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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.12.07 (Sun)

【2008インカレ】12/7 3位決定戦 青山学院大VS専修大

全員出場の青学大が3位でシーズンを終える
専修大は準決勝で出た課題を修正できず

青山学院大 77(24-15,15-9,20-9,18-22)55 専修大
081207umeda「優勝」という大きな目標を目前で絶たれての3位決定戦は、最も臨み方が難しいかもしれない。だが違う考え方をすれば、何も懸かっていないからこそ、そのチームがシーズンを通して最も大事にしてきたことが出るゲームとも言える。青学大は終始、代名詞ともいえるトランジションバスケを展開。一方の専修大はスタートを4年生5人に変更し、長い時間コートに立たせた。

試合は青学大が先手を取ると、イージーシュートのチャンスを作ってコンスタントに得点を重ねていく。準決勝同様アウトサイドシュートの確率は今ひとつだったが、生命線である“足”を即修正、最後に意地を見せた。追いかける展開となった専修大は#28能登ら4年生が黙々とプレーしチームを引っ張るが、こちらは準決勝でブレーキとなったフィニッシュの正確性をこの試合でも取り戻せず、点が伸びない。結果、青学大が全員出場を果たしての3位となった。

青学大は、今シーズン3冠とインカレ2連覇がかかっていたが、準決勝で2部3位の国士舘大に敗れるという結果が待っていた。昨年のトーナメントで3部Bの関東学院大に敗れて以来、その敗戦をバネに優勝を重ねてきたが、その間に接戦はほとんどなく、1部リーグでは調子が悪くても勝ててしまうなどいつしか“ライバル不在”の状態となっていた。それは青学大の取り組みがすばらしいからこそだが、切磋琢磨する相手がいなかったのは不運とも言える。決勝に進んだ慶應大、国士舘大は激戦の2部リーグでもまれただけでなく、このインカレの中でもどんどんチーム力を上げていた。

追われる立場になっていた青学大に新しい目標を与えたのは、関東学院大と同じく下部リーグに所属する国士舘大だった。トーナメントやインカレで同じブロックにならない限り対戦しない相手から得た“気付き”は、来シーズンに向けての大きな財産になっただろう。その来シーズンの1部リーグは、4年生に下級生時からゲームに関わっていた実力者が揃う。青学大にとっても、専修大にとっても、このインカレが新たなスタートとなる。

写真:アシスト3を記録した青学大のキャプテン・#11梅田。

※ゲームレポートと青学大・渡邉選手、小林選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※専修大のインタビューは別途掲載します。

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【GAME REPORT】
1Q、青学大は立ち上がりから#8荒尾(4年・C)が走り、11-2とらしさを見せる。さらに#7渡邉(3年・PG)の3Pも決まるが、ラスト3分間は無得点。一方の専修大は得意のインサイドを攻めあぐねていたが、#28能登が打開する。青学大が足踏みする間にフックシュートを3連続で決め、24-15まで追い上げる。

2Q序盤は両者流れをつかめない。その中で得点を動かしたのは青学大だった。速攻を1度では決めきれないものの他のメンバーがフォロー、#7渡邉の3Pや#8荒尾の得点につなげて31-15までリードを広げる。対する専修大はタイムアウトの後、#10飯田(4年・F)がゴール下シュートを決めるが、その後は青学大ディフェンスの前に沈黙してしまう。青学大はパスカットから#8荒尾がバスケットカウントを決め、4分を残して37-17と20点差に。ルーキーの#17中川(1年・C・明成)や#28辻(1年・SG・洛南)を早々とコートに立たせる余裕を見せる。専修大は#22鈴木(4年・G)がブザービーターでロング3Pを決めるが、39-24と点差は大きい。

081207sensyu3Q、専修大は#20張(2年・C)・#11藤井(3年・G)を投入し、普段のスタートの5人に戻す。すると#15増川(4年・F)のリバウンドシュート、#22鈴木のバスケットカウントが決まるものの、他のシュートチャンスを生かせず開始3分45-29と点差を詰められない。また、2Q終盤に続きゾーンディフェンスをぶつけたが、青学大はこれを攻略。#8荒尾、#5小林高(3年・G)、#27宇田川(2年・F)と立て続けにインサイドで加点する。専修大はこの間にフリースローのチャンスを得るも4本続けて落としてしまい、頼みの#28能登も1on1がチャージングと攻め手がない。残り5分には51-29と20点差に押し戻される。青学大はここぞとプレスディフェンスを展開、スティールから得点につなげて57-29まで突き放す。専修大はラスト1分で#10飯田・#1宮城(2年・F)が決め、得点を30点台に乗せるのが精一杯で終える。

4Qは、もう点差は関係なかった。専修大は1Qと同じく4年生5人を起用すると、最後まで交代なし。青学大は逆に、#11梅田(4年・PG)・#24武田(4年・PF)の4年生、#15福田(1年・F・大麻)や#12伊藤(1年・PG・明成)らルーキーを続々と投入していく。最後は専修大#0堤(4年・G)の3Pシュートとともにタイムアップのブザーが鳴ると、両チームの選手が笑顔で互いをねぎらい合った。

・青山学院大 #8荒尾21点11リバウンド、#7渡邉10点、#0橋本11点
・専修大   #28能登22点、#22鈴木11点、#10飯田11点10リバウンド


【INTERVIEW】
「皆が思いきり走って守るバスケを来年もう1回作り直す」
敗戦をエネルギーに変える“王者”青学大の司令塔

081207hirowatanabe
◆#7渡邉裕規(青学大・3年・PG)

この大会での唯一の敗戦は準決勝の国士舘大戦。
「相手に合わせるな」「切り替えろ」と終始声を掛けていたが、大会が終わって振り返ると「相手の勢いに呑み込まれてしまった」
1年生のときは、最上級生にゴールデン世代がおり流れを変えるワンポイント起用が多かった。
2年生ながらスタートをつかんだ昨年は、インカレを制した後「自分がメインで出るのは初めてなので緊張していた」と打ち明けた。
そして経験十分で臨んだ今年、待っていたのは予期せぬ敗戦だった。
この結果は残念だが、3年生の渡邉にとっては最後に笑う布石とも言える。
観て学んだこと、そして自分がコートに立ってつかんだ喜び、味わった悔しさ。
「この悔しさは忘れない」と何度も口にした渡邉が残る青学大は、来年さらに怖い存在になっているはずだ。


―3位という結果をどう受け止めていますか?
「悔しいです。準決勝は相手の勢いもあったと思いますが、“勝ちたい”という気持ちが相手の方が要所要所で上回ったのかな。もちろん自分たちも勝ちたいという気持ちはありましたが、あの勢いについていくことができなかったので、そう思います」

―準決勝では“いつもと違う”という感覚はありましたか?
「相手のペースになった時に一気に行かれてしまったのはいつもと違うなという感じはありました。大量リードを奪われたことは正直なかったので。そこで修正できなかったのはガードである自分の責任でもあると思います。“おかしいな”と思っても耐えなければいけなかったですし、そこでハドルを組んで”もう1回頑張ろう”と立て直せなかったところは力不足だったなと思います」

―あの試合は足が動いていなかったですし、何だか元気がないな、という印象も受けました。
「連戦で疲れているのは相手も一緒。応援の数では負けていたかもしれませんが、出ている5人がしっかり相手の勢いに負けずにやればいいと思っていました。でも見ていた人がそう思うなら、そうだったのかもしれないです」

―準決勝後の記者会見で長谷川監督が「気合いだぞと言ったのに、その意味を選手はわかっていなかった」とおっしゃっていましたが、それに関してはどう思いますか?
「うーん。確かに準決勝まで来ると戦術云々ではなくて、長谷川さんの言う通りそういうところで勝敗が分かれると思います。1部も2部も実力差はないですから。でも、そこで差がつくということが一人ひとりに響いていなかったかというと、そんなことはないと思います。ただ、本当に相手に呑まれてしまったという感じですね」

―前年度の王者として追われる立場でしたが、精神的に守りに入ってしまったということはありましたか?
「“俺たちは強いんだ”とは思わないでやってきたつもりですが、やっぱりちょっとは過信、といったらおかしいですが隙みたいなものがあったから、あんなに点差が離れてしまったんだと思います。自分も含め、皆心のどこかで“このくらいの点差でも勝てるだろう”というところがあった。3冠を穫るぞという年に、最後の最後で落としてしまったのは自分たちの弱さが出たからだと思います。この悔しさは本当にうまく言えないんですが…2部のチームに負けて、それで決勝が2部のチーム同士になってしまった。それは本当に悔しいので、この負けを忘れないで、本当にずっと忘れないで練習して、自分たちが苦しくなったときにこういう負けがあったことを思い出して一人ひとりがやっていかないといけないと思います。そうしないとまた同じことが繰り返される。一回戦の立命館大戦もそうですが、“青学はああいう勢いのあるチームに弱いんだな”と見ていた人たちに思われたと思うんです。だから、基本的で単純なところから、気を抜かずにやっていきたいと思います」

―先ほどの話にも少し出ましたが、渡邉選手は最上級生として、来年どんなチームを作りたいですか?
「ああして負けたことで、皆が思いきり走ってディフェンスするバスケットを来年もう1回作り直そうと思いました。“青学はこういうチームなんだな”と皆さんに思ってもらえるように。今年試合に出ていたメンバーも多く残りますから国士舘に負けたこの悔しさは忘れないし、4年生が残していってくれたものもたくさんあります。下級生はまだまだ吸収するものがたくさんあると思うので、それを来年に繋げて、この悔しさを晴らせればいいなと思います」

―勝って当たり前だったチームが、それだけハングリーになれば怖い存在になりますね。
「今度はそういう風に言われるプレッシャーもあります(苦笑)。でも、どのチームもインカレのためにやってくるのは当然のこと。本当に来年は最後なので、皆で頑張ります!」


「勝ちたいだけを言い続けて、結局それを表現できなかった」
仕事人が感じた、青学大が“勝てなかった理由”

081207takakobayashi
◆#5小林高晃(青学大・3年・G)

異変があったのは準々決勝・明治大戦の4Q。約20点差をつけていたが、ぴたりと足が止まって2点差まで追い上げられた。結局逃げ切ったものの、準決勝・国士舘大戦ではもう立ち上がりから足が止まっていた。逆に国士舘大がたたみかけたことで見る者はその事実に気付いたが、実は小林はリーグのときから足が止まる時間帯があることを感じていたという。
そのままで来てしまったことが、敗因の1つ。
そして、何より“勝てるだろう”とその異変を修正しなかった「油断」を小林は何度も口にした。
自分達を信じることは大切だが、それは油断と紙一重になっていることに気付かされたインカレだった。
新チームでは小林と渡邉とが2本柱になることで、自信が油断になっていないか自らを見つめ戒めることができるだろうか。


―3位という結果になりました。大会を振り返って頂きたいんですが、まず、荒尾選手と武田選手は「初戦(立命館大戦)はコートとベンチの温度差があった」”と言っていました。小林選手から見てチームの雰囲気はどうでしたか?
「チーム的には団結していたと思いますが、それこそ油断というか。それがあったから接戦になってしまったんだと思います。チームの代表で出ているという意識が、僕らには欠けていたのかな。それを修正できないまま、1試合目は終わってしまったという感じです。次の浜松は強いとわかっていたので油断なんてしなかったんですが、それ以降の相手は予想していたところと違ったこともあってどこかで“行けるだろう”という気持ちが多少あったのかなと思います」

―準々決勝、準決勝は予想とは違った相手だったのですか?
「相手チームには申し訳ないんですが、僕としては明治より筑波が来るんじゃないかと予想していましたし、その次も法政が来ると思っていたんです。そう考えると色々あった大会ですよね(苦笑)」

―日本大も国士舘大に敗れました。
「…まさかですね。結局国士舘はシュートが入るか入らないかのチームだと思うんですが、それでシュートが入って日大に勝ったと聞いた時は、自分たちの試合の時もシュートが入ったらマズいなと思いました」

―先ほど“油断”という話がありましたが、国士舘大戦の前はどうでしたか?
「国士舘をあまり意識していなかったというか、さっきも言ったように正直上がってくると思っていなかったので、面食らった所はありました。油断はないつもりでいたんですが、試合が終わって皆で話している中で『もう一度やれば勝てる』という声があったのを考えると、やっぱり油断はあったのかなと思います」

―準決勝は始まってみると足が止まっていたように感じたのですが、プレッシャーからですか?
「プレッシャーというよりは、守りに入ったというのが大きな要因だと思います。リードしたときそこで満足しないで5点、10点と離せば相手も諦めただろうし、うちのベンチメンバーも出せたと思うんですが、守ろうとしてしまった分足も止まってしまったのかなと思います。それでハーフコートオフェンスが多くなって、多少はうまくできたプレーもありましたが、ずっと機能していたかと言えばそうではなかったです」

―国士舘大の吉満選手が「2部はガンガン攻めるけれど、1部はキレイに攻め過ぎるところがあって守りやすかった」と言っていたのですが、それはどう受け止めますか?
「1部は結果を見ればわかりますが、100点ゲームってほとんどないんです。ディフェンス重視な部分が大きいのが1部。それに対して、2部は100点ゲームが多く、相当外から打ってくる印象です。1部でやってきたうちからすれば奇策というか、思わぬことをされて、そのシュートを入れられたら弱いのかなと思いました」

―また、インカレでの青山学院大は何だか元気がない印象を受けました。
「走れていないというのは感じていましたが、それでも勝っているのでこのままなんとか勝てるかなというのも正直ありました。実はリーグの後半からずっと足の止まった試合になっていて、うちらしくないなと思いながら試合をしていたんです。それでももう1つのうちのスタイルであるディフェンスでもっていたと思うんですが、準決勝ではガンガン打たれて、そのディフェンスも機能しなくなってしまった。ディフェンスが崩壊したら何もなくなってしまいました」

―長谷川監督は「気合いが足りない」とおっしゃってましたが、メンタル面ではいかがでしたか?
「勝ちたいというのは全員思っているんでしょうけど、勝ちたいから何をするというのがなかったんでしょうね。勝ちたいから、守るだの、走るだの。勝ちたいだけを言い続けて、結局それを表現できなかったのかな」

―インカレ2連覇、シーズン3冠達成といった守るものがあった分気負いもあったのでしょうか?
「皆そういうことは言わないですが、あった気はします。さすがにそれはうちにしかないプレッシャーなので、そこにつけ込まれたのが準決勝だったのかな。逆に今日の試合は、負けてそういうのがなくなって、開き直れたんです。全員出場もできましたし、それを準決勝でできればよかったのかな」

―渡邉選手は「この悔しさは忘れない」と言っていましたが、来年についてはどう考えていますか。
「今日で3位となって今度は追いかける立場にあるので、今度は今自分たちの前にいる相手に勝つことを目標にします。来年はほとんどメンバーも変わらないですし、今年以上にうちらしいプレーを年間を通じてやっていければ、来年こそはと思います」

―最上級生として、どういうチーム作りをしたいですか?
「今年は荒尾さんが軸で、中を中心に攻めるのがうちのスタイルでした。今度はガード・フォワードの2人が4年生なので、渡邉と自分が走って、守ってというスピードのある展開をスタイルにしていけたらと思います」

―渡邉選手は「小林が頑張ってくれる」と言っていました。
「あいつはいつもそうなんですよ(笑)」

―小林選手はどんな役割を担うのでしょうか?
「僕が一番やらないといけないのは、先頭切って走ることだと思います。チーム全体でスピード感ある展開にしていきたいですね。あとは、自分勝手なプレイはしないように。もともとあまりしないですけど…(笑)」

―逆に渡邉選手に担ってほしいのはどんなことですか?
「僕は全体に向けては“声を出せ”とか言えるんですが、個人個人に言うのはあまり得意じゃないんです。だからそこは渡邉に任せようかな(笑)。僕はプレーで見本を見せようかなと思っています」

―その“声”ですが、小林選手は3年生になってすごく声を出すようになった印象があります。それは上級生としての意識なんでしょうか?
「そんなに意識はしていないですが、やっぱり下が多くなったので。去年は広瀬さんがよく色々言ってくれたのでついていった部分がありましたが、今年は試合に出ているメンバーが荒尾さん以外下級生なので、声を出して引っ張らなければならないとシーズンの最初から思っていました」

―「来年は今年のようにはトーナメントもリーグも勝てない」と長谷川監督はおっしゃってましたが、“優勝”に向けての意気込みを聞かせてください。
「今年のリーグでうちが優勝できたのも、他のチームに怪我人が多いとか僕らに運があった部分もあったと思います。この大会も3位でしたし、優勝は簡単ではないと僕も思います。もうワンランク、ツーランク上にいって、優勝します」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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