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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.01.03 (Sat)

【2009オールジャパン】1/3慶應義塾大VS三菱電機

今シーズンどこよりも成長したチームは
新たな課題を得てオールジャパンを終了

慶應義塾大学79(27-29,21-27,18-33,13-34)123三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ
090103kobayashi.jpg2004年の学生チャンピオンとして三菱と対戦したとき、チームにはある種の満足感が漂っていたことは確かだ。最後まで真剣に取り組みたい選手と優勝の充足感を感じる選手の微妙な差が敗戦を早めた。今回はインカレ後も高い目標で取り組んできて臨んだオールジャパン。社会人1位の横河電機を大差で破り、挑んだJBL三菱電機。前半はリードする部分も見せ、満席となったDコートの観客席から何度も歓声が上がった。しかし、外国人選手に2名の帰化選手、日本代表候補にもなったインサイド選手を揃える三菱電機相手ではそれも最後まで続けることはできなかった。

インサイドではどうしても不利な中、前半から攻撃はアウトサイド中心となる。#16二ノ宮(2年・G)の2本の3P、#9田上(3年・F)のドライブでリードを奪うが三菱も#11鵜沢のバスカンと3Pで離されない。慶應大のオフェンスは学生レベルでは内外ともに強力だが、三菱のディフェンスは幅と高さでどうしても簡単割っていけない。中でできなければ足を使うしかない。パスカットからの速攻など早い攻撃でたたみかけると#4鈴木(4年・主将・F)のドライブ、#8小林(3年・G)の3Pで1Q半ばに20-12とリードを奪うに至った。この活躍に観客席からは何度も歓声が上がったが、三菱も#20トーマスや#6松島らで得点し、追いつくと1Qは27-29と慶應大からリードを取り戻して終えた。

2Qも慶應大の粘りは続いた。#8小林、#10酒井(2年・F)のアウトサイドが沈むたびに観客席が湧き、三菱につかず離れずついていく。リードされつつ残り5分、#10酒井の3Pで41-41の同点に追いついた。しかし三菱も焦ってはいない。慶應大がターンオーバーを犯す間にあっさり再び引き離し、2Qは慶應大に8点の差をつけて終了となった。

090103ninomiya.jpg後半に入ると三菱電機は本来のアドバンテージである高さを生かしていく。また、サイズがを生かしつつも空いていればアウトサイドからシュートを簡単に決めるなど、慶應大ディフェンスが対応できなくなっていく。前半からの当たりあいで床にたたきつけられる場面もあった#7岩下(2年・C)には疲労も大きく、代わりの選手もいないことでインサイドのディフェンスは厳しい。2006年の代表候補でもあった#15佐藤の強さに、慶應大はゴール下を固めるも押し込まれる場面が目立った。三菱は強いインサイドと3Pという個人技で慶應大を引き離していき、慶應大は一気に20点以上の差をつけられる。4Q、なんとか流れを作りたい慶應大は#4鈴木の気迫の3Pもあるが、#7岩下、#4鈴木が5ファウル退場となり差は開き、最後は大差で終焉を迎えた。前半での善戦は慶應大ならではだった。しかしそれを上回るJBLの力を見せつけられての敗退は、まだ彼らにも突き詰める部分が多いにあると感じさせられるものだった。優勝したとはいえまだ成長過程にあるチームにとってこの敗戦をどう生かすか、既に来期に向けて物語は始まっている。

写真上:学生相手では十分割れる小林のオフェンスだが、なかなかファウルをもらえず苦しんだ。
写真下:柏倉とマッチアップする二ノ宮。スピード、個人技では十分通用するところを見せた。

※慶應大・鈴木選手、酒井選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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「自分は最後まで満足するタイプじゃない」
慶應大の主将として最後に見せた責任と気迫

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◆ #4鈴木惇志(慶應義塾大・4年・主将・F)

鈴木の4年間が終わった。
前半は三菱に対してリードを奪う場面も見せ、味方のシュートが決まると手を叩き、声を出してチームを鼓舞した。このシーズン何度も見慣れた光景であり、そしてここから何度も奇跡的な試合を見せてきたのが慶應大だった。しかしリーグで低迷しているとはいえ、三菱の強さはやはり学生とは違うレベルのものだ。外国人選手に加え、帰化選手も使えるチームは個人技のみで慶應大を圧倒して見せた。

「やりきった、とか満足するタイプじゃない」と言い切る鈴木は試合後、複雑な表情だった。格上相手に流れを掴みきれなかったことが心底悔しいようだった。しかしここで敗れたとはいえ、昨年の慶應大の状態からここまでチームを引き上げてきたことは何よりも大きな功績だ。終盤に3Pを決めたときには大きな歓声を浴びた。

「来年はもっとやれるはず」と、後輩に未来を託す。鈴木は自らが背負った大きな荷物をようやく置いて、ここで現役を終えコートを去る。


-前半は良かったですが、残念でした。
「悔しいです。前半は頑張れたんですができればリードして終わりたかった。あれだけ調子が良かったというのはありましたし。8点差で終わって、『いける』とは言いましたけど、正直厳しいかなとは感じていました。一桁で終わりたいというのは思っていたので、そこはまだ良かったんですが」

-さすがにインサイドは甘くなかった感じでした。
「岩下のところで今日は計算できなかった。点数もリバウンドもブロックも。そこはこれからの彼の課題だと思うんですけど、やはり同じくらいの身長の相手とやるときにダブル・ダブルをできるようになってくると、また選手として成長した証となっていくと思うんです。だから今日のことを生かして欲しいと思います」

-3Qで悪くなってしまいました。
「バスケットは流れを取るスポーツなので、絶対相手に流れがいくことがあるんです。そこで我慢しきれれば最後までついていけると思ったんですが、今日は少し難しかったですね」

-ファウルトラブルも影響しましたか?
「いや、そこはあまり僕は考えていません。それよりうちが流れをつかむプレー、リバウンドだったりルーズだったりを頑張ったりできずに主導権を握れなかったのが一番大きいと思います。いつもなら流れをつかむプレーができるところでできなかったところで笛にも対応できなかったし、ズルズル離されたのかなと思います」

-3Qに足が止まったのは疲れがきていたのでしょうか?
「いや、そういうことではなくて体力的には問題はなかったです。ただ今日の相手はインサイドのプレーでガツガツやられたのと3Pしかなかったと思うんですが、そこで的を絞りきれなかったし、どっちもケアするのは今の僕らでは難しかったと思います。そこが実力が足りなかったところだと思うんですけど。岩下のヘルプに寄るとさばかれるし、外を気にすると中でやられる、そういうことでうまく動けなかったことだと思います」

-今日はリンク栃木が出てくるのはありましたけど、第一試合の慶應戦からこちら側の応援席は3階までいっぱいでした。その分もう少し見せたかったのでは。
「そうですね。期待されているからこそもうちょっとというのはありましたね。終盤離されるのはありえるかもと思っていたし、分かるんですが後半の5分で止まってしまったのが残念ですね。見ている人に申し訳なかったし、もっと頑張れたかなと。それを観客に見てもらいたかったですね」

-確かにJBLは後半にたたいてくるだろうという予感はありますよね。
「そう、だからこそ、そこでたたかれないようになっていきたい。そこでやられる状況を打破してほかとひと味違うチームでありたかったんですが、そこを破れずに残念でした」

090103suzuki1.jpg-今期はここまで勝つだけだったから、最後にこういう試合をしたことは来年にはつながっていくと思います。後輩たちに対しては何を期待しますか?
「うちのチームはなんというか、もちろんインカレのタイトルは簡単に取れるものではないんですけど、そこで目標を終わりにして欲しくない。来年もチームは変わらない訳だし、もっと良くなっていくものなんだからここでJBL相手になんとかできるチームの代表になって欲しいと思います。もっと燃えられる存在であって欲しいし、できると思います」

-鈴木選手には最後の試合ですよね。
「でも楽しかったですよ。柏倉さん(仙台高出身)は僕が小学校や中学校から憧れていた同郷の選手だったし、僕は一つ年上だから初戦から年代が上の選手とやれるのがすごく楽しくて。そのほかにも憧れていた選手がいっぱいいるんですよね、オールジャパンは。そういう意味では最後まで楽しめました」

-4年間やりきったと言えますか?
「そんなことはないですね。ここで結果を一つは出さなければと思っていたので後悔はどうしても残ります。自分はそういう『やりきりました』『悔いはないです』というようなタイプの人間でもないので(笑)、悔いは残るし、勝ちきることはできなくてももっといい試合ができたと思うし、そういう意味ではまだまだ。もっとできたと思います。そこを来年に生かして欲しいと思います」

-そのためには?
「流れのつかみかたをうまくなって欲しいなと思います。ゲームの作り方を今年1年はやっていたつもりです。それを言い出すと元気を出すとか声を出すということに行き着いてしまうんですけど、今年は僕が言い過ぎた部分もあるので、ようやく下級生にその役割を譲り渡すときですよね。例えば祐典(酒井)なんかがそうでなければいけない。もちろん彼だけじゃなくてその辺の重要性を特に1年生には気付いて頑張って欲しいなと思います。スタートの5人だけじゃなくて。バックアップの選手はバスケが上手いだけじゃダメなんですよ。そういうチームの流れを作ったりする選手が増えてくれればと思っています」




「プレーの幅が広がった1年、しかし目標はスタメン」
チームを引っ張る意識で来期を見据える2年生

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◆ #10酒井祐典(慶應義塾大・2年・F)

下級生らしくない玄人好みのプレーを日立に進んだ兄と比べてしまいそうになるが、プレーの方向性はだいぶ異なる。今期シックスマンとしてチームのピンチを救い続けた酒井は、助けが欲しいときに的確な働きをしてくれる得難い選手に成長した。

昨年、リーグ終盤に苦しんでいた時期にあって既に佐々木HCは酒井の将来を気にする発言をしていた。「使いやすいのでつい便利なように使ってしまうが、彼の将来を考えたらこれではいけない」。しかし今シーズンは1番、2番もこなさせながら従来通りのインサイドでも要求を満たす活躍。“便利”さはそのままに、さらに広いプレーエリアで魅せられるようになった。これほどチームに安心感を持たせてくれる選手はいない。

6人目とはいえ、扱いはスタメンと変わらない。それでも、こだわりはスタメンにある。来年はその目標を達成することができるのか、今から楽しみでもある。


-今期はシックスマンとして大きな存在感を示しました。でも昨シーズンから見ていると「もっと出たい」ということをいつも言っていましたよね。そこは今はどういう気持ちでしょうか?
「新チームになった当初はもちろんスタートにはなりたかったです。1年のときも最後の方はスタートで出させてもらっていたので。でも主将が惇志さんだったし、自分はシックスマンでいく感じかなとは思っていました。途中からは先生にも「シックスマンで使っていくから、それで全ポジションをこなしてくれ」と言われたのでそこは納得していました」

-でもだからこそプレーの幅が広がった部分もあるのではないでしょうか?
「本当にいろんなポジションをやらせていただいて、広がりましたよね。僕がドリブルついたりするのは今まであまりなかったことなんですけど、自分の成長につながったと思います。来年以降は2番ポジションが中心となってくると思うんですけど、もしファウルトラブルになってもどのポジションでも対応できると思うのでいいかなと思います」

-お兄さんと同じ2年で日本一になって、でも同じ2年だけど立ち位置は随分違うように思います。どちらかといえば既にチームを引っ張る意識が見えます。
「個人的には2年生という考えではいなかったですね。やっぱりチームを引っ張っていくつもりだし、気持ちはスタートと同じです。僕がいつ出ても流れを引き寄せたり、流れが良ければそこからさらにプラスできたりというように常に思っていたので、下級生だと思ったことはないですね。練習でも先輩に言ったりしますし」

-鈴木選手もさっき言っていましたが、チームリーダーであろうとしたらプレーはもちろん、まず言葉で言うことが大事になると思います。そこを酒井選手に期待しているようでした。
「多分来期はチームも結構変わると思います、僕自身も。実を言うと僕はめちゃくちゃ言ってけなして、というタイプなんですけど(苦笑)、惇志さんみたいに明るく盛り上げるのも必要だし、そこは来年彼のように続けていけたらなと思います。高校のときは竜馬(橋本・青学大)と一緒にやってたんでそこまで言う必要もなくプレーで見せていけば良かったんですけど、今のメンバーを見てもそれは必要だと感じるし、自分が4年になったときのことも頭に入れていないといけない。今の3年が抜けて新人戦のようになったら勝てないと思うので、3年の時点で下を育てることが必要かなと思います。自分が4年のときのことはもう考えていますよ」

-それでも今年は目標のほとんどを達成した年でもあります。満足はしていますか?
「スタートになりたかったので満足とは言えないですね。悔いが残ると言えば残ります。プレータイムは半々でもそこは譲れない部分なんです。でもシックスマンだからこそいろいろやれた部分もあったし、周りにも『もしおまえがスタートだったらこんな活躍できなかった』と言われて、確かにそういう部分もあると思います。今後は分かりませんが、来年もシックスマンということはありえないことではないし、もしそうだったら安心感を持ってもらえていることだとは思います。でもそれは困るという感じでもあるし(苦笑)、頑張っていきたいと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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