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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.01.03 (Sat)

【2009オールジャパン】1/3レラカムイ北海道VS青山学院大

JBLレラカムイ北海道に終始接戦
観客を味方につけた青学大が肉薄

レラカムイ北海道81(19-20,20-16,24-22,18-18)76青山学院大学
090103AOGAKU2.jpgこのオールジャパンではリーグを下位で苦戦中のJBLチームが大学の上位チームと対戦することになった。青山学院大の相手はレラカムイ北海道。チーム創設2年目で地元の期待を背負っているが、大半の選手が若手でまだまだ苦戦している。そうした部分に青学大は勝機を見いだすことが期待された。

「トライだから」長谷川監督が言ったようにJBLに胸を借りるつもりで挑んだ試合は、終始接戦の様相を呈し4Q最後には同点に追いつく奮闘を見せてレラカムイを脅かした。終盤には焦ったレラカムイがミスを連発するなど、“もしかしたら”が実現できたかもしれない試合だった。

今シーズンライバル不在と言われ、チーム自身でなかなか盛り上がることができなかった青学大。しかしこの日の試合は会場を味方につけ、同じ会場にいたOBの岡田や正中(ともにJBLトヨタ)に「あれだ」と感じさせる今期最高とも思わせる試合を見せた。この気持ちを忘れずに来期に生きてくることを願う。

写真:ゲーム終盤、77-73に追いつき、チームのメンバーと歓喜にふるえた渡邉を辻らが囲む。

※試合のレポートと青学大・梅田選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
090103TUJI.jpgレラカムイ北海道との試合、青山学院大はゾーンで臨んだ。これに攻めあぐねたレラカムイは得点が伸びず、試合は終盤まで競る展開となる。レラカムイ自慢の得点源、#11桜井、#9折茂、#2朝山はシュートを試みるもなかなか決まらず、ゾーンに対し足も止まる。一方の青学大は粘って粘って大差をつけられまいと必死さが見える。「こういうゲームはトライ、1年もだいぶゲームに慣れてきたし、思い切りやらせて自信をつけさせるのも大事」長谷川監督。それに応えるように#28辻(1年・SG・洛南)らがのびのびとプレーし、試合は4Qの最後まで分からない展開となった。青学大はセンター#8荒尾が4ファウルとなって終盤厳しい中、4Q残り5分で#28辻にアウトサイドが大当たりの時間帯が来た。マークされておらず「ディフェンスがいなかったのが大きい」(長谷川)というが、それでも一時は離れかけた点差が辻の3連続シュートと#8荒尾(4年・C)が日本代表の#8山田に対して2度もブロックを見せ、試合展開は全く分からなくなる。レラカムイは#11桜井がフリースローを2投落とすなど、明らかに学生に脅かされて平静を保てなくなっていた。その展開に青学大ベンチからディフェンスコールが起こる。試合に出ていない選手たちも必死だった。「あれ(青学のプレー)を見るとうずうずする、あれや!って思ってました」(正中)と、OBもその頑張りに目を留めていた。

090103AOGAKU1.jpg焦りの見えるレラカムイだが、#11桜井の3Pを皮切りに残り2分で#2朝山が3Pを決めて77-69とする。しかし#8荒尾が残り1分半で5ファウルの退場。絶体絶命のピンチでそれでも青学大は粘った。#0橋本(2年・G)が決めきれなかったシュートを、後ろから飛んでいた#11桜井をかわし、#7渡邉(3年・G)がカバーで劇的に決めると、残り1分で77-73まで押し戻す。そのプレーに渡邉は仲間を抱きしめて歓喜し、会場全体から拍手が降り注ぐ。続く守りでは再びのディフェンスコールに、今度は会場が応えた。青学大の選手たちに呼応するように会場からもディフェンスコールが巻き起こったのだ。「学生がJBLにしかもオンザコートワンの中で立ち向かって、臆することなくやっているからこそ会場が応援してくれたんだと思う」と試合を見ていたOBの岡田が言う。彼がいた頃はそうした必死の姿に何度も歓声が上がった。しかし常勝軍団となって薄れてかけていた観客の反応がようやくよみがえる。「それに、お客さんが見て青学バスケットを面白いと思ってくれたと思うんですよ。自分も見ていて懐かしかったし、本当にいいバスケットをするなと思ったし。それがああいう雰囲気になったと思いますね」(岡田)「それだけいいバスケットをしたことだと思います。青学のバスケはトップのチームとも戦えるバスケットです」(正中)と、OBはともに後輩をほめた。

試合時間残りわずか、会場は青学大の味方だった。熱い気持ちと懸命のプレーに素直に声援を送っていた。青学大のリズムを断ち切りたいレラカムイは#9折茂がベテランらしく3Pを決めて試合を決定づけたいところだったが、すぐさま#7渡邉が3Pを決めて80-76とすると歓声が爆発する。青学のトランジションは接戦にこそ最大の武器として相手に襲いかかる。残りが例え数十秒であろうとも、この切り替えの早さで相手にダメージを与えることは可能なのだ。しかしその青学大でも残り12秒で4点は重かった。ファウルゲームで#11桜井が再び2投ともシュートを落とし会場のため息を浴びたが、それでも辛くも逃げ切り青学大は追撃むなしく破れた。

090103ARAO.jpg「インカレのあと、一番悔しいときに一番厳しい練習をしようとやってきた」(長谷川監督)という成果が見えた試合だった。しかもそれまで淡々としていた青学大の選手たちがこの試合では他者にはっきりと分かる気迫を見せたのは確かだ。リーグ初戦の中央大戦、長谷川監督が大声でタイムアウト中に怒鳴った場面があった。「何で声を出さないんだ!」大差がついて出ていたのは控え選手たち、淡々と進む試合はただ時間を消費するだけとなっていたが、怒鳴られた選手たちはそれに負けないような声で返事をすることもできなかった。それが青学の課題が少し見えた瞬間だったかもしれない。1部リーグにはほとんど敵がいなかった今期、春は優勝しリーグでも余裕の試合ばかり。強いことは確かだったが、ライバルがいないことに反比例するようにプレーからは強い“意志”のようなものが薄れていく印象があった。主将の#11梅田「勝てるんじゃないかというか、言ったら変ですけど勝ちグセみたいなものがどこかにあって、それじゃダメだと言ってはきました。変えよう変えようと言ってきたのにそれができなかったのが、ああいうインカレにつながったのかなと思います」と、自らだけでは何ともし難った心境も語った。#8荒尾「自分でも分かってはいたんです。最初は気持ちを出そうと思っていても、試合をしていくうちにそれが薄くなってしまうこともありました。そこがダメだった」と認めた。

インカレ準決勝での国士舘大に敗北のあとも長谷川監督「気持ちがない。そんなチームは勝てなくて当然」と嘆いた。しかしこればかりは選手だけを責められない。どれほど努力しているつもりでも、張り合う相手がいない状態こそがチームにとっては何より怖い落とし穴なのだ。だが今シーズン最後となった試合でようやく、青学大はその気持ちを伝える試合をした。「今日は最後の試合だったし、相手の方が強いと最初から分かっていたのでとにかく思い切り楽しく試合をしようと思っていました」(#8荒尾)。その思いがレラカムイを追いつめ、観客をも味方につける試合につながった。強いチームがさらにファンを巻き込み、観客の心をつかめばこれほど大きな力になるものはない。来期、1部は充実の年と予想される。そこで最も観客を感動させるチームになるのはどこか。青学大にとって明るい未来を感じさせるシーズン最終戦となった。

写真上:この試合22得点の辻。
写真中:ベンチも必死のディフェンスコール。
写真下:インカレ準決勝では国士舘大に敗れた。しかしレラカムイとの試合で「分かっています、やります!」と決意めいた言葉も出た荒尾。


「厳しい中にも楽しみを見いだすこと」
それが気持ちのこもったプレーをする条件

090103UMEDA.jpg◆#11梅田稔人(4年・主将・PG)

今年は「柄じゃない」という主将を務めた。
ずっと青学大を見ている人ならば4年前の新人戦を鮮烈に覚えているだろう。1、2年を含めてたった6人しかいなかった青学大はそれでも決勝進出を遂げ、決勝では当時2年の熊谷(現JBLトヨタ)が試合中に骨折というアクシデントで正に5人で戦うことになった。その年は惜しくも準優勝。しかし懸命な頑張りに観客は青学大を賞賛した。そこでスタメンガードとして登場したのが当時1年の梅田だった。そのあと、ファンは梅田や同じ4年の武田がコートに立つたびにあのときの感動を思い起こしていた。
正に“精鋭”が集まる青学大にあってこの4年間プレイングタイムを勝ち取ることは簡単ではなかった。しかし、今期は主将としてどうあるか、常勝チームにあってどうふるまうかを考えた1年だった。


-主将としての1年を終えました。
「合ってないですよ、柄が。最初は『マジ』か、と。でもやるしかないなと。今年は同じ北陸の西村(東海大)もエド(大東大・山本)もキャプテンでしたけど寺嶋(国士舘)以外は柄じゃないですよね(笑)。文男はどうなのかな、変わりました? でもだから考えますよね、キャプテンは。自分だけじゃないですから。チームの状況が悪いと自分のせいかなという責任があるので、そこをずっと考えていました。発言一つとっても軽はずみなことは言えないし、3年までなら簡単に言えることが言えなくなる。それがプレッシャーというか、勝手に自分が作ったというのはあるんですけど、そういうのに潰された部分もあったと思います。青学のキャプテンは自分が思っていたよりは重かったですね。新人のときは上もいたし、やれたけど、自分が4年になるとそう簡単ではなかったです。できなかったとは思わないけど、自分が思ったよりは良くなかったなと後悔している部分もありますね」

-その中でどういうことを意識していたのですか?
「練習中やベンチで声を出そうというのは言っていたので、そういう部分はそれなりにできたと思います。試合に出られないというのはやはりつらい部分があったので、そこは難しい立場だったんですけど。やっぱり試合に出られてキャプテンとしてまとめられて、というのだと締まると思うんですけど、それができないときにどう締めるのがいいかというのがありました。それなりにはできたかなとは思っていますが」

-そんな中で今年はなかなか競り合える相手もなくて、2冠も取って。でもインカレでは見えにくかった気持ちが、今日の試合では見えましたね。
「インカレで負けたのが大きかったです。だから今日こういうゲームができたというのがすごく良かったと思います」

-なぜこういう試合ができたのでしょうか?
「プレーをやっててもベンチにいても楽しかったと思うし、それが一番だと思います。青学は厳しいけれど厳しい中にも楽しさがないとダメだと思うんですよ。それがないとバスケがつまんなくなるし、今日みたいな試合ができればもっともっと今後は良くなってくと思います」

-常勝チームで勝たなければ、というプレッシャーは重くなかったのですか。
「それはそれで楽しいですけどね。そういうプレッシャーも楽しんだ方がいいし、楽しめるようにもなったと思います」

-そういう部分が見えなかった試合がインカレだったと思いますが、長谷川監督もインカレではどうしたらいいのか、ということを記者会見でおっしゃっていました。どうすれば監督が求めるような部分を常に見せていけると思いますか。
「難しいけど、楽しめなきゃダメだと思うんです。やらされているという感じだったら絶対そういうのは出ないので、どれだけ学生で一つの方向を向けるかというか。やらされてると感じてるときは確かに良くなかったし、練習でも自分たちで積極的にやろうとしてやっているときは良かったんです。春先はそうでした。でも春を取ったことで油断ができたかもしれません。間も空いたし。でも来年は次の4年が5人いるし、上級生が5人いれば今年見られなかった部分もチームの面倒を見られると思うので、またいいチームを作ってくれると思います」

-これで卒業ですが、青学での4年間はいかがでしたか?
「いろんなバスケット、細かいところまで練習でも得るものがたくさんありました。まだバスケを続けるのでそこでも役立つし、ここでできなかった分の悔しさをぶつけられると思います」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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