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2009.07.13 (Mon)

7/13 第13回日本男子学生選抜 最終日

関東に持ち味を出させない戦法が成功
ロースコアに持ち込んだ東海選抜が初優勝

関東選抜69(9-15,12-20,16-18,32-25)78東海選抜
090712TOKAI3.jpg全日本学生選抜バスケットボール大会は、いしかわ総合スポーツセンターで最終日を迎えた。注目の決勝戦は東海選抜が序盤から関東選抜をリード。早い展開にさせず、ディレイドにもちこんでロースコアゲームを展開。関東選抜は自慢の得点力を発揮できずに遅れをとった。点が取れないことで集中力を欠いたところをレフェリーにも泣かされ、フラストレーションのたまる展開に。東海選抜は最後まで冷静にゲームを進め、逃げ切って勝利。初優勝を遂げた。

また、3位決定戦は関西選抜にリードを奪われた九州選抜が粘ったが惜しくも届かず関西選抜が3位を決めた。

※決勝のレポートと東海選抜・ママドゥ選手、関東選抜・小林選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090713MO.jpg「ママドゥが4年の今年が最大のチャンス。ディレイドに持ち込んで相手を走らせないようにした。選手にもとにかく攻めるなと言っていた」東海選抜・山本監督。徹底したこのロースコア作戦が当たった。いわく、「力づく」で取りにいった優勝だ。激しいディフェンスで関東のオフェンスを消し、高さではママドゥが圧倒する。関東の爆発力、選手の能力の高さは他地方を寄せ付けないレベルだが、それを出させない東海選抜が一枚上手だった。

序盤から得点の入らない試合となった。東海選抜は#12ママドゥ(浜松大・4年・C)にボールを入れ先制。関東選抜は逆に攻めにくく、立ち上がりで遅れをとった。調子の良くないアウトサイドに加えてフリースロー確率も5割、といいところが出ない関東選抜。レイアップはママドゥの高さにはばまれ、1Qはたった9点に押さえられてしまう。2Qになり、関東選抜は#11小野(中央大・4年・PF)がマッチアップしているママドゥをパワーで押し切り、インサイドで得点。#4小林(慶應大・4年・GF)の速攻が出て流れを作るが、こうした場面ですかさず東海選抜はタイムアウト。「走らせたら勝てない。絶対に走らせないように速攻の場面では必ずタイムアウトを取った」(山本監督)という作戦で対応し、関東選抜にリズムを作らせない。また、関東選抜は笛にもフラストレーションをためていく。試合地域が違えば審判も違う。鳴る笛とそうでない笛にふりまわされて集中力を削がれた関東はまず#13湊谷(青山学院大・3年・F)がテクニカルの宣告を受け、ミスが連鎖。反対に東海選抜はフリースローと確実なシュートで差を広げ、前半は14点のリードを奪うことに成功した。

090713MATSUZAKI.jpg後半もこの流れは変わらない。立ち上がりをベンチメンバーでスタートした関東選抜だが、じわじわと開いた差は22点。3Q終盤ようやく#13湊谷、#4小林の3Pが連続し、追い上げる様子を見せる関東選抜だが、東海選抜も#13宮城(中部学院大・4年・CF)の3Pが決まり、流れを断ち切って3Qを終了。4Qも東海選抜がリードする。関東選抜とは対照的に、大事なポイントでのアウトサイドが落ちず、追いすがる関東選抜に要所でダメージを与える。重苦しい展開の中、残り5分で#14松崎(拓殖大・4年・G)の3Pが連続し、追い上げムードになる関東選抜。しかし東海選抜のダブルドリブルが見過ごされたところをベンチから抗議するとこれがベンチテクニカルに。ここで切れそうなところを、最後は粘った。残り1分半で関東選抜はファウルゲームに。東海選抜はここまで落とさなかったフリースローを落とし始め、関東はアウトサイド攻勢に出ると5点差にまで追い上げる。しかし最後は東海選抜#4大石(浜松大・4年・PG)が冷静にフリースローを決め、#12ママドゥが豪快なダンクでゲームを締めくくり、東海選抜の優勝に花を添えた。

東海選抜は初優勝。関東選抜は2004年以来の決勝での敗北となった。東海選抜は作戦は言わずもがな、優勝する気持ちが強かった。こうした場では均等に与えられがちな出場機会も、「ママドゥを40分使ってもいいから勝つつもりだった」(東海選抜・山本監督)と、あくまで勝ちにこだわった姿勢が見える。また、それ以外にも昨年とあまりメンバーが変わらないところでチームとして優位に立てた。「このチームでずっと戦いたい」とママドゥが言うほど、互いに信頼感があり、試合中も常にハドルを組んで意思疎通をはかっていた。選抜のための練習回数は関東とあまり変わらないが、慣れたメンバーで戦えたことも大きいだろう。一方の関東選抜はどの選手もエース級であるがゆえの難しさをうまく打開できなかった。「チームとしてまとめきれなかった」と4番をつけた小林が反省したが、もちろんそれだけが問題でもない。トランジションを持ち味とする慶應大の2人を中心に据えたものの、走り慣れた選手が少なかったことも惜しまれる。大抵の年ではそれでも能力で勝ててきたが、チームとしての方針や戦い方が明確だった東海選抜には通用しなかったというところだろう。



【INTERVIEW】
「授業でもバスケでも本気を出してやってきた」
自分の哲学を貫く姿勢は人間としても見習うべき鑑

◆#12ママドゥ・ジェイ(東海選抜・浜松大・4年・C)
090713MAMADU.jpg「日本人より日本人らしい」と東海選抜の山本監督が言うが、セネガル人留学生の中でもママドゥの立ち居振る舞いは群を抜いて真面目に写る。チームでも一番声を出し、リバウンドの後の速攻の場面でも、コートの一番奥から懸命に走ってフロントコートに戻ってくる。勉強でもバスケでも全ての面で頑張ることを忘れない。そうした姿勢を彼は「フィロソフィ=哲学」と言う。関東であてはめるなら慶應大や東海大にいればしっくりくる選手かもしれない。自分が持っている全国の経験や求められるプレーを出し切ったことで、東海選抜に優勝をもたらした。


-優勝おめでとうございます。感想を。
「試合前のミーティングのときもみんなでしゃべって、ディフェンスで頑張ってそこからブレイクをしようと。試合ではみんなめっちゃディフェンスで頑張って流れがきて、楽勝でした(笑)」

-優勝したいという気持ちが強かった?
「すごく強かったです。今年は最後だし、持てる力を全部出す。勝っても負けてもいいんだけど、とにかく持ってる力を全部出そうと思ってました」

-すごく声を出してチームを引っぱっている姿勢が伝わってきたんですが。
「この選抜の中では自分だけが高校のときから全国の一番高いところでやってきたし、自分が一番声を出さないとダメだなと。自分から声を出したらみんなも出してくれました」

-4番をつけてもいいんじゃないかと思いました。
「(笑)。それはないですよ。まだまだです(笑)」

-4年になって気持ちの変化などはありますか?
「最初から、1年生のときから授業でもバスケでもなんでも本気を出す、というフィロソフィーがあってやってきました。今年はまだ何も優勝してないからもっともっとという気持ちがあります」

-今年は西日本も中止だったし、残念ですよね。
「そうですね、優勝したのにね(笑)。今日の試合の前にマネージャーが『まだ自分は全国優勝したことがない』って言ってて、そのとき気づいたんです。この試合も勝てば全国優勝だって。だから頑張らないとと思いました」

-小野選手とのマッチアップはどうでしたか?
「高校からやってる選手で、すごくうまいです。ディフェンスでは我慢して我慢してファウルしないように気を付けて、決められても気にしないで」

-でも高さではママドゥ選手の方が有利ですよね。
「でも彼は自分より横幅がありますから、あまり変わらないですよ(苦笑)」

-今年はあとリーグ戦とインカレもありますが。
「リーグ戦は東海選抜の仲間と戦わなければならないので悔しいですよ。浜大に帰ってもこのメンバーでチームとしてプレーできたらいいのにと思います。無理だけど(笑)。すごくいい仲間でした。でも秋に向けて頑張ります」


「チームとして大事な部分を浸透させられなかった」
選抜チームの難しさを今後の経験に

◆#4小林大祐(関東選抜・慶應義塾大・4年・GF)
090713KOBAYASHI.jpg4番をつけるのはミニバス以来になる。とはいえ、今年度のメンバーは例年以上に個性豊か。まとめるというよりは、いかにコミュニケーションを取ってうまくやるかといった方が大事だっただろう。元々は試合中のプレーで引っぱるタイプで、そうした場面もあったが東海選抜にはそれをうまく続けさせてもらえなかった。



-残念な結果でしたが、振り返ってみていかがですか?
「試合内容を振り返ると相手にセカンドチャンスを与えてしまったというのが一番大きくて。ママドゥ君がリバウンドを取ってくるのは分かっていたけど、そこを押さえられなかった。それが間接的な敗因だと思います。直接的な敗因としては関東選抜というチームを僕がまとめきれなかったというところがあると感じています」

-キャプテンとしてはどういうことを心がけていましたか?
「そうですね、急造のチームなのでみんながわだかまりがないようにコミュニケーションを取ったり、声を出したり、率先して練習をやったりという部分を心がけたんですが、やっぱりチームに浸透させきれなくて、それが結果に表れたと思います。そこが悔やまれます」

-アウトサイドのシュートが最後まで入らなかったのが残念でしたが。
「個人技、個人技という感じで、急造のチームだからそこは仕方ないと思います。それでも東海選抜はチームプレーで勝負してきていた。そこでこちらはチームになりきれてなかったところがああいうシュートの確率だったり、試合内容だったりにつながってきたのかなとは思います」

-今回は石川での試合で、インカレは大阪ですよね。笛の感覚も違いましたし、慣れない環境の試合を経験したことはインカレに向けて勉強になったのでは?
「今日の試合でテクニカルファウルを取られて、ベンチテクニカルも取られましたし、そういったフラストレーションがたまる内容でしたけど、そこで他の地方の審判に慣れるというのはいい経験になったと思いたいです」

-慶應としてはここからが大事だと思いますが、秋に向けても遠征や海外での試合が続きますね。
「新人戦以降はチームでの練習はまだやっていないので、この結果は結果で納得して、また切り替えて頑張っていきたいと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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