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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2014.05.25 (Sun)

【その他の試合】京王電鉄杯レポート

2014年シーズンの本格始動に向けて
見えてきた新チームの形


140506nomoto.jpg 5月4日~6日まで10大学が参加する恒例の京王電鉄杯が行われた。5月末に行われる関東大学トーナメントの前に、現状のチーム力をはかるひとつの目安になるともいえる大会だ。新チームとなってまだ数か月、まだ試行錯誤する中での戦いになるが、トーナメント前に1部や2部の有力校がお互いのチームを知る場でもある。ここで得た課題や収穫を精査し、突き詰めあるいは改善することで本番であるトーナメントに臨むのが大抵の流れだ。NBLのプレーオフも開催されているゴールデンウィークの中、会場となった早稲田大学や明治大学をいっぱいに埋める観客が詰めかけ、新シーズンに対する期待値の高さを伺わせた。

 各大学の順位別に、主力選手のコメントとともに紹介する。

写真:今季の大学界では最も注目すべき選手のひとりとなる、青山学院大・野本。


【優勝:青山学院大学】
ヘッドコーチ交代とともに一からのスタート

140506takahashi.jpg 昨年に引き続き優勝となった青山学院大学は、代表クラスの選手であった張本天傑(現NBLトヨタ自動車アルバルク東京)や永吉佑也(現NBL東芝神奈川)、強いキャプテンシーの持ち主である畠山(現bj大阪エヴェッサ)など、一気に主力選手が抜けた。だが大黒柱の#7野本(4年・F)の力強いプレーを中心に、走ることとともにここまで重点的にやってきたというしっかりしたディフェンスも見せて優勝。昨期まで青学大を率いた長谷川監督が全日本のヘッドコーチに就任したたため、昨年よりその指揮を分けあっていた広瀬コーチが今季より指揮官となる。主将の#5高橋(4年・PG)は「昨年はリーグ戦は広瀬さん、トーナメントとインカレは長谷川さんが仕切る形でしたが、やはりそれぞれ違う部分がありました。長谷川さんも熱さを求める人でしたが広瀬さんからはそれ以上にもっと熱くなっていこうと求められています。広瀬さん自身も声だして指導してくださっているので、刺激を受けている僕達はそれをコートで表現していきたい」と昨年までと異なる部分を挙げる。それ以外にも「今まではどっか先輩達に頼る部分があったのですが、自分達が最上級生なので自立して、自分達が引っ張っていかなければいけない」と4年として、主将としての決意を語った。身長がない分、ディフェンスが鍵になるが「これはみんな分かっていること」と、課題を見据えていた。

写真:主将・高橋は今大会ベンチからのスタート。スタートのメンバーはまだ変わりそうだ。


【準優勝:早稲田大学】
早い展開が功を奏し、昨年に引き続き準優勝

140506kawai.jpg 今季は2部リーグで戦うこととなる早稲田大学。3月の六大学リーグでも見せたガード主体の早い展開の試合を今回も続け、まずまずの手応えを掴んだようだ。#34池田(3年・G)、#16山本(3年・F)、#15木村(4年・F)らをケガで欠いたが、#11河合(2年・G)を中心にルーキーの#9新川(1年・F・京北)ら期待の選手が活躍。決勝の青学大戦では相手フィジカルやディナイに対応しきれず差が出てしまったが、一定の成果は見えた。今年は全体的にサイズが小さいということもあって、走ってテンポ良くシュートを狙うスタイルを目指していると言う。「この3日間でだいぶ形になってきて、いい大会になった」河合。オフ中はとにかく走って体力増強に務め、このチームになって数ヶ月だが、下級生とも走って合わせることができ始めたと、先が見えてきたことにホッとした様子だ。「昨年とは全く違う早稲田」を実現するためにも、今年は「チームを引っ張っていけるようになりたい」と、2年生ながら自覚もある。「勝つことは大事だが、それ以上に自分たちのバスケでどこまで相手とやりあるか」をトーナメントでも追求する構えだ。

写真:チームを引っ張った河合。今年は「僕らの中では昨年とまったく違う早稲田」と、新しいスタイルの定着を目指す。


【3位:明治大学】
既存の主力に新戦力がいかにマッチするか

140506nakahigashi.jpg 昨年インカレ準優勝に輝いた明治大学。主力の4年生たちがここも一気に抜け、新チームの様相はガラッと変わった。しかし今年度の李相伯杯代表であり、春は継続的に代表合宿をこなしている#37安藤(4年・PG)、#12中東(4年・SG)はチームの主力として頼もしい存在。六大学リーグに続きこの大会も全試合には出場しなかったが、大事な場面では存在感を発揮した。ふたり以外には下級生が多く試合に出ることになったが、この上級生と下級生のアジャストが課題と主将の#18小山(4年・PG)は言う。「新戦力を試したいとコーチは考えていると思うので、1、2年生と上級生が一緒に試合に出て、ちょっとずつ合ってきてるのが収穫。課題はディフェンスの甘さ。チームの約束事だったり、一線のプレッシャーだったり、そういうところを手を抜かずに徹底的にやるっていうのが目標なので」と言うが、1年生や昨年のベンチ経験がないメンバーにはまだ「気持ちがふわふわしている」と甘さを指摘。「そこを試合に出ていたメンバーで、僕も含め、声をかけてモチベーションを高くさせて、全部の試合に挑みたい」。昨年、一昨年のチームに習い、「良いチームにしたい、明治っていいチームだと思われたい」という最上級生としての責任と目標もある。それをどこまで感じさせてくれるかも今年の見どころになるだろう。

写真:この大会ではペイント内でのプレーも多く見せた中東。安藤とともにまだ全力を出すまででもないといった様子が見えた。


【4位:拓殖大学】
見えたのはチームの全員で戦う姿

140506akaisi.jpg 拓殖大は大会2日目にエースが#14大垣(4年・F)が負傷欠場となったが、#23バンバ(2年・C)は安定の活躍を見せ、ルーキーも思いきりの良いプレーを見せて新チームの可能性を見せた。今年李相伯杯代表にも選ばれた#99赤石(3年・C)は、「チームとしてやれることはやっていて、いい点も悪い点も見えた。今年は絶対的という選手はいないけれど、チーム全員で戦っていると思う」と前向き。一方で、1年生とのゲーム中のコミュニケーションやローテーションなど、細かい部分はまだ課題だという。昨年チームの支柱だった藤井(NBL東芝神奈川)が抜け、今期は選手層をいかに厚くしていくかが大事になりそうだ。その中でも「代表は高いレベルの選手もいて、刺激も多い。学んだことをチームに持ち帰れたら」と言う赤石の活躍も、大いに期待したい。

写真:常に前に出るタイプではないが、ここぞというときの働きが期待できる明石。バンバ、大垣に続き期待に沿う活躍となるか。


【5位:専修大学】
この大会で得た良い部分をチームの糧に

140506tashiro.jpg 絶対的エースだった宇都(現NBLトヨタ自動車アルバルク東京)が卒業した専修大。ゲームをひとりのエースが支配していた状態から今年は違う形になりそうだ。「誰かが40点取るっていうプレースタイルじゃないですね。みんなで点を取って、みんなで守るチーム」と言うのは#24田代(3年・F)。宇都の次を担うエース候補だが、3年になって自分がやらなければと周囲にも発破をかけられ、意識も変わってきたようだ。試合経験があるメンバ―があとは#47藤田(4年・C)ぐらいで残りが下級生となってしまうため、このふたりに求められれているものは大きいようだ。だが今大会では下級生ものびのびプレーして「接戦で勝てたし、下級生も経験を積めた」と良い部分が見えた。それをトーナメントを手始めによりしっかりと形にしていきたいところだろう。

写真:練習試合では負けてばかりで、コーチ陣にも「お前がやるんだ」と発破をかけられて責任感もより強くなってきたという田代。チームを背負って立つエースだ。


【6位:中央大学】
1部復帰という明確な目標に向けて

140506taniguchi.jpg 最終戦となった専修大戦では、シーソーゲームで最後までわからない展開となったが、惜しくも最後のシュートが外れて6位となった中央大。「今まで練習でやってきたことを、勝ち負けにこだわらずやってこうとしてたんですけど、できる部分もあったしできない部分もあったし課題もできたなっていう印象」と主将の#5谷口(4年・F)。だが新入生がチームを勢いづけるようなプレーを見せ、昨年後半より存在感の出てきた2年生の#25森(2年・F)も光った。今年の目標は1部復帰が絶対的な目標になる。「それに向けて春どこまでできるかっていうのを、トーナメントだったり、こういう試合だったり試して、その課題を秋に克服してリーグ戦にいい形で望めるよう頑張っていきたい」と言う。目標は明確でシンプル。それをいかに達成できるかが今年の見どころだ。

写真:今年は朝練も取り入れてチーム力向上をはかっているという中央大。1部復帰という結果につながるか。


【7位:慶應義塾大学】
試行錯誤を越えていかにチームの形をつくるか

140506ito.jpg 10年間チームを指揮した佐々木HCの退任により、慶應義塾大学も新体制でシーズンに臨んでいる。六大学リーグでは持ち味を生かした部分を見せて優勝したが、京王電鉄杯では逆に迷いが出て重い試合が続いた。「チームで何をしたいかという方向性についてみんな悩みながらやっていて、100%の力を発揮できてるかといわれるとできていない」と主将の#4伊藤(4年・G)。共通理解と方向性についてまだチームがひとつになれていない様子が見える。今年は学生主体だからこそ「言いづらいことを自分が言っていく必要がある」と主将としてどうあるべきかを感じているようだが、どこまで突き詰められるかが大事だろう。春の最大の目標を早慶戦の勝利と掲げるが、それには前哨戦ともなるトーナメントでもチームの形が明確になっていなければ話にならない。電鉄杯の反省を活かせるかどうかが鍵だだろう。

写真:慶應大は昨年までとスタイルも各選手の役割も大きく異なる。模索が感じられるが、攻守、メンタルともに慶應大らしさは今大会ではいまひとつ発揮ならず。

 
【8位:法政大学】
新しい法政大を見せるための挑戦

140506numata.jpg ポイントゲッターの#16沼田(3年・C)と#24加藤(3年・F)がケガなどもあって思うように出場できず、今大会では納得いく内容ではなかった法政大。1部復帰となる今年は沼田「自分から変わっていかなくてはチームは変わらない」と、チーム一と言われるストイックさで、変革を期している。しかしそうした努力も「他の1部大相手に試合で通用しなければ足りないということ」と、結果が出なかったことに厳しい表情を見せた。1部では最下位からのスタートとなるだけに、危機感も人一倍強く持っている。「法政だったら勝てると思われたくない」と、上級生となった今年は率先してやり続け、他のチームメイトにもついてきてもらわなければ、と強い意志を見せる。「変わらなくては」と何度も繰り返したその口調からも、その思いの強さが感じられた。トーナメント、リーグ戦といかに1部チームの中で存在感を見せられるか、ここからがスタートだ。

写真:ダブルチームなど、昨年より激しいディフェンスを受けた沼田。しかしその中でも「自分の仕事ができるようでなければ」と甘えはない。


【9位:日本大学】
ここからどう変化・成長するかが今年の見どころ

140506komaki.jpg 主力に怪我人もあり、ベストメンバーではなかった日本大は9位。その代わり「自分を含め、控えの選手が試合に出る機会をもらえた」(#4佐藤・4年・SG)と言う状態だった。元々選手層は厚く、能力が高い選手でもなかなか出番を得にくいチーム。そういう意味ではさまざまな選手を見られた大会となった。まだ試合に出るメンバーも流動的で、ここから。層の厚さは十分あるはずで、そうした選手同士で切磋琢磨しあうことで結果につながっていくことを期待したい。今年はやはり昨年惜しいところで逃した入れ替え戦進出が目下の目標となるだろう。「力は持っていると思うので、あとはどう出すかが課題」という佐藤。春からその地固めをして、秋以降に集大成とできるかどうか、この1年を通じて注視したいチームだ。

写真:昨年はケガでほとんど出場できなかった小牧が復帰。その得点能力でチームの躍進に一役買えるか。


【10位:東京大学】
上位大と戦う経験をいかに自分たちの身にするか

140506imafuku.jpg 10大学の中で唯一4部に属する東京大。実力的には他大学と開きがあるが、善戦する試合もあり、法政大戦では最後まで粘って同点に持ち込む健闘を見せた(規定により延長戦は行われず)。主将の#14今福(4年・F)は、六大学リーグ戦における法政大戦での反省を生かして「ディフェンスからチームをつくろうと、粘ったのが良かった」と、ひとつの成果が見えたようだった。走るチームを作るのが目標で、「トランディションもそうですし、ディフェンスでも1対1では負けてしまうので、運動量でうまくカバーしていくようなチームにしていきたい」と、目標を語る。六大学リーグや京王電鉄杯は上のリーグにいるチームから「学ばせてもらえる大会」。こうした経験値を大事にシーズンを戦っていけるかどうかが大事になるだろう。

写真:「率先して走って、リバウンドに飛び込んで引っ張りたい」と言う今福。悲願の3部昇格に向け、粘りを見せたい。


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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