2016年12月 / 11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月


第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.09.20 (Sun)

【2009リーグ1部】9/20 東海大VS慶應義塾大 第2戦

序盤の慶應大ペースから東海大が逆転
固い守りで慶應大のオフェンスを封じる

東海大99(15-25,24-20,24-17,18-19,18-12*)93慶應義塾大*OT
090920mituhara.jpg「簡単には勝たせてくれない」と慶應大の#5小林(4年・GF)
ゲームの立ち上がりは慶應大が支配したが、2戦目は東海大が粘った。「試合に出ている選手で話し合った」(#17前村)というように東海大は1戦目の悪いところを修正し、ディフェンスから建て直して慶應大の攻撃力を削ぐのと同時に、大事なシュートも粘り強く決めて逆転した。

この2戦目を見るとリーグとはどういうものかがはっきり分かる。「お互いの特徴を知り尽くしているので、対応できる」という小林の言葉が全てだ。相手にアジャストし続けたチームだけが勝っていける。全てのチームが全勝優勝を目指しているはずだが、2ヶ月という間のどこかで集中が切れたり、修正がきちんとできずに苦しむ、というのもまた学生リーグの見所の一つだろう。

興味深い第1週だったが、1勝1敗。得失点差では慶應大が上をいく結果となった。

写真:延長戦に勝利し、満原が高々と両手を掲げた。

※試合のレポートと東海大・前村選手、慶應大・小林選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【GAME REPORT】
090920sakai.jpg最初にペースをつかんだのは慶應大。#7岩下(3年・C)のリバウンドや#16二ノ宮(3年・G)のドライブ、#4田上(4年・F)のバスカンが決まるのと反対に、東海大はきれいにシュートに持っていけない。反対に慶應大はドリブルスクリーンからの#5小林の3Pやルーズボールにも果敢で、最大14点のリードを奪った。しかし春はケガでベンチに入れなかった#45鮫島(4年・F)の3Pが決まり、東海大も盛り上がる。そこに#36養田(3年・PF)のミドルシュートと#17前村(4年・SG)のドライブが続くが、それでも1Qは15-25の慶應大リード。

2Q、東海大は守りをゾーンにシフト。慶應大はひるまず#16二ノ宮からのアシストがポストの#7岩下に入り、#14酒井(3年・F)のリバウンドからのシュートも決まる。東海大がじわじわと追い上げるが、慶應大も着々と得点を重ねて残り4分で#7岩下がスティールから速攻を決めると28-40にまで開いた。だがここでタイムアウトを取った東海大が盛り返す。#17前村のドライブに#0満原(2年・C)のポストからの得点、エース#24古川(4年・F)も当たり始め、詰め寄る東海大。慶應大も#14酒井の活躍で簡単には追い上げさせないが、最後のプレーで#0満原の3Pが決まり、39-45と東海大が6点差にして前半を終えた。

3Qの流れは東海大。立ち上がりに#17前村のミドルシュートが入ると#5多嶋がオフェンスリバウンドからシュート。3Pのファウルも続けて獲得して1点差に。慶應大は#5小林が気を吐き、3P、バスカンと活躍。東海大は#24古川が3ファウルとなり#10三澤(3年・PG)を投入する。しかし久々の公式戦のためか連続ミス。慶應大は#5小林のシュートで再び9点のリードを奪う。だが東海大も切れない。このあと慶應大が東海大の守りの前に焦りのオフェンスでターンオーバーが続くのとは反対に、東海大は#17前村と#24古川の3Pが連続して遂に逆転。慶應大は#8石井(4年・GF)を投入して守りから建て直そうとするが、最後は#0満原に3Pを決められて東海大が63-62とリードして終えることに成功した。

090920youda.jpg4Qも慶應大は思うようなオフェンスが展開できない。だが東海大もそう簡単には引き離せず、どちらが決定打を出すか、我慢の展開となった。慶應大はゾーン攻略に時間がかかり#16二ノ宮、#14酒井の3Pでなんとか返すが、東海大は#24古川にスクリーンからしっかり打たせることができている。仕事人#36養田もリバウンドを再三ものにし、チームに貢献。残り3分、慶應大#5小林が時間のない中で打ったシュートが外れるのとは裏腹に、東海大が#0満原の連続シュートが決まり79-72と7点差。残り2分で慶應大は苦しくなる。しかし、たとえわずかなチャンスでも吹き返すのが慶應大。#5小林の3P、#16二ノ宮のドライブが出ると3点差。残り32.4秒で#7岩下がリバウンドをもぎ取り81-81の同点に追いついた。続くプレーで11.8秒で#17前村がフリースローを獲得。だがこれを2本外すミスを犯す。反撃に出た慶應大だが、ボールを回すもわずかに最後のシュートまで間に合わず、延長への突入となった。

延長は東海大が支配した。面白いようにシュートが決まるのに対し、慶應大は重苦しい展開となった。残り1分で8点のリードを奪い勝利は確定。慶應大も#5小林と#16二ノ宮の3Pで追い上げたが届かずタイムアップとなった。

東海大が1戦目を反省して修正できたこと、慶應大がやや消耗したことなど予想の範囲内の勝敗となった。多くのベンチメンバーが存在感を発揮した東海大は、中でも勝負所でことごとくリバウンドをもぎとった#36養田の存在が大きい。1年の頃からこの球際の強さは目立っている。春までの半年の留学中は全くバスケットをしていなかったために調子を戻すのに時間がかかったが、今後も侮れない。慶應大は思ったほどベンチを使えなかった。スタメンの実力は誰もが認めているところだが、やはり6人目、7人目がカギになる。とはいえ、優勝した2004年も準優勝の2006年も彼らはほぼ5、6人で勝負をしてきた。走り負けない体力と集中力は彼らの伝統であり、この後も戦い続けるだけだ。慶應大はこの後も青学、日大と強豪との対戦が続き、全く目が離せない。




【INTERVIEW】
「東海大らしいゲームをすれば結果はあとからついてくる」
悲願の優勝に向けてここから全勝を誓う

◆#17前村雄大(東海大・4年・SG・主将)
090920MAEMURA1.jpg今年の東海大の核となっているのは“チーム”という一体感の共有だ。3部時代から懸命で、2部でも地道な努力を積んでいた頃は、それは確かにチーム全体に浸透している感覚だった。石崎巧、竹内譲次といったゴールデン世代は他を圧倒する実力で東海大に栄光をもたらしたが、チーム感覚は逆に薄れた。そしてこうした偉大な選手の影響力がほとんどなくなった今期は、再びチームとしての活力を取り戻している。そこに加えて選手同士で話し合う“コミュニケーション”と“自主性”が出てきた。第2戦はまさにそれが出た戦いだった。


ー1戦目は全く東海大らしくない内容でしたが。
「第1戦をやって、練習してきたことが出ていないなと。試合が終わったあとにスタート5人と鮫島(#45副将)と養田(#36)、嶋田(#29)とか出るメンバーで練習を振り返ってだとか、言いたいことを話して確認しました。1試合目はやっぱり満原(#0)や古川(#24)が最初から最後までやってしまった。本当だったらお互いが動いてフィニッシュをその2人がやるべきなんですけど、周りが止まっていて、2人がずっとやってしまった。だから相手もしぼりやすくなっていたと思うし、そこを変えていくことを考えていました」

ー第1戦は足も動いていなかったですね。
「初戦で固かったのか分からないですが、みんなが『自分がやんなきゃ』となっていて。それはいいことでもあるんですが、逆にチームプレーになっていなかった。今日はパスも回っていて、満原も自分がやるときと回すとき役割もしっかり分かっていたと思います。だから流れが良かった」

ー初戦と同じ追う展開だった訳ですが。
「展開的には同じだったんですが、コーチからシュートのパーセンテージは今日の方がいいし、我慢していれば絶対どこかで崩れてくるという話もありました。トーナメントでも爆発したときはすごく強いものがあったので、今日もディフェンスだけに集中していたらオフェンスもうまく流れていきました」

ー延長になってしまったというのは? 一時引き離しながら、最後に追いつかれてしまった訳ですよね。
「まず自分がフリースローを決めたかったですけど、ちょっと大舞台に慣れてなかったですね(苦笑)。緊張しちゃいました。でも延長になってもやることは変わらず、逆に言ったら延長に入ったときにみんなが合わせようとしていたので、多分大丈夫だなと思っていました。練習や合宿でも相当走り込んできたので、延長で引くんじゃなくてどんどん行けば向こうもついてこられないだろうなと。慶應はこっちがリードしたので焦ったと思います。オフェンスもいつもと違っていたし」

ー確かに、体力的には慶應の方が厳しかったかもしれませんね。
「こっちはベンチメンバーも活躍しましたし。鮫島(#45)も復活したし養田も久しぶりに仕事人ぶりを発揮してくれましたね」

ー1年の新人戦以降はほとんど出ていなかった三澤選手(#10)の起用には驚きましたが、練習から使われている感じだったんですか?
「あいつはスピードもあるし、森田と違ってフィジカルもあるので仮想・二ノ宮という感じで練習中はやっていました。ディフェンスでも足は動くし、ずっと調子は良かったですね。そこを買って陸さんも出したと思います。公式戦は久しぶりだからあいつも緊張したと思いますが」

ー1勝1敗となりましたが、得失点差という意味では慶應が上回りましたね。
「でも今日の試合で、東海の試合の中でのいいイメージがつかめました。こういう風にやっていけば自分たちらしさが出せていいんだなというのが分かったと思うので、来週からもっと良くなります。ただ、慶應に1敗したのであと1回負けたら多分優勝はない。あとは全勝する気持ちでやっていきます」

ー陸川監督は春に引き続き、ユニバーシアードで7月上旬までいなかったですが、その部分は練習で問題はなかったのですか?
「森先生もいるし、今年は4年生もまとまっているので練習は問題がなかったです。コーチがいない方が自分たちが何とかしなければという気持ちになって、その中でコミュニケーションが生まれてきました。リーグになって良くなってきたのは、満原とか多嶋(#5)とか天翼(#7遥)とか、下のメンバーがいろいろアドバイスを言ってくれることです。4年生だけでは言うことがなくてもいろいろな話が出てきています」

ーその満原選手ですが、第1戦のように1人でプレーしてしまうようなところは問題になっていないのでしょうか?
「満原は自分で出来てしまう選手ですから。多嶋と一緒に『そこはどうにかしないといけないね』と言うこともあったし、満原が外に出たがってしまうと流れが良くないので、そこは満原と話してもいます。その問題を徐々に改善してきたけど第1戦はそうなって周りも見てしまっていた。その瞬間に気づいてチームで話した方が良かったですね」

ー今後もきわどい試合でそういう場面が出てきたら?
「多嶋が気が利くので、そういうことにすぐ気づく。そこで集まって言えればいいと思います。満原も今まで『俺が俺が』というところがあったんですが、最近は人のアドバイスも聞くようになってきました。私生活でも多嶋と一緒にいるのがいいのかもしれないです」

ーチームとしての改善が良い方向にいくといいですね。リーグ戦の抱負をお願いします。今年こそ優勝したいですよね。
「したいですね! まず慶應に1回でも勝てたことが大きな財産になっています。来週からも東海大らしさを出して勝利に結びつけられればいいと思うし、東海大らしい試合をしているときは勝っているので、そういうゲームをして一体感を出したい。ベンチもコートも意思疎通をできて思いを共有できて、応援してくれる人も巻き込んでいければ、今年陸さんが目指しているチームになると思います。東海大らしいゲームをして、あとから結果がついてくるという試合にしたいです」



「互いに対応できるのがリーグ戦」
結果を受け止め、既に次週以降を見据える

◆#5小林大祐(慶應義塾大・4年・GF)
090920kobayashi1.jpg慶應大のエースとして連続2桁得点。春のMVPであり、チームのオフェンスをリードする選手として押しも押されぬ存在である。しかし、数字や分析では語れないのが小林という選手でもある。実際に見てみなければ伝わらないプレーや魅力を持った貴重なキャラクターだ。
高校時代から有力選手の一人だったが、代表には入ったことがなく今年初めて海外遠征を経験した。広い世界を知って、それをどのように生かすのか。これまでと変わらないとしながら、4年生としてのリーグ戦で何を見せてくれるのかに期待したい。


ー2戦目は苦しい内容でした。
「やはり東海は強い。簡単には勝たせてくれませんね。第1戦とはコンタクトが違う。それは開始すぐに感じました。あとは要所要所で養田くん(#36)のリバウンドにやられてしまった。終盤はほとんど持っていかれた感じですよね」

ー途中で焦ったオフェンスが目立ったのは慶應らしくなかったように思います。
「手詰まりになってしまったのが原因です。ゾーンアタックもやってきているんですが、止まってしまった」

ー一週終えてどう感じていますか?
「やはりリーグ戦は何が起こるか分からないということですね。長丁場ですから。1戦目大勝しても2戦目はお互いの特徴もプレーも知り尽くしている訳ですから、対応できるということですよね。それは逆に、僕らも今回負けたけれど次は東海に対応できるということでもある」

ーそこは昨年の2部とは違うところですか?
「そうですね。1勝して2戦目も素直に勝たせてくれるということにはならないですね。でも考えてもしょうがない。まだ12試合あるので、きりかえて来週もやります」

ー最後のリーグ戦ということで何か思うことはありますか?
「よく聞かれるんですが、そこまで意識してはいません。やることはこれまでと変わらないし、最後だから何かをやる訳でもない。最高学年だし、さすがにいつも通りとはいかないけれど、特別意識している大きな何かがある訳ではないですね」

090920paku.jpgー話は変わりますが、この夏は海外などへ遠征して、どのようなことを感じましたか?
「一番感じたのは、世界は広いということです。僕はこれまで代表などに選ばれていなかったので、海外経験もなくて。唯一あるのが一昨年から始まった慶應の韓国遠征。今年は初めてジャカルタ遠征にも行くことができましたが、それが海外の試合としては初めてなんです。海外に行って感じたのは、本当にいろいろな選手がいるなということです。特に韓国の選手を見てすごいなあと感じました。延世ではヒョンチョル選手(※1)についていましたが、『うまいなー』と感じるばかりでした。こんなにうまい選手がいるんだ、と。日本とは比べものにならないなと。ああいう選手は日本にはいないですよね?」

ーまずあのサイズの1番が日本にはいませんよね。フィジカル、スキル、判断力ともにすばらしいですし、真面目でリーダーシップもある。
「試合中ずっと対峙していたんですが、すごいなと感じることばかりでした。でもだからこそ面白かったですけどね、負けはしましたが」

ーその延世大と競る力があると考えると、日本の大学相手ではもっとできるのではないですか?
「確かに、レベルは全然違いますからそうですね。ただ、まだリーグ戦は始まったばかりですから、ここから頑張っていきたいと思います」

※1 パク・ヒョンチョル 191cm/G(写真下段)。下級生時からスターターを務める延世大のキャプテンであり、韓国の次世代を担うガード。李相佰杯などでも日本の選手とたびたび対戦している。昨年の慶應大との対戦ではヒョンチョル以外で核となる選手がおらず慶應大とは3点差の僅差だったが、今期は有望なルーキーが加入し、サイズも速さも増した延世大。高麗大との定期戦でも圧勝している。
関連記事

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

EDIT  |  23:55  |  2009リーグ戦1部  |  Top↑
 | BLOGTOP |