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2008.12.03 (Wed)

【2008インカレ】12/3 二回戦 同志社大VS愛知学泉大

同志社大が後半にチャージ!
粘る学泉大を振り切り、ベスト8進出

同志社大学75(17-15,10-8,21-14,27-13)50愛知学泉大学
081203kumagaihiroyuki2.jpg勢いに乗る地方勢同士の2回戦。このベスト8を賭けた試合は実にシビアである。勝者には最終日まで試合が用意され、敗者は今シーズンの学生大会の終わりを意味するからだ。

そんなプレッシャーのかかるこの大一番で冷静さを保ったのは同志社大。「(全国大会の経験がないメンバーで)いつも通り入れるかなと思っていたんですけど、みんなそんな緊張しなかったみたいですね」と洛南高校時代に全国優勝の経験がある#21井関(2年・PG)の心配も杞憂に終わった。反対に最終Qに追う立場の学泉大は空回りしてしまった感が否めない。しかしこれも一発勝負の難しさなのだろう。

同志社大が天理大に続き関西勢としてベスト8に名乗りをあげた。

写真:愛知学泉大のプレスディフェンスを突破する同志社大・熊谷。

※試合のレポートと同志社大・井関選手、愛知学泉大・山本監督のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
081203tanaka.jpg先手を取ったのは愛知学泉大。学泉大は#51伊原(4年・CF)がアシストに連続3Pと序盤からエンジン全開。開始わずか3分半で4-12とリード。対する同志社大もタイムアウトで「足が動いてなかった」(#21井関)というアウトサイドのディフェンスの修正を図る。すると流れは一変、学泉大のオフェンスはトーンダウンしてしまう。さらに持ち味のディフェンスでも前からプレッシャーをかけていくが、それも同志社大には順応されてしまう。その間に同志社大は#21井関(2年・PG)の連続得点に、#66時宗(3年・PF)のジャンパーで逆転。17-15で2Qへと入る。

このQはこう着状態となった。同志社大は#33田中(3年・C)のオフェンスリバウンドからのシュートや#21井関の連続得点で幸先のいいスタートを切る。しかし学泉大がゾーンディフェンスに切り替えたのを境に5分間もの間無得点となる。その間にも学泉大は10点のビハインドを#0溝口(3年・SG)のバスカンや#2植地(4年・SF)の3Pでじりじりと詰め寄っていく。だがお互いにあと1本が出ず得点が伸びない。このQを終えてスコアはわずか10-8。同志社大がわずかなリードで後半を迎えた。

守り合いだった前半とは反対に3Qは激しく動きを見せる。立ち上がりにシュートミスが続いた学泉大だが、#51伊原が24秒ぎりぎりにジャンパーを決め開始2分で同点とする。だが今度は同志社大が#3熊谷(4年・SG)のジャンパーに、#27加藤(1年・PF・洛南)の合わせで反撃。するとすぐさま学泉大は#32柿本(3年・SF)、#5福田(2年・SF)の連続3Pで逆転。だが学泉大はこの猛攻を最後にアウトサイドシュートがリングに嫌われ沈黙してしまう。一方の同志社大のシュートは好調を保つ。#21井関、#3熊谷の3Pで再逆転すると、その後もアウトサイドやドライブが決まり一気にリードを11点まで広げる。

081203ihara.jpg冷静さを保つことがいかに大事か、そんなことを思わせる最終Qとなった。11点を追いかける学泉大は#51伊原が1on1を仕掛けるも、トラベリングと嫌な雰囲気でゲームに入ってしまうと、直後のディフェンスでは積極的にプレッシャーを掛けにいったのがファウルの判定に。一方の同志社大は#27加藤のリバウンドシュートや#3熊谷のドライブが決まり15点差まで開く。これ以上離されたくない学泉大は気持ちの焦りからかアウトサイドの早打ちが目立ち、一向に点が入らない。残り6分、学泉大はフルコートプレスで勝負に出る。しかし同志社大は鮮やかなパスワークでしっかりコントロール。さらにはプレッシャーを逆手に取り、次々と空いているスペースに走りこみ得点に繋いでいく。このまま主導権を握った同志社大が75-50で学泉大を下し、天理大に続き関西勢としてベスト8進出に名乗りをあげた。

・同志社大  #3熊谷17点、#27加藤17点15リバウンド、
       #21井関14点、#66時宗14点、#10田中10点12リバウンド
・愛知学泉大 #51伊原12点11リバウンド、#0溝口10点


「当たって砕けろ」
勢いに乗る関西勢の刺客が専修大に挑む

081203iseki.jpg
◆#21井関慎平(同志社大・2年・PG)
さすが洛南高校で主力を張っていた選手というべきか。視野の広さと球離れのよさでこの日はスタメン5人が2桁得点を記録。「普段は点を獲りに行かないタイプ」と言うが、流れを変える1本を決められる好ガードだ。
勢いに乗る関西勢として専修大相手に番狂わせを演じられるか。

―ベスト8進出ですね。
「まさかベスト8に入れると思ってなかったんで、嬉しいです」

―立ち上がりは先手を取られてしまいましたね。
「そうですね。最初やっぱり外のディフェンスで足がついていけなかったのかなって。で、タイムアウト明けくらいから、ちょっと動けるようになったので、なんとか」

―あのタイムアウトから流れを掴みましたね。
「そうですね。あのまま行かれていたら点数獲られっぱなしだったと思うので、切りかえれてよかったです」

―相手の印象はどうでしたか?ディフェンス主体のチームですが。
「ロースコアゲームに持ちこまれるやろなっていう感じで試合に入ったんですけど、こっちもディフェンスを頑張ったらなんとかなるやろって感じだったのでよかったです」

―井関選手は競っている時間帯でもチームが勢いに乗っている時間帯でも、すごく落ち着いているなという印象を受けたのですが。
「それはあまり顔に出ないタイプなんで(笑)。ほんとはちょっと焦ってたりします。今日はそんなに焦ってなかったですけど」

―すごく球離れもいいし、周りが見えてますよね。
「僕は普段点獲りに行かないタイプなので周りばっかり見ているんですけど、それが多分よかったんだと思います。球離れは良すぎてパスカットされちゃう時もあるんですけど、今日はちょっと溜めたのもあります」

―後半に相手を突き放せた要因はなんですか?
「相手が当たり気味についてきたので、なんとか対処しようっていっぱいいっぱいだったんですけど、なんとかミスなくつなげられたんで。そこだと思います」

―今大会も大きな大会ですが、井関選手が洛南高校時代に全国大会で優勝している経験は今に生きていると思いますか?
「それはありますね!こういう全国大会の場で気後れしなくなったので、生かされていると思います」

―今大会に出場しているチームには洛南高校出身者が多数いますが、いかがですか?
「いろんなチームにいっぱいいるんで、なんか…嬉しいですね(笑)」

―パンフレットのコメントに「1日でも長く東京に…」と書いてありますが、今日ベスト8進出を果たして最終日まで残れることが決まりました。試合後に泣いている選手やスタッフがいましたね。
「はい!もう先輩のためにって言えばそうなのかもしれないですけど。関東のチームとやるために今回やってきたので、とにかくあと3日間充実した日にしたいです」

―今大会に臨む時はどんな気持ちでしたか?
「4回生までみんな全然全国大会を経験していなかったので、とりあえず当たって砕けろって感じで入りました」

―その中で自分が経験を伝えられるということはありましたか?
「もう最初の試合の入り方で、いつも通り入れるかなと思ったんですけど、みんなそんなに緊張しなかったみたいですね」

―次の相手は専修大ですが。
「楽しみです。もう能力とか高さで負けることはわかっているので、自分たちの力を発揮してどれだけ食い下がれるか試してみたいです」

―昨日も鹿屋体育大が専修大相手にいいゲームをしましたが、勝つために何が必要ですか?
「技術的な面はそこまで変わらないと思うので、あとは精神力。負けない気持ちというか、ルーズボールにしろ気持ちの問題やと思います」

―最後に今大会の抱負を。
「来年のためにって言ったらおかしいですけど、また成長するためにも悔いの残らないようにこなしたいです」



「2試合に割く余裕はなかった」
絶好のチャンスにかけた東海の雄の収穫と課題

◆山本 明監督(愛知学泉大)

毎年、緻密なディフェンスで関東のチームを脅かしてきた。それでも最後は能力、サイズの壁に自身の点数を積み上げることができず、せっかく相手を抑えても悔しい思いをすることが多かった。だが、コツコツ努力してきた学泉大に絶好のチャンスが舞い込む。このインカレの組合せは、1回戦の相手が関東6位の中央大。そしてベスト8を懸けた相手は九州か関西の勝者。1回戦を勝てれば、トップ8が見えてくる―。その1回戦は、周到な準備で勝ち上がった。だが、逆を言えば2回戦まで手は回っていなかった。
「ハマってしまった…」
だが、手の届くところにベスト8が見えたことで、選手の中により明確な「インカレでまず2つ勝つチーム」のイメージができただろう。
来年の雪辱を期待したい。


―またしても、最後は点数が止まってしまいました…。
「こういうことがあるというのが今年のチームの1番の問題だったんです。インサイドでもうちょっと点を取れたらいいんですが取れないので、ディフェンスからブレイクという形をもっと出さないとこうしてはまってしまう。全部セットオフェンスになってしまって、持ち味が出せないゲームでした。そこに、今年のチームの完成度はここまでというのが出たかなと思います」

―前半は、ロースコアで学泉大のペースだったのではないでしょうか。
「前半はまだよかったけれど、3Qで我慢しきれなくなりました。うちの点数が入らなくなって、ちょっとね、きつかったです。点数がもうちょっと入っていかないことにはディフェンスを頑張っても気力が続かないので。オフェンスが問題ですね。今シーズン通しての課題です」

―根本的な質問になってしまいますが、どうしたら点が取れるようになるのでしょうか?毎年、これだけディフェンスを詰めてくるだけに本当に惜しいと思うんです。
「システムを色々考えたり、個人技の練習もずっとしているし、フィジカルを鍛えたりもしているんだけど…どうなのかなぁ。やっぱりインサイドとアウトサイドのバランスができてこないとなのかなと思います。今日はアウトサイドに全部はられて、シュートチャンスがなくなってしまった。それを破れるドライブ、キックアウトというプレーをもっと出せればいいんでしょうが、その個人技をまだ作りきれていなかったなと思います。フォーメーションももっと練らないといけないし、監督の責任でしょう。選手は努力しています」

―同志社は、学泉大と違って1回戦の相手が関東のチームではなかったので、この2回戦に向けて学泉大対策もできていた差もあったのではないですか?
「確かに同志社さんは昨日の中央さんよりディフェンスが良かったですし、うちの0番(溝口)を抑えたりよく対応してきたと思います。オフェンスでも昨日のゲームとは全然違って、ここに合わせてきているなと感じました。でも、個々が力を持っていますよ。ルーキーの加藤くん(#27、洛南高出身)もやっぱり経験があるし、そういう意味でマンツーマンでもっとびしっと守れないといけなかったです」

―とはいえ、ベスト8が間近に見えたことで、そういった課題を克服しなければとチーム皆が実感できたのではないでしょうか。
「うーん、ここを勝ってベスト8を経験しておけばもっと大きかったんだけど…そこは同志社さんも一緒ですからね。まぁ、学生チームは来年があるので、残念だけれどもう1回練り直してまた戻ってきます。今年は大きなチャンスだったけれど、地道にやっていればまたそういうチャンスが来ると思って、あきらめずにやっていきます」

―今シーズン頑張ってきた4年生へのメッセージはありますか?
「今年の4年生は能力はそんなにないんですが、真面目さがある。今日も最後、90番のガード(#90徳村)も足が痛い中でよくやってくれたと思います。チームは皆で作るものですが、4年生がどういう姿勢を持つかというのが雰囲気として出る。だから観ている人が感じた雰囲気というのが4年生の考え方なんですが、20点開いても声を出してやれるのはたいしたものだと思います」

―では、中央大に勝って収穫もあり、課題もありというところでしょうか。
「本当に中央大戦にかけすぎたというか…そこに勝つことで精一杯でした。2回戦に割けるエネルギーがなかったです。でもやっと1つ勝って壁を突破できたと思うので、来年また頑張ってきます」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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