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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.06.28 (Sun)

【2009新人戦】6/28 7位決定戦 慶應義塾大VS国士舘大

点の取り合いとなった100点ゲームは
高さで勝った国士舘大が慶應大を上回る

慶應義塾大学100(35-34,23-24,17-25,25-26)109国士舘大学
090628so.jpg7位決定戦は慶應義塾大と国士舘大の対戦となった。
国士舘大は専修大、法政大を破ってベスト8入り。その躍進の原動力となっている理由の一つは#13曹(1年・C・北陸)だ。専修大とは競り合ったが、高さのない法政大はこれに完全にしてやられた。一方の慶應大は2回戦からこの最終日まで全ての相手センターは中国やセネガルといった外国人。高さに苦しめられている。この大会ではベスト8のうち4校に2m級の留学生センターが在籍するが、これは大学界の今後の流れを暗示しているようでもある。

この、インサイド攻略がやはりカギとなった。慶應大は前日に比べれば積極性のあるオフェンスを展開し、早い展開を出すこともできたが190cmほどしかない慶應大のフォワード陣は高さの前に何度も阻まれる。また、攻撃力を持つ#20平田(1年・G・埼玉栄)に何度も得点を許してしまい、ディフェンスでの課題も出た。試合は順位決定戦とは思えない点の取り合いとなったが、より高い得点力を示した国士舘大が7位に滑り込んだ。

写真:リバウンド王を獲得した国士舘大・曹。この高さに慶應大は手を焼いた。

※試合のレポートと国士舘大・平田選手、慶應大・金子選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090628mimura.jpg立ち上がりから勝負は互角。慶應大は#9金子(2年・G)の3Pを皮切りに、#12春本(2年・F)、#15家治(2年・PF)が得点。国士舘大はやはりインサイドの存在感が大きい。序盤に#13曹がバスカンを奪うと、慶應大はここへのディフェンスに苦労する。#7原田(2年・C)も頑張りが見えるが無理には止めにいけない。しかし慶應大は#4松谷(2年・F)のリバウンドからのシュートや速攻、#9金子の3Pもあって一時は9点リード。しかしインサイドで#13曹に立て続けに得点されると追い上げられてしまう。1Qは35-34。点の取り合いを予測させる立ち上がりとなった。

2Qの序盤は慶應大の時間帯。前の試合では出なかったリスタートからの早い展開や速攻が見られ、改善は見える。国士舘大は得点が止まりがちになるが、やはり#13曹がリバウンドから流れを作ると、追い上げる。慶應大は高さを気にして気楽にシュートを打てない。反対に国士舘大は機動力のある#20平田が自在にペイント内に切れ込み、ドライブで鮮やかに得点して追いつき、58-57で前半を終えた。

3Qも同様に点の取り合いは変わらない。試合が動いたのは残り4分。互いにターンオーバーを繰り返したところで国士舘大が流れをつかんだ。慶應大がシュートを落とすのとは反対に#13曹と#20平田で立て続けに得点。一気に8点を奪い慶應大を逆転。慶應大は逆に焦りからかシュートが入らず、8点を追う形に。結局、この差が最後まで変わることがなかった。追う慶應大は#9金子のタッチはいいが、国士舘大もシュートが落ちない。決めたら決め返す展開で、得点で慶應大を押さえ込んだ国士舘大が勝利した。

090628harumoto.jpg「ふがいない結果、ここからやらなければならないことがありすぎる」と慶應大#4松谷が反省する。新人戦を通して課題が大きく浮き彫りになったのは事実だ。得点力を有する#9金子を司令塔にせざるを得ないバランスの悪さは大会前から分かっていたことだが、同時に高さも課題となった。2mの#7原田には留学生の2m級に対応する力はまだなく、#12春本はー10cmの差をどうにもできていない。そこに必要なのが慶應大のトランジションを生かしたシステムだが、今後はそれをどこまで習得できるかにかかる。「春から使っていた分、家治(#15)は少し分かってきている」と、佐々木HC。また、この苦しい状況で金子は3P王と得点王を獲得し、秋に向けて成長の芽がある選手は何人かいる。「自分たちがベスト8の中で最弱という結果が出たのだから、ここからやるだけ」と金子が言うようにこれを反省し、出発点として下級生が頭角を現すのを促す形となりそうだ。

国士舘大は#13曹が結果を出したことでリーグ戦に希望が出てきた。馬(3年・C)とオンコートワンで交互に使えれば、インサイドは2部でも他にない強力さを発揮するかもしれない。突破力のある#20平田が伸びてくれば、立花(08年度卒)の穴を埋める選手になる可能性もある。今年も激戦が予想される2部リーグで、またも国士舘大が台風の目となるかどうかが注目となりそうだ。



【INTERVIEW】
「1年生も4年生もコートに立ったら関係ない」
突破力で慶應大を圧倒した期待のルーキー

◆#20平田 匠(国士舘大・1年・G・埼玉栄)
090628hirata.jpg新人戦のベスト8以上の試合で稼いだ55点のうち、この試合で26点と半分近くを稼ぐ活躍を見せた。慶應大ディフェンスは平田のドライブを止められず、何度もペイント内で大事なシュートを決めた。
ドライブできる突破力は一つの能力であり、誰でもできるプレーではない。立花が卒業したあと、国士舘大に欠けていたこのプレーがフルメンバーとなったときでも通用すれば国士舘大には大きな武器になる。個性的な風貌と物怖じしないプレーぶりで今後要注目となりそうな選手だ。


―最終結果は7位となりました。
「国士舘大初の7位だったんですが、自分たちはもっと上にいけるはずだと思いました。チームとしてまとまっていない部分があったので、もう少し力を着けることができていれば、もっと上に行けていたと思います」

―今日の試合は、競った試合となりましたが、やっていて“苦しいな”と思った時はありましたか?
「それは特になかったです。全体的にチームは落ち着いていたので、追い上げられていても、焦りもなかったですし、苦しいと思ったこともなかったです」

―中盤、大きくリードを奪いましたが、あの時は何がよかったからだと思いますか?
「集中力ですね。ディフェンスを頑張った結果、シュートも入るようになって。速攻も出せていたし、あの時間帯はとても集中していてよかったと思います」

―しかし、ベンチでは小倉監督が“勝ちたいという気持ちをもっと全面に出さなければダメだ!”とおっしゃっていましたね。
「そうですね。あの時は1つミスをしてしまったあとに、タイムアウトでした。“1つのミスが相手に流れを渡してしまうんだから、もっと気持ちをもってやれ”ということを言われていました」

―平田選手はトーナメントでも出場機会を得ていましたよね?あの時は、3Pをよく打つ選手だなという印象だったのですが、今大会は3Pあり、ドライブあり、アシストありという感じで、プレーの幅が広いんだなと感じました。
「トーナメントでは空いていたこともあって、3Pを積極的に狙いにいきました。でも、今回はディフェンスにも結構こられていたので、ドライブにいって合わせたりだとか、行けたらレイアップまで行こうかなと思いながらやっていました」

―4年生と混じっても、物怖じせずにプレーしている姿が見られますが、上級生と試合に出ることに関して、緊張などはないのでしょうか?
「1年生も4年生もコートに立ったら関係ないと思います。強い気持ちを持った人とか、勝ちたい人が試合に出ればいいと思うので、1年生だからといって、試合に出ていることに関してはあまり気にしていないです」

―武内選手(#12)と同じ埼玉栄高校出身ですが、大学でも一緒に頑張ろうという話はしたんでしょうか?
「国士舘は去年、2位のチームだし、強いだろうなと思って来ました。去年の主力の選手が卒業して、少し苦しくなるとは思うんですが、自分たちが来たことでそれを維持できるように頑張りたいし、超えられたらいいなという話はしました」

―次の試合は秋のリーグ戦になりますが、それまでに自分のどういったプレーを中心に練習していきたいですか?
「まずはディフェンス。オフェンスでは、攻め方をもう少し勉強したいと思います」



「今の力では到底勝てない」
実力を実感し、この大会をバネに飛躍を誓う

◆#9金子峻也(慶應義塾大・2年・G)
090628kaneko2.jpg先輩の二ノ宮と同じく、インターハイ得点王の肩書きを持つ金子。努力して成長していく慶應大にあって珍しく、得点センスに恵まれた選手だ。しかし今回は1番ポジションに苦しんだ。PG経験もあった二ノ宮とは違い、生まれながらの点取り屋タイプなだけに難しいところだったことは理解できる。その一方で「できない部分は得点で」という気持ちに切り替え、3P王と得点王の2冠を獲得。今大会で得た反省は個人としてもチームとしても数限りないが、ここを出発点として今後の成長を期待したい。


-個人賞は3P王と得点王、2冠獲得となりました。
「個人賞は正直あまり狙っていませんでした。日大戦のときにちょっと狙ったら入らなくなって、今日も昨日もチームのことを考えていたんですが、個人賞は結果的に取れた感じです。自分が点を取らなければというチーム状況ではあったので、積極的にいった結果だと思います」

-今回はガードとしての仕事を与えられていたと思いますが、その中でも佐々木HCは「打ってもいい」と言っているとお聞きしました。
「途中から外しているときに怒られるのかなと思ったんですが、『積極的にいってシュートを打たないと入らないし、金子みたいにどんどん攻めろ』と言っていただいて、思いきり打てるようになりました。だから確率がよくない試合もあったんですけど、平均して4割以上(※1)入っていると思うのでそこまで悪くなかったかなと」

-白鴎大戦ではむしろ個人賞を狙っているのかな?と思わせられるようなシュートもあったんですが。
「そこはせかされたような部分もあったというか。入らなかった時間帯でどうなの?とみんなに思われた部分はあったと思うんですが、自分は小さいし中で無理矢理勝負してもできないことが多いと思うので、それだったら自分のタイミングで思いきり打っていこうと。だから個人賞を狙って打っているという感覚ではなかったです」

-今回は司令塔の仕事をしつつ、でも自分で打つという形ではありましたよね。
「ゲームメイクとかガードらしい部分の仕事はできていなかったので、そこをシュートだとか自分の得意な部分で補ったと言ったら変ですけど、ガードができないなりに最低でも点は取らなければいけないなと。ガードやりながら点を取るという自分のキャパシティ以上のものを求められているというよりは、自分がガードをやるんだったらやっぱり点を取りながら。試合を作るガードとして100点ではできないけど、点を取りながらでも50点ずつ半々でやる方が自分らしいし、佐々木先生もそれを理解してくださっているのを感じたので、全部自分がやらなければという感じは全くなかったです。ガードとしてできない分を得点でちょっとでもチームに貢献できればという気持ちでやっていました」

-反省は多いでしょうし、白鴎大戦のあとでは長時間のミーティングもしていたのでいろいろ出たと思いますが、この新人戦を戦ってみての感想は?
「先輩たちはすごいなあとまず単純に思ったのと、先輩たちもまた新人戦ではいい結果を出せていない(※2)ことが多かったと思うし、ここから新人戦の経験や反省をあと2年でどれだけ改善できるかだと思います。これは毎年先輩たちが乗り越えている壁だと思うので、あまり今は悲観的になっても意味がない。せっかくいい先輩たちもいるしそれを相手に一人ひとりがもっとうまくなって、2年後このチームとしてインカレを狙っていけるようになりたいと思います。この新人戦では今の力では到底できないと実感できただけでもいい経験だったと思います」

-昨年は負けた経験もないし、勝った記憶しかない訳ですよね。その辺で認識が甘かったところは?
「それはあったかもしれないです。スクリメージをしていても先輩に勝ったこともあって、期待されていない割に結構自分たちができるんじゃないか、なんだかんだいけるんじゃないかという気持ちは、もしかしたらあった人がいたかもしれない。でもこのままでは(秋以降)出られないし、最低でも何分かは出て試合をつなげるように頑張らないといけない。今ベスト8の中で一番弱いということになった訳だから、ここからやっていくだけですよね」

-少なくとも、2年生の中からレギュラーのバックアップが出てこなければいけないですね。
「だから2冠が取れたのは最低でも良かったかなと。この大会は本当に佐々木先生に怒られていて、自分としても気持ちが落ち込むことがあったんですが、最後に『やれる範囲で頑張った』ということを言っていただきました。そこを励みにしたい部分もあります。佐々木先生のことは本当に信頼しているし、応えられるように頑張っていきたいです」


※1 3Pは44%と、かなりの高確率を記録。
※2 現在の4年生が1年のときは明治大に敗れベスト16、2年のときは青山学院大に敗れて同じくベスト16。組み合わせにも恵まれなかった。また、酒井泰滋・竹内公輔が1年のときは神奈川大に初戦負けするなど、慶應大は新人戦では2002年に志村雄彦らの代に8位になって以降、2008年までベスト8には入っていない。早慶戦があることもその一因と考えられる。


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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