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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.11.22 (Sun)

【2009リーグ1部】1部リーグ最終総括

最後に頂点に立ったのは日本大
この混戦の結果はインカレへの前哨戦か


091101_2nihon.jpg第85回関東大学バスケットボールリーグ戦は、日本大学の優勝をもって幕を閉じた。ここ数年は頂点まであと一歩で届かなかった日本大にとって、14年ぶりの栄冠となった。また、慶應義塾大は2004年の優勝、2006年の準優勝に続き2位。彼らが強い年は不思議とリーグ全体のレベルも高いが、今年もそうなった。

2007年、2008年と2連覇を達成した青山学院大学の最強時代を経て、今年のリーグは各チームが戦力充実の時を迎え、内容の濃い混戦となった。優勝校が3敗以上したのは、優勝の筑波大学以下3校が4敗で並んだ2002年と、専修大学が4敗で初優勝した2003年以来のことになる。日体大時代がひとまずの幕引きとなり、大学バスケット界は変化の途中にある。戦力やバスケットの質から見てもレベルは上がってきていると言っていいが、課題もまだ多い。ただし、2006年のゴールデン世代卒業以降の2年間、底上げに苦労してきた1部リーグが今年はようやく1部たるにふさわしい内容を見せてくれた2ヶ月となった。ただし、混戦だからこそ各チームの実力差はさしてない。絶対的王者となるのはどこか、先に続くインカレにも楽しみが残された。

来期から1部リーグは10チームとなる。試合数が増え、各チームの負担も疲労も増える。長くなるリーグ戦はそれぞれのチームにどのような影響を与えるだろうか。課題の一つは再び内容の低下を招くようなリーグにしてはならないということだ。そのために、今リーグを基本ラインとした上で、来年の戦いも考えたい。

激闘の1部リーグの2ヶ月を振り返る。

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上位の明暗を分けたもの

091101_1nihon.jpg日本大は昨年の不振を乗り越え、久しぶりの栄冠を手にした。リーグ序盤は決して調子がいいとは言えず、選手自身からも「リーグ中に良くなっていけばいい」と言う言葉がたびたび聞かれた。慶應大に2敗した戦いを除いて、第4週の筑波大戦まではどちらかといえばマイペースで、チームから焦りは感じられなかった。覚醒したのはリーグ後半。第5週の青学大戦から見違えるようなアグレッシブな戦いぶりを見せ、青学大、東海大から勝利をあげると、慶應大が最終週に周囲を驚かせる敗戦をしたこともあって優勝の地位を手にした。強さの一つにはまず選手層の厚さがある。栗原、上江田、中村といった4年生のスタメンに加え、3年生のエースガード篠山の存在感は後半になるほど増した。熊澤の成長力も大きい。新人王・石川を始めとする下級生もまたチームに厚みを加える要因となっており、選手の枚挙にいとまがないほどだ。昨年はケガに泣き、バスケットが形にならない苦しい試合続きだった。逆境を乗り越えてきた精神的な強さもゲームでは見えた。とはいえ、日本大は常に強くあらねばならない大学だ。かつて日体大との2強時代を築き、スポーツ推薦に加えて施設の整った体育館と寮を持つ日本大は、1部の中で最も恵まれたチームの一つ。そういった意味で今後も常に結果を出し続けていくことが求められるだろう。

091101_1keio.jpg1部リーグのフロントランナーとなったのは1年で1部に復帰した準優勝の慶應義塾大だ。昨年のドラマの主役だった彼らは、春トーナメントに優勝し、リーグでも期待に違わぬ活躍を見せた。第1週から周囲に脅威を抱かせる強さを発揮し、事前の下馬評では優勝候補と目された東海大、青学大とそれぞれ1勝1敗。春からかなりのハイペースでチーム作りは進められてきたが、それをリーグ戦序盤で十分披露した。田上、小林、岩下、酒井、二ノ宮といった不動のスタメンのオフェンス力は1部で最も強力であると言って良く、今リーグは120点以上の試合を2試合達成。100点を越えるゲーム総数もハイスコアリングゲームを得意とする青山学院大を上回った。リーグ終盤に微妙な下降線をたどり、最終週で筑波大に負けて首位を明け渡すことになったが、彼らが1部リーグの話題の中心だったことも確かだ。1年前より全員がレベルアップしていることもチームや個人の数字からはっきり分かる。個人賞の上位もことごとく占めた。また、日本大に2勝したのも慶應大だけであり、順位こそセカンドポジションに甘んじたが1年間2部にいたハンデを考えれば、返り咲きチャレンジでは見事な結果だ。

091101_1aogaku.jpg青山学院大は3位。3連覇はならず結果的に落ちたが彼らがここ数年間、1部リーグを牽引してきた役割と内容は賞賛に値する。1部リーグで最も厳しいといわれる練習をこなす彼らに、過去2年間東海大がわずか1勝しただけで、日本大も惨敗の苦渋を舐めてきた。「青学を倒さなければ優勝はない」という意識はどのチームにも確かにあり、実際ここに2連勝したチームは今年も出なかった。もちろん3位に沈んだ以上課題はある。青学大のバスケットは誰が出ていてもブレの少ない安定度が必要だ。選手層が厚くなり起用パターンが増えたことで錬成度という意味ではまだ向上の余地がある。リーグ中盤からはスタメンを変えるなど、試行錯誤も見られた。しかしルーキー比江島はスタメンとして期待に違わぬ活躍を見せ、辻のアウトサイドや途中からスタメン起用された橋本ら、徐々に選手たちが力を発揮していく様子も見えたリーグだった。

この上位チームは組み合わせが一つのキーポイントになった。慶應大は第1週で東海大と、第2週で青学大と対戦することになり、ここが一番の山場と考えられていた。この2週の内容見応えがあったが、この3校は序盤でコンディションを上げる必要があったため、3週目以降、パフォーマンスが微妙に落ちる結果となった。一方の日本大は第1週では初週に勝った試しのない法政大から難なく2勝をあげ、第2週にはチームとして覚醒前だった中央大を1ゴール差という際どい勝負で下した。慶應大には2敗したが、リーグ後半には疲れが見えてきていた青学大に1勝、東海大からは2勝と、混戦のリーグでタイミングの良さも味方した。実力で勝ったのはもちろんだが、この3者を見るとリーグの難しさを痛感する結果とも言える。


中盤の混戦と下位の2校

091101_HOSEI.jpg4位法政大、5位東海大、6位中央大のポジションは最終日まで混戦だった。法政大は東海大と青学大、慶應大に土をつけたが、その一方で例年通りもろい部分を見せて下位の筑波大、中央大に破れるなどなかなか安定しなかった。選手層が薄く、ファウルトラブルなどのピンチに見舞われた時は厳しい状況も見えた。リーグ戦を通していかに安定して試合をするかというのは法政大の長年の課題だが、無難に4位に落ちついた。東海大はまさかの5位。2005年に1部昇格してから最も下位に沈んだ。第1週で慶應大相手に1勝1敗としたものの、やや安定度を欠いており、第3週で法政大に破れてから歯車が狂った。ただし、再建イメージははっきりしており、リーグ終盤はどこまでそこに近づけるかといった模索が続いた。青学大とは1勝1敗、日本大には延長戦にまで持ち込むなど、苦しい中でも光明は見えた後半戦。今後の更なる修正具合が問われるだろう。中央大は順位こそ6位だが、大健闘と言える。特に、佐藤、小野大貴、入戸野、渡邉の4人の1年生は初めてのリーグ戦にも関わらず、多くのプレイングタイムを得てチームに大きな貢献をした。エース小野龍猛もリーダーとして存在感を示し、チーム全員で勝ち取った勝利は数こそ少ないが、見事な試合が多かった。この中盤のチームはさして差が感じられない。新型インフルエンザによる欠場もあった。リーグ戦は週ごとのコンディションも大きく影響するため、勝敗を分けたのは微妙な部分と言えるだろう。

091101_1tsukuba.jpgやや勝星で落ちたのは7位の筑波大。試合経験の少ない選手が多く苦しんだ。しかし終盤にかけて調子を上げると慶應大から金星を奪い、成長の跡は大きく見えた。2004年以来の1部ということで、ディフェンスや試合運びなどに慣れていない部分も最初は見えたが、下級生も多く来年以降も1部にとどまってリーグの水に親しんでいけばそうした部分は解消されるだろう。順位決定戦では拓殖大にほとんど脅かされることもなく勝利している。8位の専修大のみがこの1部リーグで力を発揮できなかった。代替わりが最も顕著に現れたチームだ。2006年も代替わりの年に全敗しており、チームの再構築には時間がかかりそうだ。しかし1部では最もサイズがあり、選手の能力も高い。地道な強化や練習を怠らなければ数年後にはまた強いチームに成長しているはずだ。


自動昇格の明治大・拓殖大

091101_meiji.jpg来シーズンは1部リーグが10チームになることもあり、今年の2部リーグは自動的に2位までが昇格対象となった。頭一つ抜けていたのは明治大。順位決定戦を含む15連勝でリーグを締めくくった。ユニバーシアード得点王の金丸晃輔は前人未到の500得点。ディフェンスの甘い2部とはいえ、おそらく今後これを破る選手は出ないだろうと思わせる脅威の数字をたたき出した。その他、主力が昨年とほぼ変わらないこともあって、チームとしての安定度も高かった。2部リーグは昨年のようなシビアな戦いは少なかったが、それでも揺らぐことなく全勝昇格。1部復帰は1999年以来となる。拓殖大は2003年以来の1部復帰。有力選手を抱えながら2部で低迷する時期が続いたが、春からの好調を持続してリーグに入り、際どい試合も制して2位を獲得。主力は3年以下と、来年も残るメンバーが多く、期待が持てる。

また、2部リーグは日体大、大東文化大がケガ人やチームの若さなどで苦しんだのとは反対に、アビブの加入によって力を増した白鴎大が躍進。来期はパプを擁する関東学院大が昇格する。留学生の力が大きく作用している勢力図の塗り替えは下部から確実に始まっている。これが単なる選手獲得による一時の勝敗ではなく、大学バスケ全体の強化・発展につながる流れであると期待したい。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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