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2017.12.10 (Sun)
【2017インカレ】11/26 4位 白鴎大インタビュー
求められたエースとしての存在感を追求した4年目
◆#0野﨑零也(白鴎大・4年・SG)

試合の入りが課題と語った準決勝から一夜明け、最終戦は1Qで3Pを6本沈め、観客の度肝を抜いた。シュート力で非凡なものを見せ、特に勝負際のクラッチシューターとしての存在感が大きかった野﨑だが、高校時代は4番ポジションというのだから、彼のこの4年間の成長ぶりが伺える。春から自分が見せなければという意識は強く、トーナメントはチームを準優勝に導くには欠かせない活躍を見せ、秋は夏の怪我が尾を引く状態でもまったくそれを感じさせずにシュートを決めてみせた。落合コーチから求められたエースとしての責任を、しっかり果たす姿がそこにはあった。
—試合が終わった瞬間、どんな思いでしたか。
「4年間あっという間だったなという印象が強かったのと、最後は勝って終わりたかったんですが、ベスト4ということは簡単なことではないですし、後輩たちをここまで連れてこられたので良い経験だったかなと思います」
—去年が3位ということで、少なくともその順位だけはという思いもあったことと思います。
「そうですね。できれば決勝に行きたかったんですけど、昨日負けてしまって。去年と同じ順位(3位)を取りに行きたかったんですけど、そこは悔しいです」
—まだ今ひとつ心の整理がついていないような状態でしょうか。
「そう思う部分もありますが、僕としては、神里(#21)、奥野(#18)、須田(#33)という4年生3人とバスケができたというのは、すごく光栄で楽しかったです。それに最後に高校の同期の拓大の富山(#33)とマッチアップができたのも、すごく楽しくて(笑)。まだちょっと悔いが残っているんですけど、楽しい時間でしたね」
—その言葉通り、今日は笑顔がある中でのプレーでしたね。
「もう悔いが残るようなことはしたくないですし、最初から最後まで楽しむということを、僕自身思っていました。後半が始まる前には拓大のドゥドゥ(#23)も『楽しもう』と言っていたので、そこは楽しめたと思います」

「あれがずっと持続できれば良いんですけどね(苦笑)。前半では良い勝負ができていたんですけど、後半で足が止まってしまって、完全に持って行かれてしまったことは反省点です」
—そこは後輩たちの課題ですね。
「そうですね。ただ、今年は今年なりの改善点がありますし、来年は来年でまず僕たちが抜けていくので、新しい課題が見えてくると思いますし、そういったことはまた一から作り直していって欲しいです」
—インカレでは4年間で着実に戦績を上げてきました。チームとしても個人としても成長を実感できると思います。
「1、2年生の時のインカレは1回戦や2回戦での敗退で、その時も目標がまだベスト8でオールジャパン出場だったんですけど、去年は3位にも届きました。そこから優勝したいという気持ちがみんな芽生えて、チーム一丸となってやってこられたことは、チームとしてのすごい成長だと思います。個人としては、この大学でバスケットが今までよりずっと学べたと思いますし、人間性の部分でも強くなったと思います。白鴎に来て、良かったなと。それだけです」
—高校時代はインサイドのプレーが中心だったと思います。この4年間でポジションが上がり、別人のようなプレイヤーという印象です。
「確かに高校時代は4番で、相手のセンターとマッチアップすることも多かったです。それで大学に来て、オフェンスの面では苦労することは多くなかったんですけど、ディフェンスが4番ポジションとしてのディフェンスがそれまでは多かったので、最初は相手のフォワードにつくのはきつかったです。でも4年間やってきたことで、ディフェンスも慣れましたし、オフェンスの面でもエースと言われて頑張ってこられたと思います」
—このチームで学べたことは大きかったですか。
「嘉郎さん(HC)はすごく良いバスケットをされていて、僕自身かなり身になった部分が多いです。そこで学んでいけたことは僕自身にとってすごく良いことでしたし、もっと色んなバスケットを知りたいと思うようになりました」

「『プレーで見せて欲しい』ということと、『背中で見せて欲しい』ということを言われてきました。最後は勝たせてあげられなくて、それができたかと言われれば、できていなかったのかなとは思いますけど(苦笑)、後輩たちにそれが少しでも響いてくれたら良かったのかなと思います」
—最後にこの4年間を振り返って。
「後輩や先生にももちろん感謝ですけど、一番は4年生の同期ですね。同期がいなかったら僕も潰れていたと思います(笑)。最後のインカレまでバスケができて良かったです。これからそれぞれのステージに進むんですけど、そこでも切磋琢磨して、頑張っていきたいです」
写真下:野﨑が同期として触れた中で、「本当に支えてもらった」と言う主将の須田。コートに立つ時間こそ多くはなかったが、白鴎大の精神的支柱として仲間の信頼は厚かった。3位決定戦では終盤に出場し、シュートを放った。
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2017.12.09 (Sat)
【2017インカレ】11/26 5位・7位決定戦レポート
神奈川大は持ち味を十分発揮し過去最高の7位
2017年度のインカレの5位〜8位の順位決定戦最終日は、日本体育大学世田谷キャンパスにて行われた。会場の都合で青山学院青山キャンパスでの3位決定戦、決勝とかぶり観客には観戦しづらい形になってしまったが、どのチームも優勝はない中、4年生の最後の試合ということもあり気持ちの入った内容となった。
【7位決定戦】
神奈川大がリードを守って中京大を下す


第3Q、神奈川大#34工藤はオフェンス面でも活躍を見せる。中京大は神奈川大のディフェンスを突破できず、苦しい展開に。それでも#51粂(2年・SG)と#44伊藤が3Pで応戦し56-45で終える。第4Qの先制点は神奈川大#1阿達(4年・主将・PG)の鋭いドライブイン。追いつきたい中京大はディフェンスリバウンドから走った#51粂がブレイクに成功すると、再び#51粂の3Pで7点差まで迫る。しかし残り時間はわずかとなり、ファウルゲームに持ち込むと、主将の#44伊藤がファウルアウト。ベンチでは悔しそうな姿が見られた。神奈川大は残り1分半に4年生を出場させタイムアップ。77-63で神奈川大が7位を獲得した。

8位となった中京大は健闘したがベスト8以降は勝利には結びつかなかった。サイズがない中、ディフェンスで粘る姿勢は見事で、主将の伊藤以外にも粂や速井といった下級生も光るプレーを見せた。関東のチームを破ってベスト8のシードを守ったことは大きく、来季再びこの舞台に戻ってくることを期待したい。
写真上:中京大・粂は中京大の次世代を引っ張る選手として注目。
写真下:インカレでは田村の得点が光ったが、誰かが突出しているというより、チームとしての印象が強かった神奈川大。
【5位決定戦】
接戦となった戦いは東海大が最後の勝負際を制す

5位決定戦は関東4位の青山学院大VS関東9位の東海大。関東の雄として何度も激突してきた両者は、今年度は最後にここでまみえることになった。

第3Qは両チーム4年生の活躍が目立つ。青学大は#6木田が3Pでチームを牽引する。東海大は#91山本のシュートが好調で、21点の活躍を見せる。シーソーゲームが続くが、#19西田(1年・PG・福大大濠)のシュートで東海大が53-57とし一歩リードで終えと、第4Q開始序盤には#23佐藤(4年・SF)のバスケットカウントで、勢いをつける。青学大は#13前田のシュートなどで対抗するが、試合終了間際に#22笹倉(2年・PG)がジャンパーで勝負を決めると、両チーム4年生をコートに出し幕。78-70で東海大が5位、青学大は6位と順位が決定した。

青山学院大も決して順風満帆で関東4位をつかんだ訳ではなかった。その中でも4年目にスコアラーとして輝いた主将の木田の活躍はチームにとっても大きい。そこに前田が続き、インカレでは強い印象を放った。赤穂を始め、こちらもやはり下級生に期待の選手が多いチーム。ここからまた新たに成長を遂げて欲しい。
写真上:青学大の4年生として#8時田も欠かせない存在。1Qではブザーの3Pを沈めた。
写真下:東海大は山本が21得点。豪快なダンクも飛び出し、チームを盛り上げた。
※神奈川大・山本選手、河野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.12.09 (Sat)
【2017インカレ】11/26 3位 拓殖大インタビュー
努力を怠らず、チームを陰ながら支える役割を追求
◆#16飯田遼(拓殖大・4年・主将・SG)

4年目にして多くの印象的なプレーと言葉を残してくれた。シュートの美しさは折り紙付きだが、過去3年間で起用された場面は少ない。自分ができる努力をし続けた4年間、今年は自ら主将の役割を勝って出た。岡田やドゥドゥといったスタープレイヤーを輝かせるために、チームをまとめて支えることが自分の役割だと判断したからだ。だが、それだけではなく試合でも自らの力を示し、リーグ戦では何度も得意の3Pでチームに貢献した。努力を結果に変えた4年目だった。
今年の拓殖大は粘り強かった。それは飯田や阿部ら4年生が昨年の悔いを晴らすために努力し、チーム作りが実った証でもあるだろう。それがチームの伝統として続いていくかどうか、それは次世代に問われることになる。
ー3位で大会を終えました。今どんな気持ちですか?
「優勝はできたと思います。でも去年苦しい思いをして一からチームを作ってきて、結果的にはインカレは3位ですが、チーム一丸で掴み取ったリーグ1位という成績もあります。いろんな4年生が結果を残して後輩にいい思いをさせてあげたいと言っていますが、うちは1、2、3、4年が試合に出る全員のチーム。みんなでやれました。1年も活躍するし、2年もそう。本当に全員でやってこられたなと思います」
ー準決勝の最後は4年生のミスがあって追いつくことが叶いませんでした。
「あれがこのチームの良くない部分で、それが最後に出てしまいました。パスミスをした阿部(#13)も反省していると思いますし、最後にシュートを打った僕も反省しました。印象に残るものです、最後のミスは。試合を通して見れば試合の中にいろんなミスがあって、最後の3点差をひっくり返すことができませんでした。でもその最後のミスが1年や2年だったら来年にも響くと思いますし、僕らで良かったとも思います。2年前も筑波に負けていて、あのときは僕はベンチにいて負けて悔しかったし、3位になってすごく嬉しかった。でもそれは2年生だから簡単に感じたものでもあります。4年生になってみないとわからない部分はすごくあるなと思った出来事でした」

「そうですね。今年はオールジャパンもないし、これで本当に最後です。池内さんが阿部と僕と4年にやりやすい環境を作ってくれました。今年は僕たちがやりたいようにやらせてくれて、タイムアウトのときにもまず僕らがしゃべらせてくれました。これは去年まではあまりなかった形です。僕ら自身でなんとかする力を身につけて欲しくて、タイムアウトもなかなか取らなかったりします。そうやって任せてもらえた部分は池内さんの期待に応えられたかなと。結局プレーするのは選手なので。練習も僕と阿部諒、山﨑(#11)、村上(#28)でやりましたし、やりたいようにやらせてくれたからこその結果です」
ー確かにタイムアウトのときは池内監督は最初輪の外にいて、みんなに話させてから指示に入りますね。昨年はインカレの初戦負けとなってしまいました。そこから新しくチームを作るときに何が大事だと思っていたのでしょう?
「岡田とドゥドゥが入ってくる前ですが、エース級の選手がいないというのが一番大きと考えていました。だから新チームになったらひたすらやるしかないなと。でもバスケットはチームでやるものだと思ってやっていたし、目立つ選手がいても、チームであることの大切さについてはリーグに入って意識がより強くなったと思います。今年は見ていてわかるかどうかですが、よくしゃべっています。それは目指してきた一つの形です。結果的に日本一にはなれませんでしたが、ああいう新しい面が拓大に残ってくれればやってきて良かったと思います。来年にそれがつながれば意味があります」
ー岡本選手(現Bリーグ島根)が主将の2015年もリーグ準優勝で強いチームでした。彼はリーダーシップがありましたが、飯田選手は主将としてどのようなことを心がけていましたか?
「試合に出る出ないは関係なく、僕が自分でキャプテンをやりたいと言ったので、言う部分はちゃんと言いました。努力することは誰でもできるので誰よりもやりました。難しい部分はいろいろありましたが、それはコミュニケーションを取れば良くなる部分があります。それは自分がしゃべらないとダメだなと思い始めてわかったことでもありますが」
ー自分でキャプテンになりたいと言ったんですか?
「そうです。最初は阿部の予定でしたが、山﨑も自分の方がいいと言ってくれました。阿部はゲームキャプテンとしてプレーで引っ張れるので、チームのことは自分がやろうと思って、それがうまくいったんじゃないかなと思います。阿部も厳しいことはしっかり言いますし」

「どのチームもそうだと思いますが、輝ける選手というのはいて、それはすごく一握り。うちなら岡田(#2)とドゥドゥ(#23)です。他のチームでも筑波なら増田(#11)や杉浦(#17)だと思います。でも自分が試合に出るにはそういう部分じゃないなと思いました。影になれないとダメというか、自分を殺してでもそのチームに何が必要かと考えてやっていて、それが4年目に機会が巡って、池内さんも出してくれました。声を出すとかそういうことも自分や阿部がやらなければ今年はゼロだったと思います。点を取れる選手はほかにいくらでもいるけれど、そういうすごい選手というのはほんの一部。そこは目指すところじゃないし、そうじゃないことで支えることを考えていました」
ーでも春シーズンにはワンポイント起用でシュートを決めるシーンが目立ちましたし、リーグ戦では勝負を決めたり流れを持ってくるシュートをいくつも決められたのは、確実に飯田選手個人としてもがついたんだなという気もしました。
「そこは池内さんが信頼して出してくれたからこそですね。リーグ第1週の東海大戦の2本の3P、あれは2本目のときに池内さんに『ブロックされてもいいからお前が打て』と言われたんですが、それが本当に嬉しくて、それぐらい信頼度をくれているんだなと。だから決められて良かったです。シュートは水物なので入る入らないがあってインカレはぜんぜん入りませんでしたが、コツコツ努力してきて良かったなと。僕は最初はBチームのスタートですが、ここまで来られました」
ー最初は試合に出られると思っていましたか?
「思ってないですね。高校時代に教わった養田先生(2010年度東海大卒・佐久長聖高コーチ)からも『最初から出られる訳がないから体作りなど、地道に努力を』と言われていましたし。拓殖大に入ってくるメンバーを見て自分がエースになれるとは思いませんでしたが、飛竜さん(岡本)が努力しているのを見て学びましたし、飛竜さんが4年になって活躍したことで、努力の大切さを実感できました。いろんな面で入ってみていい大学だったなと思います」
ー来年はまだまだ若いチームですね。
「そこは3年の歩(#14山梨)が頑張ると思います。1年間あれば誰でも何でもできます」
ー岡田選手とドゥドゥ選手には何を期待しますか?
「彼らもいろいろ思うことはあると思います。でもバスケットに対しては本当に真剣なので、あのまま頑張ってくれればと思います。ただ、自分だけのチームではないということは理解していて欲しいですね。よくコミュニケーションを取ることを意識して欲しいです。でもまだ1年目、これからです。次第に理解できればいいと思います」
ー自分たちの姿勢は見せられたと思いますか?
「そこはもちろん。結果には結びつかなかったかもしれないですが、今年やってきたことはわかっていると思うので」
ー飯田選手にとっては今年はどんな1年だったでしょう。
「本当に楽しかったです。苦しかったけれど本当に仲間に助けられました。チームスポーツだから仲間がいるということを大事にしたいし、それを後輩たちも考えながら来年もやっていって欲しいですね」
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2017.12.03 (Sun)
【2017インカレ】11/26 決勝 筑波大VS大東文化大
筑波大は大記録となる4連覇の実現は叶わず

第69回目のインカレ決勝は4連覇に挑む筑波大と、2003年以来にこの舞台へと進んだ大東文化大が激突。大東文化大が優勝すれば初優勝、筑波大が勝利すれば1996年から1999年まで史上初の4連覇を達成した日本体育大に次ぐ偉業となる。インカレ1週間前に「決勝でなければ当たらないから」と練習試合を敢行し、互いの戦法もわかった同士での戦いは、知られているはずの手の内が機能したところが勝負の分かれ目になった。
互いにベンチメンバーも活躍
一時筑波大がリードするが前半は互角

2Q、大東大は#0葛原、#91ビリシベをベンチに置くが、ベンチメンバーの働きが目立った。#81後藤(2年・SG)、#56山岸(4年・PF)らのオフェンスリバウンドが続き、ディフェンスはゾーンプレスに切り替える。筑波大は#27山口(1年・SF・正智深谷)がタップを押し込み、#8菅原(1年・PG・土浦日大)の3Pと、こちらもベンチから出場したルーキーが貢献し、逆転。大東大は#15モッチをコートに戻して対応し、ルーズボール争いで粘って#34中村(2年・PG)のシュートにつなげ、#12熊谷(3年・PG)のジャンパーが沈むと5点のビハインドも帳消しの同点に。終盤、#15モッチのアシストから#56山岸へのゴール下、#15モッチの連続シュートが決まる。残り13.4秒でタイムアウトを取った大東大は、ここでコートに送り込んだ#90小川(3年・SG)のジャンパーが決まり、前半は38-42とリードして終了。
4Q、大東文化大のゾーンディフェンスが機能
筑波大はターンオーバー、ファウルが続く
3Q、互いにメンバーをスタメンに戻し、互いにゾーンディフェンスを使いながらの対応に。ここを筑波大は#4青木(4年・PG)のスティールからの速攻などで隙を突くが、大東大はオフェンスリバウンド、#23奥住の2本目の3P、2つ目のスティールが出て10点のリードに成功。筑波大はゴール下に攻め込めず#65玉木のファウルが3つ目、#11増田もオフェンスファウルを取られてしまい、我慢の時間帯に。しかし残り2分から、#17杉浦(4年・PF)の3P、#11増田のシュート、#27山口の3Pと、最大12点あった差をみるみる縮め、最後は#17杉浦の3Pがブザーとともに沈み、57-60と3点差に追い上げて終了。

夏以降は大東文化大が対戦成績では圧倒
筑波大はコンディショニングに苦心した1年

また、直前の練習試合でも使ったゾーンを「出すかどうか迷った」という西尾HC。だが、それを使う決断が流れを引き寄せた。4Qは3-2は機動力の高い毕を真ん中に据え、モッチは2-3で稼働。ここで筑波大を停滞させることに成功。このゾーン、練習試合では「控えメンバーもいろいろ使いながら」(西尾HC)の試用であり、このインカレでこそ真価を発揮したといえる。大東大は今年は春こそ筑波大に敗れた。しかし筑波大のメンバーが完全に揃っていなかったとはいえ、夏の「埼玉BBドリームカップ」のエキシビションマッチ、秋のリーグ戦、そして最後のインカレにも筑波大に勝利してこの1年を締めくくった。1部リーグでは序盤こそ不安定だったが、西尾HCは「選手たちは自信を持っているんですよ」と、根拠を提示する以前に前向きな選手たちの個性を買っていた。決勝のプレッシャー以前に、賑やかでノリのいい、大東文化大らしいカラーこそが大きな勝因になったであろうことが感じられる。

写真上:ユーティリティプレイヤーである増田はファウルをもらうのが上手く、バスケットカウントでチームを乗せた。
写真中上:モッチは30点16リバウンド。フックシュートの精度もこの2年で向上している。
写真中下:HCによれば「彼は走らせた方がいい」という評価だったが、後半の葛原の速攻はチームにとっても胸のすくような瞬間だと言えるだろう。
写真下:15得点の筑波大のエース杉浦。チームの誰よりも練習しているというその努力こそが、クラッチシュートを次々に沈める高いシュート力を支えている。
※決勝の記者会見は「続きを読む」へ。インタビューは別途掲載します。
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2017.12.01 (Fri)
【2017インカレ】11/26 3位決定戦 拓殖大VS白鴎大
前半で追いついた拓殖大の追い込みが決まり3位に

前日は、ともに最終盤まで希望を繋ぎながらも敗れた拓殖大と白鴎大。悔しさが心のどこかで揺れ動きながらの対戦は、まるで互いにそれを払拭するかのように、序盤からハイペースで推移していった。


ドゥドゥの3Pがゲームの流れを最初に作った。7/17、4割を越える確率は立派な数字だ。池内監督はドゥドゥの3Pからオフェンスが始まることを必ずしも推奨はしていないが、これだけ当たれば拓殖大のペースと言える。今季31年ぶりにリーグ戦優勝の栄冠を勝ち取った、彼ららしいハイスコアリングな勝ちパターンのゲームだった。これだけ外から決められれば、白鴎大のインサイドにそびえるシェッハも対応に限りがある。岡田が内外で攻め、阿部も準決勝に比すればよく動いて22得点。飯田、多田というシューターたちも与えられた場面で3Pをきちんと沈め、荒川も足を使った展開で持ち味を発揮した。


写真上:連続の3Pで1Qに度肝を抜いた白鴎大・野﨑。決まる度に会場からはどよめきが上がった。
写真中上:拓殖大・阿部はアグレッシブな動きで彼らしいプレーを次々に見せた。
写真中下:ルーキーながら素晴らしい活躍だったドゥドゥ。岡田と2人で攻撃を牽引した今季、1年生が見せたパフォーマンスは見事だった。
写真下:佐賀東高時代はエースとして活躍した富山と野﨑。最後に叶った対戦では笑顔も見えた。
※3位決定戦の記者会見は「続きを読む」へ。
※インタビューは別途掲載します。
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2017.11.26 (Sun)
【2017インカレ】最終結果・表彰
準優勝 筑波大学
3位 拓殖大学
4位 白鴎大学
5位 東海大学
6位 青山学院大学
7位 神奈川大学
8位 中京大学

優勝 大東文化大学

準優勝 筑波大学

3位 拓殖大学

4位 白鴎大学
【個人賞】
■最優秀個人賞(MVP)葛原大智(大東文化大・4年)

■敢闘賞 杉浦佑成(筑波大・4年)

■優秀選手賞 モッチ ラミン(大東文化大・2年)

■優秀選手賞 熊谷 航(大東文化大・3年)

■優秀選手賞 増田啓介(筑波大・2年)

■優秀選手賞 阿部 諒(拓殖大・4年)

■優秀選手賞 野﨑零也(白鴎大・4年)


■得点王 ゲイ ドゥドゥ(拓殖大・1年)146点
■3ポイント王 ゲイ ドゥドゥ(拓殖大・1年)21本
■リバウンド王 ゲイ ドゥドゥ(拓殖大・1年)OF14/ DF67/ TO81

■アシスト王 牧 隼利(筑波大・2年)17本


■MIP賞 齋藤拓実(明治大・4年)


大東文化大学4年生

拓殖大学4年生
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2017.11.26 (Sun)
【2017インカレ】11/26結果(最終日)
神奈川大学77(19-15,24-13,13-17,21-18)63中京大学(7位決定戦)
青山学院大学70(20-17,16-16,17-24,17-21)78東海大学(5位決定戦)
■青山学院大学青山キャンパス
拓殖大学98(24-29,23-14,26-19,25-19)81白鴎大学(3位決定戦)
筑波大学68(19-20,19-22,19-18,11-27)87大東文化大学(決勝)
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2017.11.25 (Sat)
【2017インカレ】11/25 準決勝・拓殖大VS筑波大
第1シードの拓殖大は最後のプレーが決まらず

写真:残り33秒でシュートを決めた菅原を皆が囲んだ。

3Q、筑波大は#17杉浦(4年・PF)の3P、#11増田のオフェンスリバウンド、ゴール下へ#65玉木(3年・C)にボールが渡るなどリズム良く得点が続く。拓殖大は#58平良(2年・PG)を投入してテンポアップをはかり、その#58平良が1on1からのシュートなどで流れを作り、一時9点まで開いた差を3点差の50-53にまで戻して3Qを終了。
勝負の4Q、ここからは互いに激しい得点の取り合いが続いた。筑波大は#27山口(1年・SF・正智深谷)のシュート、拓殖大は#2岡田、#23ドゥドゥといったルーキーが決め合うところから#4青木(4年・PG)、#17杉浦と筑波大は4年生もそこに続く。拓殖大は#13阿部(4年・SG)がフリースローを獲得して互いに譲らないまま試合は最終盤へ。残り33.4秒、拓殖大は#2岡田のフリースローで70-70の同点。筑波大は#4青木がファウルアウトしてしまうが、ここで交代した#8菅原(1年・PG・)が放ったシュートが一度はリングから飛び出しそうになるものの、吸い込まれ、8.5秒で筑波大がリード。拓殖大最後のオフェンスは、ゴール下へ#23ドゥドゥに入れたいスローインが入らずターンオーバーに。フリースローを1本筑波大が決めて3点差。残り7.4秒も焦ったのか早めに打ってしまい、そのままタイムアップ。70-73で筑波大が接戦をものにして4年連続決勝へ進んだ。

今リーグ、そしてインカレと数々の激戦を制してきた拓殖大だったが、最後は筑波大の前に敗れた。準々決勝からの修正点も見られたが、筑波大に要所を押さえられ、最後のオフェンスチャンスをミスで失ってしまった。若いルーキーに託して勝負に挑み、「彼らもまた経験」という池内監督。苦しいときに4年に託したが上手く行かなかったのは惜しいところだが、控えを投入しつつも僅差で勝負を進めることに成功した。「今のところオフェンスは一つの方向からでしかできていないので、幸い今年はオールジャパンもなく長期間をかけて練習できる。自分が代表時代にやっていたような練習をやらせたい」と言う。日本一には届かなかったが、今年は予想していた以上の成果と言う。リーグ戦1位は誇れる結果。それを来年以降につなぐことが重要だ。
写真上:増田が25点13リバウンド。拓殖大のディフェンスも手が回らず。
写真下:拓殖大は3Q、引き離されそうなところを平良が流れを変えて追い上げの起点になった。
※筑波大・吉田監督、拓殖大・池内監督のコメント、筑波大・菅原選手、山口選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.11.25 (Sat)
【2017インカレ】11/25 準決勝・大東文化大VS白鴎大
白鴎大は4Q26点を追い上げるが届かず

写真:最後はなんとか追いつかれずに終わった大東文化大。手前では野﨑が無念の様子を見せる。
関東3位の大東文化大と6位の白鴎大の準決勝は、大東文化大が終始集中力を切らさず最後まで逃げ切り決勝へと駒を進めた。

第3Q、大東大#0葛原(4年・SG)がドライブで先制すると、#23奥住(3年・SG)、#91ベリシベ(3年・PF)と着々と加点。白鴎大は#0野﨑(4年・SG)が鋭いドライブや3Pで対抗する。Q終了間際に、大東大#56山岸(4年・PF)のジャンパーはブザーと共にリングに吸い込まれ71—44。
第4Q序盤も大東大は集中力を切らすことなく、「5分頑張ろう」という声が選手間で飛び、リバウンドを中心に最後まで気を緩めない。しかし、ここから白鴎大が反撃を開始。#58前田が豊富な運動量を生かしてブレイクに成功すると、2分を切ったところで#0野﨑が連続3Pを決めて意地を見せると、ここからも次々と3Pが沈んで27もの差があった得点がみるみるうちに縮んでいく。そこに#75シェッハ(2年・C)のブロックなど、ようやく白鴎大らしさが出るが、前からのディフェンスを仕掛けではミスを誘うものの、大事なところでボールを奪えず。結局、4Qに26点と怒涛の追い上げを見せるが、79—70で大東大が逃げ切り2003年以来の優勝決定の舞台へと上がることが決まった。

一方白鴎大はインサイドでモッチに対抗するシェッハが生きず。序盤からモッチや前からのゾーンプレスにも対応できず、苦しい展開が続いた。前田や星野といった下級生の頑張りは見事で、終盤に野﨑が大エースのプライドを見せ、この試合3P6本の31得点と圧巻の活躍を見せるも、30点の差を詰めることは難しかった。昨年同様3位決定戦に進むが、最終戦に向けて入りの課題の改善をしたい。
写真上:モッチ相手になかなか自分の持ち味が出せなかった白鴎大・シェッハ。
写真下:大東大は毕ら4年生が地道に役割を果たしている。
※大東文化大・葛原選手、白鴎大・野﨑選手のコメント、大東文化大・山岸選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.11.25 (Sat)
【2017インカレ】11/25 5〜8位決定戦
最終日を笑顔で締めくくられるか

東海大は、地方勢唯一のベスト8入りを果たした中京大との対戦となった。試合開始直後は中京大が主導権をつかむ。#44伊藤(4年・SG)のレイアップや#45速井(3年・PG)の3Pなどで、先行することに成功。ただ、ここから東海大が本領発揮。2Qにゾーンを開始すると、中京大にバイオレーションやバイオレーションが相次ぎ失速。その間に#19西田(1年・PG・福岡大大濠)の3Pなどで逆転に成功。前半終了間際には#25平岩(2年・C)のダンクも出て前半のうちに二桁の差とすると、後半も優勢は変わらずに余裕のある試合運びを続けた。最後は4年生をコートに揃え、東海大が88−73で勝利。5位決定戦行きを決めた。

写真上:東海大・平岩はチーム最多の14得点。豪快なダンクを決めて、観る者を沸かせた。
写真下:11得点9リバウンドと戸田晃輔の活躍も目を引いた青山学院大。
※東海大・寺嶋選手、中京大・笹井選手、青山学院大・木田選手のインタビュー、青山学院大・広瀬監督のコメントは「続きを読む」へ。
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2017.11.25 (Sat)
【2017インカレ】11/26試合予定(最終日)
10:00 神奈川大学 vs 中京大学(7位決定戦)
11:40 青山学院大学 vs 東海大学(5位決定戦)
■青山学院大学青山キャンパス
11:00 拓殖大学 vs 白鴎大学(3位決定戦)
14:00 筑波大学 vs 大東文化大学(決勝)
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2017.11.25 (Sat)
【2017インカレ】11/25結果(準決勝)
中京大学73(21-16,8-25,18-23,26-24)88東海大学(順位決定戦)
神奈川大学64(18-15,15-10,14-24,17-21)70青山学院大学(順位決定戦)
大東文化大学79(24-11,26-14,21-19,8-26)70白鴎大学(準決勝)
拓殖大学70(20-18,13-18,17-17,20-20)73筑波大学(準決勝)
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2017.11.23 (Thu)
【2017インカレ】11/23 拓殖大VS神奈川大(準々決勝)
勝負どころの3Pが拓殖大に流れを作る

写真:2回戦は明治大、3回戦は神奈川大に簡単にバスケットをさせてもらえていない拓殖大。日本一を懸けた勝負どころをリーグ戦のように乗り切っていけるかどうか、ここからさらに力が問われる。

第1Q、神奈川大は#34工藤(3年・PF)がゴール下でしっかり守りを固め、ミスを誘い速い展開に持ち込む。拓殖大はリズムがつかめないが、高さを利用し#山﨑(4年・PG)から#23ドゥドゥ(1年・C・八王子)と#2岡田(1年・G・東山)が裏に合わせ同点。第2Q神奈川大は#7田村(4年・SG)を中心に加点。一方拓殖大は神奈川大のディフェンスに苦しみ、序盤は点を取れず。#13阿部(4年・SG)が粘りのプレーを見せ持ちこたえ34-31と3点リードで折り返す。
後半も前半と同じようにシーソーゲームとなり、どちらにも流れが傾かない。第3Qは52-50と、拓殖大の2点リードで勝負は最終ピリオドに託された。第4Q、神奈川大は#34工藤のディフェンスが光り、#23ドゥドゥからのターンオーバーを誘う。それに乗った#7田村が3Pを沈め開始5分に追いつくと、#75小酒部(1年・SF・県立山北)がオフェンスリバウンドに飛び込み逆転。それでも拓殖大はその都度返し、なんとかリードを保って試合は最終盤へ。終盤、神奈川大のシュートが落ち始め、拓殖大は#18多田(2年・SG)の3Pが当たってここで流れを掴んだ。残り1分を切ったところで、#16飯田(4年・SG)がゴールを守り切り、#13阿部ののゴール下につなげると勝負あり。70―65で拓殖大がベスト4を進出を決めた。神奈川大は惜しくも破れたが、持ち味のディフェンスは1部優勝校を苦しめ、その力を証明した。

神奈川大は元々ディフェンスチームだが、彼らの良いところは40分間ディフェンスで頑張りきれるところだ。オフェンスを得意とするチームはこうした地道なディフェンスに精神的に消耗させられてしまうことも少なくない。この試合では田村が24点、工藤が12点、小酒部も11点と、チャンスで確実に得点できたことも互角に戦えた要因。敗れたがナイスゲームというほかはなかった。
写真上:4Q、拓殖大・多田の3Pが試合の流れを変えた。多田の復調はチームにとって大きい。
写真下:神奈川大・小酒部は期待のルーキー。12分で11得点。抜群のジャンプ力を持ち、飛び込みリバウンドでも存在感を見せる。
※拓殖大・池内監督、神奈川大・幸嶋監督のコメント、神奈川大・工藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.11.23 (Thu)
【2017インカレ】11/23 白鷗大VS東海大(準々決勝)
我慢で16点差をひっくり返した白鴎大がベスト4へ

写真:泥臭くディフェンスで頑張った前田を、野﨑や秋野が助け起こす。
第2シードの専修大を倒して勝ち名乗りをあげた東海大が次に挑んだのは、関東6位の白鴎大。昨年は準決勝で対戦し、東海大が勝利している。上がり調子の東海大に対し、白鴎大は前半は後手を強いられた。

3Q、白鴎大はゾーンの前になかなか盛り返しがきかず、東海大は#28津屋が連続3Pで最大16点のリードに。しかし#44星野(2年・PF)のバスケットカウント、#75シェッハの3P、そして#58前田(2年・SF)がドライブからバスケットカウントを獲得し、点差を9にして47-56で3Q終了。4Q開始早々、#58前田の3Pが沈むと、白鴎大はファウルが続く中でも粘り、開始5分、#21神里(4年・PG)、#0野﨑の連続3Pで逆転。東海大はシュートが入らず、苦しい中でも1、2点差でついていく。白鴎大も突き放せないながらも#58前田がリバウンドやルーズボールで粘った。残り1分を切り、東海大は#19西田(1年・PG・福大大濠)が勝負をかけた3Pを放つがこれが入らず。リバウンドを押さえ、ファウルをもらっていった白鴎大が最後は67-62。激闘を制し、昨年のリベンジを果たした上でベスト4へ駒を進めた。


写真上:チームを勢いづけるシュートを決めた岩松。必ず勝つという意志がプレーに見えた。
写真中:勝負強さを見せた野﨑。チームの絶対的エースとしての役割を果たした。
写真下:23点21リバウンド。3Pは3本。黙々と頑張り続けるシェッハの存在感は大きい。
※白鴎大・落合監督、東海大・陸川監督のコメント、白鴎大・前田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.11.23 (Thu)
【2017インカレ】11/23 大東文化大VS中京大(準々決勝)
中京大はディフェンスで粘るが壁は破れず

写真:後ろに倒れる#45速井のルーズボールから#51粂が攻撃をつなぐ場面。ディフェンスの粘りは最後まで発揮されていた中京大。


写真上:今年頭角を現してきた一人、大東文化大・小谷は13点。3Pは3本沈めた。
写真下:スピードあふれる攻撃を見せた中京大・速井は14点。
※大東文化大・西尾監督のコメントは「続きを読む」へ。
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