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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.12.03 (Wed)

【インカレ2008】12/3 二回戦 天理大VS東海大

優勝候補・東海大学がベスト16で姿を消す
天理大は持ち味全てを出し切った勝利

天理大学69(22-13,13-16,10-10,24-15)54東海大学
081203TENRI2.jpg一回戦を観た人ならば、東海大が問題を抱えていることを察することはできただろう。ルーキーながらインサイドでなくてはならない存在になっていた#0満原(1年・C・能代工業)は、ベンチにとどまり遂にジャージを脱ぐことはなかった。インカレ2週間前に負ったケガが原因だった。

反対に、天理大は最初の3Pで勢いに乗った。強力なインサイド、#10サンバ(2年・C)がいることでアウトサイドが安定した。こうした戦い方や心理面の優位性は、昨年トーナメントで青学大を破った関東学院大が関東の大会では証明済みだ。しかも、すばしっこいガード陣も再三東海大からボールを奪い取る活躍を見せ、完全に東海大を浮き足立たせた。その上ゴール下には#15根来(3年・PF)が仕事人としてボールに絡む。天理大は持つものを出しての勝利。一方の東海大はエース#24古川(3年・F)のシュートが決まらず、#35中濱(4年・C)や#62長野(4年・PF)が奮闘するが、最後までリズムをつかむことはできず、試合終了の時間を迎えた。

写真:勝利が決まった瞬間、ベンチの選手たちも飛び上がった。

※試合のレポートと天理大・野口選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※東海大・西村選手、中濱選手、長野選手のインタビューは追って掲載します。

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【GAME REPORT】
081203SANBA.jpg最初のシュートがこの試合を象徴する。
天理大#4野口(4年・主将・SF)がノーマークから3本の3P立て続けに決めると、東海大は完全に虚をつかれ、浮き足だった。更に#21清水(1年・SG・川内)の3Pで開始2分で12-0。東海大は内からは#35中濱、外からは#24古川、#45鮫島(3年・SF)が打つがなかなか決まらず、最初の得点が決まったのはようやく開始4分#24古川のミドルシュート。ここから返していきたいが天理大は#10サンバ(2年・C)が力を発揮、ゴール下を支配する。東海大は#33西村の3P、#45鮫島に代わった#62長野がバスカンを獲得するなど追い上げを見せるが1Qは13-22と追う展開となった。

2Q、ゾーンを展開する東海大。しかしそれは本来の威力を発揮せず、#4野口に4本目の3Pを許す。しかしその後は天理大も攻めあぐね、東海大にペースが戻る。#24古川、#32安部(4年・G)の3Pが出てリバウンドも好転。中濱も豪快なブロックを見せて追い上げる気配が漂う前半、6点を東海大が追う形となった。

相手を崩すのに最も重要な3Q、しかし東海大はターンオーバーを犯し、#24古川はノーマークを作ってはいるがシュートがネットを通過しない。#10サンバはブロック、ダンクで存在感を見せつけるが、#35中濱が「ディフェンスをやろう」とコートで声を出してチームを鼓舞する。しかしゴール下の混戦の中、その中濱が膝をかかえてコートに倒れ込んだ。替えのきかないセンターの退場でにわかに東海大に不安が広がるが、交代した#7遥(2年・PF)がシュートを決め、#27石井(3年・SG)もチームを後押しする3Pを決める。しかしそれは天理を追いつめるまでには至らず、3Qも天理大が6点リードする展開となった。

081203NAKAHAMA.jpg4Q、最早無理かと思われた#35中濱がテーピングで補強してコートに立ち、しかもチームを勇気づけるようなダンクを決めると東海大は大歓声に包まれた。「もちろん痛かったけど、そうしなければダメだと思ったから」と責任と気持ちを見せた。#10サンバに返されつつも#62長野、#33西村が続き2点差まで詰めることに成功する。だが、そんな東海の安堵もつかの間、ここで天理大#25平尾(1年・PG・明徳義塾)が3Pを決め、#10サンバの得点で46-53と再び引き離された。しかも東海大#33西村のパスが乱れて#35中濱に通らず、#4野口の5本目の3Pで点差は46-56の10点差に。それでも#27石井のミドルと#35中濱のシュートで再度詰める様子を見せるが、天理大も懸命だった。#10サンバはダンク、ルーズボールにも絡みその頑張りに触発されたか残り2分で#4野口6本目の3Pが炸裂し、52-61に。東海大は#24古川と#27石井、#33安部という打てる布陣にするが#32安部が#8知念(4年・PG)にスティールされる失態。残り1分、9点差は東海大には遠かった。ファールゲームにいくものの、追い上げは叶わずタイムアップ。天理大は金星に歓喜を挙げ、東海大の面々がくずおれた。

他チームから見れば魅力的なインサイド選手を多数抱える東海大だが、秋から#29嶋田(3年・C)も離脱し、ゴール下をカバーできる仕事人#36養田(2年・F)の留学により、満原のケガという“万が一”を補える選手はいなかった。そして得点を取れる選手が伸びていかなかったことで、相手に勢いに乗られてしまったときにひっくり返す勢いをもつチームになれなかった。得点が取れない以上は相手を抑えきるしかない。なのに、序盤からディフェンスも甘くそれが徹底できなかった。満原が抜けたことでディフェンスもオフェンスもチェンジすることとなったが、かみ合っていないのは明らか。一回戦のあと西村「ここまでセンター2人で形を作ってきてリーグ戦でもやれていたけれど、それが崩れてうまくいかない」と苦しい胸のうちを明かしていた。だが、昨年とほとんど変わらない布陣で伸び幅を見られなかったことは残念としかいいようがない。古川の3Pが1/10、安部がたった3得点に終わっただけではない。何かもどかしい思いが残る後味の悪いシーズン幕切れとなってしまった。#35中濱をはじめ、気持ちを見せた4年生の奮闘が届かなかったのが痛い。#10サンバ「関西から見たら関東は強いというイメージがある。東海大は強かったけど、でもこっちはチャレンジャー精神があるから。普通。普通にやれました。慶應大も今日みたいに気持ちを入れてやったら勝てると思う」と言う。留学生である彼には、関西や関東は関係ない。変なイメージがないことは精神的にも強みだったと言えるのではないだろうか。

081203TENRI.jpgこの日横浜文化体育館ではチーム応援席が下に作られていたが、チームメイトはそこにはおらず観客席に陣取っていた。呼びかけると「IDがないから下りられない」という答え。そういう応援団は観客席で懸命に応援し続けた。実は、直前までチーム全員で東京に来るかどうか決められなかったのだと言う。それでID申請の時期を逃した。#4野口が「横浜がどんな会場かも知らなくて、下に下りられないなんて知らなかったんですよ。言って欲しかったなあ」と、残念がる。しかし彼らの存在がチームにも勇気を与えた。#10サンバは「去年なんで負けたのか?うーん、来たのは選手だけで、応援は来られなかった。応援がいるのといないのでは差があります。今年はみんなで来て、みんなも楽しんでいるみたいだから、しんどくても応援のために頑張りたいと思う」と、チームメイトを気遣う。次の代々木では近くで応援できる。チーム一体となった天理大が、やはり一体感を持つ慶應大相手にどう戦うかも試合の面白い要素となるだろう。



「こんなもん、こんなもん」追い上げられても東海大相手に
チャレンジャー精神を持ち続けたことが結果につながった

081203NOGUTI.jpg
◆#4野口翔(天理大・4年・主将・SF)


最初の3本の3Pさえなければ、東海大は自らのペースに持ち込むことは十分可能だっただろう。しかし主導権の握り合いがバスケとすれば、最初にそれを握った天理大が大きなアドバンテージを得た。「自分でもびっくり」というが、その新鮮な喜びとチャレンジャー精神こそが今後も大きな武器になる。


-まず度肝を抜いた3Pが素晴らしかったのですが。
「調子が良かったので入る気はしてて、思い切って打っていったら結果につながって。自分でも正直うれしいです。シューターなので関西でもどんどん狙ってはいっています」

-東海大という関東の強豪相手でしたが。
「同じ大学生だし、関東で名前はあると思うんですけど、それにびびらず自分たちのバスケをやれば絶対勝てるってチーム全員で信じていました。それで頑張った結果勝利につながりました」

-去年のインカレを見た限りではまだサンバ選手も1年生でしたし、正直できあがっていない感じはしたのですが。
「去年は外まわりがサンバ頼みになってしまって、消極的になってしまったんですけど、今年はバランスが良くなって。サンバも外へのパスを覚えたので、その分外も得点できるようになっていいリズムが生まれたと思います」

-東海大がゾーンをしてきたところで得点が止まってしまった時間帯もありましたが。
「関西でも青学を苦しめた立命館なんかもゾーンをしてきて。その試合はゾーンをされて攻めきれず、立命館に負けました。でもそういう対策は練習でも常にやっていたので、それがいい結果につながりました」

-試合の直後で正直まだ冷静に分析しきれていないのですが…
「僕たちも控え室でまだ実感がわかなくて、ただ叫んでるだけなんですよ(苦笑)。出だしが良すぎて、でも追いつかれてきて。東海相手だし、だからみんなで『こんなもん、こんなもん』と。でも“こんなもん”と逆に落ち着けたのが良かったと思います」

-ガード陣の粘りもそうですが、サンバ選手だけではなく根来選手などいい選手がいますね。
「派手さはないですけど、リバウンドでも地味なところで頑張ってくれる選手です」

-次は慶應大となります。
「自分たちはチャレンジャーのつもりで、常に全力で。どんな相手でも自分たちのバスケットをすれば勝てると信じているので、天理のバスケットを楽しみながらやっていい結果を残したいと思います。初戦は緊張していて本来の自分たちの力を出せていなかったと思います。でもこれで落ち着いたので、もっと上げていきます」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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