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2021.11.09 (Tue)
【2021関西リーグ1部】大会レポート
変則日程の関西リーグ
京都産業大が王座奪還
コロナ禍が続く中、10月上旬から約1ヶ月をかけて関西1部リーグが開催された。昨年は1回戦総当たり制で行われたが、今年は緊急事態宣言の中。このため全14チームを7チームずつの2つにブロック分けし、各ブロック総当たり1回戦制の日程を組み、優勝のかかるブロック1・2位チームは別ブロックの同順位2チームと、最後のインカレ出場枠のかかるブロック3・4位チームは、別ブロック同順位2チームと対戦し、最終順位を決定するレギュレーションとなった。(それ以下は別ブロック同順位1チームとの間で順位決定戦を実施)
変則的なリーグ戦を勝ち抜いたのは京都産業大。昨年のリーグ戦、今年の全関は思うような結果を残せていなかったが、原点を見つめ直し、関西王者の名をその手に取り戻した。
写真:2年ぶりの優勝を決め、村上監督を胴上げする京都産業大。
※リーグの概要、京都産業大・横山選手、北條選手、天理大・二見選手、近畿大・高岡選手のインタビュー、大阪体育大・中原選手、関西学院大・小西選手のインタビューは「続きを読む」へ。
変則的なレギュレーションにより、まず近畿大と京都産業大がAブロックに同居。このリーグでもトップ争いを繰り広げると目された2チームが、このブロックでは快調に走る形となり、互いに5連勝を果たす。注目のブロック最終戦では、この大会で良さを際立つディフェンス力を全面に展開した京産大が2桁差で制し、ライバルから2年ぶりの勝利を挙げるとともに、優勝争いでまず優位な状況に立った。
その反面、ブロック3位以下の争いは大混戦となった。昨年は驚異的な巻き返しで昇格初年度ながらインカレ出場権を手にした龍谷大は思うように白星を伸ばせず、同志社大、関西大、大阪経済大を含めての鍔迫り合いに。最終的には勝ち点3の関西大が3位となり、直接対決の結果同志社大が4位に滑り込んだ。
【Bブロック】
短期戦で、一つの敗戦が大きくのしかかる今回のリーグ戦。Bブロックでは大阪学院大が不振を強いられ、中位争いがAブロック以上の混戦となった。スタッフの顔ぶれに変更もありながら天理大が順調に白星を重ねて波に乗り、余裕を持って1位を決めたのに対し、2位〜5位の争いは白熱。ここで大きな白星を重ねていたのが大阪体育大だった。大阪学院大、関西学院大を相次いで下したことがチームを一体にし、ブロック2位を確保。前回3年前のインカレ出場はチャレンジマッチを経て決めたものだが、今回はギリギリではなく4枠目以上での出場権確保をブロックでの戦いの時点で決めた。また関西学院大は大阪学院大を僅差で下しており、勝利の関西学院大が3位、大阪学院大はよもやの4位でBブロックでの戦いを終えた。
【優勝争い】
ブロック2位以上による優勝争いは、まず大阪体育大と京産大との対戦が1ゴールを争う接戦となった。しかし#2北條(4年・PG)、#10上田(4年・SG)、#23サンブ(4年・C)の最上級生トリオが2桁得点をマークするバランスの良さを発揮。大阪体育大が迫るもこれを振り切り優勝に王手をかけた。反面Bブロック全勝の天理大が近畿大に敗れたことで、京産大は更に優位な状況に。迎えた京産大と天理大の最終戦は、京産大が序盤から危なげない試合運びを見せた。早々にリードを広げて勝利し、全勝という形で2年ぶりの優勝を決めた。
【インカレ出場争い】
ブロック2位以上であれば最終的な順位は4位以上となるため、ブロック終了時点で4枠は決したインカレ出場権。毎年5枠目をどこが掴むのかが焦点となるが、今年もこの争いがもつれた。インカレは常連の大阪学院大としては最終5位確保は至上命題。しかし、今大会の不振を象徴するかのように、まず関西大に大差をつけられ敗戦。最終日を消化せずに脱落となってしまった。これにより最終日に設定された関西大と関西学院大による関関戦が、事実上の5位決定戦となった。ここで執念を見せたのは関西学院大。序盤のリードを一旦は埋められながら、どうにか関西大を押し退け勝利。ここ2年は6位続きとなっていたが、念願を果たした。
【INTERVIEW】
「全員で1位を目指してやってきたので
それを果たせてめちゃくちゃ嬉しい」
◆#35横山恵斗(京都産業大・4年・主将・PF)
直近のタイトルは2年前のリーグ戦。その後は昨年リーグで4位、今年の全関は3位と苦しんでいた京産大にとっては面目躍如という言葉が相応しいリーグ戦だった。スコアにも勝敗にもディフェンスの良さが直結し、充実の結果だったと言えるだろう。北條、上田、サンブの最上級生トリオに目が行きがちだが、主将の横山の下支えのもと、4年生を中心にチームが上手く噛み合ったからこその結果でもある。堂々の関西1位として、インカレでの上位進出を誓う。
—まず優勝のお気持ちから教えてください。
「去年は4位という悔しい結果で、今年は全員で1位を目指してやってきたので、それを果たせてめちゃくちゃ嬉しいです」
—大会を通じて良かったと感じることは。
「京産はディフェンスと速攻を大事にするチームなので、今大会はディフェンスも走ることもかなりできていたので、それが良かった点かなと思っています」
—全関の敗因もそこにあった?
「ディフェンスメインで練習してきたこともありますし、オフェンスでの共通理解が全関ではあまりなかったです。この大会では仲間とのコミュニケーションを取り合って、良い感じにチームが出来上がって行ったのかなと思います」
—リーグに向けてはそこを高めていった?
「全関では個人個人になっていた部分がありました。上田、北條、サンブのチームですけど、この3人が個人プレーに走っていたので、リーグはチームプレーで勝つことができたのかなと思います」
—宇都宮選手という若い存在が出てきました。
「4年4人の中で1年生の陸が一人だけスタメンという状況なんですけど、僕らは思い切ってやってくれと話しています。ミスしてもカバーするからと話して、好きなようにやらせてきました」
—インカレはどのように臨みますか。
「まだ期間はあるんですけど、ディフェンスも走ることもこれから継続していって、インカレまでに高められたらなと思います」
-----------------
「2年前は気楽にやっていた部分もあるが
今回は1試合1試合が僕らの責任になる状況でやってきた」
◆#2北條海樹(京都産業大・4年・PG)
宇都宮とともに京産大の攻守を牽引した。経験に乏しいルーキーに、そのプレーと言葉で勝利のために必要なことを伝え続け、最上級生の役割を全う。2年の雌伏の時を経て、京産大に再び関西王者をもたらした。無敗優勝で得られた自信を胸に、最後のインカレに向かっていく。
—優勝おめでとうございます。2年ぶりです。
「2年前は下級生やったんで、大庭さんやライアンさんが引っ張って、僕らはそれについて行って優勝できた形だったんですけど、今回は最上級生ということで自分達が引っ張っていかないといけない状況で、下級生の頃には感じなかったことも感じました。最終学年なので、伸び伸びとはやるんですけど、最上級生が好き勝手やってしまうとチームはまとまらないので、それが全関では出てしまいました。2年前は気楽にやっていたんですけど、今回は1試合1試合が僕らの責任になる状況でやってきたので、その辺が前とは違う感じですね」
—優勝の要因はどこにありますか。
「僕らのコンセプトとしてはディフェンスを重視しているので、それが近大も天理も50点台に抑えられた要因かなと思います。そうするとオフェンスの得点も伸びてくるし、自分達の良いリズムに持って来られると感じました」
—ガードは宇都宮選手とツーガードのような形ですが、彼に何か声をかけていますか。
「陸は僕とは違うポイントガードで、プレースタイルも違いますし、全関の時は噛み合わない部分もありました。僕自身はそこで練習の中から陸と多くコミュニケーションを取るようにしてきて、5対5のスクリメージの時にもこういう時はどうした方が良いのかとか、そういうコミュニケーションを増やすことで陸がどういうプレーヤーなのかを見てきました。そうしていると彼をほったらかしにすることがなくなって、最終的には息もあってきましたね。僕はウイングポジションですけど、彼がうまく行っていかない時は僕がガードをやりながら、ということができたのかなと思います」
—インカレに向けて高めるべきポイントは。
「アウトサイドシュートとディフェンスリバウンドの部分です。関東はアウトサイド確率が高くて、それプラスでサイズやフィジカルが関西より一回り大きいので、まず練習から確率を上げていくことです。リバウンドも、オフェンスリバウンドを何度かやられる場面がありましたし、その辺も関東は強いと思うので、そこを重点に置いて。あとはもっともっとコミュニケーションを取って上げていければ、僕は面白いインカレになると思っています」
-----------------
「もう一回チームを組み立て直していくしかない」
◆#3高岡圭汰朗(近畿大・4年・主将・PF)
全関では今年も近畿大が強いことを印象づける内容を見せた。ところが、それが却って高岡には不安感をもたらしたという。そしてその予感は京産大に敗れたことで的中。2冠は逸することとなった。しかし関西トップレベルの実力であることは誰もが認める。前年5位となったインカレではどのような戦いを見せるだろうか。
ー優勝が最終日を前に可能性がなくなりました。
「京産に負けて全勝優勝がなくなり、1位も取れなかったということで、率直に悔しいというのがまず出てくる言葉です。京産も僕らの対策をしてきていて、オフェンスもディフェンスもそれを考えてやれば良かったんですけど、パトリックのファウルアウトや、判定へのフラストレーションもあってチームの雰囲気も悪くなり、それが負けにつながってしまったとすごく思います」
ー全関はあの結果で、今回はこの結果になりました。
「全関を大差で優勝したことで、逆に僕の中では不安がありました。その不安が京産との試合で出てしまって、もう一回インカレに向けてチームを締め直していければなと思っています」
ー何か油断のようなもはなかったですか?
「それもありますし、練習の時もよくない場面があって、4回生を中心にまとめられていないというのがあると思います。それができればもっと良いチームになると思うんで、あと1ヶ月しかないですけど、もう一回チームを組み立て直していくしかないと思います」
-----------------
「良い部分をインカレまでに突き詰めてやっていけば
関東も絶対に倒せる」
◆#28二見健太(天理大・4年・主将・PF)
優勝には全関に続いて届かなかった。しかしコーチングスタッフが変わった中でも最低限の結果は残せたとも言える。全関では歯がゆい表情の二見だったが、リーグを終えどこか吹っ切れたような表情。これまでインカレでは関東の壁を越えられていない。唯一無二のバスケットスタイルはそのままに、今度こそ上位への扉をこじ開ける。
—優勝には届かず、でした。
「率直にめちゃめちゃ悔しいです。自分達のやるべきことを決めてやってきて、夏にコロナもあって練習が中断したこともあったんですけど、リーグ戦の1ヶ月くらい前に再開して、短い期間でチームを完成させるという難しい中でもやってきました。全関で近大に負けて、その近大には勝ちたかったので、それが一番悔しいです」
—今日は気落ちした部分はありませんでしたか。
「いや、それはなかったです。ただ最初の京産大の勢いにやられて、それをずるずる引きずったままの40分間でした」
—岡田コーチが就任し、変化点はありますか。
「そうですね。修さんに代わって、今までやってきた二杉先生のバスケットを引き継いでいますが、その中でも修さんがBリーグで培ってきたレベルの高いフォーメーションだったり、ゲームプランだったりを追加できたことで、チームのパフォーマンスが上がった部分はあります。同じプランなんですけど、ちょっと違う部分もあったりして、相手からしたらやりにくかったんじゃないかなと思います。近大と戦って一番感じたのは、そのバスケットが十分に通用するということをチーム全体で感じられました。その良い部分をインカレまでに突き詰めてやっていけば、関東も絶対に倒せると思います。完成形にはなっていないので、残り1ヶ月でどこまで近づけるかです」
—全関の際よりも表情が明るく見えます。
「そうですか(笑)? この前のインタビューでもあったように、自分で考えすぎているということもあって、そこに捉われすぎないようにとは話していましたが、それを良い方向にして、キャプテンとしての仕事とプレーヤーとしての仕事として、うまく割り切れたんじゃないかなと思います」
-----------------
【COMMENT】
「インカレでも体大らしく平面で戦っていく」
◆#14中原啓太(大阪体育大・4年・PF)
「4位という結果だったが、僕たちの目標であったインカレ出場が果たせて嬉しい。去年は藤本さんに頼りきっていたが、今年のチームには絶対的な存在がいないので、4回生を中心に全員でまとまって戦えたのがこの結果につながったと思う。
インサイドプレーについて、僕の代わりが市原や中田で、インサイドというインサイドではないが、外回りのプレーができて、シュートも入っていた。その面でカバーしてくれたのが大きかった。上位3チームには留学生もいて、リバウンドでも劣勢だったが、平面での体大らしいバスケットをできたので、大差というわけではなく競り合うことができた。
インカレについては経験んしているが、当然関東は関西よりもレベルが高い。それでも体大らしく平面で戦っていけるよう練習していくだけ」
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「後輩たちにインカレを経験をさせてあげられることが本当に嬉しい」
◆#11小西聖也(関西学院大・4年・主将・PG)
「インカレは1年生の時に1回戦で大東と競れたというのはありますが、そのあとは出られていなかったので、出ているのはほとんど自分だけという状況。この2年はインカレに出られず、それは試合に出してもらっている自分の責任でもあった。後輩たちに経験をさせてあげることができて、それが本当に嬉しい。下級生は春に比べて自信をつけている。スタートのメンバーは自覚も出てきているし、4年生でのスタメンが僕だけの状況で、一緒になってチームを引っ張ってくれるのはすごく頼もしい。
前半戦は敗れる試合もあったが、最後の3試合ではリードを追い上げられずに最終的に20点差にするだけのチーム力がついたと思う。個人の能力ではなく、チーム力が増したと感じている。大きい選手がいない分勝った試合でもリバウンドを取られてしまう場面があった。ローテーションでのミスもまだあるので、そういう細かいところは修正していきたい」
京都産業大が王座奪還
コロナ禍が続く中、10月上旬から約1ヶ月をかけて関西1部リーグが開催された。昨年は1回戦総当たり制で行われたが、今年は緊急事態宣言の中。このため全14チームを7チームずつの2つにブロック分けし、各ブロック総当たり1回戦制の日程を組み、優勝のかかるブロック1・2位チームは別ブロックの同順位2チームと、最後のインカレ出場枠のかかるブロック3・4位チームは、別ブロック同順位2チームと対戦し、最終順位を決定するレギュレーションとなった。(それ以下は別ブロック同順位1チームとの間で順位決定戦を実施)
変則的なリーグ戦を勝ち抜いたのは京都産業大。昨年のリーグ戦、今年の全関は思うような結果を残せていなかったが、原点を見つめ直し、関西王者の名をその手に取り戻した。
写真:2年ぶりの優勝を決め、村上監督を胴上げする京都産業大。
※リーグの概要、京都産業大・横山選手、北條選手、天理大・二見選手、近畿大・高岡選手のインタビュー、大阪体育大・中原選手、関西学院大・小西選手のインタビューは「続きを読む」へ。
[続きを読む]
【Aブロック】変則的なレギュレーションにより、まず近畿大と京都産業大がAブロックに同居。このリーグでもトップ争いを繰り広げると目された2チームが、このブロックでは快調に走る形となり、互いに5連勝を果たす。注目のブロック最終戦では、この大会で良さを際立つディフェンス力を全面に展開した京産大が2桁差で制し、ライバルから2年ぶりの勝利を挙げるとともに、優勝争いでまず優位な状況に立った。
その反面、ブロック3位以下の争いは大混戦となった。昨年は驚異的な巻き返しで昇格初年度ながらインカレ出場権を手にした龍谷大は思うように白星を伸ばせず、同志社大、関西大、大阪経済大を含めての鍔迫り合いに。最終的には勝ち点3の関西大が3位となり、直接対決の結果同志社大が4位に滑り込んだ。
【Bブロック】
短期戦で、一つの敗戦が大きくのしかかる今回のリーグ戦。Bブロックでは大阪学院大が不振を強いられ、中位争いがAブロック以上の混戦となった。スタッフの顔ぶれに変更もありながら天理大が順調に白星を重ねて波に乗り、余裕を持って1位を決めたのに対し、2位〜5位の争いは白熱。ここで大きな白星を重ねていたのが大阪体育大だった。大阪学院大、関西学院大を相次いで下したことがチームを一体にし、ブロック2位を確保。前回3年前のインカレ出場はチャレンジマッチを経て決めたものだが、今回はギリギリではなく4枠目以上での出場権確保をブロックでの戦いの時点で決めた。また関西学院大は大阪学院大を僅差で下しており、勝利の関西学院大が3位、大阪学院大はよもやの4位でBブロックでの戦いを終えた。
【優勝争い】
ブロック2位以上による優勝争いは、まず大阪体育大と京産大との対戦が1ゴールを争う接戦となった。しかし#2北條(4年・PG)、#10上田(4年・SG)、#23サンブ(4年・C)の最上級生トリオが2桁得点をマークするバランスの良さを発揮。大阪体育大が迫るもこれを振り切り優勝に王手をかけた。反面Bブロック全勝の天理大が近畿大に敗れたことで、京産大は更に優位な状況に。迎えた京産大と天理大の最終戦は、京産大が序盤から危なげない試合運びを見せた。早々にリードを広げて勝利し、全勝という形で2年ぶりの優勝を決めた。
【インカレ出場争い】
ブロック2位以上であれば最終的な順位は4位以上となるため、ブロック終了時点で4枠は決したインカレ出場権。毎年5枠目をどこが掴むのかが焦点となるが、今年もこの争いがもつれた。インカレは常連の大阪学院大としては最終5位確保は至上命題。しかし、今大会の不振を象徴するかのように、まず関西大に大差をつけられ敗戦。最終日を消化せずに脱落となってしまった。これにより最終日に設定された関西大と関西学院大による関関戦が、事実上の5位決定戦となった。ここで執念を見せたのは関西学院大。序盤のリードを一旦は埋められながら、どうにか関西大を押し退け勝利。ここ2年は6位続きとなっていたが、念願を果たした。
【INTERVIEW】
「全員で1位を目指してやってきたので
それを果たせてめちゃくちゃ嬉しい」
◆#35横山恵斗(京都産業大・4年・主将・PF)
直近のタイトルは2年前のリーグ戦。その後は昨年リーグで4位、今年の全関は3位と苦しんでいた京産大にとっては面目躍如という言葉が相応しいリーグ戦だった。スコアにも勝敗にもディフェンスの良さが直結し、充実の結果だったと言えるだろう。北條、上田、サンブの最上級生トリオに目が行きがちだが、主将の横山の下支えのもと、4年生を中心にチームが上手く噛み合ったからこその結果でもある。堂々の関西1位として、インカレでの上位進出を誓う。
—まず優勝のお気持ちから教えてください。
「去年は4位という悔しい結果で、今年は全員で1位を目指してやってきたので、それを果たせてめちゃくちゃ嬉しいです」
—大会を通じて良かったと感じることは。
「京産はディフェンスと速攻を大事にするチームなので、今大会はディフェンスも走ることもかなりできていたので、それが良かった点かなと思っています」
—全関の敗因もそこにあった?
「ディフェンスメインで練習してきたこともありますし、オフェンスでの共通理解が全関ではあまりなかったです。この大会では仲間とのコミュニケーションを取り合って、良い感じにチームが出来上がって行ったのかなと思います」
—リーグに向けてはそこを高めていった?
「全関では個人個人になっていた部分がありました。上田、北條、サンブのチームですけど、この3人が個人プレーに走っていたので、リーグはチームプレーで勝つことができたのかなと思います」
—宇都宮選手という若い存在が出てきました。
「4年4人の中で1年生の陸が一人だけスタメンという状況なんですけど、僕らは思い切ってやってくれと話しています。ミスしてもカバーするからと話して、好きなようにやらせてきました」
—インカレはどのように臨みますか。
「まだ期間はあるんですけど、ディフェンスも走ることもこれから継続していって、インカレまでに高められたらなと思います」
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「2年前は気楽にやっていた部分もあるが
今回は1試合1試合が僕らの責任になる状況でやってきた」
◆#2北條海樹(京都産業大・4年・PG)
宇都宮とともに京産大の攻守を牽引した。経験に乏しいルーキーに、そのプレーと言葉で勝利のために必要なことを伝え続け、最上級生の役割を全う。2年の雌伏の時を経て、京産大に再び関西王者をもたらした。無敗優勝で得られた自信を胸に、最後のインカレに向かっていく。
—優勝おめでとうございます。2年ぶりです。
「2年前は下級生やったんで、大庭さんやライアンさんが引っ張って、僕らはそれについて行って優勝できた形だったんですけど、今回は最上級生ということで自分達が引っ張っていかないといけない状況で、下級生の頃には感じなかったことも感じました。最終学年なので、伸び伸びとはやるんですけど、最上級生が好き勝手やってしまうとチームはまとまらないので、それが全関では出てしまいました。2年前は気楽にやっていたんですけど、今回は1試合1試合が僕らの責任になる状況でやってきたので、その辺が前とは違う感じですね」
—優勝の要因はどこにありますか。
「僕らのコンセプトとしてはディフェンスを重視しているので、それが近大も天理も50点台に抑えられた要因かなと思います。そうするとオフェンスの得点も伸びてくるし、自分達の良いリズムに持って来られると感じました」
—ガードは宇都宮選手とツーガードのような形ですが、彼に何か声をかけていますか。
「陸は僕とは違うポイントガードで、プレースタイルも違いますし、全関の時は噛み合わない部分もありました。僕自身はそこで練習の中から陸と多くコミュニケーションを取るようにしてきて、5対5のスクリメージの時にもこういう時はどうした方が良いのかとか、そういうコミュニケーションを増やすことで陸がどういうプレーヤーなのかを見てきました。そうしていると彼をほったらかしにすることがなくなって、最終的には息もあってきましたね。僕はウイングポジションですけど、彼がうまく行っていかない時は僕がガードをやりながら、ということができたのかなと思います」
—インカレに向けて高めるべきポイントは。
「アウトサイドシュートとディフェンスリバウンドの部分です。関東はアウトサイド確率が高くて、それプラスでサイズやフィジカルが関西より一回り大きいので、まず練習から確率を上げていくことです。リバウンドも、オフェンスリバウンドを何度かやられる場面がありましたし、その辺も関東は強いと思うので、そこを重点に置いて。あとはもっともっとコミュニケーションを取って上げていければ、僕は面白いインカレになると思っています」
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「もう一回チームを組み立て直していくしかない」
◆#3高岡圭汰朗(近畿大・4年・主将・PF)
全関では今年も近畿大が強いことを印象づける内容を見せた。ところが、それが却って高岡には不安感をもたらしたという。そしてその予感は京産大に敗れたことで的中。2冠は逸することとなった。しかし関西トップレベルの実力であることは誰もが認める。前年5位となったインカレではどのような戦いを見せるだろうか。
ー優勝が最終日を前に可能性がなくなりました。
「京産に負けて全勝優勝がなくなり、1位も取れなかったということで、率直に悔しいというのがまず出てくる言葉です。京産も僕らの対策をしてきていて、オフェンスもディフェンスもそれを考えてやれば良かったんですけど、パトリックのファウルアウトや、判定へのフラストレーションもあってチームの雰囲気も悪くなり、それが負けにつながってしまったとすごく思います」
ー全関はあの結果で、今回はこの結果になりました。
「全関を大差で優勝したことで、逆に僕の中では不安がありました。その不安が京産との試合で出てしまって、もう一回インカレに向けてチームを締め直していければなと思っています」
ー何か油断のようなもはなかったですか?
「それもありますし、練習の時もよくない場面があって、4回生を中心にまとめられていないというのがあると思います。それができればもっと良いチームになると思うんで、あと1ヶ月しかないですけど、もう一回チームを組み立て直していくしかないと思います」
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「良い部分をインカレまでに突き詰めてやっていけば
関東も絶対に倒せる」
◆#28二見健太(天理大・4年・主将・PF)
優勝には全関に続いて届かなかった。しかしコーチングスタッフが変わった中でも最低限の結果は残せたとも言える。全関では歯がゆい表情の二見だったが、リーグを終えどこか吹っ切れたような表情。これまでインカレでは関東の壁を越えられていない。唯一無二のバスケットスタイルはそのままに、今度こそ上位への扉をこじ開ける。
—優勝には届かず、でした。
「率直にめちゃめちゃ悔しいです。自分達のやるべきことを決めてやってきて、夏にコロナもあって練習が中断したこともあったんですけど、リーグ戦の1ヶ月くらい前に再開して、短い期間でチームを完成させるという難しい中でもやってきました。全関で近大に負けて、その近大には勝ちたかったので、それが一番悔しいです」
—今日は気落ちした部分はありませんでしたか。
「いや、それはなかったです。ただ最初の京産大の勢いにやられて、それをずるずる引きずったままの40分間でした」
—岡田コーチが就任し、変化点はありますか。
「そうですね。修さんに代わって、今までやってきた二杉先生のバスケットを引き継いでいますが、その中でも修さんがBリーグで培ってきたレベルの高いフォーメーションだったり、ゲームプランだったりを追加できたことで、チームのパフォーマンスが上がった部分はあります。同じプランなんですけど、ちょっと違う部分もあったりして、相手からしたらやりにくかったんじゃないかなと思います。近大と戦って一番感じたのは、そのバスケットが十分に通用するということをチーム全体で感じられました。その良い部分をインカレまでに突き詰めてやっていけば、関東も絶対に倒せると思います。完成形にはなっていないので、残り1ヶ月でどこまで近づけるかです」
—全関の際よりも表情が明るく見えます。
「そうですか(笑)? この前のインタビューでもあったように、自分で考えすぎているということもあって、そこに捉われすぎないようにとは話していましたが、それを良い方向にして、キャプテンとしての仕事とプレーヤーとしての仕事として、うまく割り切れたんじゃないかなと思います」
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【COMMENT】
「インカレでも体大らしく平面で戦っていく」
◆#14中原啓太(大阪体育大・4年・PF)
「4位という結果だったが、僕たちの目標であったインカレ出場が果たせて嬉しい。去年は藤本さんに頼りきっていたが、今年のチームには絶対的な存在がいないので、4回生を中心に全員でまとまって戦えたのがこの結果につながったと思う。
インサイドプレーについて、僕の代わりが市原や中田で、インサイドというインサイドではないが、外回りのプレーができて、シュートも入っていた。その面でカバーしてくれたのが大きかった。上位3チームには留学生もいて、リバウンドでも劣勢だったが、平面での体大らしいバスケットをできたので、大差というわけではなく競り合うことができた。
インカレについては経験んしているが、当然関東は関西よりもレベルが高い。それでも体大らしく平面で戦っていけるよう練習していくだけ」
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「後輩たちにインカレを経験をさせてあげられることが本当に嬉しい」
◆#11小西聖也(関西学院大・4年・主将・PG)
「インカレは1年生の時に1回戦で大東と競れたというのはありますが、そのあとは出られていなかったので、出ているのはほとんど自分だけという状況。この2年はインカレに出られず、それは試合に出してもらっている自分の責任でもあった。後輩たちに経験をさせてあげることができて、それが本当に嬉しい。下級生は春に比べて自信をつけている。スタートのメンバーは自覚も出てきているし、4年生でのスタメンが僕だけの状況で、一緒になってチームを引っ張ってくれるのはすごく頼もしい。
前半戦は敗れる試合もあったが、最後の3試合ではリードを追い上げられずに最終的に20点差にするだけのチーム力がついたと思う。個人の能力ではなく、チーム力が増したと感じている。大きい選手がいない分勝った試合でもリバウンドを取られてしまう場面があった。ローテーションでのミスもまだあるので、そういう細かいところは修正していきたい」
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