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2013.05.11 (Sat)

【2013トーナメント】5/11レポート(明治学院大学白金キャンパス)

延長戦の激闘を制し、神奈川大が歓喜の9位入賞!
今シーズンを占う9位〜16位決定戦も白熱


130411kanagawa.jpg 大会最終日を前にした土曜日、ベスト16のチームは一足早く順位決定戦を迎えた。ベスト8入りを逃したチームの中での最高位である9位の座を勝ち取ったのは、延長戦にもつれた死闘を制した神奈川大。試合後嬉し涙を流す者もおり、順位決定戦といえど勝利にこだわる想いが伝わってきた。10位以下は、慶應義塾大、国士舘大学、関東学院大、中央大、大東文化大、法政大、日本大という結果となった。
 例年と異なり今年から敢行された9位から16位の順位決定戦だったが、見応えのある試合が展開され、ドラマチックな内容となった。今回の試みが各チームの強化につながることを願いたい。

130411okawara.jpg この日の試合の中で唯一大差がついたのは、関東学院大国士館大の対戦。序盤は両チームともに重く28−26と関東学院大の2点リードで試合を折り返したが、後半はプレスの足が動き始めた国士舘大が関東学院大のターンオーバーをたびたび誘い、連続得点で主導権を握った。終盤は両チームともにベンチメンバーも多く出場させ、4Q終盤に国士舘大が3Pで突き放して54−84で大勝。国士舘大が11位、関東学院大が12位で大会を終えた。

写真上:延長戦にもつれる試合を制して喜ぶ神奈川大。
写真下:国士館大は試合中盤で仕掛けるプレスが強力。大河原もよく走り、積極的にシュートに向かった。

※国士館大・松島選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【日本大の猛追をかわして法政大が連敗脱出】
130411sano2.jpg ここまで接戦を落としてきた日本大法政大の15位決定戦は、終盤まで分からない勝負となった。2本の3Pで法政大が先手を打つと、その後も#19田宮(3年・GF)がジャンプシュートやアシストでチームを勢いづけリードを広げた。日本大はこの日はスタメン起用となった#25菊地(4年・F)や#20舘(2年・C)が高さを生かして加点するが、ディフェンスが機能しない。2Qで#24刘(2年・C)の一対一、#14高橋(1年・F・札幌日大)の3Pなどで点差を縮めるものの、法政大は勝負どころで#0高田(4年・G)が点を稼いで譲らず、#5松澤(3年・C)のブザービーターで32−43とリードを二桁に保って後半に入った。

 すると3Q、日本大は序盤#15栗原(2年・SG)が縦横無尽の活躍を見せる。二度のバスケットカウントと3P、さらに#72佐野のアシストから2連続で得点を奪って開始4分のうちに一人で13点を稼ぎ、日本大が逆転に成功した。だがここから法政大も#0高田が速攻でバスケットカウントを獲得して息を吹き返す。#35山岸(2年・G)や#19田宮も次々走ってファウルをもらい、再びリードを奪うと4Qも引き続き法政大が5点前後の点差を保った。終盤の勝負どころで#13三角(4年・F)が効果的な3Pを決めて反撃の芽をつみ、73−86で法政大が白星を掴んだ。

130411matsuzawa.jpg ベスト8がけで負けてから「チームの士気も落ちていた」(#0高田)と言う法政大は、15位で大会を終えた。だが前の試合で今井監督から“仲間を信頼してパスを出せ”と言われた#0高田も、この試合は味方を活かしつつ攻める良い形が見られた。今季は昨シーズンまでなかなか出番を得られなかった選手や下級生の出番も多く、彼らの伸びが秋の戦いの鍵を握るだろう。

 対する日本大は、またしても一歩及ばず惜敗。連日接戦には持ち込むものの、勝ちきれない結果に悩まされる大会となった。メンバーの多くが1・2年生という布陣で、勝負どころで若さが露呈する場面もある。だが、2部チームの中でトップクラスの高さを持ち、専修大とも最後まで分からない勝負を演じるなど噛み合えば面白いチームになる兆しもある。主力がそのまま出場する新人戦で経験を積み、秋までに安定感を身につけることが重要だろうか。

写真上:日本大の若き司令塔・佐野。
写真下:法政大・松澤はミドルシュートなどで頼もしい活躍を見せた。

※法政大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【シーソーゲームになるも中央大が勝負所を制す】
130411shioya.jpg 13位決定戦は、大東文化大中央大の1部チーム対決となった。中央大が序盤で大量リードを奪うが、大東大も爆発力を発揮して追い上げ、試合は接戦となった。
 
 1Qは、#5谷口(3年・F)や#24塩谷(4年・PF)の3Pや速攻が決まった中央大が流れを掴んだ。大東大は#86小野寺(4年・C)が二度のオフェンスファウルを吹かれて得点を伸ばせず、このQ9点に終わってビハインドを負う。だが2Qは中央大も得点が停滞し、終盤に大東大は#68花井(1年・SG・東海大三)が3連続で3Pを決めて一気に追撃。30−25と5点差にして前半を終えると、3Qも大東大の追い上げムードは続き、#86小野寺がインサイドを攻めて開始5分で逆転した。中央大もタイムアウトを挟んで#24塩谷が躍動し、2本の3Pと#86小野寺へのブロックショットで流れを変えにかかるが、大東大も#99山崎(2年・G)の得点でじわじわ追走する。ブザービーターでリバウンドシュートが決まり、大東大が逆転して4Qに入った。

130411yamazaki.jpg 最終Q、互いに譲らずシーソーゲームが続いた。中央大はブレイクを出して残り2分半に3点リード。しかし大東大も#99山崎がドライブを決め、#8戸ケ崎がスティールから#68花井の速攻につなげて残り1分半60−61と逆転する。#31流田(3年・G)の1on1も大東大#28兒玉がよく抑え、残り1分で大東大ボール。しかしここで大東大は痛恨のターンオーバーを犯し、中央大は#22山田がバックシュートで決めて残り45.1秒に逆転。残り32.6秒、大東大は#86小野寺がリバウンド争いで5ファウルとなり、このフリースローを#22山田が落ち着いて2本決め中央大が3点にリードを広げた。最終盤、大東大は#28兒玉のレイアップがリングをこぼれ、#99山崎の3Pもはずれて万事休す。64−61で中央大に軍配が上がった。

 競り合いをものにした中央大。大量リードを一気に追い上げられるなど反省も見えた試合だったが、主将の大野は「気持ちを切らさずに戦えたのは今までの試合と比べて良かった」と評価する。ここまで青学戦や関東学院戦など苦しい内容の試合もあったが、最後に少し立て直して大会を終えたことを今後の糧にしたい。一方の大東大は、最後まで食らいついたもののあと一歩及ばず。「競った試合で勝てない。まだ力がない」#8戸ヶ崎も結果について重く受け止めている様子だった。今年は昨シーズンの主力が多く抜け、ともにチーム作りも春の段階ではまだ道なかば。これからの成長や変化に期待したい。

写真上:大事な場面でチームを引っ張った中央大・塩谷。
写真下:2年生の山崎も今季奮闘が期待される。

※中央大・大野選手、大東文化大・戸ケ崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【魂のぶつかり合いを制して神奈川大が歓喜に沸く!】
130411yajima.jpg 9位決定戦は、互いに一歩も譲らない熱戦となった。神奈川大は開始2分でチームファウルが4つとややつまずいたが、慶應大もこの好機にミスが重なりなかなかリズムを掴めない。1Q終盤に#7古橋(4年・F)と#24吉永(3年・G)の速攻、#20早川(4年・G)のブザービーターが決まった神奈川大が一歩抜け出し、14−20で2Qに。それでも慶應大は#23黒木(2年・C)がリバウンドを掌握し、さらに#15大元(2年・G)が迷い無く3Pを決めて同点に追いつく。31−34で試合を折り返した。

 3Q、慶應大は#10矢嶋(4年・F)のシュートが好調。さらに#15大元のバスケットカウントも出て、開始2分半で畳み掛けるように15得点を奪った。神奈川大は相手の勢いに呑まれてミスが増え、あっというまに点差を8に広げられる。#7古橋の勝負強い3Pで食らいつくものの、#7本橋(4年・CF)、#23黒木がオフェンスリバウンドに飛び込む慶應大が流れを渡さず、6点差で最終Qへ。

 4Q、慶應大は依然として#10矢嶋、#15大元が積極的にシュートを打ち、残り3分#4蛯名(4年・G)のリバウンドシュートで7点差をつける。だが神奈川大も#7古橋や#29田村(4年・F)の得点で詰め寄ると、#7古橋が#10矢嶋をブロックし、そこから#24吉永がレイアップを決めて残り2分1点差に。その吉永が直後に5ファウルで退場となったが、神奈川大は#7古橋が2連続でジャンプシュートを決める勝負強さ発揮し、残り59.3秒75−76と逆転に成功した。ファウルゲームの中で#7古橋がフリースローを1本決めて神奈川大が2点リード。しかし残り17.7秒、慶應大はドライブを仕掛けた#15大元が苦しい体勢から決め、試合は延長戦に突入した。

130411furuhashi.jpg #10矢嶋のバンクショットで慶應大が延長戦の先制点を上げるが、神奈川大も#20早川が3Pを決めて譲らない。競り合いが続く中、残り2分にオフェンスファウルを吹かれて#4蛯名が5つとなり退場。その直後#20早川に延長戦2本目の3Pを決められ、慶應大は苦しくなる。しかし残り1分43秒、神奈川大は#7古橋がファウルを吹かれ、神奈川大ベンチは4つ目のファウルだと主張するもオフィシャルは5つ目の判定で無念の退場に。慶應大は#15大元がフリースローを2本落とすも、再びフリースローをもらい1本決めて3点差に縮める。さらに#23黒木がローポストの穴をついて得点し残り1分で1点差。だがこの勝負どころで、神奈川大は#20早川がピックを使ってジャンプシュートを放った。これが見事にネットを揺らし、残り53.2秒で神奈川大が3点リード。慶應大は続く攻めに懸けるが、激しいディフェンスに痛恨のトラベリングを吹かれてしまい、その後ファウルゲームを仕掛けるも追いつけない。神奈川大が90−88で見事な勝利を収めた。

 「慶應さんは“魂”のあるチームで、うちも今年は“魂”という言葉をキーワードにチームを作ってきた。そういう相手に対してよく我慢して、良い試合ができて良かった」と神奈川大・幸嶋監督。ルーズボールで壁に激突するシーンやリバウンド争いで何人も床に転がるような熱い戦いが繰り広げられ、まさに激闘だった。神奈川大主将の田村「新チームが始まってからみんなで頑張ってきて、それが結果に表れて良かった」と嬉し泣き。「チームディフェンス、神大らしさが出せた大会だった。拓大に悔しい負け方をしてからの3連勝はみんなも自信になっただろうし、これをうまく新人戦やリーグ戦につなげていきたい」と意気込む。対する慶應大は、チームとしてフリースローの確率が最後まで上がらなかったのが苦しかった。しかし怪我人がいる中でも好ゲームを演じたことは良い経験になっただろう。6月の早慶戦、新人戦につなげられるかだ。神奈川大も慶應大も、昨シーズンは2部でなかなか結果が出なかった悔しい経験もしてきている。秋のリーグ戦でどんな戦いぶりを見せるか、こちらも目が離せない。

写真上:シュートが好調だった矢嶋。昨年ケガで動けなかった分、体力にはまだ限りがある。交代を織り交ぜながら、出場時間内できちんと仕事を果たした。
写真下:古橋の勝負強さは今季も健在。まわりの選手も「気持ちよく打たせたい」(#20早川)とフォローする。

※神奈川大・早川選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】
「仲間を信頼して、まわりを生かせる選手になりたい」
司令塔として、さらなる飛躍へ向かう4年目

◆#0高田歳也(法政大・4年・G)
130411takata.jpg2年生の頃から主力としてゲームメイクを担ってきた高田。得点力があり、大事な場面を制する勝負強さも持つ。4年生になってその頼もしさはチームの誰もが認めるところだろう。しかしその一方で『“自分が”という気持ちが強すぎて、ガードの仕事がちゃんとできなかった』という反省も抱き、壁にもぶつかっている様子。まわりの選手も確率良くシュートを射抜いているだけに、うまく活かしていければゲーム内容も好転するはずだ。秋に向け、完成度を高めて欲しい。


―試合を終えて。
「早稲田に負けてから連敗が続いて、チームの士気もすごく落ちていたんですけど、最後くらいは勝ちたいなと思っていました。今日は相手が同じ2部の日大だったし、貴重な1勝だったと思います」

―出だしが良かったですね。
「そうですね。昨日の大東の試合は最後の競っている時に“自分が、自分が”という気持ちが強すぎてガードの仕事がちゃんとできなかったので、今日は冷静になってまわりを見ようと意識して試合に入りました。それが出だしから上手くいったんだと思います」

―途中、一回逆転される場面もありましたが、その時の心境は?
「“やばいな”という感じだったんですけど、でも試合が終わるまでまだ時間があったので、最後に勝っていれば勝ちは勝ちだし、慌てることはそんなになかったです」

―逆転された苦しい場面で高田選手が頼もしい活躍でしたが。
「いや、でももっと自分が打つなら勝負どころは決めて、もっと決定的なパスとかも出せるようになって、もっと成長したいと思います。もう試合に出はじめて3年目なので、そろそろしっかりしないと(笑)」

―#35山岸選手や#19田宮といった、昨年まであまり試合経験のない選手も積極的に攻めているのは良いですね。
「そうですね。あとから交代で出てくる選手が強気にいかないことも多かったので、そういうのは自分がもっと『思いきって行っていいよ!』と声をかけるように意識しています。それに、昨日今井さん(監督)からも『自分ひとりでやるんじゃなくて、仲間を信頼してパスを出せ』と言われて。それで今日も最後、大事なところで三角(#13)にパスをしたら3Pを決めてくれたじゃないですか。ああいう風に仲間を信頼して、もっとまわりを生かせる選手になりたいと思います」

―トーナメント全体を振り返っていかがでしたか?
「はじめ大会に入る時は早稲田と8決めで当たる組み合わせだったので、そこに一番気持ちを入れていたんですけど、やっぱりその試合を落としてからチーム状況も悪くて…。早稲田戦も内容が良くなかったので、すごく反省のある大会でした」

―早稲田戦は、出だしは良かったですが、2Q以降自分たちから崩れてしまったように思いました。
「そうですね。自分たちのプレーができなかったのが一番の敗因でした。しかも練習試合とかでは結構ブレイクも出るんですけど、早稲田戦はそれが1本も出なかった。やっぱりいつもと違うことをやってしまったら勝てないですし、そこは反省点です」

―ブレイクが出ない代わりにジャンプシュートの確率が良かったですね。去年よりチーム全体のシュート率は上がっているのでは?
「あ、一応毎日シュート50本インをやってから入るという風になったので、きっとその成果が出たのかなと思います」

―高田選手は2年生の頃から司令塔として頼もしい活躍でしたが、いよいよ4年生になりましたね。なにか変化はありましたか?
「最上級生なので、自分のことよりもチームのことを考えようと思うようになりましたね。やっぱり下級生が試合に多く出ているので、一個一個のプレーにもちゃんと声をかけてあげて、もっと試合に出ている人たちを盛り上げられるようにしていきたいと思います」

―リーグ戦に向けて。
「自分たちは身長もないし能力もないし体も弱いので、夏の練習を頑張って運動量で勝てるチームにしなきゃいけないと思います。あとはシュート力をもっと上げて、気持ちも高めていきたいです。リーグ戦は長いので今より疲労もたまると思うんですけど、それでも一試合一試合集中して取り組んでいきたいです」

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「楽しみだけど、プレッシャーもある」
昨年の想いを引き継ぎ、始まった挑戦

◆#21大野竜一(中央大・4年・主将・F)
130511ono.jpg今季は2010年以来の1部所属となる中央大。昨年までチームを牽引していた司令塔の佐藤や入戸野、また得点源だった小野や渡邉が抜け、ここから誰が台頭してくるのかは要注目だ。その中でやはり鍵となるのは上級生だろう。「真面目で努力家」と昨年の4年生からもお墨付きだった大野ら4年生に加えて、シューター#5谷口や、新たに司令塔を担う#31流田の覚醒も気になるところ。ここ2年間は“1部復帰”という使命にかかるプレッシャーを味わってきたが、今年はまた新たなる挑戦が始まっている。


―追い上げられて少し危ないところもあった試合ですね。それでも勝ちきれたことは大きいと思いますが。
「そうですね。青学の試合と関東学院の試合はチームとして崩壊していたので、この大東の試合とその前の日大の試合、ディフェンスでちゃんと粘れて勝ちきれたのは良かったかなと思います」

―“崩壊していた”というのは、どういう部分ですか?
「点差が開いた時に気持ちが切れてしまって…。オフェンスもだめでディフェンスもだめで、全部が全部つながってだめになってしまいました。そこを修正して、リバウンドとディフェンスを頑張って、気持ちを切らさずに戦えたのは良かったかなと思います。」

―追い上げられても、勝負どころで良いシュートや速攻が出ましたね。
「競っている時に速攻が出たのは大きかったですね。チームの特徴というか、強みにしたいのが速攻なので。うちは小さくて走らないと勝てないですから。そこは練習してきているので、出したいところですね」

―トーナメント全体を振り返ってどんなことを感じましたか?
「やっぱり出だしの入り方が重要だなとすごく思いました。最初に点差を離されて追う展開になると、うちのチームは悪い流れになることが多くて。出だしでリードしていると雰囲気も良くやれて流れも良くなるので、出だしですね。追う展開は苦手です。得点力がないので、最初にリードして逃げきるという形を作っていかないと、追い上げるのは大変ですね」

―得点源の小野選手(12年度卒)が抜けた分、オフェンスには苦労もあるかも知れませんね。
「はい。得点力がないのでこれからはもっとセットの練習とかブレイクの精度を高めていかないとリーグ戦は戦えないかなと思います」

―点を取ることに関しては#5谷口選手が奮闘中のような感じですね。
「谷口は得点力がすごく高いですね。でもまだ合わせができていなくて。自分たちも去年スタメンで出ていたような選手でもないので、合わせがまだまだです。そこはもっとこれから練習していきたいです」

―あとはポイントガードも代替わりしました。今は流田選手中心ですね。
「はい。あまり二人目がまだ…。八木橋(#15)とか、控えの中村(#0)、向後(#1)とか、いいところは持っているんですが、まだミスも多くて使われてないですね。リーグ戦までに間に合ってくれればと思います。」

―昨年の主力だった4年生が抜けて、新チームになってからチームの調子はどうですか?
「自分たちが入学してから3年間ずっと一個上の代が練習でも試合でも中心となってやっていたので、自分たちの代になって何をやったらいいのか分からない戸惑いはありました。それでコーチたちともミーティングを増やしたり、4年生同士でもチームの方針を話し合って考えたりしています。まだあまり上手くいっていないんですけど、色々やっていかなきゃいけないし、試行錯誤していますね」

―キャプテンとして心掛けていることはありますか?
「それはキャプテンになってからではないんですけど、やっぱり上に立つ人が練習でちゃんとやらないと下はついてこないと思うので、どんな練習でも一番頑張れるように心掛けています」

―キャプテンにはどういう経緯で就任したんですか?
「新人戦のときにキャプテンをやったので、その流れで…。今年はあまりキャプテンっぽい人がいないんですよね(苦笑)」

―去年の4年生たちは、大野選手たちの代は自主練も頑張る真面目な代だと言っていました。
「真面目で、やっぱりおとなしいかも知れないです(苦笑)。ついていく側の人間ばかりなので…引っ張る側というのは難しいですね。でもしっかり引っ張っていかなきゃいけないと思います。頑張っていきたいです」

―リーグ戦までにどんなところをレベルアップしていきたいですか?
「オフェンスの速攻が出なかった時に点を取れるようにしておくことと、あとは小さいのでリバウンド。青学とか関東学院とか負けた試合は、大きい人に中に入られると絶対リバウンドを取られていたので。それをどう対処するか考えてないといけないですね。あとはディフェンスをもっと強化して、得点力がなくても戦えるようにしたいです」

―今年は大野選手たちにとって1年生の時以来の1部復帰となります。心境はいかがですか?
「楽しみですけど、プレッシャーはありますね。去年せっかく上げてもらっても、日体大みたいに去年上がって落ちてしまったこともありましたし、不安はあります。でもそうならないように、頑張らなきゃなってみんな思っているので。少しでも上位に食い込めるよう頑張りたいです」

―今年、どんなチームを作りたいですか?
「やっぱり去年、一昨年くらいからチームの雰囲気も良くなっていったので、そういう中央の良い伝統を引き継いでいけるチームにしていきたいなと思います。全員で頑張る、ベンチに入ってない人も含め全員で戦えるようなチームにしたいです」

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「悔いの残らないように、自分の力を全部出しきりたい」
危機感からスタートした新チーム、どんな年になるか

◆#8戸ヶ崎祥一(大東文化大・4年・F)
130411togasaki.jpgリバウンドやディフェンスなど泥臭いプレーで味方を湧かせた戸ヶ崎。大黒柱の#86小野寺がファウルトラブル、主将の#55永井も怪我で欠場し、スコアラーの#30鈴木もまだ復帰過程で万全でないという状況の中で、コートに立つ数少ない4年生として下級生を支える姿勢が光った。
チームは14位という結果で大会を終えることになったが、大東大も他チームと同様に春の段階では昨年の4年生の抜けた穴に苦労している様子。これまであまり出番のなかった選手が主力を担うようになり、経験も完成度もまだまだこれからと言えるだろう。主力が抜けた分、危機感から練習もより真面目になったと戸ヶ崎も話す。その努力を秋のリーグ戦にぶつけてほしい。


―惜しい試合でしたね。出だしは相手ペースでした。
「はい。後半は普通に自分たちのペースでできたところもあったんですけど、イージーシュートをこぼしたり、追い上げた時にディフェンスが甘くてスリーを決められたりして、どこか勢いに乗りきれない感じでした。それでまた開いたりしてしまったんだと思います」

―戸ヶ崎選手はリバウンドがさすがでしたね。ブロックなどディフェンスも良かったです。
「それはもう、出ているかぎり自分の仕事なので。やるのが当たり前という感じです」

―トーナメントは14位という結果になりました。振り返っていかがですか?
「まだうちは力がないなという感じですね。競ったゲームで勝てないことが多かったので。競った時に勝ちきれないのは、イージーシュートだったりディフェンスのところだったりが原因だと思うので、それはリーグ戦に向けてしっかり練習していきたいです。あまり経験のないチームなので、それはこれからだと思います」

―主力だった代が抜けてチームもがらりと変わって、最上級生としてやらなきゃという気持ちもあると思います。
「それはありますね。引っ張るタイプじゃないので難しいかも知れないですけど、自分は去年から試合に出させてもらっているので気持ち的には一番余裕があるんじゃないかと思うし。下級生が多いので、しっかりしなきゃいけないですね」

―新チームは戸ヶ崎選手の目から見てどんなチームですか?
「去年より力が無いのはみんな分かっているので、練習も去年より真面目というか、頑張っています。危機感を持ってやっているかなと。今年は誰とかじゃなくチームみんなで戦う感じですね」

―そういう危機感からか、山崎選手などもちょっと顔つきが変わってきたように感じます。
「そうですね。隆一さん(岸本隆一・12年度主将・現bj琉球)たちがいなくなって、あいつも次のエースとして自覚が出てきたのかなと思います」

―トーナメント前はどんな練習をしてきたんですか?
「結構、練習試合が多かったです。そこでは手応えもあったんですけど…。いざやってみたら練習試合とは違いますね。経験がないので公式戦の雰囲気に呑まれてしまった部分もあるかなと思います」

―リーグ戦に向けて。
「小さいので、ディフェンスをしっかりやってオフェンスでは決めるところでちゃんとイージーシュートを決めて、チームみんなで戦っていきたいです。自分も、悔いの残らないように、自分の力を全部出しきれるようにやっていきたいです」

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「“波ある国士舘”ではなく“安定した国士舘”へ」
今年は今年で作り出す新たなチームカラー

◆#4松島良豪(国士舘大・4年・主将・G)
130411matsushima.jpg昨年から段々とディフェンシブなチームとなり、今大会もオールコートプレスを立派な武器にして戦っていた国士舘大。例年以上に走り込んだという成果が、チームのスタイルに表れていると言える。オフェンス面では、今年は誰かエースに頼りきることなくみんなで攻める形を目指すという。「完成度はまだまだ」と言うが、そうした形を作っていければ目指すチームの安定感に結びつきそうだ。
主将を務める松島は、誰よりも声を出して盛り上げ役も担う。そうした明るさをまわりに伝染させ、チーム一丸となって今後のシーズンも戦い抜いていけるか。


―出だしは重くなってしまいましたね。
「そうですね。でもまぁ、いつも通りかなって(苦笑)。良くないんですけど、うちは出だしが良い方が珍しいくらいなので、そういう意味では慌てることなく戦えたと思います」

―確かにいつもプレスディフェンスから追い上げる形ですよね。
「はい。昨年のリーグ戦から『ディフェンスが良い』とまわりの方から言われるようになって。自分たちではそんな意識もなかったんですが、それが今年も続いていて、前からプレッシャーをかけた時に相手が引っかかってくれました。筑波とかにも効く場面があったのでディフェンスは今大会通して自信になりましたね」

―よく走れているなと思いました。
「今年の春に、今まで以上に走ったんです。外を8キロ走って、そのあとマルチ、そのあとまた別のランメニュー、みたいな日も普通にありました。一週間で40キロくらい走る期間もあったので、それが今に生きているのかなと思います。2月の後半から3月の終わりにかけて相当走り込んできたつもりなので、走ることに関してはみんな自信を持ってやっています」

―トーナメント全体を通していかがですか?
「昨年は試合に出る人が少なくて層が薄かったんですけど、今年は色んなメンバーが出ているし誰が出ても大丈夫なくらいの実力をみんな持っていると思います。今の2年生も結構試合に出ているし、留学生二人も大学に来て出始めて。完成度はまだまだですけど、色んなチームと戦って良い経験ができたと思います。特にディフェンスの部分で得られたものが多かったので、また秋のリーグ戦に向けて体づくりやオフェンスの部分をもう少し練習していって、インカレの切符を勝ち取りたいと思います」

―昨年のチームから曹選手と平田選手という二人が抜けて、その分いろんな選手が出番を得て穴を埋めているんですね。
「やっぱり去年はあの二人にオフェンスの5割くらいは頼っていたので、正直きつい部分もありますが、でもそこはみんなでカバーしようと言ってやっています。去年は去年、今年は今年のカラーがあると思うので、そこは気にせずみんなで力を合わせて補い合いながらやっていきたいですね」

―大黒柱とエースが抜けた分、みんなやらなきゃという気持ちを持ってやっているのでは?
「それはありますね。やっぱり今年に入ってからみんなも練習を真剣に取り組んでくれて。自分はキャプテンですけど、まわりのみんなが一生懸命頑張っているしついてきてくれるので、本当にやりやすい環境です。それはみんなに感謝したいですね」

―キャプテンとして心掛けていることはありますか?
「練習を大事にしようかなと。練習でしっかりやらないと試合でやれるわけがないので。いつも『波がある国士舘』と言われますが、それはやっぱり練習が良い日と悪い日があるからなんじゃないかと思います。そういう日を少なくして、今年は『安定した国士舘』と言われるように、キャプテンとして色々目配りや気配りをしてやっていきたいです。まぁでも自分はこういう感じのキャラなので、楽しんで。練習は厳しく、試合は楽しくやっていきたいと思います」

―リーグ戦まで期間があきますが、どういう部分を頑張りたいですか?
「基本的にはまず体作りからはじめて、そのあとに技術面を高めていこうと思います。今回のトーナメントで分かったように、下級生はまだまだ上級生に押し負ける部分があったので、そういうところを鍛えて練習していきたいです」

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「4年生全員でチームを作ろうと話し合ってきた」
頼もしきリーダーたちの支えで手にした3連勝

◆#20早川達耶(神奈川大・4年・G)
130411hayakawa.jpg拓殖大には惜しくも敗れたが、順位決定戦では接戦を勝ち抜き3連勝を果たした神奈川大。その強さの秘密は、幸嶋監督も絶大な信頼を置く4年生の存在が大きい。エースの#7古橋に加え、身を挺することを厭わない主将の#29田村ら、今大会のスタメンは全員4年生。司令塔の早川も、延長戦では勝負を大きく引き寄せるシュートで仕事を果たした。
9位といえど、春先からチーム状況も良好だった神奈川大。高さのハンデを、執拗なディフェンスでカバーする戦いぶりはさすがだった。秋に向け、さらにチームの完成度を上げてほしい。


―9位入賞おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか?
「いや、本当に嬉しいの一言ですね。今年に入ってコートに出ている5人だけじゃなくベンチメンバーも含め全員でやってきたので、あとから出てくる選手もディフェンスやリバウンド、ルーズボールみたいな泥臭いプレーを頑張ってくれました。それが勝ちにつながったんだと思います」

―神奈川大らしいディフェンスも要所で出ましたね。
「12月からディフェンス練習を始めて、最初はフットワークとかボールのない練習で、それを続けてきたことが最後こういうところに出たかなと。リーグでもそれは続けていきたいです」

―課題としては、リバウンドに飛び込まれて流れを奪われた部分があったかと思いますが。
「田村(#29)がずっと拓大戦からインサイドで留学生とかを抑えてくれていて負担も大きかったので、その分みんなでボックスアウトをしてリバウンドは取りにいかないといけないですね。そこは反省点です」

―自分自身のプレーはいかがでしたか?ミスもありましたが、勝負強いシュートを決めたことは大きかったと思います。
「そうですね。本当にミスばかりで、3Q目まで全然だめだったし、4Q目も審判にイライラしてしまった部分がありました。でも延長戦に入る時に切り替えてやろうと思って、それが結果につながったかなと思います」

―最後のジャンプシュートはもともと自分で打とうという作戦で?
「そうですね。古橋(#7)も吉永(#24)も退場してしまったので、幸嶋さん(監督)からも自分でピックをかけて行っていいという指示でした。それで思いきっていこうかなと」

―勝負強かったです。トーナメント全体を振り返って、接戦が多かったですね。
「今年に入って練習試合も結構やってきて、トーナメントの試合も合わせて結構接戦で勝てるチームになってきたかなと思います。拓大には負けましたが、そこから3試合勝ってきているので、少し自信になったかなと。これを切らさずリーグ戦も頑張りたいですね。サイズがないので大きい留学生のところを守らないと勝てないチームだと思うし、2部のリーグでもしっかり神大のディフェンスを頑張って、オフェンスでは古橋とかに気持ちよく攻めさせられるように意識してやっていきたいです」

―新チームになって調子はどうですか?
「今年に入ってから、4年生全員でチームを作ろうという風に話し合ってきました。キャプテンの田村(#29)、副キャプテンの瀧澤(#1)、古橋、曽根(#33)、自分の5人がとりあえずスタートで出ているので、4年がチームを引っ張ることが大事だと思うし。田代(#14)とか1年生も出ているので、ミスしても自分たちがカバーしてあげて、思いきってやらせてあげられればなと感じています」

―リーグ戦までの期間はどういうことを頑張っていきたいですか?
「自分個人の課題としては、ドリブルがまだプレッシャーをかけられるとミスしてしまうのでそこを修正するのと、チームとしてはもうちょっとディフェンスを良くして、どんなチームも60点台に抑えられるように。そうすればゲームも崩れないし自分たちのペースにもなってくると思うので、そこをしっかり意識してやっていけたらなと思います」

―オフェンスに関しては、ガードとして何か意識していることはありますか?
「いや、特にはないですけど、自分が行けたら行って、行けなかった時はセットプレーをしながら自分たちでアジャストして。あとは、ブレイクがもうちょっと出ればもう少し点数も伸びるかなと思います」

―点取り屋の増子選手(12年度卒)が抜けましたが、古橋選手に加えてまわりの選手も積極的に点を取りにいっているのが良いですね。
「増子さんがいた時は本当に頼りっぱなしだったんですけど、増子さんが抜けてああいう風にドライブで切る選手がいなくなって、新チームになって最初の方は古橋に負担がいってしまったんです。それで古橋も点が取れなくなって、フラストレーションがたまって全部自分でやっちゃうみたいな感じになって…。でもそこで田村とか曽根がインサイドで頑張ったり、自分もドライブとかしたりして、うまく崩しながら古橋に打たせてあげようと。それは自分と田村と曽根と3人で話して、古橋に気持ちよく打たせてあげようというのを話し合ったんです。今日も最後の方、勝負どころで古橋が決めてくれたので、ああいうのを今後もやっていければなと思います」

―ここからどんなシーズンにしていきたいですか?
「今年は僕ら4年生でチームを作っていくということですが、キャプテンの田村が真面目なのでチーム的にも真面目で良いチームになると思います。そういう良さを出しつつ、楽しくやっていきたいですね。目標は1部昇格なので、それを目指して頑張りたいです」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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