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2010.01.03 (Sun)

【2010オールジャパン】1/3 トヨタ自動車アルバルクVS青山学院大

あわやアップセットの期待も抱かせた一戦
青学大がインカレを払拭する集大成を見せた最終戦

トヨタ自動車アルバルク108(24-28,28-13,23-25,33-31)97青山学院大学
100103aogaku.jpg立ち上がり、優勢に立ったのは青学大と言ってもいいだろう。トヨタ自動車は#7正中の速攻やアシストで加点していくも、青学大のゾーンディフェンスに攻めあぐね上手く噛み合わない。対する青学大は#16比江島(1年・SF・洛南)のオフェンスリバウンドからの得点や#4小林高晃(4年・SG)の速攻など、JBLのチーム相手にも持ち味の速いゲーム展開でリードを奪う。中盤、トヨタ自動車は#13オバノン、#34高橋のインサイドで確実に点差を詰める。それでも青学大は#0橋本(3年・PG)がスティールからの速攻や、#7渡邉(4年・PG)の3Pで反撃。昨年レラカムイ北海道に肉薄した青学大が1Qにリードを奪って終了し、打倒JBLに期待を抱かせる。2Q、トヨタ自動車は#34高橋、#13オバノンがインサイドを制圧し、開始2分で同点とする。その後もトヨタ自動車はインサイドにボールを集め、着実に点差を開く。一方の青学大は6分間で2本のシュートしか決められず、最大15点のビハインドを背負ってしまう。それでも青学大は#4小林高晃のバスケットカウントや#7渡邉がドライブからリバースレイアップを決めるなど、終盤に粘りを見せ11点差に前半を留める。

後半、立ち上がりにトヨタ自動車は#10岡田、#34高橋の3Pが決まると、さらに攻撃の手を休めることなく点差を20点台に乗せる。だが、中盤に青学大の怒涛の反撃が始る。まずは#16比江島が連続得点を決めると、#0橋本、#6織田(2年・SF)が果敢にドライブを仕掛け、フリースローを獲得し、着実に決める。すると青学大はまたも#16比江島がスクープショットやジャンパーと連続得点。さらには#7渡邉も速攻や3Pで続く。わずか5分あまりで21得点と大爆発を見せた青学大が点差を9点まで戻して3Qを終えた。
4Q、先手を取ったのはトヨタ自動車。トヨタ自動車はまず#13オバノンが中でバスカンを決めると、#11熊谷、#12渡邉が速い展開から加点。さらには#34高橋、#11熊谷の連続3Pと怒涛の攻撃を見せ、再び15点差。それでも青学大は#6織田、#5辻(2年・SG)、#7渡邉が次々と3Pを決め点差を戻す。ここでトヨタ自動車は青学大出身の選手を4人も起用。コート上には青学大とOBが9人立つというまさにOB戦の様相を呈する。その後も試合は一進一退の攻防が続く。青学大が#16比江島がドライブからスクープショット、#5辻が3Pを決めれば、トヨタ自動車も#7正中、#11熊谷の3Pで反撃。だが青学大の反撃もあとわずか及ばず。怒涛の攻撃も最後まで10点差を縮めることはできず、108―97で敗退。最後までボールを追いかけシュートに持ち込む戦う姿勢を貫いた青学大に、会場からは惜しみない拍手が沸き起こった。

写真:コート上が青学大の現役とOBで9名になった時点で、JBLの持つ体格の優位性が下がって学生の方が追い上げやすくなった。良く知っているからこそ、戦いやすいというのはあっただろう。

※青山学院大・渡邉選手、小林高晃選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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「僕達は期待に応えなければならない」
◆長谷川健志監督

―試合を終えて。
「20点を1桁まで持ち込むことができたのは、彼らが今できることを精一杯出し切ってくれたおかげです。お客さんは、大学生がJBLにどれだけ通用するかというのを観に来てると思うんですよ。だから、僕らはその期待に応えなければならない。特に、去年ああいうゲームをやっているから(※)、今年はやってくれるんじゃないかなという思いはあったと思います。相手は卒業生もたくさんいるチームですし。そういう意味では、その期待に少しは応えられたのかなと思います。ただ、もうちょっと脅かしたかったなと」
(※)昨年のオールジャパンでは、レラカムイ北海道と対決。終始接戦の様相を呈し4Q最後には同点に追いつき、レラカムイを脅かした。最後はレラカムイに軍配が上がったが、会場からは割れんばかりの拍手が青学大へと送られた。

―途中、コート上に現役選手5人、OB4人という場面もありました。長谷川監督としては、うれしさもあるのではないでしょうか?
「それはうれしいですよ。卒業生がこれだけたくさん頑張っているのは。だから、選手にも言ったんですけれども、OBも学生もどちらも頑張っていいゲームをした結果、勝ちたいというのが本音。母校がダメで勝つのはよくないと思うので、それはOBに対する気持ちに対して応えなければならない部分だと思っています。だから、僕たちはそれに応えなければならない」

―今後、JBL超えをするためには何が必要でしょうか?
「外人をどう守るかというのがポイント。あとは、もう少しずる賢いバスケットができないと勝てないかな。さらに、ディフェンスもオフェンスもスクリーンかな。スクリーンが学生とJBLの違いだと思うんですよ。逆に1対1や思い切りの良さは学生の方があると思うんですよ。スクリーンの使い方は間違いなくJBLの方が上手いですね」

―今シーズンを振り返って。
「決して悪いシーズンではなかったけれど、今日みたいなゲームもできるし、昨日みたいなゲームにもなってしまう。それが今の青山の良い時と悪い時の差であるのかなと。強いチームや、危機感があるときは頑張るんだけど、ちょっと抜いちゃう時があるなというのが今年でした。よくも悪くも。そこが3位に甘んじた一番の理由かな。あとは、人数が増えたから、少し他人任せになっている部分もあった。前は4、5人でバスケットをやらなければならない状況にあったけれど、今はベンチに入れない選手まで出ている。みんなの力が上がったから、全体の力が上がるかというとそうではないんですよ。コートの中でやっているのは5人なんだから、コートの中で出せないのはいけない。せっかく高いレベルのメンバーが揃っているのだから、もう一歩高いレベルでもっと争ってほしいなと思います」

―4年生へ向けてメッセージをお願いします。
「4年間あっという間でしたね。渡邉(#7)に至っては、僕はこれだけ成長するとは思っていなかった。本当に良く成長しました。今日いた正中(06年度卒・現トヨタ)などの先輩もいましたし、彼の努力ももちろんあるし、周りも彼をうまく支えてくれた。ポイントガードとしてあれだけ点が取れて、ポイントガードっぽくなるとは、正直入って来た段階ではここまでなるかなと思っていました。本当に大したものです。

小林(#4)は、4年間努力をし続けたし、人の嫌がるところをしっかり頑張ってくれた。しかも、4年間変わらず。技術はもちろん足りない部分はたくさんあるけど、そういう意味で、“体で努力してるんだ”というのを見せてくれた。

青塚(#21)、新井(#41)は、一般で入って来て、下級生もいいのが入って来て、なかなか試合に出られるチャンスがなかった。それでも、最後は4年生として切り替えてやってくれていました。本当に感謝しています。やっぱりこういう選手が頑張ってくれないと、チームは崩壊してしまうから。

柳澤(主務)は、俺に一番怒られていましたよ(笑)。その中でよく頑張ってやってきてくれた。マネージャーは僕の怒られ役。でも、マネージャーはそれだけ気を使えなければならないから。選手とは違う気の使い方が必要だったから。外にいる人間が厳しいことを言っていかなきゃならないので、彼には厳しいことを言ってきました」



「人がやりたがらないことが僕にはできる」
主将として、一選手として、背中を見せた努力の仕事人

◆#4小林高晃(青山学院大・4年・SG・主将)
100103kobayashitakaaki.jpgキャリアも豊富で能力も高い選手の多い青学大において、小林もその例に漏れない評価を受け続けてきた。ルーキー時代には新人王、2年生ではインカレ優勝や代表選出など、輝かしいキャリアを挙げていけば枚挙に暇がない。しかしそんな小林は自身のことを「運動能力が低いから、人と同じことをやっていても勝てない」と言う。チーム内の競争も激しい青学大の中でも常に主力として戦い続けたその裏には、並々ならぬ努力があったことだろう。努力すること、闘志を表現することの大切さ、小林が背中で見せ続けた精神はきっと後輩へと伝わっていくだろう。


―試合を終えて。
「いい試合をしようと心掛けていたので、内容的にも点差的にもいい試合にはなっていたので良かったと思います」

―JBLと対戦するに当たり、やはり今年も本気で倒しにいくという気持ちで臨んだのでしょうか?
「そうですね、去年もレラカムイに僅差でしたし、自分らでもやればできるっていうことはわかっていたので。あわよくば食ってやろうっていう気持ちはみんなにあったと思います」

―僅差で負けてしまいましたが、相手に及ばないと感じる点はどこですか?
「やっぱり高さがもう全然違ったので、リバウンドをどう抑えるかっていうところができていませんでした。ただ、外のシュートも入っていましたし、走り負けもしていなかったと思います。本当にちょっとの差で負けたんだと思います」

―勝たなければいけないインカレと挑戦者として臨むオールジャパンでは、やはり気持ちに違いはありましたか?
「プレッシャーはないですけど、負けたら引退なので。ひとつでも多くの試合をして、引退しないためには勝つしかないので、そういう意味ではモチベーションは保てていたと思います」

―青学大のユニフォームを着て試合をするのも最後になりましたが、終わってみて感想はいかがですか?
「長かったとか短かったとかは感じなかったですけど、4年間振り返ってみれば楽しかったかなと思いますね。充実してバスケットができていたので良かったと思います。やっぱりチームのスタイルが必死になってやることなので、1年生の頃から必死でついていくのもやっとでしたし。こういう上級生になっても相手に負けない技術なり、身体もできました。設備もちゃんと整っていて、青学ならではの4年間だったと思いますね」

―後輩に残せたものはなんでしょうか?
「そうですね…僕のプレーっていうのは観客を沸かせることとかはできないですけど、地味な部分こそ大事だっていうことがちょっとでもわかってもらえれば。オフェンスリバウンドに一つでも多く絡むことだったり、走ることだったり、そういう目立たないところが多いんですけど、そういうところを頑張れば試合にも出られます。僕は走るのも速くないですし、飛ぶのも苦手ですし、能力も低いんですけど、そういう人間でもやることをやれば、活躍できるっていうことを少しでもわかってもらえればありがたいです。僕は運動能力が低いので、人と同じことをやっていても勝てません。だから人がやりたがらないことは僕にはできます。僕は同じことをやっていても勝てないっていう自覚があったので、違う切り口から見方を変えて、バスケットに取り組もうって考えていました」

―4年間共に戦った渡邉選手にはどんな気持ちがありますか?
「2年生の時からスタメンで一緒に試合に出ていますけど、ずっといいコンビでやってこられたと思っています。4年生になって僕がキャプテンで、あいつが副キャプテンになったんですけど、あいつの方がチームを引っ張って来られたんじゃないかと思い続けていますけど(笑)。僕一人じゃ何にもできなかったと思いますし、いてくれてありがたかったですね」



「ずっと背中を見て尊敬している先輩と
真剣勝負できたのは楽しかった」
次のステージに繋がるラストダンス

◆#7渡邉裕規(青山学院大・4年・PG・副将)
100103watanabe.jpgチームハイの36点を叩き出し、大学生としては3年振りのJBLを倒すかというもしもの期待を抱かせる試合を演じて見せた。コンスタントに20得点が計算できる渡邉だが、リーグの後半からはその存在感が薄れてもいた。だがこの試合ではシュートにドライブ、アシストと久々の大爆発だった。しかし、渡邉の実力はこの試合だからこそ発揮されたのかもしれない。それは学生の大会にはあった、青学大の選手として優勝が唯一の目標であるプレッシャーから解放されたからである。
もう青学大のユニフォームを着てプレイすることがないことは惜しまれるが、渡邉が日本を代表する司令塔として将来活躍することに期待したい。


―試合が終わった感想は?
「本当に最後なので思いっきりやって。相手も先輩が多いので、やっていてすごい面白かったです」

―今日は積極的に点を獲りに行っていましたが、特別な気持ちはありましたか?
「青学のユニフォーム着てやるのも最後だし、インカレもあまり納得いく結果じゃなかったので。相手もトヨタだし、学生がJBLとやる機会も公式戦ではありません。インカレの気持ちも払拭してやろうと思って、思い切ってプレーができたのが、シュートにも繋がったのかなと思います」

―青学大の先輩とマッチアップすることも多かったですが、それについては?
「岡田さんと正中さん(共に2007年卒)は自分が1年生のときの4年生で、偉大で尊敬している先輩ですし、トヨタには他にも2人先輩はいますよね。ずっと背中を見て尊敬している先輩と公式戦で当たれて、バスケットを真剣に勝負できたのは楽しかったですね」

―コート上に10人中9人も青学大の選手がいた時間帯もありましたね。
「そうですね。ちょっと気持ち悪かったですけど(笑)。まあ、試合なので」

―昨年もJBLのチームに後一歩まで迫りましたが、今回はどんな気持ちで臨みましたか?
「そうですね、去年もレラカムイとやってあわよくば勝てそうでしたし。その経験をしたメンバーが残っていますし、勝ち方じゃないですけど、やりかたというか、思い切りやったらああいう結果になるという手応えは掴んだので、相手がトヨタであろうがどこであろうが、そういう気持ちをみんなで統一してできました。20点離れても詰められたのは、去年の経験があったからだと思いますね」

―インカレにはプレッシャーがあったかと思いますが、今日の試合というのは相手が格上だけに本当に思いっきりできたんじゃないですか?
「そうですね、本当はインカレで出さなきゃいけなかったんですけど(苦笑)。インカレはやっぱり硬くなっちゃったところがあったと思います。あれで学生の大会は終わりでやっぱり悔しい想いはしたので、今回は全然違う気持ちで臨みました。正直インカレとは話にならないくらい気持ちが全然違ったんですけど、本当に楽しんでやろうという気持ちでしたね」

―今シーズンは本当に終わってしまいましたが、今の気持ちは?
「そうですね。辛いこともあったし、いいこともあった。比較的辛いことの方が多かったですけど(苦笑)。最上級生になることが本当に大変なことなんだなと、経験できたし、そういう経験ができたことは自分の成長にも繋がったと思います。この経験を生かして、自分はバスケットを続けることができるので、そこで活かせたらいけたらいいと思います」

―後輩に対してどんな想いがありますか?
「もちろん日本一はそうですし、3冠も。3冠は昨シーズンもできそうでできなくて、そういう難しさも経験しています。そういう難しい経験も、インカレで優勝も、経験しているやつらが4年生になるわけで、本当に3冠目指してやってほしい。それと個人的にはここまで競れたので、JBLに勝って欲しいですね」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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