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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.05.30 (Sat)

【2009トーナメント】5/30 準決勝 青山学院大VS東海大

要所でミスが続いた青学大を
チームで破った東海大が初の決勝進出

青山学院大学80(22-18,21-18,20-20,17-27)83東海大学
090530MAEMURA.jpg「チーム」という言葉がこの試合のキーだ。
試合の約37分を追う展開だった東海大は、ミスが出ても、互いにカバーし合っていた。誰かがミスをしたら、他が次でやり返す。そして、試合中はとにかく声を出し、コミュニケーションを欠かさなかった。逆に、追われる展開だった青学大は、ミスがミスとして完全に確立されてしまう。また、「コミュニケーションが無かった」(青学大・長谷川監督)と特にコート上での会話がなかった自分たちを嘆いた。試合終盤にかけては、この違いが特に顕著に出ていた。

「東海は自分たちに足りないものを持っていた」(青学大#7渡邉)

プレーの面でもそうだが、その他でもまさに東海大は青学大に足りないものを持っていた。それが、「応援」。ベンチも応援団も、常に声を張ってコートの5人を後押しした。点が入れば飛び跳ねて盛り上がり、ミスが出ても「大丈夫、焦るな」と落ち着かせる。少数精鋭を貫かねばならない青学大には、どうにも出来ない問題ではあるが、「やっぱり応援があるのとないのでは、『やってやろう』という気持ちが違う」(青学大・長谷川監督)と吐露した。

まさにチームで勝利を掴んだ東海大は、この大会初の決勝進出。東海大は、「チーム」で優勝を狙いにいくことは間違いない。

写真:勝利の瞬間、主将の前村が両手を挙げてガッツポーズを見せた。

※試合のレポートと東海大・古川選手、青山学院大・小林高晃選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090530WATANABE.jpg1Q、青学大は#7渡邉(4年・PG)のドライブを皮切りに、#16比江島(1年・GF・洛南)と#4小林高晃(4年・SG)のオフェンスリバウンドが光り、3連続得点で先行。対する東海大は、#0満原(2年・C)の得点で追いかける。残り7分を切ったところから、一進一退の攻防が始まる。東海大は#24古川(4年・SF)がディフェンスで仕掛け、そのまま速攻に繋ぎ、チームを盛り上げる。しかし、青学大もすかさず#4小林高晃が決め返して譲らず、点差は2点前後を行き来。どちらも抜け出せずにいたが、残り1分で青学大は#4小林高晃と#7渡邉の4年生2人が3Pにレイアップにと得点し、22−18と青学大が4点のリードを奪って1Qを終える。

2Q、またも立ち上がりは青学大ペース。3連続得点で開始3分半に28−18と10点を開く。青学大のディフェンスも厳しく、簡単に得点できない東海大だが、残り7分16秒で、シューター#27石井(4年・SG)の3Pでようやく初得点。だが、この後が続かず、逆に青学大#7渡邉に連続得点を許してしまう。点差が12に開いたところで東海大はタイムアウト。チーム全員で、「我慢しよう」と声を掛けあう。この後も青学大は、#7渡邉、#23湊谷のシュートが決まって東海大は苦しい展開が続く。しかし、#27石井の得点でなんとか繋いで、これ以上の差をつけさせない。我慢を重ねていった東海大は、残り2分4台で#24古川のジャンプシュート、#5多嶋(3年・PG)の3Pが決まって点差を10に戻し、青学大にタイムアウトを取らせる。東海大はこの後のディフェンスで青学大からミスを指そうと、一気に追い上げムート一色となる。オフェンスでは#17前村(4年・PG)が3Pとドライブを決めて点差を一桁に戻す。終盤、青学大は24秒オーバータイムを取られるなど、浮き足立ってしまったが、それでも7点のリードは守りきって、後半へ。

090530TAJIMA.jpg3Qに入っても、東海大は我慢の時間が続く。じわりじわりと点差を詰めていくが、あと1本が出ない。青学大もこの1本を出させず、終始リードを奪う。試合が動いたのは、残り2分半を切ったところだったが、それまでにも大きな違いが両チームにはあった。それが「ミス」。青学大は、#4小林高晃、#7渡邉のミスが出て、乗り切れない。逆に東海大は、ルーズボールなどで互いをカバーし合っていた。
そして、残り2分半。東海大は、準々決勝で3本の3Pでチームを救った#46大塚(4年・SF)の3Pで盛り上がると、これに#27石井が3Pで続き、点差を3点とする。だが、終盤に青学大がゾーンディフェンスを仕掛けると、東海大はそれにはまってしまい、これ以上点差を詰められない。逆に、青学大がフリースローで得点を重ねていき、最後は7点。前半終了時と同じ点差を再びつけられてしまった。

最後の10分、やはり先行したのは青学大。#16比江島の合わせのプレーが光って、点差を11点に開く。東海大はたまらずタイムアウト。この後は#5多嶋の3Pや#17前村のドライブで得点を重ね、徐々に点差を詰めていく。ミスもあった。#5多嶋がパスミスを犯してしまうが、それを次のプレーで#17前村がスティールでカバー。得点にこそ繋がらなかったが、こういうプレーは後々流れを呼び込む。そして、時が来た。残り4分17秒でまずは#24古川の3Pで3点差にして、青学大にタイムアウトを取らせる。タイムアウト明けは、先ほどミスを犯した#5多嶋がそれを取り返すかのように青学大#7渡邉からスティール。そのまま繋いで、遂に1点差。そして、残り3分33秒。東海大は#24古川のジャンプシュートで遂に逆転に成功する。ディフェンスのプレッシャーを更に厳しくする東海大だが、青学大は#23湊谷と#5辻が3Pで救い、点差を5点に。東海大はタイムアウト。これが残り2分18秒のことだった。この後の東海大は#24古川に終始。古川はそれに応え、3Pを沈めると、残り1分21秒には逆転のシュートも沈めてみせる。青学大はこの後のプレーで#4小林高晃がまさかのターンオーバー。少しずつ違ってきた自分たちのペースがここで切れたか。
残り1分1秒、青学大は合わせのプレーが巧い#32中川(2年・C)に替えて、1対1を仕掛けられる#16比江島を投入。サイズダウンは否めないが、このメンバーで最後を戦う。だが、48秒で東海大#0満原は青学大#16比江島とのミスマッチをついてフックシュートを沈め、点差は3。青学大はなんとか足を動かし、シュートを狙いにいくが、リングに弾かれてしまう。また、#7渡邉は得たフリースローを決めきれず、万事休す。そして、ファウルゲームへと進んでいく。フリースローをもらった#5多嶋、#24古川は全てしっかりと決めてみせ、点差を6点へ。青学大は最後までシュートを打ち続け、残り1秒で#4小林高晃の3Pが決まるものの、ここでタイムアップ。80−83で東海大が制し、決勝進出を果たした。

「悔しい、の一言です。要所でミスが多かったのと4Qで少しバテてしまった。4Qだけでうちはターンオーバーを6つしている。慌ててしまっていた。最後もやりたいことをやってミスをしてしまっていて、運もなかった。4Qの始めに交替ということも考えていたが…。練習でやってきたことが出せていないというのは事実。でも、3位決定戦ではやることをやるだけ。選手含め、スタッフも反省してまたやり直します」(青学大・長谷川監督)



【INTERVIEW】
「やってきたことをやり続けるだけ」
みんなを信じ、そして支えられている東海大のエース

◆#24古川孝敏(東海大・4年・F)
090530FURUKAWA.jpg1年生のときはゴールデンに混じって軽々とシュートを決めていた。一昨年、昨年と調子が下降しており、自分でも「分からない、やり続けるしかない」と言い続けていた。今年は春から積極性が違って見える。ゴール下に切れ込む姿も以前よりよく見られるようになった。この試合では勝負の流れを左右するアウトサイドがきれいに決まった。彼のようなシューターは考え込むよりも体で感覚をつかんでいく方がいい。決勝でも結果につながるだろうか。


-初の決勝、おめでとうございます。準々決勝でもそうでしたが、後半になってタッチが良くなってくるという感じで打てていますね。そこはどう感じていますか?
「だんだんああいう試合になってくるとすごい楽しいというか、燃えてくるという部分があって。前半もチャンスがあったらやったと思うんですが、結構満原(#0)もやっていたので、そこを無理に崩す必要もなかったし、シュートも入っていたので。まあその中でたまに打ったのは入らなかったんですけど、それはそれでいいというか、やり続けるだけだと思っていました。特別なことをやる必要はないので、それだけでした」

-去年はなかなか入らない状況で終わったしまったと思うのですが、気持ち的には違いはありますか?
「そこはポジティブかネガティブか、ただそれだけだと思います(笑)。そこまでの力がなかったということだし、去年のことに関して言うことはありません。でも今日はああいう厳しい状況の中でも今までとは違う、楽しめる感覚があるし、相手が青学だということもあって、結構自分の中で燃える部分がありました。チームを信じてやれていると思います。去年は信じられなかったという訳ではないんですけど、去年とは全然違ってチームでやっていこうというか、横のつながりがあってみんなを信じられる。逆にみんなも自分を信じてくれます。だからみんなに支えられている感じは大きいですね。森先生とも普段話し合いながらやっていることも大きいです。それに去年より全体で点を取れる感じですし」

-ディフェンスはTリーグの時点ではあまり手をつけていないということでしたが。あまりローテーションをしている感じでもありませんでした。
「特別あれから練習はそんなにしていないので、あのままというと変ですが、そこまでやっていた練習から特別修正せずそのままやってきている感じです。やってきたことを精度を上げていこうという状況です。ほかにもまあいろいろやっているものはあるんですが」

-秋までにはもっといろんなディフェンスができてきそうな感じでしょうか?
「そうですね。明らかにディフェンスはもっとやらなければいけないと思います。でも個人個人ということでは、去年早々に負けたせいでフットワークもきちんとやって準備もできていたので、みんなよく足が動くようになったとも言っています。そういう意味ではディフェンスが自分でも好きになったというか、そこでも楽しみが覚えられるようになりました。やりがいがあるなと」

-今までは確かにディフェンスがダメ、みたいなことを言っていましたよね。
「できるできないじゃなくて、ディフェンスはやるかやらないかということですよね。意地でやるしかないです」

-3Qに流れが良かったのに5点から詰まらない、という場面では
「逆に焦ったらそこで隙をつかれるというのもあるし、気にせずやることをやればいいと思っています。今までやったことがないことをやってしまうとうまくいかないはずなので。だからそこは我慢してということを言っていたので問題ありません」

-今日は終盤外した後もすかさず打って決めていきましたが、そこはもう自分で行こうという感じだったのですか?
「はい、それはもう。空いたら打つし、自分が外そうが何だろうがそうすべきだし、自分が打たない方がチームに迷惑をかけるという思いもある。このチームにいて自分が何をすべきかといったら、得点をとっていかなければいけない。だから打ち続けるだけです」

-明日は楽しみな戦いとなりそうですね。
「みんなで頑張るだけです。チームとして」



「チームがまだ一つになりきれていない」
下級生をなじませ、チーム力を高めることが今後の課題

◆#4小林高晃(青山学院大・4年・SG・主将)
090530kobayasitakaaki.jpgユニバ候補がいない中でチーム作りを進めてきたこともあり、ここまでの試合はさほどプレイングタイムが伸びていない。この試合では22得点と活躍したが、しかし結局は下級生との連携という部分ではまだ時間が足りない様子が見える。ちょっとしたミスもチーム作りの途上にはよくあることだ。しかしその“ちょっとした部分”は東海大の前では“許されない大きなミス”となって自らに跳ね返ってきた。終盤でそれが突きつけられた瞬間、観念したような表情で上を見上げていた。


―試合を終えて。
「やっぱり最後の最後で弱い所が出ちゃったかな。競った場面でどれだけチームとしてプレイできるか、という所でダメでしたね」

―4Q終盤はオフェンスが重たかったですね。
「うーん…みんなが弱気になっていたんだと思います。リードしていたので、守りに入っちゃった部分があるのかな」

―無得点の時間から湊谷選手(#23)と辻選手(#5)の連続3Pが決まって、ようやく盛り返すと思ったら、また点が止まってしまいましたね。
「1回良い流れをタイムアウトで切られたんで、ハマりきらなかったですね」

―終盤に小林選手と渡邉選手がターンオーバーを犯してしまいましたね。
「追いかけられている場面でミスしちゃいけないという気持ちが逆にミスを呼んじゃったのかなとは思います」

―普段は大事な場面でミスをしない2人がミスをするというのは、4年生という立場の気負いがあったのでしょうか?
「うーん…僕らがやっていかないといけないんですけど。結局チームがまだ一つになりきれてないから。最後攻めていたのも、湊谷とか下級生ですし。下級生が頑張ってくれた分、僕らが頑張らないといけないのに、しょうもないミスをしてしまいました」

―速攻でもミスが出たりしましたが、小林選手自身はチームの完成度についてどう感じていますか?
「うーん、完成度は…まだ60%くらいじゃないですかね。最初の大会だし。あんまり今までにないミスなので、難しいところもあります。やっぱり下級生を多く使っている部分でそういうミスも出ちゃうのかなと思うんですけど。これから高めていかないといけない部分ですね」

―マッチアップの前村選手(#17)と10cmのミスマッチでしたが、あまり攻めなかったのはなぜですか?
「そこを使うって作戦もあったんですけど、ヘルプが来た時に違う戦い方も用意しとかないといけないので。そこだけじゃない攻め方もしないといけないので。まぁその作戦も4、5本やったんですけど」

―最後マッチアップの古川選手(#24)に連続で決められてしまいましたね。
「最後は古川か満原(#0)の所しかないな、と思っていたんですけど。まぁ、1対1だとチェックまでいけるんですけど(苦笑)。ジャンプ力は古川の方が上ですし、あれだけチェックして決められたらしょうがないかなとも思います。でもやっぱりプレッシャーがまだ足りないですね」

―1点ビハインドの残り1分17秒の場面、中川選手(#32)から比江島選手(#16)に交代。直後に満原選手に比江島選手のミスマッチを突かれて失点しましたが、あの交代はどういう意図ですか?
「多分オフェンスの部分で比江島の方が1対1とかができるので代えたんだと思います。それに満原にもそこまでやられてなかったのもありますし」

―今大会前に代表で5人(※1)チームと離れていましたが、そこの部分でまとめる難しさはありましたか?
「今年の采配は、僕らがいなくても優勝できるチーム作りを目指していました。僕らがいない時でもいないなりに京王電鉄杯でも勝っているので、僕らがチームに戻った時にプラスアルファになればいいだけであって。すんなりまとまって問題はなかったかなと思います」

―優勝できなかったという結果をキャプテンどう受け止め、チームに反映させますか?
「とりあえずは切り替えることが大事で。引きずったままだと3位決定戦はやられちゃうんで。最後勝って終わるか、負けて終わるか、どっちがいいかチームに問いかけるだけですね」

※小林、渡邉、橋本、中川、比江島の5名がユニバーシアード候補としてチームを離れている期間があった。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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