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2009.10.17 (Sat)
【2009リーグ1部】10/17レポート
日本大が気迫のプレーで青山学院大を追い落とす
筑波大は法政大から3勝目をあげる
この日の注目カードだった青山学院大対日本大。ここで勝利すれば青学大は優勝は射程圏内となる。しかし序盤から勢いは日本大にあった。「代々木でできるのはあと3回。悔いは残したくなかった」と#5中村(4年・C)がインサイドで活躍。センターの差が大きく響き、そこから連鎖するように青学大はアウトサイドの不調に陥った。ラインナップを替えつつも日本大を凌駕するには至らなかった青学大は、これで4敗目。優勝がさらに一歩遠のいた。逆に日本大は2敗を守り、慶應大の後ろを離れない。その慶應大は前週とはうって変わった圧倒的勢いで中央大を蹴散らすと、今期の目標だった120点越えをリーグ戦で果たし、こちらも優勝に向けて着実に一歩前に進んだ。
もう一つの注目校、法政大は筑波相手に互角の立ち上がりを見せるが、つかず離れずといった展開からそのままなし崩しに潰れ4敗目。筑波大はうれしい3勝目となった。東海大は堅いディフェンスで専修大をこれまでの最少得点に抑えて勝利し、中盤位の争いも激化している。
写真:ベンチも応援団も終始にぎやかにチームを盛り上げた日本大。
【10/17結果】
中央大90(11-36,33-30,20-29,26-33)128慶應義塾大
法政大62(20-23,14-18,14-15,14-31)87筑波大
東海大74(17-4,16-14,25-15,16-10)43専修大
※3試合のレポートと慶應大・酒井選手、筑波大・鹿野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※青山学院大対日本大は別途掲載します。
中央大はファウルトラブルで思うようにプレーできず
中央大90(11-36,33-30,20-29,26-33)128慶應義塾大
開始こそ慶應大側に立て続けのファウルが鳴ったが、その後は一気に自分たちのペースに流れを引き寄せた。#16二ノ宮(3年・G)の3Pを皮切りに、#5小林(4年・GF)のミドルシュート、#14酒井(3年・F)のリバウンドからのバスケットカウントと続き、アグレッシブに攻め立てる。中央大は#3小野龍猛(4年・CF)のポストアップからの得点はあるが、慶應大ディフェンスの前に24秒ギリギリのタフショットが目立ち、おまけに慶應大の速さについていけず次々とファウルコールされてしまう。慶應大は自慢の速攻を連発し、1Qで36の大量得点。中央大は11点と出遅れた。2Qも慶應大の勢いは止まらない。しかし中央大も#12竹原(3年・SF)の3Pやドライブで対抗。タイムアウトのベンチで#4小野龍猛がメンバーを「(ディフェンスに)つけなかったら言え。それがコミュニケーションだろ。もっと声を出せ!」と叱咤。その後はディフェンスもやや持ち直した。2Qは33点を取り点差を詰めるが、慶應大も同様に30点越えで差は縮まらないまま前半終了となった。
後半も立ち上がりに#16二ノ宮が2本の3Pを連続で沈め、慶應大の勢いは変わらない。中央大はファウルトラブルが厳しくなり、残り3分で#5浜田(4年・PG)が5ファウルで退場に。4Qには#9吉田(3年・F)も退場となり、苦しい中央大。余裕の出た慶應大はベンチメンバー全員を出場させる展開となる。ディフェンスが甘くなった点で中央大に3Pを多く決められてしまうが、それでも#7岩下(3年・C)が「攻撃は最大の防御でもある」と言うように4Qも30点越えで目標だった120点を超える試合で大勝した。
120点を取ることは今期の慶應大の目標だった。3年前はほぼ変わらないメンバーで70点を取るのがやっとだったチームが昨年は80点を越え、今年さらに上を目指すために掲げられた目安だ。この得点に到達するためには全員の集中力が必要であり、1部リーグではそう易々と達成はできない。中央大の巻き返しも油断できず、2戦目も力を出し切れるかが注目だ。
写真:速攻から小野龍猛をかわし、ビハインドパスでアシストを出す慶應大・神田智浩。
※慶應大・酒井選手のインタビューは下へ。
筑波大が快勝し、3勝目
法政大は悪い癖がぶり返す
法政大62(20-23,14-18,14-15,14-31)87筑波大
序盤、両者一進一退の攻防を見せる。筑波大が#36本井(3年・C)、#45鹿野(4年・F)がなどのアウトサイド攻勢で得点を重ねていけば、対する法政大は#5神津祥平(4年・C)のインサイドを中心に#11長谷川(2年・SG)、#3鈴木(3年・PG)が外からも点を奪う。しかし、この日の法政大は、特にディフェンスに覇気がなく、簡単に失点を許していく。さらに法政大は審判の笛にも終始悩まされ、戸惑いを見せる場面が見られた。対する筑波大はこの日、アウトサイドが絶好調。#45鹿野、#7佐々木の3Pもあり、筑波大がリードを奪う。2Qに入っても筑波大は好調を維持する。#45鹿野の1対1からアシストを受けた#36本井がバスケットカウントを決めれば、#7佐々木が再び3P。対する法政大は#5神津祥平、#91落合(4年・PF)が早くも2ファウル。神津がベンチを暖める時間が長くなる。それでも法政大は#23信平(4年・F)の3連続得点で5点差まで詰め寄るが、その後はフリーのシュートを次々と落としたり、24秒オーバータイムを犯すなどチームとしていまいち調子が上がらず、得点が伸び悩む。終盤、筑波大は#7佐々木のドライブから#36本井がミドルシュートを決め34-41と前半をリードで終える。
後半、そろそろ巻き返したい法政大は、序盤から#91落合のミドルシュートや#11長谷川のジャンパー、#5神津祥平のローポストなど、それぞれが能力を発揮しバランスのいい得点を見せる。だが一方の筑波大も法政大のゾーンディフェンスに対し#13片峯(4年・G)が3P、さらに#45鹿野の速攻、前半不調の#23黒田(3年・F)がミドルシュートで対抗。後半に入り調子を上げてきたと思われた法政大であったが、#5神津祥平がブロックを決めた直後にルーズボールファウルを吹かれ、3ファウル目でまたもベンチ。さすがにこの展開には危機感を覚えたか、法政大は#21加藤(1年・CF・洛南)の連続得点や#91落合のアウトサイドで追い上げを図れば、ディフェンスの運動量も増えていく。しかし、焦りからかオフェンスの勢いは続かず、またも点が伸びない。その間にも筑波大はチームでディフェンスを切り崩し、#33加藤(3年・F)、#36本井が連続得点で10点差まで開く。ここで法政大はタイムアウトを請求し、#5神津祥平を投入。しかし、直後に#5神津はポジション争いでまさかのオフェンスファウルを取られ、なんと4ファウルで再びベンチへ。48-56の筑波大リードで迎えた4Q、後のない法政大であったが、この日は何をやっても上手くいかないという感じか、次々とオフェンスをミス。開始2分で#5神津祥平をコートへ戻す。だがここで勢いを増したのは筑波大。筑波大は#45鹿野がアウトサイドに連続アシストを決めれば、#7佐々木、#33加藤の連続3Pで一気に法政大を突き放す。なおも流れは筑波大。筑波大は24秒ぎりぎりに#36本井がアウトサイドを決めれば、またも#13片峯、#36本井が連続3Pとアウトサイドが大当たり。残り3分で16点のリードを奪う。ここで法政大は反撃と出たいところだったが、狂った歯車は最後まで戻らずタイムアップ。62-87で筑波大が復調の兆しを見せる3勝目を挙げた。法政大はこの日、集中力を欠いていた感が否めない。さらに危機感を抱いた頃に審判のジャッジによって、水を差された。とはいえこの日の筑波大のアウトサイドは絶好調。シュートは水物とは言うが、インサイドで優位に立つことの少ない筑波大にとって、高確率なシュートを安定させることが、今後のひとつの鍵となるだろう。
写真:積極的な攻めが見られた筑波大・本井。
※筑波大・鹿野選手のインタビューは下へ。
4敗で踏みとどまる東海大
専修大は強固なディフェンスに阻まれる
東海大74(17-4,16-14,25-15,16-10)43専修大
立ち上がりはやや鈍い展開となった。東海大は専修大の高さが気になって簡単には中に行けず、専修大は東海大の守りに遭って同様に攻め込めない。専修大は#11藤井(4年・G)のアウトサイドが決まらないが、守りでは#91太田(2年・F)の長い手を生かしたブロックなど、サイズを生かした守りでそう簡単に点を入れさせない。しかし開始5分でインサイドの要である#20張(3年・C)が足を痛めてベンチに下がると、苦しくなった。最初の得点が決まったのは開始5分半の#21三井(2年・G)のドライブ。しかしその後も得点が伸びず残り2分で#31畑(2年・G)のミドルシュートが決まったのみで1Qはたったの4点に終わる。一方の東海大も、思ったようには得点が伸びず1Qは17点に終わった。2Qの出足は東海大が早い展開で速攻を出すと、一気に点差を開いた。専修大は外が安定しない。また、連携のミスなどターンオーバーが目立つ。東海大は#45鮫島(4年・F)や#27石井(4年・SG)らB園地メンバーが仕事を果たす。しかし専修大も#31畑や#33館山(1年・G・能代)の3Pで応戦して2Qは16-14と互角の点数とした。
後半もそのままの流れは変わらない。東海大は3Qで#24古川(4年・F)の3Pを皮切りに#5多嶋(3年・G)の速攻も出て加速。専修大は#4高橋(1年・G・能代)のバスカンやスティールなども出るが、攻撃ではやはり東海大の守りを割っていけない。#41根岸(2年・F)などベンチメンバーの奮闘もあるが最後まで得点が取れずに9敗目。東海大が勝利を収めた。
写真:満原と張のマッチアップが期待されたが、張は惜しくも1Qで退場に。
【INTERVIEW】
「全てに貢献するのが自分の良さ」
探し続ける自分のスタイル
◆#14酒井祐典(慶應義塾大・3年・F)
コンスタントに活躍を続ける酒井はガードからインサイドまでこなすオールラウンダーだ。東海戦ではトリプルダブルを達成、アシストランキングも現在3位につけるなど、そつのないプレーぶりでチームを支えている。得点に絡む部分が少ないと反省し、この試合では積極的にオフェンスにも参加。20得点11リバウンドの活躍を見せた。
ただし、見えない部分では試行錯誤の連続でもあった。春にU-24に選ばれてから、慶應とのプレーの差異による違和感や、ジャカルタ遠征での体調不良による調整の遅れなどで悩んでもいた。何でもできるがゆえに、逆にそこで立ち止まってしまった。「自分のプレーは何なのか」という問題にまだ完璧な答えはない。しかし考え続け、結果を出し続けることでより良い方向に進んでいくはずだ。
-今日の試合を振り返って。
「今日は自分たちのスタイルが出せました。毎Q30点ぐらい取って、目標の120点に今大会初めて到達したので(※1)そこはオフェンス面では良かったと思います」
-個人的には?
「先週まででスタメンで話し合って、二ノ宮(#16)とかには『アシストを狙いすぎ』と指摘を受けたり、僕自身も狙っていた部分もあって得点が少ないというのもあったので、今週からはもっと得点でチームに貢献しようと。外のシュートタッチはまだ良くないんですけど、今日みたいに走ればスタメン全員が20点ぐらいは取れるし、うちの一番の強みなので明日もそこを出していければいいかなと思います」
-明日に向けては?
「僕のマッチアップの竹原くん(#12)にはやられてしまった部分があるので、そこはもうちょっと抑えたいです。オフェンスは良かったんですけど、ディフェンスで90点取られている。うちは早い展開に持っていくことで攻撃回数も増えるということもあって、相手の得点も増えていくと思うんですけど、それでも70点台を目標にしています。そこをしっかり達成できるようにディフェンスも頑張っていきたいと思います」
-1部の相手は簡単ではないのは分かりますが、ここまで120点に到達できていない理由は?
「今日だったら二ノ宮も言っていましたが、インサイドがしっかりリバウンドを取ってくれれば。そういう信頼があればフォワードとしても走りやすいですし、今日は岩下(#7)がインサイドをしっかり頑張ってくれたので二ノ宮のアシストも増えたし、僕らフォワード陣も打ちやすい状態になる。今日はインサイドという部分があって120点を越えたと思います」
-今日は勝ちましたが、2戦目でやられた東海戦のようなこともありますが。
「さっきのミーティングでもタノさん(#4)も言っていましたが、東海戦でやられて、青学戦では逆に2戦目はこっちがやり返しました。相手がもちろんそういう気持ちで来るのは分かっています。本当の力を見せられるのは2連勝ということなので、そこでまた継続して自分たちのスタイルを常に出せるのが本当の力だと思うので、本当の力を勝ち取るために明日も序盤から走っていきたいと思います」
-春先は代表などに行って、夏も遠征などの期間で少しプレーがチームとかみ合っていない点を佐々木HCも指摘していましたが、今はどうですか?
「元々僕は合わせるプレイヤーなんですけど、あっち(U-24)に行ってから本当に合わなくなっていました。7月末のインドネシアの遠征でも体調を崩してしまって。あれから自分のプレーがどんなものか、原点に戻るまで時間がかかりました。正直今も合ってるのかなというのはあります。もう一度春のビデオを見たりして試行錯誤をしています。徐々に良くはなっていると思うんですが」
-どこが納得いかない部分なのでしょう。何でもできる分、何が酒井選手のプレーなのかというのはこれ、と表現しにくいですが。
「自分を消して合わせすぎてるというのは言われたりします。それが自分の良さでもあると思っていたんですけど。自分で思ったのは、合わせるプレーをするのは下級生までですね。ただ、今のチームでは全員が『俺、俺』みたいになっていけば逆に弱くなると思います。だから自分を殺してでもチームプレーで大祐さん(#5小林)を生かそうとか考えていたんですが、周りからはそこを変えないといけないと言われました。それが難しかったんですけど、オン・オフの切り替えが大事というか、全部が自分でやろうとしても絶対無理ですし、全部タノさんや大祐さんに任せてもいい流れにはならない。そこは力を入れる部分と抜く部分をうまくやっていかないといけません。そこは来年に向けてもやっぱり考えないといけない部分ですね」
-このリーグ戦中にその答えが見つかればという感じでしょうか?
「そうですね。得点やリバウンドなど、全部に貢献することが僕の良さ。これからさらに難しくなると思いますが頑張ります」
※1 トーナメントの初戦である国際武道大戦でも139点を出しているが、リーグ戦では初。
「明日勝たないと意味がない」
この勝利を上昇のきっかけに
◆#45鹿野洵生(筑波大・4年・)
この日は久々にオールラウンダー鹿野の存在感が際立った。得点こそ10点だが、タイムリーな得点だったことでチームに流れを与え、加えて6リバウンド、8アシスト、2スティールと攻守に渡り大活躍を見せた。ここまで実力を発揮し切れなかった筑波大だが、リーグ終盤戦、さらにはインカレを見据えるためにも、この勝利をきっかけに真価を発揮したいところだ。
―試合を終えて。
「抑えるところはわかっていたので、その練習を1週間して、上手く勝ったかなと」
―抑えるところとは、やはりダブルチームに行っていましたが、インサイドですか?
「そうですね。他は長谷川(#11)の3Pを。外はそこが来るってわかっていたので、練習通りの形が出たかなと。リーグ始って得点が獲れなかったんですけど、今日は3Pが良い所でいっぱい入って。この形ができれば勝てるかなと。今日は良い所がたくさん出ましたね」
―これまでその良い所が出なかったというのはなぜでしょう?
「今までは試合に出ている経験がある選手が少ないので。練習通りいかないというか。経験が一番大きいと思うんですけど、それが慣れてきたっていうのもあると思うし、始まってから3Pの練習はやってきていたので、その結果が出たんだと思います」
―今日は積極的に一人ひとりが攻め気でしたね。チームの雰囲気はいかがですか?
「負けが込んでいて、練習の雰囲気も暗かったので、今週1週間はみんな明るく、終わったことは切り替えようって話して練習に臨んでいたので。それがいい形に出て。前半をリードして終えるのは専修くらいだったので。今日は本当に雰囲気もよかったですね」
―いつもはインサイド陣が苦労していますが、今日は本井選手(#36)のミドルシュートなど外が良く入りましたね。
「そうですね。インサイドに関しては苦労しているし、今日も実際中ではそんな獲れていないんですよ。シュートが入った部分ではすごい良いし、今日はたまたま本井が入ってよかったんですけど、筑波のスタイルじゃない。実際はインサイドでもっと頑張って、苦しんでいるけど頑張って欲しい。それで点が獲れれば勝てる試合が増えて、上位に食い込めると思うんですけど。あいつはあいつなりにインサイドで苦しんでいると思うんですけど、もっと頑張って欲しいです。今日は相手がゾーンで、あわせの部分で外からっていうのが多かったんですけど、そこらへんは試合にあわせて対応してくれているんで良かったと思います」
―明日も今日の調子で連勝といきたいところですね。
「そうですね。明日勝たないと意味がないと思うので。さっきもみんなでもその話をしていて。法政は多分明日は最初からガツンと来ると思うので、受身にならずに練習してきたディフェンスから速攻の筑波のスタイルに持っていけるよう明日も頑張りたいと思います」
―リーグ戦は後半戦に突入しましたが、これまでを振り返っていかがですか?今日で3勝6敗という成績ですが、今まで力不足ではなく力が出せていなかったという印象を受けますが。
「最初は当然優勝を狙ってやってきていたんですが、やっぱり力が出せていなかった部分でどうしようかって試行錯誤しながら今まで来て。それで今日一つ勝てたんで、ここでしっかりと次に繋げて。やっぱりインカレもあるんで、シードのこともあるので順位も気にしていますし。まずは一戦一戦頑張っていきたいです」
筑波大は法政大から3勝目をあげる

もう一つの注目校、法政大は筑波相手に互角の立ち上がりを見せるが、つかず離れずといった展開からそのままなし崩しに潰れ4敗目。筑波大はうれしい3勝目となった。東海大は堅いディフェンスで専修大をこれまでの最少得点に抑えて勝利し、中盤位の争いも激化している。
写真:ベンチも応援団も終始にぎやかにチームを盛り上げた日本大。
【10/17結果】
中央大90(11-36,33-30,20-29,26-33)128慶應義塾大
法政大62(20-23,14-18,14-15,14-31)87筑波大
東海大74(17-4,16-14,25-15,16-10)43専修大
※3試合のレポートと慶應大・酒井選手、筑波大・鹿野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※青山学院大対日本大は別途掲載します。
[続きを読む]
慶應大は全員出場で120点の目標達成中央大はファウルトラブルで思うようにプレーできず
中央大90(11-36,33-30,20-29,26-33)128慶應義塾大

後半も立ち上がりに#16二ノ宮が2本の3Pを連続で沈め、慶應大の勢いは変わらない。中央大はファウルトラブルが厳しくなり、残り3分で#5浜田(4年・PG)が5ファウルで退場に。4Qには#9吉田(3年・F)も退場となり、苦しい中央大。余裕の出た慶應大はベンチメンバー全員を出場させる展開となる。ディフェンスが甘くなった点で中央大に3Pを多く決められてしまうが、それでも#7岩下(3年・C)が「攻撃は最大の防御でもある」と言うように4Qも30点越えで目標だった120点を超える試合で大勝した。
120点を取ることは今期の慶應大の目標だった。3年前はほぼ変わらないメンバーで70点を取るのがやっとだったチームが昨年は80点を越え、今年さらに上を目指すために掲げられた目安だ。この得点に到達するためには全員の集中力が必要であり、1部リーグではそう易々と達成はできない。中央大の巻き返しも油断できず、2戦目も力を出し切れるかが注目だ。
写真:速攻から小野龍猛をかわし、ビハインドパスでアシストを出す慶應大・神田智浩。
※慶應大・酒井選手のインタビューは下へ。
筑波大が快勝し、3勝目
法政大は悪い癖がぶり返す
法政大62(20-23,14-18,14-15,14-31)87筑波大

後半、そろそろ巻き返したい法政大は、序盤から#91落合のミドルシュートや#11長谷川のジャンパー、#5神津祥平のローポストなど、それぞれが能力を発揮しバランスのいい得点を見せる。だが一方の筑波大も法政大のゾーンディフェンスに対し#13片峯(4年・G)が3P、さらに#45鹿野の速攻、前半不調の#23黒田(3年・F)がミドルシュートで対抗。後半に入り調子を上げてきたと思われた法政大であったが、#5神津祥平がブロックを決めた直後にルーズボールファウルを吹かれ、3ファウル目でまたもベンチ。さすがにこの展開には危機感を覚えたか、法政大は#21加藤(1年・CF・洛南)の連続得点や#91落合のアウトサイドで追い上げを図れば、ディフェンスの運動量も増えていく。しかし、焦りからかオフェンスの勢いは続かず、またも点が伸びない。その間にも筑波大はチームでディフェンスを切り崩し、#33加藤(3年・F)、#36本井が連続得点で10点差まで開く。ここで法政大はタイムアウトを請求し、#5神津祥平を投入。しかし、直後に#5神津はポジション争いでまさかのオフェンスファウルを取られ、なんと4ファウルで再びベンチへ。48-56の筑波大リードで迎えた4Q、後のない法政大であったが、この日は何をやっても上手くいかないという感じか、次々とオフェンスをミス。開始2分で#5神津祥平をコートへ戻す。だがここで勢いを増したのは筑波大。筑波大は#45鹿野がアウトサイドに連続アシストを決めれば、#7佐々木、#33加藤の連続3Pで一気に法政大を突き放す。なおも流れは筑波大。筑波大は24秒ぎりぎりに#36本井がアウトサイドを決めれば、またも#13片峯、#36本井が連続3Pとアウトサイドが大当たり。残り3分で16点のリードを奪う。ここで法政大は反撃と出たいところだったが、狂った歯車は最後まで戻らずタイムアップ。62-87で筑波大が復調の兆しを見せる3勝目を挙げた。法政大はこの日、集中力を欠いていた感が否めない。さらに危機感を抱いた頃に審判のジャッジによって、水を差された。とはいえこの日の筑波大のアウトサイドは絶好調。シュートは水物とは言うが、インサイドで優位に立つことの少ない筑波大にとって、高確率なシュートを安定させることが、今後のひとつの鍵となるだろう。
写真:積極的な攻めが見られた筑波大・本井。
※筑波大・鹿野選手のインタビューは下へ。
4敗で踏みとどまる東海大
専修大は強固なディフェンスに阻まれる
東海大74(17-4,16-14,25-15,16-10)43専修大

後半もそのままの流れは変わらない。東海大は3Qで#24古川(4年・F)の3Pを皮切りに#5多嶋(3年・G)の速攻も出て加速。専修大は#4高橋(1年・G・能代)のバスカンやスティールなども出るが、攻撃ではやはり東海大の守りを割っていけない。#41根岸(2年・F)などベンチメンバーの奮闘もあるが最後まで得点が取れずに9敗目。東海大が勝利を収めた。
写真:満原と張のマッチアップが期待されたが、張は惜しくも1Qで退場に。
【INTERVIEW】
「全てに貢献するのが自分の良さ」
探し続ける自分のスタイル
◆#14酒井祐典(慶應義塾大・3年・F)

ただし、見えない部分では試行錯誤の連続でもあった。春にU-24に選ばれてから、慶應とのプレーの差異による違和感や、ジャカルタ遠征での体調不良による調整の遅れなどで悩んでもいた。何でもできるがゆえに、逆にそこで立ち止まってしまった。「自分のプレーは何なのか」という問題にまだ完璧な答えはない。しかし考え続け、結果を出し続けることでより良い方向に進んでいくはずだ。
-今日の試合を振り返って。
「今日は自分たちのスタイルが出せました。毎Q30点ぐらい取って、目標の120点に今大会初めて到達したので(※1)そこはオフェンス面では良かったと思います」
-個人的には?
「先週まででスタメンで話し合って、二ノ宮(#16)とかには『アシストを狙いすぎ』と指摘を受けたり、僕自身も狙っていた部分もあって得点が少ないというのもあったので、今週からはもっと得点でチームに貢献しようと。外のシュートタッチはまだ良くないんですけど、今日みたいに走ればスタメン全員が20点ぐらいは取れるし、うちの一番の強みなので明日もそこを出していければいいかなと思います」
-明日に向けては?
「僕のマッチアップの竹原くん(#12)にはやられてしまった部分があるので、そこはもうちょっと抑えたいです。オフェンスは良かったんですけど、ディフェンスで90点取られている。うちは早い展開に持っていくことで攻撃回数も増えるということもあって、相手の得点も増えていくと思うんですけど、それでも70点台を目標にしています。そこをしっかり達成できるようにディフェンスも頑張っていきたいと思います」
-1部の相手は簡単ではないのは分かりますが、ここまで120点に到達できていない理由は?
「今日だったら二ノ宮も言っていましたが、インサイドがしっかりリバウンドを取ってくれれば。そういう信頼があればフォワードとしても走りやすいですし、今日は岩下(#7)がインサイドをしっかり頑張ってくれたので二ノ宮のアシストも増えたし、僕らフォワード陣も打ちやすい状態になる。今日はインサイドという部分があって120点を越えたと思います」
-今日は勝ちましたが、2戦目でやられた東海戦のようなこともありますが。
「さっきのミーティングでもタノさん(#4)も言っていましたが、東海戦でやられて、青学戦では逆に2戦目はこっちがやり返しました。相手がもちろんそういう気持ちで来るのは分かっています。本当の力を見せられるのは2連勝ということなので、そこでまた継続して自分たちのスタイルを常に出せるのが本当の力だと思うので、本当の力を勝ち取るために明日も序盤から走っていきたいと思います」
-春先は代表などに行って、夏も遠征などの期間で少しプレーがチームとかみ合っていない点を佐々木HCも指摘していましたが、今はどうですか?
「元々僕は合わせるプレイヤーなんですけど、あっち(U-24)に行ってから本当に合わなくなっていました。7月末のインドネシアの遠征でも体調を崩してしまって。あれから自分のプレーがどんなものか、原点に戻るまで時間がかかりました。正直今も合ってるのかなというのはあります。もう一度春のビデオを見たりして試行錯誤をしています。徐々に良くはなっていると思うんですが」
-どこが納得いかない部分なのでしょう。何でもできる分、何が酒井選手のプレーなのかというのはこれ、と表現しにくいですが。
「自分を消して合わせすぎてるというのは言われたりします。それが自分の良さでもあると思っていたんですけど。自分で思ったのは、合わせるプレーをするのは下級生までですね。ただ、今のチームでは全員が『俺、俺』みたいになっていけば逆に弱くなると思います。だから自分を殺してでもチームプレーで大祐さん(#5小林)を生かそうとか考えていたんですが、周りからはそこを変えないといけないと言われました。それが難しかったんですけど、オン・オフの切り替えが大事というか、全部が自分でやろうとしても絶対無理ですし、全部タノさんや大祐さんに任せてもいい流れにはならない。そこは力を入れる部分と抜く部分をうまくやっていかないといけません。そこは来年に向けてもやっぱり考えないといけない部分ですね」
-このリーグ戦中にその答えが見つかればという感じでしょうか?
「そうですね。得点やリバウンドなど、全部に貢献することが僕の良さ。これからさらに難しくなると思いますが頑張ります」
※1 トーナメントの初戦である国際武道大戦でも139点を出しているが、リーグ戦では初。
「明日勝たないと意味がない」
この勝利を上昇のきっかけに
◆#45鹿野洵生(筑波大・4年・)

―試合を終えて。
「抑えるところはわかっていたので、その練習を1週間して、上手く勝ったかなと」
―抑えるところとは、やはりダブルチームに行っていましたが、インサイドですか?
「そうですね。他は長谷川(#11)の3Pを。外はそこが来るってわかっていたので、練習通りの形が出たかなと。リーグ始って得点が獲れなかったんですけど、今日は3Pが良い所でいっぱい入って。この形ができれば勝てるかなと。今日は良い所がたくさん出ましたね」
―これまでその良い所が出なかったというのはなぜでしょう?
「今までは試合に出ている経験がある選手が少ないので。練習通りいかないというか。経験が一番大きいと思うんですけど、それが慣れてきたっていうのもあると思うし、始まってから3Pの練習はやってきていたので、その結果が出たんだと思います」
―今日は積極的に一人ひとりが攻め気でしたね。チームの雰囲気はいかがですか?
「負けが込んでいて、練習の雰囲気も暗かったので、今週1週間はみんな明るく、終わったことは切り替えようって話して練習に臨んでいたので。それがいい形に出て。前半をリードして終えるのは専修くらいだったので。今日は本当に雰囲気もよかったですね」
―いつもはインサイド陣が苦労していますが、今日は本井選手(#36)のミドルシュートなど外が良く入りましたね。
「そうですね。インサイドに関しては苦労しているし、今日も実際中ではそんな獲れていないんですよ。シュートが入った部分ではすごい良いし、今日はたまたま本井が入ってよかったんですけど、筑波のスタイルじゃない。実際はインサイドでもっと頑張って、苦しんでいるけど頑張って欲しい。それで点が獲れれば勝てる試合が増えて、上位に食い込めると思うんですけど。あいつはあいつなりにインサイドで苦しんでいると思うんですけど、もっと頑張って欲しいです。今日は相手がゾーンで、あわせの部分で外からっていうのが多かったんですけど、そこらへんは試合にあわせて対応してくれているんで良かったと思います」
―明日も今日の調子で連勝といきたいところですね。
「そうですね。明日勝たないと意味がないと思うので。さっきもみんなでもその話をしていて。法政は多分明日は最初からガツンと来ると思うので、受身にならずに練習してきたディフェンスから速攻の筑波のスタイルに持っていけるよう明日も頑張りたいと思います」
―リーグ戦は後半戦に突入しましたが、これまでを振り返っていかがですか?今日で3勝6敗という成績ですが、今まで力不足ではなく力が出せていなかったという印象を受けますが。
「最初は当然優勝を狙ってやってきていたんですが、やっぱり力が出せていなかった部分でどうしようかって試行錯誤しながら今まで来て。それで今日一つ勝てたんで、ここでしっかりと次に繋げて。やっぱりインカレもあるんで、シードのこともあるので順位も気にしていますし。まずは一戦一戦頑張っていきたいです」
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