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2010.11.11 (Thu)
【2010リーグ】11/11入れ替え戦 中央大VS早稲田大 第3戦

立ち上がりは早稲田大のミスが続いた。開始すぐに#14久保田(3年・C)が1本フリースローを決めた後が続かず、ボールがことごとくリングに弾かれる。ゴール下でも中央大のディフェンスに阻まれ、何度もリバウンドを取りながら決めきれず、パスミスも出て流れが生まれない。一方の中央大は立ち上がりはターンオーバーもあるが、#14渡邊(2年・F)のミドルシュートに#20小野(2年。F)が3Pのファウルをもらい、先行。#16佐藤(2年・G)のドライブや#20小野の3Pも復調の兆しを見せてチームを盛り上げる。中央大は#14渡邊の3Pで残り2分、19-7までリードを広げることに成功した。しかし早稲田大も#14久保田が存在感を示し、2本連続でゴール下を決めると、途中投入となった#52相井(4年・SG)が3Pで勢いをつける。中央大は残り2分でシュートが決まらず、1Qは19-14とリードしたものの、追い上げられる形となった。
2Q、早稲田大はゾーン。中央大のオフェンスが重くなる。しかし早稲田大もやはりシュートの決定率は上がらず、ミドルシュートの確率で苦しい時間帯が続く。中央大はファウルも続くが#20小野がリバウンド、得点で奮闘。#22山田(1年・CF・東海大菅生)の速攻も出て再び27-20と早稲田大を引き離す。しかし残り1分半を切ったところでミスが出て、#16佐藤がアンスポーツマンライクファウルを取られてしまうと、そこから#00金井(4年・F)のフリースローなどで詰め、最後は#8玉井勇気(1年・G・福岡第一)の3Pで29-28と1点差に追い上げて前半を終えた。中央大は逆転こそされなかったが、ファウルと得点が止まる時間帯で苦しい展開に追い込まれた。

早稲田大は、前半の悪さを引きずらなかった。中央大ディフェンスが久保田を気にしてインサイドに寄る分、空いたアウトサイドを積極的に攻めて後半に流れを作った。中央大はそうした早稲田大に対し、中と外、両方を守りきることはできず、課題の後半をまたしても乗り越えることができなかった。能力はあるがまだ2年生、若さは目立つ。そして入れ替え戦はそうした経験不足を大目には見てくれない。駒数や高さなど足りないものは多々あるが、2部でそれにめげず自分たちのバスケットを貫ければ再び浮上のチャンスはある。過去多くのチームがそうした苦節を経て成長を遂げている。ここからが勝負だ。そして早稲田大はようやく1部へと戻って来られた。勝負どころを逃さない部分は、早稲田大の方が上だった。エースの金井はもちろん、2戦目の要所で決めた井手、3戦目では相井がここぞという時に3Pで貢献し、4年生は自分たちの仕事を果たした。そこに玉井や河上らルーキーが絡み、久保田の力強さでゴール下を支配した。「充実」と「勢い」、その両立が昇格の鍵となった。
写真上:得点、リバウンドと中央大を引っぱった小野。リーグ戦中のケガがなければと惜しまれるが、真のエースへと成長して欲しい。
写真下:春は「(プレーの中で)自分の居場所がない」と悩んでいた井手。しかし今は「やりながら自分のプレーができる部分を見つけた」と、ようやくチーム内での役割に馴染んだ様子。井手がどこで打ってくるか、というのは相手チームには一つの脅威だ。
※早稲田大・相井選手、中央大・澤田選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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2010.11.11 (Thu)
【2010リーグ】11/11入れ替え戦 法政大VS大東文化大 第3戦

立ち上がりの大東大は#13小原(3年・F)、#15遠藤(3年・G)の両エースが得点。法政大は大東大のディフェンスに苦しみながらも、#41谷口(3年・C)、#11長谷川(3年・SG)がファウルからフリースローを得て行く。ロースコアな立ち上がりながら、法政大はフリースローで得点を重ね、大東大はファウルに苦しみつつも序盤のアウトサイドが生きて、1Qは15-17とリードした。
2Qも互角となった。法政大は#10山越(4年・G)のシュートで活気づき、#11長谷川が大東大スローインをカットして#21加藤(2年・CF)の速攻につなげ逆転。大東大も#15遠藤の3Pで返すが、#21加藤がバスケットカウントで再び押し戻すなど、どちらも譲らない展開が続いた。しかし残り4分を切ってから法政大は得点が止まりがちとなり、大東大も残り3分で#13小原のシュートを最後に決定打を出せない。2Qは29-30と1点差の拮抗した勝負となった。
3Qの序盤で大東大が#13小原の活躍で一気にリードを広げた。開始4分で#13小原が8点を稼ぎ、そこに#12小山(4年・F)のバスケットカウント、#11田中(3年・G)のシュートも続き、一気に12点の加点。10点差をつけられた法政大だが、主将#10山越が3Pで意地を見せ、#11長谷川の3Pがここでようやく決まると追い上げの姿勢を切らさず、今度は法政大の逆襲が始まる。#10山越のバスケットカウントに#11長谷川のシュートが続き、4点差に追い上げると、ライン際で粘って何度も法政大ボールを勝ちとり、スローインから#21加藤のバスケットカウントを奪うなど、気迫のプレーで43-44の1点差。そこに#10山越の3Pが生まれて残り50秒で46-44と逆転に成功する。大東大は開始3分の44点目を最後に、なんと残りの7分間ノーゴール。法政大の気持ちに押されて46-44で3Qを終えた。

大東大は得点が止まる時間帯もあったが、遠藤・小原の両エースが20点越えの活躍。インサイドでも法政大相手に粘った。これまで勢いのみだった若さが落ち着き、試合中でも声を出してチームを盛り上げた3年生の充実ぶりが見えた。一方の法政大は勝負どころのミスと、エースの長谷川にきれいにシュートを打たせる形がなかなか作れなかった。決めた3P5本のうち、4本は4Q最後、不利な状況を挽回しようとして無理やり打っていったものだ。倒されながらも決めていった集中力はさすがだが、最初から打つ形を作れなかったのは苦しい展開だった。勝負は僅差だった。しかし、勝負際の攻防で崩れなかった大東大が上回った。
歓喜と絶望。入れ替え戦という1年で最も過酷な試合の結末にそれが交錯する。笑顔の大東大をよそに、法政大の選手たちはしばらく下を向き、コートに膝をついて立ち上がることができなかった。彼らが号泣する姿など、誰も見たことがない光景だっただろう。しかし、それはまた2年前の大東大の面々と同じ姿でもある。2008年、1年生だった遠藤や小原、田中たちは期待を受けつつも、1部で1勝もできず2部へ落ちた。昨年はまとまりを欠き、2部最下位に甘んじた。だが、そうした主力たちの成熟と、主将・小山の誠実な奮闘、下級生たちの成長で、今年ようやく大東大はチームとしての形を手にした。入れ替え戦はこうした選手たちの永久運動だ。未成熟なものは蹴落され、力を得て再び浮上する。その繰り返しが涙と笑顔となってこの場で現れる。大東大の主力は3年生たち。来年は1部でその真価を発揮できる。そして、敗れた法政大の面々もまた、主力は3年以下だ。2部で切れず、入れ替え戦のような集中力でやり続けることができれば、再び復帰のチャンスはある。対照的な幕切れを見せた両者だが、ともに前途あるチーム。その力を、それぞれの場所で発揮して欲しい。
写真上:田中は安定してリードし、アウトサイドも決めていった。彼の成長も大きい。
写真下:勝負強いシュートは決まったが、少し遅かった長谷川。
※大東文化大・小山選手、遠藤選手、法政大・山越選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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2010.11.11 (Thu)
【2010リーグ】11/11入れ替え戦 順天堂大VS江戸川大 第3戦

1Q、出足から好調だったのは順天堂大。確率良くシュートを沈め、#19鈴山(1年・F・洛南)の速攻も出て開始5分で17-8とリードを奪う。しかしここで江戸川大もタイムアウトで切り替え、#7臼井(2年・F)の活躍で残り3分半には17-16まで追いついた。その後江戸川大は#34ティモニン・ユーリー(3年・C)のバスケットカウント獲得や#1粂川(2年・G)の積極的なドライブもあって逆転からリードを奪い、23-26で1Qを終える。2Qは一転して互いにシュートが落ちた。順天堂大は#10趙 明(3年・C)がリバウンドに奮闘し何度も攻撃のチャンスを得るが、アウトサイドが入らない。そのまま37-41と、ほぼ点差の変わらないまま3Qを迎える。
後半に入ると、江戸川大の得点が止まる間に順天堂#13田代(2年・F)が6得点を上げ、43-41と逆転。しかし江戸川大もすぐに#1粂川が決め返して同点とすると、そこから流れを掴んで一気に7点のリードを奪った。だがタイムアウト後に順天堂大#4八木(4年・G)が3Pを沈めてチームを引っ張り、4点差に。点差そのままに迎えた3Q残り3分、そこから順天堂大#13田代が連続3本の3Pを沈めてチームを盛り上げ、逆転に成功する。そして、64-62で運命の最終Qへ。

江戸川大は前半こそリードを奪ったが後半は後手に回ってしまった。主将の#77呂(4年・F)は「ルーズボールやリバウンド、そういう気持ちの部分で相手の方が上だったのかもしれない」と気持ちの差を敗因に挙げている。しかし2戦目も3戦目も終始接戦の好ゲームとなり、江戸川大も地力の差を埋める気持ちを見せていた。来シーズン、次なるチャンスを狙う。対する順天堂大は、「勝負どころで集中して、逃げずに攻めれたことが勝因」と#4八木が話すように、後半積極的に攻めて主導権を握ったことで勝利を引き寄せた。またインサイドの要、#10趙 明は圧巻の28リバウンド。ゴール下で体を張り、江戸川大を圧倒した。リーグ戦ではチームがまとまらず、苦労していた順天堂大。もともと噛み合えば面白いチームになることを自分達でもわかっていただけに、なかなか一つになれないリーグ戦はもどかしい様子だった。しかしそれを乗り越え、「チームでやっていかないと勝てない」と気付いたことで強さを発揮。チーム一丸となって、2部残留を決めて今シーズンを締めくくった。
写真上:早い攻撃の起点となった江戸川大・粂川。
写真下:3戦目は趙の存在感が際だった。
※順天堂大・八木選手、江戸川大・呂選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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2010.11.11 (Thu)
【2010リーグ】11/11入れ替え戦 立教大VS東京成徳大 第3戦

2Qの頭、今度は立教大が勢いづく。#14荒井(3年・F)がインサイド、3Pの連続得点で逆転すると、#5菊池も続いて得点。しかしタイムアウトを取った東京成徳大も#37松本(3年・F)が中へ切れ込み、#18本多の3Pで再び同点に戻す。すると、立教大も#14荒井や#16菅原が返すといった全く譲らない攻防が続いた。立教大は#14荒井が2ファウルでベンチへ下がるが、交代した#22中島(1年・F・八王子)がバスケットカウントを取るなど、仕事を果たしていく。東京成徳大は3分ほど得点が停滞してしまうが、それでもQの終盤に#18本多と#77田中のシュートで持ち直し、2Qは43-41。全く分からない展開となった。
後半、東京成徳大は#77田中が気を吐いた。前半終盤にリバウンドを取った際の着地で膝を痛めるも、それをこらえて逆に次々に1対1を仕掛けて得点を取りに来る。立教大はこれを止めることができず許した得点は13得点。このQのほとんどの点数を#77田中が稼ぐことになった。立教大はアウトサイドに苦しみ、フリースローやドライブで得点を重ねるが、#77田中の勢いに押され、3Qは57-59と2点リードされる恰好となった。

最後まで分からない接戦だったが、個人技が最後を分けた。立教大はインサイドでの得点でターンオーバーを出し、アウトサイドも効果的な場面で決めた数は2戦目より少なかった。一方の東京成徳大は2戦目で思うように決められなかった田中が攻めて、29得点。本多の28点とともに確実さが目立った。東京成徳大は2部がAB制だった時に2部Bにいたことはあるが、正式な2部へと初の昇格。立教大は昨年2部昇格の4枠に滑り込んだものの、再び3部へと舞い戻ることになった。
写真上:24点とゲームを引っ張る活躍だった立教大・菅原。
写真下:本多がコンスタントに決め続けたことも東京成徳大勝利の決め手となった。
※東京成徳大・田中選手、立教大・宇野選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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2010.11.10 (Wed)
【2010リーグ】11/10入れ替え戦レポート(2日目)
4試合が3戦目にもつれ込む熾烈な戦いに
昨年まで1-2部間だけだった3戦方式だが、今年は2-3部間にも取り入れられたことで、入れ替え戦はより白熱したゲームになった。2日目、すんなり2部昇格を決めた駒澤大と2連勝の筑波大が1部残留を決めたが、それ以外は3戦目にもつれ込んだ。
入れ替え戦の怖さは、やってみなければ当事者たちには分からない。かつては青山学院大や慶應義塾大など、今1部トップクラスのチームでさえも2部に沈んだのだ。そして返り咲いたこうしたチームは特殊な例であって、負ければ全てが終わるという気迫がなければこの舞台では勝てない。この結果が、翌年以降のチームや選手の運命、将来さえも決める。ケガをしても、状態が悪くても、全てを賭けて挑むという強い意志をコートで表現できなければ未来はない。
【余裕の勝利で駒澤大は2005年以来の2部昇格】

1Qで9-27とトリプルスコアの大差をつけた駒澤大。後は余裕の展開となった。ベンチの控えメンバーを積極的に起用し、國學院大から次々得点を重ねていく。4Qには4年生の#15井上(4年・SG)をコートに送り込み、残り数分で主将の#9西山(4年・SG)も出場。4年生2人に向けて引退の花道を作った。#15井上はそれに答えるように3Pでチームを沸かせ、#9西山も最後までパスを供給し続けた。98-51で試合は終了し、昨年惜しくも1勝差で2部昇格を逃した駒澤大が、1年をかけてその悔しさを晴らし、2005年以来の2部へと復帰を決めた。

写真上:勝利し、西山が同じ4年生の井上に笑顔を向けていた。
写真下:3Pを決め、最後に4年生の意地を見せた井上。
※駒澤大・西山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【インサイドで存在感を示した立教大が先手を制す】

後半3Q、#16菅原(2年・G)がドライブを仕掛けてバスケットカウントを奪い、#4宇野がオフェンスリバウンドからシュートを決めるとベンチも立ち上がって大声援。立教大はそのまま東京成徳大に追い上げられることなく、91-63で試合終了。1勝1敗で勝敗をタイに戻した。
立教大は1Qの大量リードがモノを言った。特に菊池のリバウンドを中心に、東京成徳大にペイント内で自由にプレーさせず、また、攻撃では相手のペイントへ切れこむ積極的な姿勢が目立った。東京成徳大はゴール下が生きず、アウトサイドに終始してしまったのが敗因の一つだろう。雌雄は第3戦で決する。2部残留に賭ける立教大か、悲願の2部昇格を目指す東京成徳大か注目の戦いだ。
写真:菊池は20点12リバウンドで勝利に大きく貢献した。
【一進一退のゲームを江戸川大が制して勝負は第3戦へ】

アウトサイドが好調で、両者点の獲り合いになった1Qは24-24と互角。だが続く2Qで流れを掴んだのは江戸川大だった。2Qの出だし、パスミスを#24鈴木(4年・PG)が速攻に繋げ24-26とすると、その後も勢いに乗って差を一時9点まで広げる。逆に順天堂はターンオーバーが続き、波に乗れない。だが2Q残り4分、30-39の場面で順天堂大#16山下(2年・G)がアンスポーツマンライクファウルを獲得。これがチームに流れを引き戻し、#10趙(3年・C)の活躍で39-39と再び同点にする。負けじと#71黒澤(3年・SF)が3Pを沈めて39-42で後半に入るが、3Q開始早々#4八木(4年・G)の活躍で順天堂大は逆転に成功。ここから両者一進一退の攻防が続く。江戸川大は#71黒澤が2本連続で3Pを沈めるなどして再びリードを奪い、その後も#8村田(3年・PF)がゴール下で体を張る。だが対する順天堂大もフリースローや#6杉本(4年・F)の3Pで徐々に追い上げ、2点差で最終Qへ入ると開始2分で#19鈴山(1年・F・洛南)の3Pが決まり67-66と逆転。しかし江戸川大も#77呂(4年・F)が落ち着いてフリースローを沈め、やはりリードを許さない。4Q残り7分には#7臼井(2年・F)の3Pで67-71とし、その後互いにミスが続いて得点が止まる。
試合が動いたのは4Q残り5分。順天堂大#4八木が2本連続で3Pを沈め、73-71と逆転に成功した。八木は痛めた足を引きずりながらも懸命にプレーを続け、順天堂大は選手も応援席もこうしたキャプテンの姿に応えようと奮闘する。しかし江戸川大もタイムアウト明けに#71黒澤が3Pを沈め、ベンチを向いて高々と手を挙げチームを鼓舞。その後も両者一歩も譲らないシーソーゲームが続き、試合は白熱した盛り上がりを見せる。残り3分、順天堂大は#4八木が意地で3Pを沈めるが、江戸川大も#7臼井が3Pを決め返して譲らず78-79。そこから#10趙が1対1で返したが、#1粂川(2年・G)がドライブからバスカンを獲得。80-82で残り時間は2分を切った。ベンチからの交代を拒否した#4八木は更に審判に声を掛けられるも、プレー続行の意思を伝えコートに立ち続け、主将としての気持ちを見せる。しかし残り1分、順天堂大はここで大黒柱の#10趙がファウルアウト。残り時間も無くなり順天堂大にとって悪い空気の漂う中で、江戸川大#8村田がゴール下を決めて4点差をつけた。これが決定打となり、その後#6杉本が3Pを沈めるも一歩及ばず。ファウルゲームを逃げ切り、江戸川大が84-88で接戦を制した。
これぞ入れ替え戦、という意地と意地とのぶつかり合いだった。インカレに出場しないチームにとって、4年生はこの試合が引退試合、3年生にとっては最後の1年間の舞台が決まる試合。何としても勝ちたいという気持ちは、順天堂大も江戸川大も同じだ。この試合では互いにミスも多いものの大事なシュートを決め合い、一歩も譲らない試合となった。結果は1勝1敗。明日の1戦ですべてが決まる。
写真:最後まで戦う意志を見せていた順天堂・八木。チームメイトはこの姿に3戦目で答えることができるか。
【主導権を握った法政大が1戦目の借りを返す】

前半は38-38の同点。出だしは#15遠藤(3年・G)の3P、#15小山(4年・F)のバスケットカウント獲得などで大東大がリードを奪ったが、法政大もディフェンスからリズムを掴んで食らいついた。法政大は#11長谷川(3年・SG)を筆頭に各々が積極的に1対1を仕掛けてファウルを獲得し、徐々に追い上げていくと、2Q終盤には#24神津(3年・F)の3Pで一時逆転に成功。最後は#19藤井(2年・G)のフリースローで追いつかれて前半終了となったが、勢いでは法政大が上回っていたと言える。
続く後半、3Q序盤は法政大#3鈴木(4年・PG)、大東大#11田中(3年・PG)がそれぞれ活躍し、一進一退の攻防となる。だが#11長谷川の連続得点で56-50と法政大が一歩抜け出すと、たまらず大東大はタイムアウト。その後#11田中が3Pを沈めて3点に差を縮めるが、それ以降が続かない。法政大は、リーグ戦の終わりに選手たちがみな手ごたえがあると話していたゾーンディフェンスが機能し、大東大から24秒オーバータイムを奪う場面も。そのまま58-53で最終Qへ。
4Q、開始早々に法政大#11長谷川が3Pを沈める。しかし大東大も#15遠藤が2本連続で3Pを決めて61-59の2点差にすると、#43鎌田(2年・C)も#11長谷川のシュートをブロックするなど見せ場を作る。しかし大東大はその後シュートがことごとくリングに嫌われ追いつくことが出来ない。逆に法政大は#41谷口(3年・C)のスティールや#21加藤(2年・CF)のブロックショットが飛び出し、再び流れを引き戻す。大東大は残り4分にリバウンドで#11田中が4つ目のファウルを吹かれるなど悪い流れになり、アウトサイドも決まらない。残り1分半には法政大#41谷口のミドルシュートで73-63と10点差つけられ、大東大は完全に勢いを失ってしまうと法政大が流れを掴んだまま、81-68でタイムアップとなった。
法政大は全員の気迫が第1戦とは違っていた。#11長谷川の40得点はもちろん、他にも3人の選手が2ケタ得点と、全員が攻め気を見せる戦いぶり。ディフェンスから流れを掴み、久々の1勝をあげて踏みとどまった。また、応援団には拓殖大や中央大のメンバーも加わり、法政大を後押しした。逆に大東大は勝負どころでのシュートが落ち、終始リズムを握られる結果に。勝負は第3戦へと持ち越しになった。どちらが試合の主導権を握り、自分たちのバスケットを出せるか。見逃せない戦いとなるだろう。
写真:2戦目は気迫を見せた法政大・加藤。2桁得点やディフェンスでも粘りを見せた。
【1Qから勢いに乗って早稲田大が快勝】

1Q、中央大は早稲田大の激しいディフェンスにひるみ、シュートがことごとく外れる。その間に早稲田大は#14久保田(3年・C)のインサイドを起点に攻め、0-10とリード。開始3分が経って#14渡邉(2年・F)が3Pでバスケットカウントを獲得し、中央大はようやく初得点となる。だがここから1戦目は欠場だった#11入戸野(2年・PG)が良い働きを見せ、残り4分半には9-15まで追い上げた。しかし早稲田大も#7井出(4年・G)がタイムアウト明けに3Pを沈め、中央大#20小野(2年・)が3Pを決めても直後に#8玉井(1年・G・福岡第一)が3Pを決め返すなど、流れを掴んで離さない。その後も早稲田大はアウトサイドシュートを高確率で沈めていき、1Qで29点とハイスコアをたたき出す。
16-29と、13点差がついて入った2Q。早稲田大は#21河上(1年・F・洛南)が外のシュートに速攻と奮闘。しかし中央大も#16佐藤(2年・G)が攻め気を見せて点差を広げさせない。しかし早稲田大の堅守に次第に攻めが単発になる。逆に早稲田大は交代で入った#6大塚(2年・G)がゲームをコントロールし、アシストやスティールを成功させて自分でも3Pでバスカンを獲得するなど、攻守に渡って活躍。結局前半終わって25-47と、ほぼダブルスコアとなった。
後半に入っても、中央大は3Pの確率が上がらない。#24塩谷(1年・SG・洛南)の思い切りの良いプレーと#4竹原(4年・SF)の活躍で42-59と17点差まで差を縮めるが、3Q後半にはシュートが全く入らず得点が止まる。その間早稲田大が9点を積み上げ、42-68で3Qを終えると、続く4Qも危なげなく点差をキープした。試合終盤には両チーム明日の3戦目に備えて主力を温存。ベンチメンバー中心の戦いとなる。そのまま結局56-86で早稲田大が逃げ切った。中央大は最後まで良いところを出せずに終わった。
中央大は3Pが試合を通して計5本と、1戦目と違ってアウトサイドが決まらず得点が伸び悩み、反撃のポイントを掴めなかった。第1戦では1Qで中央大が大量リードを奪う展開だったが、第2戦では逆に早稲田大が1Qでハイスコアを挙げた。運命のかかった第3戦でも1Qが勝敗のポイントとなるか。早稲田大は2部といえども選手層も厚く、噛み合った時は強い。対して下級生主体の中央大は受け身にならず、ここまで1部チームとの間に出してきた勝負強さを見せたい。明日の最終戦、最後に笑うのはどちらのチームか。
写真:玉井や金井以外にも、勝負強いシュートで間隙を突く井手の存在が相手にはダメージを与える。
【筑波大が2連勝で1部残留】

2Q、#1パプのポストアップを再三ターンオーバーに追い込む筑波大だが、自身もなかなかシュートが決まらない。しかし#35池田(1年・F・京北)のシュートで流れを掴むと、#99加納(3年・C)のブロック、#23黒田(4年・F)、#15山口(3年・G)が続き、#34田渡(3年・G)の3Pで追い上げる。関東学院大はそれでも#1パプがインサイドで強さを発揮し、リードを守ると#30村田や#7荒木(1年・F・八戸西)の3Pが続き、2Qも35-40と関東学院大リードとなった。
後半になると、関東学院大のアウトサイドが落ち始める。筑波大は#34田渡の3Pや#99加納のバスケットカウントで流れをつかむとパス回しも早く、鋭くなり残り4分半、#33加藤(4年・F)の3Pで遂に同点に追いついた。ここから関東学院大も負けじと#1パプが得点していくが、点の取り合いとなった最後、#99加納の3Pで筑波大が逆転、60-59で3Qを終えた。4Q、ようやく筑波大がペースをつかみ、接戦ながらも余裕を持ったプレーでじわじわと関東学院大を引き離した。関東学院大は#32前田(3年・F)らアウトサイドが機能せず、#30村田がドライブからバスケットカウントを奪うなど意地を見せるが最後は筑波大に引き離され、80-72で試合終了。筑波大が2連勝で1部残留を決めた。
リーグ戦中、安定した試合運びができなかった筑波大は、ようやく皆が安堵の顔を見せた。この日は本井、加納のインサイド陣が落ち着いてパプに対処し、ファウルも抑えて追う展開ながらも焦りのないプレーを見せた。もちろん大きな勝利だったが、まだ課題を完全に解決した訳ではない。ここからインカレに向けて再度の向上が求められる。敗れたパプは、「まだ1部に行くチーム力じゃない」と、悔しさはあるがすっきりした笑顔。ダブルチームには苦しんだが、1対1で自分を止められるセンターはやはりいない、と自分のプレーに誇りを見せた。関東学院大が3部Bから1部との入れ替え戦まで、4年間で躍進できたのはひとえにパプあってこそだ。その強いファイティングスピリットを他の選手は見習わなければならない。昇格はならなかったが、初のインカレ出場も勝ち取った。最後の奮闘を期待したい。
写真:勝利し、肩を組んで喜び合う筑波大。
※関東学院大・パプ選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※筑波大・加藤選手、田渡選手、加納選手のインタビューを掲載しました。
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2010.11.09 (Tue)
【2010リーグ】11/9入れ替え戦レポート
真の力を発揮できるかどうかが勝利の鍵
例年、代々木第二で行われてきた入れ替え戦。今年は会場の都合もあり府中と海老名での開催となった。平日にも関わらず、上位の試合が行われた府中会場は数多くの関係者、観客で埋まり、立錐の余地のない満員だった。
1-2部間は入れ替え戦の1戦目ということで、どこも動きの固い内容が多かった。些細なミスや気持ちで引いた部分で自らチャンスをふいにする場面は、緊張した戦いならではでもある。ここまでの試合でできていたことを、発揮する。ただ単純なそれだけのことが難しいのが入れ替え戦であり、その力を出し切ったチームが残留、あるいは昇格を決められるだろう。
[トヨタ府中スポーツセンター]
【再三の3Pで引き離した大東大がまず1勝】

2Q、法政大は開始2分半に#11長谷川の3Pでこの試合初の逆転。リバウンドでは#41谷口(3年・C)がふんばりを見せる。しかし大東大は交代した#14岸本(2年・PG)の3Pと#7今井のバスケットカウントで返すと、#19藤井(2年・G)も得点し、交代した選手がそれぞれ結果を出していく。法政大はオフェンスが切れ切れでシュートも決まってこない。残り1分半で大東大に10点のリードを許す展開となるが、最後は#41谷口のシュートで8点差の31-39で前半を終えた。
後半、なんとか立て直したい法政大だが、リードを得た大東大が終始優位にゲームを進める。大東大もミスはあるが、法政大はそこにつけこめず点差が開いていく。法政大はシュートがなかなか決まらず苦しむが大東大は#11田中(3年・PG)や#13小原(3年・G)らノーマークからのアウトサイドが要所で決まり、3Qで法政大を49-64と引き離した。4Qもこの差は埋まらず、大東大が余裕を持ってまず66-89と1勝をあげた。
法政大はどこか固く、集中しきれていないように見えた。思うようにボールがネットを通過せず、レイアップもゴール下まで持ち込みながらリングを転がって落ちるシーンが目立った。決めきれないオフェンスが続いたことで、大東大に先行リードを許してしまい苦しいゲーム展開だった。ミスからターンオーバーになる場面も多く、ここは修正したい。長谷川は35得点と気を吐いたが、他が続かなければ勝利は厳しい。谷口がインサイドで踏ん張ったが、大東大の高い壁は大きな脅威。どう攻略するかが鍵だ。大東大も単純なミスやファウルなど、修正点は多いが、5人が2桁得点と、ベンチからの選手も結果を出し、大事な初戦勝利に貢献。この勢いで2戦目も勝利できるか。
写真:主将の小山は14得点。序盤でチームを勢いづけた。
【3Qを耐えた中央大が大きな勝利】

早稲田大は3Q序盤から激しいディフェンスでボールを奪い、再三のリバウンドで追い上げにかかる。#21河上(1年・F・洛南)のミドルシュートや#00金井の得点で追い上げていく。しかし中央大は#22山田(1年・CF・東海大菅生)のバスケットカウントや#20小野の3Pも出て、流れを切らさない。早稲田大は#7井手(4年・G)の3Pや#21河上、#00金井と最後で追い上げるが、61-60と中央大に1点及ばず最終Qへ。
4Q頭は中央大の2年生たちが流れを作った。#20小野の速攻に3P、#16佐藤のミドルシュートとドライブで差を広げると、#14渡邊が3Pのバスケットカウントを得て勢いづく。早稲田大はこうした中央大の勢いを止めることが叶わず、無得点の時間帯が続きそのまま大きく引き離されて89-73で試合終了。中央大がいい形でまず1勝をあげた。
先行リードタイプの中央大とスロースターターの早稲田大。試合の立ち上がりからその特徴が如実に出たが、中央大は入戸野が欠場したものの、課題の3Qでわずか1点でもリードして4Qに入れた。これが何よりも大きい。早稲田大は久保田を使ってインサイドを攻める指示も出ていたと言うが、中央大はここの守りは1部でもビッグマン相手に実績を出している。早稲田大は思うようにインサイドで攻められず、リバウンド争いでも中央大が上回り、最後は中央大の勢いに負けた恰好となった。中央大は2年生の復調をこのまま維持し続けられるかどうか。入れ替え戦の本当の恐ろしさは2戦目にある。早稲田大はこの敗戦を踏まえ、どのような修正をしてくるかが見物だ。
写真:5本の3Pで貢献した中央大・渡邉。しかし「確率は悪かった」と反省し、2戦目に意気込んでいた。
【接戦を筑波大が地力の差で逃げ切る】

前半をリードしたのは関東学院大。立ち上がり0-7とリードを奪うと、その後徐々に調子を上げ始めた筑波大に1Q終盤逆転されるも、#1パプの1対1や#32前田(3年・F)の3Pで盛り返し前半終わって28-32。筑波大は2Q序盤で一時6点のリードを奪ったが、大事な場面でミスが続いて逆転を許した。2Q後半に取った二度のタイムアウトも、2回とも最初のプレーがミスとなるなど悪い流れを断ち切れずに前半を終える。
だが後半の入りは筑波大が気持ちで上回った。3Q開始早々、#34田渡(3年・G)の2本の3Pもあって逆転に成功。一方の関東学院大は#1パプにボールを集めるものの、#36本井(4年・C)の守りと周りのカバーに阻まれシュートが決めきれない。勢いは完全に筑波大だった。しかしここで筑波大はターンオーバーが続いて点差を離せそうで離せない。関東学院大はしばらくノーゴールが続き苦しくなるが、筑波大のミスにも助けられて離される点差を10点で留め、#7荒木(1年・F・八戸西)の3Pや#31原田(4年・G)のパスカットから流れを掴んで49-44と追い上げて最終Qへ。
4Q、今まで決めきれない場面も多かった#1パプが果敢に攻め、残り7分49-49と試合を振り出しに戻した。だが筑波大も簡単には逆転させず、#35池田(1年・F・京北)、#33加藤(4年・F)の活躍で再びリードを広げる。ここで#36本井が4ファウルとなるも、ひるまず積極的に攻めて#1パプ相手にバスケットカウントを獲得。この3点プレーで残り3分半62-55と7点差をつけた。だが関東学院大も#28河野(3年・G)、#7荒木の得点、#1パプのバスカンで追い上げ、残り1分66-64の2点差。だが残り37秒、この大事な場面で#33加藤がシュートを沈めて差を4点に広げ、そのあとの関東学院大の攻撃で筑波大#99加納(3年・C)がカットからファウルをもらってフリースローを得る。これが勝負を決定づけ、#7荒木の3Pが沈むも関東学院大の追い上げはそこまで。ファウルゲームとなるも筑波大が逃切り、70-67で試合終了となった。
両チームともリードする場面があったが互いにミスが続いて突き放せず、終始接戦となった。入れ替え戦の独特の空気、そして1戦目という事でそのプレッシャーもあったか。筑波大は試合開始早々に#15山口(3年・G)が負傷退場したこともチームに響いた。一方の関東学院大も筑波大のミスに助けられたが、リーグ終盤から落ち始めている#1パプのフリースローも勝敗に影響を与えたといえる。勝敗がどちらに転んでもおかしくない試合だったが、接戦を制した筑波大が残留に王手。明日はより激しい一戦となるだろう。
写真:ゲーム終盤で決まった筑波大・加藤のシュートは大きかった。
[海老名運動総合体育館]
9試合が行われた海老名会場は、3-4部、4-5部間では入れ替えは起こらず各大学そのまま残留となった。2-3部間は下馬評の高い駒澤大が1勝。順天堂大も江戸川大に勝利した。立教大は東京聖徳大に差をつけられ、苦しい敗戦スタートとなった。
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2010.11.04 (Thu)
【2010リーグ2部】10/31 国士舘大VS日本体育大 第2戦

日本体育大は、自分たちのスタイルである“ディフェンスからの速攻”を、試合を通して貫いた。2Q終盤には、#11北川(1年・G・光泉)、#23横江(3年・G)がスティールから連続速攻を浴びせ、18点差をつけて前半を折り返した。後半に入ると、国士舘大は3Pを次々と沈めてじわじわと追い上げを図る。よく決まる3Pを前に日体大は前半のような勢いを失ってしまうが、タイムアウトでしっかりと切り替え、#24于(4年・F)がインサイドでバスケットカウントを奪うなど、譲らない。我慢の時間帯を乗り越えた日体大は、4Q序盤に爆発する。#23横江の3Pを皮切りに、横江の浮かせたパスに#24于が合わせてアリウープ。さらに、#21熊谷(2年・F)がダンクを決め、完全に主導権を握った。国士舘大も最後は意地を見せたいところ。4年間、国士舘大のインサイドの要として体を張ってきた#4馬(4年・C)が、ゴール下からドライブまで幅広いプレーで日体大から次々とゴールを奪った。
日体大は最後にベンチの4年生をコートへ送り出し、そして試合終了と同時に4年間に終止符が打たれた。それもあってか、#5吉永(4年・F)は堪えきれずに涙した。最後は日体大が100点を越える102-81で勝利。試合のブザーが鳴ると同時に、両チームの2010年度シーズンに幕が下りた。
今年の日体大も、尻上がりに調子を上げて来た。原因は「本音を言い合えるようになったから」。リーグ序盤、主将#4永原(4年・G)は言いたいことを言い合えないチームに悩んでいた。だが、それは己の課題でもあり、超えなければならない壁だった。それを見事に超えての4位。永原の顔は充実感に満ちあふれていた。今シーズン、ヘッドコーチが代わり、新生日体大の第一歩が始まったばかり。永原が苦しみながら築き上げた「本音を言い合えるチーム」が、来年以降のチーム作りにおける礎になることを願う。
一方の国士舘大は「まとめるのが難しい」と#4馬が最後に語ったが、それは奇しくも昨年度主将だった吉満(現・九州電力)が嘆いていたことと全く同じことだった。部員数が多く、勉学に励むためのキャンパスはバラバラ。そんな中、チームとして一つにまとまることは容易ではなかったし、まとめることに馬も苦心していた。ハマった時は強いが、そうでない時は波が激しかった。この試合を以って、国士舘大のインサイドを4年間支えてきた馬は引退となる。チームはまだ若い。これからの伸びに期待したい。
写真:102点目を決めた直後にタイムアップのブザーを聞き、涙する#5吉永と笑顔で声を掛ける#10永原。しかし、コートを引き揚げる際には永原もそっと涙していた。
※日本体育大・永原選手、国士舘大・馬選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2010.11.04 (Thu)
【2010リーグ2部】10/31 神奈川大VS関東学院大 第2戦

3Q、神奈川大は幸嶋監督が「ここだぞ!」と声を掛けるなど仕切り直したいところ。3Q5分に関東学院大#1パプがベンチに下がった機がチャンスだったが、関東学院大のターンオーバーを速攻に持ち込むもののシュートを落としてしまうなど惜しいオフェンスが続いて詰めきれない。一方の関東学院大はもう1人のエースである#32前田(3年・F)にボールを集めると、3Pシュートやジャンプシュートなどで応えて“前田タイム”の様相となる。#1パプが戻るまで点差をキープした。
しかし、神奈川大もこのままでは終わらない。10点前後のビハインドが続いていたが、4Q5分に#0佐藤(3年・G)の3Pシュートなどで68-63まで追い上げ、関東学院大にタイムアウトを取らせる。しかしなおも粘り、#11内藤(4年・F)のフリースロー、#9大山(3年・G)の得点でついに2点差まで追い上げる。が、あと1本歩が出ない。その間に関東学院大は#32前田が3Pを、#1パプがゴール下シュートを決めて突き放し、残り3分73-68で今度は神奈川大のタイムアウトとなる。その後も神奈川大は必死にくらいついていくが、残り40秒で#1パプに3Pを決められてしまい、80-70で力尽きた。
関東学院大は2004年には2部に在籍したが、その後3部Bまで降格が続き苦渋を舐めた。しかし、2007年にパプが入学するとトーナメントでいきなり3位入賞を果たし、パプ以外にも原石が揃うことを示す。2008年にはパプを擁しての1部でのプレーを夢見て2部入替戦に臨んだものの、拓殖大に敗北という挫折も味わった。その後、元JBLプレイヤーの堀コーチを招き、全国で活躍したルーキーも獲得した。そして今シーズン、昇格したばかりの2部を5敗で乗り切り、満を持して1部入替戦に挑戦する。“V字昇格”を達成できるかどうか、注目が集まる。
一方の神奈川大は、2部4位と“先輩超え”を果たした。早稲田大・白鴎大・関東学院大に勝利を挙げたことが大きかったが、それだけに逆に取りこぼしとも言えるゲームもあった。しかし、それも含めて、これが今の神奈川大と言えるのだろう。幸嶋監督は「1年で本当に成長した」としみじみと語り、4年生もすがすがしい笑顔を見せた。インカレと1部入替戦への切符を手にできる3位との差は1ランク差という数字以上に大きいが、試合終了後に涙を流していた後輩達には再チャレンジの権利とチャンスが残った。
写真:タイムアップとともに、両手を突き上げた関東学院大#1パプ。万感がこもる。
※神奈川大・八幡選手、内藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2010.11.04 (Thu)
【2010リーグ2部】10/31 立教大VS國學院大 第2戦

余裕の試合展開となった立教大は、ベンチメンバーをコートへ。普段は応援席で、大声でチームを鼓舞していた#10井原(4年・G)も、声援に後押しされてコートに立った。その期待に応え、連続3Pなどでチームを湧かせた。試合は、第1戦に続き立教大が70-110の100点ゲームで國學院大を破り、連勝でリーグ戦を終えた。
立教大は、#4宇野が常にコートを縦横無尽に駆け回り、攻守でチャンスを作って来た。それを#5菊地(4年・F)、#14荒井(3年・F)らが支え、#13熊谷(3年・G)や#17小宮山(2年・G)のガード陣がパスや速攻のチャンスを見逃さなかった。チームとしてまとまりを見せた立教大は、初めての2部で5勝をあげた。だが、「もう少し上にいけたはず」と#5菊地は語った。それは、上位校相手に接戦を繰り広げたことが背景にある。ただ、そこを勝ちきれるかが上位校との差であることも肌で感じたようだった。しかし、誰もが臆すること無く、しっかりと立教大バスケットをやり遂げたことは評価できるはずだ。残りは入れ替え戦で残留を決められるか。最後まで自分たちのバスケットを貫いてほしい。
國學院大は、途中で上級生が離脱するという厳しい状況に陥った。それでも、コートに立つ下級生は勝利への意志を捨てなかった。最後まで自分たちが今出来る精一杯をコートで表現し、戦い抜いた。全敗という苦いリーグ戦になってしまったが、得たものは敗北の数よりも多いはずだ。来年以降に期待したい。
写真:チームハイの28点をあげた國學院大#11上村。1年生6名のみながら精一杯のプレーを見せた。
※立教大・宇野選手、菊池選手、井原選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2010.11.04 (Thu)
【2010リーグ2部】10/31 早稲田大VS白鴎大 第2戦

第1戦で早稲田大が立ち上がりに得たリードを守ったように、この第2戦も早稲田大が先行する。2Qに入っても早稲田大の勢いは衰えず、#14久保田(3年・C)の速攻がバスケットカウントで決まって2桁差になる。さらに#21河上(1年・F・洛南)が白鴎大#30アビブ(2年・C)をブロックするなどディフェンスでも圧倒し、残り2分30秒42-28となったところで白鴎大はたまらずタイムアウトを請求。残り時間を何とか踏ん張り、46-35で折り返す。
3Q、白鴎大の逆襲が始まる。#10田中(4年・SG)が主将の意地を見せ、3Pシュートを次々に沈めて50-49と肉薄。さらに逆転を狙った3Pは落ちるが、リバウンドから#65高橋(3年・SG)がバスケットカウントを奪取、後半開始からわずか4分半で逆転してみせる。早稲田大はここでタイムアウトを挟んで流れを切ることに成功するが、早稲田大もシュートが落ちて両者突き放すことも追い上げることも叶わない。
この状況を打開したのはこちらも主将、早稲田大#52相井(4年・G)だった。3Q残り2分52-57からまずロングシュートを決め、さらに白鴎大のパスミスを速攻につなげてバスケットカウントとぐっと勢いを引き寄せる。白鴎大は必死で守るも、残り3秒での早稲田大#00金井(4年・F)への#30アビブのブロックは惜しくもゴールテンディング。58-57と早稲田大が再逆転して最後の10分に突入する。
最終Qも意地をぶつけ合い、残り5分を切っても一進一退の攻防が続く。しかし64-63で迎えた残り3分半、早稲田大#14久保田のリバウンドシュート時に白鴎大#30アビブが4つ目のファウル、さらにチームファウルも蓄積され苦しくなる。白鴎大はこの後オフェンスでもシュートチャンスを見つけられないのに対し、早稲田大はリバウンドから速攻とたたみかける。#52相井が再びバスケットカウントを獲得、残り3分67-63で白鴎大のタイムアウトとなる。この後も、早稲田大#00金井が3Pを決めれば白鴎大#65高橋が返しと両者譲らないが、残り1分10秒、24秒クロックのブザーと同時に早稲田大#8玉井(1年・G・福岡第一)がフェイダウェイを沈めると白鴎大メンバーは天を仰ぐ。タイムアウトで仕切り直そうとするが、余力は残っていなかった。早稲田大は#7井手を中心にファールゲームをかわし、79-71で勝利を収めた。
早稲田大は3年ぶりの入替戦に進み、白鴎大は来シーズンこそ入替戦進出とインカレ出場を期してシーズンを終えた。
写真:要所でリバウンドシュートや速攻を決めた#14久保田。
※早稲田大・相井選手、井手選手、白鴎大・田中選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2010.11.04 (Thu)
【2010リーグ2部】10/31 大東文化大VS順天堂大 第2戦

後半に入っても、大東大は手を緩めない。#45眞栄田(4年・SG)らベンチメンバーを上手く使いながら、試合を優位に進めて行く。反撃の糸口を見つけたい順天堂大だが、大東大の勢いに押されて後手に回ってしまう。4Q序盤に、オールコートプレスを展開し、流れを持ってこようと試みる順天堂大だが、大東大は冷静に対処。最後まで反撃を許さず、73-112で勝利を飾り2部優勝を決めた。
昨年、2部最下位という結果に終わった大東大が早稲田大を振り切って優勝を決めた。まだ精神的に未熟だったメンバーが、今年度のリーグ戦では大きく成長。一人ひとりが責任感を持ったことで、チームとしてのまとまりは一層強まり、”優勝”という結果になって表れた。目指すは1部復帰だ。あとは、その場で大東大らしさが出せるかが勝負の分け目となる。楽しみにしたい。
順天堂大は、昨年に引き続き入れ替え戦へと駒を進めてしまうこととなった。リーグ戦を通して波があり、勝ちきれない試合が多かった。全員攻め気は持っていたものの、それが上手く噛み合わず、「まとめるのが難しかった」と#4八木(4年・G)は苦しみを吐露した。2部チームのプライドとしても、残留は必至。シーズン最終の試合、どんなゲームを見せてくれるかに注目したい。
写真:前半突き放すきっかけを作った#19藤井をはじめ、大東大には下級生にも多くタレントが揃う。
※大東文化大・小山選手、鎌田選手、順天堂大・八木選手、鈴山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2010.10.30 (Sat)
【2010リーグ2部】10/30レポート
様々な要素が絡む“気持ちが見える”場所
2部リーグは入れ替え戦を残すチーム以外の4~7位にとって、最後の大学の公式戦となる。それだけに、最後の戦いに4年生たちが賭ける思いは強い。スター選手の揃う1部リーグには学生バスケの華だが、大学バスケの本質を見るには、こうした下部の選手たちこそを見るべきだ。4年生たちは学生同士の最後の戦いにおいて、4年間の思いをコート上で確実に表現してくれる。
最終週の初日、関東学院大に挑んだ神奈川大や入れ替え戦回避を賭けた日本体育大ら、見納めとなる選手やチームが、最後の熱い戦いを繰り広げた。
[早稲田大学戸山キャンパス]
【チームで#1パプを抑えた神奈川大が関東学院大に勝利】
1Q、神奈川大は攻守で関東学院大を圧倒した。リバウンドに奮闘し、速攻も出て序盤から良い流れを掴むと、ディフェンスでも#1パプ(4年・C)を徹底して囲み得点を許さない。関東学院大は5点でしばらく得点が止まってしまう。残り5分にようやく#81横瀬(1年・G・延岡学園)が決めて7-15とするが、すぐさま神奈川大#7古橋(1年・F・興誠)にドライブで返され後が続かない。#1パプへのパスを何度もカットされ、差が広がっていく。そのまま1Qは31-10と神奈川大が大きくリードを奪った。
だが2Qは一転して流れが変わる。「点差が開いた後に、気が抜けちゃうのがうちの悪いところ」と#11内藤(4年・F)と言うように、神奈川大はミスが続いた。ファウルを我慢した1Qと違い、2Qは次々に笛が鳴って自分たちのリズムを崩すと、オフェンスでも攻めあぐねる場面が見られる。その間に関東学院大は#1パプを筆頭に#30村田の3P、#31原田(4年・G)のドライブで点を伸ばし、前半終了時点で41-31と差を10点に縮めた。
後半に入り、互角の戦いが続いて点差が10点前後のまま変わらない。残り5分に神奈川大は#42大久保の3Pで差を15点に広げたが、関東学院大も#30村田がこの試合5本目の3Pを沈めて食らいつく。その後も神奈川大#11内藤らに高確率でシュートを決められるも、#7荒木(1年・F・八戸西)の3Pや#1パプのインサイドで対抗し、結局点差は変わらず10点のまま最終Qへ。4Q、神奈川大は気持ちが入ったのか1Qのような好守でパプを抑える。残り7分でシュートが好調だった#11内藤が4ファウルとなるも、その後も勢いは止まらず差を15点に広げた。一方の関東学院大は#28河野(3年・G)、#32前田(3年・F)の得点で8点差まで詰め寄るも、#1パプの得点が伸びずにチームとして勢いがつかめない。結局64-75で神奈川大が逃げ切った。
神奈川大と関東学院大は3部時代から競り合ってきた仲であり、神奈川大はパプに対しての守りを最も知っているチームだ。またリバウンドに高い意識が見られたことも大きな勝因だろう。関東学院大は#30村田の3Pなどで勢いを掴んだ時間帯もあったが、追いつくまでには至らなかった。後半はほぼ点差の変わらない試合となっただけに、1Qでついた21点の差が響いた。
※神奈川大・内藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【気持ちの入った日体大が国士舘大を圧倒】
この時点で8位の日本体育大にとって、勝てば3部との入れ替え戦回避に大きく前進するという大事な試合。日体大は試合開始から高い集中力を見せ、終始試合の主導権を握った。相手の勢いに飲まれた国士舘大は、最後まで反撃のポイントを掴めないままだった。
1Q、先制点は日体大#23横江(3年・G)。日体大の選手たちの中でも、特に鬼気迫るほどの集中力が見られた。その後もバスケットカウントを獲得するなどエースとしてチームを引っ張る活躍で、日体大は1Qで25-10と大きくリードを奪った。続く2Qは序盤は両者互角。しかし残り6分半、国士舘大は自陣のゴール下で#23横江にスティールから得点を許すミスを犯し、タイムアウトを請求。だがタイムアウト明けもアウトサイドが決まらず、得点が止まってしまった。一方の日体大は、#16横山(2年・G)がオフェンスリバウンドで奮闘。#16横山はチームハイの13リバウンドと、身長を感じさせない飛び込みでチームに貢献していく。下級生の頑張りに#24于(4年・F)、#23横江も息の合ったプレーで応え、得点を伸ばす。一方の国士舘大は終盤#12川村(3年・F)が攻め気を見せるも、トラベリング、パスミスが続いてチームとして良いところが出ない。結局前半終わって48-24と、ダブルスコアとなった。
後半は開始すぐに日体大#23横江がバスケットカウントを獲得するが、その次の国士舘大の攻撃で#4馬(4年)がバスカンを仕返し。しかしそこから流れが国士舘に傾くことにはならず、国士舘大は攻撃が単発気味に。そのまま43-74と大きく差のついたまま迎えた4Qも、国士舘大は序盤から日体大に走られ、ゾーンも速いパス回しに翻弄される。#19来栖(2年・G)が高確率でシュートを沈めるが、差を詰められない。日体大は最後に主将#10永原(4年・G)が6分間の出場で7得点2アシスト2スティールの活躍でしっかりと試合を締め、63-96で大きな1勝を上げた。
日体大は全てのQ、国士舘大に得点で上回り、最終的には33点の差をつけて快勝した。リードしている中でも気持ちを切らさなかったのは、絶対に負けられないという強い気持ちがあったからだろう。またリバウンド数でも国士舘大の28に対し日体大は47と圧倒的。国士舘大はオフェンスリバウンドが取れず、セカンドチャンスを作れなかった。
※日本体育大・于選手選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【後半立て直した白鴎大に早稲田大が逃げ切る】
1部との入れ替え戦を決めた早稲田大と、あと1歩のところで逃した白鴎大。今シーズン2部リーグを上位で引っ張ってきた2チームの対戦は、白鴎大の追い上げにより最後までわからない熱戦となった。
前半、先制点こそ#15白濱(1年・F・佐賀北)が奪ったが、そこからミスが続いて得点が伸び悩む白鴎大。対する早稲田大も決められるシュートを落とすなど内容は良くないが、#00金井(4年・F)、#7井出(4年・G)といった4年生がチームを引っ張り徐々に差を広げた。1Qの後半には#7井出・#8玉井(1年・G・福岡第一)がよく走ってチームに勢いをもたらす。一方の白鴎大は#15白濱と#30アビブ(2年・C)の所でしか得点が伸びず、2Qに入っても#65高橋(3年・SG)のシュートがリングに嫌われチームとして波に乗れない。逆に2Q残り4分、それまで得点でチームを引っ張っていた#15白濱のパスミスで早稲田大は勢いづき、不調だった#14久保田(3年・C)も調子を上げ始める。しかし前半残り2分を切って早稲田大のシュートが落ち始めると、#65高橋の裏パスを#30アビブがダンクに繋げ、食らいつく部分も見せた。27-40の13点差で3Qに入ると、前半シュートの入らなかった#65高橋が好調。3Pを連続で沈め、開始3分で35-42と差を7点に縮める。しかし早稲田大も#8玉井がチャージングを奪い、その後すぐにミドルシュートを決めるなど奮闘して再び差を広げた。そのまま45-58と、前半と点差が変わらないまま最終Qを迎えることとなる。
だが4Q、ここから白鴎大の猛追が始まった。#32黒川(3年・G)の3P、#2石川(2年・F)のミドルと続いて出だしから好調の白鴎大は、残り7分半に#5柳川(1年・F・仙台)の3Pで54-60と6点差まで詰め寄る。早稲田大も#8玉井、#21河上(1年・F・洛南)といった1年生が活躍して再び点差を2ケタに戻し、追い上げムードを断ち切ろうとするも、白鴎大は気持ちが切れずに#65高橋、#5柳川が得点し、再び6点差に。そして残り3分半、カットから速攻に行こうとした#32黒川のプレーが#77江口(4年・G)のアンスポールマンライクファウルを誘い、フリースローで4点差。そのすぐ後にまたもや#32黒川が速攻に走ってファウルをもらい、ついに67-69と2点差まで詰め寄った。完全に焦りが見える早稲田大はトラベリング、そしてパスミスが続くが、白鴎大もシュートが入らず追いつけない。67-71の4点差で迎えた残り1分、白鴎大はパスが良く回り#65高橋がノーマークで3Pを打つが、これが惜しくも外れ、そのオフェンスリバウンドを#30アビブに繋げてファウルを獲得するものの、そのフリースローを2本とも外してしまう。そのまま4点差のまま時間が過ぎていき、残り30秒に早稲田大#8玉井にオフェンスリバウンドを取られ、白鴎大は万事休す。ファウルゲームとなるも、67-75で早稲田大が逃げ切って勝利した。
※早稲田大・久保田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
[國學院大學]
國學院大で行われた2試合は、立教大と大東文化大がそれぞれ快勝した。
まず、立教大対國學院大は、高さで勝る立教大が制空権を奪取。リバウンドからチャンスを作り、國學院大を翻弄する。また、インサイドで勝負を仕掛け、簡単にシュートまで持っていく。一方の國學院大は、アウトサイド中心の攻めを余儀なくされる。それでも、#8山本(1年・G・保善)が3Pを沈め、チームに勢いをもたらす。点差がついた試合中盤には、國學院大がディフェンスから次々と速攻を繰り出し、立教大にタイムアウトを取らせるなど、今できる精一杯をコートで表現した。最終スコアは115-59。立教大がベンチメンバーを出しながら、余裕の勝利となった。
大東文化大対順天堂大の試合は、序盤から大東大が激しいディフェンスで順天堂大のミスを誘う。順天堂大の攻撃の要である#10趙(3年・C)に対しても、ボールを持てばすかさずダブルチームに行くなど、チームディフェンスの完成度の高さを見せつけた。インサイドを封じられた順天堂大は、#6杉本(4年・F)の3Pで大東大に追いすがる。10点差がついた2Q中盤、大東大は順天堂大を突き放したいが決定打に欠け、点差を広げられない。しかし、順天堂大もこの追い上げのチャンスを生かしきれず、ズルズルと離されていく。結局、終始リードを奪った大東大が100点ゲームで順天堂大を封じ、14勝目。2部優勝に一歩近づいた。
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2010.10.24 (Sun)
【2010リーグ3部】10/24レポート
2次リーグ躍進の江戸川大とともに入替戦へ

12チームで1戦総当りを行い、いったん仕切りなおして上位リーグ・下位リーグという新しい形で行ったが、これは“1度負けた相手に、もう1度準備をして挑戦できる”と下位のチームのモチベーションになったようだ。上位リーグでは江戸川大が接戦を勝ち抜き、3枚目の2部入替戦切符をゲット。さらに東京成徳大が駒澤大に土をつけて入替戦へ弾みをつけた。しかし駒澤大も優勝は譲らず、3部覇者として入替戦に臨む。
一方、下位リーグでも1次リーグの勝敗と同じ結果にはならなかった。東京学芸大は1次リーグに続き東京農業大と延長戦にもつれ込んだが、2次リーグでは勝利を収めることに成功。また、上位リーグ進出にあと1歩だった国際武道大は意気消沈したか途中2連敗を喫した。しかし下位リーグトップをかけた東京大との最終戦は勝利し、来シーズンにつなげた。
上位・下位リーグ方式を取り入れたことで、力の近いチーム同士のカードを組むことができ、特に最終週はどの試合も競った好ゲームになったと言える。

写真:笑顔で言葉を交わす駒澤大#9西山と東京成徳大#77田中。
写真:閉会式では、リーグ運営になくてはならないスタッフたちに感謝の拍手を送った。
※駒澤大-東京成徳大のレポート、駒澤大・渡辺選手、東京成徳大・本多選手のインタビュー、個人賞は「続きを読む」へ。
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2010.10.17 (Sun)
【2010リーグ2部】10/16・17レポート
残り4戦ながらまだまだ先のわからない2部
白鴎大が国士舘大に1敗を喫したことで、優勝、1部入替戦、そしてインカレ切符争いはますます混沌としてきた。残り4戦となったが、全て戦い終えた結果どのチームが笑ってどのチームが泣くのかまだまだわからない。各チーム星1つずつしか違わず、1つの勝敗が命運に大きく響く状態だ。
その中で1歩リードする首位の早稲田大は、次週で2勝すると入替戦とインカレ(3位以上)が決まる。白鴎大に1勝した国士舘大とどのようなゲームを繰り広げるのか注目だ。さらに関東学院大が単独3位に浮上し、1部へのジャンプアップを虎視眈々と狙う。
一方、下位では國學院大の3部入替戦が確定。さらに次週で1勝をあげなければ12位が確定となる。順天堂大は2連勝して大きく前進したが、現在順位の近いチームと星が並んだ場合を考えると、得失点差で日体大には下回り、立教大とは同点のため気が抜けない。
■PICK UP
【3年目の“完成”へ向け大東文化大が1歩前進】

前半は大東文化大がディフェンスに気を配ってロースコアゲームをリードした。しかし、38-31で迎えた3Q立ち上がりは一転、神奈川大の流れに。合わせのゴール下、#9大山(3年・G)の3Pシュートでで40-38と迫ると、そこからは互いに主導権を奪い合う展開になった。#8五十嵐(3年・F)が大東大#43鎌田(2年・C)の外からジャンプシュートを決めれば、大東大は#15遠藤(3年・G)、#11田中(3年・G)が3Pを返し譲らない。さらに精神的支柱である#12小山(4年・C)がバスケットカウントを決めるものの、神奈川大も#9大山がスティールから得点とくらいつく。守っても、どちらも起点となる両ガード、大東大#11田中&神奈川大#0佐藤(3年・G)を運びから自由にさせない。それぞれ大東大#15遠藤、神奈川大#9大山がボール運びをサポートしていたが、先にリズムが崩れたのは神奈川大だった。#9大山からボールがさばけず、幸嶋監督が「ドライブだ!」と声を掛けるものの足が止まる。インサイドで攻めようにも大東大#43鎌田にことごとく押し出されてしまう。一方の大東大はその#43鎌田を中心にリバウンドをしっかりキープし、5点差に戻す。それでも3Q最後のオフェンスでは神奈川大#9大山がドライブを決め打開しようとするが、残り数秒のディフェンス時に口内を負傷、流血して交代を余儀なくされてしまう。
この機に大東大が畳み掛けるかと思われたが、大東大も#12小山が4Q早々に4ファールに。嫌な雰囲気になりかけるが、4年生の#5兵後(4年・F)がしっかりつないだ。一方、神奈川大の交代は1年生の#7古橋(1年・F・興誠)で、やや荷が重かったか。攻めどころがなくなってしまった間に、大東大は3Pに合わせのゴール下にと加点し、残り7分62-51と2桁差をつけて神奈川大をタイムアウトに追い込んだ。

第2戦には神奈川大#9大山が復帰したが、70-59とやはり大東大の堅守を崩せなかった。
神奈川大はアウトサイドのメンバーがほぼ入れ替わったとはいえ、大東大にとっては借りを返せた結果になったかと思われた。しかし#11田中は言う。「いや、優勝して、1部にちゃんと昇格するまでは…」と。2007年にトーナメント初優勝・2部リーグ優勝・インカレ3位と歴史を作ったメンバーたちが卒業してから3年、様々な経験を重ね、このメンバーでの“完成”が間近になっていることを感じさせられる。その道のりは全て1部昇格のため、という思いの差が点差以上に両チームの明暗を分けた2戦となった。
写真上:ディフェンスやリバウンドだけでなく、器用な合わせで貢献する大東大#43鎌田。チームメイトも皆、鎌田の努力を認め信頼している。
写真下:神奈川大#9大山はドライブに磨きが掛かる。第1戦は不運な途中退場となった。
※大東文化大・西尾コーチのコメント、田中選手のインタビューは「続きを読む」へ。
白鴎大対国士舘大は、1戦目と2戦目とで正反対のゲーム内容となった。1戦目は白鴎大がリバウンド数で上回り、シュート数でも圧倒。ガードとしてスタメンに名を連ねた#44小山(3年・G)と、#65高橋(3年・SG)とで16アシストと国士舘大ディフェンスを翻弄し、92-78で先勝した。
しかし2戦目は国士舘大がターンオーバーを5に減らし、流れを常に手中にした。#4馬(4年・C)に頼り切らず、他のメンバーが3Pなどで数点ずつ積み上げた結果が110-67という最終スコアに結びついた。ケガが続いていた#15西片(3年・F)が6分の出場で8点挙げたのももりあがりに一役買ったと言える。一方の白鴎大は#30アビブ(2年・C)の点数が抑えられたのをチームでカバーしきれず、痛い5敗目となった。
早稲田大対日本体育大は、2試合とも早稲田大がフリースローなど確実な点数を重ねて85-55、100-76と圧倒した。日体大は2戦目こそ、初戦で30あったターンオーバーを減らして攻撃の機会を増やしたが、ディフェンスの修正までは及ばなかった。
関東学院大は立教大に延長に持ち込まれたが、何とか81-72で振り切った。立教大は関東学院大と3部でも対戦してきたため、#1パプとの戦い方を他のチームよりも知っている。同様に2戦目も追い縋ったが、ファウルがかさんで力尽きた。85-77で逃げ切った関東学院大は単独3位となった。
順天堂大対國學院大は、先週に引き続き1年生のみの國學院大は苦戦を強いられた。順天堂大はやや粗い部分もあったものの、#10趙 明(3年・C)が2試合とも途中交代ながら30点超と大暴れして勢いをつかみ、113-79、101-58で2連勝。大きな6勝目をあげた。
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2010.10.10 (Sun)
【2010リーグ2部】10/10レポート
ここからがリーグ戦最大の見所に
リーグ戦の面白いところはどこに勝ち、どこに負けるかで順位が大きく変わることにある。しかも長いリーグは実力にかかわらず取りこぼしやアップセットなどさまざまなことが起こりがちだ。2部は序盤の混沌とした状況から少し勝敗がはっきり見えてきた。早稲田大の2敗目と大東大の2位浮上は、今後最終的な順位を大きく変える可能性もある。関東学院大の浮上も同様だ。ここから2部も見逃せない戦いが続く。
【4Q序盤に大東大が突き放し単独2位浮上へ】

主将の#12小山(4年・F)が「ハーフタイムでは、3Qの入り方を大事にしてすぐ逆転しようと話した」と言うように、大東大は3Q出だしから気持ちが入っていた。開始3分で逆転すると勢いに乗る。だが立教大も食らいついて点差を離れさせず、3Q最後に#17小宮山(2年・G)が速攻を決め、52-58の6点差とした。だが続く4Qは、終始大東大のペースとなった。#5兵後(4年・F)、#15遠藤の連続3Pで序盤から点差を2ケタにし、その後も#11田中の3本の3Pなどで追い打ちをかけた。立教大は#4宇野(4年・C)や#5菊池(4年・F)といった4年生が奮闘するものの、大東大の勢いを止められず。大東大にこのQだけで37点取られ、72-95で大東大が勝利した。大東大は2Q流れが悪くなるものの、後半65得点と、3Qからの切り替えが光った。立教大は何度も食らいついたが、3Q、4Qともに大東大が出だしからリズムを掴んだことが勝敗の分かれ目となったといえる。
写真:フリースローを打つ大東大・遠藤。3年生が多い大東大は今年は勝負のリーグだ。
※大東文化大・小山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【順天堂大が接戦を制し第1戦の借りを返す】

4Q、今度は逆に順天堂大の得点が止まり、その間に日体大が追い上げる。順天堂大も#14飯田(2年・F)が連続得点と踏ん張り点差を10点に戻すが、日体大はタイムアウト後に#5吉永(4年・F)のバスカン獲得で流れを引き戻し、残り3分にはついに77-77の同点とする。だが順天堂大も簡単には逆転を許さず、一進一退のまま残り1分81-81に。ここで勝負を決めたのが、今日絶好調の順天堂大#14飯田。残り30秒に大事な3Pを沈め、日体大#00中西(4年・C)がリバウンドから得点するも1点及ばず。ファウルゲームとなり、結局87-83で順天堂大が接戦をものにした。
日体大の怒涛の追い上げにより最後の最後までわからない勝負となったが、順天堂大も踏ん張って簡単には逆転させず、逃げ切ることが出来た。順天堂大にとっては7連敗から脱する嬉しい勝利だが、勝敗の並んだ日体大とは得失点差で下回ったのが痛い。残りの試合は1つでも多く勝つことが求められる。
写真:2部では毎年苦労している順天堂大。ここから上向きの勢いが出るか。
※順天堂大・飯田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【序盤から勢いに乗った神奈川大が早稲田大に逃げ切る!】

続く後半、早稲田大は選手5人をフルチェンジする2プラトンを採用。オールコートで当たってミスを誘い、追い上げを図る。しかし激しいプレッシャーが逆にファウルに繋がり、両チーム我慢の時間帯となった。3Q終盤、早稲田大がスタートのメンバーに戻すと、#00金井(4年・F)が活躍。差を17点に縮めて4Qに入ると、引き続き流れは早稲田大に。素早い攻めから次々に加点していき、残り3分には#21河上(1年・F)の得点で9点差とついに差は1ケタに。神奈川大は前半とうって変わってシュートが入らず、残り30秒には4点差まで詰められる。しかし勢いに乗る早稲田大もそれ以上の追い上げには時間が足りなかった。3点差でフリースローを得ると、2投目を外してリバウンドに懸けた早稲田大だが、#21河上が放ったボールはリングに当たらずにバイオレーション。結局74-78で神奈川大が逃げ切った。
早稲田大の後半の追い上げはさすがだが、前半リズムを掴めなかったことが敗因となった。神奈川大は白鴎大に引き続き早稲田大にも2敗目をつけ、勢いに乗ってリーグ終盤へと向かう。
写真:ガッツポーズの#7古橋や#11内藤らも笑顔の神奈川大。
※神奈川大・大山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【4Qの健闘光るも関東学院大が白鴎大を圧倒】

白鴎大は、1戦目と同様に関東学院大#1パプに対するディフェンスに手を焼いた。だが昨日はファウルトラブルで満足にプレーできなかった#30アビブ(2年・C)も、今回は積極的に攻めて何度もやり返す場面が見られ、ゴール下は白熱した争いになる。特に3Q終盤から4Qの時間帯は、互いにやられたらやり返す互角の戦いを見せ、観客を沸かせた。関東学院大#1パプは#30アビブとの対戦について「すごいと思ったけど、やっぱり私を1対1で止められるセンターは2部にはいないと思う」とコメント。リーグ序盤は「ダブルチームに来ないので予想外」と相手チームの戦い方に戸惑いを持っていた様子だが、思い切り張り合えるセンター相手での2連勝でますます自信をつけた様子だ。一方の#30アビブは「やっぱり強い。けど昨日ダメだったことを意識して少し直せたのは良かったです。またいつか当たるかもしれないから、その時は負けない」と、リベンジを誓う。
勢いに乗る関東学院大は2連勝により3位へ。白鴎大は4位となり順位が大きく入れ替わった。2部も混戦となってきたが、まだ6試合を残し順位は予測できない。入れ替え戦を賭けてどのチームも負けられない戦いが続く。
写真:パプ対アビブは迫力のある戦いだった。
その他のもう1試合、国士舘大と國學院大の対戦は、チーム事情により1年生のみで試合に臨んだ國學院大を国士舘大が圧倒。1Qを22-2とすると、その後も危なげない展開で勝利した。国士舘大はこの先上位チームとの対戦が続く。勢いに乗って国士舘旋風を巻き起こせるか。
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