FC2ブログ
2023年12月 / 11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月


サイトを移行しました。現サイトはアーカイブとして継続してご覧いただけます。
http://bojweb.com

2010.05.12 (Wed)

【2010トーナメント】5/12レポート

早稲田大が法政大を下し2007年以来のベスト8進出
慶應義塾大・東海大・青山学院大は順当に駒を進める


100512mituhara.jpg勝負はベスト8の椅子をかけた戦いに入った。ここで負ければ春が終了となるだけに、好勝負が生まれやすい対戦だが、競り合いは法政大対早稲田大の1戦のみ。残りの3チームは格下の2部や3部の相手を難なく下してベスト8に進んだ。法政大早稲田大に一時は大きな差をつけたが、ケガから復帰してきた伏兵#14大塚(2年・G)のシュートに逆転を許す結果となり、3点差でゲームを落とした。


青山学院大は日本体育大を破った東京成徳大と対戦した。しかし1Qで片を付けるかのような勢いで24点差とすると、後は余裕の展開となった。控えメンバーにしたところで少し散漫になってしまったが、勝敗には関係なくあっさりベスト8。次は順天堂大と関東学院大の勝者が相手となる。

東海大神奈川大と対戦。GW期間にいくつかのチームが集まって切磋琢磨する「Tリーグ」でも一緒のよく知った相手だ。神奈川大はディフェンスでは東海大からターンオーバーを奪う場面もあり、粘りを見せたがオフェンスは何度も東海大の高さにはばまれると、消極的になってしまった。東海大は#0満原(3年・C)の20得点を筆頭に、#4森田(3年・PG)がFG、3Pとも100%の確率で13点。ルーキー#24田中(1年・SF)が10点・10リバウンドとプレイングタイムを分け合いながらも十分の出来。神奈川大は「シュートの形を作れ」とベンチから幸嶋監督が再三叫ぶも、ブロック、リバウンドで差を見せられるとなし崩しのオフェンスからアウトサイドが多くなるが、この決定率が上がらない。#7古橋(1年・F・興誠)が思いきりよくペイント内へ攻めこみ、#29田村(1年・F・新潟商)が3Pを2本決めるなどルーキーは思いきった姿が見られたが、それ以外は東海大に圧倒される場面が目立ってしまった。東海大は余力十分でベスト8へ。日本大と拓殖大の勝者が次の相手となる。


100512keio.jpg慶應義塾大国士舘大との対戦は、立ち上がりで国士舘大の#4馬(4年・C)が内外から決めると、#15平田(2年・G)も続く。慶應大は#17家治(3年・F)のシュートや#7岩下(4年・C)がダンクで魅せると、#4二ノ宮(4年・G)も3Pが決まって1Qで5点のリード。しかし国士舘大は2Qで得点がストップ。再三のターンオーバーや慶應大のディフェンスの前に得点できない場面が続き、2Qに獲得したのはたったの4点。前半で慶應大がリードを広げてダブルスコアとなってしまうと、そこから立て直しができなかった。慶應大は#5酒井(4年・F)が18本、#7岩下が16本とそれぞれリバウンドを稼ぎ、ルーキーも得点に絡んで100点ゲーム。次はベスト4をかけて中央大と専修大の勝者と対戦となる。

この2試合で奮闘の見える#7岩下。昨年は劇的なブロックショットで優勝を決めたとはいえ、彼自身の全体を通してのパフォーマンスはいいとは言えない大会であり、本人もそれは分かっている。「去年まではやはり田上さん(09年主将)や大祐さん(小林大祐・09副将・JBL日立)がいて甘えていた部分がある。今年は責任を大きく感じている」と、最上級生としての自覚がプレーの原動力になっている。この日も#4馬を守り、#13曹(2年・C)に激しいボディアタックを食らいながらも踏ん張った。慶應大にとっては替えのきかない選手であり、岩下にとっての真の敵はスタミナや集中力の持続だ。再度頂点に向けてここからまだ3戦、油断できない戦いが続く。

写真上:インサイド、3Pと相手を翻弄した東海大・満原。
写真下:2大フォワードが抜け、今年はいかにチームで連携したプレーを昨年のような精度で形にしていくかが課題の慶應大。話し合う場面が多く見える。


※法政大対早稲田大のレポートと早稲田大・大塚選手、法政大・長谷川選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【GAME REPORT】
終始リードを握った法政大だったが
終盤の勝負所で逆転負けを喫す


100512ide.jpg早稲田大が勝利するために必要なものは、一つは優秀なPGに他ならない。優れたシューターやフォワードがいながらももどかしいのは、ゲームを40分間コントロールしきれる選手がいないからでもある。昨年からは#5江口(4年・G)が出番を得つつ、シューターの#7井手(4年・G)がこれに挑戦しているが、ボール運びと得点を取ることの両立はそう簡単にできることではない。そんな中、このゲームで光ったのは昨年1年間をケガでほとんど棒に振った#14大塚の動きだ。このゲームでは3Pの得点での貢献だったが、動きの中で空いたスペースに通したパスは鮮やかで、期待を持たせるものだった。その大塚が、早稲田勝利のきっかけを作った。

ゲームの立ち上がりでは早々に2つのファウルを吹かれた法政大だったが、#11長谷川(3年・SG)のシュートや#41谷口(3年・C)のバスケットカウントで一歩も引かない。インサイドでは早稲田大のセンター#20久保田(3年)とはサイズのミスマッチもありながら、体を張ったディフェンスを見せる。早稲田大は開始5分で早々に#5江口から#14大塚にチェンジ。その大塚が#7井手の3Pを演出するアシストを見せる。早稲田大は#20久保田がゴール下で押し込んで決めていくが、法政大も#41谷口がゴール下で上手さを見せる。1Qは法政大が1点リードし、2Qも法政大がわずかにリード。早稲田大のディフェンスをかいくぐっての得点や、スティールやルーズボールへも飛びつく奮闘を見せる。早稲田大は#7井手、#20久保田の得点でなんとか逆転するが終盤に再度#11長谷川のシュートでひっくり返され、4点を追う形で前半を終えた。

3Qでゲームは大きく動く。早稲田大は#51相井(4年・G)のアウトサイドが決まらず、得点できないまま法政大に次々と点を奪われ、一気に10点差。法政大は#21加藤(2年・C)や#3鈴木(4年・G)のパスカット、早稲田大#20久保田を#11長谷川がブロックするなど全員が粘る。しかしそんな中で法政大の裏をかいたのは#14大塚。0度でフリーになると、2本の3Pで開きかけた得点差を8としてなんとか食らいついて3Qを終えた。

100512taniguchi.jpg4Q途中まではまだ法政大優位だった。しかしゲームは残り5分に動く。#20久保田のミドルシュートが決まり5点差とした早稲田大。法政大#21加藤がトラベリングを取られてしまうと、次の攻撃で再び#14大塚の3Pが決まり2点差に。法政大は#3鈴木がスティールするもシュートまでつながらずターンオーバー。早稲田大は#00金井(4年・F)のドライブが決まって残り4分で遂に65-65と法政大を捕らえた。ここからクロスゲームとなって#00金井、#7井手、#11長谷川、#41谷口らそれぞれが意地を見せるが、このゲームを決定づけたのはこの日の立役者、早稲田大#14大塚。法政大は残り1分で#41谷口が押し込んで70-72とリードしたが46秒で#14大塚がこの日4本目となる値千金の3Pを沈めて73-72と逆転。法政大は#11長谷川がシュートに行こうとするが打ち切れず23.5秒で早稲田ボールに。14.4秒でファウルゲームとなるが、フリースローを得た#14大塚がこれを冷静に2本沈め、点差は75-72の3。法政大のラストショットはエース#11長谷川に託された。しかし「フェイクを入れるべきだった」という3Pは#7井手もチェックに入り、決まらず弾かれてタイムアップ。最大の、そして一番大事な経験を要する場面を形にできなかった法政大が敗退し、早稲田大がベスト8の座席を手に入れた。



【INTERVIEW】
感じているのはPGとしての責務
「思い切りよく」挑む、遅れてきた期待の星

◆#大塚勇人(早稲田大・2年・G)
100512ootuka.jpgケガから復帰し対人練習を開始して間もないが、26分の出場で3P4本、アシスト3は立派な数字だ。法政大はあっさりと大塚をフリーにしてしまったのが大きな敗因になった。得点の貢献は見事だったが、期待されるのはやはりゲームメイク。大塚という大きな武器の復帰で今年の早稲田大に希望が見えてきた。

-昨年はケガで出られませんでしたが、今日の試合は最高の復帰ではないでしょうか?
「たまたまだと思います(苦笑)」

-ゲーム復帰にはもう少しかかるのではないかと言われていましたが、どのような状態だったのでしょうか?
「出られたら出るという形でやってきていました。春には復帰できるようにリハビリもやっていましたし、出られて良かったと思います。1ヶ月ほど前から動くようにはなっていましたが、対人練習を含めての復帰は2週間ほど前でしたし」

-今日出場機会があるかどうかというのは考えていましたか?
「昨日少しあったので、もしかしたらというのはありましたが、ここまで出ることになるとは思いませんでした」

-3Pは思い切って打てていましたね。
「下級生なので、思いきりの良さだけで打ちました。何も考えていないというか、法政からすれば自分はノーマークだったと思いますし、打っていけましたね。先輩達も全部いい形でパスを回してくれました」

-早稲田大はやはりゲームを作るガードという面で苦労していると思いますし、井手選手(#7)や江口選手(#5)もいますが、大塚選手の貢献というのがこれからかなり期待されるのではないでしょうか?
「そうですね。井手さんとかは高校時代から得点を取るという面でものすごい能力を持っていますし、そうすると自分がいることで今日みたいにコントロールしながらもやれるようになると、今後もっと良くなっていくんじゃないかと思います」

-そういう意味では今年自分がやるべきことと言うのは。
「やっぱりポイントガードとしてゲームを作ることですね。下級生だけど先輩たちにもどんどんやっていいよと言われています。まだ春なのでなじめていない部分もあるんですが、早慶戦などにも向けて少しずつでもやっていけるようになればと思っています」

-2年生でPGとしてまとめる、というのは言うほど簡単ではないと思いますが。
「多分難しいですね(苦笑)。でもやるだけですね」

-ベスト8となりましたが、今後の抱負は?
「秋に向けてどれだけいい形ができるかというのを考えよう、とさっきミーティングで話がありました。何にせよ僕にとっては未知の領域なので思いきりよくできればいいと考えています」



「今日はすごくいい経験になった」
勝負際で得た経験と反省を秋に昇華できるか

◆#11長谷川智也(法政大・3年・SG)
100512hasegawa.jpg神津祥平・信平優希・落合知也のいわゆる“ビッグスリー”が抜け、法政大は新たな時代へと入った。学生バスケットの難しさはスター選手が長く影響力を誇れば誇るほど、次の世代へのスライドに苦労するという点である。この春もいくつかのチームが代替わりに苦労しているが、法政大もその一つだ。
その点については早々に「吹っ切れた」と言う長谷川。ラストショットを任されることになった立場も簡単ではないが、自らの役目と自覚している。この日の最後のシュートについては、大きな反省もあるだろうが、同時に大きな財産にもなったに違いない。

-昨年まで主力だった3人が抜けて、今年はどのようなチームだと言えますか?
「3人の軸が抜けたので、逆にみんなで頑張らなければいけないですよね。その分みんなで吹っ切れましたし、経験は少ないですけど荒削りながら面白いチームじゃないかと自分は思っています」

-4年生の鈴木選手(#3)がいて、長谷川選手や谷口選手(#41)という3年生が軸になっていく形だと思いますが、その点についてはどう思っていますか?
「そうですね、責任はありますね。ただ、今日の試合は本当は勝たなければならない試合ではあったんですが、今までの中でも一番みんなのコミュニケーションも取れていて、そこは良かったと思います。ただ、相手の4年生が経験が上だし、落ち着いていたのでそこで離されたなと思います」

-ただ、サイズでは不利なのにリバウンドも取れていましたし(早稲田39・法政37リバウンド)、良い部分もかなり見えました。
「そこは頑張って体も張りました。ただ最後の追い上げのところでチームが一つにまとまらなかったというか、詰めの部分の出来ですね」

-チームでは今年は誰が中心となっている感じでしょうか。
「そこは4年生が軸なんですが、ゲームに出ているのは下級生中心なので、ゲームに出ている自分とかが引っぱっていかなければダメだと思うんです。でも練習中は4年生が結構声を出してくれています」

-今日は深尾選手(#8・4年)のルーズボールやリバウンドなども印象的でしたし、そういう部分で昨年まで出番のなかった4年生も頑張りが見えてきている感じではありますね。
「そうですね。それでみんなが一つずつステップアップしていけば、リーグ戦でもいい結果につながっていくんじゃないかと思っています」

100512hasegawa2.jpg-長谷川選手個人としては昨年からプレーの幅を広げることを意識しているという話でしたが、今日もペイント内へ積極的に行っていましたし、昨年と比べても3P以外のプレーが増えてきましたね。
「やっぱりこのステージまで来たら簡単にノーマークにはならないですし、3Pなんて打てないですから。僕が点数に絡まなければいけないと自分でも思っているし、監督にもいろいろ言われているのでそこはもっとやっていくべきところです。ただ、今日は最後にフェイク一つ入れられたら、というのを今ものすごく反省しているところです。もう思い出したくないです!(苦笑)」

-時間もありましたしね。惜しかったです。今年はラストショットを託される立場になりましたがその点については。
「高校時代は自分はそういう選手だったので、その役目がまた来たかという感じです。でもこういう本番になってみると責任重大ですよね。だからプレッシャーはありますけど、今日の最後の場面はすごくいい経験になりました」

-春はこれで終了ですが、秋に向けて。
「法政はすごい面白いチームだと思うから、もっとリーダーシップを発揮してチームをまとめたいです。今年はリーグ戦でも3チームが入れ替え戦に行く訳なので、絶対そこには入らないように。試合が増えることで厳しい部分もありますが、しっかり調整して頑張りたいと思います」

写真下:37得点も最後のシュートを決められず、顔をしかめる長谷川。これが後のゲームに生かせる経験値となるだろう。
関連記事

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

EDIT  |  23:55  |  2010トーナメント  |  Top↑
 | BLOGTOP |