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2010.11.04 (Thu)

【2010リーグ2部】10/31 神奈川大VS関東学院大 第2戦

【関東学院大、ついに1部昇格に挑戦】
101031papu.jpg 第1戦では神奈川大が1Qに31点をたたき出し勝利を引き寄せたが、第2戦の立ち上がりは逆に関東学院大が11-2とリードした。神奈川大は関東学院大#1パプ(4年・C)がボールを持てば必ず数人寄ってよく守ったが、関東学院大も長いリーグを経てパプに寄られた後の対応が落ち着いている。結局、前半は40-33と序盤の点差のまま終える。

 3Q、神奈川大は幸嶋監督が「ここだぞ!」と声を掛けるなど仕切り直したいところ。3Q5分に関東学院大#1パプがベンチに下がった機がチャンスだったが、関東学院大のターンオーバーを速攻に持ち込むもののシュートを落としてしまうなど惜しいオフェンスが続いて詰めきれない。一方の関東学院大はもう1人のエースである#32前田(3年・F)にボールを集めると、3Pシュートやジャンプシュートなどで応えて“前田タイム”の様相となる。#1パプが戻るまで点差をキープした。

 しかし、神奈川大もこのままでは終わらない。10点前後のビハインドが続いていたが、4Q5分に#0佐藤(3年・G)の3Pシュートなどで68-63まで追い上げ、関東学院大にタイムアウトを取らせる。しかしなおも粘り、#11内藤(4年・F)のフリースロー、#9大山(3年・G)の得点でついに2点差まで追い上げる。が、あと1本歩が出ない。その間に関東学院大は#32前田が3Pを、#1パプがゴール下シュートを決めて突き放し、残り3分73-68で今度は神奈川大のタイムアウトとなる。その後も神奈川大は必死にくらいついていくが、残り40秒で#1パプに3Pを決められてしまい、80-70で力尽きた。

 関東学院大は2004年には2部に在籍したが、その後3部Bまで降格が続き苦渋を舐めた。しかし、2007年にパプが入学するとトーナメントでいきなり3位入賞を果たし、パプ以外にも原石が揃うことを示す。2008年にはパプを擁しての1部でのプレーを夢見て2部入替戦に臨んだものの、拓殖大に敗北という挫折も味わった。その後、元JBLプレイヤーの堀コーチを招き、全国で活躍したルーキーも獲得した。そして今シーズン、昇格したばかりの2部を5敗で乗り切り、満を持して1部入替戦に挑戦する。“V字昇格”を達成できるかどうか、注目が集まる。

 一方の神奈川大は、2部4位と“先輩超え”を果たした。早稲田大・白鴎大・関東学院大に勝利を挙げたことが大きかったが、それだけに逆に取りこぼしとも言えるゲームもあった。しかし、それも含めて、これが今の神奈川大と言えるのだろう。幸嶋監督は「1年で本当に成長した」としみじみと語り、4年生もすがすがしい笑顔を見せた。インカレと1部入替戦への切符を手にできる3位との差は1ランク差という数字以上に大きいが、試合終了後に涙を流していた後輩達には再チャレンジの権利とチャンスが残った。

写真:タイムアップとともに、両手を突き上げた関東学院大#1パプ。万感がこもる。

※神奈川大・八幡選手、内藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW
神奈川大の“頑張れる選手”の代表
その姿を後輩に残し、コートを去る

◆#51八幡紀芳(神奈川大・4年・G・主将)
101031yahata.jpgリーグ戦が9週になり、「大変だった」と語る選手が多い中で、八幡だけが「このチームで試合が出来る期間が長かったのはよかった」と答えた。9週間、決して楽しかったことばかりではない。むしろ“辛かった”。本人も思わず苦笑いしてしまう程、そのストレスは体にも表れた。それでも、投げ出さずに責任を持って主将という役割を全うした。
主将として、コートに立ってチームを引っ張ることができないもどかしさを常に抱えていた。それでも、我々には見えない普段の練習、そしてベンチでは精一杯を表現した。
全てを終えた八幡の目は涙でいっぱいだった。しかし、とても穏やかだった。
「神大でよかった」
自分に関わった全ての人に感謝しながら、八幡は学生バスケを終えた。


—リーグを振り返っていただきたいのですが、終えてみていかがですか?
「最初は自分たちがどれくらい出来るんだろうと思って臨みました。どこのチームとも競った試合が多くて、全部取りこぼし無く勝っていればもっと上を狙えたなと思います。そういう意味では、実力はあったんですけど、春から課題だった、“相手を見てやってしまう”という部分が出てしまったかなと思います」

—リーグを通して成長したところ・課題は何か見つかりましたか?
「成長したところは、途中で諦めなくなったところと、雰囲気が悪くなった時にどうにかしようという風にみんなで頑張ったところです。課題はたくさんあるんですが、僕がもう少し厳しくしていれば、結果ももう少し変わったのではないかなというのは感じます」

—今年度からリーグ戦が9週になり試合数が増えましたが、それについてはどう思いますか?
「長かったですね。長くて辛かったんですけど、このチームで試合できる期間が長かったという面では、よかったなって思います。ただ、勝たなきゃいけないプレッシャーがいつもより長引いたのと、チームのまとまりを持続させなければならないところが辛かったですね」

—今後も9週を戦っていく下級生に9週を戦うアドバイスをするとしたら?
「“チーム力”がないと乗り越えていけないというのをすごく感じました。あとは、ケガ人が多かったので、ケアなどの細かいところをしっかりやっていかないと結果は出てこないと思います」

—さて、この試合をもって引退という形になりました。4年間を振り返っていかがですか?
「辛かったことの方が多かったんですが、よかったこともありました。僕は幸嶋さんに誘ってもらって、“プレイヤーとしてダメだったらマネージャーとしてやってくれ”って感じで入学したんです。最後にプレイヤーを続けてこられたことはよかったと思います」

—辛かったことが多かったとのことでしたが、途中で投げ出さずに最後までプレイヤーとして頑張ることができた要因は何だったんでしょうか?
「高校の時もいい選手がたくさんいて、とにかく頑張らないと試合に出られなくて。でも、幸嶋さんはそういう頑張るところを見て、僕を取ってくれたので、大学でも頑張らないと、と思ったんです。ちょっとやそっとでやめてしまったら幸嶋さんに申し訳ないという気持ちがあったので頑張れました」

—主将として過ごした今年1年は、どんなシーズンになりましたか?
「春に初めて大きなケガをしてプレーできなくなりました。その時にすごく悔しい思いをしました。長いリーグ戦をキャプテンとしてやってみての感想は、辛いことのほうが多かったなと。でも、こういう形で終わってみて、“このチームで良かったな”って思うし、このチームでキャプテンをやってきてよかったなって思います」

—昨年、いい結果を残しただけに、今年も勝たなければならないというプレッシャーは常にあったのではないですか?
「それはありました。先輩がいい舞台を用意してくれてたので、負けてはいけないし、いいゲームをしなければいけないという意識がずっとありました。僕らの代で3部に落としてはいけないというのも、もちろんです。毎試合いい試合をしようということと、見てくれた人に悪い思いをさせないような試合をしようということは、ずっと幸嶋さんと話していました」

—幸嶋監督が、八幡選手は一時、悩みすぎてノイローゼ気味になって、落ち込んでしまった時期があったけれど、しっかりと乗り超えたとおっしゃっていましたが。
「そうですね(苦笑)。春はプレーではないところでキャプテンとして怒られました。リーグ戦は、自分ももっと試合に出たかった。でも、それだけに集中してしまうとチームがダメになってしまう。チームの練習の雰囲気もよくしないといけないし…ってことですごく悩んで。練習前に頭が痛くなって、それが練習中にも続いてしまったり、ひどいときは吐き気がするくらい辛くて…(苦笑)。でも、それでも頑張らなきゃいけないなって思ったし、何よりも仲間が助けてくれたので。今年のリーグ戦は助けられてばかりでした」

—最後までプレイヤーとして頑張って、更に今シーズンはキャプテンとしてチームをまとめたということは、幸嶋監督への恩返しになったのではないでしょうか?
「入学する時から、幸嶋さんになんとか恩返しをしようというつもりでやってきました。でも、恩返しできたのかな…?(苦笑)自分が病んでる時期は何もできなかったので。チームもバラバラになってしまいましたし。僕らがダメになりそうなときは、いつも幸嶋さんが“お前たちは目標のために頑張っているんじゃないか”って言って下さって。いつも助けられていました。なので、恩返しできたのかは、自信が無いです」

—最後のハドルでは涙もありましたね。どのようなことを後輩たちへ伝えたのですか?
「4年間やってきて辛いことも多かったけど、そういうところでめげる選手ではなくて、頑張れる選手が多くなれば、神大はもっと強くなるから、という話をしました。それと、今年1年のことですね。涙は内藤が泣いたから、自分も泣いてしまいました(笑)」

—辛いことも多かったようですが、自分自身が成長できたことも実感できる、そんな4年間だったのではないでしょうか?
「そうですね。本当に、神大でバスケができてよかったです」


「皆に支えられてバスケットをやって来られて感謝」
外国人選手キラーのラストシーズンは成長の手ごたえとともに

◆#11内藤義博(神奈川大・4年・F)
101031naitou.jpg神奈川大といえばガードの印象が強いが、その中でルーキー時からインサイドで奮闘してきたのが内藤だ。
本当は小島という同学年・同ポジションの選手がいたが、ラストシーズンはコートに立つことが叶わなかった。
その分まで内藤は声を出し、身体を張り、ゴールへ向かった。190センチながら2部に居並ぶ屈強なセンター陣と渡り合った。
そんな内藤のトレードマークと言えばやはり“スマイル”だろう。
最終戦でもビハインドながら、楽しそうに笑顔を浮かべて声を掛けていた。
この“楽しさ”を下級生に託して、神奈川大の4年生としての役目を終える。


―最後のリーグを終えて、今どんな気持ちですか?
「もう…自分のやることは全部やりきって、これで学生バスケは引退なので、すっきり去っていけるかなと(苦笑)。ただ1つだけ、4年生と一緒にコートに立ちたかったんですが、2部はどこのチームも強いので、なかなかできなかったのが残念です。でも、なかなか試合に出られない4年生も応援してくれて、裏の仕事も率先してやってくれるなど本当にいいやつばかりで、とてもやりやすかったです」

―コートに立つ側の一員として、内藤選手の“自分のやること”というのは?
「センターが下から声を出せと以前から言われていたのと、試合に出るのは後輩が多い中で自分は4年生なので、周りを励ましていくことです。自分は叱ると言うより褒めて伸ばすタイプ?なので、ミスしてもいいからお前ができることをやれとか、いいところをどんどん伸ばす感じで、下から声を出していったつもりです」

―確かに去年は4年生が多くコートに立つチームだっただけに、自信を持たせると言うのは大事なことですね。
「はい、やっぱり去年の先輩たちに頼っていた部分がすごく多かったので、メンバーががらっと変わって、最初は自分達のカラーを作るのも大変でした。色々試行錯誤して、最終的には明るい感じで、本当にコートでは皆笑ってできたと思います。ベンチも応援席も皆笑顔でバスケができたと思うので、本当にそれがよかったです」

―楽しくというカラーに行き着いたのはいつ頃なんですか?
「夏ごろですね。夏の練習がかなり走る厳しいものだったのですが、そこで皆で励まし合う中で団結力が高まって、チームが1つになってきたという手ごたえがありました。それに加えてリーグ戦で試合を1つずつ終えるにつれて、自分でやっていてもどんどんチームが強くなっていると感じました。本当に、まだまだ成長できるチームなんです…終わってしまったので言ってもしょうがないんですけど(苦笑)」

―リーグ戦では、白鴎大、関東学院大とセネガル人選手のいるチームに勝利を挙げましたが、マッチアップのコツは何かあるのですか?
「正直、日本人センターよりやりやすかったです。外国人選手は身体は大きいですが中のプレーが多いので、逆に言えば守り方が簡単なんですよ。身体を張れば嫌がるし、それでいらいらさせることができればかなり優位になります。今年のリーグでもそれができて、向こうのファールがかさんだりシュートが力んだりしたので、そういう面で止めることができたんじゃないかな?と自分では思っています」

―他に神奈川大に来て成長できたなと思うところはありますか?
「成長しましたかね…?(笑) まあ、高校のときに比べれば、うまくなれたかなとは思います…自分では。自分には巧さはないので、運動量でカバーすること、それから元気だけがとりえなのでガッツでチームを引っ張っていければと思いながら毎回試合に取り組んできました。来年も誰かがそんな役をやってくれたらいいなと思います」

―来シーズンに向けて、下級生たちへメッセージはありますか?
「来年も2部でできるので、来年こそインカレに行ってほしいです」

―そのインカレに出るには何が必要だと、今年1年2部でやった上で思いますか?
「そうですね…やっぱりうちは波があるチームで、いいときは本当にどこにも負けないくらい強いチームだと思うんですが、下を向いちゃうと皆どんどん下向きになって悪い流れが出てしまいます。練習でも気が抜けてしまう部分が少なくなかったので、練習や普段の生活から引き締め直してやっていって、波を少しでも減らせればもっともっといいチームになれると思うので、頑張ってほしいです」

―試合後の、今シーズン最後のミーティングでは、どんなことを話したのですか?
「実は途中泣いちゃって覚えていないんですけど…(苦笑)、今日も応援に来てくれた先輩がいて、4年生は何でも話し合えるいい仲間だったし、後輩達も先輩後輩関係なく付き合ってこれて。幸嶋さん(監督)をはじめ教えてくれた人たちも皆、皆本当にいい人たちばかりで、本当に皆に支えられてバスケをやって来られたので、それを感謝していますと伝えたつもりです。伝わっているといいなと…思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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