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2018.10.29 (Mon)
【2018関西リーグ1部】10/28 京都産業大VS近畿大
近畿大が逆転で3年ぶりのリーグ制覇&3冠達成
京産大は終盤肉薄するも3度目の正直ならず
最終日となった関西1部リーグの最終カードは、京都産業大対近畿大という因縁の一戦となった。春2冠の近畿大は、このリーグで1巡目で京産大に敗れ、2巡目では関西大に不覚。首位の京産大に、星の差1つで追いかける状況でこのゲームを迎えた。逆転には、8点差以上での勝利が求められる状況だ。
一方、優勝すれば昨年に続く連覇となる京産大は、春の悔しさを晴らす絶好の機会。1巡目で関西学院大に敗れた以外は、16個の星を積み重ねてきた。序盤から、互いの優勝への気持ちが見え隠れする一戦となった。
写真:優勝まであと僅かとなり、ボールを受けた濱高がその場で感慨深げに片手を膝についた。関西3冠を、その手に取り戻した。
先に抜けた形となったのは点差をつけて勝ちたい近畿大。#0パトリック(1年・C・東山)のセカンドショット、#33濱田(3年・PG)の3P、再度#0パトリックのゴール下でいきなり7−0とする。しかし立ち上がりこそターンオーバーなどで置かれる格好となった京産大も、#3高田(4年・PG)と#24大庭(3年・SG)の3Pが続いてすぐに詰める。近畿大も#36榎田(2年・PF)、#9濱高(4年・SG)といった面々がバランス良く加点し、京産大は#24大庭がハイペースで得点して応戦。1Qから激しい得点の奪い合いの様相となった。失点を食い止めたい京産大は、この時間帯からゾーンで対抗する。ところがここから流れが近畿大に傾く。#36榎田が2本の3Pを決めるなどしてゾーンを破り、ディフェンスでは#0パトリックが高い位置にまでピックに走り早めに何度も相手のターンオーバーを誘発。競り合いの時間帯も何のその、最初の10分で9点のリードを得た。
2Qに入ると、京産大も#38リンダー(3年・PF)、#23サンブ(1年・C・沼津中央)のインサイド陣の得点で停滞を脱するが、#0パトリックのインサイドを止められずに差を詰められない。再度#36榎田に3Pを沈められ、相手のプレッシャーからのターンオーバーも目立ち始める。タイムアウトのカードを切っても悪循環は止められないまま時間が経過する。近畿大は#33濱田にも2本の3Pが飛び出し好リズムを維持。最後は#23サンブの豪快なダンクが飛び出すが、50−32という思わぬ大差で前半終了となった。
またも#23サンブが渾身のダンクで幕が開いた3Q。京産大としては何とかムードを変えたいが、相手の守りは堅く思うようにスコアを伸ばせない。近畿大は、前半の勢いは止まったものの、大量リードの余裕もあってか優位な状況は渡さない。残り1分半で#0パトリックが4ファウルとなるが、#24今村(3年・PF)が豪快なタップで得点。ベンチ起用の#13渡辺(2年・SG)にも3Pが出て点差を保つ。
このまま終われない京産大も、最後の10分間に意地を見せた。#0パトリックのファウルトラブルにもつけ込み、#90北條(1年・PG・関福大金光藤蔭)の個人技や#38リンダーの3Pも出て相手に迫る。残り約4分、#24大庭のジャンプシュートで10点差に戻した。敗れても7点差以内ならば優勝となる京産大にとっては、ついに相手を射程圏とした形となった。しかし、3冠をかける近畿大がここから底力を発揮。コートに戻った#0パトリックのゴール下、#33濱田のレイアップが続く。#36榎田がツースローの2本目を落とすも、リバウンドを制した#0パトリックがそのまま押し込んでまたも安全圏のリードを奪還。京産大はプレス気味に当たりにいくも近畿大は落ち着いてこれを対処。最後はファウルゲームも凌いだ。最後は88−67。近畿大が、ともに3年ぶりとなるリーグ優勝と関西3冠を成し遂げた。
この試合でも苦手なゾーンを敷かれながらも、近畿大は榎田や濱田のアウトサイドで見事にこれを攻略。ディフェンスではパトリックまでもが高い位置まで張り出し、京産大に気持ち良くボールを持たせなかった。この一戦までに周到に準備し、ここ一番で発揮した近畿大の力強さが際立ったゲームだった。3冠達成はソウや藤田を擁してインカレで5位に到達した3年前以来。最上級生は、その時を知るメンバーだ。関西にシードのない今年は、関東の壁を破るのは決して簡単とは言えないが、貴重な経験を持つ4回生中心に、インカレで再び強い近畿大を見せて欲しい。
これまでの主力だけでなく、サンブや上田、北條といった若いメンバーも着実な成長を見せた京産大は、リーグ戦全体としては決して悪い内容のバスケットだったとは言えない。しかし、近畿大を上回るためのあと一歩を埋められなかったことも突きつけられたシーズンとなった。主将の高田も、奇しくも壁となって阻んだ近畿大・濱高も、勝負を分けたポイントに「気持ち」を挙げた。名実ともに関西の覇権を奪還するためには、今年はこのままでは終われない。関西に京産ありを示すべく、足りなかった気持ちを見せてインカレでの上位を目指したい。
写真上:京産大・サンブは、一時流血の場面もあったが最後まで奮闘。
写真中:近畿大は、濱田の仕事も優位に立つ上での要因となった。
写真下:関西では優勝タイトルなしとなった今年の京産大。大庭にはよりコンスタントな活躍が求められる。
※近畿大・稲見選手、濱高選手、京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
京産大は終盤肉薄するも3度目の正直ならず

一方、優勝すれば昨年に続く連覇となる京産大は、春の悔しさを晴らす絶好の機会。1巡目で関西学院大に敗れた以外は、16個の星を積み重ねてきた。序盤から、互いの優勝への気持ちが見え隠れする一戦となった。
写真:優勝まであと僅かとなり、ボールを受けた濱高がその場で感慨深げに片手を膝についた。関西3冠を、その手に取り戻した。

2Qに入ると、京産大も#38リンダー(3年・PF)、#23サンブ(1年・C・沼津中央)のインサイド陣の得点で停滞を脱するが、#0パトリックのインサイドを止められずに差を詰められない。再度#36榎田に3Pを沈められ、相手のプレッシャーからのターンオーバーも目立ち始める。タイムアウトのカードを切っても悪循環は止められないまま時間が経過する。近畿大は#33濱田にも2本の3Pが飛び出し好リズムを維持。最後は#23サンブの豪快なダンクが飛び出すが、50−32という思わぬ大差で前半終了となった。

このまま終われない京産大も、最後の10分間に意地を見せた。#0パトリックのファウルトラブルにもつけ込み、#90北條(1年・PG・関福大金光藤蔭)の個人技や#38リンダーの3Pも出て相手に迫る。残り約4分、#24大庭のジャンプシュートで10点差に戻した。敗れても7点差以内ならば優勝となる京産大にとっては、ついに相手を射程圏とした形となった。しかし、3冠をかける近畿大がここから底力を発揮。コートに戻った#0パトリックのゴール下、#33濱田のレイアップが続く。#36榎田がツースローの2本目を落とすも、リバウンドを制した#0パトリックがそのまま押し込んでまたも安全圏のリードを奪還。京産大はプレス気味に当たりにいくも近畿大は落ち着いてこれを対処。最後はファウルゲームも凌いだ。最後は88−67。近畿大が、ともに3年ぶりとなるリーグ優勝と関西3冠を成し遂げた。

これまでの主力だけでなく、サンブや上田、北條といった若いメンバーも着実な成長を見せた京産大は、リーグ戦全体としては決して悪い内容のバスケットだったとは言えない。しかし、近畿大を上回るためのあと一歩を埋められなかったことも突きつけられたシーズンとなった。主将の高田も、奇しくも壁となって阻んだ近畿大・濱高も、勝負を分けたポイントに「気持ち」を挙げた。名実ともに関西の覇権を奪還するためには、今年はこのままでは終われない。関西に京産ありを示すべく、足りなかった気持ちを見せてインカレでの上位を目指したい。
写真上:京産大・サンブは、一時流血の場面もあったが最後まで奮闘。
写真中:近畿大は、濱田の仕事も優位に立つ上での要因となった。
写真下:関西では優勝タイトルなしとなった今年の京産大。大庭にはよりコンスタントな活躍が求められる。
※近畿大・稲見選手、濱高選手、京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.10.29 (Mon)
【2018関西リーグ1部】後半戦(10/6〜10/28)レポート
約2ヶ月間の関西リーグが閉幕
4位同志社大までに自動でのインカレ出場権

各地区でリーグ戦が佳境を迎える中、関西でもリーグ戦がクライマックスを迎えた。
春は全関、西日本インカレをいずれも近畿大が制し、京都産業大がそれに僅かな差で届かず、という戦績だった2018年の関西学生界。リーグ戦もこの2チームの力が目立つかと思われたが、それを追う勢力が両校を脅かし、例年になくレベルの高い上位争いが、最後まで繰り広げられた。
【最終順位】
優勝 近畿大学(3年ぶり8回目)
2位 京都産業大学
3位 関西学院大学
4位 同志社大学
5位 大阪学院大学
6位 関西大学
7位 大阪体育大学
8位 流通科学大学(2部3位との入替え戦へ)
9位 大阪産業大学(2部2位との入替え戦へ)
10位 大阪教育大学(2部1位との自動入替え)
写真:最終的に全敗で2部への自動降格となってしまった大阪教育大は、最後まで下を向かずに1部での戦いを全うした。これを次年度以降にどう活かすかが問われる。
※リーグ後半戦の概要、関西学院大・中野選手、同志社大・古村選手のインタビュー、大阪学院大・木下選手、関西大・梶原選手、大阪体育大・草川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※大会最終日の近畿大対京産大のレポートは別途掲載します。
4位同志社大までに自動でのインカレ出場権

各地区でリーグ戦が佳境を迎える中、関西でもリーグ戦がクライマックスを迎えた。
春は全関、西日本インカレをいずれも近畿大が制し、京都産業大がそれに僅かな差で届かず、という戦績だった2018年の関西学生界。リーグ戦もこの2チームの力が目立つかと思われたが、それを追う勢力が両校を脅かし、例年になくレベルの高い上位争いが、最後まで繰り広げられた。
【最終順位】
優勝 近畿大学(3年ぶり8回目)
2位 京都産業大学
3位 関西学院大学
4位 同志社大学
5位 大阪学院大学
6位 関西大学
7位 大阪体育大学
8位 流通科学大学(2部3位との入替え戦へ)
9位 大阪産業大学(2部2位との入替え戦へ)
10位 大阪教育大学(2部1位との自動入替え)
写真:最終的に全敗で2部への自動降格となってしまった大阪教育大は、最後まで下を向かずに1部での戦いを全うした。これを次年度以降にどう活かすかが問われる。
※リーグ後半戦の概要、関西学院大・中野選手、同志社大・古村選手のインタビュー、大阪学院大・木下選手、関西大・梶原選手、大阪体育大・草川選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※大会最終日の近畿大対京産大のレポートは別途掲載します。
2018.09.30 (Sun)
【2018関西リーグ1部】前半戦(9/1〜9/29)レポート
7勝1敗の首位に3チームが並ぶ大混戦
復帰初年度の同志社大も快調に追走

関西でも9月初週からリーグ戦が開幕した。今年も1部10チームが優勝、インカレ出場、残留をかけてしのぎを削りあう2ヶ月の攻防が進んでいる。
写真:大会8日目の最終試合、横川のラストショットで京産大を撃破し沸く関西学院大。後退直後のゲームでの劇的勝利で、同率首位に返り咲いた。
春は近畿大が全関と西日本インカレの2冠、昨年リーグ王者の京産大はいずれも準優勝。双方ともフレッシュかつ絶対的高さを誇る留学生を迎え、関西屈指の能力価を備えた選手が揃っているだけに、リーグ開幕当初はこの2校の力が目立つと思われ、実際に星を伸ばしていった。しかしこの勢力に並走して独走に待ったをかけた形としたのが関西学院大だ。サイズ不足は昨年以上に重くのしかかりながら、チーム全体でのリバウンドへの意識の高さも光り、近畿大、京産大とともに順調に連勝を続けた。開幕から6戦を終えるまでは、この3チームが全勝で並走する展開となった。
状況が動き始めたのは7戦目からだった。この日、近畿大と京産大が直接ぶつかり合い、春2戦ではいずれも惜敗を喫した京産大が、#3高田(4年・PG)の17得点の活躍もあり、今季初めて近畿大に土をつけた。その一方で関西学院大は、全勝勢を1敗でひたひたと追っていた同志社大に敗れ、初黒星ながらこの時点で4位に後退してしまう。
ところが直後の8日目、関西学院大はそれを払拭。唯一の全勝で単独首位となっていた京産大に何度も食い下がった末に、最後は#4横川(2年・SG)の3Pが決まり、1点差での見事な逆転勝利を挙げた。同日に同志社大が近畿大に敗れたため、再び3チームが1敗の同率首位に並び、それに2敗の同志社大、3敗の大阪学院大が続く例年にない混沌とした状態となっている。
関西ではリーグ戦上位5チームにインカレ出場権が与えられるものの、5位となればチャレンジマッチが待っている。今大会では9月30日実施予定のゲームが台風の影響により順延され、最終週直前に代替日が設定されたため、やむなくリーグ終盤は全チームが9日間で5試合を戦うこととなった。まだ半分以上の日程が残るとはいえ、少しの隙が取りこぼしにつながり、順位も左右されかねない。例年以上に難しく、そして手に汗握る終盤戦となりそうだ。
一方で6位以下は、5位の大阪学院大との星の差が既に2つ以上と苦しい状況。全関で3位決定戦を争った関西大と大阪体育大には、とりわけ想定外の展開であろう。その2チームがそれぞれ6位、7位に位置するが、上位陣と同様にこのグループも混戦模様だ。序盤から白星が遠かった流通科学大が6日目から連勝し大阪体育大に勝ち点を並べ同率7位に浮上し、昇格初年度の大阪教育大もここまで未勝利ながら関西大に肉薄する試合を演じるなど、こちらも少しの期間で順位が大きく変動する可能性がある。
大阪体育大を除けば、どのチームも昨年以前に2部を経験したメンバーを抱える。それだけに1部残留への気持ちは強いはずだ。最下位の自動降格はもちろんのこと、8、9位での入替え戦回避に向け、気の抜けない戦いが続く。
写真上:得点ランキング上位にランクインした選手のいない京産大。高田を中心にバランス良く攻められている証とも言える。
写真中:リーグ戦でも絶対的存在感を放つ近畿大・パトリック。
写真下:関西大は負傷者が相次ぎ台所事情が苦しい。主将の森田を中心に何とか浮上したい。
【第8日目終了時点】
京都産業大 勝ち点7
関西学院大 勝ち点7
近畿大 勝ち点7
同志社大 勝ち点6
大阪学院大 勝ち点5
関西大 勝ち点3
大阪体育大 勝ち点2
流通科学大 勝ち点2
大阪産業大 勝ち点1
大阪教育大 勝ち点0
※京都産業大・川口選手、関西学院大・古家選手、近畿大・榎田選手のインタビュー、同志社大・田邉選手、大阪学院大・山中選手のコメントは「続きを読む」へ。
復帰初年度の同志社大も快調に追走

関西でも9月初週からリーグ戦が開幕した。今年も1部10チームが優勝、インカレ出場、残留をかけてしのぎを削りあう2ヶ月の攻防が進んでいる。
写真:大会8日目の最終試合、横川のラストショットで京産大を撃破し沸く関西学院大。後退直後のゲームでの劇的勝利で、同率首位に返り咲いた。

状況が動き始めたのは7戦目からだった。この日、近畿大と京産大が直接ぶつかり合い、春2戦ではいずれも惜敗を喫した京産大が、#3高田(4年・PG)の17得点の活躍もあり、今季初めて近畿大に土をつけた。その一方で関西学院大は、全勝勢を1敗でひたひたと追っていた同志社大に敗れ、初黒星ながらこの時点で4位に後退してしまう。

関西ではリーグ戦上位5チームにインカレ出場権が与えられるものの、5位となればチャレンジマッチが待っている。今大会では9月30日実施予定のゲームが台風の影響により順延され、最終週直前に代替日が設定されたため、やむなくリーグ終盤は全チームが9日間で5試合を戦うこととなった。まだ半分以上の日程が残るとはいえ、少しの隙が取りこぼしにつながり、順位も左右されかねない。例年以上に難しく、そして手に汗握る終盤戦となりそうだ。

大阪体育大を除けば、どのチームも昨年以前に2部を経験したメンバーを抱える。それだけに1部残留への気持ちは強いはずだ。最下位の自動降格はもちろんのこと、8、9位での入替え戦回避に向け、気の抜けない戦いが続く。
写真上:得点ランキング上位にランクインした選手のいない京産大。高田を中心にバランス良く攻められている証とも言える。
写真中:リーグ戦でも絶対的存在感を放つ近畿大・パトリック。
写真下:関西大は負傷者が相次ぎ台所事情が苦しい。主将の森田を中心に何とか浮上したい。
【第8日目終了時点】
京都産業大 勝ち点7
関西学院大 勝ち点7
近畿大 勝ち点7
同志社大 勝ち点6
大阪学院大 勝ち点5
関西大 勝ち点3
大阪体育大 勝ち点2
流通科学大 勝ち点2
大阪産業大 勝ち点1
大阪教育大 勝ち点0
※京都産業大・川口選手、関西学院大・古家選手、近畿大・榎田選手のインタビュー、同志社大・田邉選手、大阪学院大・山中選手のコメントは「続きを読む」へ。
2018.06.10 (Sun)
【2018西日本インカレ】6/10 決勝 近畿大VS京都産業大
何度もリードが入れ替わる激しい競り合いも
近畿大が振り切り今季2冠目のタイトル奪取

全関でも決勝を戦った近畿大と京都産業大が、この西日本インカレでも最後の舞台まで勝ち進んだ。近畿大はこの大会も制し、関西3冠、そしてインカレでの上位入りへの足がかりとしたい立ち位置。一方の京産大は、全関で押し切られた悔しさを糧に、そして昨年のリーグ王者のプライドにかけて、今回こそは是が非でも勝ちを掴みたいところ。試合は1ヶ月前と同様、終盤まで何度も流れが行き来する白熱した展開が続くこととなった。
写真:優勝を決め、今村と榎田が喜びを噛み締めた。
全関の準決勝では途中から敷いたゾーンで一旦流れを掴んだ京産大。この日は、開始後早い段階からこの形で迎え撃った。ただ、近畿大はそれには動じず#36榎田(2年・PF)の得点で先制、#0パトリック(1年・C・東山)もペイント内で得点し先行。京産大は、立ち上がりからなかなか中にボールを集められず、スタートは確率を上げられない単発なものに。その間にも近畿大は#36榎田の3P、#0パトリックのインサイドが効果的に決まる。京産大はそれでもゾーンを続け、#24大庭(3年・SG)の3Pなどで反撃態勢に。#0パトリックの高さには苦しむが、その中でも#23サンブ(1年・C・沼津中央)、#38リンダー(3年・PF)のリバウンドシュートなどで、1Qのビハインドは2点に止めた。
2Q、京産大は#10上田(1年・SG・尽誠学園)がいきなり3Pを決めて逆転に成功。だが直後に#24大庭、#10上田が相次いで2回目をコールされてしまう。近畿大は#24今村(3年・PF)、#9濱高(4年・SG)が落ち着いてジャンプシュートを続けて再度リード。京産大はこの間にも#23サンブが2ファウル、#10上田は3ファウルとなってしまい悪い流れを断ち切れない。#0パトリックの連続得点が決まり、近畿大は9点リードとなった。しかし、#3高田(4年・PG)が意地の3Pを決めると、ようやく京産大は息を吹き返した。#14川口(3年・SG)のミドル、#24大庭の3Pも出て詰め寄る。先ほどまでの好ムードから一転、近畿大はバイオレーションも続いて無得点が続く。京産大はなおも攻め立て、#3高田、#14川口の3Pが続きまたも逆転した。ただ、#0パトリックの強さは前半残り僅かのこの時間帯も緩まず、リバウンドシュートを決める。すると最後は#36榎田が大きな3Pを決め、これで前半終了。流れが何度も揺れ動いたが、38−37でこのQも近畿大リードとなった。
後半もシーソーゲームが続く。近畿大#33濱田(3年・PG)が3Pを決めたのもつかの間、京産大は#23サンブが3連続得点を決め、更に#10上田も3Pも続いてルーキーコンビがチームを盛り上げる。しかしタイムアウトを挟んでまたも近畿大が反撃。次の一本を決められない京産大を尻目に、#33濱田の3Pなどで追いつき、#0パトリックのゴール下で一気にひっくり返した。京産大は#23サンブが3つ目をコールされるも、それをものともせずにバスケットカウントを獲得し、退かない。ただ、このQも最後の流れは近畿大に。#24今村のバスケットカウントと、#36榎田の得点も続いて、結局4点リードでシソーゲームは最終Qを迎えることとなった。
ここまで何度もリードが入れ替わったこの試合。4Qも#23サンブが得点したことでまたも京産大がリードを奪うかと思われた。近畿大も、#0パトリックが4つ目を吹かれて苦しいが、そのパトリックがこぼれ球を押し込んで、リードを死守。京産大は、ベンチから入った#1永尾(2年・PG)が果敢なドライブで食いさがるが、#0パトリックの高さをどうしても止められず、この時間帯は一時我慢比べの様相を呈した。残り5分を切り、近畿大は#36榎田が3Pのバスケットカウントを獲得し場内を沸かせる。負けじと京産大も#14川口が3Pで返すが、#24今村のドライブにパトリックのゴール下も続いて残り3分で8点差とし、勝利に近づく。全関の悔しさを晴らしたい京産大。タイムアウトを挟んで#23サンブのポストプレー、#3高田のバスケットカウントで、僅かな間でシュート一本差にはこぎつけた。しかし同点を狙った#24大庭の3Pは外れ、続くオフェンスで近畿大は#0パトリックがバスケットカウント。ワンスローも落ち着いて決めた。京産大はまたも#3高田が3Pを決めて場内をどよめかせるが、これも残り32.3秒、#0パトリックのリバウンドシュートに帳消しにされる形となってしまった。京産大はなおも外から狙うが決められず、最後に#38リンダーが意地のシュートを決めるが、その時点で勝負あった。最終的に73−70とした近畿大が、全関に続く関西2冠目を勝ち取った。
全関決勝戦と同様、シーソーゲームの様相となったこの試合。どちらに転ぶか分からない展開だったが、高田が「ディフェンスからブレイクという形が少なくなってしまった」と話すように、京産大はパトリックのインサイドに苦しみ、思うようなバスケットをなかなか強調出来なかった。高田、川口のアウトサイドが効果的に決まったものの、それは決して自分たち本来の形ではない。昨年は最終的には関西トップの座を掴んだが、今年はここまであと一歩の戦績が続く。夏の期間を使って力の底上げを図り、秋こそはタイトルを奪い返せるか。
近畿大にとって相手の3Pラッシュは計算外だったようだが、強みのインサイドで最後まで優勢に立ち続け、動揺する表情は見せず。苦手とするゾーンへの対応も、一定のものを見せてくれた。リーグでは3年ぶりの関西3冠をかけることとなるが、これまでより一層包囲網が厳しくなるのは目に見えている。気の抜けない2ヶ月となるが、インカレでの上位進出も狙えるポテンシャルもあるだけに、もう一段上の力を示せるかに注目が集まる。
写真上:京産大サンブは、パトリックに苦しみながらも奮戦。個人としても、秋は巻き返しが期待される選手だ。
写真中:近畿大は下級生のプレーが目立った中、今村も堅実なシュートで貢献を見せた。
写真下:ベンチスタートとなった川口が2本の3Pを決めた京産大。ルーキーの台頭が目を引くが、意地を見せた。
※近畿大・濱田選手、榎田選手、パトリック選手、京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
近畿大が振り切り今季2冠目のタイトル奪取

全関でも決勝を戦った近畿大と京都産業大が、この西日本インカレでも最後の舞台まで勝ち進んだ。近畿大はこの大会も制し、関西3冠、そしてインカレでの上位入りへの足がかりとしたい立ち位置。一方の京産大は、全関で押し切られた悔しさを糧に、そして昨年のリーグ王者のプライドにかけて、今回こそは是が非でも勝ちを掴みたいところ。試合は1ヶ月前と同様、終盤まで何度も流れが行き来する白熱した展開が続くこととなった。
写真:優勝を決め、今村と榎田が喜びを噛み締めた。

2Q、京産大は#10上田(1年・SG・尽誠学園)がいきなり3Pを決めて逆転に成功。だが直後に#24大庭、#10上田が相次いで2回目をコールされてしまう。近畿大は#24今村(3年・PF)、#9濱高(4年・SG)が落ち着いてジャンプシュートを続けて再度リード。京産大はこの間にも#23サンブが2ファウル、#10上田は3ファウルとなってしまい悪い流れを断ち切れない。#0パトリックの連続得点が決まり、近畿大は9点リードとなった。しかし、#3高田(4年・PG)が意地の3Pを決めると、ようやく京産大は息を吹き返した。#14川口(3年・SG)のミドル、#24大庭の3Pも出て詰め寄る。先ほどまでの好ムードから一転、近畿大はバイオレーションも続いて無得点が続く。京産大はなおも攻め立て、#3高田、#14川口の3Pが続きまたも逆転した。ただ、#0パトリックの強さは前半残り僅かのこの時間帯も緩まず、リバウンドシュートを決める。すると最後は#36榎田が大きな3Pを決め、これで前半終了。流れが何度も揺れ動いたが、38−37でこのQも近畿大リードとなった。

ここまで何度もリードが入れ替わったこの試合。4Qも#23サンブが得点したことでまたも京産大がリードを奪うかと思われた。近畿大も、#0パトリックが4つ目を吹かれて苦しいが、そのパトリックがこぼれ球を押し込んで、リードを死守。京産大は、ベンチから入った#1永尾(2年・PG)が果敢なドライブで食いさがるが、#0パトリックの高さをどうしても止められず、この時間帯は一時我慢比べの様相を呈した。残り5分を切り、近畿大は#36榎田が3Pのバスケットカウントを獲得し場内を沸かせる。負けじと京産大も#14川口が3Pで返すが、#24今村のドライブにパトリックのゴール下も続いて残り3分で8点差とし、勝利に近づく。全関の悔しさを晴らしたい京産大。タイムアウトを挟んで#23サンブのポストプレー、#3高田のバスケットカウントで、僅かな間でシュート一本差にはこぎつけた。しかし同点を狙った#24大庭の3Pは外れ、続くオフェンスで近畿大は#0パトリックがバスケットカウント。ワンスローも落ち着いて決めた。京産大はまたも#3高田が3Pを決めて場内をどよめかせるが、これも残り32.3秒、#0パトリックのリバウンドシュートに帳消しにされる形となってしまった。京産大はなおも外から狙うが決められず、最後に#38リンダーが意地のシュートを決めるが、その時点で勝負あった。最終的に73−70とした近畿大が、全関に続く関西2冠目を勝ち取った。

近畿大にとって相手の3Pラッシュは計算外だったようだが、強みのインサイドで最後まで優勢に立ち続け、動揺する表情は見せず。苦手とするゾーンへの対応も、一定のものを見せてくれた。リーグでは3年ぶりの関西3冠をかけることとなるが、これまでより一層包囲網が厳しくなるのは目に見えている。気の抜けない2ヶ月となるが、インカレでの上位進出も狙えるポテンシャルもあるだけに、もう一段上の力を示せるかに注目が集まる。
写真上:京産大サンブは、パトリックに苦しみながらも奮戦。個人としても、秋は巻き返しが期待される選手だ。
写真中:近畿大は下級生のプレーが目立った中、今村も堅実なシュートで貢献を見せた。
写真下:ベンチスタートとなった川口が2本の3Pを決めた京産大。ルーキーの台頭が目を引くが、意地を見せた。
※近畿大・濱田選手、榎田選手、パトリック選手、京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.06.10 (Sun)
【2018西日本インカレ】6/10 3位決定戦 関西大VS九州産業大
何度も粘りを見せた九州産業大が3位の座に
関西大は優勢の時間帯を活かし切れず

京産大相手に30点差で敗れた九州産業大と、勝利があとわずかに見えながらも近畿大に交わされる形となった関西大。3位決定戦は、それぞれ意味は異なるが準決勝のショックも残る中、それをいかに振り払うかも焦点となる状況で迎えることとなった。
写真:見事なパスを通した上良(左)と、それを決めた宮﨑。最後のプレーも決め手となり、九州産業大が3位をもぎ取った。
先行したのは九州産業大だった。#32アンソニー(2年・C)のインサイド、#30松川(4年・PG)の3Pと、内外でバランス良く得点する。反面関西大は序盤にネットを揺らせず。じわりと得点が決まり始めるも、出遅れる格好に。しばらくは九州産業大がリードを維持しながら、アップテンポに点を取り合う展開が続いた。すると2Q、九州産業大は#33比嘉(4年・C)が#0足立(3年・PG)に3Pのバスケットカウントを献上。関西大はこれで波に乗り、#17菅原(2年・PF)の速攻、#28中谷の3Pで一挙に逆転に成功。九州産業大は、ファウルも混み始めこの時間帯は苦しい。その後も順調に得点を伸ばした関西大が、9点のリードを掴んで前半終了となった。
このままで終わりたくない九州産業大。3Q開始すぐに24秒オーバーを誘い、気持ちを見せ、#32アンソニーがインサイドで奮闘を続ける。しかし関西大も慌てず、#0足立の速攻や#7河野(3年・C)のゴール下で決め返し、簡単に点差を詰めさせない。一旦は#47宮﨑(4年・SF)の3P、速攻が飛び出して九州産業大に追いつかれ、柱である#31梶原(4年・C)が負傷で一時交代を強いられるも、#17菅原や#7河野がそれを埋めて得点し、再度リードを得た。
しかし九州産業大は切れない。7点ビハインドで迎えた4Q出だしに#58鈴木(4年・SF)の3Pが飛び出す。ミスを犯しつつも#58鈴木が再びのレイアップ、#32アンソニーのゴール下も決まりまたも詰め寄り、#47宮﨑のバスケットカウントで再逆転。関西大もコートに戻った#31梶原がこちらもバスケットカウントを決め、僅かなリードを奪い合う緊迫した時間帯が続く。互いに決めきれないプレーが続いた直後、試合時間30秒を切ったところで九州産業大は#13上良(3年・SG)から#47宮﨑へのアシストが見事に決まり大きな3点差に乗せた。関西大は直後のオフェンスにかけるも、#31梶原に託された形のシュートは落ち、万事休す。最後はフリースローも着実に決めた九州産業大が、77−72で勝利。3位となった。
関西大が優勢に立とうかという場面も何度か見られた試合だったが、九州産業大が何度も苦しい場面で得点し、粘りに粘った末に勝利を掴んだ。前日の大敗を振り切り、全関でも上位に入った相手に競り勝ったことは、今後への自信にもあったはずだ。一方の関西大は、我慢比べの展開から終盤に足元をすくわれる形となり、全関同様の4位という立場に終わってしまった。ベストの布陣ではなかったとはいえ、苦しい状況でいかに打開していくかは、今後修正しなければいけないポイントになってくる。
写真:荒削りな部分もまだまだ多い九州産業大・アンソニーだが、14得点・14リバウンドのダブルダブル。
写真:ベストメンバーを組めなかった中で、関野も着実に台頭しつつある関西大。
※九州産業大・鈴木選手、関西大・梶原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
関西大は優勢の時間帯を活かし切れず

京産大相手に30点差で敗れた九州産業大と、勝利があとわずかに見えながらも近畿大に交わされる形となった関西大。3位決定戦は、それぞれ意味は異なるが準決勝のショックも残る中、それをいかに振り払うかも焦点となる状況で迎えることとなった。
写真:見事なパスを通した上良(左)と、それを決めた宮﨑。最後のプレーも決め手となり、九州産業大が3位をもぎ取った。

このままで終わりたくない九州産業大。3Q開始すぐに24秒オーバーを誘い、気持ちを見せ、#32アンソニーがインサイドで奮闘を続ける。しかし関西大も慌てず、#0足立の速攻や#7河野(3年・C)のゴール下で決め返し、簡単に点差を詰めさせない。一旦は#47宮﨑(4年・SF)の3P、速攻が飛び出して九州産業大に追いつかれ、柱である#31梶原(4年・C)が負傷で一時交代を強いられるも、#17菅原や#7河野がそれを埋めて得点し、再度リードを得た。

関西大が優勢に立とうかという場面も何度か見られた試合だったが、九州産業大が何度も苦しい場面で得点し、粘りに粘った末に勝利を掴んだ。前日の大敗を振り切り、全関でも上位に入った相手に競り勝ったことは、今後への自信にもあったはずだ。一方の関西大は、我慢比べの展開から終盤に足元をすくわれる形となり、全関同様の4位という立場に終わってしまった。ベストの布陣ではなかったとはいえ、苦しい状況でいかに打開していくかは、今後修正しなければいけないポイントになってくる。
写真:荒削りな部分もまだまだ多い九州産業大・アンソニーだが、14得点・14リバウンドのダブルダブル。
写真:ベストメンバーを組めなかった中で、関野も着実に台頭しつつある関西大。
※九州産業大・鈴木選手、関西大・梶原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.06.09 (Sat)
【2018西日本インカレ】6/9 準決勝
決勝は全関と同じ顔合わせに
2冠かける近畿大VSリベンジ狙う京産大

6月3日の日曜日から始まった西日本インカレは、残り2日と大詰めの段階。この日からは、ベスト4以上の戦いとなる。前年度成績が影響するシードの有無、組み合わせ次第では消耗にも拍車がかかってくる。その中でも、この大会での優勝はもちろんこの先の充実に向け、各チームのつばぜり合いは激しさが一層増してくる。
写真:味方のフリースローの合間にもコミュニケーションを欠かさない京産大。
貫禄の試合運びを示した京産大が快勝
準決勝第一試合、九州産業大と京都産業大の顔合わせは、終わってみれば京産大が貫禄を示した。
京産大は、立ち上がりから#24大庭(3年・SF)が好調。3Pやミドルシュートなど、外寄りから得点を重ねてチームを引っ張り、これに#10上田(1年・SG・尽誠学園)、#23サンブ(1年・C・沼津中央)も高確率でシュートを決めて続いていく。九州産業大も#32アンソニー(2年・C)や#58鈴木(4年・SF)の得点で応戦し、1Qはほぼイーブンでまとめた。しかしこのQ終了間際に好調の#32アンソニーが2ファウル目を喫してベンチに退く。すると、2Qは京産大が優位に立った。#38リンダー(3年・PF)のレイアップ、交代出場の#17真鍋(4年・SF)のゴール下などが続く。九州産業大は、得点が単発の状態に陥り我慢の時間帯を強いられた。最後に#58鈴木が2本の3Pを沈めて気を吐くが、前半終了時点で30−39。追いかける展開を余儀なくされた。
京産大は3Q開始すぐにも#38リンダー、#23サンブの得点が続いて二桁の点差に。なおも#10上田、#24大庭の3Pで畳み掛ける。九州産業大は、#30松川(4年・PG)の3Pを皮切りに停滞状態を脱するが、この時点で20点近いビハインド。#47宮﨑(4年・SF)らが何とか得点していくも、京産大の加点を止められずに時間が経過していった。最後は主力を下げた京産大が、89−59で快勝。全関に引き続き、決勝進出を決めた。
写真上:ベンチ起用となった川口も、限られたプレータイムで2本の3Pを決め貢献。本来の調子を取り戻しつつある。
写真下:決勝進出はならなかった九州産業大だが、得点源の宮﨑も最後まで果敢に攻め続けた。
※京都産業大・上田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
近畿大が辛くも逃げ切り決勝へ
準決勝もう一カードは、近畿大対関西大。関西同士の対決となった。
開始直後の主導権は近畿大。#36榎田(2年・PF)と#9濱高(4年・SG)が技ありの得点を決め、#0パトリック(1年・C・東山)のインサイドも堅実。関西大は追いかける展開を強いられる。だが約7分で近畿大は#0パトリックが2つ目をコールされてベンチへ。関西大はこれに乗じる形で#0足立(3年・PG)の3Pや#7河野(3年・C)のジャンパー、#6秋岡(2年・SG)の3Pが相次ぎ、1Qのうちにリードを奪還。2Qに近畿大は#0パトリックを一時戻すが、マークする#31梶原(4年・C)にポストアップから#17菅原(2年・PF)への絶妙なアシストを通されるなどして逆に点差が広がる。関西大は、更に#6秋岡が3Pを決めてリードを8点にまで拡大。ベンチも沸く。だがここから近畿大は#24今村(3年・PF)が目覚めた。ドライブやジャンプシュート、3Pなど多彩な形で得点を量産。#36榎田も積極的にリングを射抜いて点差を埋めた。関西大も#31梶原や#6秋岡のシュートが出るが、このQ最後は#36榎田の3Pで終了。リードを再び近畿大が得て、ハーフタイムとなった。
点の取り合いの様相は、3Qも変わらない。近畿大は#0パトリックがゴール下を量産すれば、関西大は#31梶原が好調を維持して決め返す。ただ、#36榎田のダンクや#8五十嵐(3年・SG)がクロックぎりぎりでミドルを決めて、近畿大のリードが僅かずつだが開く。食い下がりたい関西大は、時間を追うごとに消耗からか#0パトリックにセカンドチャンスを決められるシーンが目立ち始めた。これに外から#33濱田(3年・PG)のシュートも決まり、残り5分を切っても近畿大が10点以上のリードを守る。しかし#7河野が#0パトリックからツースローを得ると、最後の流れが関西大に転がった。#31梶原のターンシュート、#3竹村(1年・PG・草津東)のバスケットカウントで粘る。近畿大は、決定打の一本がどうしても遠い。残り1分12秒での7点差は、#7河野へのアリウープ、#28中谷(3年・PG)の3Pで、あろうことか僅かの間に2点に。相手が敢行したプレスに苦しみ、近畿大に焦りが見える。ただ関西大も惜しいところでのファウル、リバウンドを取りきれず次のオフェンスになかなかつなげられない。どうにかラストチャンスは得たが、最後のシュートは落ちてリバウンドは近畿大が死守した。粘りに粘った関西大ではあったが、86−84で近畿大に軍配が上がった。
写真上:最終的にはパトリックだけでなく、濱田の得点も効果的だった近畿大。
写真下:5番ポジションのマッチアップが白熱したこの試合。30得点の近畿大・パトリックに対し、関西大・梶原はその上をいく32得点。
※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2冠かける近畿大VSリベンジ狙う京産大

6月3日の日曜日から始まった西日本インカレは、残り2日と大詰めの段階。この日からは、ベスト4以上の戦いとなる。前年度成績が影響するシードの有無、組み合わせ次第では消耗にも拍車がかかってくる。その中でも、この大会での優勝はもちろんこの先の充実に向け、各チームのつばぜり合いは激しさが一層増してくる。
写真:味方のフリースローの合間にもコミュニケーションを欠かさない京産大。
貫禄の試合運びを示した京産大が快勝

京産大は、立ち上がりから#24大庭(3年・SF)が好調。3Pやミドルシュートなど、外寄りから得点を重ねてチームを引っ張り、これに#10上田(1年・SG・尽誠学園)、#23サンブ(1年・C・沼津中央)も高確率でシュートを決めて続いていく。九州産業大も#32アンソニー(2年・C)や#58鈴木(4年・SF)の得点で応戦し、1Qはほぼイーブンでまとめた。しかしこのQ終了間際に好調の#32アンソニーが2ファウル目を喫してベンチに退く。すると、2Qは京産大が優位に立った。#38リンダー(3年・PF)のレイアップ、交代出場の#17真鍋(4年・SF)のゴール下などが続く。九州産業大は、得点が単発の状態に陥り我慢の時間帯を強いられた。最後に#58鈴木が2本の3Pを沈めて気を吐くが、前半終了時点で30−39。追いかける展開を余儀なくされた。

写真上:ベンチ起用となった川口も、限られたプレータイムで2本の3Pを決め貢献。本来の調子を取り戻しつつある。
写真下:決勝進出はならなかった九州産業大だが、得点源の宮﨑も最後まで果敢に攻め続けた。
※京都産業大・上田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
近畿大が辛くも逃げ切り決勝へ

開始直後の主導権は近畿大。#36榎田(2年・PF)と#9濱高(4年・SG)が技ありの得点を決め、#0パトリック(1年・C・東山)のインサイドも堅実。関西大は追いかける展開を強いられる。だが約7分で近畿大は#0パトリックが2つ目をコールされてベンチへ。関西大はこれに乗じる形で#0足立(3年・PG)の3Pや#7河野(3年・C)のジャンパー、#6秋岡(2年・SG)の3Pが相次ぎ、1Qのうちにリードを奪還。2Qに近畿大は#0パトリックを一時戻すが、マークする#31梶原(4年・C)にポストアップから#17菅原(2年・PF)への絶妙なアシストを通されるなどして逆に点差が広がる。関西大は、更に#6秋岡が3Pを決めてリードを8点にまで拡大。ベンチも沸く。だがここから近畿大は#24今村(3年・PF)が目覚めた。ドライブやジャンプシュート、3Pなど多彩な形で得点を量産。#36榎田も積極的にリングを射抜いて点差を埋めた。関西大も#31梶原や#6秋岡のシュートが出るが、このQ最後は#36榎田の3Pで終了。リードを再び近畿大が得て、ハーフタイムとなった。

写真上:最終的にはパトリックだけでなく、濱田の得点も効果的だった近畿大。
写真下:5番ポジションのマッチアップが白熱したこの試合。30得点の近畿大・パトリックに対し、関西大・梶原はその上をいく32得点。
※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.06.08 (Fri)
【2018西日本インカレ】6/8 ベスト4進出チームレポート
関西勢が地力を発揮する中で
九州産業大がベスト4に食い込む

地方各地で春季最初の大会を終えてから約ひと月。大阪市のエディオンアリーナをメイン会場に、今年も西日本インカレが開催されている。
昨年は九州、東海勢が目覚ましい躍進を果たし、東海大九州が制したこの大会。だが、例年は関西勢が地力を発揮している様相が強い。今年もベスト4入りを果たした4分の3は近畿大、京都産業大、関西大といういずれも全関で上位に入った関西の実力校だった。その一方で、この中で唯一準決勝の戦いに割って入ったのが九州産業大。春の九州3位から、着実なジャンプアップを見せている。ここではそれぞれのチーム状態をレポートする。
写真:ベスト4進出にあと一歩だった富山大。佐藤(#33)、松山(#1)を中心に最後まで九州産業大を苦しめた。
◆Aブロック-近畿大
Aブロックは、全関を3年ぶりに制した近畿大が、余裕を見せながら突破した。高さ、能力の部分では関東相手にも引けを取らないレベルにある。ただ、その中でも#33濱田(3年・PG)は「全関が終わってから、ディフェンスやディナイに力を入れてきた。それによってディフェンスからやろうという意識で試合に臨めている」という。準々決勝の東海大九州戦は、前半はジリジリしたロースコアの展開だったが、ある意味これはその成果だったと言えよう。
全関を制したことで追われる立場にもなったが、濱田は「相手に今までとは違うような対策をされても対応できるように、全員で戦っていけたら」とも続ける。残り2試合は、これまでと比べてレベルも上がるが、「この大会のこれまでどおりにディフェンスから試合に入って、リーグにもつながるような内容を出せられればと思う」(濱田)。関西3冠も見据えながら戦っていく。
写真:今村の豪快なダンク。高い跳躍力は今シーズンも相変わらず。
◆Bブロック-関西大
大阪学院大や立命館大といった難敵を退け続けた関西大が、Bブロックを突破しベスト4に進出した。メンバーは教育実習や負傷による欠場者もおり万全ではないが、#0足立(3年・PG)は「悪い時間でもコミュニケーションの良さを出してみんなで我慢できているし、代わりに出る選手がその分の働きができている」と新陳代謝を良さに胸を張る。これまで出番の多くなかったベンチスタートの選手もその言葉通り安定したプレーを見せており、ここまで手応えを実感しながら戦えているようだ。
準決勝は、2冠目を目指す近畿大と対戦する。足立は「ここまで勝ててこられたのは、自分たちのやるべきことをやってきたから。目標だったベスト4到達も嬉しいが、今までのようにコミュニケーションを取り続ければ、自ずと結果はついてくると思っている」。全関では到達できなかった決勝の舞台へ、「いつも通り」に徹する。
写真:欠場者が多い中で、中谷を含めたベンチメンバーの奮起も鍵を握る。
◆Cブロック-九州産業大
関西勢の猛威の中、唯一九州から準決勝進出を果たしたのがCブロックの九州産業大だった。昨年インカレでも躍進した中京大や、春の北信越を制した富山大を下してここまでたどり着いた。主将の#58鈴木(4年・SF)は「中京大戦は、格上の相手なので最初の山場だと思っていて、富山大は西日本では毎年のように戦っている相手ということで、気持ちが入っていた。それをチームで乗り越えて、大きな喜びだった」と充実感溢れる表情だった。
ベスト4入りを決めた直後には、東海大九州のウォン監督がこのチームの選手たちに嬉しそうに声をかけていた姿も印象的な光景だった。「西日本インカレは、九州のバスケットを見せつけて、上に押し上げるつもりでやっていきたいと思っている」(鈴木)。ベスト4入りの他の3チームは関西でも上位のチーム。この先は苦しい戦いも想定されるが、地区を代表する気持ちと誇りをも背負い、この先の戦いに臨む。
写真:上良は準々決勝でチームハイの13得点だった。
◆Dブロック-京都産業大
Dブロックを制したのは京産大。苦しみながら勝ち進んでいた印象もあった全関とは異なり、攻守が噛み合いながらここまで駒を進めてきた。「京産の持ち味はディフェンスからのブレイク。このところの試合ではそれが出せている。全関後はコミュニケーションを重視しながらやってきた。それでチームの雰囲気が全関に比べてもかなり良くなってきている」と、主将の#3高田(4年・PG)は冷静にその要因を振り返る。まさにプレー面でも士気の面でも全関とはガラリと異なるチーム状態と言えるだろう。
準決勝の相手となる九州産業大とは対戦経験がなく、未知数の部分もある。ただ「京産のバスケをすれば勝てる」と高田は言い切った。あと一歩で阻まれた全関の借りを返すべく、残り2日の奮闘を期す。
写真:全関から調子を上げてきた印象のあるエース・大庭。この選手が波に乗れば、タイトルは近づいてくる。
九州産業大がベスト4に食い込む

地方各地で春季最初の大会を終えてから約ひと月。大阪市のエディオンアリーナをメイン会場に、今年も西日本インカレが開催されている。
昨年は九州、東海勢が目覚ましい躍進を果たし、東海大九州が制したこの大会。だが、例年は関西勢が地力を発揮している様相が強い。今年もベスト4入りを果たした4分の3は近畿大、京都産業大、関西大といういずれも全関で上位に入った関西の実力校だった。その一方で、この中で唯一準決勝の戦いに割って入ったのが九州産業大。春の九州3位から、着実なジャンプアップを見せている。ここではそれぞれのチーム状態をレポートする。
写真:ベスト4進出にあと一歩だった富山大。佐藤(#33)、松山(#1)を中心に最後まで九州産業大を苦しめた。
◆Aブロック-近畿大

全関を制したことで追われる立場にもなったが、濱田は「相手に今までとは違うような対策をされても対応できるように、全員で戦っていけたら」とも続ける。残り2試合は、これまでと比べてレベルも上がるが、「この大会のこれまでどおりにディフェンスから試合に入って、リーグにもつながるような内容を出せられればと思う」(濱田)。関西3冠も見据えながら戦っていく。
写真:今村の豪快なダンク。高い跳躍力は今シーズンも相変わらず。
◆Bブロック-関西大

準決勝は、2冠目を目指す近畿大と対戦する。足立は「ここまで勝ててこられたのは、自分たちのやるべきことをやってきたから。目標だったベスト4到達も嬉しいが、今までのようにコミュニケーションを取り続ければ、自ずと結果はついてくると思っている」。全関では到達できなかった決勝の舞台へ、「いつも通り」に徹する。
写真:欠場者が多い中で、中谷を含めたベンチメンバーの奮起も鍵を握る。
◆Cブロック-九州産業大

ベスト4入りを決めた直後には、東海大九州のウォン監督がこのチームの選手たちに嬉しそうに声をかけていた姿も印象的な光景だった。「西日本インカレは、九州のバスケットを見せつけて、上に押し上げるつもりでやっていきたいと思っている」(鈴木)。ベスト4入りの他の3チームは関西でも上位のチーム。この先は苦しい戦いも想定されるが、地区を代表する気持ちと誇りをも背負い、この先の戦いに臨む。
写真:上良は準々決勝でチームハイの13得点だった。
◆Dブロック-京都産業大

準決勝の相手となる九州産業大とは対戦経験がなく、未知数の部分もある。ただ「京産のバスケをすれば勝てる」と高田は言い切った。あと一歩で阻まれた全関の借りを返すべく、残り2日の奮闘を期す。
写真:全関から調子を上げてきた印象のあるエース・大庭。この選手が波に乗れば、タイトルは近づいてくる。
2018.05.05 (Sat)
【2018全関】5/5 決勝 近畿大VS京都産業大
我慢の時間を耐え抜き近畿大が3年ぶり優勝
京産大は一時逆転に成功も、最終盤に失速

注目の留学生ルーキーが入学した近畿大と京都産業大。全関の決勝にたどり着いたのは、今後数年間関西で中心視され、上位争いを演じていくことが予想される2チームとなった。ともに準決勝までは荒削りで、課題も見えながらの戦い方。決勝では、ともにプラン外の出来事に襲われたこともあり、流れが幾度も揺れ動くゲームとなった。
写真:優勝を決め、歓喜の近畿大。
前日は立ち上がりから猛攻を見せて快勝した近畿大。この日も#24今村のドライブで先制し、#9濱高(4年・SG)のレイアップ、#33濱田(3年・PG)の3Pも続く。対する京産大も#38大庭(3年・SG)がフリースロー、3Pを続けてすぐに詰め寄る。一方、試合の中で注目だったのは近畿大#0パトリック(1年・C・東山)と京産大#23サンブ(1年・C・沼津中央)の留学生ルーキー対決。ともに早い時間にファウルを吹かれ、見る者も当事者も肩すかしを食う形になったが、先手を取ったのは#23サンブ。約3分半で仕掛けたプレーにたまらず#0パトリックがファウルし、パトリックはこれが2つ目に。直後にはアリウープまで決めた#23サンブ。近畿大は慌てず、#36榎田(2年・PF)の3P、#24今村(3年・PF)のレイアップで再び点差を広げるが、あろうことか7分強が経過した場面で、コートに残していた#0パトリックが3つ目を吹かれ、さすがに下げざるを得ない。出遅れた京産大は、今度は#38リンダー(3年・PF)や#3高田(4年・PG)の得点、#23サンブのダンクで挽回するが、その間にこちらも#24大庭が2ファウル目となってペースアップとはならず。互いに想定外の事態に直面した立ち上がりだが、得点面では近畿大が6点リードし、明暗の分かれる1Qとなった。
パトリック不在のうちに流れを引き寄せたい京産大。早速#24大庭、#1永尾(2年・PG)の得点が相次ぎ、近畿大に詰め寄る。しかし近畿大は#9濱高(4年・SG)のゴール下で落ち着き、厳しいディフェンスで京産大にきっかけを与えない。その後も#9濱高が2本の3Pを決めるなどした近畿大は、リードを二桁とした。京産大は単発なオフェンスから抜け出せず、残り4分で#24大庭が3つ目をコールされてこちらも苦い表情に。京産大は最後に#21リンダーのリバウンドシュートや#3高田のバスケットカウント、#24大庭も3Pを決めるが、それでも点差は9点。近畿大ペースのまま前半が終了した。
このまま引き離したい近畿大。3Q早々に#9濱高や#0パトリックの得点で再びペースアップを図る。ところが2分で#0パトリックがまさかの4ファウルに。ここから勝負は分からなくなった。京産大がゾーンを敷き、中にボールを入れられない近畿大は、ターンオーバーや24秒オーバーなどで一気に攻撃が停滞。この間に京産大は#38リンダーが内外で得点し、交代出場の#21会田(4年・C)もペイント内を制圧した。#24大庭が4つ目、#38リンダーと#23サンブは3つ目を吹かれるなどするが、最後に#21会田がゴール下を決めて、ビハインドを2点にまでまとめてみせた。これで勝負はラストQを迎えた。
4Q開始後、京産大は#38リンダーに3Pが飛び出し遂に逆転に成功。近畿大も#0パトリックのゴール下で返してこれに引かない。僅差の攻防が続くかと思われたが、ここに来て京産大はシュート率が下がり、オフェンスが重くなる。近畿大は#0パトリックのゴール下や#36榎田(2年・PF)の速攻などでじわりとリードを広げる。残り4分を切り、#0パトリック、#24今村の得点が続いたところでまたも点差が10点となった。京産大は直後に#23サンブが#0パトリックからバスケットカウントを獲得。#0パトリックは、2分強を残してファウルアウトとなった。これに付け入りたい京産大だが、打ち急ぐようなシュートが続いてこの時間帯も苦しい。反面近畿大は#33濱田(3年・PG)が大きなジャンパーを沈め、#36榎田がドライブで続いて安全圏のリードとした。京産大は、必死のプレーを続けていた#24大庭、#23サンブが相次いでファウルアウト。事実上勝負が決した。最後は80−68とした近畿大が、3年ぶりに全関のタイトルを掴んだ。
ともに中心選手がファウルトラブルで苦しみ、流れが何度も大きく揺れ動いた。勝利した近畿大も、内容的にベスト、とまでは言えないものであったが、パトリックがコートに立てずともフォワード陣が奮起。3Qはゾーンに手を焼き急失速を強いられたが、我慢の末に4Qは引き離しに成功した。タイトル奪取はこれが3年ぶり。留学生のみならず能力自慢の選手が揃い、久々に関西のトップを維持する予感が漂うが、まだこれはシーズン最初の大会。大会の中には、危ない内容の試合もあった。安定感の向上、チーム力の底上げも、今後必要になってくるテーマとなる。
最近は決して春先の仕上がりが良いとは言えない京産大。その中での決勝進出は大きな結果だが、苦しみながらの勝ち上がりであり、決勝では近畿大の能力面に屈した部分も強い。この2年は夏を乗り越え一気にチーム力を高めていったが、今年も同様のプロセスをなぞっていけるかは分からない。更に昨年は久々にリーグを制し、今年は一貫して追われる立場である。1ヶ月後の西日本インカレは、確度・精度を上げていく貴重な舞台。リベンジを果たせるか。
写真上:榎田はベンチスタート起用が多いが、スタメンプレーヤーと遜色ない活躍ぶり。
写真中:パトリック相手にも、京産大・サンブは立ち上がりから積極的だった。
写真下:リバウンドを争う留学生の2選手。今後も注目される対決となっていくだろう。
※近畿大・濱高選手、今村選手、濱田選手、京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
京産大は一時逆転に成功も、最終盤に失速

注目の留学生ルーキーが入学した近畿大と京都産業大。全関の決勝にたどり着いたのは、今後数年間関西で中心視され、上位争いを演じていくことが予想される2チームとなった。ともに準決勝までは荒削りで、課題も見えながらの戦い方。決勝では、ともにプラン外の出来事に襲われたこともあり、流れが幾度も揺れ動くゲームとなった。
写真:優勝を決め、歓喜の近畿大。

パトリック不在のうちに流れを引き寄せたい京産大。早速#24大庭、#1永尾(2年・PG)の得点が相次ぎ、近畿大に詰め寄る。しかし近畿大は#9濱高(4年・SG)のゴール下で落ち着き、厳しいディフェンスで京産大にきっかけを与えない。その後も#9濱高が2本の3Pを決めるなどした近畿大は、リードを二桁とした。京産大は単発なオフェンスから抜け出せず、残り4分で#24大庭が3つ目をコールされてこちらも苦い表情に。京産大は最後に#21リンダーのリバウンドシュートや#3高田のバスケットカウント、#24大庭も3Pを決めるが、それでも点差は9点。近畿大ペースのまま前半が終了した。

4Q開始後、京産大は#38リンダーに3Pが飛び出し遂に逆転に成功。近畿大も#0パトリックのゴール下で返してこれに引かない。僅差の攻防が続くかと思われたが、ここに来て京産大はシュート率が下がり、オフェンスが重くなる。近畿大は#0パトリックのゴール下や#36榎田(2年・PF)の速攻などでじわりとリードを広げる。残り4分を切り、#0パトリック、#24今村の得点が続いたところでまたも点差が10点となった。京産大は直後に#23サンブが#0パトリックからバスケットカウントを獲得。#0パトリックは、2分強を残してファウルアウトとなった。これに付け入りたい京産大だが、打ち急ぐようなシュートが続いてこの時間帯も苦しい。反面近畿大は#33濱田(3年・PG)が大きなジャンパーを沈め、#36榎田がドライブで続いて安全圏のリードとした。京産大は、必死のプレーを続けていた#24大庭、#23サンブが相次いでファウルアウト。事実上勝負が決した。最後は80−68とした近畿大が、3年ぶりに全関のタイトルを掴んだ。

最近は決して春先の仕上がりが良いとは言えない京産大。その中での決勝進出は大きな結果だが、苦しみながらの勝ち上がりであり、決勝では近畿大の能力面に屈した部分も強い。この2年は夏を乗り越え一気にチーム力を高めていったが、今年も同様のプロセスをなぞっていけるかは分からない。更に昨年は久々にリーグを制し、今年は一貫して追われる立場である。1ヶ月後の西日本インカレは、確度・精度を上げていく貴重な舞台。リベンジを果たせるか。
写真上:榎田はベンチスタート起用が多いが、スタメンプレーヤーと遜色ない活躍ぶり。
写真中:パトリック相手にも、京産大・サンブは立ち上がりから積極的だった。
写真下:リバウンドを争う留学生の2選手。今後も注目される対決となっていくだろう。
※近畿大・濱高選手、今村選手、濱田選手、京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
2018.05.05 (Sat)
【2018全関】5/5 3位決定戦 大阪体育大VS関西大
劣勢となった関西大が猛追を見せるも
大阪体育大がそれを交わして3位に

ともに大会初優勝がちらつく準決勝まで進出しながら、大差で敗れた関西大と大阪体育大。切り替えが重要な3位決定戦は、ともに最後まで勝ちにこだわる熱戦となった。
写真:最終局面でも確認を怠らない大阪体育大。メンバーが代わっても、一体感は健在だ。
立ち上がりは大阪体育大がペースを掌握した。#4草川(4年・PG)が安定して得点を続けると波に乗った。#32中原(1年・PF・阪南大高)のジャンパーや#13伴のインサイド、#30藤本の3Pなど、非常にバランス良くスコアを動かしていく。関西大は、前日の準決勝・京産大戦同様にボールの回りが悪く単発なオフェンスが続いて2Q途中には一旦14点のビハインドとなった。ただ#7河野(3年・C)の3点プレーから立て直した。相手に徐々にファウルが増え始め、ターンオーバーも出たのを尻目に、#28中谷(3年・PG)が速攻を決め、#31梶原(4年・C)のバスケットカウントが飛び出すなどしてようやく流れを呼び込んだ。大きな差を7点にまで縮めて前半終了となった。
ただ、3Qは再度大阪体育大にリズムが渡った。#7山田(3年・SG)が3Pを決め、#32中原のゴール下が続いて再度リードを2桁に乗せることに成功。関西大も#11森田(4年・PG)が個人技で決めていくが、単発なオフェンスを拭えない。2Qまでに主力が相次ぎ3ファウル目を吹かれていたが、このQのファウルは抑えた大阪体育大が12点リードと有利な状況で4Qに入る。ただ、ここから俄かに関西大が盛り返した。口火を切ったのは#28中谷の連続3P。大阪体育大は、なんと4Q開始から5分以上フィールドゴールを決められず、再びファウルとターンオーバーで苦しむ状況となった。これを尻目に関西大は#17菅原が大きな働きを見せた。ドライブやジャンプシュート、ポストプレーなど多彩な形で得点を重ね、残り3分を切って遂に65−65の同点とした。ただ、ここで関西大を押し戻したのは大阪体育大#30藤本(2年・PG)。獲得したフリースローを2本とも落ち着いて決め、更にはジャンプシュートも沈め再度リードを得た。ここからは互いにハードに守り、フリースローを打ち合う様相となったが、#32中原、#7山田も落とさない大阪体育大に対し、関西大は確率を上げられなかった。最後はシュート1本で追いつく3点差の状況で、思うようなシュートを打てず。終盤はファウルが増えて我慢比べの様相も呈した試合を、大阪体育大が78−75で制した。
大阪体育大は前日の大敗を払拭。最終局面は関西大の猛追に冷や汗をかいたが、決定打は最後まで許さず競り勝った。絶対的な存在だった内藤と岸田が卒業したが、ベースのバスケットは不変のまま、それを貫いている。全関では一昨年から3位→2位→3位と安定した戦績を残している一方で、アクシデントにより秋にかけては思うような結果を残せていない。体のケアの部分にも注意を払いながら、スタッフの力も結集して今年の秋こそは優勝争いに加わりたい。
全関で初のベスト4入りとなった関西大。ただ、この3日間トータルの内容は満足できるものではなかっただろう。負傷者がいたというエクスキューズはあるが、連敗した2試合は攻守ともにチグハグな印象も残った。その中で、苦しい時間帯にもメンバー同士で声を掛け合う姿は、昨年のチームから引き継がれた大きな財産と言えよう。この試合ではこれまで見せ場の多くなかった中谷・菅原の両名の活躍も目を引いた。課題と収穫を糧とし、西日本、そして秋のリーグに挑んでいく。
写真上:2年目となる大阪体育大・藤本。入学直後と比べ、自ら攻める積極性が増している印象だ。
写真下:この試合目立った活躍の関西大・菅原。これをきっかけに飛躍の1年とできるか。
※大阪体育大・草川選手、山田選手、関西大・森田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
大阪体育大がそれを交わして3位に

ともに大会初優勝がちらつく準決勝まで進出しながら、大差で敗れた関西大と大阪体育大。切り替えが重要な3位決定戦は、ともに最後まで勝ちにこだわる熱戦となった。
写真:最終局面でも確認を怠らない大阪体育大。メンバーが代わっても、一体感は健在だ。

ただ、3Qは再度大阪体育大にリズムが渡った。#7山田(3年・SG)が3Pを決め、#32中原のゴール下が続いて再度リードを2桁に乗せることに成功。関西大も#11森田(4年・PG)が個人技で決めていくが、単発なオフェンスを拭えない。2Qまでに主力が相次ぎ3ファウル目を吹かれていたが、このQのファウルは抑えた大阪体育大が12点リードと有利な状況で4Qに入る。ただ、ここから俄かに関西大が盛り返した。口火を切ったのは#28中谷の連続3P。大阪体育大は、なんと4Q開始から5分以上フィールドゴールを決められず、再びファウルとターンオーバーで苦しむ状況となった。これを尻目に関西大は#17菅原が大きな働きを見せた。ドライブやジャンプシュート、ポストプレーなど多彩な形で得点を重ね、残り3分を切って遂に65−65の同点とした。ただ、ここで関西大を押し戻したのは大阪体育大#30藤本(2年・PG)。獲得したフリースローを2本とも落ち着いて決め、更にはジャンプシュートも沈め再度リードを得た。ここからは互いにハードに守り、フリースローを打ち合う様相となったが、#32中原、#7山田も落とさない大阪体育大に対し、関西大は確率を上げられなかった。最後はシュート1本で追いつく3点差の状況で、思うようなシュートを打てず。終盤はファウルが増えて我慢比べの様相も呈した試合を、大阪体育大が78−75で制した。

全関で初のベスト4入りとなった関西大。ただ、この3日間トータルの内容は満足できるものではなかっただろう。負傷者がいたというエクスキューズはあるが、連敗した2試合は攻守ともにチグハグな印象も残った。その中で、苦しい時間帯にもメンバー同士で声を掛け合う姿は、昨年のチームから引き継がれた大きな財産と言えよう。この試合ではこれまで見せ場の多くなかった中谷・菅原の両名の活躍も目を引いた。課題と収穫を糧とし、西日本、そして秋のリーグに挑んでいく。
写真上:2年目となる大阪体育大・藤本。入学直後と比べ、自ら攻める積極性が増している印象だ。
写真下:この試合目立った活躍の関西大・菅原。これをきっかけに飛躍の1年とできるか。
※大阪体育大・草川選手、山田選手、関西大・森田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.05.05 (Sat)
【2018全関】5/5 5位決定戦 天理大VS関西学院大
前半苦しむも巻き返しに成功の関西学院大が5位に
各メンバーが代わる代わる奮起の天理大は収穫の6位

ここ2年、全関では準々決勝で好勝負となっている関西学院大対天理大の顔合わせ。これが今年の5位決定戦のカードとなった。
写真:バスケットカウントを獲得し、笑顔の関西学院大・坂本龍平。
前半はどこか集中を欠いたプレーも見られた関西学院大。最初はこれに天理大が乗じる形になった。#3藤澤(2年・PG)が隙をついてシュートを決めていき、#15黄(2年・C)もペイント内で奮闘。出遅れた関西学院大は、#40古家(3年・PG)が喝を入れた。3Pを決めて停滞を打破すると、交代出場の#33坂本龍平(1年・C・初芝橋本)も得点を重ねていき一旦は追いついた。逆に勢いが削がれた天理大だが、1Q最後に#32吉崎(4年・SG)がバスケットカウントを獲得。4点リードで2Qに入ると、一旦は#11小西聖也(1年・PG・洛南)の得点を許してビハインドとなるが、#46森山(2年・PF)の3P、#15黄のミドルで再逆転。関西学院大は、前半はどこか噛み合わない部分も目立ち、そのまま追いかける展開を強いられた。結局天理大が4点リードで前半終了となった。
3Q、いきなり関西学院大は#1松本(2年・PF)が足を痛めて交代を余儀なくされる。嫌な予感が漂う中、これを#40古家が連続得点で払拭。すると#50坂本拓馬(3年・SF)の3P、#74中野(4年・SG)のバスケットカウントも飛び出し逆転に成功。天理大はこの時間帯になって単発なオフェンスが続き、じわりと点差が広がることとなった。関西学院大は優位な状況に立っても#40古家が積極的に決めていき、#14高山(4年・SG)も活力を注ぐバスケットカウントを決めてチームを盛り上げた。天理大はその後も反撃の糸口を掴めず、前半の好調ぶりから一転して失速。最後まで劣勢を立て直せなかった。最後は89−66とした関西学院大が勝利を収めた。
全関5位がシーズンのスタートとなった今年の関西学院大。結果としては悔いもあるだろうが、チームとしてのリバウンドへの積極性は光った。昨年から高さの部分で劣るが、それを克服しつつある印象だ。今季からアシスタントコーチとなった昨年主将の堤が抜けた部分は、古家と八角がしっかりとカバー。フレッシュマンも良さを見せ、得るものの多い大会だっただろう。
今年は2部所属となる天理大。1年間の留学を経て主将として復帰した佐々木のドライブは安定感を増し、苦しい時間帯でも淡々と得点する姿は心強い。昨年同様に以前よりインサイドが手薄な印象であるが、昨年苦い経験をした黄や倉富をはじめ、ベンチメンバーや下級生がそれを埋めている。西日本インカレ以降はどの選手も未体験ゾーンでの戦いが待っているが、もう一段上のレベルに達すれば、1年での1部返り咲きは大きく近づくはずだ。
写真上:この日は自ら狙う姿勢が目立った関西学院大・古家。
写真下:天理大は森山も、次世代を担うべき存在として期待される。
※関西学院大・高山選手、天理大・佐々木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
各メンバーが代わる代わる奮起の天理大は収穫の6位

ここ2年、全関では準々決勝で好勝負となっている関西学院大対天理大の顔合わせ。これが今年の5位決定戦のカードとなった。
写真:バスケットカウントを獲得し、笑顔の関西学院大・坂本龍平。

3Q、いきなり関西学院大は#1松本(2年・PF)が足を痛めて交代を余儀なくされる。嫌な予感が漂う中、これを#40古家が連続得点で払拭。すると#50坂本拓馬(3年・SF)の3P、#74中野(4年・SG)のバスケットカウントも飛び出し逆転に成功。天理大はこの時間帯になって単発なオフェンスが続き、じわりと点差が広がることとなった。関西学院大は優位な状況に立っても#40古家が積極的に決めていき、#14高山(4年・SG)も活力を注ぐバスケットカウントを決めてチームを盛り上げた。天理大はその後も反撃の糸口を掴めず、前半の好調ぶりから一転して失速。最後まで劣勢を立て直せなかった。最後は89−66とした関西学院大が勝利を収めた。

今年は2部所属となる天理大。1年間の留学を経て主将として復帰した佐々木のドライブは安定感を増し、苦しい時間帯でも淡々と得点する姿は心強い。昨年同様に以前よりインサイドが手薄な印象であるが、昨年苦い経験をした黄や倉富をはじめ、ベンチメンバーや下級生がそれを埋めている。西日本インカレ以降はどの選手も未体験ゾーンでの戦いが待っているが、もう一段上のレベルに達すれば、1年での1部返り咲きは大きく近づくはずだ。
写真上:この日は自ら狙う姿勢が目立った関西学院大・古家。
写真下:天理大は森山も、次世代を担うべき存在として期待される。
※関西学院大・高山選手、天理大・佐々木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.05.05 (Sat)
【2018全関】5/5 7位決定戦 大阪学院大VS流通科学大
立ち上がりから優位に立ち大阪学院大が勝利
流通科学大には課題の残る大会に
準々決勝以降は2連敗の状態で臨まなければならない7位決定戦。最終日4試合の中で最もモチベーション的に難しい舞台には、大阪学院大と流通科学大が進出した。
試合開始から大阪学院大は#8吉井(2年・SF)と#20橋口(3年・SG)の積極性が光った。ともに器用なプレーで内外で得点を稼ぎ、早々に先行態勢を作る。流通科学大は、早い段階でファウルがかさみ、波に乗り切れない。#6 清水(4年・PG)が自ら決めていき気を吐くが、大阪学院大は#6山下(1年・PG・九州学院)の得点も続いてリードを堅持する。時間経過とともにミスも出始めるが、要所の得点で10点前後の点差から縮めさせない。高さの部分で劣勢の流通科学大にも#99(2年・C)の得点などが出るが、この日は終始大阪学院大が余裕ある試合運びを演じた。2Q中盤以降は#8吉井のバスケットカウントや#30木下(4年・PG)の3Pなどで再びギアを上げていった。前半で20点ものリードを得てハーフタイムを迎えた。
さすがにこのままでは終われない流通科学大。3Q開始早々、#9諏訪(3年・PF)のタフショットや#8松浦(4年・SG)の3Pなどでにわかに追撃態勢を整える。しかし、この中でも大阪学院大は#8吉井の得点が続き、すぐに落ち着きを取り戻した。対する流通科学大は、またもファウルが続くなどして良い流れを続けられない。最後にはベンチメンバーを投入する余裕を見せた大阪学院大が、101−82で完勝。7位となった。
今大会に3連覇がかかっていた大阪学院大。京産大との準々決勝で敗れると、翌日は気落ちもあってか天理大の若いメンバーの勢いに屈し、まさかの7位決定戦行きとなった。しかしこの日は序盤から吉井を中心に快調に飛ばし、付け入る隙を与えなかった。苦しんだ印象もある大会だが、これまで試合経験の少なかったメンバーの光るプレーも目立ち、底上げにもつながったはずだ。近年はどの大会でも安定した戦績を残しているだけに、この先の大会ではこのような結果では終われないだろう。
ベスト8決定戦では、ミスマッチを跳ね返して立命館大を下した流通科学大。一発勝負での爆発力が侮れないチームであるが、それ以降の戦いではディフェンス面で持ちこたえられない展開の試合が続き、後味の悪い全関となった。昨年もサイズ不足がのしかかっていたチームだが、リーグでは存在感を見せて上位校を何度も慌てさせたメンバーの多くが残っている。ポテンシャルはあるだけに、この先に向けて状態を上げていきたい。
写真上:大阪学院大・山下は、ルーキーながらスタメンを担った。
写真下:流通科学大は、主将である高田の出来も浮沈を左右する。
※大阪学院大・木下選手、流通科学大・松浦選手のインタビューは「続きを読む」へ。
流通科学大には課題の残る大会に

試合開始から大阪学院大は#8吉井(2年・SF)と#20橋口(3年・SG)の積極性が光った。ともに器用なプレーで内外で得点を稼ぎ、早々に先行態勢を作る。流通科学大は、早い段階でファウルがかさみ、波に乗り切れない。#6 清水(4年・PG)が自ら決めていき気を吐くが、大阪学院大は#6山下(1年・PG・九州学院)の得点も続いてリードを堅持する。時間経過とともにミスも出始めるが、要所の得点で10点前後の点差から縮めさせない。高さの部分で劣勢の流通科学大にも#99(2年・C)の得点などが出るが、この日は終始大阪学院大が余裕ある試合運びを演じた。2Q中盤以降は#8吉井のバスケットカウントや#30木下(4年・PG)の3Pなどで再びギアを上げていった。前半で20点ものリードを得てハーフタイムを迎えた。
さすがにこのままでは終われない流通科学大。3Q開始早々、#9諏訪(3年・PF)のタフショットや#8松浦(4年・SG)の3Pなどでにわかに追撃態勢を整える。しかし、この中でも大阪学院大は#8吉井の得点が続き、すぐに落ち着きを取り戻した。対する流通科学大は、またもファウルが続くなどして良い流れを続けられない。最後にはベンチメンバーを投入する余裕を見せた大阪学院大が、101−82で完勝。7位となった。

ベスト8決定戦では、ミスマッチを跳ね返して立命館大を下した流通科学大。一発勝負での爆発力が侮れないチームであるが、それ以降の戦いではディフェンス面で持ちこたえられない展開の試合が続き、後味の悪い全関となった。昨年もサイズ不足がのしかかっていたチームだが、リーグでは存在感を見せて上位校を何度も慌てさせたメンバーの多くが残っている。ポテンシャルはあるだけに、この先に向けて状態を上げていきたい。
写真上:大阪学院大・山下は、ルーキーながらスタメンを担った。
写真下:流通科学大は、主将である高田の出来も浮沈を左右する。
※大阪学院大・木下選手、流通科学大・松浦選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.05.04 (Fri)
【2018全関】5/4 レポート(準決勝、5〜8位決定戦)
関西最初の三冠タイトルへ
決勝は近畿大vs京産大に

この日の全関は、準決勝、順位決定戦の2試合ずつのカードとなった。この日を含めて各チームの残り試合は2つ。準々決勝以降は毎年3連戦の大会であるがゆえ、課題があっても修正時間はほとんどない中での戦いとなる。試合の中での修正力、切り替えの早さが求められるのは、この大会特有の厳しさであろう。
準決勝の結果、決勝進出を決めたのは近畿大と京都産業大。両者ここまで盤石の内容とは決して言えないながらも、ここまで勝ち進んできた。ともに期待の留学生を今年から迎えた同士であり、今季の関西を占う上で注目の一戦だ。
写真:倒れ込みながらバスケットカウントを獲得した榎田を、全員で助け起こす近畿大。
関西学院大と流通科学大による順位決定戦は、立ち上がりから関西学院大が主導権を掌握した。主将の#7高山(4年・SF)を中心に順調に得点を重ね、1Qで早くも17点差に。流通科学大も2Qに#8松浦(4年・SG)が3本の3Pを決めるなどして挽回を図るが、ファウルが込んでフリースローの失点が目立った。優勢の関西学院大のペースがそのまま続き、105−72で勝利した。
順位決定戦もう一試合の大阪学院大と天理大の一戦は、序盤から天理大リードで推移した。開始直後から#24佐々木(3年・PG)が順調にシュートを決め、若いチームをもり立てる。大阪学院大も#30木下(4年・PG)、#8吉井(2年・SF)の得点が出て大きくは離されないが、このゲームでは、天理大の活力がそれを上回ってみせた。中盤以降は、#68高松(2年・SF)や#28二見(1年・PF・豊浦)というフレッシュなメンバーが次々と得点し、最後まで流れを渡さず。大阪学院大は、最後は#30木下が何度も難しいシュートを沈めていったものの、その都度決め返した天理大が78−70で逃げ切りに成功した。
写真:天理大は高松が17得点。経験の少ないメンバーが、着実に成長している大会だ。
※関西学院大・松本選手、天理大・藤澤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【近畿大が大阪体育大を圧倒しあと1勝に】
準決勝第一試合は、一昨年決勝に進んだ近畿大と、昨年のファイナリストである大阪体育大の顔合わせ。奇しくも、一昨年と昨年の準決勝と同カードとなった。
前日の関西学院大との準々決勝は、ギリギリでの逆転勝利だった近畿大。この日も出遅れが懸念されたが、試合開始直後、近畿大はいきなり果敢に仕掛けた#9濱高(4年・SG)が豪快なバスケットカウントを獲得。結果的にこのプレーが勝負の流れを決したこととなった。ワンスローは落とすも、これを拾った#0パトリック(1年・C・東山)までもがバスケットカウント。勢いづいた近畿大は、この両名が更に加点し、2分半で11−0とする。大阪体育大は完全に出遅れる形となってしまった。#7山田(3年・SG)が3Pを決めていき打開を図るが、近畿大は#24今村(3年・PF)、#36榎田(2年・PF)もシュートが決まり始める理想的な状態となった。早々にダブルスコア以上のビハインドを背負った大阪体育大。2Q後半に#30藤本(2年・PG)が自ら攻めフリースローを得るが、ここでの確率も上げられず。前半終了間際には#30坂口(2年・SG)、#33濱田(3年・PG)にも得点が出た近畿大のリードは、この時点で25点となった。
このままでは引き下がれない大阪体育大も、意地を見せた。3Qには、#7山田が4連続3Pを見舞い、これには会場もどよめく。だが、それでも近畿大の好リズムには陰りがない。決められるたびに、#9濱高、#33濱田のシュートで返し、安全圏の点差は揺るがない。主力メンバーを下げていた4Q序盤に一旦18点差に詰められたものの、すぐに#24今村がツースローを決めてダメを押す形となった。大阪体育大も#30藤本が最後まで奮闘したが、接戦だった過去2年の準決勝とは異なり112−79という大差での決着となった。これにより近畿大が2年ぶりの決勝を決め、大阪体育大が3位決定戦にまわることになった。
写真上:ワンハンドダンクを決める近畿大・パトリック。
写真下:山田も気を吐いた大阪体育大だが、追いつくには至らず。
※近畿大・濱高選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【シャットアウトに成功した京産大が決勝へ】
準決勝もう一つのカード、京都産業大対関西大も、一方的なものとなった。
試合の出だしが課題となっている現在の京産大。開始すぐの時間帯は、関西大がそれにつけ込む形となった。#11森田(4年・PG)のバスケットカウントや#5石野(4年・SF)の3Pなどが出て、一旦は抜け出しを予感させるムードとなった。しかし、京産大はここからディフェンスを引き締めた。思うような形で相手にボールを持たせず、1Q終盤から関西大のオフェンスは一気に単発なものにしぼんでしまう。京産大はこの間に、#38リンダー(3年・PF)が積極的に攻めて1Qで5点のリード。早いうちに挽回したい関西大だが、2Qもこの流れを変えることができない。サイズのある相手にインサイドにうまくボールが入らず、アウトサイドは苦し紛れに打たされる形が続きオフェンスが完全に停滞。反面、京産大は#38リンダーだけでなく、#24大庭(3年・SF)のミドルや速攻、#21会田(4年・C)のジャンプシュートなども出て、小気味良くスコアを伸ばしていった。結局前半は、37−22という大差で終了した。
劣勢に立たされたが、なんとか決勝進出のチャンスをものにしたい関西大。3Q開始早々に#11森田の3Pが決まり、反撃の糸口を掴みかけた。しかしその矢先、京産大は#23サンブ(1年・C・沼津中央)のインサイドが効果的に決まり、更に点差を拡大。相手に付け入る隙を与えない。関西大も集中を切らさない姿勢こそ見せるが、徹底した京産大ディフェンスを前に、苦しい状況を打破するには至らなかった。最後はベンチメンバーを送り出す余裕を見せた京産大が、終わってみれば80−53で文字通りの完勝。今大会はなかなか好内容が遠い京産大だったが、攻守が噛み合い決勝進出を決めた。
写真上:関西大は、負傷明けで万全ではない窪田も奮起した。
写真下:引き離しに成功した2Qは、永尾の存在も光った京産大。
※京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
決勝は近畿大vs京産大に

この日の全関は、準決勝、順位決定戦の2試合ずつのカードとなった。この日を含めて各チームの残り試合は2つ。準々決勝以降は毎年3連戦の大会であるがゆえ、課題があっても修正時間はほとんどない中での戦いとなる。試合の中での修正力、切り替えの早さが求められるのは、この大会特有の厳しさであろう。
準決勝の結果、決勝進出を決めたのは近畿大と京都産業大。両者ここまで盤石の内容とは決して言えないながらも、ここまで勝ち進んできた。ともに期待の留学生を今年から迎えた同士であり、今季の関西を占う上で注目の一戦だ。
写真:倒れ込みながらバスケットカウントを獲得した榎田を、全員で助け起こす近畿大。

順位決定戦もう一試合の大阪学院大と天理大の一戦は、序盤から天理大リードで推移した。開始直後から#24佐々木(3年・PG)が順調にシュートを決め、若いチームをもり立てる。大阪学院大も#30木下(4年・PG)、#8吉井(2年・SF)の得点が出て大きくは離されないが、このゲームでは、天理大の活力がそれを上回ってみせた。中盤以降は、#68高松(2年・SF)や#28二見(1年・PF・豊浦)というフレッシュなメンバーが次々と得点し、最後まで流れを渡さず。大阪学院大は、最後は#30木下が何度も難しいシュートを沈めていったものの、その都度決め返した天理大が78−70で逃げ切りに成功した。
写真:天理大は高松が17得点。経験の少ないメンバーが、着実に成長している大会だ。
※関西学院大・松本選手、天理大・藤澤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【近畿大が大阪体育大を圧倒しあと1勝に】

前日の関西学院大との準々決勝は、ギリギリでの逆転勝利だった近畿大。この日も出遅れが懸念されたが、試合開始直後、近畿大はいきなり果敢に仕掛けた#9濱高(4年・SG)が豪快なバスケットカウントを獲得。結果的にこのプレーが勝負の流れを決したこととなった。ワンスローは落とすも、これを拾った#0パトリック(1年・C・東山)までもがバスケットカウント。勢いづいた近畿大は、この両名が更に加点し、2分半で11−0とする。大阪体育大は完全に出遅れる形となってしまった。#7山田(3年・SG)が3Pを決めていき打開を図るが、近畿大は#24今村(3年・PF)、#36榎田(2年・PF)もシュートが決まり始める理想的な状態となった。早々にダブルスコア以上のビハインドを背負った大阪体育大。2Q後半に#30藤本(2年・PG)が自ら攻めフリースローを得るが、ここでの確率も上げられず。前半終了間際には#30坂口(2年・SG)、#33濱田(3年・PG)にも得点が出た近畿大のリードは、この時点で25点となった。

写真上:ワンハンドダンクを決める近畿大・パトリック。
写真下:山田も気を吐いた大阪体育大だが、追いつくには至らず。
※近畿大・濱高選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【シャットアウトに成功した京産大が決勝へ】

試合の出だしが課題となっている現在の京産大。開始すぐの時間帯は、関西大がそれにつけ込む形となった。#11森田(4年・PG)のバスケットカウントや#5石野(4年・SF)の3Pなどが出て、一旦は抜け出しを予感させるムードとなった。しかし、京産大はここからディフェンスを引き締めた。思うような形で相手にボールを持たせず、1Q終盤から関西大のオフェンスは一気に単発なものにしぼんでしまう。京産大はこの間に、#38リンダー(3年・PF)が積極的に攻めて1Qで5点のリード。早いうちに挽回したい関西大だが、2Qもこの流れを変えることができない。サイズのある相手にインサイドにうまくボールが入らず、アウトサイドは苦し紛れに打たされる形が続きオフェンスが完全に停滞。反面、京産大は#38リンダーだけでなく、#24大庭(3年・SF)のミドルや速攻、#21会田(4年・C)のジャンプシュートなども出て、小気味良くスコアを伸ばしていった。結局前半は、37−22という大差で終了した。

写真上:関西大は、負傷明けで万全ではない窪田も奮起した。
写真下:引き離しに成功した2Qは、永尾の存在も光った京産大。
※京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.05.03 (Thu)
【2018全関】5/3 レポート(準々決勝)
僅差の攻防が続いた準々決勝
大阪学院大が敗れ3連覇ならず

ベスト8決定から早3日。全関は場所を東淀川に移し、この日から準々決勝以降の戦いが始まった。今年の関西は有力チームの代替わりが多く、現段階で各校の間の力関係が測りづらい。準々決勝は、大差がついた試合もあれば、ラストまで分からない試合も出た。最終2日間の着地点も、まだまだ読めない状況だ。
流通科学大と大阪体育大のゲームは、開始から互いにハイペースの決め合いとなった。その中から前半終了間際に#18池田(2年・PF)の得点などで大阪体育大が抜け出しに成功。リードを12点としてハーフタイムに入ると、3Qもその勢いは止まらず面白いように加点を続けた。流通科学大も得点が伸び、この試合最終スコアはなんと136−104。大味な感は拭えなかったが、大阪体育大が3年連続準決勝進出となった。
写真:今年も大阪体育大名物の応援団が、試合会場を盛り上げる。
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【支柱の活躍で関西大がベスト4に】
昨年、2部優勝で1部に再昇格した関西大と、長く保ってきた1部からの降格を余儀なくされた天理大。今季立場の対照的な両者の対戦は、終盤まで先の読めない展開が続いた。
序盤こそ#24佐々木(3年・PG)が得点を重ねて天理大が先行するも、関西大も徐々に立て直す。相手に簡単にはゴールを割らせず、#11森田(4年・PG)の3P、#7河野(3年・C)のドライブなどで1Q終了時にはほぼイーブンに戻した。なおも天理大は#24佐々木が果敢に得点すれば、関西大もベンチからコートに入った#6秋岡(2年・PG)の活躍が光り、お互いに一歩も引かない。互角の展開に終始した前半は、関西大1点リードで終了した。
迎えた3Q、ここからペースはじわりと関西大に。#11森田、#31梶原(4年・C)の得点が相次ぐ。天理大は単発なオフェンスが目立ち、追いかける状態に。4Qに入り、#0足立(3年・PG)に3Pが飛び出すと、天理大はタイムアウトを請求。ここから攻め気を発揮したのが#3藤澤(2年・PG)。難しいシュートを続け、この時間帯逆にオフェンスの停滞した関西大に迫る。この状況を打破したのは#31梶原。天理大のディフェンスをかいくぐってペイント内での得点を続ける。すると天理大は24秒オーバーが続き、流れを逸してしまった。結局は関西大が62−49として、押し切った格好となった。
写真:交代出場ながら関西大・秋岡は10得点で貢献。
※関西大・梶原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【近畿大が土壇場で再逆転に成功】
今季、関西で最注目ルーキーというべき#0パトリック(1年・C・東山)が加わった近畿大。王座奪還が期待される中、この試合では関西学院大がそれを終始苦しめた。
関西学院大でパトリックに相対したのは#6松本(2年・PF)。『東山対決』はいきなり松本がドライブで得た2スローを揃えたことでチームに活力を注いだこととなった。近畿大は#0パトリックになかなか良い形でボールが渡らず、#36榎田(2年・PF)、#24今村(3年・PF)のシュートでそれを補完。関西学院大は#74中野(4年・SG)が2本の3Pを決めるなど、立ち上がりは外寄りの攻防が目立った。2Q開始早々には#0パトリックが2つ目を吹かれてベンチに下げざるを得ない。関西学院大は#6松本のみならず#11小西聖也(1年・PG・洛南)も得点し、若いメンバーが近畿大に引かず、リードを保つ。近畿大も戻った#0パトリックのダンクなどでついていき、4点差で前半をまとめた。
だが後半、この流れを続けたい関西学院大にアクシデント。#6松本が短い間にファウルを重ね、4ファウル目となってしまった。代わって入った#24小西恭平(3年・C)がつなぐ形となり、一旦は#74中野の3Pで一息ついたのもつかの間、#24今村、#36榎田の得点が続く。近畿大もなかなか追い越すまでには至らずも、最後は#30坂口(2年・SG)のレイアップが決まって1点差で残り10分の戦いとなった。ここからしばらくは互いに得点を決め合う。#0パトリックのリバウンドシュートに対し、#6松本もゴール下や#74中野の3ショットで応戦するなど、双方譲らずの状況が続いた。残り約2分で、関西学院大は#6松本の得点が続き大きな4点のリード。勝利を意識する段階に入ったが、その直後に無情にも#6松本に5つ目が宣告されてしまう。チャンスとなった近畿大は、#0パトリックの連続得点で再逆転に成功。関西学院大は僅かな時間帯に、あと一本を決められなかった。最後の最後で糸口をつかんだ近畿大が、72−69で接戦を制した。
写真:互いにファウルが込んだが、松本もパトリックも両者持ち味を発揮。
※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【終盤に抜け出し成功の京産大が準決勝進出】
昨年リーグ優勝の京都産業大と、今大会に3連覇をかける大阪学院大。今季関西で上位争いを演じると目される両者の対戦が、準々決勝で実現した。
この試合も前半は互角の内容で推移した。大阪学院大はエース#30木下(4年・PG)が多彩なプレーで次々シュートを決めれば、京産大も#24大庭(3年・SF)、#38リンダー(3年・PF)を中心に食らいつく。2Q序盤に#23サンブ(1年・C・沼津中央)がダンクを沈めて京産大ペースになりかけたが、大阪学院大はゾーンを敷いて対抗。#30木下の連続得点ですぐに盛り返す。大阪学院大#8吉井(2年・SF)、京産大#23サンブが続けざまにダンクを決めるなど、前半から白熱した勝負はハーフタイム時点で38−38と全くの五分となった。
迎えた3Q、京産大は#24大庭がレイアップ、3Pで多彩なスコアリングセンスを見せれば、大阪学院大は#20橋口(3年・PG)がランニングショットやアウトサイドを決めてゲームの均衡は崩れない。#23サンブの得点で京産大がややリードとなるが、この試合好調の#20橋口が再び決めて手に汗握る攻防は相変わらず続く。勝負のポイントになったのは4Q3分過ぎだった。#24大庭、#3高田(4年・PG)の3Pが決まり、更に#23サンブの得点も出て京産大がぐっと差を開く。ディフェンスでも締め付けを図り、大阪学院大はここに来て伸び悩む。この間に#24大庭が4ファウル目となるなど京産大も最後まで突き放せないが、最終的にはこのラッシュが効いた。最終スコアは74−67。勝負どころで得たリードを死守した形の京産大が、3連覇を目指した大阪学院大を退けた。
写真:豪快なダンクを沈める大阪学院大・吉井。この直後、触発されたように京産大・サンブもダンクを決め、会場を沸かせた。
※京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
大阪学院大が敗れ3連覇ならず

ベスト8決定から早3日。全関は場所を東淀川に移し、この日から準々決勝以降の戦いが始まった。今年の関西は有力チームの代替わりが多く、現段階で各校の間の力関係が測りづらい。準々決勝は、大差がついた試合もあれば、ラストまで分からない試合も出た。最終2日間の着地点も、まだまだ読めない状況だ。
流通科学大と大阪体育大のゲームは、開始から互いにハイペースの決め合いとなった。その中から前半終了間際に#18池田(2年・PF)の得点などで大阪体育大が抜け出しに成功。リードを12点としてハーフタイムに入ると、3Qもその勢いは止まらず面白いように加点を続けた。流通科学大も得点が伸び、この試合最終スコアはなんと136−104。大味な感は拭えなかったが、大阪体育大が3年連続準決勝進出となった。
写真:今年も大阪体育大名物の応援団が、試合会場を盛り上げる。
※大阪体育大・伴選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【支柱の活躍で関西大がベスト4に】
昨年、2部優勝で1部に再昇格した関西大と、長く保ってきた1部からの降格を余儀なくされた天理大。今季立場の対照的な両者の対戦は、終盤まで先の読めない展開が続いた。

迎えた3Q、ここからペースはじわりと関西大に。#11森田、#31梶原(4年・C)の得点が相次ぐ。天理大は単発なオフェンスが目立ち、追いかける状態に。4Qに入り、#0足立(3年・PG)に3Pが飛び出すと、天理大はタイムアウトを請求。ここから攻め気を発揮したのが#3藤澤(2年・PG)。難しいシュートを続け、この時間帯逆にオフェンスの停滞した関西大に迫る。この状況を打破したのは#31梶原。天理大のディフェンスをかいくぐってペイント内での得点を続ける。すると天理大は24秒オーバーが続き、流れを逸してしまった。結局は関西大が62−49として、押し切った格好となった。
写真:交代出場ながら関西大・秋岡は10得点で貢献。
※関西大・梶原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【近畿大が土壇場で再逆転に成功】
今季、関西で最注目ルーキーというべき#0パトリック(1年・C・東山)が加わった近畿大。王座奪還が期待される中、この試合では関西学院大がそれを終始苦しめた。

だが後半、この流れを続けたい関西学院大にアクシデント。#6松本が短い間にファウルを重ね、4ファウル目となってしまった。代わって入った#24小西恭平(3年・C)がつなぐ形となり、一旦は#74中野の3Pで一息ついたのもつかの間、#24今村、#36榎田の得点が続く。近畿大もなかなか追い越すまでには至らずも、最後は#30坂口(2年・SG)のレイアップが決まって1点差で残り10分の戦いとなった。ここからしばらくは互いに得点を決め合う。#0パトリックのリバウンドシュートに対し、#6松本もゴール下や#74中野の3ショットで応戦するなど、双方譲らずの状況が続いた。残り約2分で、関西学院大は#6松本の得点が続き大きな4点のリード。勝利を意識する段階に入ったが、その直後に無情にも#6松本に5つ目が宣告されてしまう。チャンスとなった近畿大は、#0パトリックの連続得点で再逆転に成功。関西学院大は僅かな時間帯に、あと一本を決められなかった。最後の最後で糸口をつかんだ近畿大が、72−69で接戦を制した。
写真:互いにファウルが込んだが、松本もパトリックも両者持ち味を発揮。
※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【終盤に抜け出し成功の京産大が準決勝進出】
昨年リーグ優勝の京都産業大と、今大会に3連覇をかける大阪学院大。今季関西で上位争いを演じると目される両者の対戦が、準々決勝で実現した。

迎えた3Q、京産大は#24大庭がレイアップ、3Pで多彩なスコアリングセンスを見せれば、大阪学院大は#20橋口(3年・PG)がランニングショットやアウトサイドを決めてゲームの均衡は崩れない。#23サンブの得点で京産大がややリードとなるが、この試合好調の#20橋口が再び決めて手に汗握る攻防は相変わらず続く。勝負のポイントになったのは4Q3分過ぎだった。#24大庭、#3高田(4年・PG)の3Pが決まり、更に#23サンブの得点も出て京産大がぐっと差を開く。ディフェンスでも締め付けを図り、大阪学院大はここに来て伸び悩む。この間に#24大庭が4ファウル目となるなど京産大も最後まで突き放せないが、最終的にはこのラッシュが効いた。最終スコアは74−67。勝負どころで得たリードを死守した形の京産大が、3連覇を目指した大阪学院大を退けた。
写真:豪快なダンクを沈める大阪学院大・吉井。この直後、触発されたように京産大・サンブもダンクを決め、会場を沸かせた。
※京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
2018.04.30 (Mon)
【2018全関】4/30 ベスト8決定戦
全関がスタートし関西の学生界も本格始動
1部同士の対戦は京産大が同志社大を振り切る

今年で45回目となる全関こと春の関西選手権も、4月中旬から始まっている。今回は前年ベスト8のチームはシードされ、ベスト8決定戦から登場。それ以外のチームは各ブロックのトーナメントを勝ち上がる必要がある。また、例年ベスト8決定戦とそれ以降のゲームには1週間以上の間隔があったが、それが今年は僅か中2日という過密日程。トーナメントで下のブロックから勝ち上がった各校には、とりわけ過酷な大会となる。
大会は、この日でベスト8の顔ぶれが出揃った。大阪体育大、近畿大、関西大、関西学院大といった上位常連校は、盤石な内容で準々決勝への切符を手にした一方で、全関3連覇を目指す大阪学院大は、勝利こそ挙げたが龍谷大に最後まで苦しめられた。シーズン最初の大会、最初の実力校相手の対戦の難しさを感じさせる内容だった。
また、下部リーグ所属校が1部に挑む構図が基本だったこの日、唯一1部チーム同士の対戦となったのが京都産業大と同志社大の対戦だった。同志社大は#5古村(3年・PF)、#21田邉(3年・PF)のインサイドが、今年の関西で注目ルーキーの一人である#23サンブ(1年・C・沼津中央)を立ち上がりから苦しめ、前半はほぼイーブンで終えることに成功した。しかし、後半に入ると京産大が前年リーグ優勝の貫禄を披露。アウトサイド陣が決め始め、じわりと点差が広がった。最後は京産大が12点差で押し切ったものの、終盤まで同志社大の粘りも光ったゲームだった。
ベスト8決定戦ではこのほか天理大と流通科学大が勝利。天理大は昨年よもやの2部降格を喫したが、今年その2部リーグで戦うことになる甲南大を立ち上がりから圧倒した。流通科学大は、立命館大のインサイド陣に手を焼いたが、ガード陣の奮起が光って競り勝った。
残り3日間は、例年通り5月3日から東淀川体育館で行われる。昨年の関西は、インカレで9年ぶりに出場各校がベスト8入りを逃し、西日本インカレでも大阪学院大の4位が最高と、目立った戦果を残せずに終わった。まだまだ完成形の構築には程遠いチームが多い印象だが、その中でも次の大会に繋がるようなレベルの高い終盤戦を期待したい。
写真上:好プレーを続けた垣崎をベンチメンバーが笑顔で讃える流通科学大。
写真中:最後まで大阪学院大を苦しめた龍谷大。高橋を中心に3連覇を目指す相手を苦しめた。
写真下:天理大は佐々木が復帰。100点ゲームで勝利し、好発進となった。
※同志社大・右田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
1部同士の対戦は京産大が同志社大を振り切る

今年で45回目となる全関こと春の関西選手権も、4月中旬から始まっている。今回は前年ベスト8のチームはシードされ、ベスト8決定戦から登場。それ以外のチームは各ブロックのトーナメントを勝ち上がる必要がある。また、例年ベスト8決定戦とそれ以降のゲームには1週間以上の間隔があったが、それが今年は僅か中2日という過密日程。トーナメントで下のブロックから勝ち上がった各校には、とりわけ過酷な大会となる。

また、下部リーグ所属校が1部に挑む構図が基本だったこの日、唯一1部チーム同士の対戦となったのが京都産業大と同志社大の対戦だった。同志社大は#5古村(3年・PF)、#21田邉(3年・PF)のインサイドが、今年の関西で注目ルーキーの一人である#23サンブ(1年・C・沼津中央)を立ち上がりから苦しめ、前半はほぼイーブンで終えることに成功した。しかし、後半に入ると京産大が前年リーグ優勝の貫禄を披露。アウトサイド陣が決め始め、じわりと点差が広がった。最後は京産大が12点差で押し切ったものの、終盤まで同志社大の粘りも光ったゲームだった。

残り3日間は、例年通り5月3日から東淀川体育館で行われる。昨年の関西は、インカレで9年ぶりに出場各校がベスト8入りを逃し、西日本インカレでも大阪学院大の4位が最高と、目立った戦果を残せずに終わった。まだまだ完成形の構築には程遠いチームが多い印象だが、その中でも次の大会に繋がるようなレベルの高い終盤戦を期待したい。
写真上:好プレーを続けた垣崎をベンチメンバーが笑顔で讃える流通科学大。
写真中:最後まで大阪学院大を苦しめた龍谷大。高橋を中心に3連覇を目指す相手を苦しめた。
写真下:天理大は佐々木が復帰。100点ゲームで勝利し、好発進となった。
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