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2017.12.10 (Sun)

【2017関西新人戦】12/10 最終日レポート

関西新人戦は大阪体育大が制覇
年間最後の大会を笑顔で締める


171210TAIDAI.jpg

 関西では今年もインカレ閉幕から間もない12月前半のこの時期に、一年を締めくくる新人戦が行われた。インカレからのインターバル期間がほぼ無い中での開催なだけに、インカレ出場チームにはとりわけ難しい舞台。昨年、一昨年は、その年の1部リーグで下位に沈んだ同志社大や関西大が優勝を果たしている。しかし今年は、ベスト4のうち3チームがインカレ出場組。全国で味わった悔しさを来シーズンにぶつけるべく、体力的に過酷となるダブルヘッダーが当たり前の大会を勝ち進んでいった。


171210KOHNO.jpg 最終日午前中の準決勝で敗れ、3位決定戦にまわることとなったのは、昨年この大会で決勝を戦った近畿大関西大となった。立ち上がりは近畿大が好調。#36榎田(1年・PF・延岡学園)の3Pや#24今村(2年・PF)のバスケットカウントなどで上々の滑り出し。すぐに10点以上の差とする。ところがタイムアウトから一挙に関西大が流れを引き戻す。#7河野(2年・C)、#21窪田(2年・SF)といった全体チームでも主力を担う面々の活躍が光った。1Qのうちに逆転に成功すると、2Qは#6秋岡(1年・PG・岡山工業)の活躍も飛び出し逆に二桁のリードを獲得。近畿大がトラベリングやターンオーバーを犯して悪い流れを断ち切れないまま前半を終えると、後半も関西大優位の構図は変わらず。終盤にやや近畿大が詰め寄るが大勢を覆すには至らなかった。89−78で勝利の関西大が、3位の座を掴んだ。

写真:河野も10得点の関西大。来季は1部での再挑戦が控える。

※関西大・足立選手のインタビューは「続きを読む」へ。


最後の流れを呼び込んだ大阪体育大が押し切る

 決勝戦で2017年最後のタイトルを争うこととなったのは、ともにインカレは1回戦で敗れ、準備期間がほとんどない中で大会に挑んだ京都産業大大阪体育大の2校となった。

171210IKEDA.jpg 立ち上がり、まずペースを掴んだのは大阪体育大だった。早速に#7山田(2年・SG)が獲得したツースローを揃え、#30藤本(1年・PG・育英)が自ら積極的に決めていく。リーグMVPの#30大庭(2年・SF)を負傷で欠く京都産業大は、#38リンダー(2年・PF)の3Pが決まるが、#14川口(2年・SG)が当たらずにやきもきした状態が続く。大阪体育大は、なおも#18池田(1年・SF・洛南)の得点が続くなど、好リズムを切らさず。このまま6点のリードを得た状態で、最初の10分間を終えた。しかし2Q、京都産業大は#38リンダーが3Pに続いてドライブで得点し、#14川口の3Pもようやく決まるなどじわじわと詰め寄る。大阪体育大も#13大橋(2年・PF)の3Pや#7山田のフローターで返すが、1Qのようには続かない。5分頃から得点が止まり、オフェンスが単発に陥る。残り2分を切ったところで、京都産業大は#14川口が2連続3Pを沈めて、この試合初めてリードに成功。35−33という僅差ながら、京都産業大が流れを引き寄せた状態で前半終了となった。

171210KAWAGUCHI.jpg 迎えた後半開始直後、京都産業大は#0佐藤(2年・SG)のレイアップが飛び出し前半終盤の流れを維持させる。しかし大阪体育大は#7山田が3Pを決め返し食らいつく。互いにここからミスも出る中、京都産業大が抜け出しかければ大阪体育大が詰め寄る流れが続くこととなった。京都産業大がスティールから#38リンダーが走れば、大阪体育大は#5神野(2年・SG)のバスケットカウントで返す。そうかと思えば、#30藤本のランニングショットに#6中谷(2年・SG)の速攻も続いて一旦再逆転した大阪体育大に対し、#16川尻(2年・C)のゴール下や#14川口の3Pなど立て続けに決め返して京都産業大はすぐにリードを奪還。追いつ追われつの拮抗状態が続く中、4Q残り7分から流れは大阪体育大に。5点を追いかける状態で#13大橋のゴール下、#18池田の速攻で迫る。相手に息をつかせぬまま、得意の速攻で#18池田が走り再び逆転した。京都産業大はこの時間完全に後手となりピタリと得点が止まってしまった。直後に#38リンダー、#14川口両名の得点で一旦はリードを取り戻すも、そこからターンオーバーが続いてしまう。大阪体育大もミスが出るが、慌てず#30藤本、#4生越(2年・SG)、#7山田といった面々が落ち着いてシュートを決め、残り1分半で4点リードに。京都産業大は#16川尻のポストプレーで得点するが、ここからは互いに決定打が出ない形になった。最後は落ち着いてキープにまわった大阪体育大。このまま71−68としてもつれた試合を制し、新人戦優勝を決めた。


 拮抗した状態が続き、どちらに転ぶか分からない決勝だった。ともにチームの総合力の面で荒削りな部分もあったが、持ち味のファーストブレイクをこのチームでも貫いた大阪体育大が、ほんの僅かに上を行った形となった。絶対的存在だった内藤が卒業していくが、この新人戦チームで結果を得たことは自信となったはずだ。京都産業大は、エース大庭を欠く中でここまで勝ち進んだことは誇っていい部分。全体チームではまだ出番の少ないメンバーも経験を積み、大庭がいなくとも力のあるところを見せた。他チームのマークが今年以上に厳しくなるであろう来年に向け、オフシーズンも抜かりなく過ごしたい。

写真上:この1年、全体チームでもポイント出場で経験を積んだ大阪体育大・池田。来年は求められる役割も増してくる。
写真下:このところ3P率にムラのある部分が気になる京都産業大・川口だが、終わってみれば決勝は5本決めて面目躍如。

※大阪体育大・山田選手、藤本選手、京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.10.31 (Tue)

【2017関西リーグチャレンジマッチ決勝】10/31 大阪体育大VS関西大

インカレへの最後の切符をかけた激しい消耗戦
好勝負は僅かに上回った大阪体育大に軍配


171031TAIDAI1.jpg 新チーム発足以来好成績を残し続け、リーグ戦では危ない試合も演じつつも2部を全勝で制した関西大。全関は準優勝ながら関西学院大・近畿大とのデットヒートの結果1部5位に甘んじた大阪体育大。2017年の関西リーグチャレンジマッチは、この2チームによる顔合わせとなった。一昨年のチャレンジマッチを制し2部所属ながらインカレ出場を果たしている関西大は、この1年間この舞台での勝利を最大目標としてきた。一方、現メンバーにはインカレの経験がない大阪体育大は、過去のリーグ戦では惜しいポジションにつけながらあと一歩インカレには届かず、今回はチャレンジマッチからの出場を目指す立ち位置となった。

 試合は実力のあるチーム同士、どちらもインカレ出場を渇望してきただけあって、その気持ちが序盤からぶつかり合い、激しい攻防が僅差のスコアでずっと続いていくこととなった。平日夜の開催にも関わらず、例年より多く詰め掛けた観衆のどよめき、互いの応援団のため息、そして歓声とが大きく響きながら交錯し、時間が経過するごとに独特の緊迫感が次第に高まる。更に後半は関西大をファウルトラブルが、大阪体育大にはそれに加えてまさかのアクシデントが襲い、激しい消耗戦の様相をも呈していく。例年ほど飛び抜けた存在がなく、クロスゲームが多かった今季の関西でも、一番と言って良いほどの好勝負だった。

 どう転ぶか分からない試合で、最後に勝利の女神を振り向かせたのは大阪体育大。今のメンバーにとっては未踏だったインカレへの重い扉を、遂にこじ開けてみせた。

写真:目標の一つとしていたインカレ出場を、自身のラストチャンスで決めた内藤の目頭が、終了と同時に熱くなった。

※詳しいゲームレポートと、大阪体育大・内藤選手、関西大・井上選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.10.29 (Sun)

【2017関西リーグ1部】京都産業大優勝インタビュー

「ベンチから見ているからこそ分かることも多い」
出番は少なくともリーダーの役目は全う

◆#7辻 陸矢(京都産業大・4年・主将・PG)
171029TSUJI.jpg今年のリーグでは、昨年と比してコートに立つ時間はさほど多くはなかった。ただ、彼の主将としての働きなくしては、最後のタイトル獲得は生易しいものではなかったはずだ。今年も駒を進めるインカレの舞台で、ここ最近では経験のない段階へとチームを押し上げられるか。奮闘は、この先も続いていく。


—優勝が決まりました。この優勝の大きな要因は何だったと感じますか。
「僕らはディフェンスからブレイクのチームで、どの試合もほとんど失点が70にもいっていないんですね。失点を抑えてブレイクを出せば気持ちも上がっていきます。だからその面は意識してきました」

—昨年と同じようなシーズンの成長曲線でしたが、去年と異なる点はありますか。
「サイズが小さいので、ボックスアウトを頑張って、リバウンドを取ってブレイクというのが僕らのコンセプトです。いつも練習しているのもそういう形で、練習でもそれを出そうと心がけてきました」

—2年生3人の成長ぶりはいかがでしょうか。
「去年は1年生ということで自由にやらせてもらっていた面があります。それが一つ学年が上がったことで、責任感が出てきたと思います。それが良かったかなと思っています。自分から発言することも多くなったので、頼もしいと感じる部分です」

—キャプテンとしてチームを率いてきましたが、ご自身のその役目は果たせましたか。
「ケガをして試合に絡むのが難しい時期もあったんですけど、スタートから外れてベンチから出ることで、流れは自分が変えるんだと思うようになりました。まだまだですけど、ベンチから見ているからこそ分かることも多いので、そこを教えてあげるのも、キャプテンだったり上級生の仕事だと思っています。そういう部分では自分でもええ方やったんかな、とは思います」

—優勝の実感は、現段階ではいかがですか。
「チームとしては6年ぶりということなので嬉しいですけど、入学した時から優勝は目指してきたので、4年目になってしまいましたけど、ありがたいことだと感じています」

—インカレは関西1位で、期待を受ける立場になります。
「関東も、今年はいつもより混戦ですよね。どこと対戦することになるかは今は分からないですけど、全身全霊で気持ちの入ったプレーをしていきたいです」

—昨年は初戦で完敗でしたが、具体的な戦うイメージはありますか。
「去年負けてから、フィジカルコンタクトが関東は強いということで、トレーナーさんにも来ていただいてウェイト面はしっかりやり込んできました。去年に比べて当たり負けはそれほどではないかなと思うんですけど、まずそこで負けることがないように。それと動いて、相手を疲れさせるということをやっていきたいです」

※高田選手、大庭選手のインタビュー、村上監督のコメントは「続きを読む」へ。
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2017.10.29 (Sun)

【2017関西リーグ1部】終盤戦(10/14〜10/29)レポート

京都産業大が2011年以来のリーグ王者に
インカレ出場権・残留争いは僅差で決着



 関西リーグは、1部を含めた全ての日程が終了。最後までもつれにもつれた中位以下の争いを含め、ようやく決着がついた。終盤には2週連続で台風が接近した影響もあり、アリーナに2面を確保して早めの試合消化を図ったために駆け足感を孕みながらの閉幕となったが、どのチームもそれぞれの目標到達に向けて死力を振り絞っての戦いを見せた。

【最終順位】
優勝 京都産業大学(6年ぶり21回目)
2位 大阪学院大学
3位 関西学院大学
4位 近畿大学
5位 大阪体育大学
6位 大阪産業大学
7位 流通科学大学
8位 天理大学(2部3位との入替え戦へ)
9位 大阪経済大学(2部2位との入替え戦へ)
10位 立命館大学(2部1位との自動入替え)


京都産業大が久々のタイトル奪取
古豪復活への狼煙を上げる


〈優勝争い〉

171029LINDER.jpg 1巡目を終了した段階で既に首位に立っていた京都産業大の強さは、優勝を決めるまで揺らぐことがなかった。

 昨年鮮烈な活躍を見せた#30大庭(2年・SG)、#38リンダー(2年・PF)、#14川口(2年・SG)の得点力のイメージがどうしても先行してしまうのがこのチーム。だが村上監督はディフェンスの部分が大きかったと感じている様子。実際に、優勝を決定するまでの16試合で最多失点は、唯一敗戦となった1巡目・流通科学大戦での75点で、それ以外は全て70点未満。数字が示すように、相手を抑え込めば勝ちきれるパターンを確立できたことが大きかったのは、言うまでもなかろう。

 オフェンス、チームバランスの部分に目を転じれば、昨年は1年生だったスコアラー3名の能力を前面に押し出したスタイルで1部リーグの台風の目となったが、この時と異なり#21会田(3年・C)がスタメンに名を連ねてインサイドが安定。負傷欠場期間を脱した#3高田(3年・PG)のコントロールもあって、攻め手のバリエーションが格段に向上した印象だった。また、特に大庭がエースと言うべき数字を安定して残し続けた。昨年もコンスタントな活躍ぶりであったが、村上監督は「少しのズレで攻められている。前まではズレが大きい時にシュートやドライブに行けていたが、少しのズレをこじ開けられるような力がついてきたと思うので、そこが(去年から)変わった」と成長ぶりを認める。2年生ながらMVP受賞となったが、リーグ戦の勝利への納得度を考えればそれも納得である。

171029YOSHIKAWA.jpg このチームのもう一つの特徴として、メンバーの若さが挙げられる。スタメンの5名の中には4年生がおらず、トリオと称しても良い大庭、リンダー、川口以外にも有望な下級生がベンチに控える。優勝決定後は気持ちの面で崩れたか、リーグ連敗で終えたのは反省材料であるが、これも今後のための糧となろう。この先のインカレはもちろんのこと、来年度以降にも期待が持てる大会だった。

 2位となった大阪学院大は、ところどころでの取りこぼしがあまりにも痛かった。京都産業大の優勝も、このチームが敗れたことによって決定。全関を制し、戦前の期待値は高かっただけに悔しさの残る結果だった。それでも最終戦では京都産業大に意地の勝利。時間帯によっては#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)、#13山中(3年・PF)、#31福田(4年・PF)という190センチ台の選手が3枚居並ぶ構成は、今年の大学界で全国を見回してもそう多くはない。リーグタイトルには届かずとも、全関優勝チームであり、西日本インカレでも関西勢唯一のベスト4に食い込むなど、今年の関西を語る上では外せないチームである。今年こそインカレでの勝利を飾りたい。

写真上:リンダーの内外での得点も効いた京都産業大。
写真下:大阪学院大は吉川も黙々と自分のプレーに勤しんだが、悔しい2位に。

※インカレ出場権争い、1部残留争いの概要、大阪学院大・福田選手、関西学院大・堤選手、近畿大・岡田選手のインタビュー、大阪産業大・花田選手、流通科学大・龍選手のコメントは「続きを読む」へ。
※京都産業大のインタビュー、チャレンジマッチ決勝は別途掲載します。

EDIT  |  22:50  |  2017関西  |  Top↑

2017.10.09 (Mon)

【2017関西リーグ1部】中盤戦(9/13〜10/9)レポート

着地点の見えてきたリーグの構図
単独首位には京都産業大が浮上


 関西1部リーグは、全体の3分の2にあたる12日目までの日程を消化した。このリーグ戦は、序盤こそ力関係が見えづらい構図だったものの、残り3週6試合となった中で優勝争い、インカレ出場権争い、残留争いを演じる各チームの立ち位置もはっきりしてきた状況だ。

171010OOBA.jpg まず優勝争いは、3位以下に2勝以上の差をつけた京都産業大大阪学院大の2チームに事実上絞られている。ともに今年の関西で屈指のラインナップを擁し、合わせて内外のバランスも良く、ここまで隙の少ない戦いを続けてきた。ただ両者1巡目を終了した段階では1敗で併走だったが、12日目に大阪学院大が流通科学大に足元を掬われたことで、一歩後退。これにより京都産業大が単独首位に立った。とはいえ、最終日に直接対決が組まれているため、星1つの差では追いかける側もこれ以上離されなければ、自力の逆転優勝は可能。これから終盤にかけては、対戦するチームもインカレ出場や1部残留をかけて必死に立ち向かってくる。実際に首位の京都産業大も、大阪学院大が2敗目を喫した直後のゲームで天理大に苦しめられての辛勝だった。どちらも気は抜けない。最後まで緊迫した争いになることを期待したい。

 3~5位は、関西学院大大阪体育大近畿大の3チームが勝ち点数で並んでいる。この順位争いはここまで星の差がなかなか広がらず、まさに三つ巴。1巡目5位だった関西学院大が、2巡目に入ってから大阪体育大と近畿大を相次いで撃破し3連勝を果たしたことで、一気に分からなくなった。仮に3チームが同率で並べば当該チーム間の対戦で3勝1敗の関西学院大有利だが、この先もし崩れるようなことがあれば途端に苦しくなる。最終的には、最後の大阪体育大と近畿大による直接対決に順位決定が委ねられる可能性もある。自動的にインカレ出場権を手にできる4位以内をめぐる攻防も、最後まで続くことになりそうだ。

171010KIM.jpg 下位5チームは、全て勝ち点差1ずつとなっている。現状では、序盤は黒星が先行していた大阪産業大が勝ち点5の6位とやや抜けた格好となった。3位集団との勝ち点差は3つでインカレ出場はやや苦しいが、1部残留という意味では優位。その大阪産業大を1差で追いかける7位の流通科学大も2巡目で大阪学院大に勝利するなど、一瞬の爆発力は上位チームに引けを取らない。入替え戦回避となる7位以上を確保するためにも、この先の取りこぼしを抑えていきたい。

 それ以下では、天理大がいまだ8位と苦しいポジションにいる。しかし2巡目入ると京都産業大相手にあわやという試合を演じるなど、低迷打破の光が見え始めた。長年関西を牽引してきたプライドにかけて、このままでは終われないだろう。8位では2部3位との入替え戦行きとなるが、それは避けたいところだ。9位の大阪経済大と、最下位の立命館大は厳しい戦いが続いている。最終順位が10位となれば2部への自動降格となるのが関西リーグの過酷な部分。この先は順位で接近しているチームとの対戦が組まれているだけに、そこを一つでも多く制すことが自動降格回避には必須だ。

【第12日目終了時点】
京都産業大学 勝ち点11
大阪学院大学 勝ち点10
関西学院大学 勝ち点8
大阪体育大学 勝ち点8
近畿大学   勝ち点8
大阪産業大学 勝ち点5
流通科学大学 勝ち点4
天理大学   勝ち点3
大阪経済大学 勝ち点2
立命館大学  勝ち点1

写真上:京都産業大は、このリーグでも大庭がコンスタントな活躍を見せる。
写真下:黒星先行の状態から勝率5割にまで戻してきた大阪産業大。金がエースに相応しい活躍を見せている。

※京都産業大・会田選手、大阪学院大・吉井選手、関西学院大・古家選手、大阪体育大・内藤選手、近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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2017.09.10 (Sun)

【2017関西リーグ1部】序盤戦(9/2〜9/10)各チーム概要

近畿大が無傷の5連勝で単独首位も
実力拮抗で大混戦を予感させるスタートに


170912KINDAI.jpg 関西地区でも、秋のリーグ戦が開幕した。元々関西では国体に合わせた中断期間が設けられていたが、今年はさらに開催方式の変わったオールジャパン2次予選も絡み、例年よりも開催が変則的となる。まず2週目までを週3日のペースで日程消化。オールジャパンによる中断後は基本的に土日のみの開催だが、国体直後には3連戦の日程が組まれるなど、決まったペースでの日程消化とはならない。このため、体調管理、コンディション作りで以前より難しい部分がある。

 大会は既に5日目までの日程を消化。例年上位争いを演じるチームがまさかの出遅れを強いられる一方、奮闘が見える昇格チームもある。またいずれのチームもこの時点で勝ち点を挙げており未勝利のチームはいない。昨年以上の混戦と言っていいだろう。

 今のところ、首位は5戦無敗の近畿大。これに1敗の京都産業大大阪学院大が続いている。ただ各チーム間での実力が拮抗しており、これらがそのまま優勝争いを演じていくかどうかはまだはっきりしていないのが実情である。リーグ優勝はもちろんのこと、関西では自動でインカレ出場権を手にできる4位をかけた戦いも苛烈。最後は1部残留をかけた争いも相まって、白熱したゲームが終盤まで繰り広げられそうだ。

【第5日目終了時点】
近畿大学   勝ち点5
京都産業大学 勝ち点4
大阪学院大学 勝ち点4
関西学院大学 勝ち点3
大阪体育大学 勝ち点2
大阪経済大学 勝ち点2
流通科学大学 勝ち点2
天理大学   勝ち点1
立命館大学  勝ち点1
大阪産業大学 勝ち点1

写真:トップに立つ近畿大。鍵を握る岡田と金田の安定感は健在だ。

※各チームの概要は「続きを読む」へ。

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2017.06.16 (Fri)

【2017西日本インカレ】6/11 決勝 名古屋学院大VS東海大九州

中盤に驚異的なシュートラッシュを披露
最後は大差で東海大九州が初の西日本王者に


170611TOKAIDAIKYUSHU.jpg ともに、勝てば初優勝。過酷な連戦をものにし続け、なおかつ各地域の強豪が集まる西日本インカレで、今年の決勝を戦うこととなったのは、名古屋学院大東海大九州だった。各地区での上位保持はもちろん、インカレでも存在感を見せている両者。異なるタイプ同士の対戦がどのような展開になるのか、そして2008年以降は関西勢が独占してきた西日本王者をどちらが掴むのかに注目が集まった一戦だった。

 東海大九州にとって、試合の出だしは課題のポイント。だがこの試合ではそれが嘘のように得点が決まった。#8佐竹(4年・CF)が早々にドライブを決めるなど、インサイドを積極的に突いて得点を重ね、僅か3分で11−0とし先制パンチに成功した。ところがここから名古屋学院大がインサイドを固める形にシフトすると、外のシュートが入らずに無得点が続く。出遅れた名古屋学院大だったが、#1王(1年・C・中部大第一)のバスケットカウントでようやく初得点。ここから流れがガラリと変わり、#27鈴木の3Pや#1王のゴール下、#18山田(3年・PF)のリバウンドシュートなどで一気に相手を抜き去る。スタートロスが嘘のように、1Qは名古屋学院大の5点リードで終了した。

170611WANG.jpg 2Q、東海大九州は#20玉井(3年・SG)の3Pで久々の得点をマーク。しかしこの間にも名古屋学院大は#1王がインサイドで奮闘を続け、点差を保つ。このムードを打開したのは東海大九州自慢のインサイド陣。速い展開で#11趙(2年・C)のアシストから#7林(4年・SF)が一本決める。直後に2ファウル目となった林だが、再びゴール下をねじ込むと、#8佐竹も速攻で得点して東海大九州は再逆転に成功。エンジンのかかった形の相手にたじろぎ、名古屋学院大のオフェンスは単発に陥る。なおも東海大九州は#20玉井が3Pを決めて6点差に。最後は#7林が相手シュートを豪快にブロックし、35−29で前半終了となった。

 スコアの上ではまだまだどうなるか分からない状況のこの試合。だが、勝負の分かれ目は後半開始直後にやってきた。#8佐竹がバスケットカウントを獲得し、さらにジャンプシュートを続けると、#7林もミドルシュートを決めて点差は早々に二桁に。名古屋学院大は早々のタイムアウトで打開を図るが、それでも流れは変わらない。#11趙のゴール下が決まった東海大九州は、これがチームとしては後半開始から7連続得点。この時点で点差は19となった。名古屋学院大は#20村鳥(2年・PF)のバスケットカウントをきっかけにオフェンスは再起動の様相を見せるが、東海大九州のペースは落ちず、#7林、#8佐竹、#11趙がバランス良く得点を続けて最後まで全く隙を見せなかった。最後はベンチから送り出した主将#10濱野(4年・SF)が得点を決めていき、盛り上がりが最高潮となった中で試合が終了。88−68で完勝を収めた東海大九州が、初めて西日本の頂点に立った。

170611SATAKE.jpg 出遅れから巻き返し、1Qこそリードで終えた名古屋学院大。しかし、相手の高さとシュートの上手さはやはり強力で、引き離された時間帯はなかなか打開策を見出せなかった。ただ、このチームにとってはここが最大目標ではない。いかにこの負けから学び、糧にしていくかが重要である。

 東海大九州は、前半はリードしたものの重い時間帯もあって100点満点の内容だったとは言えない部分もある。ウォン監督「まだ7割くらいの出来。そこまでいっていないかもしれない」と認めるが、それでも勢いに乗った時の爆発力は驚異的だった。「最終的にはインカレで勝ちたい。もっとディフェンスやシュートの確率は上げていかないといけない。そうした部分をどう修正していくかが課題になる」と既に見据えるのは、まだまだこの先の舞台。選手の口からも、それを意識した言葉が垣間見える。今年こそ、インカレでの上位進出を狙う。

写真上:優勝が決まり、全員で元監督を胴上げし、歓喜に浸る東海大九州。
写真中:王は大会を通じて名古屋学院大のインサイドを支えた。
写真下:リード拡大の火付け役となった東海大九州・佐竹は、チームハイの23得点をマーク。

※東海大九州・長野選手、林選手、名古屋学院大・東 宏輝選手のインタビューは「続きを読む」へ。

西日本学生バスケットボール選手権大会


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2017.06.15 (Thu)

【2017西日本インカレ】6/11 3位決定戦 中京大VS大阪学院大

ビハインドを大阪学院大が追いつき前半接戦も
抜け出しに成功した中京大が勝利し3位の座に


170611HAYAI.jpg ともに前日の試合では相手に差をつけられて敗れた大阪学院大中京大。連戦が続くリーグ戦も見据え、負けた翌日の切り替えが重要となる3位決定戦で集中力を発揮したのは、中京大だった。

 開始から主導権を握ったのは中京大。#31小泉(3年・CF)が果敢に攻めて得点を重ね、#51粂(2年・SG)の3Pも決まり約3分で8−0と先行。大阪学院大は#13山中(3年・PF)がジャンプシュートを決めて重い雰囲気を払拭するが、詰め寄っても#30笹井(4年・C)がペイント内で得点していった中京大は慌てない。大阪学院大は停滞したムードが続き、1Qで8点を追うスコアとなった。これに喝を入れたのが#35吉川(4年・SG)。速攻に続いて3Pを決め、攻撃のテンポを上げ、再び迫る。中京大も返していくが、この時間帯は大阪学院大のペースが上回った。#18吉岡(3年・PG)に3点プレーが飛び出すと、ようやく同点。直後には#33岡本(4年・PF)のミドルも決まって一旦は勝ち越した。すると中京大はタイムアウトを挟んで#31小泉のジャンプシュートが決まり、息を吹き返した。#30笹井が2スローを決め、#45速井(3年・G)のレイアップも出て、3点のリードを奪還して前半終了となった。

170611YAMANAKA.jpg 3Q、開始直後はファウルやトラベリングで互いに得点を出せない。ここからきっかけをもたらしたのは中京大#44伊藤(4年・SG)。小気味良いリズムで得点を決めていき、さらに点差を広げにかかる。対する大阪学院大は、#30木下(3年・PG)が意地の3Pを続けるが、#44伊藤の確率は落ちない。8点差で迎えた4Q立ち上がりには#45速井のミドルシュートが決まって、中京大のリードは二桁となった。大阪学院大は果敢に攻め込むが、ファウルは得てもフィールドゴールが決めきれない場面が目立ち、ペースアップならず。#44伊藤を中心にコンスタントに得点を重ねていった中京大の流れは、最後まで変わることがなかった。最終的には82−64とした中京大が、3位の座を手にした。

 前日は名古屋学院大に力でねじ伏せられた中京大だが、一夜でこれを払拭。我慢比べの様相を呈したゲームだったが、勝負どころで集中力を切らさず、大きく差を開けての勝利を手にした。目標の優勝には届かず、心残りもあるが、一番の目標はインカレで結果を残すこと。この短期間で見えた課題も含めて、得たものの大きい大会だった。

 全関では連覇を達成するも、西日本では2年続けて悔しい思いを喫することとなった大阪学院大。連戦の疲労、準決勝で優勝を断たれた気落ちもあってか、この日はどこか集中が切れた状態での戦いとなってしまった。それでも今大会から長いプレータイムを得た都築らの奮闘も光り、次の舞台を既に見据えている様子。関西でのリーグ制覇は未だ経験がない。昨年はリーグでは苦しんだ印象が強いだけに、まずはしっかりと切り替え、関西最後のタイトルを掴むためにこの先2か月半に力を注いでいきたい。

写真上:中京大は速井も随所で味方を鼓舞する得点を決めていった。
写真下:福田が不在となった今大会。大阪学院大は山中がインサイドを支え続けた。

※中京大・笹井選手のインタビューは「続きを読む」へ。

西日本学生バスケットボール選手権大会

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2017.06.10 (Sat)

【2017西日本インカレ】6/10 準決勝 レポート

決勝は名古屋学院大対東海大九州に
どちらが勝っても初優勝の栄冠


 残り2日となった西日本インカレは、この日準決勝の2カードが行われた。この舞台に進んだ4校の中には教育実習や就職活動などによる不在者を抱えるチームもあり、そこに連戦による疲労ものしかかる。ここから先の舞台では、ベンチを含めたチームの総合力も問われてくることになる。

 準決勝の結果、決勝のカードは名古屋学院大対東海大九州となった。関西以外のチームが優勝することになるが、これは2007年の浜松大以来のこと。どちらにとっても初めてとなる西日本王者の称号を地元に持ち帰ることになるのは、名古屋学院大か、それとも東海大九州になるか。


【東海勢同士の戦いを名古屋学院大が制す】

170610WANG.jpg 東海勢同士の対戦となった名古屋学院大中京大の対戦は、立ち上がりこそ#45速井(3年・G)の3Pなどで中京大が良さを見せるが、名古屋学院大は#1王(1年・C・中部大第一)がインサイドで得点を重ね、相手にファウルを込ませる。#31東 宏輝(4年・PG)のタフショットなども出て点差を広げ、2Q立ち上がりには10点リードに乗せる。中京大も#45速井、#44伊藤(4年・SG)の得点が出るが、名古屋学院大は#27鈴木(2年・SG)が2Qだけで3本の3Pを決めて、優勢の構図は変わらず。後半開始すぐに、#27鈴木、#31東 宏輝が相次いで得点し、一気に点差を広げていった。最後は相手の捨て身の反撃にも落ち着いて対処し、84−68で大勝。今大会5試合目も二桁点差のスコアとし、余裕を持って決勝進出を決めた。

写真:名古屋学院大は、ルーキーの王が21得点11リバウンドのダブルダブルを記録。

※名古屋学院大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【出遅れを修正した東海大九州が遂に決勝進出】

170610CHO.jpg 過去4年間で、これが3回目の対戦となる東海大九州大阪学院大。因縁のカードと言ってもいい組み合わせが、準決勝で実現した。

 過去2回はいずれも大阪学院大が制しているこの対戦。それを象徴するかのように、開始直後は大阪学院大がリード。#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)のミドルや#13山中(3年・PF)のフックシュートが決まりリズムに乗る。さらに#35吉川(4年・SG)が積極的に仕掛け、開始2分半で東海大九州#7林(4年・SF)を2ファウルに追い込む。#30木下(3年・PG)に3Pを決められると、さすがにタイムアウトを請求した東海大九州。動揺しかねないこの状況で、暗雲を振り払ったのは#11趙(2年・C)の内外での得点だった。これで反撃機運が高まると、大阪学院大は対照的にオフェンスが単発に。東海大九州は#8佐竹(4年・PF)も得点を重ね、1Q時点でビハインドを3点にまで戻すことに成功。すると2Q、東海大九州はエースの#7林が覚醒。得意の3Pを2本決め、この間に#8佐竹、#11趙も得点し、相手に的を絞らせない。追いかける展開に逆転された大阪学院大はタイムアウトで立て直しを図るも、この試合はプレー再開後のターンオーバーが目立った。波に乗れない相手を尻目に、#20玉井(3年・SG)も2本の3Pを決めるなどして勢いづく東海大九州が、結局前半で14点のリードを得た。

170610TOKAIDAIKYUSYU.jpg どうにかしたい大阪学院大。3Q序盤は#8吉井が積極的に狙い、一旦は8点差に迫る。しかし、東海大九州は停滞しかけたタイミングで#7林が得点していき、アップテンポなオフェンスを続ける。大阪学院大も#30木下が高確率でシュートを決めて、詰め寄る場面を見せるが、この日は東海大九州がそれを凌駕。終盤は#7林、#8佐竹、#2長野(4年・PG)の最上級生たちが揃って得点し、安全圏のリードを守りきった。結局94−78で、走り合いの様相をも呈した試合を東海大九州が制し、決勝行きを決めた。

写真上:ポジション登録はセンターながら、積極的に外からも狙っていった東海大九州・趙。190センチオーバーの選手までもがアウトサイドを得意としている点が、このチームの大きな特徴である。
写真下:ゲーム終盤、勝利を決定的なものとする3Pを林が決め、盛り上がる東海大九州ベンチ。

※東海大九州・佐竹選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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2017.06.09 (Fri)

【2017西日本インカレ】6/9 ベスト4進出チームレポート

67回目の西日本インカレが佳境に突入
ベスト4は2校を東海勢が占める構図に


170609HAYASHI.jpg 西日本の学生界にとって、初夏の風物詩となっている西日本インカレが、今年も大阪で開催されている。昨年は、この舞台でノーシードから4位に到達した名古屋経済大が、その後のインカレでは初の6位入賞を果たすなど、東海・北信越以西のチームにとっては、シーズンの中でも重要なステップとなる大会である。

 大会は既に日程の大半を消化し、エディオンアリーナ大阪をメイン会場に移した状況まで進んでいる。ベスト4の顔触れは、前回大会では、先にも触れたように名古屋経済大が躍進したが、上位3チームはいずれも関西勢だった。それが今回は、関西勢のベスト4入りは大阪学院大1チームのみ。東海地区から名古屋学院大中京大の2チームが、さらに九州地区からも東海大九州が準決勝に駒を進め、各地区の間での実力伯仲ぶりを象徴する展開となっている。以下に各ブロックを勝ち上がったベスト4を紹介する。

写真:学生代表の経験も備える東海大九州・林。準々決勝では気持ちが入り過ぎ逆に緊張もあったというが、終わってみれば20得点の活躍ぶりだった。


170609KATSUYAHIGASHI.jpg◆Aブロック−名古屋学院大

 今季、春の東海選手権を初めて制した名古屋学院大。#31東 宏輝(4年・PG)、#14東 克弥(4年・PG)の双子の両名にどうしても目が行くが、#18山田(3年・PF)や#27鈴木(2年・G)といった面々も侮ることはできない。

 今季チームを束ねる存在となっているのが、主将を務める東 宏輝。プレー面のみならず、周囲への積極的な声かけも決して怠らない。「リバウンドからの速攻を狙いながらやっているが、その後のハーフコートオフェンス、アーリーオフェンスでも色んな形を使って相手のディフェンスにアジャストしろとも言われていて、それがプレーに出ていると思う」と語る。その言葉通り今大会目を引くのは、ここまでの4試合中3試合で100点オーバーを記録したオフェンス力の高さだ。過密な日程だからこそ、自信も高まっているだろう。

 「東海地区以外では、インカレとかでも結果が出せていない。名古屋に来たのも、関東にこだわらないで、東海で結果を出して、東海から全国に出て、全国で結果を出すことが頭にあったから。だからこそタイトルが獲りたい」と話す東 宏輝。目標へ、あと2つの白星を並べることができるか。

写真:下級生の頃から注目されてきた東ツインズも最終学年に。弟の克弥も、兄・宏輝に負けてはいられない。


170609ITO.jpg◆Bブロック−中京大

 Bブロックを勝ち進んだのは、東海地区では伝統あるチームであり、この大会でも過去2回の優勝経験を誇る中京大。「スタッフと一緒にチーム作りをしてきた。スタッフのスカウティングがしっかりはまっていて、オフェンスで停滞してもスカウティングのおかげで、ディフェンスで持ちこたえられている。そうやって我慢したことが、結果につながっている」と主将の#44伊藤(4年・SG)が話すように、他チームと比較して抜きん出た選手が少ない印象だが、準々決勝では前半は対戦相手の新潟経営大を、僅か17得点とシャットアウト。高さの面では見劣りするが、ゴール下#30笹井(4年・C)が構えるディフェンスには自信を持っている。ゲーム終盤こそ新潟経営大の反撃を許したが、逆にこの場面では相手を上回るオフェンスが光り、盤石の内容でベスト4入りとなった。

 近年の中京大は、新興勢力の台頭で思うような結果を残せていない。それでも「みんなには特別感があるかもしれないが、西日本優勝を目標にしてきたので、僕はここまでの結果は当然のことだと思っている」と、伊藤に浮き足立つ様子はない。伝統校としてのプライドも胸に秘め、41年ぶりの西日本制覇を実現させたい。

写真:準々決勝では22得点を挙げ、自らも満足できるプレーぶりだったという伊藤。このパフォーマンスを、残り2日間も継続させたい。


170609TAMAI.jpg◆Cブロック−東海大九州

 この大会だけにとどまらず、高さと能力価は関東を含めた今の大学界でも一定のレベルにある東海大九州。その中でも注目されるのがエースの#7(4年・SF)だが、自身で過去3年間はいずれもベスト8が最高だった。「内容も大切だが、試合に勝たなければ次はない。とにかく勝つことを目標にしている」だけに、自身初のベスト4進出には、安堵の気持ちも見え隠れする。

 ただ、ベスト4入りを決めた立命館大戦では、林よりもむしろ#20玉井(3年・SG)の活躍ぶりが際立った。3Pが面白いようにネットを揺らし、チームハイの24得点はすべて3Pによるもの。こうしたシュートの上手さに加えて、#11趙(2年・C)らビッグマンがインサイドに聳え、易々と相手に中を割らせない陣容も脅威だ。

 昨年は春に熊本地震というアクシデントに見舞われたものの、今季のチームはここまで順調に推移している。それもこれも「新チームになってから、西日本で勝つこと」を目標に据えてきたからだ。「あと2つで実現するので、チームみんなで頑張りたい」と気を引き締める林。九州以外でのタイトル奪取を、今年こそ成し遂げる覚悟だ。

写真:東海大九州は、準々決勝では玉井が小気味よく3Pを決めていった。


170609KINOSHITA.jpg◆Dブロック−大阪学院大

 一発勝負での強さには折り紙付きだが、1か月前の全関では#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)という高さと器用さを併せ持つルーキーの存在で、戦いぶりにも安定感が増した印象のある大阪学院大。ここまで全関王者として、一見すると問題のない勝ち上がりとなっている。

 ただ、主将の福田「初戦の関学戦は、全関を勝ったことで僕も含めて悪い意味で余裕、驕りがあったように思う。なんとかそこで勝って、試合後のミーティングでもその話をしたにも関わらず、次の試合でもそうした部分が抜け切れていなかった」と反省を口にする。昨年も同じように全関を制しながら、西日本では決勝で苦杯をなめた。福田もその部分は「どうしても意識はする」という。「でも今日(準々決勝)は、前の2試合の反省があって、良い試合ができた。明日の相手も強いが、一戦一戦やっていくだけ」とも続ける。自身は全関での負傷が完調ではなく大事を取って欠場しているが、全関同様に心がけている雰囲気づくりの面では、チームは上向きのベクトルと言って良いだろう。

 準決勝の相手となった東海大九州との西日本インカレでの対戦は、この4年間で3回目となる。過去2回はいずれも勝利を収めているだけに、今年も負けるわけにはいかない。

写真:教育実習で不在の選手もいる中で、コンスタントに得点を量産する木下。一時期から比べてかなり復調してきている印象だ。


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2017.05.05 (Fri)

【2017全関】5/5 決勝戦 大阪学院大VS大阪体育大

ハイペースの展開から大阪学院大が抜け出し連覇
大阪体育大は終盤肉薄するも初優勝はならず


170505YOSHII.jpg 接戦続きの全関もいよいよ迎えた最終日。最終試合は大阪学院大大阪体育大による決勝戦となった。ここまで余裕のある試合運びを続け、昨年に続いての連覇にあと1勝とした大阪学院大に対し、前日は岸田が負傷しながら近畿大を振り切った大阪体育大には初優勝がかかる。タイトルをめぐるそれぞれの思いが交錯する対戦となった。

 試合は立ち上がりからアップテンポな展開が続いた。大阪学院大は#35吉川(4年・SG)、#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)のレイアップが決まると、大阪体育大も#9内藤(4年・SF)の3Pなどで応戦し、点の奪い合いの様相を呈す。大阪学院大はこの試合#9雲井(4年・SG)、#13山中(3年・PF)らが好調。コート上の5名でバランスよく加点していく。大阪体育大は#9内藤が積極的に狙い高確率で得点するが、そのシュートが外れリバウンドを制されたところから走られ、#13山中に失点を許し5点差に。大阪学院大が僅かに抜け出した。更に交代出場の#33岡本(4年・PF)もセカンドショットを沈め、1Qで7点をリードする。逆にこの時間帯に苦しい大阪体育大。1Q終盤から2Q立ち上がりにかけては警戒された#9内藤が容易に狙える状況が減り、トラベリングやイージーシュートのミスが目立って停滞。なんとか#13伴(3年・C)の得点でひと息つき、#7山田(2年・SG)が2本の3Pを決めるなどして#9内藤以外の選手が奮闘を見せて食い下がる。しかし大阪学院大のペースは緩まない。#8吉井のゴール下が続き、#30木下(3年・PG)もアウトサイドから決めてリードを堅持。大勢は変わることなく、46−38で前半終了となった。

170505FUJIMOTO.jpg なんとか迫りたい大阪体育大。3Qは#7山田の攻め気が目立った。ジャンプシュート、3Pも決め、#9内藤の得点が伸び悩む中、チームを引っ張る。だが大阪学院大も#8吉井のシュートが落ちず、点差が埋まらない。するとこのQ終盤に#7山田が#9吉井からバスケットカウントを獲得。#9内藤のランニングショット、#4草川(4年・PG)のドライブも続いてじわりと反撃ムードが上がる。3Q終了時点で5点差に縮め、希望をつないだ状態で決勝は最後の10分間を迎える。

 4Q、大阪学院大はゾーンを敷きながら守りを固める。しかし、#8吉井が4つ目をコールされるなどして最後の流れをなかなか掴めない。大阪体育大は相手のディフェンスをかいくぐって#4草川、#30藤本(1年・PG・育英)が得点し、応援席を盛り上げる。大阪学院大も#30木下のレイアップ、#13山中のミドルで返すが、この時間帯も大阪体育大#7山田の外角は好調。3Pを2本決め、#30藤本の得点も出ると5分余りを残してとうとう1点差迫った。だが、追いつかせたくない大阪学院大は#8吉井がすぐにレイアップで返すと、続くディフェンスでターンオーバーを誘い、そのままボールを持ち込んだ#30木下が自ら決めた。大阪体育大はまたも#7山田が3Pを決めるが、流れは大阪学院大にあった。#30木下のジャンパー、#9雲井の3Pと続いて詰められた差を7点に戻した。大阪体育大も、残り3分を切ったこの場面で#9内藤、#13伴の得点が続いて一旦シュート1本差とするが、大阪学院大は#8吉井のミドルですぐに安全圏のリードとした。大阪体育大は最終盤に得たフリースローを落とすなどして、この局面であと一歩の段階でのミスも目立つ形となってしまった。結局最終的に85−79とした大阪学院大が、今季最初の関西のタイトルを手中に収めた。

170505YOSHIKAWA.jpg 相手の高さを前に、これまでのように易々と内藤が得点を伸ばせなかった大阪体育大。この日はその分、山田が発奮して大阪学院大を追い詰めたが、最後までビハインドを埋め切るには至らなかった。しかし、緊迫の接戦をものにし続けて勝ち上がり、準決勝では岸田が負傷交代しながら決勝に駒を進めた。なおかつその決勝でも、この大会で経験を重ねた3年生以下のメンバーが奮闘した。ストレスもかかる舞台で、日を追うごとに各選手が逞しくなっていった印象が強い。悲願の初優勝はならなかったが、確実に経験値を蓄えた次につながる大会となった。

 準決勝までは比較的無難に勝ち上がってきた大阪学院大にとっては、リードはするもののなかなか突き放せないもどかしい決勝戦だった。しかし、勝負どころではディフェンス引き締め、オフェンスに転ずればスピーディな展開から各選手でバランス良く得点し、相手に的を絞らせず。昨年のチームからは得点源だった澤邉が卒業。インサイドにルーキー吉井がそびえるスタイルはこのチームには新しい形だが、終わってみれば順当に優勝を決めたと言えよう。昨年は同じように全関を制したが、その後は戦績を下げていき、インカレ出場はギリギリで決めた。安定した戦績を残していくためには、この優勝で決して満足することなく、ここから更にレベルアップを図る必要があるだろう。

写真上:決勝の舞台でも安定して得点を重ねた大阪学院大・吉井。
写真中:岸田の負傷欠場でスタメン起用された大阪体育大・藤本は、大舞台に臆することなく追撃の得点を奪う活躍を見せた。
写真下:吉川も要所で得点を重ね、大阪学院大を勢いづかせた。

※大阪学院大・福田選手、雲井選手、山中選手、木下選手、大阪体育大・内藤選手、山田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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2017.05.05 (Fri)

【2017全関】5/5 3位決定戦 近畿大VS天理大

今村が攻め気を見せた近畿大が3位で大会を終える
天理大は下級生インサイドを上級生が牽引


170505IMAMURA.jpg 前日はともに惜しい試合を演じながら敗れ、決勝進出を逃した天理大近畿大。一昨年の全関では決勝を戦った両者が、3位決定戦に登場した。

 東淀川会場での戦いに移ってからは、どの試合でも立ち上がりが悪い天理大。この日もいきなり近畿大#24今村(2年・PF)、#8五十嵐(2年・SG)に失点し、同点としても、#15金田(4年・PF)に3Pを射抜かれ苦しい展開に。近畿大は、サイズで劣るインサイドで#24今村が奮闘。10センチものミスマッチにも臆さずバスケットカウントを決めるなどして、チームを盛り上げる。天理大は2Qになると更にオフェンスが重くなり、この10分は僅か4点止まり。近畿大が14点ものリードを得て、優位に前半を進めた。

 ただ、ここから盛り返すのも、今大会の天理大だ。#29榎本(4年・SG)のレイアップからじわりとリズムが良化。#30梶井(4年・SG)も得点を続ける。近畿大も#6藤原(3年・SF)の3Pで応戦し、前半とは打って変わって試合のペースが上がった。なかなか点差を埋めきれない天理大は4Q途中から#23山崎(3年・PG)が得点を重ね、点差がついに10点を切る。呑まれかねない状況で、悪い流れを断ち切ったのは近畿大#15金田と#3岡田(4年・PG)。#15金田が十八番の3Pを決め、#3岡田は果敢にペイント内に攻め込んで自ら決め、試合の趨勢が決まった。72−64で勝利した近畿大が、白星で大会を締めくくった。

170505HUANG.jpg 今年は更にサイズダウンとなった近畿大。ただ、今大会は濱高や今村がミスマッチの中で奮闘し、内容の濃い3位だったと言って良いだろう。それまで負けの経験が少ない故に、昨年のリーグ戦では初黒星後に苦しみ抜いた印象が強いが、最上級生の岡田と金田が模索を続け、かつての活発なコミュニケーションも戻りつつある。王座奪還はならなかったが、復調を知らしめる大会となった。

 前半で出遅れながらも後半で巻き返し相手を慌てさせる試合が続いた天理大は、試合運びには課題がある。一方で、インサイド陣の大幅なメンバー変更を考えれば及第点の結果とも言える。梶井と榎本がひたむきに得点を重ねる姿は、チームメイトにも刺激になったはず。いきなり1番ポジションを託された藤澤はもちろんのこと、黄やアーサーなどこれからのゴール下を担うであろうルーキー陣も、これからが楽しみなプレイヤーだ。今後どこまでチームが伸びるのか、期待をのぞかせる内容だった。

写真上:近畿大は濱高とともに今村のインサイドでの奮闘ぶりが際立った。大会期間中に足を痛める場面もあったが、長い腕と跳躍力で、最後まで仕事を果たした。
写真下:天理大はガラリとインサイドの陣容が変わったが、今大会は黄が存在感を発揮。今季、この先が楽しみなチームだ。

※近畿大・岡田選手、天理大・梶井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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2017.05.05 (Fri)

【2017全関】5/5 5位決定戦 関西学院大VS関西大

準々決勝敗退から切り替えた関西大が5位
関西学院大は課題を得ながらの大会終了


 ともに準々決勝では勝ちが見えた状態から、ショックの残る形の敗戦を喫した関西学院大関西大。6月には伝統の関関戦も控える両者が、この5位決定戦でぶつかった。

170505ADACHI.jpg 立ち上がりは拮抗したスコアとなったこの試合。関西大が得意のインサイドで#31梶原(3年・PF)が得点すれば、関西学院大も#74中野(3年・SG)が3ショットのフリースローを落とさない。ここからきっかけを掴んだのは関西大。#21窪田(2年・SF)のドライブ、#7河野(2年・C)のバスケットカウントが出て盛り上がる。更に#5石野(3年・SF)、#0足立(2年・PG)が3Pを決め、容赦なく攻める。この展開は2Qも続き、#31梶原がペイント内で稼ぎ、#5石野が再び3Pを沈める。関西学院大もタイムアウトを挟んで修正し、ここから関西大のオフェンスは単発に。この間関西学院大は#29八角(3年・PG)のレイアップ、#74中野の3Pで二桁近かった点差を4点に戻すことに成功。勝負はハーフタイムを迎えた。

 やや関西学院大がリズムに乗ったかと思われた3Qだが、関西大はここで一気に勝負を決めた。口火を切ったのは#11森田(3年・PG)の3P。経験不足の相手インサイドにつけ込んで#7河野も好調に得点を続け、関西学院大を黙らせた。#34井上(4年・SG)の外角や#21窪田の速攻などで点差は20点を超え、3Q時点で事実上勝負は決した。関西学院大は#74中野が意地でアウトサイドを決めるが、関西大の優位は揺るがず。79−68とした関西大が、5位となった。

170505KONISHI.jpg クロスゲームの末に近畿大の準々決勝に敗れた関西大。モチベーションが難しい状況での順位決定戦となったが、下級生主体のメンバーで昨シーズン後半を戦い、2部降格の憂き目に遭いながらも新人戦を制したチームの成熟度は高かった。だが、能力の高い選手も揃うが、何よりも目を見張るのは主将の井上のリーダーシップ。リーダー自らが誰よりも声を張り、コミュニケーションを怠らず、それがチーム全体に良い流れをもたらしている。このチームの目標は、まず第一に1年での1部復帰。この先の期間も簡単ではなかろうが、上位争いに顔をのぞかせる日が来るのが楽しみなチームだ。

 関西学院大は、この大会はどの試合でも停滞の10分間がある点が目立った。ベスト8をかけた神戸医療福祉大戦も敗色濃厚の局面に追い込まれ、逆に準々決勝の天理大戦は、前半で二桁の点差を得ながら最終盤に失速し逆転負け。昨年盤石の勝ち進みを見せたリーグ戦でも難しい時間帯を迎える場面は少なくなかったが、強力だったインサイド陣が卒業し、新布陣を追求の最中とはいえこの状況は寂しい。今後の大会で、どこまで勝ち切る強さを取り戻すことができるか。


写真上:昨年メインガードとして新人戦優勝を経験し、安定感あるゲームメイクを見せる関西大・足立。このチームにはなくてはならない選手の一人である。
写真下:今季スタメンに名を連ねる関西学院大・小西にとっては、貴重な経験を重ねた大会となっただろう。

※関西大・井上選手、関西学院大・堤選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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2017.05.05 (Fri)

【2017全関】5/5 7位決定戦 流通科学大VS同志社大

後半に抜け出した流通科学大が最終日に貴重な白星
下級生を中心にタフに戦った同志社大は8位フィニッシュに


170505SUWA.jpg ベスト8には進出したものの、その後連敗を喫している同志社大流通科学大。3連敗での大会終了だけは何としても避けたいチーム同士の7位決定戦は、今季1部で戦う流通科学大が力量を示した。

 試合序盤は同志社大が猛ラッシュを見せた。#35村井(3年・PG)が自ら積極的にシュートを決め、今大会スタメン起用の#41野見(3年・SG)も連続得点をマークするなど、開始3分経たずに12−2とする。立ち遅れた流通科学大だったが、悪い流れを払拭したのは#23龍(4年・PG)のジャンプシュート。同志社大も得点は返すが、立ち上がりのような勢いがなくなり、逆に流通科学大はここから#6清水(3年・SG)の3Pや、今大会好調の#9諏訪(2年・SF)のバスケットカウントなどで一挙にビハインドをひっくり返す。最後は#23龍の3Pで1Qを4点リードで終えると、2Q開始すぐに#8松浦(3年・SG)、#9諏訪がジャンプシュートを続けて掴んだ流れを渡さない。同志社大も#10右田(3年・SG)、#14岩坪(4年・PG)の3Pで縋るが、このQも最後に#23龍の3Pが炸裂し、7点差に広がって前半終了となった。

 このままで終わりたくない同志社大。3Qは、再び#35村井が攻め気を見せて得点するも、トラベリングが出るなどして一挙に波に乗れない。インサイドで#21田邉(2年・PF)が奮闘するが、流通科学大は#8松浦、#9諏訪の両輪がそれを断ち切る得点でリードを堅持する。4Q開始すぐに#9諏訪がタフショットを決めたところで、差は二桁となった。最後は#21田邉がインサイドで奮闘を見せ、#6柳原(3年・SG)も連続3Pを見舞うも、流通科学大は慌てさせるまでには至らず。ゲームは82−69で流通科学大が制し、大会を7位で締めくくった。

170505TANABE.jpg 今季は2年ぶりに1部で戦うこととなる流通科学大。本来の得点源の松浦がやや伸び悩んだ印象があるものの、今大会は諏訪が好調をキープし、チームのオフェンスを引っ張ったと言って良いだろう。大阪体育大、関西学院大といった1部校には敗れたものの、内容的に決して引けを取っていたわけではなかった。重要なのは、こうした状況でコツコツと勝利を拾っていけるかどうか。西日本インカレ、そしてリーグ戦に向けて、はっきりした自分たちの立ち位置を見つめ、状態を上げていって欲しい。

 同志社大は、ベスト8にこそ届いたものの、その先で待っていたのは悔しい3連敗。昨年のリーグ戦ではなかなか状態を上げることが叶わず、無念の2部自動降格を味わっているだけに、今季これからはこの展開を続けるわけにはいかない。選手の個々の能力は、決して1部に劣らないラインナップである。チーム力の底上げこそが、巻き返しのポイントとなってくる。

写真上:今大会一貫して好調だった諏訪。松浦とともに、安定した活躍を継続出来るかどうかで流通科学大の戦績も変わってくる。
写真下:この日22得点14リバウンドを記録した田邉。同級生の古村とともに、同志社大インサイドには不可欠なプレーヤーだ。

※流通科学大・龍選手、同志社大・宇治田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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2017.05.04 (Thu)

【2017全関】5/4 レポート(準決勝、5〜8位決定戦)

順位決定戦も加熱する東淀川体育館
決勝のカードは大阪学院大vs大阪体育大に


170504TAIDAI.jpg 残り2日間となった全関は、この日も4試合が行われた。最初の2試合は5〜8位決定戦。モチベーション持続が難しい舞台だが、リーグ戦では敗戦翌日にゲームをこなさなければならない状況がやってくる。そのためにも、5位で終わるか、8位で終わるかには今後に向け大きな違いが出てくる。一方後半の2ゲームは、準決勝の2試合。いずれも緊迫の展開となったが、特に会場が沸いたのが大阪体育大と近畿大のゲーム。1試合の中でこれほどまでの展開があるのかという密度の濃い競り合いが、最後の最後まで繰り広げられた。

 準決勝の結果、翌日の決勝に進出したのは、大阪学院大大阪体育大。大阪学院大は、昨年に続いての連覇を狙う立場であるのに対し、大阪体育大は初めての優勝にリーチがかかった状況だ。今季最初の関西タイトルが、いよいよ決まる。


170504TAKAYAMA.jpg まず順位決定戦に登場したのは関西学院大流通科学大。試合序盤は#23龍(4年・PG)のアグレッシブさが光った流通科学大がリードを得る展開となった。それでも関西学院大は、ベンチから交代出場の#15足立(4年・PG)の活躍で、すぐに追いつく。2Qは関西学院大#74中野(3年・SG)、流通科学大#9諏訪(2年・SF)が中心となって得点を決め合って、前半を終えた段階では39−41とほぼ互角のスコアとなった。しかし、3Qになってもシュートの落ちない関西学院大に対し、流通科学大のオフェンスは単発にとなって二桁の点差となってしまう。最終盤になると、流通科学大は#23龍が積極的に仕掛けて俄かに詰め寄るが、3Qでのビハインドが重くのしかかる形となった。88−80で勝利を収めた関西学院大が、5位決定戦に駒を進めた。

170504KUBOTA.jpg もう1試合の関西大同志社大も前半はクロスゲームに。関西大は#21窪田(2年・SF)、#11森田(3年・PG)らが、同志社大は#7古村(2年・PF)、#6柳原(3年・SG)といった面々がバランス良く得点し、時に守り合い、ハーフタイム時点で関西大2点リードの展開。つかず離れずの均衡が崩れたのは3Q終盤。関西大がゾーンディフェンスからリズムを得ると、#11森田、#34井上(4年・SG)の3Pラッシュで4Q序盤にかけて一挙に点差を開いて優位の構図を作った。結局これが決め手となり、最終的には71−56で勝利した関西大に軍配が上がった。

写真上:アクシデント、そして近畿大の執念を跳ね除けての決勝進出に沸く大阪体育大。
写真中:関西学院大は高山の働きも今後のチームの浮沈を左右するだろう。
写真下:関西大は要所で窪田のプレーが光る。まだ2年生。次世代の関西大を担う存在だ。

※関西学院大・中野選手、関西大・森田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【今大会屈指の熱戦を制し大阪体育大が初優勝へ王手】
 準決勝最初のカードは、近畿大大阪体育大。接戦が連続した今大会の中でも屈指の、最後まで勝負の行方が分からない好勝負となった。

170504YAMADA.jpg 立ち上がりは緊張感からかお互いにスコアが伸びず、やきもきする展開に。大阪体育大は早々に#19生越(2年・SG)が3ファウルとなり苦しい。近畿大は#24今村(2年・PF)のバスケットカウントでリードするが、大阪体育大もエース#9内藤(4年・SF)が決められても決め返していき、1Qは近畿大1点リードとほぼ互角。2Qになると近畿大は#24今村の再びのバスケットカウント、#15金田(4年・PF)も得意のシュートを沈めていき5点差をつける。しかし大阪体育大は引かず、#20岸田(4年・PG)の3連続得点で逆転した。互いに激しく守り合ってファウルもかさみ、思うように得点を伸ばせない中、大阪体育大は終盤に得たフリースローを着実に沈めて点差を僅かに拡大。前半は33−29で終了した。

 迎えた3Q。ゲームはここから白熱の度合いをより一層強めていく。まず大阪体育大が#7山田(2年・SG)のフローター、#20岸田の3Pなどで抜け出しに成功。近畿大はインサイドで奮闘していた#24今村が速攻でファウルを受けて一旦ベンチに下げざるを得ない。この間に大阪体育大は、#4草川(3年・PG)らの得点で勢いづく。#9内藤がランニングショットを沈めてとうとう点差は二桁となった。しかし、近畿大が#3岡田(4年・PG)のレイアップ、#15金田の3Pで反撃態勢を整えた直後、ゲームの行方を左右しかねない事態が発生。ドライブを仕掛けた大阪体育大#20岸田が足を痛めてプレー続行不可能な状況となってしまう。#4草川のゴール下でなんとか3Q終了時点では5点リードで終えるが、絶対的なガードである岸田を欠く状態で残り時間を持ちこたえられるのかが大阪体育大にのしかかる形となってしまった。

170504HAMADA.jpg 4Q、近畿大は#33濱田(2年・PG)が3Pに速攻と攻め気を見せてたやすく同点に。更に#3岡田のレイアップで再逆転に成功した。しかし大阪体育大はエース#9内藤がここから本領発揮。獲得したフリースローを落とさず、3Pの次はドライブも決めて逆に4点のリードを奪還した。対する近畿大も#33濱田の3点プレーや#3岡田のリバウンドシュートが出て、僅差でリードが入れ替わる緊迫の展開が続く。その中で近畿大は最上級生が意地を見せる。#15金田がツースローを決め、#3岡田のレイアップで大きな4点リード。しかしその直後、前日足を痛めた状況でこの日も奮闘していた#9濱高(3年・SF)の、微妙な4ファウル目を吹かれた後のアクションにテクニカルファウルが宣告され、退場となる。大阪体育大は#9内藤がフリースローを落としながらも、続くオフェンスではミドルシュートを沈め、残り1分を切って1点差に迫る。近畿大はこの局面で#3岡田が執念のバスケットカウントを獲得。ワンスローも沈めるが、直後再び#9内藤にファウルを献上。1投を決められて残り30秒で3点差とされ、なかなか試合を終わらせられない。直後のマイボールスローインで近畿大は#15金田に預けるが、3人に囲まれてジャンプボールシチュエーションに。これでマイボールとした大阪体育大は、#9内藤がまずは2点を選択。ドライブを決め、18.5秒を残してファウルゲームに入り、ラストチャンスに賭ける。すると、近畿大は#33濱田が2本とも落としてボールは大阪体育大に。ボールを受けたのはやはり#9内藤。アイソレーション気味の状況でドライブを見事に沈め、勝ち越しに成功。直後のディフェンスで残り2秒をしのぎ、待ちに待ったタイムアップのブザーが響き、応援席の歓声が会場内にこだました。最終スコアは74−73。最後に僅か1点だけ上回った大阪体育大が好勝負を制し、念願の初優勝に王手をかけた。

170504TAIDAIDEF.jpg 理想的な展開から一転して、岸田が退いた後は劣勢となった大阪体育大。近畿大の意地の反撃を受けてどちらに転ぶかわからないゲームとなったが、内藤を中心に最後まで気持ちを切らさずに食い下がり、執念で勝利の女神を呼び込んだ。どちらかと言えば下級生が多く、試合運びの面で安定感に欠ける印象もあるチームだが、今大会ここまでで着実に経験値を重ねているのも確かだ。決勝では岸田の欠場が決定的だが、関西随一の応援席をバックにしたチーム力は看過出来ないポイントだ。今一歩全員で一丸となり、初優勝を掴み取りたい。

写真上:決勝では内藤だけに頼れない大阪体育大。山田がどれだけの活躍を見せるかもポイントになるだろう。
写真中:4Qは濱田の攻め気が光った近畿大。好勝負を演じたが、あと僅かで決勝進出ならず。
写真下:最終盤にトリプルチームで金田を塞ぎにいった大阪体育大。勝利への執念が垣間見えるプレーだった。

※大阪体育大・内藤選手、草川選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【粘る天理大を振り切り大阪学院大が決勝へ】
170504KINOSHITA.jpg 準決勝のもう1カードの大阪学院大天理大の対戦は、早々に大阪学院大が優勢となるが、天理大が最後まで粘りを見せた。

 新入生のインサイドが基調の両チーム。そこが勝負のポイントと見られたが、優勢だったのは大阪学院大。#8吉井(1年・SF・大阪学院大高)が1Qからバスケットカウント、セカンドショットで存在感を発揮する。天理大は#29榎本(4年・SG)が奮闘して大きく離されずについていく展開に。6点ビハインドで迎えた2Q、いきなりディフェンスでトラベリングを誘発すると、大阪学院大は歯車が狂ったかファウルが込む状況に。この10分間は天理大が大阪学院大の思うようにさせず、#29榎本、#30梶井(4年・SG)の両4年生の活躍で一旦は同点に。ここから大阪学院大も同じく4年生の#35吉川(4年・SG)が仕事を果たしたが、4点差となって勝負は後半に入ることとなった。

170504KAJII.jpg 3Q、大阪学院大はスパートをかける。天理大を好ディフェンスで封じ、#35吉川のミドル、#30木下(3年・PG)の3Pなどでじわりと点差を拡大する。天理大はトラベリングやターンオーバーも出て、このQは完全に流れを渡す形となってしまった。4Qに入るとゾーンが効力を発揮し、#29榎本を中心にシュートが再び決まり始めて追撃の体勢が整った。だが、大阪学院大は#8吉井のフリースロー、#35吉川の3Pでなんとか二桁差をキープ。天理大も最後まで#30梶井が攻め気を見せたものの、開いた差を埋めきるには至らなかった。結局67−57とした大阪学院大が勝利。決勝進出を決めた。

 近年アウトサイド陣のタレントが豊富だった大阪学院大。今季のインサイドをベースにしたバスケットはこれまでとはややもすると異質な印象も強いが、今大会ここまで内容良く勝ち上がっている印象があるのは昨年同様だ。対戦相手の大阪体育大は手負いの状態であり、サイズ面でも優位ではあるが、接戦続きを制してきており、勢いに乗っている。受けて立つ姿勢ではなく、立ち向かう姿勢を持って連覇へ突き進みたい。

写真上:この日17得点の大阪学院大・木下。優勝には彼の活躍が欠かせない。
写真下:敗色濃厚の状況でも、天理大は梶井らが最後まで諦めない姿勢を示した。

※大阪学院大・吉井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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