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2008.12.03 (Wed)

【2008インカレ】12/3 二回戦 法政大VS国士舘大

ベンチメンバーがつなぎ最後は主役・#5立花がとどめ
国士舘大旋風が法政大をも呑み込む

法政大学 79(20-27,21-16,22-4,16-30)87 国士舘大学
081203terasima番狂わせは3度では終わらなかった。
1回戦の大東大・中央大、そして2回戦のうち同日に別会場で行われていた東海大に続き、この2回戦最後のカードで法政大もがまさかの敗戦を喫した。今年、関東1部に在籍した8チーム中、実に半分の4チームがベスト16で姿を消すこととなった。

法政大の笑顔が凍りついたのは残り1分半。4Q中盤、71-62から気付けば国士舘大に16連続得点を許して71-78とされる。それまでは追い上げられても、2・3点リードされてもまだ“格上の余裕”があったが、残り時間と点差を考えるとさすがに苦しい状況だった。ファールゲームを仕掛けるが、点差は変わらないまま時間だけが少なくなっていく。結局、8点足りないままタイムアップのブザーが響いた。

一方の国士舘大は、インサイド陣のファールトラブルを#16富塚(2年・SF)らがカバーするなど、キャリアでは法政大にかなわないベンチメンバーがしっかりとつないだ。スタートの5人以外のターンオーバーはわずかに1つ。全体でも10とミスを抑えたことでアップセットの舞台が整った。最後は#5立花(4年・PG)をはじめ、#4寺嶋(4年・SF)・#13馬(2年・C)という国士舘大の顔とも言える3人の爆発力が勝利を引き寄せた。

・法政大 #27福田21点3P7本、#91落合16点、#5神津15点7アシスト
・国士舘大   #5立花35点、#13馬18点13リバウンド、#17三村13点

写真:4Q残り7分、#4寺嶋の「ディフェンス!」という掛け声から国士舘大の猛チャージが始まった。

※ゲームレポートと国士舘大・馬選手、法政大・坂上慶選手、福田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※法政大のインタビューは別途追記します。

[続きを読む]

【GAME REPORT】
081203yosimitu先制こそ法政大#23信平(3年・SG)だったが、その後は国士舘大の“自己紹介タイム”となる。まず#6吉本(4年・PF)が3P。さらに1回戦では0/3と不発だった#17三村(1年・SF・東海大菅生)も2本の3Pを沈める。そして大黒柱・#5立花(4年・PG)がドライブをバスケットカウントで決めて7-16と先行する。立花は法政大のスタートガード#3鈴木(2年・PG)を瞬く間に2ファールとしてベンチへ追いやり、代わった#64佐々木(4年・PG)からもテイクファール。現在のメンバーにとっては初体験となるインカレベスト8がけの雰囲気に硬くなるかと思いきや、「足が止まってる!」とベンチから声を掛けられたのは法政大の方だった。その言葉通りスタンディングの3Pが多くなるが、残り3分#91落合(3年・PF)を投入すると流れが変わる。この直後に交代でコートに入った国士舘大#16富塚は落合にとって同県出身の後輩であり、連続でテイクファールと相手にしない。「自分が入ったときは皆呑まれて攻め気をなくしていたので、相手が富塚じゃなくても攻めようと思っていました」(落合)。最後は国士舘大の三村と同じく1回戦は0/8と不発だった法政大のルーキー#11長谷川(1年・G・新潟商業)がブザービーターの3Pを決める勝負強さを見せて20-27とした。

2Q、国士舘大の勢いを削ぐべく法政大は1本じっくりやろうとするが、それによって8秒オーバータイムを取られる失態を犯す。しかし直後に国士舘大#13馬がチャージングで3ファールとなり、ベンチに退かざるを得なくなる。これをチャンスに変えたのは国士舘大。法政大がインサイドを攻めてくることを読んでスティール、速攻を決める。法政大は#91落合が気を吐き#16富塚から4つ目のファールを奪うが、その富塚が千金の3Pを決める。リーグ中盤から打っていってはいたが、決めたのは拓殖大戦の2本のみ。それがこの試合では唯一放ったシュートを決めてみせた。「きっとあいつは何も考えてないですよ」#5立花は笑う。「そこは賭けですが、僕とか寺嶋、吉本でカバーすればなんとかなるので、1~3年生はのびのびさせればいい」。その後、#6吉本が続けて3・4つ目のファールをコールされ、リーグではエントリーされていなかった#8川村(1年・PF・佐久長聖)を出さなければならなくなるが、#4寺嶋がドライブ、ロングシュートとつなぎ、ディフェンスでもカバーする。シックスマンの#10吉満(3年・SG)もきっちり決めて点差は17まで広がるが、法政大#27福田(4年・SG)が国士舘大のゾーンを突いて3本の3Pを沈め、41-53で折り返した。

081203ochiai3Q立ち上がりはどちらも決めきれない中、法政大が#27福田の3P、#39梅津(4年・C)のジャンプシュートでじりじりと詰める。だが、48-55で迎えた残り5分半、#23信平(3年・SG)が4ファールで交代となり、持ち味の爆発力を発揮しきれない。一方の国士舘大はチャンスだったが、オフェンスでミスが出たりディフェンスでもノーマークシュートを打たれるなど前半とは別のチームのように緊張感を欠いてしまう。得点が57で止まったまま、#5立花もベンチへ。残り3分、法政大は流血の#5神津(3年・C)に代わった#91落合が奮起する。ガード陣の2本の3Pで1点差に詰め寄った残り1分半、ゴール下シュートで58-57と逆転。さらに3Q終了間際には#11長谷川からのアシストをきっちり決めて63-57。法政大が地力を見せたかと思われた。

しかし、国士舘大#13馬「うちが3Qよくないのはいつものこと」と意に介さなかった。#5立花に至っては「3Q4点?うちがですか?知りませんでした(笑)。確かに点差は詰まって…同点?いや逆転されたのか。でも、うちは爆発力があるので、いつかうちに流れが来たときどれだけできるかだと思っていました」。その国士舘大の“爆発力”が、4Qについに発揮された。

国士舘大は4Q開始1分半、#4寺嶋のシュートで7分間続いたノーゴールから抜け出すが、法政大にバランスよく加点され、開始3分半67-59でタイムアウトを取る。しかし、直後のオフェンスは3秒オーバー。さすがに関東5位の壁は厚いかと思われたが、ここで#4寺嶋が「ディフェンス!」と一喝する。これで息を吹き返したか、#91落合に決められるも#5立花が返し、71-62。ここからはその落合にも楽に打たせず、#13馬のレイアップ、#5立花の速攻で残り5分71-68まで詰めて今度は法政大のタイムアウトとなる。法政大は#5神津をコートに戻すが、緊張感を取り戻した国士舘大ディフェンスの前にパスがつながらず、シュートまで持っていけない。国士舘大は残り3分、#5立花のバックシュートでついに逆転。さらにドライブをバスケットカウントで決め、そのままベンチメンバーとハイタッチをかわす。法政大は#23信平、#27福田もコートに戻すが、もう国士舘大は手をつけられない状態になっていた。#13馬の連続3Pシュートで73-81。さらに法政大#5神津へのパスを#4寺嶋がカットし、#39梅津がファールで止めたときには残り時間は1分を切っていた。

081203tachibana法政大がファールゲームに出ると、シューターとなった国士舘大#5立花は6投中4本を落とし突き放せない。実は、「手をこうやってあげようとしたらプルプルした」というくらいギリギリの中でプレーしていたのだ。3Qに流れが悪いにも関わらず1度下がったのも、「疲れが足にきてシュートも入らなくなっていたので、4Qでもう1回2Qのプレーができるように」という理由だったのだ。しかし、この足踏みにも法政大は#27福田が2本の3Pを決めるのがやっと。ファールゲームで#23信平や最後は#27福田もコートを去り、最後はパスミスでシーズンを終えることとなった。

「実力的に全然向こうが上。勝てたのは実力じゃなくて勢い」と立花は言う。1Q目のリードが大きなキーとなった格好だが、「大体強いチームとやるとうちはシュートが入るんですよ」と不適。2部リーグで見せたあの勝負強さをインカレという大舞台でも発揮し、チーム初のベスト8を大応援団と喜び合った。

一方、昨年の準優勝メンバーが多数残り、今年はその上を狙っていた法政大はまさかの敗退。自らが楽しむことで観客を楽しませ、ここぞというところで爆発力を発揮するスタイルがもう観られないことは惜しいが、国士舘大がそれを引き継ぎ、明日の準々決勝で日本大に挑む。


「本当に何も考えていないですよ!」
国士舘大の“無心で楽しむバスケ”を体現するビッグマン

081203maron.jpg◆#13馬 隆(国士舘大・2年・C)

身体の幅を生かしてインサイドで押し込むかと思えば、外からきれいな3Pシュートを射抜く。
勝負所で決めるポイントは、「頭を真っ白にすること」。
確かに勝ち負けや思い入れが身体に伝わると、硬くなるものだ。コートではそれを封印して“楽しむ”ことで、結果がついてくる―それは国士舘大のバスケットそのものと言える。


―前半は格上の法政大からリードを得ましたが、3Qは4点と別チームのよう。何が違っていたんですか?
「確かに緊張感がなかったですね。でも、2Qに皆よくシュートが入っていたから、『あ、今日は調子がいい』と思っていましたよ。国士が3Q悪いのはいつもなんですよ(苦笑)。僕も今日最初は入らなかったですけど、4Qからは何も考えていなかったです。『今日は絶対に入る』とか思いだしたら絶対入らないですよ!頭を真っ白にすると入ります。全体としては自分のできは全然良くなかったんですけど、チームが勝ったからよかったです」

―4Qは、シュートの調子もそうですがディフェンスもよくなったのではないでしょうか?
「法政大のインサイドは神津さん(#5)と信平さん(#23)が強いので、ゾーンをやったんです。でも最初は連絡の声がなくて、全然だめでした。それでも、徹さん(#4寺嶋)が『我慢してやろう』って声を掛けてくれて、我慢しようと思って頑張りました。ミスをしないで自分のやるべきことをやろうと。ゾーンですが自分の相手はしっかり守りなさいと先生に指示されていたので、それを守っただけです」

―これで、最終日まで試合ができることになりましたが、いかがですか?
「明日負けても大会の最後まで試合がある。ならば、勝って最後まで試合をしたいですね。明日は日大ですか?日大はやったことがないチームだし、これから当たるチームもやったことのないチームばかりなので、どんなチームかもわかりませんが、だからこそやってみたいです。楽しみ!とにかく楽しんで試合をしたいです」

―馬選手は、いつ見ても楽しそうにバスケをしていますよね。
「はい。4Qの終わりに、立花さんに『どうしよう、俺、明日の授業の欠席届出してきてない』って言ったら、『俺も』っていう話になりました(笑)(※・写真)。とにかく、どんな状況でも国士舘は試合を楽しんでいます。負ける時というのは、自分たちができる以上のことができないために負けるので、それは仕方がないですよね。これからも面白く、楽しく試合をしていきたいです」

―明日の準決勝に向けて、意気込みを聞かせてください。
「負けるよりは勝つ方が絶対楽しいので、楽しく!そして、どこまで行けるのかというのを試したいと思います!」


「今の気持ちは一言では言い表せない」
法政大の主将として自分がコートに立つより大事にしたもの

081203sakaue
◆#75坂上 慶(法政大・4年・主将・G)

自らは驚異的なシュート力を持つが、キャプテンとしてチームをまとめることに徹した1年だった。
出だしは心配そうな表情でコートを見詰め、猛追&逆転した3Qには笑顔がはじける。
そして、迎えたタイムアップの瞬間は、どんな表情もまだ浮かんでは来なかった。
インタビューに応じてくれた後、「1年間ありがとうございました」と取材陣に挨拶をした坂上の姿は、まぎれもなく「法政大のキャプテン」だった。


―今、どんな気持ちですか?
「もう、言葉がないです…こんなことってあるんですね。東海も負けたんですよね?厳しいですね」

―一時はリードしましたが、敗因はなんだと思いますか?
「10点くらいリードしている時に、チーム皆が『いけるな』って思ってしまったのがまずいけなかったです。それはもう自分も含めてです。それからプレーの面で言うと、外からのシュートが多かった。インサイドに入れて確実に2点取れなかったのが敗因だと思います。向こうは3Pや速攻で勢いづいて最後にいいところを全部出せただろうし、逆にこっちはやらなきゃいけないことをしっかりできなかったということでしょう」

―4Qに追い上げられた時、相手の勢いを止められなかったですね。
「そうですね。前半は差がつきましたが、向こうのシュートの調子がよくて、こっちのオフェンスがうまくいっていない状態であれくらいの差だったので、後半はいい形で持っていけるだろうと思っていたんですが。最後はシュートが入っていないとか、攻められるけどミスが多いとかではなくて、うちが完全に攻められなかった。本当に終盤は向こうにやられたという時間だったと思います」

―実感がわかないですよね。
「そうですね。試合を思い返してもどこで差をつけられて、どこで持っていかれたのかピンとこないんですよ。あまりアクセントのない試合、そういう雰囲気が僕の中である。オールジャパンもなくて、これで終わりなんて…」

―去年のチームを超える気持ちで大会に入ったと思うのですが、この結果はチームとして受け止めがたいと思うのですが、どうですか?
「受け止めがたいと言っても負けは負け。でも、チームの伝統的なものを考えても先輩たちには申し訳ないと思うし、後輩たちもさっき信平と神津とかが『ほんとすいません、すいません』って言ってきて。後輩たちに『すいません』って思わせてしまうのも申し訳ないです。いつもだったらインカレが終わって代替わりして、それで4年生も一緒に練習するという体制だったんですが、それもできなくなってしまって後輩たちがどう切り替えていくのか心配でもあります。もう本当に一言では言い表せないです、今の気持ちは」

―最後はコートに立つつことなく終わってしまいましたね。
「バスケットが好きで、バスケットをやりたいっていう気持ちもあるんですけど、うちは知っている方もいるかと思いますが練習環境はいいとは言えない。その中で僕がキャプテンになって、自分が試合で頑張るより、チームが勝って欲しいと、リーグくらいからなんですが気持ちが切り替わったんです。だから自分が最後コートに立てなかったとか、戦力としてみんなと一緒に戦えなかったって、そういう悔いは全然ないです。うちが勢いに乗ってみんなでベンチでわぁーってやっている時はすごい楽しかったし、最後の大会でチームで戦ったんだなという思いができたことはありがたいというか、よかったと思います」


「シューティングは裏切らない」
最後のインカレで存在感を示したピュアシューター

081203fukuda
◆#27福田祐介(法政大・4年・G)

1回戦から持ち味である美しいシュートを何本も決めた。
この試合の最後は、チームが勝つために自身5つめのファールに行き、コートを去った。
だが、そのお手本のようなシュートフォームは観る者の心に強く焼き付いたはずだ。

―まず、試合に関してですが、敗因は何だと思いますか?
「本当なら立ち上がりで『1部はすごい』とか、『これが1部か』と相手に思わせなければいけなくて、そのためにしっかりと入らなくてはならなかったのに、『これは行けるんじゃないか』と思わせてしまったのが…。途中リードし返しましたが、やっぱり全てはそこから始まっていたと思います」

―この立ち上がりが法政の歯車を狂わせてしまったと。
「そうですね。ビハインドから入ると追いつくのにすごいエネルギーがいる。じゃあ、追いついた後に追いつくまでできたことができるかというと、思い切りのいいプレーがなくなるということがある。やっぱりああいうシュートの入るチームにビハインドから入ってしまうと絶対に良くないです」

―福田選手はインカレでは1回戦から本当によくシュートが決まっていましたね。
「1回戦の前日の全体練習が1時間ちょっとで早く終わったんですよ。その日は体を休めるのに早く帰ったやつらもいたんですけど、自分はちょっと残ったんです。最後の大会っていうのもあったし、4年間を色々と思い出して『絶対に悔いの残らないような大会にしよう』と思いながら1時間半くらいずーっとシューティングしていました。それで気がついたら連続で5、60本くらい入っていて(笑)。『すごい入ってるねー!』ってマネージャーも見ていて。そうしたらもう、信じられないくらいというか、4年間で一番シュートタッチがいいんじゃないかっていうくらい打ったら入るっていう自信があって、それで大会に入れたので昨日今日はシュートが4年間で一番よかったと思います。シュートが入る秘訣はシューティングです。最後の最後に、シューティングは裏切らないというのがわかりました」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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