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2008.12.05 (Fri)
【2008インカレ】12/5 順位決定戦 明治大VS日本大
前半は日本大の勢いが明治大を凌駕
後半の勝負どころを制した明治大が久々の5位決定戦へ
明治大学81(14-18,12-21,29-14,26-23)76日本大学
得点源である#10種市(3年・F)を準々決勝で失った日本大。しかしここまでリーグ戦での不調が嘘のような前向きなプレーが見えていた。対する明治大はここしばらく順位決定戦での敗退が続き、なかなか上位進出ができない時代が続いていた。
試合は前半日本大リードの好勝負。#9篠原(4年・F)を中心に気持ちの見えるプレーが随所に出た。対する明治大はこのインカレの上位対戦になってからはスイッチの入りが悪く、前半は日本大に置いていかれる展開に。しかし後半はようやく目が覚めたかシュート確率が良くなり、接戦の末に日本大を下した。
写真:チームのメインが4年生以下という明治大は来年以降への期待がかかる。
※試合のレポートと日本大・篠原選手、篠山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
攻撃面で不安が予想された日本大だが、前半は#9篠原の頑張りでリードを得た。
明治大はこの大会通して立ち上がりは積極的にゾーンを使う。序盤攻めあぐねる日本大は3分間ノーゴール。明治大は#6伊與田(4年・G)、#5山下(4年・G)、#14金丸晃輔(2年・SG)らが立て続けに得点してリード。しかし日本大も次第に追い上げ、#9篠原のシュートで10-11と逆点。明治大は#3金丸英悟(3年・PF)のダンクが失敗、続く攻めでダブルチームで囲まれると#24岩澤(3年・SG)がトラベリングを取られるなどミスが続いてしまう。残り1分、日本大は#13篠山(2年・G)が中央突破のレイアップを決めると#5中村(3年・C)がブザーとともにミドルシュートを沈めて14-18とリードした。
2Q、序盤は明治大のオフェンスがことごとく失敗する。特に昨年代々木のリングはあまり好きではないと言っていた#14金丸晃輔はアウトサイドが不発。金丸のシュートが落ちるのに対し、日本大は#9篠原、#14熊澤(2年・G)、#12上江田(3年・F)の3Pが決まり#5中村がポストでバスカンを獲得すると16-29と13点のリードを得た。その後も明治大のオフェンスは好転しないが、日本大もやや停滞。明治大は#25長田(4年・SG)がバンクショットを決めて喝采を浴びるが最後は日本大は#9篠原が気迫を見せてオフェンスをリード。ことごとくボールに絡み得点を重ねて26-39と日本大の前半リードで終えた。
日本大有利に見えたが、後半明治大が盛り返した。特にこの大会では筑波戦以外は後半にチャージする傾向にある明治大。#3金丸英悟、#14金丸晃輔が続くと、#6伊與田がスティールから速攻を決める。こうした明治大の前に日本大は開始3分無得点。4アウトの日本大はインサイドの#5中村に入れるが、明治大に阻まれる場面が見える。その中でも#14熊澤が鋭い動きで切れ込み、#5中村や#13篠山からのアシストパスを決める貢献を見せるが、3Q半分で#21川崎(3年・F)十八番の3Pが日本大を捉え、47-47の同点に。ここでようやくリズムをつかんだ#14金丸晃輔のシュートが立て続けに決まり、明治大が逆点する。しかし日本大も#12上江田の速攻などでなんとかついて行く。最後の攻防、ブザーとともに放った#14熊澤のレイアップは#5山下が手を押さえにいっているがノーファウル。55-53の明治大リードで最後のQへ。
4Q序盤は接戦となった。日本大は#14熊澤が#19田村(1年・F・洛南)からチャージングを取るなど上手いプレーが続くが、#5中村の肘が#3金丸英悟に入りこちらもチャージング。明治大は#14金丸晃輔のバスカンに#3金丸英悟もリバウンドからシュートを決めるなど流れをつかみかけるが、日本大も粘る。#12上江田が金丸晃輔相手のディフェンスで5ファウル退場。しかし交代した#7近(4年・F)の3Pで盛り返し、#13篠山のドライブ、再び#7近の3Pで日本大が71-72と1点リード。しかし残り2分の攻防で差が出た。終盤に異常な集中力を発揮する#14金丸晃輔がフリースローを含めて3連続得点。逆点された日本大はタイムアウトを取るが、26.4秒で#5中村が3つめのファウルで相手にフリースローを与えてしまう。残り20秒で#13篠山がドライブを決めるがファウルゲームの結果、明治大に追いつくことは叶わず試合終了。明治大は久々の5位決定戦へ。日本大は粘ったが惜しくも届かなかった。
・明治大 #14金丸晃輔35点13リバウンド、#3金丸英悟16点
・日本大 #9篠原21点、14熊澤14点、#13篠山13点、#5中村10点
【INTERVIEW】
「ハートで戦わなければ無意味と伝えたい」
4年生としてチームに伝えるべきプレーを目指す

◆#9篠原 徹(日本大・4年・F)
インカレでは日本大の4年生のほとんどがベンチから外れた。すなわち、“引退”である。その中で#7近とともにロスターに名を連ねた篠原は、ゲームキャプテンとしてなくてはならない存在だった。「気持ちが大事」。この試合ではそうした上級生としての気迫が見え、最後まで奮闘する姿が印象的だった。
ー試合を終えて。
「前半はよかったですけど、後半はディフェンスが別に悪くはなかったんですけど、リバウンドが穫れなくて相手にセカンドチャンスを何度も与えてしまったのが悪かったですね」
ーチームの中でモチベーションにギャップがあったように感じました。
「やっぱり昨日負けちゃった段階で優勝がなくなっちゃって。優勝目指してやってきたんでモチベーション下がっちゃって、ミーティングで『しっかりやろう』って話したんですけど。自分はもう吹っ切れて大丈夫だったんですけど、他の選手がモチベーション的に下がってたんだなと思いました」
ーその中で篠原選手は鼓舞していたようですね。
「やっぱり自分はもう4年生なんで。4年生がそんなテンション落ちてたら、下級生もそうなっちゃうので。まずは自分からしっかりやろうと思って」
ー登録メンバーにキャプテンの南田選手がいないこともそうですが、今年は下級生主体で統率する難しさを感じましたか?
「そうですね。やっぱりあいつが1年間キャプテンやってきたんで。でも主務の遠藤とも引っ張ってきてやってきたんで、そこは大丈夫だったと思います」
ー今日は実力を出し切れなかったと思いますが、昨日の試合を見ると格段にチームはリーグ戦の時より成長しましたよね。インカレまでの期間はどうでしたか?
「リーグの最終日で青学とああいう試合をしちゃったので、『自分たちは弱いんだ』ってみんなで自覚して、走り込みして頑張ったんで。ディフェンスも練習して、チーム力は上がったと思います。今日も昨日もそうなんですけど、10点開いたところで追いつかれちゃう。そこが自分たちの弱さですね」
ー種市選手の戦線離脱はやはり大きいですね。
「昨日もタネ(種市)が抜けてから点が穫れなくなったんで。タネがいる時は自分は結構パス回しに徹して、今日はタネがいないんで自分から点を穫りにいこうと思って。前半は点が穫れていたんですけど、後半は…正直タネがいないのはキツいですね」
ー今日はその状況の中で近選手が頑張りましたね。誰かが穴を埋めなきゃいけない時に4年生がその役割を担ってくれたのは嬉しいのではないですか?
「そうですね。久しぶりに近の意地が見れました(笑)」
ー今大会にはもちろん優勝目指して臨んだと思いますが、どんな気持ちて臨みましたか?
「もう本当に優勝しか狙ってなかったです。負けちゃったんで、一つでも順位を上げて。やっぱり自分ら負けて終わるのは納得できないし、せっかく頑張ってきたんで、しっかり納得できる試合内容で日曜日終えて。そうすれば来年にもつながると思うんで」
ー今年1年は苦しい年だったと思いますが、後輩達に伝えられることはなんですか?
「本当苦しかったです(笑)。後輩は自分らの代と違って、能力も技術もあるんですけど、いくらそんなに持っていてもハートで戦わなきゃ無意味っていうことをこの1年間伝えたかった。バスケットに限らず、スポーツって何でも気持ちが大事じゃないですか?やっぱりまず気持ちで戦うっていうことを日曜日に見せたいと思います」
「まだ接戦を制すほどの力はない」
光明が見えてきた日本大の復権は若手の成長にかかる

◆#13篠山竜青(日本大・2年・G)
強い眼の持ち主だ。
スピード、勝負強さ、気持ちのどれを取っても将来のスター候補であることは間違いない。しかし、その彼に「代々木に来るのが苦痛だった」とまで言わせた今シーズン。篠山があれほどあえぐ姿をリーグ戦で見ることになろうとは、予想だにしなかった。強い光を放つ瞳からはいつしか表情が失われていき、チームの成績も2003年の5位に匹敵する悪い結果。
しかし、このインカレではそこからなんとかはい上がろうとする姿が見えた。今シーズンの苦労は必ず成長につながる大事なステップになるはずだ。これからの日本大に期待したい。
-準々決勝で種市選手(#10)がケガをしてしまいました。その辺はうまく切り替えられたのでしょうか。
「まあ5位で終わるのと8位で終わるのはやっぱり違うと思います。切り替えて種市さんの分も頑張りましょう、という感じでできたとは思います」
-このインカレではリーグ戦から比べるとプレーもスムーズになっていたし、チーム全体の空気も随分良くなっていたと思うんです。この1ヶ月ちょっとの間、どういう取り組みをしてきたのでしょうか。
「とりあえず監督さんが体調を崩していなくて。アシスタントコーチがやってくれていたんですが、ハーフコートのオフェンスの向上もそうだし、4年生たちがインカレのメンバーから外れる形で引退となってしまったので、余計にチームの雰囲気も落とす訳にはいかないという風に練習してきました。実際4年生も盛り上げてくれていたし、(#4南田)秀人さんが練習に来てアシスタントコーチみたいにやってくれていたので、雰囲気も良かった。実際オフェンスとかもスムーズになってきて、マサさん以外の4人が結構動けてきました。マサさん(#5中村)の復帰がちょっと遅れたのはありますが、4人とセンターが合わせていけば良かったので、そのあたりは成長できたと思います」
-熊澤選手との2ガードもやりやすそうでした。
「リズムを変えたいときは熊と出て、あっちの方が速い展開ができるのでそれはそうですね」
-今日は4アウト(※)のプレーもありましたが、リーグ戦ではあまり見なかったように思います。
「あんまりやってないです。理想としては4アウトでやりたかったんですけど、リーグ戦が進むにつれて上江田さん(#12)とマサ(#5中村)さんを下に置いてクロスから、みたいな形ばかりになっていて。気付いたら3アウト2センターの形ばかりになっていたのがあります」
-今日は惜しかったと思うんですが。
「いや、まだ接戦では勝てないと思います。そうなったときにどうしたらいいかというのがまだできない。今日もインサイドに入れてマサさんの1対1というサインプレーもあったんですけど、結局チャージングだしああいう風になったらもうどうしていいか。ディフェンスを頑張ればどっこいどっこいでいけるとけどリバウンド取られちゃうし、みたいな。タイムアウトでもどうしたらいいか分からない」
-川島監督がいなくて、チームも若くてまだそこまでできあがっていないのが現状ということですね。
「自分がピックして全部勝負をつけられたらいいんですけどね。外も入ればいいですけど、これは自分の勉強次第です」
-苦しい状態の1年だと思いますが、少し光明は見えてきたように感じました。
「リーグのときよりは光は見えていると自分で思っています。あとはもう少し、もう少しってところですね」
-そうですね、良くなっている部分は確かにあると思います。
「今日は走れる部分もあったし、それに種市さんと栗原さんがいればもっと点数も取れる。もちろん今いない人のことを言っても仕方ないので、これからですが」
-自分にとって考えることが多いシーズンだったのでは?
「そうですね。自分を見つめ直したシーズンだと思います。リーグは代々木に来るのが苦痛でした。長いからモチベーションを保つのも難しかったですし」
-最後に同志社戦が残りますね。
「気持ちよく勝って終わりたいですね。意味のある終わりにしたいと思います」
※インサイドに一人おき、4人が外角の形になるフォーメーション。
後半の勝負どころを制した明治大が久々の5位決定戦へ
明治大学81(14-18,12-21,29-14,26-23)76日本大学

試合は前半日本大リードの好勝負。#9篠原(4年・F)を中心に気持ちの見えるプレーが随所に出た。対する明治大はこのインカレの上位対戦になってからはスイッチの入りが悪く、前半は日本大に置いていかれる展開に。しかし後半はようやく目が覚めたかシュート確率が良くなり、接戦の末に日本大を下した。
写真:チームのメインが4年生以下という明治大は来年以降への期待がかかる。
※試合のレポートと日本大・篠原選手、篠山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
[続きを読む]
【GAME REPORT】
明治大はこの大会通して立ち上がりは積極的にゾーンを使う。序盤攻めあぐねる日本大は3分間ノーゴール。明治大は#6伊與田(4年・G)、#5山下(4年・G)、#14金丸晃輔(2年・SG)らが立て続けに得点してリード。しかし日本大も次第に追い上げ、#9篠原のシュートで10-11と逆点。明治大は#3金丸英悟(3年・PF)のダンクが失敗、続く攻めでダブルチームで囲まれると#24岩澤(3年・SG)がトラベリングを取られるなどミスが続いてしまう。残り1分、日本大は#13篠山(2年・G)が中央突破のレイアップを決めると#5中村(3年・C)がブザーとともにミドルシュートを沈めて14-18とリードした。
2Q、序盤は明治大のオフェンスがことごとく失敗する。特に昨年代々木のリングはあまり好きではないと言っていた#14金丸晃輔はアウトサイドが不発。金丸のシュートが落ちるのに対し、日本大は#9篠原、#14熊澤(2年・G)、#12上江田(3年・F)の3Pが決まり#5中村がポストでバスカンを獲得すると16-29と13点のリードを得た。その後も明治大のオフェンスは好転しないが、日本大もやや停滞。明治大は#25長田(4年・SG)がバンクショットを決めて喝采を浴びるが最後は日本大は#9篠原が気迫を見せてオフェンスをリード。ことごとくボールに絡み得点を重ねて26-39と日本大の前半リードで終えた。

4Q序盤は接戦となった。日本大は#14熊澤が#19田村(1年・F・洛南)からチャージングを取るなど上手いプレーが続くが、#5中村の肘が#3金丸英悟に入りこちらもチャージング。明治大は#14金丸晃輔のバスカンに#3金丸英悟もリバウンドからシュートを決めるなど流れをつかみかけるが、日本大も粘る。#12上江田が金丸晃輔相手のディフェンスで5ファウル退場。しかし交代した#7近(4年・F)の3Pで盛り返し、#13篠山のドライブ、再び#7近の3Pで日本大が71-72と1点リード。しかし残り2分の攻防で差が出た。終盤に異常な集中力を発揮する#14金丸晃輔がフリースローを含めて3連続得点。逆点された日本大はタイムアウトを取るが、26.4秒で#5中村が3つめのファウルで相手にフリースローを与えてしまう。残り20秒で#13篠山がドライブを決めるがファウルゲームの結果、明治大に追いつくことは叶わず試合終了。明治大は久々の5位決定戦へ。日本大は粘ったが惜しくも届かなかった。
・明治大 #14金丸晃輔35点13リバウンド、#3金丸英悟16点
・日本大 #9篠原21点、14熊澤14点、#13篠山13点、#5中村10点
【INTERVIEW】
「ハートで戦わなければ無意味と伝えたい」
4年生としてチームに伝えるべきプレーを目指す

◆#9篠原 徹(日本大・4年・F)
インカレでは日本大の4年生のほとんどがベンチから外れた。すなわち、“引退”である。その中で#7近とともにロスターに名を連ねた篠原は、ゲームキャプテンとしてなくてはならない存在だった。「気持ちが大事」。この試合ではそうした上級生としての気迫が見え、最後まで奮闘する姿が印象的だった。
ー試合を終えて。
「前半はよかったですけど、後半はディフェンスが別に悪くはなかったんですけど、リバウンドが穫れなくて相手にセカンドチャンスを何度も与えてしまったのが悪かったですね」
ーチームの中でモチベーションにギャップがあったように感じました。
「やっぱり昨日負けちゃった段階で優勝がなくなっちゃって。優勝目指してやってきたんでモチベーション下がっちゃって、ミーティングで『しっかりやろう』って話したんですけど。自分はもう吹っ切れて大丈夫だったんですけど、他の選手がモチベーション的に下がってたんだなと思いました」
ーその中で篠原選手は鼓舞していたようですね。
「やっぱり自分はもう4年生なんで。4年生がそんなテンション落ちてたら、下級生もそうなっちゃうので。まずは自分からしっかりやろうと思って」
ー登録メンバーにキャプテンの南田選手がいないこともそうですが、今年は下級生主体で統率する難しさを感じましたか?
「そうですね。やっぱりあいつが1年間キャプテンやってきたんで。でも主務の遠藤とも引っ張ってきてやってきたんで、そこは大丈夫だったと思います」
ー今日は実力を出し切れなかったと思いますが、昨日の試合を見ると格段にチームはリーグ戦の時より成長しましたよね。インカレまでの期間はどうでしたか?
「リーグの最終日で青学とああいう試合をしちゃったので、『自分たちは弱いんだ』ってみんなで自覚して、走り込みして頑張ったんで。ディフェンスも練習して、チーム力は上がったと思います。今日も昨日もそうなんですけど、10点開いたところで追いつかれちゃう。そこが自分たちの弱さですね」
ー種市選手の戦線離脱はやはり大きいですね。
「昨日もタネ(種市)が抜けてから点が穫れなくなったんで。タネがいる時は自分は結構パス回しに徹して、今日はタネがいないんで自分から点を穫りにいこうと思って。前半は点が穫れていたんですけど、後半は…正直タネがいないのはキツいですね」
ー今日はその状況の中で近選手が頑張りましたね。誰かが穴を埋めなきゃいけない時に4年生がその役割を担ってくれたのは嬉しいのではないですか?
「そうですね。久しぶりに近の意地が見れました(笑)」
ー今大会にはもちろん優勝目指して臨んだと思いますが、どんな気持ちて臨みましたか?
「もう本当に優勝しか狙ってなかったです。負けちゃったんで、一つでも順位を上げて。やっぱり自分ら負けて終わるのは納得できないし、せっかく頑張ってきたんで、しっかり納得できる試合内容で日曜日終えて。そうすれば来年にもつながると思うんで」
ー今年1年は苦しい年だったと思いますが、後輩達に伝えられることはなんですか?
「本当苦しかったです(笑)。後輩は自分らの代と違って、能力も技術もあるんですけど、いくらそんなに持っていてもハートで戦わなきゃ無意味っていうことをこの1年間伝えたかった。バスケットに限らず、スポーツって何でも気持ちが大事じゃないですか?やっぱりまず気持ちで戦うっていうことを日曜日に見せたいと思います」
「まだ接戦を制すほどの力はない」
光明が見えてきた日本大の復権は若手の成長にかかる

◆#13篠山竜青(日本大・2年・G)
強い眼の持ち主だ。
スピード、勝負強さ、気持ちのどれを取っても将来のスター候補であることは間違いない。しかし、その彼に「代々木に来るのが苦痛だった」とまで言わせた今シーズン。篠山があれほどあえぐ姿をリーグ戦で見ることになろうとは、予想だにしなかった。強い光を放つ瞳からはいつしか表情が失われていき、チームの成績も2003年の5位に匹敵する悪い結果。
しかし、このインカレではそこからなんとかはい上がろうとする姿が見えた。今シーズンの苦労は必ず成長につながる大事なステップになるはずだ。これからの日本大に期待したい。
-準々決勝で種市選手(#10)がケガをしてしまいました。その辺はうまく切り替えられたのでしょうか。
「まあ5位で終わるのと8位で終わるのはやっぱり違うと思います。切り替えて種市さんの分も頑張りましょう、という感じでできたとは思います」
-このインカレではリーグ戦から比べるとプレーもスムーズになっていたし、チーム全体の空気も随分良くなっていたと思うんです。この1ヶ月ちょっとの間、どういう取り組みをしてきたのでしょうか。
「とりあえず監督さんが体調を崩していなくて。アシスタントコーチがやってくれていたんですが、ハーフコートのオフェンスの向上もそうだし、4年生たちがインカレのメンバーから外れる形で引退となってしまったので、余計にチームの雰囲気も落とす訳にはいかないという風に練習してきました。実際4年生も盛り上げてくれていたし、(#4南田)秀人さんが練習に来てアシスタントコーチみたいにやってくれていたので、雰囲気も良かった。実際オフェンスとかもスムーズになってきて、マサさん以外の4人が結構動けてきました。マサさん(#5中村)の復帰がちょっと遅れたのはありますが、4人とセンターが合わせていけば良かったので、そのあたりは成長できたと思います」
-熊澤選手との2ガードもやりやすそうでした。
「リズムを変えたいときは熊と出て、あっちの方が速い展開ができるのでそれはそうですね」
-今日は4アウト(※)のプレーもありましたが、リーグ戦ではあまり見なかったように思います。
「あんまりやってないです。理想としては4アウトでやりたかったんですけど、リーグ戦が進むにつれて上江田さん(#12)とマサ(#5中村)さんを下に置いてクロスから、みたいな形ばかりになっていて。気付いたら3アウト2センターの形ばかりになっていたのがあります」
-今日は惜しかったと思うんですが。
「いや、まだ接戦では勝てないと思います。そうなったときにどうしたらいいかというのがまだできない。今日もインサイドに入れてマサさんの1対1というサインプレーもあったんですけど、結局チャージングだしああいう風になったらもうどうしていいか。ディフェンスを頑張ればどっこいどっこいでいけるとけどリバウンド取られちゃうし、みたいな。タイムアウトでもどうしたらいいか分からない」
-川島監督がいなくて、チームも若くてまだそこまでできあがっていないのが現状ということですね。
「自分がピックして全部勝負をつけられたらいいんですけどね。外も入ればいいですけど、これは自分の勉強次第です」
-苦しい状態の1年だと思いますが、少し光明は見えてきたように感じました。
「リーグのときよりは光は見えていると自分で思っています。あとはもう少し、もう少しってところですね」
-そうですね、良くなっている部分は確かにあると思います。
「今日は走れる部分もあったし、それに種市さんと栗原さんがいればもっと点数も取れる。もちろん今いない人のことを言っても仕方ないので、これからですが」
-自分にとって考えることが多いシーズンだったのでは?
「そうですね。自分を見つめ直したシーズンだと思います。リーグは代々木に来るのが苦痛でした。長いからモチベーションを保つのも難しかったですし」
-最後に同志社戦が残りますね。
「気持ちよく勝って終わりたいですね。意味のある終わりにしたいと思います」
※インサイドに一人おき、4人が外角の形になるフォーメーション。
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