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2021.07.05 (Mon)

【2021全関】6/13 最終日レポート

近畿大が実力を示し2年ぶり開催の全関を制す

210613OMACHI.jpg 2年ぶり開催となった全関は最終日。棄権校も出ていたが、関係者の尽力もあり、なんとか全日程を消化するに至った。この先も夏を越えればリーグ、そしてインカレへと続いていくが、少しでも本来の状況で開催できることを願うばかりだ。


 この日、最初のカードとなった7位決定戦は、立ち上がりから関西学院大龍谷大を圧倒。#2北橋(2年・PG)が20得点、#93宮内(3年・C)が14得点、交代出場の#8米田(3年・SG)が15得点をマークするバランスの良さを見せ、90−63。最後は勝利で大会を終えた。

 また5位決定戦には関西大立命館大が登場。前半で背負ったビハインドを関西大が猛追する展開だったが、最後にこれを断ち切ったのは立命館大の#1満尾(3年・SF)のアウトサイド。関西大を70−59で振り切り、全関では久々のベスト8を5位で締めくくった。

写真:今大会もスタメン起用となった大町。関西でのタイトルのみならずインカレでの再びの躍進のためには近畿大にとって欠かせない存在だ。

※立命館大・満尾選手のコメントは「続きを読む」へ。

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長所を活かし切った京産大が3位に

210613TAKEHARA.jpg 大阪学院大京都産業大による3位決定戦は、波乱含みの幕開けとなった。開始そこそこで、ルーキー#8川越(1年・C・藤枝明誠)が接触プレー後にコートに倒れ込み、そのまま起き上がれず。ゲームはそのまま中断し、川越も交代を余儀なくされる。インサイドのビッグマンを失った大阪学院大に対し、京産大は#23サンブ(4年・C)が易々と得点を重ね、早々に2桁差とした。立て直したい大阪学院大は、#0小川(4年・SG)、#30金田(3年・SF)らに得点が出て2Q終盤には挽回。なんとか6点差にまで縮めてハーフタイムに入った。

 しかし、3Qに入り京産大が再びエンジンを加速させる。#2北條(4年・PG)の3P、#10上田(4年・SG)のセカンドショットなどが続き、大阪学院大の出鼻をくじく。#0深田(2年・SF)の得点で返す大阪学院大だが、#23サンブのゴール下には終始手を焼き、再び10点差とされる。安全圏のリードを保つ京産大は、#22武原(4年・PG)のシュートも要所で決まり、最終的には93−72という大差で勝利。今大会は3位フィニッシュとなった。

 近畿大に準決勝では大差で敗れた京産大。最上級生となったサンブがこの日は立ち上がりからそれを払拭すべく奮闘し、周囲もそれに応えた。ただ、3位という結果には満足していないだろう。昨年は関西ではリーグのみの開催であったが、最後のタイトルは2年前のリーグ戦となる。期待をかけられてきたサンブを始めとするメンバーの、ラストイヤーにかける気持ちに期待したい。大阪学院大としては、抜けた存在だった吉井の存在をどうカバーしていくのかが今季の重要なテーマとなる。この日は惜しくも僅かなプレータイムで終わった川越や、深田、鈴木といった下級生はまだまだ伸びしろ十分。大阪学院大らしい個性と才能あふれるバスケットを、秋には花開かせたい。

写真:京産大は武原もそつのない働きを示した。

※京都産業大・サンブ選手のインタビュー、大阪学院大・金田選手のコメントは「続きを読む」へ。

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アクシデントにも動じず近畿大が盤石の強さで優勝

210613SAKAGUCHI.jpg 決勝は昨年のリーグで最終日まで優勝を争った近畿大天理大の対戦となった。立ち上がりは天理大ペース。いきなり#55イソフ(3年・C)が難しいバスケットカウントをねじ込む。近畿大も#3高岡(4年・PF)の得点で返すが、#21近藤(3年・PF)に3Pを許し出遅れ。ディレイドに付き合わされる格好となりアップテンポな展開に持ち込めず、重いスタートになった。だが、交代出場の#21坂口(3年・PG)が続けてバスケットカウントを奪い一気に抜き去る。しかし、このまま走りたいところで、大黒柱の#2パトリックが負傷。思わぬアクシデントが近畿大を襲う。ただ、それでも#21坂口の好調ぶりがその後も光り、天理大に流れを渡さない。最後は3ショットを全て揃えて、1Qで11点差とした。

 「(パトリックが)いない場合を想定した練習はしてきていた」(#56米澤)という近畿大。#93大町(4年・C)、#ムヤ(2年・C)のインサイドは強力で、天理大が攻めあぐねる状態が続いた。近畿大は2Qも#13高原(2年・PF)のバスケットカウント、#56米澤(3年・SG)の連続得点でリード拡大に成功。前半で20点差をつけると、後半に入っても余裕の試合運びを見せ、最後まで天理大にきっかけを与えなかった。結局60−42という大差となり、近畿大が優勝を確定させた。

 昨年はインカレで5位にまで到達した近畿大。卒業したメンバーもいる中で迎えた今季最初の大会だったが、盤石の強さを発揮した。決勝ではパトリックが早々にアクシデントに見舞われるが、彼を欠いたことを感じさせないパフォーマンスだった。今年も関西のトップを保ち続けられるか。一方、大きくメンバーの変わった天理大は最後に力量差を見せつけられる悔しい準優勝。しかしこれまで経験の少なかった選手たちがその実力を示した。今回は大差となったが、秋には追い越したい。

写真:ベンチスタートながら坂口が安定したプレーを続けていることも近畿大の強さの要因だ。

※近畿大・米澤選手、天理大・二見選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【COMMENT】

「自分がやってやろうという気持ちで臨んでいた」
◆#1満尾竜次(立命館大・3年・SF)
210613MITSUO.jpg「監督からもトーナメントはエナジーが大事という話があり、全員がそのエナジーを持って試合に臨めたことが大きかったと思う。準々決勝で負けたことは自分の中でショックだったが、後半に追い上げられたので、負け方としては良かったかなと思う。次につながる内容になった。
 今日はタイムアウトやフリースローの合間にも改善点について話し合い、修正を繰り返していけたことが最終的に離せた要因だと思う。最後は自分で攻めていこうと決めていた。今まではチームとしても卒業した松橋さんに頼ってしまっていた。チームとしても課題としていたことだが、自分の中でも自分がやってやろうという気持ちは、去年のリーグ戦も、今回の大会でも持って臨んでいた。
 リーグ戦は油断せずに最初から自分たちのバスケットができるように自信を持ってやっていきたい。やってやろうという気持ちを持っているスタメンはもちろん、ベンチメンバーもスタメン以上の気持ちを持って取り組むことが大事。ボールが孤立してしまうことが今回は多かったので、ボールをシェアしながら空いているところを突いていくということはまだまだ改善しないといけないと思う」

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「自分が20点、30点を普通に取れるようにならないと勝ちはない」
◆#30金田龍弥(大阪学院大・3年・SF)
210613KANEDA.jpg「昨日が逆転のブザービーターで負けて、そのショックが出てしまった部分もあるかもしれない。試合では切り替えてやらないといけないが、それが僕たちの課題。内容としては良い部分もあったので、悪いところは修正していってリーグ戦に臨んでいきたい。優勝を目指してやってきたが、接戦になると自分たちのミスやちょっとしたビハインドで気持ちが切れてしまう部分があるので、勝負強さを付けていかないといけない。
 勝ってリーグ戦につなげたい気持ちが強かったので、まだ反省点もまとまって考えられていないが、負けたことは無駄ではない。自分たちのチームには留学生がいないが、優勝するためにはその対策も必要になる。ディフェンスの強度を上げていく必要がある。
 これまでは吉井さんがいたことで留学生にも対抗でき、そこで得点が取れていた。今年はチームとしてバランスよく得点できる強みがあるので、これまでよりも強くなっていけると思う。
 この先はまずディフェンス面で、自分たちが得点してもすぐ決め返されたら意味がないので、その部分が重要になると思う。もう一つは去年の吉井さんのように自分がエースとしてやっていかないといけない。20点、30点を普通に取れるようにならないと勝ちはないと思っている。昨日の天理も自分を警戒してきていたので、自覚を持ってやっていきたい」

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【INTERVIEW】

「チームとしてやるべきことを磨いてリーグ優勝に向かっていく」
悔しさを晴らしもう一度頂点を掴み取る覚悟

◆#23サンブ アンドレ(京都産業大・4年・C)
210613SAMBOU.jpg 昨年のリーグでは4位、今大会は3位と思うような結果を残せていない直近の京産大。サンブ自体は奮闘を続けているだけに、一層もどかしい気持ちもあるだろう。今年は最終年。充実した表情で終えるために、チームメイトとともに再び高みを極めたい。


—準決勝で敗れ、最終日が3位決定戦になりました。
「大学に入ってから、インカレを除くと経験のないことなので、一番と言っていいくらい悔しい気持ちです。昨日近大にあんな負け方で、出足も悪かった。リーグ戦に向けてもう一回チームとしても考えながらやっていきたいです」

—昨日あれだけ離された原因は?
「アウトサイドですね。外のシュートはみんなタッチが悪くて、それも誰かが悪いということではなくチームとして反省しないといけない部分。さっきも話したようにリーグに向けてどう改善させていくかが大事だと思います」

—京産大も、思うようにチーム練習ができなかったことと思います。
「もちろん制限もあって、ゲーム形式の練習はあまりできていません。なのでいきなり公式戦に入ったという感じもあります。でもそれを言い訳にするのではなく、そういう状況でも選手たちがどう対応していくかが重要だと思います」

—一方、アジャイ選手、宇都宮選手の台頭も目立ちました。
「アーノルドも陸も、チームにとってプラスの働きをしてくれています。自分たちがやるべきことをやれば絶対に上手くいく、とも伝えながらやっています。アーノルドはインサイドで頑張っていても思った通りにパスが来ないとフラストレーションを溜めたりしているんですが、でもシールをしてくれている分、他の選手が活きているんだよ、とか、そういうアドバイスして。そういうこともあって前向きにやってくれています。陸に関しては、ミスが出ても下を向かないように声をかけるようにしています。彼もインサイドに入れるパスは上手くて、ドライブにも良いものがあるので、リーグ戦でも成長が楽しみです」

—この先に向けて。
「フィジカル練習もそうですし、ディフェンスにも力を入れて。チームとしてやるべきことを磨いて、リーグ優勝に向けて頑張っていくだけです」

—去年のインカレではライバルの近畿大が5位になりましたが、それをどのように見ていましたか。
「関西を代表するチームとしてあの結果を残してくれたことは、個人的には嬉しく思っています。でも自分たちもそこに向けて、日々の練習からもっと頑張らないといけないなと思っています」

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「キャプテンということにとらわれずフラットにいければ」
タイトル奪取へ貫きたい自らの役割

◆#28二見健太(天理大・4年・主将・PF)
210613FUTAMI.jpg 劇的勝利の準決勝から一転し、決勝では王者との差を見せつけられた格好の天理大。主将としてチームを率いる二見も悔しさを隠せない表情を見せた。しかし、公式戦経験の少ない選手の躍動はチームにとり大きなプラスになっただろう。キャプテン経験はこれまでないという。それだけにチームの導き方も模索しながら戦っているようだが、執拗にリバウンドに飛び込む献身的な姿勢を持ち続け、この先も走り続けられるか。


—少し点差が開いてしまいました。
「去年のリーグ戦でも近大に負けていて、そのリベンジという気持ちで臨んだんですが、最初のインサイド陣のファウルトラブルも響きましたし、個人個人の一対一のスキルでもやられてしまった面が多く、それで前半にあれだけの差になってしまいました」

—大会を通じての手応えはいかがでしたか。
「去年まで出ておらず、今年からのメンバーはこの大会で成長してくれたと思います。例えば志冨田(#51)であったり、近藤(#21)やリチャード(#4)がよくやってくれて、チームの成長につながると思いますし、リーグまでに仕上げていければと思います」

—ご自身のプレーはどうでしたか。
「僕自身は、途中の立命館戦から足を引っ張ってしまって…。僕の未熟さも感じましたし、反省点と感じています」

—キャプテンということで、責任も大きくなったのではないかと思います。
「そうですね(苦笑)。歴史のあるチームですし、去年も強かった分今年も負けられないプレッシャーもあります。でも王者ではないので、チャレンジャー精神を持ってやれたとは思います」

—キャプテンとして、どのようなスタイルでチームをまとめていますか。
「プレー面も大事ですけど、コート内で声を出したり、プレー面以外の部分で引っ張れるキャプテンを目指しています。でもチームスポーツなので、キャプテンということにとらわれず、そこはフラットに行こうかなと思います」

—リーグ優勝のために必要になると考えていることは?
「まずはディフェンスです。一人目が破られてカバーができないといった、チームディフェンスに甘い部分がありました。そこを修正していくのと、フォーメーションバスケットの中でスクリーンが弱かった部分もあったので、そこをしっかりやり直して、リーグでもしっかり戦えるようにしたいと思います」

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「体のキレやスピードも去年よりも上がっている」
高いポテンシャルを今大会でも遺憾なく発揮

◆#56米澤協平(近畿大・3年・SG)
210613YONEZAWA.jpg 5位に到達した昨年のインカレでも要所で重要な得点を決めてきたが、今大会もそのスコアリングセンスを発揮。インカレでも今大会でも鋭いドライブが輝いたが、本来的に得意プレーは3Pだというのだから、この先様々な引き出しを兼ね備えることにも期待出来る。春は難なく勝利した印象だが、チームとしても目指すのは去年よりもさらに上のステージだ。躍動感溢れるプレーを続け、目標達成を手繰り寄せる。


—危なげのない勝利でしたね。
「ゲームの前から、相手が天理ということでそれまで得点を伸ばすことはできないだろうから失点は抑えていこうという意識でした。こっちも前半に35点取れて、それが大きかったです」

—昨日好調だった天理大のフォワード陣も抑えられました。
「そこは手応えがあります。簡単にボールを持たせると気持ち良くシュートを打ってくると思っていたので、ディナイで切って気持ち良くボールを持たせないように意識していました」

—パトリック選手にアクシデントがありましたが、問題ない試合運びでしたね。
「多少不安に思う部分はあるんですけど、練習でもいない場合を想定した練習はしてきていたので、そういう練習をしてきたからこそ自信を持ってやれたかなと思います」

—上級生になり、心境も変わってきたのかなと思います。
「去年は渡辺新さん、坂口颯馬さんと僕と、3人でポジションを回している感じでした。そこに頼る部分もあったんですけど、今年はその2人が卒業していき、スタートにもなって自分も点を取らないと上のレベルでは勝てないので、責任感も出てきました。そこが一番変わったかなと思います」

—リーグに向けて。
「ディフェンスでは失点も少なかったので良かったと思います。そこはもっと強度を高めていければ関東にも差をつけて勝てると思いますし、インサイドに高さのある選手が2人いるので、アウトサイドが入れば相手にとって脅威になると思うので、外のシュートは強化していきたいなと思います」

—昨年のインカレでも今大会でも、重要な場面での米澤選手のドライブが目立ちます。
「一番得意なのは3Pだと思っているんですけど、今年は瞬発系のトレーニングを多く取り入れていて、体もすごく動いている感覚があります。体のキレやスピードも去年よりも上がっているのでドライブの自信もついてきています」

—インカレで5位となり、それによっても自信が出てきたのでは。
「はい。関東相手にあれだけできたということは、自分たちの中でも自信につながっています」

—今年のインカレでは昨年以上の結果を目指していると思います。
「チームの完成度とアウトサイドのシュート率は大事になってくると思います。でもまずはしっかりリーグで勝つことが重要なので、そこに照準を置いてやっていきたいです」
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