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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.11.26 (Wed)

2008リーグ戦2部最終総括

毎週見逃せない戦いが続いた2部リーグ
結果を出したのは慶應大と筑波大

081126suzuki2.jpgある意味1部よりタフだとされる2部リーグ。今年は春のトーナメントでも上位に食い込んだ上位チームが例年以上に熾烈な戦いを繰り広げ、また予想外のチームがリーグをかき乱したことで見応えのある2ヶ月となった。

2部リーグの特徴は一試合も気が抜けないことだ。2位までの入れ替え戦、5位までのインカレ出場権、6位になればリーグ戦での引退を意味し、7位以降は3部との入れ替え戦が待ちかまえる。現状維持しやすい1部と違い、こうした全く容赦のないリーグ構造が2部を面白くし、選手たちの歓喜や涙といったさまざまな気持ちの入り交じったプレイがファンをリーグに引きつける。チームと観客がより近く、一体となれるのが2部リーグだと言えるだろう。

慶應大が絶対的決意で成し遂げた1年での1部復帰、筑波大の悲願達成、国士舘大旋風など多くのドラマが今年も2部リーグで生まれた。

写真:入れ替え戦でようやく心から喜びの表情を見せた慶應大・鈴木。重い荷物を背負った1年だった。

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成長の跡が見えた慶應大と筑波大
081126keio.jpg1位でリーグ戦を通過、見事1部復帰を遂げた慶應義塾大。チーム全体の成長がこの結果につながった。昨年、ルーキーで試合経験が少なかった#16二ノ宮(2年・G)は、主将・加藤の負傷離脱の後、チームをどうリードするべきかとまどい、日本代表でもあった大黒柱・竹内公輔(現JBLアイシン)から代替わりしたセンター#7岩下(2年・C)には2ヶ月を戦い抜く体力と技術が備わっていなかった。結果的にチームは#10小林(3年・G)に頼らざるを得ない格好となり、対戦チームにもそれを見ぬかれ、結果を出せず2部降格となった。

今年は二ノ宮・岩下・酒井の2年トリオが試合で安定した力を発揮できるようになり、#12田上(3年・F)が頭角を現したことでこれまで小林に一極集中していたバランスの悪さが解消された。「精神的なタフさが他のチームより弱い」と主将・鈴木081126SUZUKI.jpgが評したように、苦手意識のある明治大戦では2連敗し、2点差の勝利だった白鴎大戦のように若さや緊張感の不足を露呈した試合もある。それでも昨年に比べれば悪い展開でも盛り返せるタフネスは段違いだ。第1戦での国士舘戦では昨年なら到底できなかったと思わせる逆転劇もあった。過酷な2部を乗り切ったことで精神的にも鍛えられただろう。成長をよく表しているのがオフェンス面の数字だ。昨年は加藤の離脱以降勝った試合でも80点を取るのがやっと、負けた試合はほとんど60点台だった。今期は春から80~90点台をコンスタントに取れるようになり、さらにリーグ戦では実力差を見せつけ100点ゲームを連発した。12勝2敗で1位通過、入れ替え戦も余裕で2勝して堂々の1部復帰となった。

また、大きなケガ人を出さなかったこともリーグを勝ち抜いた要因だ。昨年は主将のみならず田上、小林、岩下ら負傷者が連鎖したが、今年は専任のトレーナーを確保して目立った負傷もなく乗り切った。1部も2部もケガ人を大量に出したチームは結果を出していないだけに、これも大きな要素だったと言えるだろう。

この成長の要だったのが主将の鈴木(4年・F)。1年から試合に起用されてきたが、今年はチームの精神的支柱としてなくてはならない存在となり、コートに鈴木の姿がないと統率が乱れることもしばしばだった。常に声を出してチームを鼓舞し、劣勢ではひたむきなプレーでチームを救う。“これぞ慶應”というスタイルを主将自らが体現していたリーグ戦だった。

081126yanagawa.jpg2位は筑波大が食い込んだ。序盤、近年星を分けていた拓殖大に対し連勝で弾みをつけ、中盤の国士舘大戦では黒星をつけられるも、次週の順天堂大戦ではしっかりと立て直して再び連勝街道を走った。ポイントは慶應大に対する連敗が尾を引かなかったことだろう。これまでの筑波大は終盤に負けが出るとそれを引きずる傾向があったが、迎えた最終週の明治大戦ではその影響は感じられなかった。接戦が予想されたが試合は序盤から筑波大がリード。後半追いつかれるが#31梁川(4年・G)を筆頭に積極的にオフェンスを仕掛けて勝利。筑波大はこのまま第2戦も制して、念願の1部復帰への挑戦権を手に入れ、日体大との死闘の末に1部復帰を遂げた。

今年のチームは切り替えの面で向上が見られた。比較的大人しいチームだが、梁川のアグレッシブなプレイがチームを引っ張った。時には強引過ぎるドライブもあるが、チームを変えるには必要不可欠な部分もあった。「梁川が引っ張っていってくれた。僕らはそれについていった」#47富田(4年・F)。やはり、梁川の強気なプレー無しでは筑波大の成長は語れない。もちろん梁川だけではなく、#5中務(4年・F)ら4年も昨年以上に安定感が増し、強い気持ちを持ってプレイした。また、大きく成長した#13片峯(3年・G)、#45鹿野(3年・F)はなくてはならない存在になった。ベンチでチームを盛り上げている#20川口(4年・G)や#99加納(1年・C・安城学園)ら、他のチームメイトたちも大きな力となった。それぞれがそれぞれの役割を果たしたこのリーグで、筑波大もまた大きく「成長」を遂げたのだった。

写真上:エース小林も昨年よりムラがなくなり、安定感が高まった。ポイントランキングも3位。
写真中:主将・鈴木は高校での華々しいキャリアはないが、大学での研鑽が良い選手を育てるという見本だ。
写真下:言葉というより、プレイで引っ張る梁川。こうした姿勢がチームの軸となった。



怪我人の存在が分けたチームの明暗
081126miyagi.jpg拓殖大と順天堂大は主力のケガがチームに大打撃を与えた。拓殖大はエース#21寒竹(4年・F)が2週目の対筑波大第2戦で負傷退場。その後の12試合全てを欠場し、#1宮城(4年・G)以外は下級生という若いチーム編成に。序盤は#22松崎(2年・G)の思い切りの良さが光るも、後半はマークも厳しくなり、思うようなプレーができなくなった。絶対的得点源がない拓殖大は厳しい戦いが続き、若さ故か崩れたときには踏ん張りが利かなかった。「足りないものが多すぎた」(宮城)とリーグを振り返った拓殖大は昨年同様インカレ出場を逃したばかりか、7位転落で3部Aとの入れ替え戦という現実を突きつけられた。入れ替え戦で2部残留を決めたが、来期に向けて課題は多い。

順天堂大は主将でエースの#4綿貫(4年・F)が第1週の1戦目でケガ。こちらも得点源を失い、攻めどころがなくなってしまった。春のトーナメントでは6位という好成績を残したが、リーグでは黒星が続き早々に入れ替え戦行きが決定。しかし終盤に綿貫が復帰してからは「楽しんでやろう」という姿勢のもと、試合に取り組む。結果、勢いが生まれて白鴎大から1勝を奪った。2部8位という結果は決して満足のいくものではないが、久々に2部復帰した順天堂大にとっては来年に生きる経験となったに違いない。

白鴎大はエース#00藤江(3年・F)、早稲田大は点取り屋#11井手(2年・SG)をはじめ終盤には主将#4赤沼(4年・F)、エース#21山田(3年・SF)が相次いでコートを去る形に。チームはやむを得ず編成変更を強いられた。それでも彼らの代わりにスタートを務めるようになったサブメンバーが台頭し、この2チームには希望の光が見えた。

081126chiba.jpg白鴎大は#29徳丸(4年・F)がスコアラーとなり、得点面でチームを大いに引っ張った。終盤には、オン・コート・ワンのルール採用によりインサイドでの起用が増えた#5千葉(3年・F)のほか、#10田中(2年・G)、#64黒川(1年・G)が奮闘。インカレ出場こそ逃したが、拓殖大に連勝し見事入れ替え戦を回避して6位。早稲田大は#00金井(2年・SF)、#51相井(2年・SG)の活躍が光った。金井は貴重な得点源として、相井はシューターとしての実力を発揮すると共に、明治大戦で#14金丸晃輔(2年・SG)に対して好ディフェンスを見せ、勝利に大きく貢献。5位に滑り込みインカレ出場を決めた。この2チームは特に下級生の成長が顕著で、来年以降に繋がる明るい材料を発見できたといっていいだろう。

怪我人続出で終盤の大事な試合で苦しんだのが明治大だ。序盤から勢いがあり、#14金丸晃輔が毎試合のように30点以上を叩き出し、また他の選手も昨年以上に攻め気を見せてどこからでも得点の取れる「チーム」になっていた。そんな明治大を、慶應大や筑波大も意識していたが、終盤の入れ替え候補チームとの戦いが続く中でケガに悩まされた。まずは司令塔の#6伊與田(4年・PG)が対慶應大の第1戦で負傷。翌週の入れ替え戦進出のかかった筑波大戦には出場できなかった。また、その筑波大第1戦ではインサイドの柱としてチームを支えてきた#3金丸英悟(3年・PF)が終盤負傷退場。また、エースの#14金丸晃輔も筑波大#5中務(4年・F)のディフェンスと高校時代以来だったという怪我のせいで本領発揮できなかった。彼らの代わりに#24岩澤(3年・G)、#31駒水(2年・C)らが奮闘するも、筑波大の気迫の前には及ばず今年も明治大は入れ替え戦進出には届かなかった。「怪我人が出たから負けたという言い訳はなし」と金丸晃輔は口にしたが、終盤での怪我がチームの勝敗に大きく響いてしまったことは否定しがたい事実だ。

写真上:拓殖大・宮城も中盤では下級生とプレイングタイムを分け合い、常にコートで存在感を出し続けることは叶わなかった。
写真下:外国人選手はコートに1名しか立てないというルールで、フィルユン、サインバヤルが交互にしか出られなくなった白鴎大。その中で出番を得た千葉には懸命さが見えた。



入れ替え戦候補に襲い掛かった国士舘大
081126TACHIBANA2.jpg春のトーナメントでは初戦敗退、2部の中で最も早く姿を消したのが国士舘大だった。だが、リーグ戦ではその国士舘大が2部リーグの重要なカギを握る存在となった。

「国士舘は怖い」
こんな印象を他のチームが持つきっかけとなったのは、第1週の対慶應大の第1戦だった。トーナメント3位、新人戦5位と春シーズンから評価は高かった慶應大が第1週から延長戦。それも、国士舘大にペースを握られる「試合としては最悪」(慶應大#4鈴木)のゲームだった。勝利こそ得たが、この戦いは他チームに「国士舘大は怖い」と思わせるには十分だった。また、国士舘大は早稲田大戦を連勝で飾り実力を証明、軌道に乗った。

リーグ中盤になると筑波大、明治大がそれぞれ国士舘大の餌食となる。筑波大はホームゲームでの声援も手伝って1敗に留めたが、明治大は2連敗。入れ替え戦を目指すチームにとって、早い段階での「黒星」ほど痛いものはない。まして、明治大は主将#6伊與田によれば入れ替え戦までのプランとして「最初の4週は6割7割の力で勝たなければならない」というチームの方針があった。だが、国士舘大によってこのプランは見事に崩された格好となってしまった。

081126MA.jpg終盤は拓殖大に対する1敗のみ。だが序盤のような勢いは徐々に消えていき、下位チームを相手に苦戦を強いられた。試合を作る選手は、スターターと#10吉満(3年・G)の6名が主だった国士舘大は、拓殖大戦前にインサイドの要である#13馬(2年・C)が負傷。怪我人をカバーしきれないベンチの層も透けてしまった。終盤にかけて見えてきた「穴」。それでもチームはなんとか踏ん張り、リーグを通しての黒星は4つ。そして、2部3位。近年のリーグ成績では最も良い結果を残した。結果的には叶わなかったが、念願の「1部との入れ替え戦」の可能性を目前まで呼び込んだリーグだった。

2部を面白くしてくれたのはまぎれもなく国士舘大だ。インカレでは国士舘大同様、自由に楽しくバスケをする法政大との一戦が山となるだろう。似たもの同士のチームだけに面白い試合になりそうだ。国士舘大はインカレでも旋風を巻き起こせるか。

写真上:ペイント内にするりと入り込むかと思えば、がら空きのアウトサイドへパスを出す。そんな場面を何度も見せた立花。
写真下:リバウンド王・馬はトータル215本。2位の慶應大・岩下に対して61本もの大差をつけた。2部で200本を越えたのは2002年の明治大・黒田裕(現JBL2豊田通商)以来。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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