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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2009.01.03 (Sat)

【2009オールジャパン】1/3レポート

学生には不利な高さ、強さで全大学チームが敗退
難しさを痛感するオールジャパン

オールジャパンは難しい大会だ。何を目指すべき大会か、カテゴリの異なるチームが集うことによってその焦点が時に曖昧となる。下のカテゴリにいるチームにすれば普段試合をしたことのない相手に対しての一発勝負。さらにはオンコートワンのルールがある限りJBLの上位が揺らぐ可能性は低く、現状では当たって砕けろの勝負しかできない。
オールジャパンはたった8つしかないJBLチームのための大会なのか? そこに学生チーム5つが挑んだ3日目。明治大、天理大、国士舘大はその大きな差を埋められずに破れた。慶應大はインサイドの差が響き後半に離され、青学大はゾーンで粘って最後の最後までJBLを追いつめたが届かなかった。大学チームの強化がもっと必要なことは明らかだが、その経験値を積む場が少なすぎることも確かだ。より高いレベルともっと接する機会がバスケット界全体で考えられなければ、底上げを望めないことだけは分かった3日目となった。


昨年王者に挑むも完敗の明治大
来年以降に花開く経験となるか

アイシンシーホース118(29-14,26-10,34-20,29-21)65明治大学
090103KANAMARU.jpgウインターカップ3連覇の洛南校を大差で蹴散らし、昨年の王者・アイシンシーホースに挑んだ明治大。#32桜木JR、#1ヤングのインサイド、#3柏木、#22網野,#10竹内公輔などのスタメンのほか、#2佐古など日本代表たちが揃うそうそうたるメンバー相手ではさすがの明治大も為す術がなかった。アイシンは差をつけると早々にスタメンを下げて控えで戦い、それでも明治大を圧倒した。洛南戦では28分で47点と稼いだ#14金丸晃輔(2年・SG)は35分でたった22得点。だが「たった22点」と思わせるほど金丸が恐るべきスコアラーとして認識されるまでに至ったことも確かだ。洛南の選手たちも金丸の得点が決まるたびにうなだれていた。また、#5山下(4年・G)はJBL上位との対戦で「どこまでが通用して、どこが通用しないかはっきり分かって面白かった」と、今後もバスケットを続ける上で思うところもあったようだ。苦労もあった4年間だが、前向きな気持ちで引退を迎えた。ハイスコアのオフェンスチームである明治大が65得点という現実は、大学とJBLの差をまざまざと見せつけられるものだった。それでも#3金丸英悟(3年・PF)は192cmながら16点、6リバウンドと健闘を見せてもいる。

「来期はガードが問題」山下。自分と#6伊與田が抜けた穴をどうカバーするかがチームの課題だ。長らく2部から浮上できないでいる明治大だが、ようやく光明が見えつつあるこの状況をより良いものにできるかどうか。来期が待たれる。

写真:マッチアップの網野相手にドライブを仕掛ける金丸晃輔。


日立相手にサンバ・根来で対抗
最後は離されるも天理大らしさを見せてシーズン終了

日立サンロッカーズ91(29-17,14-16,19-8,29-12)53天理大学
090103NEGORO.jpg天理大は2回戦では高校の強豪明成をあっさりと破って日立に挑んだ。#10サンバ(2年・C)の高さはあるが、そう簡単ではない。1Qは29-17と出遅れた。それでも#10サンバがフェイダウェイ、#13清水(1年・G)が3Pを思い切りよく決める場面もある。だがシュートが外れたときはリバウンドで苦しく、ターンオーバーが響いた。余裕のある日立はベンチと入れ替えながらの試合となるが、天理大は2Qも#5呉田(4年・G)の3Pなどもあり、10点差で推移する展開となる。日立の余裕か初戦のゆるみなのか、大差がつかない試合は3Qで天理大の得点がストップすると点差が開いた。天理大は#8知念の3Pや#15根来(3年・PF)の頑張りもあったが#4野口が4Q後半に足を捻挫して退場。最後はJBLには届かず敗退した。「何が何でも日立にまではたどり着くつもりだった」#4野口(4年・主将・SG)。久しぶりのオールジャパン、ベスト16は「いい経験になった」と締めくくった。苦しい中からまとまった1年は語り尽くせない思いもあっただろう。

090103TENRI.jpgインカレで“チーム”として忘れられない存在となった天理大。リーグではチームの温度差に悩み、オールジャパンではインカレでフレッシュなプレーを見せた平尾が諸事情で出場できないなど、常に問題を抱えながらも一体感を見せてきた。「4年がまとまりがあったから」#8知念。#4野口が最後に捻挫でコートを去り、会場の隅で寝転がっているとその野口を囲むように最後のミーティングを始めた。「最後に捻挫してしまってすんません!」と痛みをこらえて野口が声を張り上げると、選手たちにも笑顔が弾けた。この、チームを包む空気感こそが天理大だったと言えるだろう。

「引退試合に捻挫なんて最悪」と言う野口だったが、長かった1年をねぎらうように、呉田が最後まで野口にそっと付き添っている姿が印象的だった。

写真上:竹内譲次をかいくぐる根来は18得点と貢献。
写真下:足を冷やしながら寝転がる野口を囲み、最後のミーティング。


インサイドの差が勝負のスタートを分ける
だが立花のドライブには会場からも歓声が

国士舘大学60(10-33,20-21,11-30,19-32)116リンク栃木ブレックス
090103TACHIBANA.jpg会場の誰しもが田臥勇太を見ようとしていることは明らかだった。
慶應大への期待の高まりからか第一試合からDコートは3階席まで満員、リンク栃木の試合が始まる頃には通路も立ち見で満杯になる。そんな中始まった国士舘大との試合だが、国士舘大もまたJBLチームのインサイドの前に為す術がなかった。勝負は序盤から中で点が取れない国士舘大が大きく水をあけられた。#13馬(2年・C)は193cmだがリンク栃木のインサイドは#32オアー210cm、#34伊藤204cmとそれよりはるかに高く、幅もある。#4寺嶋(4年・SF)、#6吉本(4年・PF)といった面々では対抗できない中、1Qで33-10とされるとリンク栃木はスタメンを控えに入れ替えながら余裕の戦いとなった。

090103KOKUSHI.jpg#0田臥が何気ないレイアップを1本決めるだけでも会場からは大きな歓声が上がる。それだけ彼が日本のバスケットファンにこれまで魅せてきたものは大きく、また、リンク栃木でプレーする今も期待を一身に背負う。しかし、この日何度もペイント内に切れ込んだ#5立花(4年・G)の存在もまた、このシーズン大学の試合を見てきたファンには大きな意味を持っていた。インカレ決勝同様、「インサイドが高くて届ききらなかった」というレイアップ。だが立花が中へ切れ込むたびに国士舘大側応援席からは大きな歓声が上がった。シュートがリングからこぼれるたびに大きなため息が充満する中、立花は攻め続け、3Q最後にバスケットカウントでそれが決まった瞬間、観客席に大歓声が響いた。今年、大学界で彼が見せ続けてきたもの、残した数々の劇的なプレー。大学バスケを見てきた人には十分すぎるほど分かっていた。そのプレーこそが立花そのものであり、見せて欲しいと願っていたものだったからだ。

「うちはこんなもんですよ」と試合後さばさばした表情で立花は言った。しかし人に期待され、記憶に残るようなプレーをすることは誰にでもできることではない。

旋風は去った。しかし国士舘大と立花が見せたものは忘れられない鮮やかな記憶として残る。

写真上:田臥とのマッチアップが見どころの一つだった。
写真下:試合後には笑顔を見せ、リンク栃木の面々と挨拶を交わした。

※慶應義塾大対三菱電機、青山学院大対レラカムイ北海道は別途掲載します。
※明治大・山下選手、天理大・知念選手、国士舘大・立花選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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「アイシンとできたのは貴重な経験」
今後のキャリアに生きる収穫

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◆#5山下泰弘(明治大・4年・G)

山下が復帰してからの明治大は強さが増した。もう少し見せて欲しかった部分もあるが、その分を今後のキャリアに生かしていくだろう。
大学バスケットや日本のバスケットについても最後に意見を述べてくれた。自分が楽しみたいからこそ、盛り上がりたい、という気持ちが見えてくる。


-最後の大会に向けてはどうだったんですか?
「オールジャパンは楽しむだけという部分もありました。それだけって言う訳じゃないけど、2回勝てばアイシンとできるというのがあったし、アイシンとやってみたいというのはありましたね。佐古さんや柏木さんという日本代表のプレイヤーとガチでやることがない中で、こうしてできたのは貴重な経験でした」

-差はどこで感じました?
「正直、技術面においてはそこまで差を感じないんですが、経験や体や慣れといった部分で足りなかったし、個人的にはディフェンス、体力をつければやっていけるのかな、と思う部分もありました。でもそれは今日は相手も軽くやっていただろうから、そう言っていいのかどうかって部分はありましたけど。今日はみんなチャレンジみたいな感じで、持ったら打つような感じでしたけどね」

-その中で自分で収穫となった部分というのは。
「でも面白かったのははっきりしているところかな。あ、これ通用しないんだ、みたいな部分がすごくはっきりしていました」

-この4年間はどうでした?
「4年間はバスケを含めていろんな経験ができました。今後に生きる経験ですよね。結果的には良かったんじゃないかな。それに、次のチームでは出られないところから、いかにプレイングタイムをもらえるかというのがチャレンジだから、そこがすごく楽しみでもあります」

-大学バスケは終わりですが、今後大学が良くなるためにはどうしたらいいと思いますか?
「単純に言えば、やっぱり雑誌とかに頑張って欲しいですね。高校まではたくさんあるのに、大学の情報だけないじゃないですか。情報がまずないから、大学がどんなところで、チームがどういう状況で何位なのかとかもそうだし、レベルも全然分からない。それが始まりだから、どこの大学に行くか選びようもないですよね。もちろんどこでも入れる訳じゃないんだけど。でもそういう情報があれば、考えていけると思うんですよ。BOJも全国でやるとかね」

-そこはメディアの課題ですね。
「でも相当多くの人が頑張って全体でそういう方向にできないとダメですよね。難しいのは分かってはいます。もちろん選手にも課題があると思うし。それに、見る人には先に日本のバスケがテレビとかで見られるような状況がある方がいいですよね。先にNBAとかを見ちゃうと日本のバスケを見なくなる可能性もあるし、まず国内が頑張らないといけないですね。だから自分もこれから頑張らないといけないと思います」



「今年の天理はひと味違うと見せられた」
長かったシーズン、人に誇れる1年

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◆#8知念恭平(天理大学・4年・PG)

コートに立つ4年生として主将の野口やベンチスタートの呉田などとともに、今年強い印象を残した。インカレでベストを尽くして、手に入れたオールジャパンの切符。代替わりも考えたが「もう一回やろう」と言えるのが今年の4年生であり、天理大を象徴している。


-今の気持ちは?
「やっと終わったというか、ホッとしてるといえばホッとしてるのが正直な気持ちです。インカレで燃え尽きるつもりだったので、自分たちにはおまけのような感覚もありました。他のチームにとってはもちろんそうではないと思うんですけど。でも、自分たちはインカレでベストを尽くして終わろうと思っていた部分があったので、ベスト8に入ってオールジャパンに出られることになって。実は4回生はこの大会に出るかどうか迷ってはいたんですけど、そこで4回生は5人が『もう一回やろうか』と。対戦を見てまず日立までは頑張ろうと。そこから次があれば戦い方を考えようという感じでした」

-インカレでチームの話を聞いたときも驚きましたが、今回は平尾選手が出られなかったり、いろいろ話題を持ってくるチームだなと。
「いろいろ忙しいチームなんですよね(苦笑)。平尾のところは予想外で、まさかという感じだったんですけど、でも切り替えて。いない人はもうしょうがないので。でも清水が頑張ってくれて、1年ながら見習うところもたくさんあったし、強気なところも持ち味だし、今日は良かったです。あいつに何度も助けられました」

-今日は日立も本気ではなかったと思いますが、それでも通用した部分もありましたね。
「そうですね。今日は自分たちの強みである4、5番のところで対抗していこうかなと。前半はサンバでやって。自分たちはディレイドのロースコアチームなので、なるべくそこを心がけていました。本当は80点に押さえたかったんですけど、ちょっと残念でした。でもやれるところとそうでないところがはっきりしたので、来年はやってくれると思います。後輩にとってはいい経験となりました」

-この1年充実しいていたのでは?
「4回生になって本当に充実してましたね。1、2回生のときは全然関西でも勝てなかったけれど、3回生になってサンバも入ってきて、そこから上向きでこられたし、今年は一番良かった年でバスケをやっていて一番楽しかったです。下級生のときはこんなに楽しくなるなんて思ってなかったです。自分たちには勝負の年だったし、今年の天理はひと味違うというところを見せられたと思います。4回生でも楽しくやろうとしていたし、そう話し合っていました。それを達成できたから良かったと思います」

-4年生の結束力みたいなものも感じました。
「4回生はプライベートでも特別仲が良かったので、そこに下級生もついてきてくれました。それが良かったと思うし、来年はどうなるか分からないけど、後輩もまねしてまとまってくれるといいなと。見本になれていればと思います」

-バスケは続けるのですか?
「実業団で続けますが、今日は社会人との差も感じたので、もっとウエイトやフィジカルも強くしてまだ上を目指したいですね。まだまだうまくなりたいです!」



「目的の違う部員を同じ方向に向けるのは大変だった」
しかし最終学年でそれができたことが4年間の集大成

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◆#5立花大介(国士舘大・4年・G)

田臥との対戦に注目が集まった。
マッチアップ自体は抜けた部分もあるが、負けたのはどちらかというとそれ以外の高さだ。「でも応援がなかったからちょっと寂しかった」と、国士舘大らしさを出せなかったのが残念そうだった。バスケットが好きで、物言いも素直。それに他人の試合も熱心に見る選手だ。今後もバスケを続けるが、いつまでも彼らしいプレーで相手をねじ伏せて欲しい。


-最後の試合がリンク栃木、田臥選手との対戦でしたね。
「そうですね、練習ではやる気満々だったんですけどね。ゴール下が高すぎて抜けることは抜けるんですけど、抜いたあとどうすればいいか分からなかったですね。センターの高さにびびってました(苦笑)。大学生相手ならシュートできるんですけど、できなかった」

-では高さが足りなかった部分でこの点差になったと。
「でももともとこんなチームですから。しっかりしたチームに弱いんですよ。インカレは勢いがあったから勝ったのがあるので」

-インカレのあと、ここまでどうでしたか?
「普通ですよ。普通に練習して、普通にオールジャパンに来て。昨日の試合は延学に合わせてしまって」

-でも今日は勝ちたかったですよね。
「どうかな、そこまで甘くはないと思っていましたよ。とりあえず楽しんでやりたいというのはありましたけど。でも応援が今日はなかったのがちょっと。応援席がないから席が取れなかったみたいで。バラバラなのが残念でした。それが50点分。…冗談ですよ(笑)」

-でも立花選手が攻めると歓声は上がっていましたよ。
「そうですか?分からなかったな」

-で、シュートが外れると「あーっ」となる。
「あれはやめて欲しいですねー。自分も下がるので(苦笑)、さりげなく流して欲しいです。プレイヤーのことも気遣って『よしよし、次』みたいなのでお願いしたいですね」

-でも3Qのバスカンの時には大歓声。
「あれは気持ち良かったですね!あれをどんどんやりたかったけど、下もヘルプが入って簡単ではなかったです」

-長いシーズンでしたね。
「長かったっすねー。まさか、始まったときはこんなところまで来ると思ってないですからね、みんな。でも最後にここで試合できてすごくいい想い出ですよね」

-4年間終わりましたが。
「ほかの大学より本当にいろいろありましたからね、ウチは。3部に落ちたのもウチ、って感じですよね。たまに『国士舘楽そうだな』って言われることがあるんですけど、全然そうじゃなかったし簡単に言わないで欲しいですね」

-どういう部分で大変?
「まず部員が向かってる方向が全然違うんですよ。勝ちたい人のほかに体育の免許を取りたいとか楽しみたいとか、いろんな理由で部に入ってくる。でも1部はそうじゃないですよね。勝つために入ってくるじゃないですか。だからそういう部員をまとめて一緒の方向に向けるのは本当に大変でした。徹(寺嶋)がよくまとめましたね。それが結果につながったと思います。そういう意味で今年はこういう1年で良かったですね」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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