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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.09.27 (Sun)

【2009リーグ1部】9/27 青山学院大VS慶應義塾大 第2戦

天王山となる注目の第2戦
慶應大が激闘を制し、青学大に初黒星をつける

青山学院大90(24-21,27-25,19-30,20-27)103慶應義塾大
090927KEIO1.jpg1996~1999年の日本体育大の4連覇以来となる3連覇の偉業を目指す青学大と、春の覇者慶應大という今大会屈指の好カードを見守るべく、試合開始時刻の前になると多くの観客が詰め掛けた。その期待に沿うべく両者は40分間リーグでも別格のトランジションを見せ、合計193点という稀に見るハイスコアリングゲームとなった。

前日には21点差という大差で青学大が勝利したものの、青学大・長谷川監督の狙いである慶應大をファウルトラブルに追い込むことや、ベンチワーク、ゾーンディフェンスが的中したもので、その実力が拮抗していることに疑いの余地はない。リーグ戦の醍醐味でもあるが、慶應大にとって前日の課題をいかに修正するか、一方の青学大は前日に良い流れを精神的にもタフな慶應大を前にいかに継続させるかが勝負の焦点となった。

写真:慶應大はベンチも精一杯声を出し、一致団結の円陣を組んだ。

※試合のレポートと慶應大・佐々木HC、田上選手、小林大祐選手、二ノ宮選手、岩下選手、
青山学院大・長谷川監督、渡邉選手、比江島選手、中川選手のインタビュー、およびコメントは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090927KOBAYASHITAKAAKI.jpg前日に続き、試合は序盤からハイスコアリングゲームを予感させる両者激しいオフェンスが繰り広げられる。青学大が速い展開の中、#7渡邉(4年・PG)から#16比江島(1年・GF・洛南)にアリウープが決まると、今度は#16比江島から#7渡邉へとアシスト。一方の慶應大も#16二ノ宮(3年・PG)が3P、ドライブからバスケットカウントを決め反撃。さらに#14酒井(3年・F)のドライブや再び#16二ノ宮の3Pを沈めリード。ここで動きを見せたのは青学大。青学大はゾーンディフェンスに切り替えると、慶應大は立て続けにアウトサイドをミス。その間にも青学大は#32中川(2年・CF)のアウトサイドや#7渡邉が速攻からダブルクラッチを決め食らいつく。さらに青学大は#4小林高晃(4年・SG)が連続3P。だが慶應大も#5小林大祐(4年・GF)のゾーンに対するコーナーからの3Pや#4田上(4年・F)が闘志のこもったプレイでルーズボールを#14酒井に繋ぎ、1Qは24-20の青学大リードで終える。

2Q、慶應大は#7岩下(3年・C)のゴール下に速攻が連続で決まるが、青学大も#7渡邉がクロスオーバードリブルで正面突破、アシストを決めれば、#4小林高晃がバスカンで続き一歩も譲らない。さらに青学大はゾーンプレスと次々に策を出す。ここで慶應大は#16二ノ宮が3Pを決めるが、対する青学大も昨日3Pを7本成功の#5辻(2年・SG)が3Pでお返し。中盤、慶應大は「脚が止まり始めた」(#4田上)と振り返るよう、青学大#32中川に連続でオフェンスリバウンド、さらに#0橋本(3年・PG)のスティールから#5辻のジャンパーに繋げられタイムアウト。ここで慶應大もゾーンディフェンスに切り替えると、#5小林大祐の3連続得点で盛り返す。だが、慶應大のゾーンに対し、終盤、#5辻が3連続3Pと大爆発を見せ、青学大がリードを守り51-46で終える。

090927sakai1.jpg後半の立ち上がり、青学大は#7渡邉の連続得点に#16比江島がオフェンスリバウンドから得点し、リードを9点まで広げる。だが慶應大も引き下がらない。慶應大は青学大のゾーンに対し、#4田上のアウトサイドや#16二ノ宮の3Pがきっちり決まり、詰め寄る。さらに慶應大は速い攻守の切り替えから#5小林大祐がバスカン。#5小林はこのフリースローを外すが、自らリバウンドを獲り、ゴール下の#7岩下に繋げ得点。さらに#7岩下がブロックを決めると、#14酒井が連続で速攻を決め遂に逆転。ここから青学大も粘りを見せ、#5辻の3P、#7渡邉の連続得点でシーソーゲームとなる。しかし終盤、慶應大は#5小林大祐の連続3P、さらに#14酒井がチームを盛り上げる3Pをブザービーターで決め、6点のリードを奪い最終Qへと突入する。

4Q、立ち上がりに青学大は#16比江島の連続得点で詰め寄ると、#23湊谷が速攻からバスケットカウントを決め、同点とする。青学大が一気に盛り上がりを見せる中、慶應大は立て直すべくタイムアウト。すると、青学大は再びアグレッシブになった慶應大ディフェンスを前に#23湊谷がポストプレイを仕掛けるも攻めきれない。この流れをオフェンスでも生かすように、慶應大はアーリーオフェンスから#5小林大祐が3P。これで流れを掴んだ慶應大は「昨日とはゾーンの崩し方も全然違ったし。そういうところで差がついてしまった」#7渡邉が漏らすよう青学大のゾーンを#4田上が攻略し、ジャンパーにドライブと、連続得点を奪う。一方の青学大は徐々に運動量が落ち、オフェンスでは後手を踏んでしまう。尚も慶應大は追い討ちをかけるように、#16二ノ宮がワンパスで前方の#7岩下へと繋ぐと岩下は速攻をダンクでフィニッシュ。このプレイに慶應大サイドはこの試合一番の盛り上がりを見せ、たまらず青学大はタイムアウト。だが尚も流れは慶應大。慶應大は#16二ノ宮のこの日4本目の3Pを沈めると、対する青学大は#23湊谷が3秒バイオレーションでターンオーバー。さらに慶應大は直後に#4田上がアウトサイドを決め、残り3分で10点のリード。青学大は再びタイムアウトを取るも、勢いに乗る慶應大を前に打開策が見出せず、刻一刻と時間が無くなっていく。そして残り2分、10点のビハインドを背負った青学大は4ガード、1フォワードというオフェンス力重視の布陣で賭けに出る。だが、青学大の策も実らず慶應大が冷静なゲーム運びでリードをキープしタイムオーバー。慶應大が第1戦のリベンジを果たし、90-103で勝利を収めた。

どこが勝負のポイントだったかと言えば、全てとしか言いようがない。最初から最後まで一時も休む瞬間のない試合だった。第1週の慶應大対東海大、ひいては春の決勝以上に、一瞬のまばたきも許されないような濃さだ。長谷川監督が言うように、青学が悪い訳ではなかった。それ以上に慶應大が力を出しただけだ。リーグ序盤から高いレベルでの試合が続く1部リーグ。今後も上位進出が予想されるチームがどのような戦いを続けていくか、残りの5週間を決して見逃してはならないだろう。



【INTERVIEW&COMMENT】

「毎回決勝だと思ってこれからもやっていく」
◆佐々木三男HC(慶應義塾大)
「先週、2戦目に延長で負けてしまって、今週の練習は学生としては雰囲気はよくありませんでした。でも、なんとなく芯まで崩れていないと言うか、修正するところがある程度明確でした。青学さんとは公式戦では約2年間対戦していないので、その分やりづらさはありましたが、昨日やってみて相手の4年生も硬いなと思ったんです。それに対してうちは上級生が頑張るチームなので…というようなことを3・4年生にはそれとなく言いました。

今日に関しては、1戦目の20点差を振り返って単純に計算すると、まず辻くん(青学大#5)が7本3Pを決めているのでそこで7点損をしている。次に、オフェンスリバウンドをうちより10本多く取られていて、その半分の5本をセカンドチャンスにつなげられたとして10点。そして、(#7)岩下が4点しか取れなかったところをプラス10点できれば、今日はほぼイーブンになるんじゃないかと選手たちには話しました。1戦目は実力差もあったのですが、それで選手たちはちょっと頭が整理できたのかなと思います。

岩下には今日、“お前が全然やっていないから、うちはこんなに苦労している。センターというのはチームの中心じゃないの? なぜ、こんなにいい舞台でそんなに縮こまっているの?”という意味のことを言いました。頭のいい子なので、よく受け止めてくれた。あと、(#16)二ノ宮にもチームリーダー、フロアリーダーとして周りに声を掛けろと言いました。大祐がボケていたら“大祐バカヤロー!”と言ったっていいんだと。私の代わりにですよ。それもしっかりやってくれていたので、それがよかったと思います。

1戦目を踏まえて今日修正できた点、よかった点は3つ。まず、辻くんが当たっていたことで逆にディフェンスの的を絞ることができた。今まで中も外もと散漫になってしまっていたのが、チームとしてアウトサイドをまず抑えようと決心がつきました。次がゾーンアタック。1戦目はあまりうまくいっていないなという感覚だったのですが、改めてビデオで確認したらそうでもなかったので、練習してきたことを全部使うのではなく1度元に戻しました。それで選手たちは落ち着いて、動けたんじゃないかなと思います。特に(#4)田上のところでスリーが打てるんじゃない?(実際に打ったのはミドルシュート)と少しだけ言ったのをあれだけやってくれた。彼に尽きると思います。あとは、うちが点を入れた後のカウンターアタックに対しても今日は対応できました。(青学大#17)比江島くんにだいぶ走られましたが、最後をよく止めていたと思います。

3Qに逆転してせめぎあいから抜け出すことができたのは、“うちはどこかのQを休んでしまっているがそれはだめだよ、点差は関係なく、どのQでも20点取りなさい”と言って送り出したのが1つの目標になったからではないかと思います。1・2Qは20点以上取れていたので、もう1回20点取ろうと。最後はもう、ラスト5分を想定したシチュエーション練習などをやってきているので、問題ないと思っていました。

青学もうちも、昨日も今日もめいいっぱいやりました。ただ、強いところと当たればそれだけうちの成長度合いも大きいんだよと選手たちには話しています。また1週間リフレッシュして、毎回決勝と思ってこれからの試合もやっていきます」


「ホッとした」
命題を課せられた慶應大のキャプテン

◆#4田上和佳(慶應義塾大・4年・F・主将)
090927tanoue.jpg「昨日の試合の入りは何か自分の中で囚われているものがあって。自分の動きができてないなって、キャプテンとして自分の動きができてないなと猛省した」と言う田上。第1戦では、ファウルトラブルにも悩まされた。しかし本来のパフォーマンスができなかったのは並々ならぬプレッシャー故かもしれない。だがこの試合では、青学大のゾーン攻略に一役買うアウトサイドシュートが幾度も美しい放物線を描きネットを潜り抜けた。終盤相手を突き放す勝利の立役者となったのは、さすがとしか言いようがない。これで東海大、青学大というライバル対決は五分という結果。リーグ優勝に向け慶應大はもう負けられない。
昨年の主将である鈴木惇志は「このメンバーは慶應の黄金時代を築くべき人材」と言っていた。その鈴木が残した礎に、黄金時代を築くという命題が主将としての田上に課されている。


―今の率直な気持ちを。
「本当に嬉しかったというか、ホッとしたっていう感じですね。優勝は目標なので首の皮一枚繋がった感じです」

―昨日の敗戦があって、今日の試合にはどういう心境で臨みましたか?
「昨日はうちの脚をすごく止められてしまったので、最初から走りきってゲームには臨もうと思っていました」

―前半はビハインドで終えましたが、後半に向けてどんな話しを?
「やっぱり2Qに脚が止まり始めたということをみんな言っていて、3Qの入りから自分たちのプレイをしてやっていこうって臨みました。あとはゾーンアタックを。出ている5人で次はどこを狙っていくか話し合って、共通意識を持って臨みました」

―田上選手自身は勝負所で効果的なアウトサイドシュートを決めましたが、自分のプレイを振り返っていかがですか?
「やっぱり自分の自信のあるプレイというか、ゾーンアタックの時のハイポストの役割は僕なのでそれを全うしようと集中して。一生懸命やった感じで、あまり余計なことは考えられなかったですね」

―前日は笛にも恵まれず思ったようなプレイができなかったかと思いますが、今日のゲームが上手くいった要因というのはなんでしょうか?
「昨日の試合の入りは何か自分の中で囚われているものがあって。自分の動きができてないなって、キャプテンとして自分の動きができてないなと猛省しまして。今日は入りから自分のプレイに集中しようって切り替えて臨めたので、それが良かったと思います」

―総合的に見て勝因はなんでしょうか?
「出ている5人がもう一度走ろうって言って、自分たちのプレイをしようとしたことが一番大きかったかなと思っています。昨日うちの脚を止められてああいう形になったので、すごくいい経験というか、学ばせてもらいました」



「2勝2敗には相当な危機感がある」
◆#5小林大祐(慶應義塾大・4年・GF)
090927KOBAYASHI2.jpg2戦目は勝ったものの、笑顔だったのは勝利の瞬間だけ。その後はずっと渋い表情だった。真に危機感を感じるならば、プレーだけではなくチームを、そして慶應大を背負う責任をこれから自分の存在全てで見せる必要がある。求められているものの大きさをどこまで受け止め、表現できるだろうか。

「結果としては勝ちましたが、3Qまで負けていたんですよね…。前半で何とか“逃げ切り先行”という形を取りたかったのですが、ちょっとうまくいかないところがありました。具体的には、相手がゾーンにシフトしたときに対応できなかったこと。1戦目も対応できず、今日は少し改善されたものの、やっぱりそこが前半の点数差になったと思います。
その中で後半逆転できたのは、佐々木先生に“お前たちのプレーはトランジションだ。行ける時はがんがん行け”と言われたのが効いたと思います。接戦になるとどうしてもセットプレー、セットプレーで慎重に行こうとなると思うんですが、攻撃は最大の防御なりという言葉もある。どんどんドリブルで切り込んでというのがチームの特徴の1つとしてありますし、僕の特長でもあると思うので、それを心掛けました。得点につながったのはたまたまですが、まぁ、よかったです。
トランジションに関しては、僕らの持ち味を見せた部分もあると思いますし、逆に向こうに見せられた部分もあります。たとえばトランジションからの3Pなんかは僕らも対応できなかったですね。青学の選手の素晴らしさを感じました。青学はやっぱり徹底されたチームなので、そういった部分は見習わないといけないなと思います。

東海・青学との4戦を2勝2敗というのは、正直ちょっと…。結果としては残念だと思います。もちろん全勝するつもりでしたし、最低でも3勝1敗に持ち込みたかった。でも、そこはリーグ戦と言いますか、1戦目ですぐに対応できなかったり、逆に2戦目に相手の変化に対応できなかったりというのがありました。僕としては、今日勝てたのは当たり前くらいに思っているんです。僕らも先週やられたように、負けた方は必死になりますから、それは結果は出ますよ。
リーグ終盤に向けて、僕は相当の危機感を持っています。東海・青学と引き分けたと言っても、僕らの思い通りには行かなかったわけで。次負けたら僕らの優勝はないですから、絶対負けられないです。そういった意味ではこの1・2週よりももっと気合を入れていかないと厳しいと思います。もちろんチームとしても、ここで気を抜くようなレベルの低いことはやらないと思います。万一そうなっても4年生がしっかり軸になって喝を入れるつもりです。

4年生として迎えたリーグは、重いですね。本当に1試合が重いです。1試合終わって、夜眠るときには“あぁこれでリーグ戦もまた1週終わったな”という思いにかられます。4年生になって、意識しないとは言っていますが、やっぱり意識してしまいますよね。最後ですから。でも、それは他の選手も他のチームも一緒だと思います。その中で、悔いのない試合をしたいなと思います。かつ、悔いのない試合をするだけではなくて、そこで具体的に何をするかというところまで突き詰めて。後々、“あの時はこういう内容だったね”って、いい思い出になるのかは今はわかりませんが、そうなるようにやっていければ、結果もついてくると思います。

まずは来週の日大。公式戦ではだいぶ対戦していないので、どんなプレーをするのか、まだスカウティングを見ていないのでわからないんですが、やりにくいなというイメージは正直あります。明らかに僕らがあまり得意としない相手。かといって、もちろん、負ける気はないです」



「今日みたいな気持ちの作り方ができればいける」
精神面での成長を試合で発揮することを誓う大黒柱

◆#7岩下達郎(慶應義塾大・3年・C)
090927iwashita.jpg「気持ちを強く持つことが一つ」と、切り替えが勝ちにつながったと語った。
大学どころか日本人でも貴重な205cmというサイズには、誰もが幻想を抱く。3年前の彼を知っていればその驚異的な成長には驚くが、いまだ発展途上の選手であることも確かだ。彼のバスケットのキャリアは他のスタメンの半分ほどしかないのだから。
しかし、優勝を目指すためにはそれを情状酌量している余地はない。5人のうち1人でも欠けては勝てないのだということを、彼自身が全ての面で認識し、貢献していくことが期待されている。


ー2戦目は気持ちの面では?
「試合の前に佐々木先生に呼び出されて、スタッツ(※1)を見せられました。“お前がこの数字じゃ、慶應は絶対に勝てない”と言われて、自分の仕事を踏まえた上でしっかり意識してやれと喝を入れられました。それで強く強くと意識していました。僕が試合中ミスをしたり、弱気になる部分があったところでも佐々木先生が鼓舞してくれました」

ー弱気なところというのは、第1戦で自分でも感じていましたか?
「そうですね。分かってはいたんですが、ボールをもらったときにポストのディフェンスがベースサイドに切らせて、僕がドリブルをついたりするところで、ダブルチームで下からスティールを狙っているのは感じていました。でもやっぱりその中で相手のフィジカルが強い分、中でボールをもらえず、ちょっと中途半端な位置でシュートを打てないような状況になっていました。インサイドのシュートがなければ始まらないと、二ノ宮(#16)が僕にずっと言ってきていますし、そこを意識しなければと思っていました」

ー第1戦は福田選手(#11)、2戦目は中川選手(#32)が長く起用されていましたが、どちらがやりやすかったというのは?
「福田真生の方が細かい部分で器用ですが、あまり差は感じませんでした。中川真雄自体はリトアニア(※2)でずっと一緒にいたので、知っている仲ですし、少しやりやすいなと感じた部分はあります。福田真生とはそこまでマッチアップしていないので」

ーただ、第1戦は福田選手にかなり大事なリバウンドを奪われていたと思いますが。
「確かにオフェンススリバウンドのところはそうですね。スタッツを見て、そこを押さえないとなとは思いました。ただ、今日は中川真雄に10本取られていて、そういうところは本当に自分の課題です。こうしたリーグ戦で黒星をつけるというのは本当に痛いことなので、チームのために修正しないとなと思っています」

ー岩下選手は安定が課題と言われていて、もう3年。そこは意識の面ではどうなのでしょうか。
「本当に身で感じています。精神面で少し成長したかなという自覚はあるんですが、でも東海戦も1日目活躍したかと思えば2日目でころっと黙ってしまったりした。そういう、体が疲れた時こその精神力、集中力というのをずっと言われてきています。それを今日みたいな気持ちの作り方でいけばできるんだと自分の中で自信を持てたので、継続していければこれからの5週間はいろんな相手がいますけど、自分たちのバスケをすれば、僕がしっかりできれば勝てるかなと思います」

ー次は日大が相手です。
「日大は4年生中心で、個人的には1年のときに苦手意識を持っていた中村将大さん(#5)というセンターがいます。そこに自分が成長した分、どれだけ通用するかということ。苦手意識を克服するためにも気持ちの面でまずああいった選手に対峙したい。それでなおかつ日大には1年生の最後のインカレ(※3)で悔しい思いをさせられています。リーグ戦の勝ち星の上でも負けられない戦いなので、そこでうまく気持ちを作って戦いたいと思います」

※1 1戦目は4得点という低い数字に終わっている。
※2 この春はU-24候補としてともにリトアニア遠征に赴いた。
※3 2006年のインカレではベスト16で日大と対戦。この年多くのケガ人を出した慶應大はルーキーだった岩下、二ノ宮、酒井らが奮闘するも敗れた。



「常にリーダーシップを出さなければ」
ゲームの責任を誰よりも自覚する司令塔

◆#16二ノ宮康平(慶應義塾大・3年・G)
090927ninomiya.jpg小さいけれど上手い、点を取れるガード、といった二ノ宮の評価はあくまで試合で判断できる第三者的なものだ。彼が持っている最もいいところは、常に自分の課題を克服していく高い意識を持っていることだろう。体づくりに始まり、高校時代はあまりしなかったディフェンスの強化、ゲームコントロール力など、大学に入ってから与えられ、乗り越えてきた課題の多さを改めて考えてみると、その成長力に驚かされる。また、一度失敗したり反省したことを何度も指摘されるような悪循環がないのも美点だ。
「もっと声を出さないとダメですね」。人前で大きく声を出して存在感を出すタイプではなかったが、春にはそう言ってまた一つ自分に宿題を課した。スタメン全員が試合ではリーダーとも言える慶應大。しかし、強敵とのリーグ序盤戦で再度リーダーシップのあり方を考えさせられてもいる。ここから仕切直し、もう一段高いところを目指す姿はまだ大きな伸びしろを感じさせる。


ー第1戦の反省を踏まえて、第2戦を意識していたところは?
「ゾーンアタックのところですね。昨日は先生に言われた一つのことしかやっていなくて、しかもうまくいかなかった。自分たちで攻め気もなかったし、今日はみんなでコーナーから攻めたりハイポストから攻めたり、そういうのをバランスよく意識してやっていきました」

ー第1戦はなぜ攻め気を出せなかったのでしょうか?
「気持ち的な問題があったと思うんですが、外からも入らないし、岩下がペイントで何もできなかったのが一つあると思います。それは外も中にうまくつなげなかったということだし、外ばかりで対決しようとしていたので、それが一番ダメだったと思います」

ー今日は試合前のミーティングも早めにしていましたし、細かい修正があったのですか?
「そこまで細かくではなかったんですが、昨日終わった時点で僕らも選手だけでもう少しペイントに入れた方がいい、という話もしました。それが共通意識になったので、まだ良くはないけど、第1戦よりは良かった理由です。あとはリバウンドの意識も第1戦より高かったので、もっと細かい改善をするところはいっぱいありますが」

ー佐々木HCは岩下選手と二ノ宮選手に一言いったという話でしたが。
「僕は3日前ぐらいに練習が終わったあと、『もう少しリーダーシップを取れ』と言われました」

ー第1戦で田上選手と酒井選手が下がったところで、みんな黙ってしまいましたよね。そこでやはり司令塔として、HCに言われたリーダーシップはもっと必要なのでは?
「あそこでは自分も少し気持ち的にイライラしていたのがいけませんでした。そういうところは良くないんですが、冷静になって周りをよく見て声をかけられるようにならなければダメですね」

ー主将もいますが、やはりPGとして責任は重いですよね。
「試合中はタノさん(#4田上)よりも僕がそういう役目をやった方がいいなと思うんですけど、そこをもっと頑張りたいです」

ー昨年は鈴木選手(08年度主将)が声を出して引っぱるという雰囲気でしたが、このリーグからは5人集まって話をしているシーンが目立ちますね。
「集まって意識づけというか、話はするようにしています。やっぱり5人まとまってやった方が、みんなの意識もより高まるんじゃないかなと思います。タノさんだけでは
ぱっと集まらないこともあるので、そこは僕もコントロールもしなければいけないです。練習から僕自身タノさんに頼らずにやっていかなきゃ、と本当に昨日、練習していた一昨日も実感させられました。遅いんですけど。悪くなったときに急に自分がリーダーシップを出すんじゃなくて、タノさんと一緒に常に取っていくのでなければいけないと感じています。コート上ではゲームキャプテンという意識でこれからもっと頑張ります」



「相手が一番やりたい
トランジションで点を取られてしまった」

◆長谷川健志監督(青山学院大)
「昨日の今日で簡単にいくとは思っていませんでしたが、慶應さんの集中力はやっぱりすごいと思いました。

敗因としては、相手が1番やりたいトランジションで点を取られてしまったこと。それが大きかったです。ここまで戻っているからもう来ないだろう、と思ってしまったところを走り切られた。そうやって、ふっと休んでいるところでシュートを打たれるから、リバウンドも取れない。慶應さんは40分終始オフェンスがアグレッシブで、それは他のどんなチームとも違うタイプだと思います。こちらもゲーム中常に集中していかないといけない。そうしないと、あのパターンでやられると相手は乗ってきてしまう。そういう意味で今日はちょっと後手でした。(#7)渡邉をちょっと休ませたり、勝っているときにディフェンスをもうちょっと何かするとかするべきところを、私も含めてちょっと守りに入っちゃったかな、単調になってしまったなと思います。

ただ、うちの出来としては90点取れていますし、そんなに悪いと言うほどではないです。ただ先にも言ったようにディフェンスが…下級生が多く、上級生と言ってもアレック(#23湊谷)らで決してディフェンスがいいとは言えない。そこのウィークポイントはまだ消せていないなと思います。あとはインサイドの柱がいない弱さもあります。今日も(#32)中川が前半は頑張ってくれたんですが、後半は弱気の虫が顔を出してしまって決めきれない。アレックだってインサイドで多く点が取れるわけではない。学生バスケではインサイドがある程度きちっとしないと安定しないと思います。

最後に小さい布陣にしたのは、普通にやったら勝つのは難しいからです。あの時間と点差で逆転を狙うならリスキーなことをやらないといけない。少なくとも点を取らないといけないから、ボールを奪うためにあのメンバーにして、(慶應大#7)岩下くんが(#16)比江島につかざるを得なくなったところで1on1を仕掛けようと思いました。この先ああいう形が、もしかしたらまた出てくるかもしれません。

まぁ、お互い学生同士一生懸命やっているので、負けたことを引っ張ってもしょうがないかなと思います。でも、負けた原因はあるので、それを少しづつ修正していきたいです。特に、慶應さんみたいなバスケットに対する対応を考えないといけない。昨日は、向こうが途中で失速してくれましたが、今日はしなかったですよね。そこは私たちももっと考えないといけないし、選手達にはもっと“ずるさ”を持ってほしいです。日本の選手は教えられたとおり一生懸命やるけれど、自分で判断したりアイディアを出したり、勝ち負けにこだわって闘争心を外に出すというのが下手なんです。バスケットの勝負というのはごく単純なことですが、ずるさがないと勝てない。大学生なのでそういうところもやっていくつもりです」



「あまり優勝を先に見ないで1週ずつ頑張っていけばいい」
初黒星も3連覇への着実な一歩へ

◆#7渡邉裕規(青山学院大・4年・PG・副将)
090927watanabe1.jpg春のトーナメントの東海大に敗れた後、渡邉は悔しさを隠そうとしなかった。だがこの日は違った。「やっぱり慶應が簡単には勝たせてくれなかった」、「今日はディフェンスがダメというか、圧倒されたというか、相手が上回った」。納得できる敗戦などないかもしれない。一つ一つのプレイを振り返れば反省はあるかもしれない。しかし、持てるものを出し切っての敗戦だ。慶應大との天王山を得失点差で上回ったことも手伝ってか、渡邉の表情には次週を見据える明るさが伺えた。得失点でも慶應大に勝っている。優勝と同時に3連覇という偉業に向け、また一歩着実に近づいていく。


―試合を終えて。
「昨日はみんな出ていい試合して勝ったのに、今日は出ている人が少なくてちょっとリズムに乗れなかったっていうか。昨日は出た選手、出た選手が活躍していい流れだったんですけど、今日はやっぱり慶應が簡単には勝たせてくれなかった。前半は自分たちの流れでできていたけど、後半は特に自分たちの脚が止まってしまった」

―今日の慶應大の印象は?
「慶應の集中力がすごかったですね。やっていても盛り上がりもそうだし、シュートもほとんど落とさないシュート力もそうだし、岩下がいる分リバウンドを獲って走るのが速いので。それにちょっとついていけなかったのが敗因としてあります。でも(2日間の)得失点では勝っているので、そんなチームの雰囲気的には落ち込んでいなくて、来週に切り替えていて。あまり優勝を先に見ないで1週ずつ頑張っていけばいいかなっていうのがありますね」

―終盤、青山学院大は湊谷選手のバスケットカウントが決まったのに対し、そこから逆に慶應大が引き離すという展開になってしまった原因はなんでしょうか?
「なんて言うんだろ。勢いというか。(湊谷)アレックのバスカンがあって、それでも相手が途切れずにそのまま行って。うちがそこで盛り返す力がなかったので、勢いでやられましたね」

―昨日は点差ほど楽な勝利ではありませんでしたが、その疲労というのはありますか?
「やっぱり相手が強いから昨日は20点離れてもセーフティリードな気がしなくて。相手が強ければ強いほど、そんな気がして。その集中力が昨日はずっと続いたので良い試合ができて、出た選手も活躍できたんですけど、今日はちょっと体力面が。体力面とか、勢いとか、昨日の結果を踏まえて慶應がゾーンの攻め方とか対策を立ててきていて。やっぱり昨日とはゾーンの崩し方も全然違ったし。そういうところで差がついてしまった。慶應もやっぱり負けられないんだろうなっていうのは、やっていて感じました」

―試合の終盤オフェンスが辻選手の3Pに集中し、少し手詰まりになってしまった感がありますが、コートではどのように感じていましたか?
「昨日入っているし、今日も入っているから打たせようと思っちゃうんですけど、辻ばかりじゃなくて、インサイドに入れたりっていうのは欲しいところですね。去年はやっぱり荒尾(現・トヨタ自動車)さんがいたし、そこからキックアウトとかできたんですけど、今年はインサイドが少ないんで。そこで手詰まりになってしまう。昨日は辻が入ったから良かったですけど、入らないときがちょっと。昨日も入らなかったら負けたと思ったし、あれが入らないときに攻め手がなくなっちゃうんで変えていくしかないですね」

―昨日は機動力ある選手を使って岩下選手を抑えましたが、今日は勝負所でやられてしまいしましたね。
「いいところでやられてしまいました。ずっと抑えていても勝負所で岩下にやられちゃったら、今まで頑張ってきた意味がない。岩下を抑えるというよりは慶應は岩下以外のシューターがすごいから、岩下だけ抑えていてもやられちゃうところはやられてしまう。今日はディフェンスがダメというか、圧倒されたというか、相手が上回った。次に慶應と当たるのはインカレかもしれないですけど、次の週、次の週って今日できなかったことを改善していかないと、取りこぼすと思います。ディフェンス力はもうちょっと上げないとダメかなって思いましたね」

―次週の中央大も小野龍猛選手という手強いセンターが入るチームですね。
「センター勝負で負けないというよりは、そこはみんなで守ったり、ゾーンとかチェンジングして脚を使って。相手に合わせないで自分たちのバスケットをやれば、慶應戦であれだけできたんだから、集中してやれば問題ないと思います」

―今日も複数のパターンのゾーンを使いましたが、手応えはいかがですか?
「そうですね。運動量増やさないとダメですね。脚を使ってシューターに打たせるようにしないと。声も出していかなければ。昨日もやられたところがあったし、今日はそこを注意してやろうとしていたのにできていなくて、どこかしらノーマークになっているところがありました。手応えは良い時は良いんですけど、ダメな時もあるから、もうちょっと質を高めないとダメかな。あんな1日で攻略されるゾーンならダメだと思うんで、持続して使えるようにしないと」

―たくさんのメンバー起用をすると、ゾーンディフェンスのコミュニケーションが難しいと感じることはありますか?
「いや選手を使えば使うほどフレッシュな選手が出てくるのでいいと思います。やっぱりずっと出ている選手でゾーンを使うと脚が止まってきちゃうところがあるのかなと思います。コミュニケーションはずっと練習はしているので浸透はしているし、そこは問題ないと思います」



「競った場面では個人の力が重要」と実感
◆#32中川真雄(青山学院大・2年・CF)
090927_6.jpg第1戦は出場時間が限られたが、2戦目では35分で12得点。リバウンド10と貢献したが勝利には結びつかなかった。

「昨日勝ったということがすごく大きくて、心の中で余裕ができました。そういう雰囲気の中で自分のプレイを思いっきりやろうと思っていました。

リバウンドは今日は良かったけど、オフェンスではもっと自分から点を獲りにいけるプレイが多くなったらといいと思う。だから、アシスタントコーチにドライブも使っていけと指示が出たのもあって、岩下さんはすごく大きいので、外のシュートをチェックされたらドライブの方がいいと思って仕掛けていきました。

チームの一人ひとりが思い切ったプレイをしないと、ああいう競った場面ではどっちかが抜け出るというのはないと思います。競った場面では個人の力が重要になってくるんだと感じる試合でした」



反省は「今日は受け身になってしまった」こと
◆#16比江島 慎(青山学院大・1年・GF)
090927hiejima.jpg岩下にひるんだと言いつつ、それでもレイアップをねじこむプレーは青学を後押し。16点で辻に次ぐ2番目の得点を稼いだ。

「ディフェンスの戻りが遅かったのが今日の1番の課題です。トランジョションでの失点を防げば全然点差は違ったと思います。オフェンスは90点取れているので、ディフェンスを改善できれば。昨日は僕たちが先に仕掛けたのでその分相手が警戒してくれたんですが、今日は向こうが積極的で、僕たちが受身になってしまったなと思います。
自分の出来としては、昨日は思い切りドライブできたんですが、今日は(慶應大#7)岩下さんがゴール下にいるのを意識し過ぎてしまいました。ブロックもされましたし、そこでちょっと消極的になってしまって。オフェンスリバウンドも、昨日取れたせいか今日は真正面からスクリーンアウトされて、いいポジションまで入り込めませんでした。
2試合やってみて、慶應は他のチームにはない真面目さがあると言うか、とにかく走って、皆でリバウンドに飛び込んで、どこからでも点が取れるという印象を持ちました。でも、来週の中央大戦に向けて、まだリーグは始まったばかりなので、気持ちを切り替えて、自分の役割をしっかり理解して、積極的にプレーしたいと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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