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2016.10.23 (Sun)

【2016関西リーグ1部】10/23 関西学院大VS天理大

天理大が自らのペースのゲーム展開とするも
関西学院大が優勝校としてのプライドを見せ勝利


161024YVES.jpg 中断明けから大型選手が並ぶゾーンで好調の天理大。この日の対戦相手である関西学院大にリーグ優勝こそ許したが、長年関西でトップ争いを繰り広げたプライド、そしてこの先のステージに向けて、簡単に負けるわけにはいかないゲームだった。

 立ち上がりから堅い展開となった試合だった。早い段階で関西学院大は#34池嶋(4年・PF)、天理大は#15イビス(4年・C)が決め合うものの、互いにバイオレーションも出て守り合いの様相となった。それでも#14高山(2年・SG)の3Pが決まった関西学院大が1Qは4点リード。もちろんこのまま追われない天理大も、2Qに反撃。#24佐々木(2年・SG)、#29榎本(3年・SG)がスコアを動かし、#15イビスのゴール下で逆転に成功。この間ターンオーバーが続いた関西学院大。負ければ優勝校ながら最後に3連敗を喫することだけは避けたい中、#29八角(2年・PG)が上手くかいくぐってペイント内で得点。ここからは互いに決め合いの様相となった。結局23−22で、関西学院大が僅かにリードする形で前半終了となった。

161024TENRI.jpg 3Q、天理大は#15イビスがゴール下を制して得点。するとこれで流れを呼び込んだ。堅いディフェンスで関西学院大のオフェンスを単発にし、#15イビスがジャンプシュートを続けて5点リードに成功する。しかし関西学院大はタイムアウトで立て直しを図り、相手がゾーンを開始しても慌てず#13古家(1年・PG・九州学院)、#74中野の3Pでビハインドをすぐに埋めてみせた。なおも#74中野が好調の関西学院大は、2本目の3Pで3点をリード。だが天理大も#30梶井涼矢(3年・SG)、#15イビスが得点を重ねて再びリードを奪い返し、行き詰まる攻防が続く。4Qに入ると、ともにシュート率が上がらずに手に汗握るディフェンス合戦の様相が更に強くなる。ともにトラベリングや8秒オーバーなどが出て、流れがどちらに転ぶか分からない状態に。再終盤、関西学院大は#23松田のジャンプシュートで1点をリードした。だが、#10松原(3年・SF)のスティールを起点に#13古家が速攻に走るも、#56川田にブロックされて決定打を出せず。一方の天理大、厳しいディフェンスで相手スローインをターンオーバーとさせ、残り30秒に#15イビスのゴール下が決まって53−52と勝ち越しに成功した。勝利の見えた天理大だったが、ここで関西学院大は慌ててはいなかった。スローインで上手くフリーになった#74中野がゴール下で得点し、再逆転。天理大は最後のオフェンスを#29榎本に託すも、ジャンプシュートはリングに弾かれ、これでようやく勝負は決した。紙一重の試合だったが、関西学院大が54−53で勝利し、大会16勝目を挙げた。

161024IKEJIMA.jpg 西日本インカレを制し、立ち上がりは好スタートだった天理大。今大会も立ち上がりこそ好調だったが、最終日でも対戦した関西学院大との首位攻防戦に敗れると、じわじわと優勝が遠のいていった。しかし、中断期間で自らを見つめ直し、強力な自信を得たことも事実。最終戦は勝ち切れずとも、インカレに弾みのつくラスト4試合だった。

 優勝決定後、京都産業大と立命館大によもやの連敗を喫した関西学院大。関西1位にもかかわらずリーグの最後での3連敗は避けたい中で、内容はともかく勝利を掴んだことは大きいだろう。平均的なサイズ、能力値はインカレでも通用する部分はあるはずだ。ここからは、最終目標であるインカレのベスト8に向けて、心身ともに良い状態を整えるだけだ。

写真上:22得点の天理大・イビス。ペイント内だけでなく、ペリメーターからの得点も効果的に決まった。
写真中:堅いディフェンスで関西学院大の攻め手を潰しにかかる天理大。負けたままでは終われないという執念を見せた。
写真下:誰もが認める存在感とプレーぶりだった池嶋。文句なしの大会MVPだった。

※関西学院大・堤選手、天理大・川田選手、梶井選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「やってきたことを信じてやり続ける」
シードを手にした今、準備期間も怠りはしない

◆#22堤 大喜(関西学院大・3年・PG)
161024TSUTSUMI.jpg優勝決定翌日の京都産業大戦で負傷。そこからは、この日の天理大戦に至るまでをベンチで見守った。連敗も喫して停滞期間に入ったチームとしては、堤不在の穴は感じざるを得なかっただろう。本人としても歯がゆさがあっただろうが、この日の勝利ではさすがに安堵感のある表情だった。いよいよチームが挑むのは、最終目標であるインカレでのベスト8。関東の壁は厚いが、長所を信じて抜かりなく準備するだけだ。


—何とか最後は勝利で締めくくりましたが、やはりひと安心といったところですか。
「そうですね。チャンピオンチームとしての変な心理状態もあったかもしれなくて、連敗してしまって、最後に3連敗するのは、優勝したとは言っても自分たち的にはスッキリしなかったと思います。そこで最後に、1点差ですけど、勝ち切ってくれたのは、チームの雰囲気を考えるとすごく良いことだったなと思います」

—最後はベンチから見つめながらの試合が続きました。その中でやろうとしていたことはありますか。
「僕が出ている状態で2番手、3番手だった八角(#29)や古家(#13)が出てきて。僕らは既に1位が決まっているとはいえ、最後に強いチームを相手にしたところでケガをしてしまって、2人には迷惑をかけてしまったなと思っています。両方とも上手なんですけど、こういう舞台という意味では緊張があったと思うので、プラスの声かけをして。しっかりやってくれると信じて、送り出す感じでやっていました」

—流れを変える役割を果たす意図でのベンチスタート起用でしたが、難しさや大変さもあったのではないでしょうか。
「ベンチから出るのは結構難しい部分があって、スタートで行きたいという選手も多いと思います。ただ、僕は高校時代(福岡大大濠)もベンチから出ていって流れを変える役割があったので、大学でも2年まではそういう役割で出させてもらっていたので。スタートでも、それはそれは難しさプラス楽しさがあると思いますけど、ベンチからでも楽しさを感じながらやっているので、僕はそこに関しての意識はあまりないですね。楽しくやっています」

—堤選手ご自身では、優勝できた要因は何だったと感じていますか。
「最後に2連敗をしたのは誤算だったんですけど、途中の大阪学院戦や、1巡目の天理戦、近大戦といった競った試合で、最後に1点でも勝ち切って、一つずつ勝ち星を重ねていけたのが一番の要因だったと思います」

—競り合いが多くとも優勝できたのは、精神的な成長があったからだと思いますが、選手としての実感はありますか。
「技術や体の強化は日々の積み重ねだと思うんですけど、精神的な部分は試合の中で成長する部分があると思います。点数を開けずとも勝ち星を重ねていけたのは、最初から競った試合を経験し続けられたことが途中からどんどんと自信に繋がっていって。そうした自信が表に現れるようになって、そこから精神的に影響してきたのかなと思いますね」

—それでも、インカレでは目標達成は簡単にはいかない相手との対戦もある可能性があります。どのような準備をしていきたいですか。
「2年前に一度インカレの舞台には立たせてもらったんですけど、やっぱり独特の雰囲気もありますし、長いことその舞台で勝てていないので、相手が決まったら、それに対する対策もそうなんですけど、自分たちがやってきたことが、夏から良い方向に出始めているのでそこを信じてやり続けます。苦手なことを克服するというよりは、得意なところを伸ばしていって、どんどんプラスにしていけたら良いなと思います」

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「立て直しの力がインカレに繋がれば上位にも行ける」
土俵際で得た自信を最終ステージで発揮する

◆#56川田稜介(天理大・4年・C)
161024KAWATA.jpg関西学院大にとって、池嶋と松田のインサイドは強力だが、天理大としてもイビスと川田のインサイド陣は誇るべきストロングポイント。天理大のベースであるディレイドのスタイルを体現しつつも、要所でのシュートとリバウンドでチームを助けてきた。今年のインカレは、学生バスケでは最後の晴れ舞台となる。リーグ戦終盤に得た自信で、チームには勢いが漲る。強力な関東勢と渡り合うことができるか。


—リーグ戦を振り返って。
「リーグ戦が始まった時は良い感じで入っていけたんですけど、関学戦で負けた時に、そこから立て直しが効かなくて、他のチームにも負けて崩れてしまいました。ただ、中断期間にそうした点を踏まえての意識改革を練習中からシビアに取り組んできて。それで、中断明けで良いゲームができたので、そういう立て直しの力が出たかなと思います。それがインカレに繋がれば上位にも行けると思います」

—反省もありましたが、中断明けから開始したゾーンは効果的でしたね。
「そうですね(笑)。本気で準備を始めたのはギリギリのところだったんですけど、まだまだなところがあって、今日の試合でも通用しない部分もあったんですけど、これをインカレまでに修正していけば十分使えると思います」

—今日の試合でも手応えを感じる部分があったと思います。
「そうですね。2メートルクラスの2人がフロントにいて、リバウンドの面でもそうですし、その後のオフェンスという点でも強くなれるんじゃないかなと思いますね」

—先週の2試合では、そこで相手を潰してからブレイクが効果的に決まっていましたね。
「今までは、リバウンドからブレイクを出そうという部分がありましたけど、去年までのチームでは相手のターンオーバーを誘ってスティールからブレイクというのが多かったんですよ。そこをずっと言ってきて、中断期間中にディフェンスに関してもっと突き詰めていったから、相手のターンオーバーも増えてそこからのブレイクも増えていったんじゃないかと思います。だから、走る意識を持ったというよりは、ディフェンスをどうしていくかを考えていって、その結果良くなったんじゃないかなと思いますね」

—ということは、ディフェンスの完成度が上がったということですね。
「そうですね。今日は負けましたけど、ゲームの展開で言ったらロースコアで。それはディフェンス面での意識のおかげだと思いますし、それがやはり大事だと思います」

—インカレが最後の舞台ですね。
「今のチーム状態からしたら、関学に負けましたけど、十分上を目指してやっていけると思います。自分たちのストロングポイントであるイビス(#15)を上手く使って、ディフェンスが上手くハマれば、インカレでも関東を相手にしても上位に行けると思います」

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「練習から考え直して自分たちを見つめ直した」
窮地の時に立ち返った原点としてのディフェンス

161024KAJII.jpg◆#30梶井涼矢(天理大・3年・SG)
出番が限られる試合もあったものの、スタートにも名を連ねるなど、信頼は厚い。ディフェンスの良さと、大事な局面で決めるシュート力が持ち味であり、天理大のスタイルとも合致している。リーグ終盤のチームの好調さは、速攻が要所で決まったこともあるが、それが自チームのあるべき姿なのかと問題意識を持つ姿勢も持ち合わせる。学生として今年最後の舞台も、自分たちがやるべきことをやり続けるだけだ。


—ディフェンスという意味では今日も機能していましたね。
「そうですね。前までは川田さんのヘルプに行き過ぎていた面があったんですけど、元の形に戻して。僕らもそれに合わせていく感じにしたら、2巡目からは良い形で勝てているので。ただ、ピックの対応で遅れている部分があります。イーヴィ(#15イビス)が外に出された時に戻りが遅かったりするんで、そこが改善出来たらもっと良くなると思います。そこを改善出来れば、という感じですね」

—ピックの対応は、他の選手も反省点として挙げられるのですが、やはりチームの共通課題ということですね。
「練習でもずっと言われていて。その部分の練習はやっているんですけど、相手のオフェンスによっても変わるんで。まだまだ練習不足です(苦笑)」

—中断明けからは、ゾーンからの速攻という形で引き離す展開が目立ちます。
「隆成(#24佐々木)はスピードもあって、能力があるんで、行ける時は行けという形です。インサイドもリバウンドに入っている分そういうところはあるんですけど、僕としてはブレイクを出すのは天理の形ではないと思っているので。僕は行き過ぎないようにコントロールしないと、と思っています。攻め過ぎたらバランスが取れないかなと思うので、要所要所で攻めることを、僕自身は心がけています」

—リーグ全体としては、5敗での2位はいただけない感覚だと思います。
「負けが続いた時にミーティングをして。僕が言ったのは、西日本で優勝したことでの驕りではないですが、これでインカレも行けるやろと思っている部分があるんじゃないかと。1巡目で関学に負けて、その時に関学の調子が良かったから、と言い訳じみたような部分もありました。それで、普通にやっていったら勝てるやろという部分です。そうしたら大阪学院、立命といった具合に取りこぼしていって。そこで、これじゃあかんなと思ってミーティングして、立て直して。練習から考え直して、自分たちを見つめ直しました。ただ、そういった部分がこの結果になってしまったと感じます」

—過密日程で、簡単に立て直すのが難しかった部分も感じたのではないでしょうか。
「そうですね。準備できる時間が長くなかったので、しっかりコミュニケーションを取って、練習でもダメな時は止めて、これはやらなあかんと厳しく言ったりしてきました。ただ、プレーヤー同士でも、スタッフも言ってくれたので、そこまで厳しいということもなかったかと思います」

—そうした反省点を踏まえて次の舞台に進みます。
「インサイドが持ち味なんですけど、それだけじゃ絶対に勝てないので。佐々木とイーヴィにマークが寄ると思うんですけど、そこで榎本(#29)や川田さんや僕がしっかりと攻めていこうと。ディフェンスはもっとコミュニケーションを取ればもっとやっていけると思います。そうしたところを練習からやっていきたいと思います」


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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