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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.05.16 (Sun)

【2010トーナメント】5/16 決勝 慶應義塾大VS青山学院大

前半は互角も慶應大は後半青学大ディフェンスの前に停滞
青学大はスター軍団の力を見せつけ、2年ぶりの栄冠に

慶應義塾大学77(23-27,18-15,10-23,26-25)90青山学院大学
100516AOGAKU2.jpg決勝は慶應義塾大と青山学院大の一戦になった。
この大会のみの各チームのコンディションで見れば、この2チームが決勝に出てきたのは間違ってはいない。しかしそれぞれのチーム事情には差がある。慶應大はエース級の2名が卒業した。もともとスポーツ推薦はなく、駒が多いとはいえない。抜けた穴はこれまで出番の少ない選手やルーキーで補うことになった。一方の青山学院大は司令塔が変わったとはいえ、実力も経験もある。控えも多く最早少数精鋭といった言葉は過去の物だ。大型ルーキーの#25永吉(1年・C・延岡学園)は新人とは思えない別格の存在感で、#7岩下に遜色なく対応した。戦いは、勝負どころで主力のファウルトラブルが響いた慶應大を、青学大が一気に突き放した。

写真:宇田川が3Pを決め、タイムアウトになるとベンチも笑顔でみんなを出迎えた。

※青山学院大学・橋本選手、宇田川選手、慶應義塾大学・二ノ宮選手、酒井選手のコメント&インタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
100516IN.jpg前半は点数的には互角だった。慶應大は早い展開からパスを回して慶應大の新たな得点源となった#17家治(3年・F)が次々とシュートを決めていく。春からここまでなかなか走れないでいたが、この大会で確実に良くなった点は慶應の強みでもあるトランジションが多少出始めたことだ。走りでは後手に回った青学大だが、早々にゾーンも見せつつ、こちらも#0橋本(4年・G)が2本の3Pで勢いづく。準決勝では固かっただけに、この2本で乗った感はある。それでも慶應大は#17家治が勝負強いブザービーターなども決め、1Qは23-27の4点差。インサイドでも#7岩下が#25永吉(1年・C・延岡学園)とゴール下の争いを見せる。
2Qも慶應大は#19蛯名(1年・G・洛南)や#4二ノ宮(4年・G)の3Pもあって逆転。青学大も次第に足が出始めて互いに走り合いの様相を呈する。互いに譲らない展開となった2Qを終えて41-42。青学大が1点リードで折り返した。

「3Qの勝負処でこちらが頑張りきれなかった」と、#4二ノ宮を始め誰もが口を揃えた勝負どころの3Q、序盤こそ競り合いかと思わせたが、慶應大は#5酒井(4年・F)、#7岩下(4年・C)が続けて3つ目のファウル。一方の青学大は#56比江島(2年・SF)のカットから#23湊谷(4年・F)の速攻につなげ、#56比江島のドライブがバスケットカウントを獲得するなど、機動力を生かしたオフェンスを展開。ファウルが混み始めた慶應大が思い切ったディフェンスに行きにくくなる。オフェンスでは「セットプレーの精度がまだ足りない」(#17家治)と言うように、形になりきらないうちにターンオーバーになってしまう場面が目立った。青学大はそうした慶應大の間隙を突いて3Qで14点差をつけると、4Qは楽にオフェンスを展開した。慶應大はなんとか打開しようとするものの、ミスが続く。追い上げる姿勢は見せるが、攻撃の起点である#4二ノ宮を#4橋本がきっちりディフェンスし、思ったような形にさせなかった。青学大は#27宇田川(4年・F)が3Pを決めたのを始め、最後にベンチメンバーの4年生を出場させる余裕も見せて堂々と勝利を勝ち取り、2年ぶりに王者に返り咲いた。

100516NH.jpg青学大はやはり選手の能力の高さでは別格の部分を見せた。代表級の選手を多く抱えているのはもちろんだが、層も厚い。序盤で良くなかった#23湊谷や、#14辻(3年・SG)がこの試合では当たらなかったが、それでもほとんど問題なかった。いいプレーが出ればチームが沸き、声も出ているところは昨年までと違ういい部分だ。これこそ橋本が望んでいたチームの姿でもある。秋からは全てのチームが青学を目標に戦っていくことになるだろう。慶應大はトリオのファウルトラブルが痛かったが、これは致し方がない部分もある。限られた人数で戦う彼らには替えはいない。慶應大は常に考えて4つ目までのファウルを使わなければならない。軽はずみなファウルは青学大相手には命取りであることを、改めて体で認識しただろう。「3Qの勝負処で4年3人が頑張りきれなかったところが敗因」二ノ宮も素直に語った。春は二ノ宮と岩下というチームにとって一番大事な選手が強化合宿等でいない時間が多かった。代表活動はもちろん重要だが、慶應大のように少ない人数で作り込むチームには大きな影響があるのも事実だ。チームプレーという点ではまだ形になっていない。今回の反省からどこまで力をつけていけるか、家治やルーキーも成長が見えているだけに伸び幅はある。彼らには早慶戦という大きな舞台が残されているだけに、春はまだワンステップ踏めることを財産にしたいところだ。

春はまず青学大が制した。このまま黄金時代到来となるのか、他のチームが秋に待ったをかけるのか。新しい構造の元で行われるリーグ戦まで、それぞれの切磋琢磨がここから始まる。


【COMMENT&INTERVIEW】
◆#0橋本竜馬(青山学院大・4年・G・主将)
100516hashimoto2.jpg「準決勝では固かったけれど、決勝は思いきりやるだけだと思っていた。入りは固かったが、途中からやってやろうという気持ちになった。1Q、2Qで慶應も走ってきていたし、イーブンだったけど後半相手もファウルが混んだのでそこで突き放すことができた。永吉がよく頑張ってくた。永吉が入ってインサイドがしっかりした分、とてもゲームがしやすくなった。後半は離したけど慶應は粘りもあるし、一番向かってくるチームだと思っている。だから最後まで競るという予想はしていた。

キャプテンの責任を感じて、この1週間は気を張っていた。ただ、ここまであまり競り合っていなかったので、長谷川さんにもそこで気を抜かないように言われてもいた。そこは自分が引き締めなければいけないし、どんなに差が開いても替わりに出たメンバーにしっかりなくてはいけないと声をかけていた。

自分たちのチームも他のチーム同様にまだまだ伸び幅があると思う。ちょっとしたところをもっと強くしていって、ゲームの中で相手のポイントを押さえられるようになればもっといいチームになる。秋はそこを出ている5人がしっかり意識してやれるようにやりたい。これで狙われる立場になった訳だし、さらにハードルを高くしてまだ上を目指していきたい」


◆#4二ノ宮 康平(慶應義塾大・4年・G・主将)
100516NINOMIYA2.jpg「この大会では1試合1試合成長していった選手がいたことが収穫。課題は、競り合った場面・勝負処で足が止まってしまうところ。全体的に頑張るけど、頑張らなければいけない時間帯を全員が把握できるようにしたい。自分のコンディションはよくない。でも、シュートタッチは悪くない。もうちょっと上手く調整はできたなという悔いはある。点が欲しいときは、自分で攻めるようにしているけれど、今日はそのバランスがよくなかった。周りが点取っていたほうがうちの流れはいい。

家治は、自分が得点を取らなければという意識が出ている。自分の役割を全うしようとしている。今大会で成長したと思う。蛯名は良く頑張ってくれて、助かっている。これからは2人で出ることが多くなると思うので、もっとコミュニケーションを取っていきたい。自分自身はもっと気持ちを出してプレーしなきゃ。まだ足りない。キャプテンと4年生が頑張るだけでチームが変わると思う。今シーズンは勝って終わりたい。日本一になりたい。これからの試合は全部勝つつもりで頑張っていく」


◆#5酒井祐典(慶應義塾大・4年・F)
100516SAKAI.jpg「今大会はルーキーも多かったので、佐々木先生にも言われていたが、彼らのマイナス部分を見ずに長所を伸ばしていこうと思っていた。4年生がそれをバックアップするつもりでいけばチームもいい方向ににいくのではないかと。決勝はファウルであったりいろんな要因でうまく機能しなかった。個人的には下級生にはどんどん言っていこうと思っている。試合でしか経験できないこともある。そこでガツッと言っていければ向上心を伸ばしていけると思う。

青学相手に今の実力は分かった。自分たちのファウルも課題。今まで決勝の舞台で青学とは当たったことがない。僕個人としては青学が去年勝っていなくても頂点にいるチームだと思うし、そこと決勝を経験できたことを糧にして、次につなげたい。慶早戦につなげて、リーグに向かっていきたい。とにかく青学に勝ちたいと思う。そう考えると楽しみでもある。これだけ能力ある選手がいて、しかも層が厚くて、親しい選手が活躍している。今シーズン無敗の彼らにどうしても勝ちたい」



「相当いいチームになっている」
4年生としての自覚でチームを支えるシックスマン

◆#27宇田川 一馬(青山学院大・4年・F)
100516UDAGAWA.jpg橋本、湊谷といった選手に隠れがちではあるが、宇田川がベンチから出てきて果たす役割は決して小さくない。この日も勝負どころで決めた3Pで、慶應大に流れを持っていかせなかった。
青学大にいればどうしても出場時間は限られるが、もう少し長い時間出ていればもっと幅広いプレーが見られるのではないかという部分もある。さほど器用でなかったルーキー時代から考えれば、驚くほどの成長を遂げ、今や交代してもスタメンと遜色なく安心して見ていられる選手になった。今後も出番の多少に関わらず、しっかり見ておきたい選手だ。


―優勝おめでとうございます。優勝が決まった瞬間はいかがでしたか?
「ありがとうございます。久々の優勝だったので、素直にうれしかったですね」

―相手は慶應大でしたが、試合をするにあたって意識していた点は何かありましたか?
「慶應がやってくることは毎年変わらないんですよね。それにうちと似ていて、走ってくるチーム。だから、そういうところはちゃんとチェックしながらやっていたんですが、最初はやられてしまって苦しい展開になってしまいました」

―3Q以降、点差がじわじわと開いていったわけですが、ハーフタイムでの指示は?
「始めから気をつけようと思っていた、速攻だとかを止められていなかったのが前半に慶應にリズムを作られてしまった原因だと思っていました。だから、とにかくそこを修正しようという話はしました。後半は修正できて、点差を離すことができたので良かったと思います」

―4Q中盤、宇田川選手が3Pを決めた後、点差が19点に開いて慶應大がタイムアウトでした。その際に橋本選手(#0)が宇田川選手に駆け寄ってよろこんでいましたが、あのシーンは“この試合はもらったな”という感じだったのでしょうか?
「いや…それは、ちょっとはあったかもしれないですけど(笑)、“まだこれから”という感じでした。もっと点差を開いていこうと思っていました。あとは、残りの時間で他の選手も出られるようにということを考えていました」

―今シーズンから最上級生ということで、何か変わったことはありますか?
「責任感が出てきて、声を出すようになりました。このことは、練習中から長谷川さん(長谷川監督)からも言われてきていたことなので。特に青学は“声”ということに関しては足りない部分が多いので、そういうところは4年生が引っ張っていこうと考えています。なので、それをやっているという感じですね。みんな4年生になって自覚も出てきています。相当いいチームになっているなということを、感じています」

―今までの青学は“淡々と強い”というイメージだったのですが、今年は“熱くて強い”といった印象を受けました。
「去年、一昨年とそういうチームで3位という悔しい思いをしてきたので、どうしたらいいのかなということは考えました。そこで、4年生が頑張らなくてはいけないというのを話して。足りない面を4年生が引っ張っていこうと思って、今それをやってきているところなので、そういうところを見てくれているのはうれしいです」

―秋以降も青学が勝ち続けるためには、今後どのようなことをしていく必要があると考えますか?
「走る・リバウンド・ルーズボールなどの細かい点を練習から厳しくやっていく必要があると思います。あとは、選手層が厚いので、秋に誰がスタメンになっているかも分からない。全員で戦えるようになれれば、もっと強いチームになれるんじゃないかなと思っています。今年は学生最後ということで、最後は笑って卒業できるように頑張っていきたいです」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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