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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.12.03 (Wed)

【2008インカレ】12/3レポート

東海大・法政大が破れるという衝撃的展開の5日目
青学大・慶應大は危なげなくベスト8へ

インカレで最も見逃せないのは実はベスト8決定戦だ。破れてベスト16で姿を消さなければならないチームにとってはこれがシーズン終了の合図であり、4年生にとっては大学バスケとの別れを意味する。破れた選手たちは何をしゃべっていいのか、一様に同じような表情で遠い目になり、言葉にならない言葉を探す。今年はここで消えるに惜しいチームが多く、そのダメージは大きい。
1部昇格の筑波大、関東2位の東海大、そして昨年準優勝の法政大が消えた。もう、今シーズン彼らを見ることはない。そして一方で勝者は淡々と次へ進む。これが、トーナメントの現実である。


早稲田大を全く寄せ付けなかった慶應大
余裕を持たせてベスト8を確定

081203SUZUKI.jpgこれほど差がついてしまったのか、と思わず蕭然とさせられる試合だった。かつては2部でしのぎを削り、一足先に昇格した早稲田大は2002年のインカレでも活躍。続いて2003年に昇格した慶應大も優勝を経験し、昨年は同時に降格を味わい…と同じような位置に立っているように見えていた。しかし今年、明確に優勝を狙う慶應大と、2部にとどまらざるを得なくなった早稲田大の間にはいつしか深く、大きな隔たりができてしまっていた。

試合は序盤、慶應大#4鈴木(4年・F)、#16二ノ宮(2年・3P)らが続けて3Pを決め、一気に波に乗る。一方の早稲田大は#51相井(2年・SG)が当たらず慶應大に開始3分で12-0まで引き離されてしまった。慶應大が易々とオフェンスを展開するのに対し、点が取れない早稲田。1Q開始5分で#11井手(2年・SG)を投入、ドライブをしかけてファウルをもらうなど、勢いを持たせようとするがアウトサイドはやはり絶好調時のインパクトではない。1Qで30-11となり、勝負はここでついた。巻き返して逆転するだけの力は今の早稲田大にはなかった。慶應大は一回戦と同じく後半は下級生も積極的に使いながら、余裕の戦いとなった。「早稲田戦は100点で」と事前にチームで定めていた通り4Qの終わりにブザービーターで#15松谷(1年・F・福大大濠)がシュートを沈めてちょうど100点。目標をクリアして難なく二回戦突破となった。

次の相手は天理大。東海戦にかける思いがあっただけに、意外な相手と言わざるを得ない。ポイントはインサイドだ。#7岩下(2年・C)はまだ今大会合格点といえる活躍ではない。東海大から33ものリバウンドをもぎ取った#10サンバとどこまで戦えるかで勝負の行方を左右しそうだ。

写真:慶應大・鈴木は3Pが3/4としたほか、アウトサイドは一回戦とは逆に全体でよく入った。

慶應義塾大学100(30-11,29-14,16-22,25-33)80早稲田大学
・慶應義塾大 #11田上16点、#9小林15点、#16二ノ宮13点、
       #13酒井13点17リバウンド
・早稲田大  #20久保田20点、#00金井17点、#11井手12、#10根本11点

※早稲田大・赤沼選手、井手選手のインタビューは「続きを読む」へ。



#7ママドゥ相手にもひるまず
青学大は冷静にゲームを運び、明治との準々決勝へ

081203HASHIMOTO.jpg東海大が天理大に負けるというざわついた空気が残る会場に登場したのは、天理大と同じくセネガル人センターを擁し、勝ち上がってきた浜松大と優勝候補・青山学院大。序盤はアウトサイド攻撃から始まるが、浜松大は#1大石(3年・PG)に加え、#7ママドゥ(3年・C)も3Pで仕掛け、浜松大がリード。しかし青学大のプレスで慌てさせられると、逆転を許した。ゴール下では#8荒尾(4年・C)がママドゥに高さではやられつつも、全てを許すほどではなく貢献。ママドゥをかわしてシュートする場面も見られた。浜松大はママドゥのインサイドに相手を引きつけ、アウトサイドでの得点というパターンが一回戦で目立ったが、得点できる選手が限られていたのも確か。青学大に差をつけ始められるとこの形だけでは点が伸びていかない。#7ママドゥも3Qまでは粘りを見せたが、最終Qではほとんどインサイドプレーを見せなかった。余裕のできた青学大は#17中川真雄(1年・C・明成)で終盤プレー。力尽きた浜松大を寄せ付けることなく順当に次に駒を進めた。

一昨年ママドゥとマッチアップした際、#8荒尾は全くいい働きができずほとんどベンチに下がったままだった。だが、この7月の学生選抜では親善的な部分も入る戦いとはいえ、ママドゥより勝った動きを見せた。「外も打てるし、プレーのエリアが広いのはすごい。そこまではさすがに守りにはいけない。けど相手には決められたけど自分もやれた、今回は勝ちましたね」と余裕の表情だ。明治大の#3金丸英悟については「2部なので全然分からない。これからビデオを見て研究します」とのこと。機動力が高く、内外の仕事がこなせる新世代のプレイヤーとの戦いもまた、見どころは十分だ。

写真:ママドゥをかいくぐりシュートを決めていた青学大・橋本。延岡学園と福大大濠で高校時代は九州でしのぎを削った。高さやセネガル人には「慣れているから」と当然のように言った。

青山学院大学88(21-14,18-11,24-16,25-9)50浜松大学
・青山学院大 #7渡邉16点、#23湊谷16点16リバウンド、#8荒尾14点
・浜松大   #7ママドゥ21点15リバウンド、#1大石10点

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「チームとして1つのイメージを持たせてあげられなかった」
理想と現実のギャップに悩まされた1年間

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◆#4赤沼 悠(早稲田大・4年・主将・F)

コーチが交替し、チームは1部から2部へ。最終学年を0から始めることとなった。赤沼の中にはこうありたいというイメージがあり、おそらく他のメンバーにもあっただろうが、それを共有するには1年間では足りなかった。メンバーは所沢キャンパス生と西早稲田キャンパス生が混在し、寮もないため一緒にいる時間は練習時間のみ。その体育館もいつでも自由に使えるわけではないという環境が最後まで響いた。
リーグ戦では、優勝したいのか、2位以内でいいのか、それともインカレ出場の5位以内でいいのか。
インカレでも、優勝を目指すのか、ベスト8でいいのか、それとも慶應大にいいゲームが出来ればいいのか。
その“温度差”を埋めるのは、1人では重過ぎる仕事だった。


―立ち上がりで試合が決まってしまったのではないでしょうか。
「まぁ、色々な要素はあると思いますけど…。選手のモチベーションが低くなっているのが僕自身わかって、でもそこでちょっと理想に走ってしまったというか。その場に出たらやってくれるかなと思って手を打たなかったという点では自分の責任が果たせていなかったなと思います。考えることは人それぞれ違いますが、チームとして1つの目標を立ててそこに向かうというチーム作りが、僕の力で選手の側からできていなかった。逆に相手の慶應大は誰一人気を抜いているという感じはなくて、僕らもああいうことをやるべきなんですが、それができなかったということです」

―後半は逆にやることがシンプルになって、皆1つのことをやろうとしていたように感じました。
「そうですね、現段階の身の丈にあったレベルというか、難しいことは考えずに基本的なことをやれとコーチから言われていました。ただ、それをずっとやっていてもチームとして進歩がないので、あまりやりたくはなかったんです。でもこうなった以上はそこからやるしかない。皆にとってやりやすいことをやっただけなので、うまくいったんじゃないかなと思います」

―本当はもっとレベルの高いことをやりたかった?
「もちろん理想のイメージは持っていましたし、学生ならどことやっても勝てるというイメージを持って練習もやっていたんですが、それを共有するに至らなかったという点ではやっぱりキャプテンとしての僕の力不足もありますし、1人ひとりもっとイメージを持てるようにしてあげればよかったなと思います」

―そのイメージの統一に関しては、来年につながる要素はありますか?
「うーん。今年は最低限共通認識しておくべき技術が全くない状態から初めて、それを少しずつ積み上げて、ここまできました。ただ結局あまりよく消化されていなかったし、分量的にも必要最低限すら届かなかったかなというのが僕の実感なんですが、それらは今年やった以上は来年もう1回やる必要はないと思うので、次の段階には進めるかなと思います。話す時間を持つことで直接精神面にアプローチするのも必要だし、技術面で共通理解を増やしていくというアプローチもあると思います。プレーでお互いやりたことがわかってくると、自然と会話も増えるものなんです」

―一方、4年生としてはこの試合が最後のゲームになってしまいましたが…。
「結果は何も残っていないですし、何を言われてもそれは自分の選択の結果なのでしょうがないと思います。今は正直ちょっと複雑というか…もちろん後悔もありますし、自分に対して腹立たしい部分もありますし。やっと終わったなってほっとしている部分も正直ありますし、色んな感情があって一言で言うのはちょっと難しいです」

―来年のキャプテンに、今年の経験から何か言ってあげられることはありますか?
「そうですね…自分ができなかったことをやってくれとは無責任なので言えないですけど、目標をしっかり見据えて、楽しく充実した時間を作れるように務めれば、能力のある選手はいるはずなのでいい結果がついてくるんじゃないかなと思います」


「この1年をいい経験と言えるように」
不完全燃焼を来シーズンにぶつける新チームのキーマン

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◆#11井手勇次(早稲田大・2年・SG)

リーグ戦中盤で負傷。チームが入替戦争いから脱落するのも、明治大から大きな1勝をあげるのも、応援席から見ているしかなかった。
その悔しさを晴らすべく臨んだインカレでは、予想通り慶應大とのベスト8争いとなった。井手は「決して楽に勝てる相手ではないけれど、競っていって最後に勝ちたい」と思っていたが、コートに立ったときにはもう慶應大は“ノって”いた。
それでも気持ちを折らずにプレーできるのが彼の最大の長所だ。また、高校時代にシュート力を買われてSGにコンバートされていたが、この試合では本来のポジションであるPGを務めて新チームの可能性も見せてくれた。
早稲田大はここ数年、自分達の力を自分達で“このくらい”と分析してそれ以上は出さずじまいとなる傾向にある。だが、チームスポーツは1人ひとりが信じてこそ互角のチームや格上のチームに勝てるものだ。井手は、早稲田大をそんなチームに生まれ変わらせることができるか。


―1Qは11-30。ここまで力の差はなかったと思いますが、何が起こったのでしょうか?
「なんですかね。うーん。なんだろうなぁ…。たとえ力の差はあっても出だしって競るものですよね。このフォーメーションをやろう、というのがあったんですが、できなくて、結局は5人でやろうとせず個人個人がやってしまいました。それでディフェンスもバラバラに崩れてしまって、慶應大を“打てば入る”という感じで乗せてしまった。タイムアウトを取ったんですが、コーチには“言ったことができていない、それをやれ”と強い口調で言われたんですが、ディフェンスを立て直す間もなく乗った相手にばーっとやられたという感じです。僕はもう始まってすぐ“出たい”と思っていたんですが、コートに入ったときにはもう、相手は出だしと違って乗っていて、自信を持ってプレーしていました。それに対して僕らはオフェンスもディフェンスも自分達のやりたいこと、やってきたことが全然出せなかった。1Qは中途半端に終わってしまいました」

―井手選手がPGをやったのは、その流れを何とか変えようという意図だったのですか?
「いえ、もともとインカレはそれでいくつもりでした。自分では1番の方がしっくりくるんです。小学校、中学校のときはPGだったので。高校からは2番でシュートを打つ役割でしたが、リーグでケガをしてしまったのがあって、実はまだ3Pが届かないんです。なのでドライブで切って行ってさばいてというプレーを心掛けました」

―それもあってか、後半は相手がメンバーを落としていたとはいえいいリズムができていたと思います。
「この状況でフォーメーションをやろうとするよりは、パッシングで行った方が流れがよくなるかなと思って、速く持っていきました。ディフェンスもだんだんよくなって相手のミスを誘えたし、あれを最初から出せれば…という感じですね」

―赤沼選手も言っていたんですが、やりたいこと、やるべきことを頭ではわかってはいるけれどそれができなかった1年間…という感じでしょうか。
「今年は、勝って“やったー!”というのがホントになかったですね。粘り負けることが多くて。試合が終わったあとのミーティングでも本当に基本的なことを言われているんですよ。成長していないなと反省しています。もっと上の段階でやりたいですし、そのためにチームとしてまとまるには個々の気持ちが大事だと思います。今年キャプテンとしてまとめてくれた赤沼さん、練習で盛り上げてくれた4年生の先輩がいなくなったらどうなるのかなという不安もなくはないですが、選手がやっていかないとだめだと思うので、頑張っていきたいです」

―図らずも長いオフとなりましたし、次に観るときは新チームの“形”を見せてもらえるの期待しています。
「はい。ただ、この長いオフ期間で切り替えたいですけど…今は不完全燃焼で。もっとやりたかったし、この気持ちをどうしたらいいんだろうという感じですが、この1年を自分のいい経験にします」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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