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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.06.27 (Sat)

【2009新人戦】6/27 準決勝 拓殖大VS日本大

我慢の時間帯を乗り切り、逆転した日本大
拓殖大は外が当たるがわずか1点が及ばす

拓殖大学92(20-21,20-22,30-16,22-34)93日本大学
090627NADUKA.jpgベスト4の中でダークホース的存在である拓殖大が最後まで健闘を見せた。有力選手を連ね優勝候補である日本大に、ここまで粘りを見せると誰が予想しえただろうか。そのプレイ振りはまさに“無心”。下手な気負いがない分、シュートに思い切りの良さを発揮し、誰であろうとサイズ構わずリバウンドに飛び込む。近年の大学バスケットボール界にはなかなか見られなくなった、そんな学生のあるべき姿を見せ付けるかのように自らのバスケットのスタイルを最後まで貫き好勝負を演じて見せた。

一方の日本大は、最後まで忍耐強く拓殖大の猛攻を耐え凌いだ成果が実った。好調を維持する拓殖大のアウトサイドに後半こそ逆転を許すが、#10名塚(2年・F)や#4渡部(2年・G)ら点を獲るべく選手が繋ぎ最後の逆転劇へと導いた。「相手はインサイドが弱いので、そこをうまく崩せた」(#8石川)と、相手のペースに惑わされることなく、ミスマッチの#21熊(2年・C)で攻め続けたのも勝因だ。
2年振りの決勝の舞台まで到達した日本大。2年生主体の青山学院大相手に、2年前に叶わなかった優勝、そして優勝チームとして新人王を輩出できるかに注目が集まる(※1)。

写真:日本大に流れを呼び込む3Pを決め、ハイタッチの日本大・名塚。

※1 2年前の新人王は篠山竜青。新人王として申し分の無い活躍を見せたが、優勝には届かなかった。

※試合のレポートと日本大・熊選手、石川選手、拓殖大・上杉選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090627hasegawatomonobu.jpg先制攻撃を見舞ったのは拓殖大。拓殖大は早々に#26上杉(2年・C)が業ありのチャージングを日本大#21熊から奪うと、上杉のオフェンスリバウンドからのシュートや#94長谷川智伸(1年・F・福大大濠)の3Pなどでリードを奪う。その後も#99長谷川技(2年・F)のゴール下から速攻までオールラウンドな活躍が光る。一方この日スロースタートの日本大は、ドライブを積極的に#8石川(1年・PG・明成)、#4渡部が仕掛け、フリースローを奪取。また日本大は#8石川、#10名塚が#21熊のインサイドを活かし着実に得点を重ね、20-21と逆転。

2Q、先にリズムを奪ったかのように見えたのは日本大だ。#8石川が#4渡部との華麗なパスランで得点すれば、#4渡部が老獪なフェイクから#94長谷川智伸から3つ目のファウルを獲得。さらに日本大は#4渡部の3Pに#10名塚がジャンプシュートを決め、一気にペースを掴むと見えた。しかし拓殖大は#6長南の連続アウトサイドに、インサイドの得点では#26上杉、#15八木(2年・F)が奮闘。さらには日本大の得点直後に拓殖大は速いリスタートで#26上杉、#6長南(2年・F)が得点で追いすがる。それでも日本大はインサイドの#21熊の連続得点に、アウトサイドから#10名塚、#8石川が積極的にドライブを仕掛け、前半を40―43のリードで終えた。

3Q、拓殖大の怒涛の攻撃が始まる。日本大は#4渡部の3Pで先制。しかし拓殖大は立ち上がりに#6長南、#94長谷川智伸が3Pを決めると、さらに#99長谷川技の速攻で逆転。なおも拓殖大の勢いは止まらない。速い展開から#99長谷川技がドライブを決めれば、今度は外から#6長南が連続でシュートを射抜く。ディフェンスが絞りきれない日本大はたまらずタイムアウト。しかしその直後、ここまで好調の拓殖大#94長谷川智伸の3連続3Pが炸裂。これに対し日本大は#21熊のインサイドで繋ぐが、さらに拓殖大は#94長谷川智伸がまたも3Pを決めるという神懸り的な活躍で、一気に日本大を突き放し70―58とする。

090627tobita.jpg4Q、日本大が反撃に出る。日本大は#21熊がバスケットカウントを決めると、さらに#22飛田(1年・G・取手松陽)が3P。さらに日本大は#21熊がブロックを決めると、前からプレッシャーをかけ拓殖大のミスを誘発。#8石川、#4渡部が#21熊へのアシストで連続得点を奪い、開始3分で5点差まで詰め寄る。拓殖大はここでタイムアウト。しかし、その後も日本大は#4渡部の3Pに#8石川のドライブでとうとう試合を振り出しに戻す。だが拓殖大も反撃に出る。拓殖大は#26上杉がタフショットを決めると、これに#94長谷川智伸の連続3Pに#6長南が3Pで応え、再逆転。しかし、日本大の3Pも火を噴く。日本大はここまでの拓殖大のお株を奪うかのよう、#22飛田、#8石川、#10名塚の3連続3Pで逆転。残り1分半、拓殖大は#5根木(2年・G)がドライブからフリースローを獲得し同点とする。しかし次のポゼッションでは日本大#21熊にオフェンスリバウンドを獲られ、フリースローを与え再び2点ビハインド。残り32秒、拓殖大は時間を使いながらオフェンスをセット。そしてこの日9本の3Pを決めている#94長谷川智伸の3Pに全てを託すが、これが決まらずファウルゲームへ。日本大はこのファウルで得たフリースローを#8石川が2投とも決め4点差。拓殖大はブザービーターで#5根木が3Pを決めるも、あと1点に泣いた。日本大が拓殖大との激闘を92-93で制し、決勝の舞台へと駆け上がった。



【INTERVIEW】

「今の日大は燃えて止められない」
次代の日本大を担うインサイドの柱

◆#21熊吉(日本大・2年・C)
090627syonji.jpg今日の勝利の立役者。この日はFG80%を超える30点に加え、10リバウンドと文句の付けようのない大活躍。拓殖大のアウトサイド攻勢に対し、インサイドで着実に得点を重ねたことが最後の逆転へと繋がった。アウトサイドまでこなす技巧派センターが増える中で、インサイド一本勝負の正統派センターの熊の活躍は決勝でも当然鍵を握る。


―今の気持ちは?
「めっちゃ気持ちいいですね(笑)」

―試合を振り返って、いかがですか?
「最初はダメだったんですけど。3Pとかアウトサイドもすごい入れられて。でも4Qに10点差になっても、みんな諦めないで最後までいけたのでよかったです」

―拓殖大のアウトサイドが好調を維持していましたが、焦りはなかったですか?
「別に自分たちはシュートが入らなかっただけで悪くはなかったんで。あと向こうはアウトサイドが入らないときが来ると思っていたので。ずっとずっとアウトサイドが入ることってあまり無いと思っていたので。だからうちは焦らなかったです。“別に焦らなくてもいい。俺たちのベストは出てないから”っていう気持ちでした」

―マッチアップはいかがでしたか?拓殖大は上杉選手(#26)と八木選手(#15)を交互に熊選手にマッチアップさせてきましたが。
「最初についてきた26番(上杉)は上手いですよ。ディフェンスも上手いし、オフェンスもシュートすごく入りますし。最初は向こうのプレイがわからないから抑えられたんですけど。でも最初に何回か試してみたから、最後はもう攻めるしかないっていう気持ちでした」

―終盤の1本のシュートが流れを左右する勝負所では、確実に決めていきましたね。
「そうですね。やっぱり自分が決めないとリズムも雰囲気も悪いじゃないですか。だから勝負所でしか使えない技を使っていきました」

―今日の勝因はなんですか?
「やっぱりチームです。自分が頑張って決めて、アウトサイドも3Pを決めて。フリースローもリバウンドも頑張って。やっぱりチームで勝ったと思います」

―とうとう2年振りの決勝戦の舞台ですね。
「もう今の日大は燃えて止められないですよ(笑)」

―相手は青山学院大ですね。
「強い相手だと思います。でも負けないですよ!」



「新人王を獲っても準優勝じゃ意味が無い」
虎視眈々と優勝を狙うポーカーフェイスのゲームメイカー

◆#8石川海斗(日本大・1年・PG・明成)
090627ishikawa.jpgこの日は決して本調子ではなかったかもしれない。それでも石川には勝負所でミスをしないメンタルの強さと、常に効果的なオフェンスを選択する冷静さが垣間見える。その結果9つのアシストを供給し、チームとしてバランスのいい得点内容となった。
優勝まであと一つ。また現時点での新人王の最右翼である。2年前に篠山が成し遂げられなかった優勝チームとしての新人王に石川はなれるだろうか。


―今日の試合を終えて。
「途中で崩れて、得点をひっくり返されて離されたので。明日もこういうことがあるとダメだと思います。結構この大会では途中で崩れることが多いので、そういうところがダメですね」

―今日の試合は相手のシュートがなかなか落ちず、我慢の時間帯が長かったですね。
「大会前の練習試合もこういう試合が多かったんですよ。だから我慢して競り勝つということをみんなで学んできたので、今日は自分たちを信じてやろうって決めていたんで。その我慢する時間帯は辛くなかったです」

―拓殖大に対しディフェンスではどのような対策を?
「昨日ビデオでチェックしたのですが、94番の長谷川(智伸)だったり、センターでも外から打ってくるということはわかっていました。なので今日の試合だとまだ研究が足らなかったと感じています」

―その中でよかった点はなんでしょうか?
「最初から自分たちは負ける気が無かったので、自分たちのバスケットができたのは良かったのかなと思います。取られたらすぐ取り返すっていう気持ちが維持できたのは良かったなと思います」

―PGとしてどのようにゲームコントロールをしようと考えましたか?
「やっぱり相手はインサイドが弱いので、そこを崩して。結果的には向こうは4回ファウルになっているので、そこがうまく崩せたのはよかったと思います」

―拓殖大は誰が出てきても変わらないパフォーマンスができる分、ファウルを使って日本大のオフェンスを一度止めてしまうというシーンが何度か見受けられましたが、やりづらさは感じませんでしたか?
「いや、別にそういうことは無いですね。ファウルされたらどんどんフリースローを決めるので。そういった恐怖心は別に無かったですね」

―終盤の大事な3Pやフリースローを落ち着いて決めましたが、どういった心境でしたか?石川選手は1年生の割には冷静に見えますね。
「いつも周りからは冷静って言われるんですけど、心の中は意外と熱かったりするので(笑)。でも相手に熱いところを見せてしまうのは弱い部分だと思うので、そういうところは自分では見せないようにしています」

―新人戦と3、4年生と同じチームではどういったところに違いがありますか?
「今の4年生と比べて自分たちは小さいので、その分トランジションを意識しようってチームが始まった時から決めていました。そういった意味では今の4年生よりかは走れるし、外の確率は良いんじゃないかと思います。あとは気持ち的にみんな思い切ってできるので、そこは違いますね」

―コートもベンチもいいムードで試合ができていますよね。
「2年生は仲が良いので、いいムードでできていますね。試合の日の朝も試合に出ない人が、相手のビデオを見てそのディフェンスをやってくれたり、オフェンスをやってくれるので。そういう部分でも本当に助かっていますね」

―明日はとうとう決勝ですね。
「やっぱり決勝だからどうこうじゃなくて、決勝でも自分たちのプレイをすることが大事だと思っています。自分がちゃんとゲームプランを考えて、どんどん相手を崩していきたいと思います」

―相手は2年生主体の青山学院大ですが、意識することはありますか?
「特には無いんですけど、向こうに明成高校の先輩(伊藤駿・中川真雄)がいるので。向こうもこっちの弱点を知っているし、こっちもあっちの弱点は知っているので。それに自分が高校のときも青学とは何回か練習試合をやっています。そういうところはみんなにも伝えていきたいですね。青学だから、というふうには考えてないです」

―新人王の最有力候補かと思いますが、そのことについては?
「新人王を獲っても準優勝じゃ意味が無いので。新人王は自分では意識してないです。優勝をして自分が新人王を獲れちゃえばいいかなとは考えますけど(笑)。まずは優勝を意識しすぎないで、自分たちのプレイをして優勝して。それから新人王は獲れればいいかなと思っています」



スモールバスケット成功の影に上杉あり
拓殖大を支える縁の下の力持ち

◆#26上杉 翔(拓殖大・2年・C)
090627uesugi.jpg拓殖大の躍進はスモールバスケットが成功したことだ。コートに立つ選手がポジションに囚われることなく、走り、リバウンドに飛びつく。機動力を活かし、オープンとなれば思い切りのいいシュートを放つという、実にシンプルなバスケットだ。
その拓殖大のバスケットを支えているのが上杉だ。190cmながらセンターを務め、1試合を通じてコートに立つことの大切さを知っているプレイヤーだ。マッチアップの#21熊に30点を奪われたことはもちろん手放しには褒められない。しかし、アンダーサイズながら無駄なファウルをせず懸命なディフェンスで常に戦い、泥臭くリバウンドにも飛び込む。拓殖大の思い切りのいいシュートは上杉への信頼の証だ。


―最後は1点差。本当に惜しい試合でしたね。
「そうですね。自分たちのミスで流れが相手に行ってしまって、点差もどんどん縮まってしまいました。…勝ちたかったですね」

―追い上げられている状態でミスを立て直せなかったのは、自分たちが立て直そうと思った以上に、日大の勢いがあったからというのはありますか?
「それもあると思うんですが、コートやベンチに帰った時に、チーム内でもっと話が出来ればよかったのかなと思いますね」

―マッチアップは熊選手(#21)でしたが、今日の日大は熊選手で攻めてくるだろうなという“予感”はありましたか?
「はい。ガードにボールが入った時点で、ガードとの2対2になっていたので、“あ、来るな”とは思いました。自分たちはベースラインにいかせないようにしていたんですけど、自分のディフェンスが悪くて、ベースラインにいかれてしまって…。それで、ヘルプも来られなくなってやられてしまいました」

―3Qで拓殖大が日大を突き放した訳ですが、この時間帯というのは、上杉選手がベンチに下がっているときでしたよね。自分が出ていない状況で、点差を広げているチームを見て、複雑な心境だった、ということはありましたか?
「自分はファウルをして下がってしまっていたので、コートには出られない。だから、違うところでフォローできるようにとは思っていました。ベンチが盛り上がれば、コートも盛り上がると思ったので。出ている人がやってくれている感じなので、もっとチームの盛り上げ役に徹しようかなと思っていました」

―それがあったから、試合に戻った時もテンションを保てたということはありますか?
「はい。勝ちたかったので、テンションはあげて、コートでもっとそれを表現しようと思っていました」

―新人戦を通して拓殖大は、コートの中の誰か1人の調子が悪くても、必ず他の選手が決めてくれますよね。
「そうですね。昨日は、長南(#6)がよくなかったですけど、ノブ(#94長谷川)がやってくれて。ノブは今日もよくやってくれたし、長南も決めてくれました。外にシューターがいるので、自分とハセ(#99長谷川)は、リバウンドは取らないといけないという気持ちはあります。外にいる人たちで攻められるので、リバウンドの他にフォローとかアシストとかを心がけています。自分が空く時もありますが、なるべく外の人たちが気持ちよく打てるように、スクリーンしたり、パスを出したりしてますね」

―トーナメントでも雰囲気はよくて、新人戦はそれにさらに磨きがかかったように思うのですが、練習もいい雰囲気でやってきたんでしょうか?
「そうですね。そんなに上下関係もないので、普通にいい雰囲気で練習もできるし、私生活でも全然そういうのがないので、雰囲気はいいですね」

―今日は負けてしまいましたが、トーナメントでの結果がまぐれじゃなかったんだぞ、というのを示せたのではないでしょうか?
「そうですね。もちろん、今日は勝ちたかったですけど、自分たちの力がついたなというのは実感できました」

―シーズンが始まる前というのは、“自分たちはベスト8に入れるという”、自信というか、自分を信じられる部分はありましたか?
「練習とかも全然去年とは違うので、自信がつきましたね。練習の成果が出て、結果が出ているので。去年は、トーナメントは1回戦負けで、新人戦も2回戦で負けて、最終日まで残るということがありませんでした。でも、今年はトーナメントでは最終日に残れて、新人戦では4つに入れて、いい感じだなというのはあります」

―高校であまり実績を残していない選手が活躍しているのが拓殖大の強さだと思うのですが。
「そうですね。高校では無名の選手が活躍しているっていうのは、拓大では結構多いですね。みんな個人練習も一生懸命やっているので」

―明日へ向けて一言お願いします。
「今日は今日で切り替えて、明日は絶対に勝ちます」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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