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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2008.10.29 (Wed)

10/29 関東大学入れ替え戦 拓殖大VS関東学院大

前半は互角の展開も、後半はワンサイドゲームに
意地を見せた拓殖大が2部を守りきる

拓殖大(2部7位)115(26-25,28-23,21-9,40-27)84関東学院大(3部A2位)
081028nagai.jpg2部に残りたい拓殖大と2部に上がりたい関学大。
それぞれが強い気持ちを持って臨んだこの入れ替え戦。前半は互角の展開になる。拓殖大は、この負けられない試合でようやくコートに立った#21寒竹(4年・F)のシュートを始め、5人が小気味良くシュートを決めていく。対する関学大は、もちろん#1パプ(2年・C)で応戦。高さを生かしてゴール下を支配し、次々と得点を奪う。また、外からは#16高杉(3年・F)や#13山下(4年・F)の3Pが決まる。1Qはこのまま競った展開が続いた。2Qの立ち上がりに関学大#1パプがバスケットカウントで関学大がリードを奪うが、拓殖大も#22松崎(2年・G)がすぐさま決め返して、依然として競り合う。だが、拓殖大は#21寒竹の2つのバスケットカウントと、3Pでじりじりと点差を離していく。関学大は#1パプがなんとかゴール下で粘って、前半終わって54-48。終盤に決まった#21寒竹のシュートで拓殖大が6点リード。

ハーフタイムもスタート5人を集めてミーティングを行っていた拓殖大。後半へ向けても抜かりはない。立ち上がりからゾーンディフェンスを仕掛けて、関学大を苦しめる。オフェンスでは#1宮城(4年・G)のスティールから生まれた#21寒竹の得点をはじめ、#3宇佐美(3年・G)の3Pも決まってリードを広げる。対する関学大は、拓殖大ディフェンスの前に苦しんで3分間無得点。3Q中盤、拓殖大#21寒竹の得点が決まると、点差は9点に。関学大はタイムアウトを取るが、流れは変わらない。ここから拓殖大は大きくリードを奪っていく。なんとか追いすがりたい関学大だが、#1パプがオフェンスファウルを吹かれ、ファウル4つ。なかなか思うように攻められず、リードは広がるばかり。4Qの立ち上がりに拓殖大#99長谷川(1年・F・能代工業)がスティールからダンクを連続で決めると、完全に拓殖大ペースとなった。#1宮城、#3宇佐美の高確率で決まる3Pはもはや止められない。関学大も#1パプや#32前田(1年・F・延岡学園)らが得点を重ねるも、点を取っても縮まらない点差に徐々に集中力を欠いていく。残り2分、拓殖大はベンチ入りしていた4年生が全員出場。#51下中(4年・F)は得意のダンク、#44山田(4年・G)は3Pを沈めて拓殖大ベンチは大盛り上がり。結果、115-84で拓殖大が快勝。2部残留を決めた。

かつては1部リーグ所属、2002年に2部リーグに降格してからは、なかなか結果が出せなかった拓殖大。その後も見る見るうちに沈んでいき、今年は遂に3部Aとの入れ替え戦を経験することに。高校時代は全国制覇、全国準優勝という#1宮城、#21寒竹というキャリアのある選手がいながらも、チームは苦しい戦いを強いられた。何がそうさせてしまったのかというのは宮城がインタビュー内で語っている。
残留を決めた瞬間、拓殖大の面々は歓喜の声をあげた。だが、「自分はやらなくてはいけないことをやっただけ。出来は普通」と主将・宮城が言う通り、この入れ替え戦での勝利というものは決して満足できる結果ではない。2部昇格を目指しているチームはたくさんある。それを今回、目の当たりにした拓殖大はこのことを忘れてはならない。そして、来シーズンも2部でプレーできるということ。これがどういうことだかを重々理解して来シーズンに臨んで欲しい。

※拓殖大・宮城選手、関東学院大・山下選手、パプ選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】
081029miyaagi.jpg◆#1宮城 徹(拓殖大・4年・主将・G)
時間が経つにつれて離れていく点差。他の選手が勝利を確信し始める中、最後まで必死にコートを走っていたのは宮城だった。最後は笑顔も見えたが、試合内容、そして何よりこの入れ替え戦に回ってしまった現実は決して満足できるものではない。だから、この試合に関しては「良かった」という言葉は一度も口にしなかった。逆に「もっとこうしておけば良かった」と何度も出てきたフレーズが4年間を象徴する。宮城は口べたな部分が災いしてか、チームの中でも声を出して自己主張するまでに時間がかかり、マスコミに対しても常に好意的とは限らなかった。顔つきが変わったと思わせたのは最近のことだ。
4年間を通してチームはなかなか結果が出せなかった。だが、精神面を含めて自分が足りなかった部分に気づき、成長できた面もあると感じている。それだけは胸を張って「良かった」と語った。

―試合を終えて。
「かなりホッとしました…(苦笑)。でも、自分はやらなくてはいけないことをやっただけ。出来としては普通です」

―リーグ最終週の白鴎大の連敗からこの日まで、どのように気持ちを持っていきましたか?
「負けたことは忘れて、『今できることをもう1回一人ひとりが確認しよう』という話をして。みんなは気持ちの面ではしっかりと切り替えられていました。あとはとにかくやるしかないんだから頑張ろうよということを話して、今日まで練習してきました。今日は一人ひとりの気持ちも充実していたと思います」

―リーグ中はずっと『自分達のバスケがしたい』ということを言っていましたが、今日はそれができましたか?
「出来ていた部分もあります。でも、今日はたまたまみんなシュートが入っていただけだから…何とも言えません」

―インサイドの永井選手(#42)と小野選手(#53)は関学大のパプ選手(#1)相手に良く頑張っていたと思うのですが。
「そうですね…。頑張っていたんですけど、もうちょっと頑張ってほしいなというのはありました」

―リーグ中から思っていたのですが、宮城選手はチームメイトを褒めませんね。
「まだ本当に力が足りないんですよ!だからそう簡単には褒められないです。それはもちろん個人の出来についてもなんですが」

―この試合では寒竹選手(#21)も戻ってきました。最後はベンチに入った4年生全員でプレーすることもできましたね。
「寒竹に関しては、リーグ中はコートに4年生が自分1人だけでキツかったので、寒竹がいることで気持ちも楽だったし、自分もいいプレーができました。最後の4年生全員が出たときは、とりあえず楽しくやろうって感じでやっていました。(楽しかったですか?)楽しかったです(笑)。4年生については、みんな一生懸命なところもあったんですけど、やっぱりもうちょっと頑張って欲しいなっていう部分もあったりしたのは確か。今思うと、もっと4年生同士で話をできたらよかったです。もちろん話していなかったわけではないんですけど、足りなかったですね」

―後半、離したもののやはりまだ油断はできないという気持ちはありましたか?
「それは本当にありました。4年生が全員出たときにようやく楽になったというか。それまでは本当に怖かったし、いつ追いつかれるのかと気の抜けない試合でした」

―リーグの2部7位という結果は拓殖大の在るべき結果ではないと思いますが、なぜこういう結果が生まれてしまったと思いますか?
「去年もそうだったんですけど、新チームが始まるときにチームで直すべきところを徹底して直すことが出来なかったんです。これがきちんとできていたら結果も変わっていたと思います。もっとしっかり徹底することができたら…と今は思いますね。注意1つにしても普通に言うんじゃなくて、自分が熱くならないと伝わらないんですよね。普通に言うだけじゃ、言ったときだけしかやらない。厳しく言うことによって継続する力がついてくる。でも、それに気づくのが遅かったですね…」

―宮城選手が熱くなって怒るという姿がまったく想像できないのですが…(笑)。
「そうっすよね…(笑)。熱く言わないと伝わらないなって思ってからは結構ガンガン言っていましたよ。そうやって言うとみんな頑張ってくれるし。いつもじゃないですけど、『こうしなきゃダメだ』というところは特に熱くなって言っていました。今思うと、他の4年生にももっとそういうのが欲しかったですね…。今年の4年生は優しかったし、池内さん(池内監督)もあんまり怒らない。それがチームにとって良いのか悪いのかと言ったら、やっぱりあまりよくなかったんじゃないかと思います。怒らないとやらない選手もいるし、もっと厳しく言うべきでした」

―今思うと、「もっとこうしておけばよかった」ということが多いということですね。
「その通りです。本当に多いっすね…」

―大学の4年間は高校の3年間とは違ってとても苦しい4年間だったと思うのですが、振り返ってみていかがでしょうか?
「そうですね…。結果は全然出せなかったんですけど、自分的にはいろんな面で成長できたところがあるかなって思うので、それはそれでよかったです。前までは思ったこともあまり周りに喋れなかったし、池内さんともあまりコミュニケーションを取ろうとしませんでした。特に下級生の時は、思っていることはたくさんあったのに全然言わなかったし、言えませんでした。それで自分のプレーも上手く行かなくて…。『思っていることを言ったほうが自分のためにもチームのためにもなるのかな?』っていう風に思い始めてから少しずつ言うようになりました。そして、3・4年になってからは周りにも言えるようになったし、怒るところは怒るようになりました。プレーの面では余裕をもってプレーできるようになったことが成長したと思えるところです。周りに気を配りながら自分も頑張りつつ、みたいな。そういう意味では自分的には成長できた4年間だったと思います」




081029yamasita◆#13 山下眞宏(関東学院大・4年・F)
3年生まで悩まされたケガを克服し、ラストシーズンの今年は見事スタメンに定着。コートに立つ貴重な最上級生として攻守両面でチームを支えた。
だが、この入替戦では無念のファールアウト。
「レベルが違った」
最後は悔しそうな顔でコートを見つめていたが、それを体感できたこの舞台に後輩たちを連れてこられたことは、本当に大きな働きだった。


―前半はついていきましたが、3Qで引き離されてしまいました。
「ホント悔しいですね…。最初は相手のディフェンスがマンツーマンだったから良かったんですけど、ゾーンが攻められなかった。練習が足りなかったとしか言えません。ゾーンをどう攻めるかは今後の課題です」

―リーグでゾーンディフェンスをやられたときとは違いましたか?
「リーグ中の相手とは技術的にも気持ち的にも全然レベルが違いました。僕らとしては決して油断ではないんですけど…“いけるんじゃないかな”ってちょっと思っていたのがだめでしたね」

―18点差で入った4Qは何から取り返していこうとしたのでしょうか。
「やっぱり僕らはディフェンスで勝ってきたので、ディフェンスをしっかりやっていこうと声を掛け合って入りました。それはできたと思います。でも、それ以上にオフェンスで攻められなかった。リーグでは入っていた外も入らなかったし、相手のディフェンスがよかったということです。来年2部に上がるには練習から変えていかないとだめだと思います」

―自身としては4年間の最後の試合で、ファールアウトとなってしまいました。コールされたときはどんなことを考えましたか?
「うーん…なんだろう。もう、しょうがないなって感じです。完全に自分の力不足だから」

―それでも、ケガを克服してスタメンをつかんだ今シーズンは自分にとっていかがでしたか。
「今までやろうと思ってもバスケットができなかったので、今年はその分もと思ってやってきたんですけど…もうちょっと、やりたかったです」

―この経験を、来シーズン後輩たちにはどう生かしてほしいですか?
「今年は試合に出る4年生が少なかったのですが、来年は上級生が主体になってできると思うので、特に尾崎たち新4年生がしっかりやってくれると思います。やっぱり4年生が強いチームは強いと思うから、来年こそは2部に上がってほしいですね」



081029papu◆#1パプ・ムール・ファイ(関東学院大・2年・C)
今シーズンはリーグ途中の出場停止というアクシデントがあったが、それを見事乗り越えて3部Aの得点王・リバウンド王をダブル受賞。何よりチームを2部入替戦まで導いてみせた。
きっとつらい時期もあっただろうが、こちらが問わなければ「色々あった」と笑うだけで弱音も愚痴も吐かない。
「それもバスケットの一部だし、上に行きたいから絶対にあきらめない」
この試合は3Qに引き離されたが、31点差の完敗をともにベンチから見つめた尾崎・高杉・原田らと力を合わせ、来シーズンもう1度"上"を目指す。


―悔しい結果になりました。
「そうですね。俺たちは3部Aの2位ですが、2部の拓殖大を相手に勝とう!と気合を入れてやりました。でも今日は外のシュートがなかなか入らなくて。リーグ戦では、立教大戦とか大事な試合でもよく入ったんですよ。自分も、拓殖大のゾーンを前になかなかボールがもらえなくて、全然1on1できませんでした。拓殖大は今日よくシュートが入ったし、いいディフェンスをしてきたので、それに勝てるようにまたゼロからやっていきたいと思います」

―それでもフィールドゴール21/26、47得点と自身の役割は果たしたのではないでしょうか?
「前にも言ったかもしれませんが、自分は1on1だったら何も怖くないんですよ。ただ、相手が2人3人と寄ってくるとちょっと厳しい。それにレフェリーも相手がアピールしたら吹くかもしれない。でも、それもバスケットの一部だし、これまでにも色々経験してきているから、周りはイライラすることもあるかもしれないけど俺は絶対にあきらめません。リーグで出られなかったときもいつか戻ってきてもっとやってやろうと思っていたし、今日も4ファールでもう1つ吹かれたら退場でしたけど、何より俺は上に行きたいからここでプレーをやめたら話にならないと思って、最後までちゃんとやりました」

―出られない試合もあった中で、よくチームを入替戦まで連れて来ましたよね。
「本当は、絶対リーグ1位になる!と思っていたんですけど、確かにアクシデントがありました。でもそういうこともある。自分がファールを吹いてもらえなくても、俺にケガさせたいとか俺が嫌いとかじゃないと思うし、逆に自分がわざとやったことじゃなくてもそう決まったなら仕方ないです。ただ絶対あきらめないってそれだけ思っていました。あの後、審判もちょっと俺に厳しくなりましたけど、その中でよく2位になれたと思うし、こうして入替戦に来られてよかったです」

―わざとではなかったのは見ていたのでよくわかります。それを乗り越えて入替戦に来られたことで延岡学園高時代のチームメートである拓殖大・永井選手とマッチアップできましたが、いかがでしたか?
「オーティスはやっぱり上手い。久しぶりに試合ができて嬉しかったです! 3年間同じチームでやってきたのに、大学の2年間は全然一緒にバスケができなかったから、今日この舞台で対戦できることが決まったときは嬉しかったです。勝負だから自分も勝ちたい、オーティスも勝ちたい。だけど友達は友達、バスケはバスケで全然違うものだから、こういうことがあっても俺らの仲は悪くなったりしません。オーティスが頑張っているのを見て、俺もすごく嬉しくなりました」

―この試合から、来年2部に上がるために取り組まないといけない課題は見つかりましたか?
「はい。このチームは3部Bから始まったチーム(昨年パプが加入したときは3部B所属)なので、勝とうという気持ちはあるんですが、技術的に足りないところがまだまだあります。例えばインサイドでは、拓殖大は今日寒竹を出してきましたが、今のチームではちょっと止められない。でも、だからといって俺がついたら今度はオーティスを止められない(苦笑)。アウトサイドも同じような状態なので、これから“チーム”を作っていかないといけないなと思います。今は、出ているメンバーを見ると1・2年生が多く、3年は少なく4年は1人だけとチームが若く、トーナメントで3位に入った去年のようにはいきません。特に下級生はまだ自信がないので、これからも一緒に頑張っていいチームを作りたいです。日本のチームでは若い人に任せるのは難しいので、上級生が引っ張って、後輩はそれを真似して強くなれるようにやってあげたい。このチームの強さは、まだまだあがると思っています」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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