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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.12.06 (Sun)

【2009インカレ】12/6  5位決定戦 拓殖大VS天理大

両者互いの特徴を生かしたバスケットを展開
軍配が上がった天理大は創部初のインカレ5位で終了

拓殖大学73(25-17,16-27,15-22,17-20)86天理大学
091206hirao.jpgベスト4入りはならなかったものの、5位決定戦に回ってきた両チーム。天理大は、明治大に破れ6位となった昨年より1つ順位を上げたいところだ。天理大は#10サンバ(2年・C)を基点としてバスケットを展開するが、拓殖大はそれに対して#53小野(3年・C)に代えて#94長谷川智伸(1年・G・福大大濠)をスターターに起用。スモールラインナップで天理大に挑む。

1Q、高さのある天理大に対して拓殖大はゾーンディフェンスで対抗。先制点は天理大#5清水陽平(2年・G)の3Pだったが、その後は拓殖大が得意のアウトサイドシュートで次々と得点を重ねていく。天理大は#10サンバの高さを生かしたプレーで食らいついていくが、3Pが決まっている分、拓殖大が先行する形となった。拓殖大が8点のリードを奪って終えた1Qだが、2Qになると天理大は#1根来(4年・PF)、#10サンバのツインタワーを中心にオフェンスを展開する。1本ずつ着々と返していく天理大だが、拓殖大も#22松崎(3年・G)、#94長谷川智伸の3Pで譲らない。だが、中盤に差し掛かると、天理大は#0清水雄司(天理大・4年・SG)の3Pを皮切りに、#10サンバのゴール下での得点が連続で決まり、35-35と同点に持ち込む。だが、拓殖大は#22松崎がすかさず3Pを決め返して逆転を許さない。ここで天理大はタイムアウトを請求。するとその後は、#25平尾(2年・PG)がスティールからのブレイク、#1根来のインサイド、さらに#10サンバのバスケットカウントと一挙7得点を荒稼ぎし、残り2分で逆転に成功する。対する拓殖大は、フリースローと#5根木(2年・G)のジャンプシュートで応戦するが、天理大リードは変わらず。44-41で天理大が3点リードで前半を終える。

後半は常に天理大が先行して試合が進んだ。天理大は、#33吉田(3年・PG)の3Pに、#1根来のリバウンドシュートでバスケットカウントをもらい、内外角バランスよく得点を重ねていく。一方、拓殖大も#22松崎や#94長谷川智伸の3Pで点差をなんとか1桁差で食い止める。だが、3Q終盤に天理大が点差を10点に乗せると、拓殖大はその点差を埋めることができず。最後まで足を動かし、ディフェンスで逆転のチャンスを狙うが、天理大も#10サンバや#25平尾の得点で粘って、最後は13点差。天理大が5位決定戦を制して昨年より1つ順位をあげ、インカレに幕を閉じた。

写真:天理大・平尾のスピードある速攻が生きた。

※天理大・根来選手、吉田選手、清水陽平選手、拓殖大・宇佐美選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】
「これからも天理を誇りに思ってバスケットをしたい」
コート内外で存在感を示した関西の猛者

◆#1根来新之助(天理大・4年・PF)
091206megoro1.jpg一度はあきらめたバスケット。だがバスケットは彼を見放さなかった。
上を目指すほどの力ではないと、受験勉強を経て進学校の岸和田高へ進んだ。しかし、エンデバーなどから声は掛かり続け、やっぱりバスケットがしたい、という気持ちが沸いた。紆余曲折を経て天理大へ。すると3年のインカレでベスト8に名を連ね、4年目には幾度ものセレクションを経てユニバーシアード代表に生き残った。そしてこのインカレではホスト地区・関西で唯一ベスト8に残ったチームの、スタメンを務める唯一の4回生として、連日たくさんの取材に応える存在になった。大事な試合を控えているときも、準々決勝で夢が途絶えたときも、そして連戦の疲れがあるはずのこの最終戦も。それでも嫌な顔1つせず「ありがたいことです」と笑う。プレーはもちろんのこと、このおおらかさをいつも見てきた下級生達は「根来さんは大きな存在」と口を揃えた。
楽しそうなプレー、巧いプレー、そして頼りになるプレー。数々の印象的なシーンとともに、根来が関西に残したものは大きい。
だが、「オールジャパンまでの間にも根来さんから学びたいことがたくさんある」とまだ仕事は終わらないようだ。機会があれば“天理の根来”を見届けてほしい。


―この最終戦はいい雰囲気でしたね。
「最後はやっぱり楽しんでやるのと、あとはBチームの皆も応援に来てくれたので皆で一丸になって頑張ろうと決めて臨みました。それで勝ててよかったです」

―大会を終えてみて、去年のインカレとは違いましたか?
「全然違いました。去年は先輩についていくだけで、先輩が作ってくれた流れの中で必死に頑張っていただけだったんですが、今年はやはり最後なので悔いを残さずに、あとこれは去年の先輩達も言っていたんですが楽しくやろうというのを目標にしてやっていました。結果として去年より上の成績を出せたのはよかったと思います。でもこれで終わるんじゃなくて、後輩達には少しでも上を目指して頑張ってもらいたいと思っています」

―下級生に少し聞いてみましたが、“根来さんの穴は大きいけれど埋めれるよう頑張る”と言っていましたよ。
「本当ですか?それは嬉しい話です。まぁ実際僕が抜けても力は全然変わらないと思いますが(笑)。でも本当にスタートのうち4人が残るので、これからの頑張り次第でもっと強くなれると思います。ただ、これからは絶対サンバに対してもっともっとタイトにこられると思うので、そのフォローは考えていかないといけない課題です。今度はOBとして、色々と教えてあげていけたらいいなと思っています」

―リーグ時にさかのぼりますが、“チーム内で思っていることをまだちゃんと言い合えていない”と言っていましたよね。それはインカレまでに解消できましたか?
「はい、4回生が皆を集めてしっかりやりました。あまり言い過ぎても思い切りプレーできない子もおるし、その辺りは難しいところだと思ったんですが、やっぱりしっかり伝えないと、インカレという大舞台では1つのミスでも流れが全く変わってしまう。だから思っていることを先輩後輩関係なく言おうということで、それができたのはよかったんじゃないかなと思います」

―具体的には根来選手はどんなことを言われたり、逆に言ったりしたのですか?
「僕練習中ちょっとムラがあるんですよ。気持ちが乗っているときは声も出すし、チームを引っ張れたりもするんですが、気持ちが落ちているときは黙ってしまって。それでチームも重い雰囲気になってしまって、そこがダメだと言われました。自分自身も感じてはいたので(苦笑)、改めてそれじゃダメだなと自覚しましたね。逆に僕から言ったのは、僕に言えないできたことがいっぱいあると思うから、それをどんどん言ってほしいと。あとは言ったけどあまり聞いもらえなかったやつと飲みに行ったりしてフォローしたくらいです」

―去年もインカレ前に思っていることを言い合ってチームが変わったそうですが、やはりそれができると強いのでしょうか。
「ですね、応援の力は本当にすごいので、応援も含めてチーム一丸となるためにはそういった話し合いが大事だと思います」

―5位入賞して、関西王者の役割、それから注目選手にも名前を挙げられた自分の役割は果たせたと思いますか?
「いやー、やっぱりもう少しできたらという気持ちです。あれだけいい風に書いてもらったのに、青学戦で全然活躍できなかったのが自分の弱いところだと思いました。もっとチームを引っ張らないといけなかった。その辺りがまだまだ自分の未熟なところやなと思いました。これからもっと努力して、もっと上を目指したいと思います」

―まだオールジャパンはありますが、天理大で過ごした4年間は根来選手にとってどんな経験になりましたか?
「天理はフォーメーションを使ったハーフコートバスケットがカラーなんですが、4年間を通して考えながらバスケットができるようになったのかなと思います。本当にいい仲間といい指導者に囲まれて、関西やのにユニバにも選んで頂いたし、天理に来て本当によかったと思っています。これからも天理大学を誇りに思って、バスケットをしたいと思います」

―一緒に過ごした4年生の仲間は、自分にとってどんな存在ですか?
「ベンチ裏で“根来、次はこれや!”とか“リバウンドや!”とかずっと言ってくれていたのを皆さんも見てくれたと思うんですが、本当に僕にとっていい友達であり親友であり、サポーターというかアドバイサーみたいな存在でもあり。1番身近で、1番大事な人たちです」


「来年はチームを引っ張れるプレイヤーになりたい」
来シーズンの天理大浮沈のカギを握る司令塔

◆#33吉田簡太郎(天理大・3年・PG)
091206yosidak昨シーズンの司令塔・知念恭平(現関東実業団・富士通)からこのポジションを引き継いだ。知念と同じく沖縄出身ということで、応援団からの“シーサー”コールも変わらない。
さらにコントロールタイプというところも、共通の良さとしてあげられる。ベストタイミングを見極めて絶妙のアシストを周りに配る。今インカレでもサンバへの好パスが何本も通り、「簡太郎は同級生だから」とサンバが信頼を置くのもわかるプレーぶりだった。
反対にかき回す役割は呉田雄帆から2年生の#25平尾に引き継がれている。この2人は今はプレータイムを分け合っているが、平尾は「吉田さんにあって自分にないものを学んでスタメンになりたい」といい意味でのライバル心を燃やしている。
根来の卒業で来シーズはアウトサイドの出来がより重要になる。この切磋琢磨がチームをいい方向に導くのは間違いない。吉田ももちろんプレータイムを譲る気はない。新生チームが今から楽しみだ。


―最終結果は5位となりました。昨年より1つ順位を上げましたね。
「天理の歴史上6位が最高位ということで、準々決勝で負けたからにはもう5位しか残っていないということで試合には臨んでいました。なので、勝つことができて本当にうれしいです。青学に負けて、自分たちの目標が優勝という目標が達成できなかったのは悔しかったです。それに、その後の試合の中央戦で切り替えが遅くて競った部分があったんですけど、今日は切り替えられて、最後勝つことができてよかったです。インカレを通して1回しか負けてないという結果には納得して、最後は笑えて終われたのでよかったです」

―その“1回の負け”で感じた差は何だと感じましたか?
「最後のメンタル面だとか、ミスが出ないとかそういうところですね。関東は高いレベルでやれているし、いつも僅差の試合を経験していたと思います。逆にうちは競った試合がインカレまでなかったので、そこで差がでてしまったかなと思いました」

―昨年のガード陣はほぼ4年生で、今年から吉田選手がスターターとしてコートに立っていますが、試合に出ている選手たちをガードとしてはどう動かそうと意識していますか?
「今年から自分はスタメンで出られるようになったので、まずはターンオーバーだとかパスミスをなくそうと思ってやっています。上周りの1・2・3番というのは、関東に比べたらミスマッチだし、能力でも劣る部分があったので、サンバ(#10)とか根来さん(#1)を使うことを意識していました」

―では、今大会の自分をどう評価しますか?
「アシストランキングに入っていたから、最後までアシストできたらよかったんですが、今日はそれができなくて。あとは、プレータイムもあまりなかったので、もうちょっと頑張って練習していきたいです。来年はチームを引っ張れるようなプレイヤーになりたいです」

―今年の4回生について。
「4回生は4人しかいなかったんですが、みんながチームのことを考えてくれました。チームが沈んでいるときは積極的に声をかけてくれたし、清水キャプテン(#00)はチームを本当に引っ張っていってくれたし、根来さんはジャパンを経験してきた選手ということで存在も大きかったです。来年、4年生たちが抜けたらと思うと、これから自分たちがひっぱることになるになるわけですが、ちょっと不安です…。4回生は本当に大きな存在でした」

―まだ4回生と試合をする機会がありますね。オールジャパンへ向けて一言お願いします。
「とりあえずインカレを目指していたのでオールジャパンのことはまだわからないですが、ベスト16でJBLと戦うまでは勝ちたいです。去年、日立に負けたので、日立とやりたいな…とも思ったんですが、栃木ともやってみたいです。自分は沖縄出身で、並里(#14並里成)とやったこともあるので、ぜひマッチアップしてみたいですね(笑)」


「先輩たちを絶対に超えてみせる」
エースの自覚、自信、
そして惜敗の悔しさを知った今シーズンを糧に

◆#5清水陽平(天理大・2年・G)
091206simizuy#10サンバがボックスアウトに遭ってうまく飛べないとき、走りこんで来てサンバよりも上でリバウンドをもぎ取るシーンがあった。ドライブあり、アウトサイドシュートあり、もちろん関東のアウトサイド陣もしっかり守った。
2年生らしい思い切りのよさと2年生らしからぬ冷静なプレー。根来が「エースの自覚を持て」と声を掛けたというのも頷ける逸材だ。
大きな成長を遂げたシーズンの最後にしかし、とてつもない悔しさも味わった。
準々決勝・青学大戦のラストショット。決められなかった。だが、周囲の励ましによって立ち直った。今後、バスケットの神様はその恩返しの場面を必ず用意しているはずだ。そのとき清水がその場を生かせるかどうかは、今後の彼自身の取り組みにかかっている。


―準々決勝からの3試合を振り返って、どんな心境ですか?
「インカレ優勝というのが僕らの目標だったので、青学に負けてむっちゃ悔しくて。でも、それでも皆で話し合って、“天理で今までで1番いい成績を目指そう”という新しい気持ちで臨んだので、こうしていい結果になったと思います。今日もいい試合ができてよかったです」

―去年の6位と、今年の5位との違いはなんだったと思いますか?
「去年は後半に弱気になる部分があったんですが、今年はインサイドに(#1)根来さんと(#10)サンバという大きな存在がさらに強くなって、僕達アウトサイドの下級生も経験を積んで自信が持てるようになったので、それで今年は5位になれたのかなと思います」

―清水選手自身としても、ルーキーシーズンと今シーズンは違いましたか。
「そうですね、去年は先輩にずっと頼ってばかりでした。でも今年になって、根来さんに“お前がエースという自覚を持ってプレーをしないとこのチームは成り立たない”と言われて、自分が責任を持って攻めようという意識を持つようになりました。1回生のときより自分がやらなきゃという気持ちがすごく強かったです」

―インカレでも順位決定戦での切り替えはさすがだなと感じました。
「いや、1人だったらずっと落ち込んで、たぶん切り替えられなかったと思います。でもOBや4回生の先輩たちが準々決勝の後すごく励ましてくれて。“お前のせいじゃない、お前はよくやった”と言ってくれて、それで切り替えることができましたし、本当に色々な人に支えられてバスケットしているんだなと改めて実感しました」

―プレーの面でも、今シーズンは幅が広がったのではないですか?
「はい、去年は先輩がドライブして自分はもらってシュートという感じでしたが、今年は自分が1on1してサンバや根来さんに合わせたり、ドライブからシュートまで行けるようになったので、今年1年ですごく自信がつきました」

―清水選手は高校では全国の舞台はほとんど出ていないんですよね。それでこうして2年連続インカレベスト8のスタメンというのはやっていてどうですか?
「もう、去年のインカレは顔が真っ青でした。先輩たちにも“お前緊張し過ぎだよ”と言われるくらい(苦笑)。なので個人としてはあまりいい成績を残せなくて、今年も1回戦はやっぱりちょっと緊張してしまったんですが、緊張が解けるにつれ、自分のプレーができたと思います。と言ってもまだまだですが」

―インカレでも負けたのは青学戦だけと、来シーズンへの期待も高まるのではないでしょうか。
「さっきもロッカールームで先輩達に“俺たちの成績を超えてみろ”とか冗談ぽく(笑)言われたんですが、僕らが絶対超えてみせます。こうしていい経験をしたスタメンが4人も残るので、来年もいい成績を残せると思っています。根来さんがいなくなる分、サンバだけではいい流れを作れなくなると思うので、もっともっと僕達アウトサイドが責任を持って攻めるなりやっていきたいです」

―主将の清水雄司選手はお兄さんだそうですが、学生の大会を終えてなんと声を掛けてあげたいですか?
「兄とはもう小学生からずっと一緒にやっているんですが、一緒にやるのはおそらく大学で最後だと思います。本当に一緒にやれて楽しかったし、お疲れ様というのと、ありがとうございましたって言いたいですね」

―さて、4回生からのバトンを受けて、関西は来週から新人戦だそうですね。
「そうなんですよ。サンバ(3年)がいなくて僕らだけですが、サンバがいないからこそむちゃくちゃ勝ちたいって気持ちがあるので、また優勝目指して頑張ります!」


「”もっと重要なことがあるはず”だと思った」
自分らしさを失わずにチームをまとめあげた拓殖大主将

◆#3宇佐美勝也(拓殖大・4年・F)
091206usami.jpg宇佐美が1年の時、インカレ出場を果たすもののベスト16止まりだった。2・3年の時は、インカレ出場を逃し、昨年は入れ替え戦に回ってしまった。なぜ、こういう結果が生まれてしまったのか。この質問に対して、昨年度主将の宮城徹(現・日立電線)は以下のように答えた。
「去年もそうだったけれど、新チームが始まるときにチームで直すべきところを徹底して直すことが出来なかった」
宇佐美自身も、直すべきところを直せていないチームに気づいていた。そして、今年。自分がキャプテンになり、チームを1から叩き直した。結果はすぐに現われた。春のトーナメントでは筑波大を破り、ベスト8入りを果たす。また、秋のリーグ戦では2部2位で、念願の1部昇格を決めた。
決して派手で目立つプレイヤーではない。だが、プレーよりも「もっと重要なことがあると思った」と宇佐美。それが、今シーズンの彼が見せてくれたものだ。率先してハドルを組み、意思疎通を図る。チームメイトがいいプレーをすれば、それを自分のことのように喜び、ほめた。ベンチでも常に声を出し、チームを鼓舞し続けた。
彼が、自分らしさを見失わずにチームを引っ張り続けたことが、チームの躍進に繋がった。今シーズンの拓殖大は、彼の存在なしでは語れない。


―インカレの最終順位は6位となりましたね。この結果に関してはいかがですか?
「去年までと比べると、インカレで結果を残せたというのはうれしいです。でも、関東のチームと当たっていないので、運がよかったなっていうのはあるし、逆に言うと、そういう中で6位にしかなれなかったっていうのが、拓大の弱さかなとは思いました」

―宇佐美選手は、インカレは1年のとき以来のインカレですが、今年のインカレはどのような気持ちで試合に臨んでいましたか?
「1年のときは上にすごい先輩がいて、ついていくのだけが精一杯でした。法政に負けたんですが、そのとき、自分はずっとベンチにいただけで、ほとんど絡むことはなく終わりました。でも、今年は最後の年だし、思い切ってやろうかなという感じでした」

―小野選手(#53)や上杉選手(#26)は、高校時代は全国大会の経験がないプレイヤーですが、インカレも全国大会も経験している宇佐美選手が彼らに対して何かアドバイスはしましたか?
「いや、特にないです。それに、こういう舞台でも自分よりも上杉のほうがプレーで活躍できると思います(笑)。あとは上杉だけではなくて、賢人(#22松崎)だったり、ノブ(#94長谷川)っていう後輩たちに自由にやらせたかったので、自分はそんなにでしゃばらずに後輩たちに楽しんでやってもらおうかなってやっていました」

―今シーズンの拓殖大のテーマは“楽しくバスケットをする”でしたが、このインカレではそれはできましたか?
「最初の入りは微妙な感じで、次からはちょっとずつよくなってきました。日大はあの点差だったんですが、その中でもみんな楽しくやっていたし、声もよく掛け合っていました。鹿屋の試合は特にそれがすごいよくできていたと思います。でも、今日の試合は、結果もだめだったけど、内容もみんな暗くなってしまって、本当に悔いの残る試合になってしまいました。相手が強い、弱いというのは関係がなくて、それは自分たちの問題なので…」

―今年1年、キャプテンとして拓殖大を引っ張ってきましたが、いかがでしたか?
「自分がキャプテンになったときに思ったのが、拓大は昔から強い学校で、伝統もある学校なのに、ここ数年でそういういいところが失われているなと。しかも他のチームと比べると、有名選手が集まっているわけでもない。そういうメンバーが集まっているのに、普段の生活や練習に対する姿勢が適当になっていたところがあったので、そこら辺をまずは改善しようと思っていました。自分が入学して、3年間チームを見てきて、チームの悪いところっていうのは自分でわかっていたつもりだったので、チームを作るのは結構簡単でした。1年を通して、春が一番雰囲気よくやっていて、それは新チームになって“今年は頑張ろう”ってみんなで思っていたところでまとまれたんだと思います。でも、トーナメントが終わってからリーグ戦にかけては、練習に身が入っていなかったり、春の新鮮な気持ちがなくなってナアナアになってしまいました。自分もそこで変えればよかったんですが、リーグ戦中だったから、あまりチームの雰囲気を悪くするようなことは言いたくないなと思って、ずっとそのままやってきてしまったんです…。そこで何か言っておけばインカレでもまた違う結果になったのかなというのはあります」

―昨年のキャプテンであった宮城選手(現・日立電線)が、思っていたことを言わなかったことを後悔しているから、宇佐美選手はなるべく思っていることは言っていきたいということをおっしゃっていましたが、実際はどうでしたか?
「うーん…。自分は強く怒ったりするキャラではないので、そこは“声出せ!”と言うのではなくて、“声出そうよ”とか、言葉の言い方や伝え方は大切だと思って、そこは意識して後輩たちに言っていました」

―4年間を振り返って。
「4年間やってきて思ったことは、4年生がまとまった代は強いなということ。他のチームを見ていてもそうだと思いました。4年生がすごく楽しくやっていたり、仲良くやっているチームっていうのは、それを見て下級生もついてくる。それは一番4年間で感じたことです。プレーは、1年のころから比べたら上手くなっていないと困るし(笑)、体力的な部分も成長はしたけど、それでも1部の選手と比べたら対抗もできていなかったし、それが自分の力だと認めなければいけない。でも、自分の中では“それよりももっと重要なことがあるはず”だと思っていました。例えば、チーム引っ張るために声を出すとか、雰囲気をよくするとか。これは今年だけではなくて、1年のころから考えてやってきました。4年生になってキャプテンになって、そういうのがチームに言える立場になって、もっと成長できたんじゃないかかなと思います」

―自分は後輩に残せたなと思うことや、ここは後輩達にわかってもらいたいというのはありますか?
「プレー以外のところでもしっかりやってほしいということですね。それは拓大の悪い部分であったし、それは自分が一番証明しなければならない。だから、練習に遅刻しないだとか、道具を大切にするだとか、時間を守るだとか、そういう最低限の人間的に大切なところを自分は大切にしてきたことを、後輩たちが気づいてくれればいいなって思います。プレーで言えば、自分はあまりシュートも入らないし、1対1も強くない。周りの後輩たちに迷惑をかけていたところはあるけれど、ディフェンスだったり、リバウンドだったり、ルーズボールだったり、声を出したりする選手がいてこそ、勝ちに繋がったり、1本のシュートに繋がったりするということをわかってほしいなとはずっと思っていました」

―拓殖大は部員が多いこともあって、ベンチに入れない4年生もいました。彼らの思いも宇佐美選手は担っていたのではないでしょうか?
「そうですね。すでに引退している4年生もいるし、このインカレが最後の4年生もいる。4年間一緒にやってきた仲間だし、自分がみんなの代表としてほとんど出ている状況なので、4年生全員の気持ちを背負ってやっていきたいというのはありました」

―次のオールジャパンで今年のチームで戦うのが本当に最後になりますね。
「オールジャパンまで、まだ練習する期間があるので、1ヶ月くらいの中でどれだけ後輩に色んなことを伝えられるかというのが自分の最後の仕事だと思っています。インカレも終わって、自分の中で一区切りついたので、後輩たちに何を伝えるかっていうのを考えながらやっていきたいと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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