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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.11.29 (Sat)

【2008インカレ】11/29一回戦 青山学院大VS立命館大

1回戦から青学大を追いつめた立命館
後半力尽きるも粘りを見せ、会場からも拍手

青山学院大学68(17-12,5-12,23-15,23-18)57立命館大学
081129ritumei4.jpg関西3位の立命館大が青山学院大を苦しめた。
関西のチームが一回戦から優勝候補を脅かす、という構図は2004年の甲南大の活躍が思い出される。その年の優勝候補の一角だった専修大に前半から大量リードを奪い観客の度肝を抜いた甲南大。3Qで専修大の逆襲に遭うも、6点差での敗北は記憶に残る。

2001年以来のインカレ出場を果たした立命館大の戦いもまた、優勝候補に対してそうした関西勢の頑張りを感じさせる試合となった。徹底したゾーンディフェンスを展開し、リバウンドでも青学大#8荒尾(4年・C)を自由にはさせず、アウトサイドも狂わせた。オフェンスも粘り強く打ち続け、青学大に食い下がった。ユニホームに身を包み、チームを後押しする応援団もまた、素晴らしい一体感を見せる。次第に会場全体をも巻き込んでいった声援は、あと一歩で奇蹟が起きるのではないかと思わせる熱い気持ちに満ちていた。

試合は3Qにつけた差を青学大が守った。しかし試合が終了した瞬間、会場全体からわき起こった惜しみない拍手は立命館大の全員にしっかりと届いただろう。

写真:終盤はファウルトラブルに悩まされた立命館。しかし勝ちたいという気持ちが強く見えた。

※試合のレポートと立命館大の応援リーダーのコメントは「続きを読む」へ。

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【GAME REPORT】
081129watanabe.jpg青学大の3Pが9/36の25%、フリースローは17/33の51.5%とはなんとも寂しい数字だ。リーグ戦で東海大に1敗した際も3Pはたった3本に終わったが、それでもフリースロー確率まで落とした訳ではない。序盤から立命館大のディフェンスに対して青学大は攻めあぐねた。ゾーンを割れず、外れたアウトサイドのリバウンドを#8荒尾(4年・C)より先に立命館大の選手がつかむ。「青学大も1回戦というのがあっただろうし、うちも選手が頑張ったおかげで思ったより前半通用した」(立命館大・浅村コーチ)との言葉通り、こぼれ球に絡むのも立命館大が先、ハーフコートが作れない青学大はたまりかねてアウトサイドを打つが、なかなか当たりがこない。青学大がゾーン攻略に難ありと知って対策してきた結果だった。2Qはたったの5点、と青学大とは思えないような数字に終わったほか、24秒オーバーを犯すなど、持ち味の足を使った攻撃は前半なりを潜めて22-24と出遅れた。

立命館大は#15田中(3年・SG)を中心に、#5西原(2年・SF)との両名で得点を引っぱる。強気の田中は#0橋本(2年・G)に果敢にも1on1を挑むなど、攻め気十分。しかし受けて立つ橋本もその挑発をスティールで返し、観客からどよめきも起こした。とはいえ、周囲を圧倒する立命館応援団の声援はチームを勢いづける。思わず普段は静かな青学大ベンチからもディフェンスコールが起こるほどだった。思うように攻撃できない中、普段は淡々とした青学大の選手にも明らかにフラストレーションがたまっていくのが見えた。

しかし青学大がこれで終わる訳はない。ポイントとなったのは3Q。立命館大が25-30と5点のリードに成功するが、ここでようやく青学大も本気を出す。高い位置からのプレッシャーディフェンスを仕掛け、立命館大から次々とターンオーバーを奪うと一気に逆転。#8荒尾が速攻から2本の豪快なダンクも見せつけた。立命館大は「前半イーブンでいければ、後半は勝負をかけて3Qにディレイドからトランジションにするつもりだった」(浅村コーチ)と言うが、逆に青学大に仕掛けられてフロントコートにボールを運べなくなってしまい、気が付けば3分ほどで青学大が13点のリードを奪う結果に。しかし青学大にここまで見せつけられると通常なら息切れしてしまいそうなものだが、立命館大は簡単にはあきらめなかった。終盤までアウトサイドは落ちず、粘りは健在。ファウルトラブルでインサイドの選手が次々姿を消したが最後まで戦う姿勢を見せた。破れはしたが、堂々とした戦いぶりだった。

081129tanaka.jpg「本当に途中でダメかと思った」#7渡邉(3年・G)も冷や冷やものだった1回戦。「速攻なんて荒尾さんのダンクのところしかない」と振り返った。渡邉のシュートがなんとかリズムを作ったが、40分出場の#23湊谷は3Pが0/7、フリースローも0/4とほめられる数字ではない。初戦から手の内は見せたくない思いがチームにあったかどうかだが、しかしこれで緊張感は出たはず。次の戦いでどういった切り替えを見せるかに注目したい。

破れた立命館大の浅村コーチは「青学はさすがだった」と振り返った。「ビデオも見ましたが、相手がどうというより自分たちが相手に対してどういうことができるかを視点にやってきた」と語る。今年チームを率いて4年目、中学の指導者から大学のコーチとなり、「周りの人に評価をもらえるチームを作りたい」という方向性で指導に取り組んできた。試合後、選手の保護者が次々に感謝を述べにやって来たことからもその「評価」がうかがえる。主力は下級生、この戦いを糧に「来年は日本でトップを目指します」と力強く締めくくった。

冒頭の甲南大の健闘について、当時のエース川辺泰三(現JBL三菱)は「慶應大が専修大に勝った試合のビデオを何度も見て研究した」と、徹底した対戦相手対策があれば関東の強豪にも対応可能であると語っている。立命館大も青学大に対してはゾーン、と徹底して臨んできた姿勢が見えた。地方校が関東上位を切り崩すには壁は高いが、取り組み次第では光明も見えると改めて感じさせる試合だった。

・青学大  #7渡邉24点、#5小林高晃13点、#8荒尾13点8リバウンド
・立命館大 #5西原19点、#15田中17点


「最後にみんなが応援してくれて嬉しい」
一体感ある応援が会場の共感を呼んだ

チーム応援席を埋め尽くした応援団は、皆が濃いえんじ色のユニホーム上下を身にまとっていた。
「すごい、全員が試合に参加している」
それを見た他チームの選手たちも、驚いて思わずつぶやくほどの壮観な眺めだった。試合が始まれば全員が立ったまま声を出し続けた。24秒が迫ると全員でコールし、ミスが出ても「大丈夫!」と声が飛ぶ。応援リーダーである比嘉友介選手に聞いた。これが全国大会の特別な応援ということではないのだそうだ。
081129HIGA.jpg「リーグ戦からもこういう風にユニホームを着て応援するという形ができていて、関西でもいい評価をもらっています。ここ1、2年でこういう応援が形になってきたんですけど、特に意図したりとか練習をしてこうなってきたという取り組みではなくて、チームが勝ちに向かう課程でああいう風に築いてきました。ミーティングも特にやっている訳でもないし、自然にできたものです」

試合に出ていなくてもチームの一人として選手を後押しするということは、分かっていてもそうそう形にしているところはない。それが自然にできていることがチームの力にもなっているだろうし、こうした雰囲気は関西3位と躍進するきっかけとなったコーチのお陰もあると言う。
「しばらくうちは関西でも下位にいたんですが、浅村コーチが来てから色んなところに手をつけられて、応援も重要なんじゃないかというのがコーチからもあったし、チーム全体からも意見が出てきたんです。きっかけを挙げるとすれば、コーチがそういう雰囲気を持ち込んでくれたことだと思います」

081129ritumei2.jpgとはいえ、久しぶりのインカレだから、と特別な応援を意識していた訳でもない。「それも不思議で、特にインカレだから応援も気合いを入れてやろうとか、そういう感じじゃないんです」と立命館にとっては常にこれが自然、デフォルトの姿だと言う。形にはまらない、それでいて柔軟に声援が出る姿は確かに形式にとらわれず、気持ちがこもっている。
「やりたくてやってる。決まった応援の言葉がある訳でもなくて、ディフェンスのとき以外はその場のアドリブです」

そして自分たちの応援が確かに、チームの後押しをしている要素だとも自負する。「応援が大事というのはあると思う」とし、チームをこう評してくれた。「チームとして戦えるのが立命館。弱い部分もあるけど、そこを補いあっていく。関東みたいに能力のある選手はいなくても、5人でバスケットをやればいけるというものが実践できているチームです。今日は残念でしたけど、こうやって伝統になっていってくれればと思います」
チームカラーも応援も、継承こそが大事と考えているようだ。

「今日は最初は僕たち応援団だけでやっていたけど、だんだん周りの人も応援してくれるようになった。それが一番うれしかった」最後にその部分だけ、語る表情がゆるんだ。敗戦は残念だったが、アウェイの地で観客の共感を呼んだことは大いに誇りにしてもいい。こういうチームが「チームMIP」を獲得する資格があると感じさせられる姿だった。
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写真上・中:最前列、右から4人目が応援リーダーの比嘉選手。
写真下:最後までコートの選手を励まし続ける応援団の姿があった。


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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