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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.10.17 (Sat)

【2009リーグ3部A】10/17 関東学院大VS神奈川大 第1戦

精度の高い守りでロースコアに持ち込んだ神奈川大
最後は“攻め気”で勝り、首位決戦を1歩リード


関東学院大60(17-16,13-15,21-10,9-22)63神奈川大
091017koujima両チーム、ベンチと反対サイドにチーム全員が集まっての円陣からこの試合は始まった。気合は十分。パフォーマンスも充実しており、何より全勝対決という最高のシチュエーション。好ゲームにならないはずがなかった。
前半は神奈川大のディフェンスが光った。関東学院大#1パプを2枚、3枚で囲み、かつローテーションにも隙を見せず何度も24秒オーバータイムを奪う。しかし、関東学院大はそれでもパプを起点としたスタイルを崩さず、じわじわと差を広げていく。ホームの意地でこのまま逃げ切るかと思われた。
だが、最終Qにもう1ヤマ待っていた。
神奈川大のゴールへの意志が関東学院大を凌駕し始める。昨シーズンまでの神奈川大にはまだ備わっていなかった底力だ。3分を残してついに同点とすると、そこからの全得点をエース・#2綿貫が決めた神奈川大に軍配が上がった。

コートサイドには、同じく全勝対決だった2007年のリーグ最終週・国士館大VS順天堂大戦以来かと思われるくらいの人だかりができていた。この時は国士館大も順天堂大も入替戦で快勝して3部レベルを超えていたことを証明したが、2009年の関東学院大と神奈川大にも、それができるだろうか。

写真:身体を投げ出し床を叩いて悔しがる神奈川大・幸嶋監督。いつも熱いベンチワークを執るが、この時ばかりは神奈川大のメンバーも少しびっくりしていた模様。ただ、この試合にかける気持ちは十分伝わったに違いない。

ゲームレポートと関東学院大・原田選手、神奈川大・内藤選手、綿貫選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
091017kouno不動の5人で臨んだ関東学院大に対し、週代わりでベストな5人をスタメンに据えている神奈川大は、#2綿貫(4年・G)・#19飯泉(4年・G)・#42大久保(3年・F)で関東学院大の3ガードに対応。インサイドは#10石川(4年・C)に加えて#11内藤(3年・F)がスタメンに復帰した。関東学院大#1パプ(3年・C)とのマッチアップも#11内藤が担うと、好ディフェンスを見せ、攻めては先制点を決めるなど起用に応える。しかし、得点では関東学院大が先行。#45尾崎(4年・G)がバスケットカウントや速攻を演出し、開始3分で10-2とする。だが神奈川大#2綿貫のドライブにその尾崎が2ファウルとなってしまい、早々にベンチへ。神奈川大が盛り返すかと思われたが、こちらもポジション取りで#11内藤が2つ目のファウルをコールされ、交代を余儀なくされる。どちらもややトーンダウンする中、粘ったのは神奈川大。#3蓮見直(4年・G)を投入してバックコートから当たり、時間を使わせての24秒オーバータイムを2度も奪う。そこからの速攻やインサイド陣のロングシュートで追い上げ、17-16と1点差まで持ち込んだ。

2Qはそのまま一進一退の攻防となる。ロースコアが本意ではなくフラストレーションがたまる関東学院大は、中盤にディフェンスをゾーンにチェンジして仕掛ける。すると神奈川大は入れ替えていたメンバーをスタメンに戻し、3Pシュートを決めて攻略していく。関東学院大は次なる手としてタイムアウトを挟むが、またしても24秒オーバータイムと打開できない。しかし神奈川大も突き放しきれず、2度のタイムアウトをとったものの重い展開は変わらず。30‐31で折り返した。

091017iizumi3Q、関東学院大は#1パプのアシストから#16高杉(4年・GF)の3Pと幸先のよいスタート。さらに神奈川大のインサイド陣から相次いでファールを奪う。神奈川大は#2綿貫がスティールからレイアップを決めて35-35とついていくが、ここから4分半もの間無得点に抑えられてしまう。対する関東学院大は、#1パプを起点とした形を崩さず、パプもそれに応えてルーズボールからのゴール下にバスケットカウント、ロブパスを受けてのゴール下と3連続得点。神奈川大はタイムアウトを挟むも24秒オーバータイムを取られるなど苦しくなる。その中で#24小島(3年・C)がロングシュート、パプのリバウンドシュートをブロックとつないでこらえるが、関東学院大はここまで来ていなかった#32前田(2年・F)の3Pシュートがついに決まり、残り2分49-39と10点差をつけることに成功した。

51-41と10点差のまま入った4Q、神奈川大は交代で入った#19飯泉の3Pにフリースローにの活躍で反撃を開始する。守っては関東学院大#1パプから連続ファウルを奪い、さらにスティールも出始める。#3蓮見直がゴール下に切り込むと、関東学院大#1パプはファウルを気にしてかブロックに飛ばず、そのままレイアップを決めて4点差に。さらに#24小島もドライブでファウルをもらい、残り5分45秒関東学院大はタイムアウトを取らざるを得ない。しかし#24小島がフリースローを2投きっちり決め、なおも神奈川大ペース。リバウンドにも全員で飛び込み、ガードの#3蓮見直がフリースローを奪取する。その2投目は落とすが、#24小島がリバウンドをもぎ取ると、最後は再び#24小島に託されたボールをしっかり沈めて54-53と一気に逆転してみせた。

関東学院大はここで#1パプがゴール下、リバウンドシュートと連続得点で気を吐く。しかし神奈川大も#2綿貫が3Pを沈め、57-57の同点で残り3分を切る。関東学院大はこの大事な場面で、パプのインサイドと両翼を担うはずの3Pを3連続でミスしてしまう。だが、神奈川大もブロックショットに遭うなど点数を動かせない。その中で残り1分、神奈川大#2綿貫がリバウンドに飛び込んでフリースローを得ると、きっちり2投揃えてリード。関東学院大は追い込まれるが、#31原田の3Pがここでようやく決まって逆転する。神奈川大は最後のタイムアウトを切るが、メンバーは冷静だった。#2綿貫がスクリーンを使ってロングシュートを沈めると、直後のディフェンスでは関東学院大が#1パプにボールを入れるのを読んでスティール。関東学院大はなんとかファウルで止めるが、綿貫はこのフリースローもしっかり決めて60-63と3点差をつける。残り12秒、関東学院大は#32前田の3Pにかけるが、やや遠くから放たれたボールはネットを揺らすことは出来ず。神奈川大の鮮やかな逆転勝利となった。


【INTERVIEW】
「まだもっとやれる」
本格的覚醒が待たれるシューター

◆#31原田佳明(関東学院大・3年・F)
091017harada敗因はただ1つ。「攻め気が足りなかった」。
昨シーズンはシックスマンながらリーグ3P王を獲得し、「自分のよさは積極性くらい」と言っていた原田だからこそ、悔やまれる内容だった。
それでも、ラスト1分2点ビハインドの場面でベンチの目の前から3Pをねじ込んだ(写真)のはさすがの一言。
「出るときにシュートを打っていけと言われていたので、あいたら打とうと思っていました」
やはり、原田は“持って”いる。
もっとやれる、という言葉は原田自身にも当てはまる。コンスタントにその力を発揮したとき、関東学院大は本当に手がつけられないチームになるだろう。


―全勝の首位対決は好ゲームでしたが、3点及びませんでした。その3点はどんな部分だったと思いますか?
「相手の(#2)綿貫選手を止めるのがポイントと言っていたんですが、最後に全員でそれを意識することができていなくて、やられてしまったところかなと思います。あとは、1度10点差をつけたときに油断…ではないとは思うんですが、そこからまた戻されてしまったので、そういうところでちゃんとゲームコントロールしないといけなかったです」

―この試合は60点台だったことを見ても、皆シュートがあまりよくないようでしたが。
「(#1)パプ以外の選手がパプばかり見てしまって、打てるところで打っていなかったです。だからオフェンスのリズムがおかしくなって、点も取れませんでした。チームとしては前田に攻めさせようということで、それに応えて後半どんどん点を取ってくれたので、明日は最初から全員攻め気で、パプ以外もしっかりやるようにしたいです」

―神大のディフェンスは他のチームと違っていたのでしょうか?
「全然違いました。プレッシャーが違いますし、気持ち的にも他のチームと違ったと思います。うちもそれに負けないようにしてはいたんですが、それでもちょっと押された部分があったので、明日はもっと強気でやるようにしたいです。特に終盤は慎重になり過ぎて攻め気がなかったので…色々考えずにやった方がまだよかったかなと今は思います」

―原田選手としては1Qから出番が回ってきましたが、コートに入るときはどんなことを心掛けましたか?
「まずはディフェンスをやること。それから、自分が出るときは大体得点が取れていないときなので、攻める気持ちでやることです。でも今日の前半は全然いいところなかった。明日は思い切りやらなければと思います」

―今リーグでは全勝を目指していたそうですが、ここまでの仕上がりはいかがですか?
「うーん、リーグ前半もずっと、微妙にうちのペースでできなかったことが多くて。今はリーグの最初よりは良くなっていると思いますが、まだもっとやれる部分がある。もっとパプの周りの選手が点を取れるので、そこは強気で行かないとダメだなと思います」

―自身の出来としてはどうですか?
「去年に比べると全然よくないです。まず、もっとディフェンスをやらないといけない。4週目の駒澤大戦も(#9)西山選手に自由にやらせてしまったので競ってしまいましたし…。今日もターンオーバーが多かったので、明日は絶対なくして、勝ちます」

―第2戦に向けて、チームの雰囲気としても上がってきていますか。
「試合の後、出ているメンバーで反省をしたので、大丈夫だと思います。今日は練習でやっていることができなかったので、それをもう1回確認しただけ。やることはわかっています」


「絶対止めてやろうと思っていた」
ここ1番の集中力でディフェンスを牽引

◆#11内藤義博(神奈川大・3年・F)
091017naitou綿貫いわく、“ふっと気を抜くところがなければ本当にすごいプレーヤー”。
つまり、その実力はもはや誰もが認めるところだ。
しかし、それをいつ、いかに発揮するかで信頼度は変わってくる。
今シーズンは開幕スタメンを務め、コンスタントにチームに貢献していた。中盤でややトーンダウンしてしまったものの、スタメンに復帰したこの日はプレータイムこそ短いながら実力の片鱗を発揮。関東学院大のキーマン、パプを立ち上がりからしっかりと守った。内藤が2ファウルとなったときにパプがガッツポーズしたのは攻めにくかった部分があったからに違いない。
後半パプと交錯して負傷交代となってしまったのは惜しまれるところだが、同学年の#24小島がしっかりとカバーした。内藤と小島の活躍は、今後の神奈川大としても明るい材料だ。


―接戦を勝ち切りました。
「すごく嬉しいです。今年は全勝を目指して頑張ってきましたが、それには関東学院大戦が1番のヤマになると思っていたので、それで勝てて本当に嬉しいです」

―1番のヤマということで、どんな戦略で臨んだのですか?
「ポイントはやっぱりパプを守ること。関学のリズムはパプから始まっているので、そのパプを止められれば絶対に勝てると思って、練習もそこに重点を置いてやってきました」

―この試合ではスタメンに復帰して、そのパプ選手とのマッチアップを任されましたが、いかがでしたか?
「今週は(#24)小島のコンディションが万全ではなかったのもあったと思いますが、周りの皆からも“パプについてよ”みたいに言われていたので、“絶対止めてやろう”とモチベーションは十分でした。それで今日のウォーミングアップ中に“内藤、スタメンで行くから”と言われて、改めて気持ちを入れて臨みました。が、ちょっとファウルをすぐに吹かれてしまって…でも、交代した小島が仕事をしてくれたのでチームとしてはよかったと思います」

―パプ選手からのアシストもチームできちんとケアしていましたね。
「そうですね。ローテーションディフェンスも練習してきましたし、やっぱりうちはガード陣がピカ1なので」

―3Qに1度離されましたが、4Qにたて直せたポイントはなんだったと思いますか?
「今日は本当に全員が気持ちを切らさないで最後までできたので、粘り勝ちだと思います。最終スコアも60点台ということで、ディフェンスからリズムを作る神大としてはこれくらいの点に抑えられれば絶対に勝てると思っていました」

―追い上げているときはベンチから見守っていましたが、どんな心境でしたか?
「正直、試合に出たいという気持ちもありましたけど、皆調子がよかったですし、自分が出ていなくても勝てればそれが1番いいので、応援に徹して頑張りました。応援席も皆、(佐藤)建人をはじめすごく盛り上げてくれたし、4年生の二宮さんもすごく応援してくれていて、本当にベンチから見ていても“すごくひとつになってるな”と思えて心強かったです」

091017naitou2.jpg―自分としては、リーグここまでの出来はどうですか?
「リーグの序盤はスタートで出ていたんですが、途中からちょっと調子を落としていましたね…。でも、自分の仕事というのがあると思うので、出たときに自分の仕事ができれば。それでチームが勝てればいいと思います」

―この試合をきっかけにまた調子を上げられそうですか?
「自分で言うのもなんですけど、まだ気持ちにムラがあるので、それをちゃんとできれば。あと、途中から出るとやっぱり緊張してしまうんですが、そんなことは言っていられないので、頑張ります」

―さて、去年はこのカードは1勝1敗でした。今年は2連勝できそうですか?
「そうですね、試合後の反省の中でも言っていたんですが、去年は1戦目勝って2戦目負けてしまったので、今年は絶対2戦とも勝とうと。なので明日も油断しないで、全勝を狙って頑張っていきます」


「ブロックされようがいいから行こう」
強気のビッグショットを生んだ仲間への信頼

◆#2綿貫 瞬(神奈川大・4年・G)
091017watanukiディフェンスもオフェンスも、4年間のベストゲームに近い内容だったのではないだろうか。
ディフェンスでの絶妙の連携を、“自分が1年生だったら絶対にできないディフェンス”と表現した。
そしてオフェンスでは、終盤の勝負所で仲間にシュートを任せ、そのリバウンドに飛び込んで大きなフリースローを決めた。
どちらも綿貫がいたからできたことだが、綿貫1人ではできなかったことだ。
関東学院大・原田があげた敗因とは対照的に、「パプがいようが行こうと思った」という綿貫のリードがチームを文字通り勝利に導いた。
お互いの信頼がもたらすチームの“密度”の高さは、このまま“全勝”という目標を実現させるだろうか。


―1Q立ち上がりはなかなか得点が伸びませんでしたが、その原因はなんだったと思いますか?
「ちょっとパプを意識してしまっている部分が皆にありました。それでシュートもそうだし、その後のリバウンドもうまくいかなかったと思います。ただ、ディフェンスは最初から機能はしていたので、焦りはありませんでした」

―そのディフェンスですが、パプ選手もパプ選手からのアシストも守るという素晴らしい内容でした。どんな戦略だったのですか?
「表現するのが難しいんですが…正直、自分が1年の立場だったら絶対に出来ないディフェンスなんですよ。状況によってスイッチなりをアイコンタクトでやるしかない、4年生だから組織としてコミュニケーションでやれたという感じでした。パプへの裏パスにしてもコミュニケーション1つで対処できたと思います」

―その結果、24秒オーバータイムも多く奪いました。
「それは素直に嬉しかったです。他のチームは、最後にパプでやられてしまったりして あまり24秒守りきることがなかったと思うので」

―ただ、その神大ディフェンスをもってしても、3Qにパプ選手攻勢で来られたときは苦しかったのではないでしょうか。
「そうですね、ちょっとキツかったです…。そのときはチームの雰囲気としても下がってしまっている部分があったので、とりあえず次、次と声を掛けていきました。最後に持ち直せたのは、我慢してディフェンスをやり続けられたからじゃないかなと思います。リバウンドも皆で行って、とにかく皆でできた部分が最後につながったと思います」

―4Qはセンター陣をはじめ皆がゴールに向かっていました。
「はい。やっぱり自分がいつも攻めてだとディフェンスが寄ってきてしまうので、そこでシュートなりリバウンドなりをやってくれると、チームとして点数が伸びるので、すごくよかったと思います。この試合も3Qくらいから寄って来るなと感じていたので、パスを回していこうと考えていました。パプが出てきたら、さばく!という感じで」

―綿貫選手としては、どんなことを心掛けてプレーしていたのですか?特にラスト3分間は全て綿貫選手の得点でしたが。
「自分としてはもうパプがいようが関係ない、行ってやろうと思っていました。それで流れを作ろうと。残り1分でのタイムアウトでの指示も、“お前は行けるんだったら行け”と言ってくれたので、いつも通りやりました」

―前回のインタビューで、“決めるべきところを決められれば”と言っていましたが、まさにこの試合が“決めるべきところ”だったということでしょうか。
「あぁ、そうですね。たまたまだとは思うんですが、今日はそれが自ずとできました」

―失礼ながら、これまではここぞという場面には弱いのかなというイメージでした。
「そうですよね…いつもはなぜかできないので(苦笑)、今日は嬉しいです。でも本当にたまたまですよ。パプのボールをスティールできたのも、パプで来ると思っていましたから。そこはもう狙っていました。あとはフリースローも調子がよかったですが、しっかり練習をやってきていたので、自信を持って打てました」

―エースとしての役割を果たした綿貫選手もそうですが、それぞれのメンバーが仕事をして勝てたのではないでしょうか。
「はい、それが1番大きいです。下が伸びるとチームが成長しますが、成長しているというのがすごくわかります」

―この日は大きい1勝でしたが、目標の全勝までの道はまだ簡単ではないですね。
「これからですね。今日勝っても明日勝たないと意味がない。去年も2戦目に負けているので、明日が勝負です。バスケットは何が起きるかわからないのでもう1度集中します」

―2戦目もあるのですが、来週の最終戦はホーム開催ということで、抱負を聞かせてください。
「神大用のポスターも作ってくれているので…本当に自分たちのプレー、“神大頑張っているな”というところを来て下さった方々に見せたいです。これまでやってきたことを出せればと思います!」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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