2016年12月 / 11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月


第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.12.04 (Thu)

【2008インカレ】12/4レポート

2部の慶應大、国士舘大がベスト4へ進出
明治大は終盤粘るが力尽き昨年に続き順位決定戦へ

ベスト8の歓喜、涙の引退は翌日新たな好勝負によって書き換えられる。勝ち続ける者だけが、観客の心に常に新鮮な感動を送り続けていくことができるのだ。ベスト4を賭けた戦いは前日のベスト8以上に熾烈で、見ごたえある戦いとなった。
東海大を破った天理大はやはりそれだけの強さがあった。慶應大は終始リードし続けたものの、何度も追い上げられる接戦。#10サンバ ファイと#7岩下はほかの選手とは別次元の高さで制空権を争い、非常に見応えある戦いを見せた。国士舘大は日本大を破り創部以来初のベスト4。注目の明治大は大きく差を広げられながら、終盤怒濤の追い上げで2点差とするが惜しくも王者・青学大には届かなかった。同志社大も専修大に挑み前半リードを得るが、後半に逆点されて破れた。



明治大の驚異的な追い上げで最後は2点差
残り17秒で青学大を救ったのは#5小林高晃

081204takaaki.jpgベスト4進出を懸けた青学大と明治大の一戦。ここ近年、この対決は青学大が圧勝という形で勝ち続けている。それでも、日本一を目指すためには破らなければならない相手だ。

明治大は試合の立ち上がりからゾーンディフェンスを展開し、インサイドを固める。このディフェンスに対して青学大は、ノーマークがちになった外を見落とさず、#5小林高晃(3年・G)、#7渡邉(3年・PG)が簡単に射抜いていく。対する明治大は、#5山下(4年・G)の鋭いパスから#14金丸晃輔(2年・SG)、#21川崎(3年・F)が3Pで応戦し、序盤は3Pの応酬となった。だが、ペースを掴んでいくのは青学大。#0橋本(2年・PG)がドライブで突破口を開くと、そこから多様なオフェンスが生まれて青学大がリードを奪う。また、明治大#3金丸英悟が懸命に体を張って入るものの、パワーと高さで勝る青学大#8荒尾がインサイドで奮闘し、内外角共にバランスよく得点を重ねていった。筑波大戦では驚異的な確率で決まっていたシュートが鳴りを潜めた明治大は、前半を終えて18点のビハインド。

後半の立ち上がりは明治大#5山下の得点が光るも、その後連続でミスが出て、流れを引き戻すにはいたらない。だが、青学大もシュートの確率が落ち始め、点差は開いているものの、展開は五分だった。それでも、明治大が決めれば青学大は#8荒尾がすかさず決め返してリードを保つ。4Qの残り7分51秒、明治大はシューター#21川崎がファウルアウト。チームは貴重な得点源を失う。だが、それを断ち切るように#6伊與田(4年・PG)のスティールからのブレイクが決まるものの、その後のオフェンスでミスが出てしまう。ここで明治大はタイムアウト。だが、このタイムアウトをきっかけに明治大の怒涛のオフェンスが始まる。#5山下と#14金丸晃輔のアシストから#3金丸英悟がしっかりとゴール下を決めると、点差は見る見るうちに縮まっていく。オフェンスで勢いづいた明治大はディフェンスでもよく足が動くようになり、青学大を翻弄。青学大に無理なシュートしか打たせず、リバウンドでは#24岩澤(3年・SG)、#3金丸英悟が奮闘し、得点を重ねていく。終盤にかけては#14金丸晃輔の得点も決まり出して、ゲームは完全に明治大のものとなった。だが、試合を決めたのは青学大#5小林高晃。ここまで苦しい展開が続いていたが、残り17秒で値千金のレイアップを沈める。これが決定打になったか。明治大は最後#5山下の3Pが決まるもあと一歩及ばず。75-73で青学大が逃げ切った。

強いて言えば明治大はマンツーマンのディフェンスに戻すのが遅かった。ゾーンにこだわらず、選手の機動力を信じてディフェンスをさせていればこれほど差が開くことはなかっただろう。最後は接戦だったが、いい戦いとは言い切れない展開だった。

写真:空いたスペースに走り込んだ小林のレイアップが、試合を決めた。

青山学院大学75(28-19,20-11,18-21,9-22)73明治大学
・青山学院大 #5小林高晃29点、#0橋本16点、
       #8荒尾15点17リバウンド、#7渡邉10点
・明治大   #14金丸晃輔26点、#5山下15点、#3金丸英悟10点

※青学大・長谷川監督、小林高晃選手の記者会見、明治大・岩澤選手、金丸晃輔選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

◆長谷川健志監督(青山学院大)
「明治とうちは今まで何回か試合をしているけど、全部うちが勝っている。そのこともあって、明治はうちに対して苦手意識があったと思う。そういう気持ちの面でうちが優位に立っていた。明治がゾーンでくるのはわかっていた。その中でもちろん、インサイドにボールを入れてということも考えていたけど、外がノーマークだったから。立ち上がりの3Pは打つべきところで打ったという感じ。3Qの終盤くらいから(追いつかれるような)気配はあった。でも、得点と時間を見ながらコントロールをしていたけど、4Qに入って完全に足が止まってしまった。そして、コートにいる選手たちがそれぞれに『誰かがどうにかしてくれるだろう』というように思っていたと思う。しかし、金丸(晃輔)君のシュートは本当に落ちなかったね。シュートが落ちたのを速攻に繋げられればよかったけど、それもできなかった。疲労も少なからずあったと思う。橋本(#0)も下げるべきだったのかもしれないけれど、僕は石橋は3回くらい叩く人だから、そこまで思い切りのいいことはできなかった。昨日の試合は、東海が負けた後の試合というすごい辛いゲームだった。でも、昨日あの状況の中で勝てたのはやっぱり大きい。ここまでうちは立命、浜松、明治と勢いのあるチームとの対戦で、また次も国士舘で勢いのあるチーム(笑)。国士舘はキャリアのある選手もいるし、足で勝っていかないといけない。競った試合は俺らのものだと思っているかもしれないから、とにかく足を動かすことを原点としたバスケットができればと思います」


◆#5小林高晃(青山学院大・3年・G)
これまでの試合は自らが納得する出来ではなかったと振り返る。浜松大戦に関しては、試合に半分も出ていないということで、『今日くらいはやらないと』という気持ちで臨んだそうだ。その結果が、38分出場29得点。終盤、競った場面も冷静でそして最後の値千金のシュートを決めた彼なしでは、青学大の勝利はなかったと言っていいだろう。

「最後は足に来ていました。4Qの始めにはまだ点差もあったということで、守りに入ってしまったことがこういうゲームになってしまった原因だと思います。明治は外中心のチームで、とにかく金丸(晃輔)君を止めようという話でした。やられてもしかたの無い部分はあったけれど、やっぱりすごかったですね。ついていっても、結局最後はシュートを決められてということが多かった。止められなかったですね。明治に関しては、今までは金丸君のワンマンチームという印象が強かったけれど、5番の山下さんが戻って来たことでどこからでも点が取れるチームになっていたし、なかなかディフェンスしずらかったです。明日の国士舘戦は、まずは出鼻をくじくこと。ああいう勢いのあるチームに対しては立ち上がりで負けてはいけないと思います。だから、うちが立ち上がりからディフェンスと速攻を出していければ。逆にやられたときが怖いですよね。その対処法も含めて、明日の試合に臨みたいと思います」


「4年生2人だけがディフェンスしても流れは変わらない」
王者を追い詰めるきっかけとなったシックスマン

081204iwasawa◆#24岩澤裕也(明治大・3年・SG)

15点差で迎えた4Q、ここで詰めなければ終わりと明治大は4ファールの#21川崎を投入した。だが、リバウンドをキープした青学大#23湊谷に手が出てしまい1分足らずでファールアウト。何度も3Pでチームを救い、ディフェンスでも頑張れる大きな存在である川崎を失った明治大は、このまま消沈するかと思われた。

だが、代わった岩澤が文字通り“つないだ”。#6伊與田、#5山下に続いて岩澤もディフェンスで仕掛けることで、2ガードのプレッシャーがただのギャンブルにならず意味を持った。2人が追い込んだり触ったりしたボールを何度もフォロー。そうして青学大の点数を止めることで、チームに追い上げの勢いをももたらした。結局2点届かず昨年と同じベスト8にとどまったが、3年生が頑張れたことは明治大にとっても大きい。


―川崎選手がファールアウトしてしまったときの“もうだめかな”という雰囲気を消してくれましたね。
「いつも大体、紘史(川崎)と代わることが多いんですが、紘史より戦力が下がってしまったら意味がないので、そこは紘史に負けず頑張ろうという思いがありました」

―岩澤選手のディフェンスが追い上げのきっかけとなったのではないでしょうか?
「それは4年生の力が大きかったです。もう、ガードの山下さんと俊さん(伊與田)がトラップをかけて当たっていくのがわかったので、僕もそれに乗っかってというか。やっぱり2人だけがディフェンスしていても流れが変わらないと思ったので、狙っていきました。点差があって、何とかしなくてはという気持ちが強くて、そこで4年生の2人が引っ張ってくれたので、僕ら下級生は本当についていっただけです」

―青学大のノーゴールが解けて73点目を決められた後のシュートも気持ちで入れたという感じでした。
「いやー、2Qの最後に失敗してしまって、それはすごく悔いが残るんですけど、その分も取り返してやろうという気持ちが強かったんです。それに、5人のうち1人がシュートを狙わないだけで守る方は楽になってしまうと思ったので、あのときは本当に無我夢中でドライブに行きました」

―個人としても、チームとしても、自信がついたのではないでしょうか?
「どうですかね…欲を言えば勝ちたかったです。最後バシ(青学大#5小林。洛南高時代のチームメート)にやられちゃいましたし。まぁ、言い出したら悔いが残っているところはそれぞれいっぱいあると思うんですが、負けを認めて、あとは5位を狙うしかない。明日対戦する日大には練習試合で負けているので、その借りも返すつもりで明日からまた切り替えてやっていきたいです」

―3年生としても、来年につながる残り2試合にしたいですね。
「はい。来年は僕たちが引っ張っていかなくてはいけないので、4年生の背中を見て、今吸収できるものは全部吸収したいと思います」


「今日はガードが崩してくれたので楽に打てた」
点取り屋から真のエースへ進化を続けるバスケットの申し子

081204kanamarukousuke.jpg
◆#14金丸晃輔(明治大・2年・SG)

2人、3人とディフェンスが来ても、金丸晃輔のシュートが入るのはもう周知の通りだ。しかしこの試合、ディフェンスを引きつけてのパスが出た。もちろん金丸自身が決めても盛り上がるが、コンビプレーはパスとともに“戦う力”をチームメートに与える。
さらにはリーグ中からたびたび見せていたリバウンド、本人も「めったに見せない」と笑うブロックショットでディフェンスでも貢献。たとえ試合中であっても、金丸晃輔の影響力の及ぶ範囲が広がる度に、明治大のチーム力が上がっている。
残り2試合でこの変化を定着させることができるか。


―最後追い上げることができただけに、もったいない試合でした。
「出だしでもうちょっとディフェンスが効いていたら、もっといい試合になっていたと思います。あと、フリースロー。9/16だったので、ちょっと悔やまれますよね。別に緊張はしていなんですが、青学には大濠のヤツがいて色々言ってくるんですよ(苦笑)」

―以前“代々木は苦手”と言っていましたが、では感覚という点ではもう慣れましたか?
「はい、もう慣れましたよ。今日はスリーよりミドル。フェイダウェイの調子がよかったです。何より2ガードになってパス回りがよくなったので、以前より軽く打てるようになったんです。いつも自分でドリブルで崩してシュートに行っていたんですが、今日はガードの2人が崩してくれたので楽に打てました」

―前半で18点開けられて、後半は気持ち的にここまでか…とも思いました。
「明治はいつも点差が開いたらグダグダになってしまうんですが、何か…今日は最後までリバウンドを取って、走って、というのあきらめないでやったから最後うちが追い上げられたと思います。最初から負けるとかそんなこと思っていなかったですし、最後まで勝つ気でした」

―そのリバウンドですが、晃輔選手の7リバウンドは大きかったのではないでしょうか。オフェンスで生きている手の長さと跳躍力がディフェンスでも使えるようになったのでは?
「今までは1ガードだったので、うちはリバウンドが強かったんです。でも今回2ガードになったので、リバウンドがちょっと弱くなるじゃないですか。だから自分もリバウンドに参加しろと言われていたので、どんどん飛び込んでいきました」

―さらにアシストパスも出て、試合の前半と後半の間にもチーム力が上がったように感じました。
「自分がポストをやったらディフェンスが寄ってくるじゃないですか。それでうちは皆外が打てるからシンプルに外に出して、打たせたら入れてくれると思っていました。自分が無理に行ったらバランスが悪くなるし、流れも悪くなるので簡単に外にさばいて打たせて、またリバウンド、という感じやっています。リーグの途中くらいからこういう形がでてきたと思います」

―そういった好プレーで点差をどんどん詰めていきましたが、いつ頃から行ける!と思いましたか?
「10点切ったくらいですね。そこからこれは行けると思って、どんどんシュートを打って、リバウンドに走ったりしていきました。コーチからも点差があったときは1回1回きちっとやっていけというような指示が出ていたんですが、どんどん競ってきたときはもう何か自分に“シュートに行け!”と。行きました(笑)」

―晃輔選手の連続得点もあり、最後は残り1分3点差まで追い上げましたが、ファールゲームは考えなかったんですか?
「自分のヘンなスクープシュートが入ったじゃないですか。あれを外したらファールゲームに行けとなっていました。自分の1on1にかけて、2点でもいいから行けと言われていて、決めて。でもその後やられたんですよね…。ディフェンスして1本と思いましたが、ディフェンスができなかったということです」

―本当にあと1歩でしたが、日大戦に向けて意気込みをお願いします。
「日大には練習試合で30点差くらいで負けたんですが、そのときは俊さん(#6伊與田)がいなかったですし、次はボコボコにしたいと思います」
関連記事

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

EDIT  |  23:46  |  2008インカレ  |  Top↑
 | BLOGTOP |