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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.12.02 (Tue)

【2008インカレ】12/2 一回戦 専修大VS鹿屋体育大

絶妙なバスケで専修大を追いつめた鹿屋体育大
ゾーンに破れたが、九州の可能性を拓く新星の誕生か

専修大学71(15-20,17-20,23-8,16-5)53鹿屋体育大学
081202iida.jpgベスト8をかけ大東文化大を下し勢いに乗る鹿屋体育大と専修大の一戦は、「優勝候補の一角でもある専修大をアップセットするのか」という好ゲームとなった。「相手が大きいからこそ下を狙っていくプレーが基本です。小さい選手が大きい選手を出し抜いてレイアップを決める、それでディフェンスが縮まったら3Pを入れていくというのを意識してやりました」(鹿屋体育大・福田コーチ)。その言葉通りスタメン3人が180cm以下と圧倒的に高さで劣る鹿屋体育大であったが、まるでコートに立つメンバー全員がPGの視野を持っているかのようなスムーズなバスケットが見事的中。一方の専修大は「最初からゾーンで来るとは全く予想していなかったんでやりにくかった」(#22鈴木)と、相手のディフェンスにアジャストしきれずオフェンスが不発。前半にリードを奪われ後半に突入。

だが、後半に専修大がマッチアップゾーンに切り替えると鹿屋体育大は前半の勢いを完全に断たれてしまう。相手を後半をわずか13点に抑えた専修大が、苦しみながらも力の差を見せ付けベスト8進出を決めた。

写真:鹿屋体育大・小野を守りにいく専修大・飯田。しかし前半はファウルでイライラとさせられた。

※試合のレポートと専修大・鈴木選手、鹿屋体育大・中村選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
081202noto.jpg記者発表で「スペーシングを意識してやってきた」(中原監督)と言ったのは専修大だ。しかし、そのスペースをうまく使い、専修大を乱したのはむしろ先手を取った鹿屋体育大の方だ。#1小野(4年・G)や#8月野(2年・SG)のガード陣が専修大を翻弄するかのように得点、アシストを決める。守っては2-3のゾーンでインサイドを徹底的に固め専修大に好きにプレーさせない。一方の専修大はインサイドでフリースローを獲得するも決まらず、#28能登(4年・F)のアウトサイドが連続で決まるが単発。相手にシュートを打たされる形が目立つ専修大。さらには相手のゾーンディフェンスによって得意のオフェンスリバウンドが全く獲れず波に乗れない。対照的に鹿屋体育大は#3新垣(3年・G)の3Pや#8月野のバックドアが決まり5点のリードで1Qを終える。

2Qに入っても専修大は思うようにプレーさせてもらえない。#28能登のミドルに#10飯田(4年・F)のゴール下で3点差と詰める。しかし直後にリバウンド争いで飯田がファウルを取られ、抗議するとテクニカルファウルの判定に。このプレーを境に鹿屋体育大は#1小野のジャンパーや、#7中村(2年・PF)の連続得点で10点差とする。たまらず専修大はタイムアウト。専修大は#28能登のオフェンスリバウンドからの得点や#22鈴木(4年・G)のバスカンで食い下がる。だが、それでも鹿屋体育大は#8月野の3Pや終了間際の#1小野のスクープショットで8点のリードを奪い前半を終えた。

081202ono.jpg専修大が勝負に出る。後半開始早々から専修大はマッチアップゾーンを展開。これに対し鹿屋体育大は#7中村、#1小野がシュートを決め、いい立ち上がりを切ったように見えた。だが、専修大の当たりの厳しさに鹿屋体育大は前半の勢いが嘘のようにシュートが落ち続ける。専修大はこの機に、#22鈴木、#11藤井(3年・G)の3Pに、#20張(2年・C)の連続得点で逆転。さらに専修大は#22鈴木の3Pや#15増川(4年・F)のドライブなど怒涛のオフェンスでリードを広げる。最終Qに入っても一度傾いた流れは変わらない。専修大がインサイドを重点的に攻め、速攻などでリードを広げるのに対し、鹿屋体育大はマッチアップゾーンを一向に攻略できずこのQわずか5点。最終スコア71-53で専修大が苦しみながらも鹿屋体育大を下した。

1試合を通してアウトサイドシュートが入り続けるということは稀である。昨年ならこの試合展開で専修大は気持ちを切らせ、勝機を自らの手で逸してしまうこともあった。だがこの試合を含め、延長までもつれ込んだリーグ戦の中央大との試合でも「我慢」して勝機を待つことができたというのが、このチームの一番の成長ではないだろうか。いや、鈴木の言葉を借りれば「我慢」ではなく「余裕」なのかもしれない。今シーズンの専修大は劣勢でも時おり笑みを浮かべることがある。

081202FUKUDA.jpg惜しくも敗れはしたが今後の可能性を大いに期待させられる鹿屋体育大。ここまで目覚しい活躍ができたのは福田コーチの存在抜きには語れない。驚くべきことに福田コーチは就任してまだ1年目の若手コーチ。「プリンストン・オフェンス」という身長が低いチームがやるオフェンスを勉強したくてアメリカへ留学、そして今年コーチ就任に至った。
サイズと能力を兼ね備えた選手が関東に集中し、インカレでは関東のチームがベスト8を独占することが多い昨今。関東に比べキャリアのある選手が少ない地方のチームが勝つことは至難の業だ。しかし鹿屋体育大が魅せたプリンストン・オフェンスは地方のチームにも「サイズと能力で劣っていても戦える」ことを示した好例となったはずだ。
鹿屋体育大は今年のスタメンが4人も来年残る若いチーム。福田コーチは言う。「インカレを自信といい経験にして、次に向けて強化を図っていきたいと思います。この1年間、アメリカで学んだことをベースにチームにうまくアジャストさせて、『鹿屋のプリンストン・オフェンス』とでも言うようなものを作ってきたんですが、今も未完成で、選手と『ああでもない、こうでもない』って話したり毎日毎日勉強しています」
まだチームは発展途上だ。次のインカレにはどんなチームになっているか楽しみである。



「いつも通り我が道をゆく」
専修大にあるのは気負いのない自信と余裕

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◆#22鈴木正晃(専修大・4年・G)

リーグ戦では他チームが警戒する中、力強いドライブに磨きをかけ躍進を支えた。インカレでも彼の活躍なくして優勝は見えてこない。今や専修大になくてはならない存在となった。

―今日の試合を振り返って。
「まぁ、振り返って、勝てて良かったなという感じですね」

―鹿屋体育大は大東文化大に勝った相手ですが、どういった印象でしたか?
「やっぱり勢いづいてきていると思うので、最初は競るかなと予想はしてました。やっぱ後半は4年生全員で出たんでいい試合をできましたね」

―前半は相手のゾーンディフェンスに苦戦しましたが、専修大としては予想外だったんじゃないですか?
「そうですね。最初からゾーンで来るとは全く予想していなかったんでやりにくかったですね」

―オフェンスでも同様に外が空いたらすぐ打ってきたり、外についたら空いてるスペースに走りこまれたり、かき回されたという印象を受けました。
「そうですね。やっぱ3番(新垣)と1番(小野)の2ガードがうまかったですね。後半はそれに慣れてきてディフェンスもしやすかったんで。マッチアップゾーンに変えてやりやすかったですね」

―マッチアップゾーンはこの試合で出すつもりだったんですか?本当は準決勝まで取っておきたかったのではないですか?
「いや、それはわからないですね。監督が決めることなんで。別に準決勝まで取っておこうとか、関係ないんじゃないんですかね。そこらへんは僕はどうでもいいことなので、言われたらやるということなので」

―前半と後半は雰囲気が全然違いましたが、ハーフタイムになにか話しとかはあったんですか?
「特になかったですね。やっぱり気持ち入れてやって、良くなったらどんどん勢いがついて良くなるんで。前半と後半では別のチームに見えると思うんで。でも前半もまずいなとは思いましたが焦ることもないし、後半ができればいいだろうっていう感じでやってますから」

―前半と後半で何が一番違いましたか?
「やっぱ落ち着いてプレーできことが、勝ちに繋がったんだと僕は思います」

―今年の専修大の特徴でもあると思うんですが、厳しいゲームになっても大崩れしないですよね。
「やっぱり4年生5人出てると、それなりに自信はありますね。そう簡単には崩れないという。だからいつも自信持って負けん気でやれば結果はついてくると思うので」

―本当に5人が余裕を持ってプレーしていますよね。
「それは周りにもよく言われるんですが、なんでですかね?(笑)僕にも良くわからないですけど。なんかみんな平然としてやってますよね。それはなんかチームが勝手にみたいな(笑)。なんとかなるだろうみたいな。別に焦ったりしないんで、いい性格ですよね(笑)。競って崩れたりもしないし。そこはキャプテンの啓士朗(#0堤)がしっかりしているんで。啓士朗がいるんで崩れはしないと思いますね」

―自信というのは自分たちが強いという意識から来るんですか?
「んー、でも自信があるから崩れたりしないと思えたりするんですかね。いつも負けない気持ちですね。それは自信ありますね。4年生もそうだし、他の2年生、3年生出ても。やっぱりキャプテンがしっかりしているんで、みんなそれについていって。昔に比べたら自信はつきました。あと周りが応援してくれるんで頑張らなきゃって。ベンチに入れないやつも必死に応援してくれるんで、負けちゃいけないんだなと思いますね」

―あととにかく楽しそうですよね。
「そうですね(笑)。多分どのチームよりも楽しいと思いますよ。やっぱり余裕ができて乗ってくると面白くなって」

―青山学院大とのリーグ戦で鈴木選手がファウルアウトしたときも、増川選手が笑ってましたよ(笑)。
「なんかみんな余裕があるみたいで。なんなんですかね?僕にもわからないです(笑)。去年は別にそんなこともなかったですけどね。今年は笑って流せるようなところはありますね。普段からも寮なんで一緒なんですよ。だから帰ったらみんなでご飯食べて、夜中ゲームして、寝て起きて、練習してって(笑)。仲いいんで、そこは他のチームと違うところかなって」

―今大会に対する想いというのはどういったものですか?
「想いですか?やっぱり大学生最後のバスケットですから悔いの残らないよう頑張っていきたいなと思ってますね。まぁ、普段通り。特別な気持ちがないわけではないですけど、やっぱり気持ちよくプレーして引退したいなと思います」

―次の相手は愛知学泉大と同志社大の勝者ですが。
「そうですね。学泉は試合見たんですけど、まぁなにも気にせずいつも通り、我が道を行く(笑)。そういう感じです」




「チームメートがいいところにいてくれただけ」
九州に眠っていた自然体の逸材

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◆#7中村大輔(鹿屋体育大・2年・PF)

高校までのキャリアで、全国を経験したのは高校3年生のときに地元・兵庫で開かれた国体のみ。そのときはスタートを務めたものの、目立っていたのは松崎賢人(現・拓殖大)&高松英二(現・京産大)の育英高コンビだった。だが、昨年のインカレでは3位入賞した大東大を相手に22得点10リバウンドとルーキーとは思えない存在感を発揮する。そして今年の大東大戦、専修大戦では高さの不利を消す合わせのプレーを連発してみせた。「高校はワンマンチーム。鹿屋に来て変わったのは…アウトサイドシュートを練習したりとか、それくらいです」ともともとバスケIQは高かったようだ。上級生となる来年、再来年が楽しみな選手が現れた。


―お疲れ様でした。2試合ともフル出場でしたね。
「ま、きつかったですけど…もう慣れっこなので大丈夫でした(笑)。去年もインカレに出させてもらったので、そのときは少し緊張もあったんですが、今年はこの雰囲気にも慣れていつも通りできました」

―この専修大戦では1回戦の大東大戦と変えたところはありますか?
「専修さんは高さがあるので、シュートのタイミングを変えたりとか…そのくらいです。あとは自分達の得意なプレーをやっただけです」

―合わせのプレーは絶妙でした。
「いやいやいや、そんなことないですよ。ただチームメートがいいところにいてくれただけです」

―1回戦に続き、前半はリードして終えることに成功しましたが、その要因はなんだったと思いますか?
「僕らのチームはバックカットを中心にオフェンスを組み立てているんですが、専修さんのディフェンスがマンツーマンだったのでそれが効いたんじゃないかと思います。でも、後半に入ってからゾーンをひかれて、一気にやられてしまいました。ゾーンは苦手というわけではなかったんですが、相手の高さにちょっと引いてしまった部分があったのかなと思います」

―それをどう打開していこうとしたのでしょうか?
「引いて、アウトサイドのパスばかりになっていたので、ドライブで切っていこうと話していました。でも、その辺りは相手が上手かったです。後半は点数が取れなくて苦しみましたね」

―#3新垣選手がファールトラブルで思い切りできなかったのも大きかったのでは。
「それもありますね。ベンチから出るのはいつもアウトサイドで1人、インサイドで1人くらいなので。でも、コートに出ているのは5・6人ですけど、周りからのサポートだとか、ベンチからの声だとかがあってこその僕ら5人のプレーだと思うので、チーム全員で戦っているという意識で戦っていました」

―確かに応援は力強かったですね。全員の力で関東3位の専修大といいゲームができたことを、今後にどうつなげていきますか?
「確かにいいゲームが出来たんですけど、できれば勝ちたかったです(苦笑)。来年はスタート5人のうち4人が残るので、今のオフェンスを継続してやっていくのと、あとはゾーン対策をしっかり組み立てて臨みたいと思います。今日は負けてしまいましたけど前半は勝っていたっていうので悔しくて。その悔しさをバネに、どんどんレベルアップしていきたいなと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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