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2017.12.03 (Sun)
【2017インカレ】11/26 決勝 筑波大VS大東文化大
ディフェンスが機能した大東文化大が初優勝
筑波大は大記録となる4連覇の実現は叶わず

第69回目のインカレ決勝は4連覇に挑む筑波大と、2003年以来にこの舞台へと進んだ大東文化大が激突。大東文化大が優勝すれば初優勝、筑波大が勝利すれば1996年から1999年まで史上初の4連覇を達成した日本体育大に次ぐ偉業となる。インカレ1週間前に「決勝でなければ当たらないから」と練習試合を敢行し、互いの戦法もわかった同士での戦いは、知られているはずの手の内が機能したところが勝負の分かれ目になった。
互いにベンチメンバーも活躍
一時筑波大がリードするが前半は互角
1Qから大東大のディフェンスが抜け目なく筑波大のボールを狙い、#23奥住(3年・SG)のスティール、3Pのほか、#15モッチ(2年・C)がゴール下でも得点。筑波大は出遅れるが#88牧(2年・SG)の3P、#11増田(2年・PF)のバスケットカウント、#65玉木(3年・C)へのゴール下へのパスも通る。大東大はファウルが続き、#91ビリシベ(3年・PF)、#0葛原(4年・SG)が2ファウルでベンチに追いやられるが、筑波大もゴール下の要である#65玉木が2ファウルでベンチへ。1Qは19-20と大東大が1点リードで終了。
2Q、大東大は#0葛原、#91ビリシベをベンチに置くが、ベンチメンバーの働きが目立った。#81後藤(2年・SG)、#56山岸(4年・PF)らのオフェンスリバウンドが続き、ディフェンスはゾーンプレスに切り替える。筑波大は#27山口(1年・SF・正智深谷)がタップを押し込み、#8菅原(1年・PG・土浦日大)の3Pと、こちらもベンチから出場したルーキーが貢献し、逆転。大東大は#15モッチをコートに戻して対応し、ルーズボール争いで粘って#34中村(2年・PG)のシュートにつなげ、#12熊谷(3年・PG)のジャンパーが沈むと5点のビハインドも帳消しの同点に。終盤、#15モッチのアシストから#56山岸へのゴール下、#15モッチの連続シュートが決まる。残り13.4秒でタイムアウトを取った大東大は、ここでコートに送り込んだ#90小川(3年・SG)のジャンパーが決まり、前半は38-42とリードして終了。
4Q、大東文化大のゾーンディフェンスが機能
筑波大はターンオーバー、ファウルが続く
3Q、互いにメンバーをスタメンに戻し、互いにゾーンディフェンスを使いながらの対応に。ここを筑波大は#4青木(4年・PG)のスティールからの速攻などで隙を突くが、大東大はオフェンスリバウンド、#23奥住の2本目の3P、2つ目のスティールが出て10点のリードに成功。筑波大はゴール下に攻め込めず#65玉木のファウルが3つ目、#11増田もオフェンスファウルを取られてしまい、我慢の時間帯に。しかし残り2分から、#17杉浦(4年・PF)の3P、#11増田のシュート、#27山口の3Pと、最大12点あった差をみるみる縮め、最後は#17杉浦の3Pがブザーとともに沈み、57-60と3点差に追い上げて終了。
4Q、大東大が#15モッチが声を出し、チームメイトを鼓舞。立ち上がりは#12熊谷のドライブからバスケットカウントが決まるが、筑波大も#88牧がオフェンスリバウンドからのバスケットカウントで返し、#15モッチを3ファウルでベンチへ追いやる。しかし、ここで大東大は#20毕(4年・PF)を真ん中に据える3-2ゾーンを展開。筑波大はこれを攻略できず、ターンオーバーを連発。大東大はこれを機に#0葛原の持ち味である速攻を出すことに成功するなど、流れを握る。残り4分、ゾーンで十分に役目を果たした#20毕は#15モッチに交代。ここからは2-3ゾーンとなるが、こうなるとインサイドが強くなりやはり筑波大が対応できず、その上#11増田が5つ目を吹かれて痛いファウルアウト。大東大は#12熊谷の3Pで10点差にすると点差を維持。筑波大はファウルゲームを仕掛けるが外が決まらない。大東大は終盤には#56山岸、#30島元(4年・PF)、#20毕、そして#0葛原というメンバー入りしている4人の4年生をコートに立たせ、終演を迎える。タイムアップとともに金のテープが舞い上がり、68-87で大東文化大が初となるインカレの栄冠を掴み取った。
夏以降は大東文化大が対戦成績では圧倒
筑波大はコンディショニングに苦心した1年
数字で見れば大東大がリバウンドは合計14本、オフェンスリバウンドでは8本の差をつけ、スティールも4つ差と圧倒的。インサイドの強みを発揮できたのは言うまでもないが、大きいのはベンチメンバーが出番でその都度役割を果たしたことだ。山岸のオフェンスリバウンド4、中村のスティール2は見逃せず、前半終了間際に14秒の出場時間で1本のシュートを決めた小川も見事だった。
また、直前の練習試合でも使ったゾーンを「出すかどうか迷った」という西尾HC。だが、それを使う決断が流れを引き寄せた。4Qは3-2は機動力の高い毕を真ん中に据え、モッチは2-3で稼働。ここで筑波大を停滞させることに成功。このゾーン、練習試合では「控えメンバーもいろいろ使いながら」(西尾HC)の試用であり、このインカレでこそ真価を発揮したといえる。大東大は今年は春こそ筑波大に敗れた。しかし筑波大のメンバーが完全に揃っていなかったとはいえ、夏の「埼玉BBドリームカップ」のエキシビションマッチ、秋のリーグ戦、そして最後のインカレにも筑波大に勝利してこの1年を締めくくった。1部リーグでは序盤こそ不安定だったが、西尾HCは「選手たちは自信を持っているんですよ」と、根拠を提示する以前に前向きな選手たちの個性を買っていた。決勝のプレッシャー以前に、賑やかでノリのいい、大東文化大らしいカラーこそが大きな勝因になったであろうことが感じられる。
4連覇が絶たれた筑波大だが、今シーズンは大きな変化に直面した。馬場が春シーズンで部を離脱してBリーグという先のステージに進み、増田や杉浦、玉木たち代表選手はチームとあまり一緒に練習しないままの春・夏を過ごし、秋は怪我人が相次いだ。それでも決勝までこぎつけたのはやはりそれだけ力のある選手を揃えていてこそ。リーダーシップを取った主将の青木、インカレでようやく本来の得点力を見せた杉浦の4年生がよくチームを牽引した。難しいチャレンジの中で決勝まで来たことは大きい。また、控えがどこまで伸びるかは重要だったが、インカレでは山口、菅原といったルーキーが将来を期待させる働きを見せた。有力選手が安定して入ってくるようになっただけに、この後も筑波大は強豪校として続いていくはずだ。同時に、代表として選ばれる選手たちは今後も常にチームにいる存在ではない状態が続くだろう。そういう環境でどうやってチームとしての力を高めていくか、さまざまな意味で今後もチャレンジが続く。
写真上:ユーティリティプレイヤーである増田はファウルをもらうのが上手く、バスケットカウントでチームを乗せた。
写真中上:モッチは30点16リバウンド。フックシュートの精度もこの2年で向上している。
写真中下:HCによれば「彼は走らせた方がいい」という評価だったが、後半の葛原の速攻はチームにとっても胸のすくような瞬間だと言えるだろう。
写真下:15得点の筑波大のエース杉浦。チームの誰よりも練習しているというその努力こそが、クラッチシュートを次々に沈める高いシュート力を支えている。
※決勝の記者会見は「続きを読む」へ。インタビューは別途掲載します。
◆西尾吉弘HC
「素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。この勝ちはプレーする学生だけではなく、サポートする学生、応援してくれている大学関係者、学生の保護者、他にもサポートをしてくれる方があっての優勝だと思います。
リーグ戦で筑波と戦っての印象は、我々でも戦えると一番に学生に感じたであろうこと。ただインカレとなると筑波は過去3回このファイナルに来ているので、その経験の差を出さないように試合に入りたいと思っていました。一番は気持ちの問題で、葛原(#0)やモッチ(#15)や熊谷(#12)が出場するメンバーに対して『絶対に気持ちで負けないぞ』と練習から雰囲気を作ってゲームに入るということをしていたと思います。
筑波は場数を踏んでいるだけあって、葛原やその他のところで、インサイドでトラブルを起こさせるような仕掛けをしてきていて、ファウルもかさんでしまいました。選手は思い切ってディフェンスをやりたい中で、ファウルしてしまってそれができない。やりたいけれどやれないという我慢を強いられる場面が前半にありました。そこでベンチのメンバーが良くつないでくれたなと思います。
後半では、リーグでも筑波相手だけではなく、先に仕掛けた方が試合のイニシアチブが取れることが多かったので、どこかでゾーンを使うということを考えていました。選手には簡単にそのことを説明していて、しっかりやるべきところで思い切ってやってくれたので、それが特に勝負どころ、モッチを休ませるところで毕を使って、インカレに向けて準備していた簡単な3−2ゾーンを仕掛けて向こうが足を止めてくれまし。それを含めて勝利につながったのかなと感じています。
恐らく筑波は外でポイントを稼ごうと思っていたのではないかと感じます。それを決められてしまうと嫌だなと。スモールラインナップで杉浦(#17)が5番をやって、そこで放られるのが嫌だなということはありましたがが、逆に3Pを(チームで)33本も打ってくれました。攻撃回数が多くない分、後半になれば落ちてくると落ちてくると内心で思っていて、それも踏まえてリバウンドとルーズボールと言い続けてそれを選手が体現してくれました。怖さというのはアウトサイドだったが、それが最後にうちが点数を離せる要因にもなったと思います」
◆#0葛原大智(4年・SG)
「試合前から気持ちの面でチームで統一して、気持ちで相手より上回ろうと。その結果優勝に結びついたと思うし、リバウンドやルーズボールは自分たちの持ち味なので、それを40分間徹底出来たからこそこういった結果になったんだと思います。
高校時代に筑波の青木、杉浦と一緒でインターハイ3位、国体2位、ウインターカップ2位と、決勝に行ったのに負けてしまうということを多く経験してきて、大学では彼らがインカレで勝つ姿も見てきました。そこで自分の不甲斐なさをひしひしと感じていましたし、それを噛み締めながらやってきて、それがこの勝ちに結びついたと思います。勝った瞬間は言葉では言い表せないくらい感無量。航(#12熊谷)と同じで、優勝した瞬間は声も出て、優勝の実感が湧きました。
高校の同級生と決勝でやれたのはとても嬉しかったです。自分だけ大東文化大に進みましたが、全員が同じ大学では面白くないし、最後は漫画の世界ではないけれど、決勝で対戦できた運命なのかなと思います。1部に昇格してから決勝で対戦しようと約束もしていました。それが実現できて、その上4連覇を阻止して自分たちが勝ったというのが嬉しいです」
◆#12熊谷 航(3年・PG)
「絶対接戦になると思っていました。自分たちの持ち味であるディフェンスやリバウンドは40分間継続しようと試合前に言い、それが結果として出て、勝つことができて嬉しいです。
自分のボール運びに関してはリーグ戦を通して拓殖や早稲田が前から当たってきていて、その経験から冷静にできて、自分のターンオーバーを抑えられたと思う。ディフェンスに関しては、前にいる自分と奥住がアイコンタクトで感じ取ってプレスにも行けていた。その信頼があったので、相手のターンオーバーにつなげられたと思う」
◆#23奥住将人(3年・SG)
「相手の時間も来ることになるだろうと思っていましたが、そこで自分たちがどれだけ我慢できるかが大事でした。自分たちの武器であるディフェンスとリバウンドからリズムを作っていこうと決めていて、それが40分間出来たのですごく良かったです」
◆#15モッチ ラミン(2年・C)
「大東はディフェンスのチーム。良い試合はディフェンスが良くて、ダメな試合はディフェンスがダメ。この大会の目的もみんなが分かっていることで、優勝できるだけの力があることもみんな分かっていました。あとは自分たちが前向きさを出していくこと。みんなを信じてやれば良いと思っていました」
◆#91ビリシベ美絵(3年・PF)
「試合前からディフェンスとリバウンドをやって、気持ちを切らさずにやろうと話していました。それが40分間できたから良かったと思います。今日は僕は全然ダメでしたが、代わりに出てくれた山岸さんとか4年生が本当に良い活躍をしてくれました。自分も気持ちを切らさずに頑張ろうと思えました」
【筑波大記者会見】
◆吉田健司監督(筑波大)
「今日の試合だけに関しては、ポイントはモッチ・ラミン(#15)にいかに気持ち良くプレーさせないかでしたが、少し空回りしてしまい、モッチにかなりやられてしまいました。シュートの効率を考えるとうちの方が良かったのですが、オフェンスリバウンドは向こうの方が10本多かったことから、この点差になってしまいました。ディフェンスリバウンドを取れないと勝てないと言って3Qに臨みましたが、その改善が上手くできませんでした。オフェンスリバウンドを取らせない、ゾーンの際もインサイドでやらせないというテーマの後半でした。しかしいかんせん、こちらの得点が伸びませんでした。向こうもゾーンにアジャストしてきて、マンツーに戻して、3Qはチェンジングで上手くいった側面もありますが、4Qはゾーンを敷いても向こうに何本もリバウンドをやられてしまい、うちが取れない、向こうに決められる、という悪循環が今日の大きな敗因だと思います。杉浦(#17)を5番にしてモッチを外に出して、増田(#11)がインサイドで点を取っている時は良かったんですが、増田が5ファウルとなってチームとしてはあれで終了ということになってしまいました。
大東さんは無理なシュートをしないで、確実な2Pをしっかり決めてくる。それが崩れませんでした。昨日も良い試合をしていて、良い準備をしていた印象で、今日も同じような試合内容だったと思います。昨日はあまり良くなかった熊谷(#12)が積極的に攻めて、20点取られてしまったところは予想外の部分でした」
筑波大は大記録となる4連覇の実現は叶わず

第69回目のインカレ決勝は4連覇に挑む筑波大と、2003年以来にこの舞台へと進んだ大東文化大が激突。大東文化大が優勝すれば初優勝、筑波大が勝利すれば1996年から1999年まで史上初の4連覇を達成した日本体育大に次ぐ偉業となる。インカレ1週間前に「決勝でなければ当たらないから」と練習試合を敢行し、互いの戦法もわかった同士での戦いは、知られているはずの手の内が機能したところが勝負の分かれ目になった。
互いにベンチメンバーも活躍
一時筑波大がリードするが前半は互角

2Q、大東大は#0葛原、#91ビリシベをベンチに置くが、ベンチメンバーの働きが目立った。#81後藤(2年・SG)、#56山岸(4年・PF)らのオフェンスリバウンドが続き、ディフェンスはゾーンプレスに切り替える。筑波大は#27山口(1年・SF・正智深谷)がタップを押し込み、#8菅原(1年・PG・土浦日大)の3Pと、こちらもベンチから出場したルーキーが貢献し、逆転。大東大は#15モッチをコートに戻して対応し、ルーズボール争いで粘って#34中村(2年・PG)のシュートにつなげ、#12熊谷(3年・PG)のジャンパーが沈むと5点のビハインドも帳消しの同点に。終盤、#15モッチのアシストから#56山岸へのゴール下、#15モッチの連続シュートが決まる。残り13.4秒でタイムアウトを取った大東大は、ここでコートに送り込んだ#90小川(3年・SG)のジャンパーが決まり、前半は38-42とリードして終了。
4Q、大東文化大のゾーンディフェンスが機能
筑波大はターンオーバー、ファウルが続く
3Q、互いにメンバーをスタメンに戻し、互いにゾーンディフェンスを使いながらの対応に。ここを筑波大は#4青木(4年・PG)のスティールからの速攻などで隙を突くが、大東大はオフェンスリバウンド、#23奥住の2本目の3P、2つ目のスティールが出て10点のリードに成功。筑波大はゴール下に攻め込めず#65玉木のファウルが3つ目、#11増田もオフェンスファウルを取られてしまい、我慢の時間帯に。しかし残り2分から、#17杉浦(4年・PF)の3P、#11増田のシュート、#27山口の3Pと、最大12点あった差をみるみる縮め、最後は#17杉浦の3Pがブザーとともに沈み、57-60と3点差に追い上げて終了。

夏以降は大東文化大が対戦成績では圧倒
筑波大はコンディショニングに苦心した1年

また、直前の練習試合でも使ったゾーンを「出すかどうか迷った」という西尾HC。だが、それを使う決断が流れを引き寄せた。4Qは3-2は機動力の高い毕を真ん中に据え、モッチは2-3で稼働。ここで筑波大を停滞させることに成功。このゾーン、練習試合では「控えメンバーもいろいろ使いながら」(西尾HC)の試用であり、このインカレでこそ真価を発揮したといえる。大東大は今年は春こそ筑波大に敗れた。しかし筑波大のメンバーが完全に揃っていなかったとはいえ、夏の「埼玉BBドリームカップ」のエキシビションマッチ、秋のリーグ戦、そして最後のインカレにも筑波大に勝利してこの1年を締めくくった。1部リーグでは序盤こそ不安定だったが、西尾HCは「選手たちは自信を持っているんですよ」と、根拠を提示する以前に前向きな選手たちの個性を買っていた。決勝のプレッシャー以前に、賑やかでノリのいい、大東文化大らしいカラーこそが大きな勝因になったであろうことが感じられる。

写真上:ユーティリティプレイヤーである増田はファウルをもらうのが上手く、バスケットカウントでチームを乗せた。
写真中上:モッチは30点16リバウンド。フックシュートの精度もこの2年で向上している。
写真中下:HCによれば「彼は走らせた方がいい」という評価だったが、後半の葛原の速攻はチームにとっても胸のすくような瞬間だと言えるだろう。
写真下:15得点の筑波大のエース杉浦。チームの誰よりも練習しているというその努力こそが、クラッチシュートを次々に沈める高いシュート力を支えている。
※決勝の記者会見は「続きを読む」へ。インタビューは別途掲載します。
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【大東文化大記者会見】◆西尾吉弘HC
「素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。この勝ちはプレーする学生だけではなく、サポートする学生、応援してくれている大学関係者、学生の保護者、他にもサポートをしてくれる方があっての優勝だと思います。
リーグ戦で筑波と戦っての印象は、我々でも戦えると一番に学生に感じたであろうこと。ただインカレとなると筑波は過去3回このファイナルに来ているので、その経験の差を出さないように試合に入りたいと思っていました。一番は気持ちの問題で、葛原(#0)やモッチ(#15)や熊谷(#12)が出場するメンバーに対して『絶対に気持ちで負けないぞ』と練習から雰囲気を作ってゲームに入るということをしていたと思います。
筑波は場数を踏んでいるだけあって、葛原やその他のところで、インサイドでトラブルを起こさせるような仕掛けをしてきていて、ファウルもかさんでしまいました。選手は思い切ってディフェンスをやりたい中で、ファウルしてしまってそれができない。やりたいけれどやれないという我慢を強いられる場面が前半にありました。そこでベンチのメンバーが良くつないでくれたなと思います。
後半では、リーグでも筑波相手だけではなく、先に仕掛けた方が試合のイニシアチブが取れることが多かったので、どこかでゾーンを使うということを考えていました。選手には簡単にそのことを説明していて、しっかりやるべきところで思い切ってやってくれたので、それが特に勝負どころ、モッチを休ませるところで毕を使って、インカレに向けて準備していた簡単な3−2ゾーンを仕掛けて向こうが足を止めてくれまし。それを含めて勝利につながったのかなと感じています。
恐らく筑波は外でポイントを稼ごうと思っていたのではないかと感じます。それを決められてしまうと嫌だなと。スモールラインナップで杉浦(#17)が5番をやって、そこで放られるのが嫌だなということはありましたがが、逆に3Pを(チームで)33本も打ってくれました。攻撃回数が多くない分、後半になれば落ちてくると落ちてくると内心で思っていて、それも踏まえてリバウンドとルーズボールと言い続けてそれを選手が体現してくれました。怖さというのはアウトサイドだったが、それが最後にうちが点数を離せる要因にもなったと思います」
◆#0葛原大智(4年・SG)
「試合前から気持ちの面でチームで統一して、気持ちで相手より上回ろうと。その結果優勝に結びついたと思うし、リバウンドやルーズボールは自分たちの持ち味なので、それを40分間徹底出来たからこそこういった結果になったんだと思います。
高校時代に筑波の青木、杉浦と一緒でインターハイ3位、国体2位、ウインターカップ2位と、決勝に行ったのに負けてしまうということを多く経験してきて、大学では彼らがインカレで勝つ姿も見てきました。そこで自分の不甲斐なさをひしひしと感じていましたし、それを噛み締めながらやってきて、それがこの勝ちに結びついたと思います。勝った瞬間は言葉では言い表せないくらい感無量。航(#12熊谷)と同じで、優勝した瞬間は声も出て、優勝の実感が湧きました。
高校の同級生と決勝でやれたのはとても嬉しかったです。自分だけ大東文化大に進みましたが、全員が同じ大学では面白くないし、最後は漫画の世界ではないけれど、決勝で対戦できた運命なのかなと思います。1部に昇格してから決勝で対戦しようと約束もしていました。それが実現できて、その上4連覇を阻止して自分たちが勝ったというのが嬉しいです」
◆#12熊谷 航(3年・PG)
「絶対接戦になると思っていました。自分たちの持ち味であるディフェンスやリバウンドは40分間継続しようと試合前に言い、それが結果として出て、勝つことができて嬉しいです。
自分のボール運びに関してはリーグ戦を通して拓殖や早稲田が前から当たってきていて、その経験から冷静にできて、自分のターンオーバーを抑えられたと思う。ディフェンスに関しては、前にいる自分と奥住がアイコンタクトで感じ取ってプレスにも行けていた。その信頼があったので、相手のターンオーバーにつなげられたと思う」
◆#23奥住将人(3年・SG)
「相手の時間も来ることになるだろうと思っていましたが、そこで自分たちがどれだけ我慢できるかが大事でした。自分たちの武器であるディフェンスとリバウンドからリズムを作っていこうと決めていて、それが40分間出来たのですごく良かったです」
◆#15モッチ ラミン(2年・C)
「大東はディフェンスのチーム。良い試合はディフェンスが良くて、ダメな試合はディフェンスがダメ。この大会の目的もみんなが分かっていることで、優勝できるだけの力があることもみんな分かっていました。あとは自分たちが前向きさを出していくこと。みんなを信じてやれば良いと思っていました」
◆#91ビリシベ美絵(3年・PF)
「試合前からディフェンスとリバウンドをやって、気持ちを切らさずにやろうと話していました。それが40分間できたから良かったと思います。今日は僕は全然ダメでしたが、代わりに出てくれた山岸さんとか4年生が本当に良い活躍をしてくれました。自分も気持ちを切らさずに頑張ろうと思えました」
【筑波大記者会見】
◆吉田健司監督(筑波大)
「今日の試合だけに関しては、ポイントはモッチ・ラミン(#15)にいかに気持ち良くプレーさせないかでしたが、少し空回りしてしまい、モッチにかなりやられてしまいました。シュートの効率を考えるとうちの方が良かったのですが、オフェンスリバウンドは向こうの方が10本多かったことから、この点差になってしまいました。ディフェンスリバウンドを取れないと勝てないと言って3Qに臨みましたが、その改善が上手くできませんでした。オフェンスリバウンドを取らせない、ゾーンの際もインサイドでやらせないというテーマの後半でした。しかしいかんせん、こちらの得点が伸びませんでした。向こうもゾーンにアジャストしてきて、マンツーに戻して、3Qはチェンジングで上手くいった側面もありますが、4Qはゾーンを敷いても向こうに何本もリバウンドをやられてしまい、うちが取れない、向こうに決められる、という悪循環が今日の大きな敗因だと思います。杉浦(#17)を5番にしてモッチを外に出して、増田(#11)がインサイドで点を取っている時は良かったんですが、増田が5ファウルとなってチームとしてはあれで終了ということになってしまいました。
大東さんは無理なシュートをしないで、確実な2Pをしっかり決めてくる。それが崩れませんでした。昨日も良い試合をしていて、良い準備をしていた印象で、今日も同じような試合内容だったと思います。昨日はあまり良くなかった熊谷(#12)が積極的に攻めて、20点取られてしまったところは予想外の部分でした」
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