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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.06.28 (Sun)

【2009新人戦】6/28 3位決定戦 拓殖大VS筑波大

筑波大の流れをことごとく断ち切った拓殖大が
堂々の3位で新人戦を終える

拓殖大学94(21-15,24-22,21-19,28-19)75筑波大学
090628h_tomonobu.jpg準決勝敗戦から一夜。
モチベーションの維持が最も難しいと言われる3位決定戦。しかし、拓殖大、筑波大ともに、試合展開から見ても敗戦の影響は無かったと言っていいだろう。前半20分のうち、約15分は一進一退の展開だった。だが、残り5分で試合は動く。拓殖大が#26上杉(2年・C)のシュートを皮切りに5連続得点でリードを奪う。筑波大も、#55賀来(2年・G)、#37星野(1年・F・市立船橋)の得点でなんとか追いすがるが、#94長谷川智伸(1年・G・福大大濠)が再三筑波大の流れを断って、寄り付かせず。また、#99長谷川技(2年・F)と#26上杉がともに得点とリバウンドでダブルダブルの活躍を見せた拓殖大が、終始優位に試合を進め、最後は19点差。拓殖大は3位、筑波大は4位という結果で、新人戦に幕を閉じた。

なお、両チームともに全体チームではなかなか出場機会のない選手の活躍が目立ち、彼らは高い能力と今後の可能性を見せつけた。ダイヤの原石が少しずつ磨かれ、最終学年には大きく花開くことを期待したくなる、新人戦ならではの試合だった。

写真:拓殖大・長谷川智伸と筑波大・山口の大濠マッチアップ。ともに得点王、3P王が期待されたが、この日のマッチアップで相殺に。

※試合のレポートと拓殖大・長南選手、筑波大・吉田監督、田渡選手、賀来選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090628hasegawatakumi.jpg1Q、#26上杉インサイドを中心に重ねていく拓殖大。対する筑波大は#15山口(2年・G)、#55賀来の外角シュートで応戦。だが、なかなか確率が上がってこず、拓殖大にリードを許してしまう。ここで一気に突き放したい拓殖大だが、こちらもミスなどで完全に乗り切れず、点差は6。しかし、2Q立ち上がりに筑波大にスイッチが入る。#28満留(2年・G)のパスを受けた#50梅津(1年・C・青森山田)の得点で先制点を奪うと、次のプレーで#55賀来がパスカット。それを再び梅津が沈めて3点差とする。しかし、この直後に筑波大#15山口の3Pのこぼれ玉を拓殖大#94長谷川智伸が#99長谷川技に繋いで、速攻でやり返す。それでも、筑波大の勢いは衰えず、このQ2本目となる速攻を#28満留が沈めて、同点に持ち込む。この後は一進一退の展開。拓殖大#26上杉がリバウンドシュートを決めれば、筑波大#15山口が決め返すなど、互いに譲らない。しかし、2Q残り5分31秒で筑波大#15山口が3ファウルを吹かれると、筑波大はタイムアウト。このタイムアウトの後、流れは一気に拓殖大へ。まずは#26上杉のインサイドで1本。次のプレーでは筑波大#34田渡が#15山口に繋いで得点するが、その後は拓殖大が#5根木(2年・G)と#6長南(2年・G)のアグレッシブなプレーが光って4連続得点。点差も10点に開き、筑波大にタイムアウトを取らせる。タイムアウト明けも、拓殖大に得点を許してしまう筑波大だが、終盤は#37星野のジャンプシュートと#15山口の3Pが決まって、8点ビハインドで後半へ。

後半の立ち上がり、筑波大は#50梅津と#37星野の連続得点で先行するが、拓殖大は#99長谷川技のシュートに、#6長南、#5根木と続いて、再び10点を開く。この後から、筑波大にとって、この10点差が重く、遠い。それでも、#50梅津が拓殖大#26上杉から4つめのファウルを奪ってバスカンを決める等、追い上げムードにはなる。しかし、それを拓殖大#94長谷川智伸がそれをことごとく断って、主導権を渡さない。我慢して来た筑波大も3Q終盤になると#55賀来の速攻、#34田渡のゴール下が決まって、反撃の狼煙を上げられるかと思ったが、それを再び#94長谷川智伸が切る。盛り上がりかけては断たれという展開に、筑波大司令塔#34田渡も「結構イライラしますよ」と吐露。4Qに入ると、筑波大は立て続けにミスを犯してしまい、田渡もコート上で頭を抱える。それでも、「なんとか盛り上げようと思っていた」という#55賀来が、連続得点をあげて、チームを鼓舞するが、体がついてこない筑波大。終盤にかけては、諦めムードも漂ってしまい、吉田監督に「終わりじゃないんだ。集中しろ!」と喝を入れられてしまう。そんな筑波大を尻目に、拓殖大は余裕の試合運びを見せる。#6長南のシュートは落ちず、また、#26上杉、#99長谷川技が制空権を奪取。試合は完全に拓殖大のものとなった。拓殖大は最後、応援団の上級生から「ノブ(#94長谷川)に打たせろ!」という声が飛び、長谷川はそれに応える形で次々と3Pを放っていく。なかなか当たりはこなかったが、時間ギリギリで放った3Pがブザーとともにリングに吸い込まれ、カウント。最終スコアーは、94-75。拓殖大が勝利を飾った。

090628taku-tuku準決勝、日本大との激闘を1点差で涙を飲んだ拓殖大は3位となった。自分たちのスタイルを最後まで貫き通した拓殖大は、トーナメントの7位に続き、過去3年の中では最も良い成績を残した。昨年、一昨年と不甲斐ない結果に終わっているだけに、今シーズンは期待したいところ。また、#5根木、#6長南、#15八木(2年・F)等、これまでスポットライトの当たらなかった選手の台頭が目立った今大会。彼らが秋のリーグで試合に絡んでくることは間違いないだろう。この春シーズンで得た結果と経験をどう生かしていくのか。“継続力”が課題の拓殖大の真価が問われるのは、秋のリーグ戦。選手たちが「今年は変わった」と口にするチームが秋、どのような戦いを見せてくれるのかは、非常に楽しみである。

一方、春先から次々とケガ人を出して、万全な状態とは言いがたい状況で戦ったのは筑波大。「インサイドで勝つか負けるかが決まるところに1年生2人はかわいそうだった」とやむを得ない状況でのチーム作りを余儀なくされた吉田監督は、#50梅津、#37星野の1年生2人を労った。また、拓殖大同様、#55賀来をはじめ、#28満留、#19富岡(2年・G)等、能力はありながらも出場機会のなかった一般学生選手たちの活躍が光った。彼らはAチームでプレーするために、今後もチーム内での争いは避けて通れないが、このような大きな舞台でプレーできたことは「自信になった」(賀来)に違いない。昨年、1部復帰を果たしたため、秋は1部でのプレーとなる筑波大。春は悔しい結果に終わった筑波大が、秋、どのようなチームに変貌してリーグを戦っていくのかに、期待したい。


【INTERVIEW】
「ハセたちと一緒にやりたい気持ちは変わらなかった」
気持ちと努力でプレイングタイムを勝ち取ったシューター

◆#6長南朝成(拓殖大・2年・F)
090628TYOUNAN.jpg京王電鉄杯で突如現れたシンデレラボーイ。長南の放つシュートはリングのど真ん中を射抜く。それは、鳥肌が立つほど、きれいなシュートだ。
現在、一緒にコートに立っている#99長谷川技を、“スター選手”と表現した。高校時代は全国経験が無く、県大会では早々と負けてしまっていたという長南にとって、能代工業出身で全国制覇を果たした長谷川とプレーできるということは、“信じられない”話なのだ。入学当初は、“4年間Bチームで頑張ろう”と思っていたが、“ハセたちと一緒にプレーがしたい”という強い気持ちが長南を奮い立たせ、そして今春、これまでずっと思い描いてきたAチームのコートに立った。
シュートの精度や、体作り等まだまだ課題は多い。しかし、バスケットに対するひたむきな気持ちと偉大なチームメイトの存在が、今後も彼を支え続けるだろう。目を輝かせながら話をしてくれた長南が、今後もこの輝きを失うこと無く、成長してくれることを期待したい。


—3位という結果になりました。近年では最もいい成績ですね。
「チームの3位ということもうれしいのですが、個人的にはこの大会に出られたということもうれしいんです。実は、自分は今年からAチームに入ったんです。これまでは全国大会の経験がなくて、県大会も下の方で負けてしまうチームでした。だから、こんな大会に出られるというのが信じられないというか(笑)。成績もうれしいですが、“今ここでプレーできている喜び”の方が大きいです」

—この3位は、もちろん長南選手の活躍もあってこその結果だと思うのですが、今大会の自分のプレーを振り返っていかがですか?
「ハセ(#99長谷川)と上杉にあって、自分に無いものを探したら、やっぱりシュートとか、リバウンドとか、声を出すという地味な部分でした。自分はあまり身長がないので、2人が弾いたリバウンドは絶対に取ってやろうとか、小さいところを意識してやってきました。自分は一番下っ端ですから(笑)。シュートに関しては、3Pはノブ(#94長谷川)の方が入るので、自分は2P専門という感じでこの新人戦はやってきました。新人戦を通して、もっと決定力とか確率をあげていかなければならないなということは、終わってみて感じています」

—精度を上げていくということに関しては、今後の課題にもなってきますね。ただ、試合の中で決めるところはしっかりと決めていた印象はありました。
「いや、そんなことないです(笑)。自分はちょっと波が激しいので…。ずっとみんなに助けられていました。上杉は、試合を通して自分のシュートが入らなくても、ずっと笑顔で“大丈夫!次頑張ろう!”って声を掛けてくれました。ハセも悪いところはどんどん指摘してくれて。やっぱり自分は“チームに支えられてプレーしているな”というのを感じました。だから、プレーしていても疲れないんですよね。試合中って、精神的に疲れてしまうことってあると思うんですよ。でも、負けている時でも、あまり疲れない。たとえ40分出ずっぱりに近い状態だったとしても、みんなが支えてくれているおかげで、もっと出来る気がするくらい試合後も元気だったりするんですよね(笑)」

—春シーズンからAチームでプレーしているわけですが、Aチームにあがったきっかけなどを少し聞きたいのですが。
「多分、Aチームにあがったきっかけは、都大会だったと思うんです。今まで、ベスト4で“エクセレンス”(※)というチームに負けていたんですが、自分はその試合で34点くらい獲って。それが評価に繋がったのかなと思っています」
※東京都クラブチームの強豪。

—そして、京王電鉄杯から試合に出ているという訳ですね。最初は“なんてシュートが上手い選手なんだろう”と驚きました。高校時代もシューターだったのでしょうか?
「高校時代は、強くなかったこともあって、ポイントガードもやっていて。シューターというより、チームをまとめる役でしたね。ちなみに京王電鉄杯は、自分は出ると思っていなくて。試合が始まる前にメンバーが発表されたんですが、最後に自分の名前が呼ばれて。びっくりして、“まさか!”と(笑)。あの大会は本当に緊張しっぱなしでしたね…。でも、先輩も優しくて、伸び伸びプレーできました。こうして春から少しずつ経験できていることが自分の成長に繋がっていると思います」

—緊張はこちらまで伝わって来ます(笑)。そのせいもあってか、なかなか自分の思うようなプレーができていなくて、池内監督に怒られてしまう場面も多く見られますね。
「はい。でも、怒られるというのは、期待してくれていることの表れだと思うんです。自分も怒られている最中にそれを感じているので、すぐに“次は頑張ろう”という気持ちになります。池内さんは悪いところはきちんと指摘してくれるし、いいところは褒めてくれます。そういう部分も去年とは全く変わったなと思うところです」

—今後は秋のリーグ戦に向けての練習が始まっていく訳ですが、この夏の間に自分がもっと力をつけなくてはいけないなという部分はどういうところでしょうか?
「4年生を含めたチームもアウトサイド中心で、走るチームなので、コートの端から端までをしっかりと走れる脚力と、アウトサイドの確率をもっと高めていくというのが1つ。あとは、筋肉をつけるというのが。前よりは当たり負けしなくなっているんですが、もっとつけていきたいです。当たり負けせずにシュートを決められたら、もっと勝っていけると思うので、頑張っていきたいと思います」

—最後に、今回の新人戦というのは、自分の中で“やれる”という手応えを掴めた大会だったのでは無いでしょうか?
「手応えはありますが、悔いはあります。昨日勝っていれば決勝に行けていたわけですし。昨日は、最後にノーマークでドライブからのシュートを外してしまって、相手に持ってかれてしまったという部分もあったので、今後はきちんと決められる選手になっていきたいです。あとは、去年、ずっとBチームでやってきたんですが、“いつか絶対にハセや寒竹さん(現トヨタ)のようなスター選手と一緒にやりたいな”というのがあったんです。でも、実際1年のときにはAチームに上がれると思っていなかったので、“4年間Bチームで頑張ろう”と思っていました。でも、やっぱりハセたちと一緒にやりたい気持ちは変わらなくて、頑張って来た結果が、“今”だと思うんです。今後も一生懸命練習を頑張りたいという気持ちがあるので、またしっかりと練習をしていきたいと思います!」


◆吉田健司監督(筑波大)
090628yoshidahc—新人戦を振り返って。
「去年の成績を維持するとか、そういうのではなくて、今年のチームでどういうことができるのかということが大切で。特に下級生の裏方さんのチームが、どういうことができるのかということを試すのが新人戦だと思うんですよ。うちは推薦が1学年3人だから、6人のチームのベースがあって、それに一般の学生が何人か試合に絡んでいくという形というのを私は考えなくてはならない。正直、言い訳になるけれども、まず2人いないと(#99加納と#47砂川)。それでチームのスタイルをどうするかというのを1ヶ月間、暗中模索の中やってきました。下級生ということもあって、上にいけばいくほどファンダメンタルの無さを露呈して来たかなと。結果的には4位になったけど、このチームで4位になれたということに関しては、収穫かなと思います。昨日、今日と負けましたけれど、こうして高いレベルでできたということが収穫になったかなと思います」

—インサイドは、梅津選手(#50)と星野選手(#34)が、本来とは違うポジションでプレーせざるをえない状況でした。彼らにとっては、少し苦い経験になったこの新人戦だったのかなと思うのですが。
「バスケットってインサイド勝負じゃないですか。勝負が決まるところに1年生2人がね、というのはちょっと可哀想ではありましたよね。ただ、それをせざるを得ない状況で試合をしなければならなかったのは事実。そこはチームを作る上での問題でした。本来は、星野はフォワードなのにインサイドをやらせていた。彼自身も骨折から復帰して、バスケットボールができたのがこの6月から。いきなりファンダメンタルの練習をせずに、大学に入って来て、ようやくチームバスケットが入ったと思ったら、いきなりゲームでしょう?本当に可哀想だけど、勝つために、“あれやれ!これやれ!”って言わなければならない状況にありました。ある意味勉強になったとは思いますよ。僕も、“可哀想だな…”と思いつつ、言っていました」

—今大会の2年生の頑張りについて。彼らのおかげで、コートもベンチもかなり盛り上がっていました。雰囲気もとてもよかったと思います。
「今年の2年生というのは明るい選手というか、盛り上げる選手が多い(笑)。逆に、3・4年生は大人しいんですよね。そういう意味では、今年の2年生は本当にいい味を出していますよね」

—準決勝の加納選手の出場の経緯について少しお話をうかがいたいのですが…。上智大戦で再びケガをしてしまって、中央大、国士舘大戦には不出場。出場は無理なのかなと思っていたら、準決勝で試合に出て来たので少々驚きました。
「彼、頑張っていたんですよ。4月のはじめにケガをしたんですが、この新人戦に向けてリハビリをしながら頑張って来ていました。前十字ということもあって、痛みを堪えながらやってきていたんですよ。優勝するためだし、昨日は大切な試合だった。本人としては、“自分が出る”っていう意識があったし、僕もそういう気持ちがありました。だから敢えてあの場面(2Qの拮抗した場面)で出しました。このまま負けて終わってしまったら、彼だって納得いかないでしょう?“自分は何のためにリハビリを頑張って来たんだ”と。今シーズンはこれしかないわけですよ。だから、昨日は“もうここしかない”という場面だったと思って出しました」

—秋へ向けて。
「春は色々と試そうと思っていたんだけど、結局、1回戦で負けてしまって試す機会がなかった。だから、春やりたかったことに、秋はプラスαをしていきたいと考えています。あとは、加納誠也のインサイドがなくなったので、チームを変えていかないと…1部ではそう簡単には勝てないでしょうね。インサイドをどう強化するかというところもポイントになってくると思います」


「今後はアシストも見てほしい」
成長著しい筑波大期待の大型ガード

◆#34田渡修人(筑波大・2年・G)
090628tawatari春のトーナメントは、ケガ明け直後だったため、本格的な復帰はこの新人戦となった。今大会は、キャプテン、そして、司令塔という役割を任された。「最初は、みんなにアドバイスをする時も恥ずかしがっていたけど、最後は貫禄が出ていた」と、チームメイトの加納(#99)が語るように、終盤にかけては、プレーでも声でも引っ張り、昨年に引き続き、チームをベスト4へと導いた。
点取り屋のイメージが強い田渡だが、大会中はアシストでも“魅せた”。1試合平均アシスト本数は7。今後は、このアシストにも注目してほしいという。なお、今大会はアシスト王、優秀選手賞の2冠達成。アシスト王に関しては、「みんなが決めてくれなかったら獲れていなかったので、みんなで獲った賞です」とコメントを残した。

—4位という結果をどう受け止めていますか?
「本当に優勝したいし、できなくもないと思っていたんです。でも、“今現在の自分たちの力はここまで”だということを試合後、更衣室で話しました。なので、結果は結果で受け止めています」

—今日の試合を振り返っていかがですか?終始拓殖大ペースで試合が進んでしまいましたね。インサイドでは拓殖大に軍配が上がったという感じでした。
「自分が止まってしまうところが多くて、そこからの展開が無かったですね。自分もそうだし、タカ(#15山口)も止まってしまっていて、崩せていなくて。全体的に動きが無かったし、そこが悪かったかなと思います。そのせいで梅津(#50)のインサイドに頼りきりになってしまって、流れが悪くなってしまいました。みんな疲れがあって、走れなかった部分もありましたし。拓大は色々なメンバーを混ぜてやっていたけど、こっちはほぼ40分同じメンバーだったから、その差が出てくるだろうなとは思っていたんですが…。それでも走る練習はしてきたし、走れる自信はあったのに…それができなかったのが本当に悔しいです」

—試合の中で何回か追い上げムードになりましたが、ことごとく断たれましたね。あのときの心境というのは?「結構イライラしますよ。しかも、次のオフェンスでも立て直せない。それで、その後もずっと修正できなくて…。ここで、聡太さん(#15片峯)がいたら一本止められるんですけど、新人戦だし、勢いでやってしまった部分がありました。そこが課題ですね。それにしても、拓大の99番と94番の長谷川は上手かったです(苦笑)」

—この新人戦が本格的に復帰した後の試合となりましたね。大会を通してほぼ40分間出ていたこともあって、終盤は疲労の色が濃くなっていたように思えました。あとは、ゲーム感覚も気になる部分だったのですが。
「実際、疲れはありました(苦笑)。本格的に復帰したのがトーナメントで負けた次の日だったんですよ。ケガしたところは全然痛くないんですが、筋力が戻っていなくて。大会終盤は足がつっちゃって…。ただ、ゲーム感覚はかなり戻っています。だから、足がつってしまったことと、ゲーム感覚のことは全く関係ないです。ゲーム感覚はきちんと取り戻せています」

—大会を通して、本当にキャプテンらしかったですよね。コートでも、ベンチでも、本当に良く声を出して、プレーでも声でもチームをよく引っ張っていたなと思いました。
「本当ですか?ありがとうございます(笑)。やっぱり試合は負けたくないじゃないですか。だから、やりました。でも、自分だけじゃなくて、タカもコート内で一緒に言ってくれたし、ベンチでは誠也(#99加納)が言ってくれました。あとは、2年生が声を出してくれたというのがやりやすかったです。小学校からずっとキャプテンをやってきたので、特に“キャプテンだからこうしなきゃ”と意識することはなかったんですが、青学戦はまだしも、最後の試合は経験を生かしきれていなかったですね」

—一般入学生の活躍が本当に光った大会でもありましたね。彼らにとっては良いアピールになったのではないでしょうか?
「そうですね。もともと能力はあったけど、遠慮して出来ていない場面があって。でも、賀来(#55)、満留(#28)、富岡(#19)にしても、この新人戦で自分の実力を発揮できていたし、自信になったと思います。だから、今後に繋げていってほしいです。みんなよかったし、自分も本当に助けられました」

—インサイドは1年生が任されることになりました。梅津選手も星野選手(#37)も本来とは別のポジションをしなければならない状況での今大会でしたが、彼らをどう評価していますか?
「梅津は4番ポジションっていうこともあって、最初はインサイドでどうしたらいいのかわからなくて。でも、誠也に教えてもらったりしながら徐々にインサイドを意識してくるようになりました。星野に至っては、3番ポジションなのに、4番をやらせていて。でも、あいつはそれに対応できる能力を持っている。一生懸命リバウンドも頑張ってくれました。2人の活躍がなかったら、4位なんて結果は無かったと思うので、1年生2人には感謝しないといけないですよね」

—上智大戦の後、“誠也のために絶対に決勝に進まなければならない”ということをおっしゃっていましたよね。この新人戦を、加納選手のために頑張ろうと思っていた部分はあったんでしょうか?
「自分の中ではまず、自分のために優勝したいというのはあったんですけど、誠也のためにも優勝しないといけないと思っていました。こう思っていたのは自分だけではないと思います。誠也の存在ってデカいんですよ。コートにいてもベンチにいても、いるだけで安心感が違う。いなきゃいけない存在なんです。自分とタカだけじゃダメなんですよ。そこに誠也がいなかったら、未完成っていうか…完成しないと思うんですよね」

—秋の話になりますが、昨年1部復帰を果たしたので、今年のリーグ戦は昨年とはまた違ったレベルの中でバスケットを経験できますね。
「ただ、ガードに限って言えば、去年の2部は本当に上手い人たちばかりだったから、ガードのレベルは変わらないと思うんです。でも、サイズとか脚力は違うと思うので、それに対応できるだけの練習をしていきたいです。自分の中では二ノ宮君(二ノ宮康平@慶應大)に勝ちたいというのがあります。絶対に勝ちたいです!」
※二ノ宮選手と田渡選手は京北高校出身の先輩と後輩。

—秋へ向けて改善したい点や、伸ばしていきたいプレーはありますか?
「シュートが一番の持ち味だと思うので、そこをもっと磨いていくこと。あとは、アシストを見てほしいです(笑)。今日の試合は足が止まってしまって、全然アシストもできなかったんですが、リーグ戦からは見せていこうかなと思っています。今年は2番でも使うって言われました。だから、聡太さんと1・2番ってなると思うんですが、自分と聡太さんでは全然タイプが違うと思うので、そこをどうやって生かしていくかが問題。あとは、健司さん(吉田監督)が、自分を安心して出せるように、コントロールを覚えていかなければならないと思います。夏はそういうところを中心に改善していきたいです。そして、秋、二ノ宮君を倒します!」


強気なプレーで最後までコートを駆け抜けた
筑波大バスケ部一般学生の星

◆#55賀来龍矢(筑波大・2年・G)
090628kaku筑紫丘高校出身の一般入学生。同校は慶應大主将・田上の出身校だが、賀来は彼の後輩にあたる。
「自分みたいな実績が無い選手が大学でバスケを続けていくならば、新人戦で結果を出さないと」
ハッとさせられる一言だ。毎年、大物ルーキーが入学してくる中で、一般学生のユニフォーム争奪戦は熾烈を極める。試合を出るために自分をアピールするのは、日々の練習と試合でしかない。実際、吉田監督も「秋、Aチームに残れるかは、こういう上の試合で頑張れるかどうか」と断言している。
はじめは、田渡や山口に対して遠慮があったそうだ。しかし、賀来は大会を通して、積極的なプレーが光った。その理由は、“試合には推薦も一般も関係ない。自分がチームを引っ張っていかないと勝てない”という先輩からのアドバイスがあったからだと言う。このアドバイスも手伝ってプレーした今大会は、自分にとって大きな自信となった。この貴重で大きな経験を生かし、秋もコートに立ってほしい。

—最終結果は4位となりました。
「チームとしては優勝を目指してやってきたので、悔しいという思いはあります。誠也(#99)とか砂川(#47)とかケガで出られない人がいて、修人(#34田渡)もケガから復帰したばかりでのこの大会でした。でも、その中でやれたので、収穫のあった大会だったかなと思います」

—具体的にその“収穫”というのは?
「練習試合では、チームワークが結構悪くて、全部負けていました。でも、本番で大事な中央戦に勝って、チームのまとまりが出て来たというか。大会が進むにつれてチームとして少しずつまとまっていけたっていうことが収穫でした。これで新人チームは解散となってしまうんですが、よかったなと思っています」

—今大会はスターターでしたが、吉田監督は自分のどういうプレーを期待して起用していたと思いますか?
「多分、僕の得点面にはあまり期待していないと思うんですよ(苦笑)。だから、ディフェンスとか声出しとか、泥臭いことを一生懸命やるということを期待されているのかなと。でも、自分的にはオフェンスでもチームを引っ張っていきたいなと思っていて。誠也がいないから、こういう強い気持ちを持ってプレーしないと絶対に勝てないと感じていました。そういう部分だと思います」

—そういった強い気持ちが、今大会の積極的なプレーに繋がっていたわけですね。
「大きな大会に出るのって、今回が初めてだったんですよ。大会が始まる前は、修人とかタカ(#15山口)に遠慮している部分があって。そうしたら、3年生の達也さん(#33加藤)に“試合には推薦とか一般とかは関係ない。自分が引っ張っていかないとチームは強くならない”って言われたんです。それで、積極的にやろうと思えました。達也さんのアドバイスのおかげです!」

—大会中は遠慮しているなとはあまり思いませんでしたが、はじめのうちは、田渡選手や山口選手と一緒にコートに立つということに関して遠慮していた部分があったんですね。
「最初はありましたね。あの2人はこれまで実績を残してきているじゃないですか。それに、自分自身もまだ自信を掴めていなくて。正直、あの2人に頼り切ってしまっている部分もあったんですが、本番でそれを続けていたらダメだと思ったので、そこは強い気持ちを持ってやっていきました」

—この新人戦の経験というのは、自分にとって、とても大きいのではないでしょうか?いいアピールになったと思います。
「それは間違いないです。自分みたいな実績が少ない選手って、新人戦で結果を出さないと今後、Aチームで使ってもらえないと思うんですよ。だから、新人戦が始まる前から“大学でバスケを続けるならば、新人戦で結果を出さないと”と思ってやっていました。こうしてコートに立ってプレーできたということは本当に自信になりました」

—秋以降、自分がメンバーに入って活躍していくためにもっと伸ばしていかなければならない部分はどういったところだと感じますか?
「僕はサイズがないので、修人の代わりになれるように、ゲームメイクとかも覚えていかなければならないと思っています。新人戦でも、青学戦では抑えられてしまったので、ゲームメイクもできるようにやっていかないとダメだと思います」

—賀来選手と郡嶋選手(#77)は慶應大主将の田上選手と同じ、筑紫丘高校出身ですよね。田上選手に、2人がコートに立って頑張っているという話をしたら、うれしそうにしていました。
「ありがたいですね(笑)。田上さんとは高校時代、一緒にプレーしていて、身近な存在だったのに、いつの間にか大学バスケを代表するような選手になっていて。嬉しさ半分、嫉妬半分みたいな感じです(笑)。自分も田上さんみたいになりたいなって思っています。田上さんは“努力の人”で、高校時代からずっと尊敬していました。田上さんから学ぶところはたくさんあるので、良い刺激になります!だから、自分もそういう面を見習って、今後も頑張っていきたいなと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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