#38リンダー(4年・PF)が初戦から欠場。すると、いきなり天理大に足元をすくわれる黒星発進となってしまった。2戦目以降はどうにか勝利を続けているが、司令塔の北條も「全く僕たちのバスケットができていない」と、決して好調とは言えない状況だ。

190915WILLY.jpg むしろ、それを追いかける天理大大阪体育大の躍進ぶりが、このリーグ序盤での大きな話題と言って良いだろう。天理大はこの大会から#58川真田(3年・C)、#15イソフ(1年・C・福岡第一)の2枚のインサイドが効いており、先述のように開幕戦でいきなり京産大に勝利したことで波に乗っている。大阪体育大は、上位2校にこそ敗れたが、それ以外からは順調に勝利を収め、天理大との直接対決もダブルオーバーの末に制した。近年、秋は調子を落としている傾向にあるが、今年は一味違う存在感を見せている。

 ただ、これより順位が下のチームも含め、勝ち点差はまだ大きく離れていないのが実情だ。上位4チームのうち大阪体育大を除く3チームは、オールジャパン1次ラウンドの戦いもあるが、他のチームには、そこが貴重な小休止のタイミングだ。中断はこの先国体の期間にも設けられており、このリーグ戦のみに専念できる選手、チームにとって、この期間をいかに上手く過ごすかは重要なポイント。終盤まで気の抜けない、熱のこもったリーグ戦になることを期待したい。

【第7日目終了時点】
近畿大学   勝ち点7
京都産業大学 勝ち点6
大阪体育大学 勝ち点5
天理大学   勝ち点5
大阪学院大学 勝ち点4
関西学院大学 勝ち点3
関西大学   勝ち点2
立命館大学  勝ち点2
同志社大学  勝ち点1
流通科学大学 勝ち点0

写真上:7戦を終えて5勝の天理大。初戦で京産大を下して勢いに乗り、上位争いを演じる。
写真下:大阪体育大も2敗で上位陣に追いすがっている。高い身体能力を誇るウィリアムの貢献も大きい。

・近畿大・榎田選手
・京都産業大・北條選手
・大阪体育大・池田選手
・天理大・佐々木選手(以上、インタビュー)
・大阪学院大・小川選手
・関西学院大・小西選手
・関西大・秋岡選手
・立命館大・大野選手
・同志社大・古村選手
・流通科学大・藁田選手のコメントは「続きを読む」へ。
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2019.06.09 (Sun)

【2019西日本インカレ】6/9 決勝戦 近畿大VS京都産業大

バランスよく得点を伸ばした近畿大に軍配
全関の雪辱を果たし大会2連覇


190609KINDAI.jpg 西の春シーズンを締めくくる西日本インカレの決勝は、今回も近畿大京都産業大の顔合わせとなった。前回対戦では、予期せぬアクシデントにも集中を保ちながら最終盤に京産大が逆転し、昨年の雪辱に成功。しかし今回は、近畿大がそれを上回ることとなった。


 近畿大は、前日同様この日も#24今村(4年・PF)が好調。いきなり得点を続けて京産大の出鼻をくじく。京産大は中でのシュートがなかなか狙えず、アウトサイドの確率も上がらない状況で苦しい。近畿大は#24今村が早々に2ファウルとなるが、#33濱田(4年・PG)のレイアップ、#9パトリック(2年・C)のゴール下で好リズムを持続させる。ここで京産大はゾーンで打開を図り、#38リンダー(4年・PF)の速攻、#24大庭(4年・SF)の3Pでビハインドを埋める。それでも近畿大は慌てず、#24今村の2ショットでノーゴールを切り抜けると流れを呼び戻した。1Qで7点のリードに成功すると、この勢いは2Qも続き、ゾーンを物ともせずに#13渡辺(3年・SG)がカットしての合わせも飛び出すなどで点差を開いていく。終盤に#9パトリックが接触プレーの影響で一旦ベンチに退くも、41−32としてほぼプラン通りで後半へ。

190609ENOKIDA.jpg 追い上げたい京産大は、3Q早々に#25田中(2年・SF)の3Pが決まる。近畿大は立て続けにファウルをコールされ#13渡辺が4つとなる。しかし、#9パトリックから交代出場の#56米澤(1年・SG・延岡学園)への合わせが決まり、停滞する気配を見せない。直後には#24今村にダンクが飛び出し、京産大にきっかけを与えない。4Qに入り、京産大は#38リンダーのドライブや、#24大庭の速攻で最後の反撃に出るが、#36榎田(3年・PF)のゴール下や#24今村の3Pも決まり近畿大の優勢は崩れなかった。最後はフリースローを#33濱田が確実に決めていきゲームセット。83−73で勝利した近畿大が、全関決勝で敗れたリベンジを果たし、西日本インカレ2連覇を決めた。

 全関ではパトリックのインサイドが目立ち、バランスを欠いていた印象もあった近畿大だが、この決勝ではそのパトリックが上手く周囲を活かしながらのプレーが目立った。周囲もそれに応え、この試合では4名が2桁得点をマークするバランスの良さだった。元々能力値の高い選手が揃っているだけに、これだけボールが回ると相手にすれば厳しい。アウトサイドも効果的に決まり、ゾーンを敷かれても問題としなかった。全関の反省点を見事に解消した勝利だった。

190609HOJYO.jpg ゲーム序盤の出遅れを、最後まで埋められなかったこの日の京産大。今大会は上田がプレータイムを制限されたことものしかかったが、近畿大の多彩なオフェンスには最後まで翻弄された感が強く、ゾーンもうまく機能せず。ディフェンス面での課題を突きつけられた格好となった。リーグでは、このままでは終われないだろう。秋には一段階レベルアップしたチーム力を示していきたい。

写真上:バスケットカウントを獲得した今村をパトリックが労う。それぞれが勝利に欠かせない働きを見せた。
写真中:近畿大は榎田もコンスタントな働きぶりだった。
写真下:最後は自ら果敢な攻めを見せた京産大・北條。だが、全関の再現はならず。

※近畿大・濱田選手、今村選手、パトリック選手、京都産業大・大庭選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.06.09 (Sun)

【2019西日本インカレ】6/9 3位決定戦 中京大VS新潟経営大

立ち上がりから優勢の中京大が2年ぶりの3位
新潟経営大は初のベスト4で大きな経験値を得る


190609HAYASHI.jpg 西日本インカレは最終日。まず3位決定戦に登場したのは、東海地区の中京大と、北信越の雄・新潟経営大だった。


 幸先良く先行したのは中京大。#6林(4年・SF)の3P、#3内山(4年・SF)のレイアップが続いて早々に主導権を握る。新潟経営大はファウルもかさみ、オフェンスも単発。思うようにスコアを伸ばせない。対照的な滑り出しの中で、#15粂(4年・SG)、#6林の3Pが連続で決まった中京大が、1Q途中で大きな15点もの差をつけることに成功した。2Qになると、新潟経営大も反撃。#3山崎(2年・SG)が攻め気を見せ何とかチームをもり立てる。中京大は出だしの勢いはさすがに影を潜め、この時間帯はファウルが増え思うようにはならない。それでも1Qの貯金は大きく、39−22という大差でハーフタイムに入った。

190609YAMAZAKI.jpg 迎えた後半早々、新潟経営大は#12横山(3年・SG)がゴール下、3Pで得点を稼ぎ、追いすがる。しかしファウルが続いてしまい波に乗り切れない。ここからは互いにフリースローを打ち合う展開が続き、点差は開いたままなかなか縮まらない。3Q終盤には#3内山の3P、#25植木(2年・PF)の速攻が飛び出し中京大のリードは20点となった。4Qに入りようやく新潟経営大が#3山崎の得点に続く形で、#13棚橋(1年・SG・新潟工業)や、主将の#6井上(4年・PG)もシュートを決めていくが、すでに勝負の行方は大勢が決した後。78−54の大差で勝利した中京大が、2年ぶりに3位の座をつかんだ。

 中京大は、準決勝でも近畿大相手に引かず、パトリックへの厳しいマークが最後まで効いていた。2年前は、最終的にはインカレでも躍進を果たしているだけに、この先にも注目したいチームの一つだ。一方、最終2日間では上位陣との力量差を見せつけられた新潟経営大は4位。最後に限れば課題が浮き彫りになったが、チームとして西日本インカレは初のベスト4。反省点と同時に確かな手応えを得て大会を終えた。

写真上:中京大・林はチーム最多の18得点。3Pは4/5をマークした。
写真上:新潟経営大を牽引した山崎はまだ2年生。今後も楽しみな存在だ。

※中京大・内山選手、新潟経営大・井上選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.06.08 (Sat)

【2019西日本インカレ】6/8 準決勝

西日本インカレは佳境に突入
京産大の関西二冠か、近畿大の連覇か


190608THUMB.jpg 九州、中国、四国、関西、東海、北信越の各校が参加し、エディオンアリーナ大阪をメイン会場に行われる西日本インカレが今年も行われている。休みなく日程が消化される過酷さ、教育実習などで不在となる選手も出るなどの不確定要素も多い一方で、普段は対戦機会の少ないチーム同士での対戦も多く組まれることとなり、各チームの力関係を推し量る意味でも貴重な機会である。この日で大会は準決勝までを終え、残すは最終日の決勝と3位決定戦を残すのみとなった。


 準決勝にまず登場したのは、第2シードの京都産業大と、春の北信越リーグを制し、準々決勝では関西学院大に競り勝った新潟経営大だった。ゲームは立ち上がりから京産大ペース。#24大庭(4年・SG)が3Pやバスケットカウントで攻め立て、#23サンブ(2年・C)の高さも活きてつけ入る隙を与えない。新潟経営大は序盤からタフショットを強いられる場面も多く、単発な得点が続いてしまった。京産大はベンチメンバーも繰り出しながら余裕ある試合運び。新潟経営大は、4Qにはラッシュを見せたものの、点差を覆すには至らなかった。76−57で勝利の京産大が、全関に続く優勝に王手をかけた。

写真:24得点22リバウンドと、さすがの働きを示した京産大・サンブ。

※京都産業大・田中選手のインタビューは「続きを読む」へ。

粘る中京大を、近畿大が振り切る

 全関で敗れ、この大会こそ優勝で締めくくりたい近畿大。対する中京大は、2年前の西日本インカレ3位を足がかりに、その年のインカレではベスト8入りを経験。準決勝2試合目は、経験値の高いチーム同士の対戦となった。

190608WATANABE.jpg 開始直後から、中京大はゾーンを披露。近畿大は、どうにかボールを受けた#9パトリック(2年・C)が得点するが、ペースが上がらない。その間に中京大は、#6林(4年・SF)、#34長谷川(3年・PF)の3P、#30中崎(2年・PF)のミドルシュートなどで、リズム良く得点する。開始後に失点した#9パトリックに対しても粘り強いディフェンスを見せ、その後は思うようにシュートを打たせない。ここで近畿大は#24今村が奮起。外からのシュートが立て続けにネットを揺らし、1Q途中で7点あったビハインドから、逆転に成功。逆に序盤はシュート好調だった中京大は、単発な得点が続く。しかし#34長谷川の3P、#6林はツースローを揃え、12点差を7点差に戻して前半を終えた。

 3Qになると#36榎田(3年・PF)が奮起。ドライブに、3Pも決め、2桁の点差に戻す。しかし、それでも中京大は集中を切らさない。#3内山(4年・SF)の得点が続き、およそ10点の差から離されない。だが、相手ディフェンスに苦しんでいた#9パトリックのバスケットカウント、#3内山もフリースローを落とさず、3Qの後半はじわじわと点差が拡大。さしもの中京大もこれで万事休すかと思われたが、4Qに至っても粘る。#32山路(2年・PG)、#30中崎の3Pが連続で決まり、近畿大もメンバーを落とすわけにはいかない展開が長く続いた。最後は#33濱田(4年・PG)の得点や#24今村の3Pで88−70と差が開き、近畿大が勝負をものにしたが、中京大の粘りが最後まで光った好ゲームでもあった。

写真:この春からスタメンとなっている近畿大・渡辺。この日は10得点のみならず、印象的なリバウンドを何本ももぎ取った。

※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.05.05 (Sun)

【2019全関】5/5 決勝 近畿大VS京都産業大

我慢を重ねた京産大が最終盤に逆転に成功
宿敵を下しシーズン最初のタイトルを勝ち取る


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 昨年の全関以来、関西の三大タイトルを最後まで争ってきた近畿大京都産業大。今年最初の優勝をかけた戦いも、この2チームによる顔合わせとなった。昨年は、僅差の戦いもあった中で、3つのタイトルを全て手にしたのは近畿大。しかしこの日は、その悔しさを晴らしたい京産大の集中力と気持ちの強さが、最終盤で発揮されるゲームとなった。

写真:優勝を決め、ベンチに戻った主将の大庭が感極まった。昨年跳ね返され続けた壁をようやく突破した。

190505PATRICK.jpg 立ち上がりから、近畿大はこの大会でもここまで盤石の#9パトリック(2年・C)のインサイドが際立つ。京産大も#23サンブ(2年・C)がやり返すが、その以外の得点が伸びず、単発さが否めないオフェンスに。さらに1Q終盤には#23サンブが苦しい2ファウル目。近畿大は、それとは対照的に得点面のバランスは欠くものの、#9パトリックが順調に得点を重ね、2Q立ち上がりには早くも2桁の点差に乗せた。これに対して京産大はゾーンディフェンスを敢行。#90北條(2年・PG)の3P、#14川口(4年・SG)のレイアップなどで離されずに追走する形となった。ゾーンに苦しみつつも得点を重ねていた近畿大だが、京産大タイムアウトが空けると停滞の時間帯に。京産大はこの間に#10上田(2年・SG)の速攻で4点差にまで挽回。しかし#23サンブが3ファウルとなって更に苦しくなる。近畿大は#24今村がドライブでファウルを貰いフリースローで無得点を脱すると、#9パトリックのゴール下、#36榎田(3年・PF)のジャンパーも出て、前半は37−31で折り返すこととなった。

 京産大#90北條のフローターでスタートした3Q。ここで京産大が一気に迫った。#38リンダー(4年・PF)も技ありの得点を決め、#24大庭(4年・SF)のゴール下も続き、最上級生の意地で、3分で同点に。しかし近畿大は動じない。#24今村の3Pで再度勝ち越すと、#33濱田(4年・PG)の速攻、#13渡辺(3年・SG)の合わせ、#9パトリックの豪快なダンクも出て、追いつかれてから4分間のうちに一気に11点リードとする。京産大も#23サンブがダンクを試みるが決めきれない。しかし、ここで思いがけずゲームが止まる。ダンクによるリング調整のため、レフェリータイムに。流れを手にした近畿大にしてみれば、やや水を差される格好になってしまった。調整の後、再開したゲームでペースを握ったのは京産大。#38リンダーのランニングショット、#23サンブのゴール下も出て食い下がり、このQ終えて7点差に戻した。

190505HOJYO.jpg 最後の10分間を迎え、近畿大は#9パトリック、#24今村が相次ぎ得点し、駄目押しにかかる。京産大も引かずに#23サンブの得点で返す。すると#10上田、#24大庭と大きな3Pが続き、ビハインドは3点に。近畿大はタイムアウトを取るが、直後にターンオーバーからの速攻で#90北條に決められ、じわりと苦しい状況に。逆に勢いに乗った京産大は、またも繰り出した速攻で#24大庭が決め遂に逆転に成功。直後にターンオーバーからの逆速攻で#9パトリックのダンクを許すが、ここでまたもリング調整に。京産大はこの2度目の「水入り」の間も集中を切らさず、再開早々に#10上田のフリースローで再逆転に成功。落としたシュートをも#23サンブが押し込み引き離しにかかる。昨年三冠の近畿大も慌てず、#36榎田のリバウンドシュート、#9パトリックのセカンドショットで3分21秒を残して再度リードに。直後に#23サンブが4つ目となり、俄かに盛り上がる。どちらに転ぶか分からない緊迫の状況下で、京産大は#90北條が自らレイアップを決める。「パトリックがサンブを意識しすぎていることが分かったので、僕や北條でドライブしていこうと狙っていた」とは#10上田の弁。反面近畿大は続くオフェンスでさすがの#9パトリックも決めきれず、京産大は時間を使いながら#38リンダーが落ち着いてレイアップを沈め残り1分42秒で3点リードに。近畿大は最後のタイムアウトを使うも、#90北條のシュートに対する#9パトリックのブロックはテンディングの判定となった。最後に#36榎田の3Pが決まるが、時すでに遅し。獲得したフリースローを着実に沈めた京産大が76−70で勝利し、全関では11年ぶり22回目となる優勝を決めた。

190505FINAL1.jpg 特に後半は、時間が経つにつれてリードが二転三転する緊迫の様相だったこの決勝戦。勝利した京産大は、逆転の場面での勢いはもちろん、それと同時に冷静さも光った。北條を中心に相手インサイドの隙をついたドライブが最後まで効果的に決まり、確実に得点していった。一方で、ディフェンスでは飛び道具とも言えるゾーンがある程度勝利に寄与した部分もある。この勝利を喜ぶ反面、大庭「今日勝ってもまだ近大には負け越している。もう一度やり返さないといけない」と気を引き締める。次の西日本インカレは、一歩上のレベルの力を示せるか。

 近畿大には、流れを掴んだかに見えた場面での2度の中断も不運だった側面はあるだろう。ただ、今大会は得点面で良くも悪くもパトリックの活躍が顕著。全関のみを見れば、昨年の準々決勝以降の総得点は266点に対して、今大会は265点とほぼ変わらない中、パトリック個人の総得点は、昨年の全関での58点から今大会は109点と大幅に増加。パトリックの力量がより際立つものとなった一方で、チームとしてのアウトサイドの確率は本来のものではなく、オフェンスはバランスを欠いてしまったとも言える。ゾーンに対するオフェンスは近年の課題であり、アウトサイドで苦しい状況で、パトリック以外の部分でいかにして攻め込んでいくか、次に向けての修正点が浮き彫りになった。

写真上:サンブを前にしてもスコアを順調に伸ばした近畿大・パトリック。
写真中:京産大は北條のプレーも際立ち、最終盤に逆転に成功。
写真下:試合を終え、サンブとパトリックが健闘を称えあった。

※京都産業大・大庭選手、リンダー選手、上田選手、近畿大・濱田選手、今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.05.05 (Sun)

【2019全関】5/5 3位決定戦 大阪体育大VS関西学院大

関西学院大が一旦は追いつくも
大阪体育大がこれを振り切り3位


190505FUJIMOTO.jpg

 ともに準決勝では良い場面も見せながら敗れた大阪体育大関西学院大。勝って大会を終えたい両者が、3位決定戦に登場した。

写真:バスケットカウントを獲得し、笑顔の藤本。年々頼もしさを増している。

190505IKEDA.jpg 大会を通じて好調の大阪体育大#9藤本(3年・PG)。ミドルシュートでオフェンスの口火を着ると、この日は#6ウィリアム(2年・SF)、#11池田(3年・SF)も好調で、バランス良く得点を伸ばす。関西学院大は、立ち上がりは出遅れ。#7横川(3年・SG)、#50坂本拓馬(4年・SF)の3Pが出るが、単発さは拭えない。それでも2Qになると、こちらも今大会好調の#50坂本拓馬の3Pが2連続で決まり、関西学院大にもエンジンがかかり始める。2Q4分過ぎ、#13古家(4年・PG)のジャンプシュートが決まって同点となった。ここからは、お互いにファウルも込んでしまいフリースローを決め合う膠着状態に。36−35と、関西学院大が僅かにリードして前半が終わった。

 3Qになっても、しばらくは拮抗したこの試合。流れが変わったのは、大阪体育大#20山田(4年・SG)のバスケットカウント。#6ウィリアムがゴール下で得点を続け、大阪体育大が抜け出した。関西学院大はタイムアウトで修正を図るが、波に乗る大阪体育大の勢いは止まらず、#10大橋(4年・PF)の得点も出てベンチも応援席も沸く。#11小西聖也(2年・PG)が意地の得点を続けるが、関西学院大のビハインドはこのQ終了時点で13点となってしまった。4Qも大阪体育大のペースが続き、#20山田の3点プレー、#11池田の速攻などで4分過ぎに20点近いリードを得た。関西学院大は、#13古家が意地の3P、#50坂本拓馬もバスケットカウントを得て猛追するが、劣勢を覆すまでにはさすがに至らず。83−75で大阪体育大が3位決定戦を制した。

190505YOKOKAWA.jpg 藤本、山田の両輪が安定感を見せた大阪体育大は、今年もこの全関ではベスト4入りとなった。インサイドは近畿大や京産大に比べれば劣るが、この日は意図的にそこを使いながらオフェンスを構築。バランス良く得点を伸ばし続け、後半一気に引き離した。まずまずの内容の3位ではあったが、一方でこのチームの課題は秋の戦績。一昨年はギリギリでインカレ出場を果たしたが、それ以外は満足のいく結果をリーグ戦では残せていない。今年こそは、ここから更に上の結果を示せるか。

 関西学院大は、4位こそ確保したが最後の2試合で連敗。決して悪い内容ではなかったものの、上位陣との細かい部分での力量差を突きつけられた感は強く、主将の古家も悔しい顔。一方オフェンス面では坂本拓馬が一貫してシュートが好調で、卒業した中野の穴を感じさせない活躍だった。今後はマークが集中することも予想されるだけに、他のメンバーの力を試される場面が増えていくだろう。

写真上:積極性を示した大阪体育大・池田はチームハイの22得点をマークした。
写真下:関西学院大は横川らが好調にアウトサイドを射抜き、中野が抜けた穴を感じさせなかった。

※大阪体育大・山田選手、関西学院大・古家選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.05.05 (Sun)

【2019全関】5/5 5位決定戦 関西大VS天理大

狙い通りのゲーム運びで天理大に軍配
関西大は終始ビハインドを強いられる


 準々決勝では敗れたが、前日の順位決定戦では見事に切り替え勝利した関西大天理大。この先のチームの成長のためにも勝って大会を終えたい両者が、5位の座を争った。

190505SASAKI.jpg ここまでの2試合では狙い通りにロースコアゲームを演じ続けている天理大。この日も立ち上がりから相手の関西大を苦しめた。#24佐々木(4年・PG)のドライブ、#28二見(2年・PF)のバスケットカウント、#58川真田(3年・C)のツースローなどで早々にリードを得る。関西大は天理大の好ディフェンスもあって単発な得点が続き、速攻に行った#17菅原(3年・PF)も#24佐々木のブロックに遭うなど波に乗れない状態が続く。2Qになると天理大は立て続けにファウルを犯し、さすがに序盤の勢いはなくなる。関西大はスローテンポに付き合わせられながらも、#41下田(2年・SG)のミドルシュートや#0足立(4年・PG)のドライブも出て追撃体制に。だが天理大は、#68高松(3年・SF)に3Pが出てリードを渡さない。最後は#3藤澤(3年・PG)のブザービーターとなる3Pも決まり、9点のアドバンテージを得てハーフタイムに入った。

 後半も天理大のスローテンポが続く。関西大は#45西村(1年・SG・草津東)の3Pなどで迫るが、リードの天理大は慌てず、その都度#24佐々木が決め、相手に尻尾を掴ませない老獪な試合運びを続ける。4Qに入ると、関西大は#28中谷(4年・SG)の速攻、3Pの甲斐あって、ようやく4点差に戻すことに成功。逆転がちらつき始める。するとここで天理大は#68高松が奮起。こぼれ球を押し込み、速攻も決める。さらには#3藤澤から#24佐々木への合わせも綺麗に決まり、残り3分半で大きな10点差となった。関西大はそれでも粘り、#17菅原のゴール下や#0足立の3Pで再び接近するが、さすがに時間が足りず。57−51で勝利した天理大が、5位の座を掴んだ。

190505AKIOKA.jpg 昨年は2部での戦いを余儀なくされた天理大にとっては、この全関は自らの立ち位置を知る上でも貴重な戦いとなっただろう。どの相手でも本来のロースコアゲームに引きずり込み、2勝ができたのは大きな収穫と言える。しかし主将の藤林は細かい部分を詰めていく必要があると気を引き締める。この経験を、復活の足がかりとしていきたい。

 フレッシュなメンバーも起用しながらの戦いとなった関西大。これまで試合経験の少なかったベンチメンバーも、スタート起用の選手と遜色のないプレーを見せていた。西日本インカレは、昨年はベスト4にまで到達した舞台。準決勝でも近畿大相手にあわやという戦いぶりだった。今年も上位に食い込み、リーグ戦につなげたい。

写真上:1年間の短期留学期間があり、今年も登録している天理大・佐々木はさすがのプレーを続けている。大阪学院大・吉井と同様、Bリーグで貴重な経験を積んだ。
写真下:若い選手の台頭が目立った関西大。上級生となった秋岡にも、経験の少ないメンバーを鼓舞していくことが求められる。

※天理大・藤林選手、関西大・足立選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.05.05 (Sun)

【2019全関】5/5 7位決定戦 大阪学院大VS流通科学大

流通科学大の奮起で前半は競り合いも
徐々に引き離した大阪学院大が制す


 全関最終日、最初のゲームとなったのは、大阪学院大流通科学大による7位決定戦となった。

190505YOSHII.jpg 高さの部分ではどうしても不利を強いられ、準々決勝以降はなかなか良いリズムに乗れない流通科学大。この日も#71小川(2年・SF)を中心とした相手オフェンスを止めきれないが、一方でアウトサイドのシュートが好調。ルーキーの#18永本(1年・PG・西海学園)が1Qだけで3本の3Pを決める。これに触発されたか、#14松屋(4年・PG)もバスケットカウントを獲得すると、ここまで得点面で伸び悩んでいた#9諏訪(4年・SF)にも3Pが出て、互角の展開が続く。2Qになると大阪学院大も本領発揮。#0工藤(4年・PF)、#8吉井(3年・SF)、#71小川ら、バランス良く得点を決めていき、じわりとリードを拡大する。しかし流通科学大も切れず、要所で#0木川(2年・C)が得点しチームに喝を入れる。1Q同様#18永本も外のシュートを決めていき、ハイペースの前半は47−43と大阪学院大の4点リードで終了。

 3Q、再度大阪学院大がリズムを掌握。#71小川が得点を続け、#9儀間(2年・PG)もバスケットカウントを獲得。前半はここから相手に詰め寄られたが、#14安田(3年・SF)のバスケットカウント、#8吉井も確実にペイント内で得点し、引き離しに成功。流通科学大も#14松屋が積極的にシュートを沈めるが、この時間帯は他の選手の得点が止まってしまった。このQで18点リードとした大阪学院大は、これで優勢の構図を確定させた。最後はベンチメンバーも起用し、94−72で勝利。昨年に続いて7位となった。

190505SUWA.jpg 双方とも、昨年と同じ最終順位となった今大会。ともに主力が卒業し、ポジションによっては布陣の固まっていない部分もあり、これから完成度を高めていく段階となるが、高さに勝る大阪学院大が押し切った格好となった。ここ最近は、リーグ戦の結果ギリギリでのインカレ出場となるケースもあり、秋はやや苦しむ傾向にある。それだけに、まずは布陣を固めていきたい。一方ベスト8には食い込んだものの、流通科学大には厳しい全関だった。しかし、この日は苦しんだ前日、前々日とは打って変わって、前半は好内容だった。サイズの部分ではこの先も簡単ではないだろう。だが全員でリバウンドに飛び込んでいく姿勢を示し、ジャンプアップを狙っていきたい。

写真上:Bリーグで大きな経験を積んだ大阪学院大・吉井。この先のシーズンでは更なる存在感を示して欲しい。
写真下:諏訪が本来の役割を見せた流通科学大。チームの浮沈を左右するプレーヤーの一人だ。

※大阪学院大・工藤選手、流通科学大・松屋選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2019.05.04 (Sat)

【2019全関】5/4 準決勝・順位決定戦 レポート

順位決定戦も白熱する全関西はあと1日
決勝は今年も近畿大と京産大の対戦に


190504TENRI.jpg

 全関は、この日は準決勝と順位決定戦が行われた。前半2試合と後半2試合とで、コートに立つチーム、選手の立ち位置は異なるが、気持ちのこもったプレーに会場のボルテージも上がった。

写真:順位決定戦も白熱の様相。藤澤が勝利に近づく3Pを決めると天理大ベンチも沸き立った。


190504FUTAMI.jpg この日特に盛り上がったのは、天理大大阪学院大による順位決定戦。昨年も全く同じ段階で戦った両者が、今年も火花を散らした。天理大は立ち上がりから#28二見(2年・PF)がゴール下シュート、速攻を決め、交代出場の#95山本(2年・SF)も要所で3Pを沈めるなどしてチームに活力を注入する。対する大阪学院大も、#9儀間(2年・PG)、#71小川(2年・SF)が内外でバランス良く得点していき引かない。大阪学院大がわずかなリードを得た最終盤、天理大は#68高松(3年・SF)の3P、#3藤澤(3年・PG)のフリースローで追いつき、勝負は延長に。するとここで#3藤澤が勝負強さを発揮。貴重な3Pで天理大が抜け出し、最後もフリースローを落とさず75−71で勝利した。

 一方、順位決定戦のもう一カードの関西大流通科学大は、開始から関西大ペース。#6秋岡(3年・PG)や#0足立(4年・PG)らが積極的に得点していく。流通科学大は、サイズ面でも苦しく単発な得点が続いた。関西大は1Qで早々に20点のリードを得ると、そのまま優位にゲームを進めていった。最後は104−65という大差となり、関西大が5位決定戦進出を決めた。

写真:天理大唯一の45分フル出場となった二見。派手さはないが、こぼれ球への反応が良く、この日は11リバウンドをマークした。


京産大が決勝進出も、大阪体育大も最後まで食らいつく

190504UEDA.jpg 準決勝でまず登場したのは京都産業大大阪体育大。序盤は大阪体育大が#9藤本(3年・PG)のミドルシュート、それに続いてこの日スタート起用の#10大橋(4年・PF)も続けて得点し、先制パンチに成功したかに見えた。ただ京産大は慌てず、#23サンブ(2年・C)のバスケットカウント、#24大庭(4年・SF)の3Pですかさず応戦する。#23サンブが早々に2ファウルとなって下げざるを得ないが、#16川尻(4年・C)がそれをつなぐ。この日は全体的に笛がやや軽く、2Qには#90北條(2年・PG)も2つ目となってしまうが、ここも#10上田(2年・SG)を当てがうことでカバー。#9藤本、#20山田(4年・SG)の得点もあり、大阪体育大も大きくは離されないが、#10上田が最後に得点を重ねていった京産大が12点リードでハーフタイムに入った。

 3Q、大阪体育大は変わらず#9藤本が攻め気を見せてペリメーターの得点でなんとか食いさがる。しかし京産大は、コートに戻った#90北條の3P、#23サンブのダンクで着実に加点。ファウルで得たフリースローも確実に決めていき、相手にボディーブローを与えていく。これに対して大阪体育大は集中を切らさない。#23サンブのブロックが立て続けにテンディングとなり、15〜20点程度のビハインドを広げさせない。最後の10分は#24大庭、#38リンダー(4年・PF)の得点が続き、最後は86−73で京産大が決勝行きを決めたが、終始締まった好ゲームとなった。

写真:味方のファウルトラブルを埋める活躍だった京産大・上田。速攻では積極的に先頭を駆け抜けていく姿が頼もしい。


近畿大が関西学院大を押し切り、連覇に王手

190504ENOKIDA.jpg この日の最終試合、準決勝2試合目の近畿大関西学院大は、立ち上がりから近畿大がラッシュを見せた。#9パトリック(2年・C)のゴール下はもちろん、#13渡辺(3年・SG)、#36榎田(2年・PF)も果敢に仕掛けていき得点を重ねる。関西学院大は#7横川(3年・SG)が気を吐くが、インサイドの劣勢がのしかかり1Qから二桁の差を追いかける展開に。#7横川だけでなく、#2森山(4年・PG)や#11小西聖也(2年・PG)のアウトサイド陣の奮起で、10点前後のビハインドをどうにか保つ。しかし、それでも#9パトリックの高さには苦しみ、前半終了時は15点差となった。

 迎えた後半、近畿大はなおも#9パトリックのローポストで優勢な構図。#13渡辺にもバスケットカウントが飛び出しベンチも盛り上がり、試合を決めにかかる。ただここで関西学院大も黙らず、ゾーンを敷いて失点を押しとどめ、#50坂本拓馬(4年・SF)、#7横川、もう一度#7横川と3連続3Pで10点差にまで戻した。相手の尻尾が見え始めたその刹那、それでも近畿大は動じず。#9パトリック、#24今村(4年・SF)とダンクが続き、再び点差を拡大した。関西学院大は、#13古家(4年・PG)が執念で3Pを沈めて追い上げを図るが、近畿大の優位を覆すには至らなかった。最終的には90−64とした近畿大が、関西三冠タイトルの「4連覇」にあと1勝とした。

写真:外角の確率が上がらない分をドライブで補った榎田。マルチな能力があるのがこの選手の大きな強みだ。


◼5/4 順位決定戦・準決勝結果(大阪市立東淀川体育館)
流通科学大学65(13-33,13-21,16-25,23-25)104関西大学(順位決定戦)
天理大学75(15-20,14-11,21-21,16-14,9-5*)71大阪学院大学 *OT(順位決定戦)
大阪体育大学73(17-24,11-16,22-25,23-21)86京都産業大学(準決勝)
近畿大学90(26-15,16-12,22-23,26-14)64関西学院大学(準決勝)


※近畿大・渡辺選手、京都産業大・サンブ選手、天理大・藤澤選手、関西大・菅原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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