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2008.09.27 (Sat)
9/27 関東大学2部リーグ 第4週 明治大VS国士舘大 第1戦
#4寺嶋の劇的なブザービーターで国士舘大が勝利
ここまで全勝の明治大は遂に1敗目
明治大97(31-14,22-34,26-20,18-31)99国士舘大
今週の大一番である国士舘大とここまで全勝の明治大の戦いに、2部は観客の入りも上々、皆が期待を持って試合を待ちかまえた。
しかし序盤は明治大が大量リード。国士舘大はボールが手に付かないなど、ちょっとしたミスも多く出てしまう。負けている時は大差がついている国士舘大だけに、このまま萎んでしまうのかと思われた。だが、後半になって目を覚ます。次第にファウルトラブルに陥った明治大は特に4Qでリズムに乗った国士舘大のオフェンスを止められない。終盤は点の取り合いになり、どちらに転ぶか最後まで分からない状態が続いたが、#4寺嶋(4年・F)のブザービーターで国士舘大が強敵明治大に競り勝った。
試合のレポートと国士舘大・寺嶋選手、三村選手、明治大・伊與田選手、川崎選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
1Qは完全に明治大ペース。#14金丸晃輔(2年・SG)、#21川崎(3年・F)、#3金丸英悟(3年・PF)のブロックなども出て、あっという間に差をつけた。国士舘大は体が重そうな動きでディフェンスも緩慢、ミスが出て乗り切れない。#14金丸晃輔へのディフェンスでは#4寺嶋がいい動きを見せているが、それでも決める金丸の勝負強さは健在。面白いようにシュートが入った明治大が1Qは17点のリードを奪った。
2Q前半もそのままの流れで明治大の3Pが簡単に決まる。だが、国士舘大も#10吉満(3年・G)が3連続で3Pを決め、少しずつ点差を詰め始めた。明治大が立て続けにファウルコールされると、国士舘大は#5立花(4年・G)が奮起。ここまで#6伊與田(4年・G)のディフェンスに苦しんでいたがフェイダウェイのミドル、スティールから速攻を決めて差を一桁にし、更にディフェンスをかいくぐって難しい体勢からレイアップを決める活躍。明治大は#14金丸晃輔が決め返すも、国士舘大は#6吉本(4年・C)が明治大のファウルトラブルから得たフリースローをきっちり決めて53-48、5点差まで詰めて前半を終えた。
3Q、明治大は#19田村(1年・PF)、#21川崎、#6伊與田らが得点するが、開始2分で#6伊與田が3つ目のファウル。5分で#21川崎が4つ目のファウルを犯してしまう。それでも明治大には2人の頼れる金丸がいる。この2人で得点し、再び点差を12点まで開いた。国士舘大は#4寺嶋や#23三村(1年・F)が要所で#14金丸晃輔を押さえてはいるが、それでも簡単には止めることができない。#10吉満の3Pでなんとか傷を広げずに済んだが、それでも差は11点に。再び苦しくなった。
4Q開始序盤、国士舘大はまたも3P攻勢。明治大がファウルトラブルで激しいディフェンスに出られない間に、#5立花と#10吉満で3本の3Pを沈めて11点あった差を一気に79-77の2点に縮めた。#5立花からアシストを受けた#13馬(2年・C)がゴール下で決めると、更に立花の3Pで遂に明治大を逆転。明治大は残り5分で#19田村がフリースローを獲得するまで無得点となってしまった。この残り5分の時間帯から両者の点の取り合いが始まる。#5立花のシュートが面白いように3連続で決まると、明治大は#19田村、#14金丸晃輔、#21川崎が続き87-87の同点。だが、ここでベンチは不可解な動きを見せる。残り3分、ここからが大事、という場面で一度#14金丸晃輔をベンチに下げて#39古瀬(3年・F)を投入したのだ。だが、その古瀬のシュートが2連続で外れたのに対し、国士舘大は#13馬が力強くゴール下で存在感を示し、2連続得点で再び4点リードを奪った。1分後、#14金丸がコートに戻ると3P、フリースローを決め、#6伊與田の3Pで明治大は残り50秒で95-95の同点に。しかし、36.7秒で#21川崎が遂にファウルアウト。残り30秒、国士舘大は#5立花のアイソレーションからドライブでゴールを狙う。しかもディフェンスが何枚も来るのを承知。フェイクを入れてファウルを誘い見事にフリースローを獲得する。これがキャリアか、と納得させられる狡猾さだった。フリースローを2投決めた国士舘大は95-97とリード。続く明治大のオフェンスは#6伊與田のシュートが決まらず、ルーズボールはヘルドで明治ボール。エンドスローインから#6伊與田がシュートにつなげて97-97に。残り時間は10数秒、国士舘大最後のオフェンスに必死にディフェンスにいく明治大。しかしもうほとんど残り時間がない場面で#4寺嶋にボールが渡った。寺嶋のシュートはサイドから低い軌道を描いてブザーとともにゴールに吸い込まれた。レフェリーのジェスチャーはカウント。寺嶋が集まってきた選手にもみくちゃにされ、国士舘大が劇的なブザービーターで明治大から勝利をもぎ取った。
国士舘大はリードされながらも持ち直す底力をこの試合で見せた。「自分達はチャレンジャーという気持ちがあるので、いくら離されても、15点なら10点にして、10点なら5点にするって意識でやっていくしかない。そこで切れて20点、30点って行ってしまったら、これまでの国士舘と同じというのもあります。そこは徹さん(#4寺嶋)も変わっていきたい変わっていきたいってずっと言ってきたので、それが形として表れてきたんだと思います」(国士舘大・吉満)というように、2部や3部を行き来しつつも、選手達は力や精神力を萎えさせず鍛えてきたことになる。
#5立花28点、#10吉満24点、#13馬21点と3人が20点越え。特に吉満は「筑波の試合くらいからタイトにディフェンスされて、簡単にシュートを打てなくなってきたんです。慌てて打っている自分がいたんで、練習中にムービングから打つ練習を入れてやったら、それが当たりました」と、言うように試合の合間の修正もできている。強い相手との戦いで、国士舘は確実に経験値を積み上げている。
◆#4寺嶋 徹(国士舘大・4年・主将・F)
―お見事でした。
「ありがとうございます!最後のシュートはたまたまですね(笑)。まぐれですよ、本当に」
―筑波大との第1戦もそうだったのですが、今日も立ち上がりが悪かったですね。
「本当に最悪でしたね。なんでっていうのは、結局自分達のミスだったりディフェンスだったりするんですよね。ディフェンスに関してはマンツーとゾーンをやっていたんですけど、それが機能しなくて、簡単なところでやられていたっていうのが多かった。でも、やられてた、という感じはなかったんです。結局、自分達のミスですから」
―2Qからはディフェンスも機能し始めましたね。
「そこら辺からやーっとエンジンかかり始めて(笑)」
―寺嶋選手のマッチアップは金丸晃輔選手でした。
「勝ったから喜べばいいんですけど、44点やられたっていうのが…。試合中ずっと“くそー”って(苦笑)。あー腹立つ! マジ悔しいもん! 明日は絶対に8点に抑えてやる!」
―金丸選手を抑えるために意識していたことはありましたか?
「とにかく熱くならないようにっていう。いつも熱くなるとガチャガチャ行き過ぎて、ブレーキかけられなくなる。それじゃあ、ファウルを取られるんじゃないかなって思って。だから今日はちょっと熱くならないように、それを意識していました」
―今日は苦しい場面では立花選手の活躍が光りましたね。
「ああいう風になったときは、立花は好きにやらせておけばいい。絶対決めてくれるから。逆にああいう場面で変な風にセットオフェンスなんてやるとだめ。自由にやらせておけばいいんすよ」
―吉満選手も最近調子を落としていましたが、今日はしっかりと決めてくれましたね。
「今日はよかったですよね。最初はちょっと決まってなかったけど、後半は決めてくれました。本当によくやってくれましたよ!」
―馬選手ついて。
「あいつディフェンスやらないっすからね(苦笑)。それで僕に“ついて下さい”とか言われても“つけるか!”っていう(笑)。あそこの分まで見なきゃいけないっていうのが、僕と吉本(#6)のキツい部分ですね。ゾーンになったら中も外もあいつのところもってなると結構キツいですね。オフェンスに関しては、今日はちょっとファウルをもらいに行こうとしすぎて、落としていたところもたくさんありました。でも、勝ったからよしとします!(笑)」
―第2戦へ向けて。
「立ち上がりを修正することはもちろん。あとは、ゾーンとマンツーのどっちを使うかということもある。ゾーンだったらお互いにもっと連絡して、早くピックアップにつくことが大事。今日はそれが遅かったし、曖昧なつき方だった。それで無駄なシュートを何本も決められました。そこはもっとはっきりさせようと思います」
―今日は金丸晃輔選手に決められたという印象はあまりなかったのですが、他の部分でやられていたなという印象を受けました。例えば、伊與田選手とか。
「それは多分、金丸のところを意識しすぎたということがあるかもしれません。それで、簡単にやられたり、ヘルプが中途半端になって他に決められるっていうのがありましたね。今日は伊與田に入ってきて何本も決められているし、3Pも打ってる。明治は伊與田から始まるので、あそこを止められれば違うかなって思います」
―全勝のチームに第1戦で勝てたことは大きいですね。
「大きいですね。けど、やっぱり今日勝っても明日勝たないと意味がないんですよ。明日勝ってこそ大事だと思う。みんなそう言ってますし、そういう雰囲気もある。でも、僕は1つ1つってみんなには言ってるんですけどね。先を見ずにとりあえず、目の前のことをって。先ばかり見てると足元をすくわれてしまうから」
◆#23三村辰之輔(国士舘大・1年・F・東海大菅生)
実はこの日、大学の集中講義を受けそれから会場に来たという1年生。
大所帯の国士舘大でスターティングメンバーを射止めたシンデレラボーイだ。
1年生らしい思い切りの良さで、チームにアクセントを加えている。
―終わった瞬間の気持ちはどうでしたか?
「最初に点差が離れてしまって追い掛ける展開だったので、正直めっちゃ嬉しかったです。もう、嬉しいの一言ですね。(ベンチから見た寺嶋のラストショットは)ちょっと曲がったかなって思ったんですけど(笑)、入ってくれて本当によかったです。試合を重ねて、競った試合で勝つ力がついてきたと思います」
―立ち上がり、波に乗れなかった要因はなんだと思いますか。
「ディフェンスですね。ゾーンとマンツーマンを場面によって使い分ける形だったのですが、受けてしまっていつも通りできず、うまく機能しませんでした。それで2Qからマンツーマンだけにしたんですけど、それがだんだん効いていったと思います」
―マンツーのマッチアップは初めから決めていたんですか?
「そうですね、相手の14番(明治大・金丸晃輔)のところを寺嶋さん(#4)が抑えて、周りがカバーする。ポイントはそこだけです」
―三村選手が金丸選手とマッチアップする時間帯もあり、好ディフェンスを見せていましたが…
「あれはまぐれです(苦笑)。感覚でこっちかなと思ってついたらたまたまそっちに来たっていうだけ。やっぱり格が違うと言うかそんな感じでしたよ」
―リーグはここまでずっとスタートで出ていますが、それについてはどう思いますか?
「高校でも同じ経験をしたので、別に緊張とかはないです。もともと緊張するタイプではないし、先輩が皆カバーしてくれるから気持ちよくシュートを打てる。特にリーグは最初の試合で結構シュートも入っていつも通り普通にできたのがよかったかな。ただ、競ってくるといつも先輩が出ていて、まだしょうがないかなとは思いますけど出たいって気持ちもありますね」
―リーグの後半に向けてはどんなプレーをしていきたいですか。
「個人的には1年生なので、思い切りよくやりたいと思います。チーム的には、インカレは絶対出たいし入替戦ももちろん行きたいので、とりあえずこれから1敗もしたくない。全部勝つつもりでやっていきます」
◆#6伊與田 俊(明治大・4年・主将・G)
通りかかった山下選手が一言「10番(吉満)に3本やられたってやつっすよ」、と伊與田のかわりに敗因を語った。思うようにいかなかった自分を反省する。
―試合を振り返って。
「あれが国士のやりたいバスケだったと思う。やっぱり2Q目で、山下君の後輩に…(※1)あそこからですね。あとは僕がちょっとまあ……塚さんの作戦通りにやれなかったっていうか、欲求が出てしまって取りに行って、やられてしまって…。言われたことをきちんと最後までやるということができませんでした」
※#10吉満は大濠高校出身、明治大・山下の後輩。
―塚本監督の言う通りにできなかったというのは、マッチアップしていた立花選手の影響や、試合の流れで「自分が」という気持ちが強くなってしまったからでしょうか?
「マッチアップしていた相手(国士舘大#6立花)にもそうですし、後半に入ってからは全然流れがよくなくて。ガードとして仕事もできていなかったので。やっぱりああいう展開になったときこそ、ガードがしっかりしなきゃいけなかったので、そこがだめでした」
―早稲田に2勝、筑波に1勝という国士舘大との対戦だったわけですが、試合前の指示というのは?
「ガードを自由にしないって話をしていたんですけど、できなかったですね。あとは、5番(立花)にはある程度点は決められてもいいけど、そこからさばいて色んなところから得点されるのはやめようって。そこも上手くできてなかったですね」
―金丸晃輔選手が抑えられるということは分かりきっていたと思うのですが。
「そうですね、わかりきってました。そこで別のオフェンスっていうのもあるんですけど、そこで自分がやらなくて。そのまま3Pでずるずるやっちゃったので、そこがダメでした」
―とにかく、「自分がだめだった」と。
「今日は本当にだめでした。春だと自分でシュートを打ててよかったんですけど、リーグだとそういうわけにもいかないので。周りをもっと生かせるようにしなければいけないと思うので。アシストだけではなくて。動かすって意味で。今日はそういうことができていませんでした」
―明日へ向けて。
「ある意味、切り替えるなとは言われました。塚さんの指示は明確で、わかりやすく言ってくれているので、それをガードとしてしっかりとこなすこと。それがやれれば問題ないと思います。明日は勝ちます」
◆#21川崎紘史(明治大・3年・F)
―競る展開で勝ちきれなかった要因は。
「金丸に頼りすぎていました。決めてくれていたからいいというのもありますけど、明治の流れではなかったです」
※金丸晃輔は44得点。
―今日は大事なところのリバウンドでつないでいたので、最後のファールアウトが痛かったと思いますが。
「僕そんなに取ってました? もともとセンターなので、やっぱり大事なところのリバウンドって身体で覚えてるんでしょうね。今日は相手にフェイスガードでついたのでなかなかリバウンドに行けなかったですけど。そこが難しいところで、4・5番だけじゃなくてもう1人リバウンドがほしいとき、いつもは俊さんが取っていたんですけど今日は立花さんにフェイスガードでついていて、そこまで回らないかった。それだったら他の人がって、チームでやっていかなきゃだめですよね。もう3年だから、周りと考えを共有しながらやっていかないと」
―フェイスガードということですが、そのマッチアップでミスマッチが多くありました。
「あれはもう攻めるしかないと思いましたけど、なかなかボールが入らなくて苦しかったです。サイズはこちらが大きいから、岩澤にしても僕にしても晃輔にしても、上のポジションでミスマッチになったらそれが1番確率の高い攻めなのでどんどん攻めていこうとしていたのですが」
―そういうところをつけないということからも、最初におっしゃったように「明治の流れ」ではなかった?
「なんかちぐはくして、皆違うこと考えていたと思います。結局それはディフェンスがうまく行っていないからで、全てはそこからです。今日は相手が強かったというよりうちのディフェンスがだめだった。シュートもよく入っていたけど、あれだけ打たせたら入りますよね、いいシューターがいるわけだから」
―1Qは相手を14点に抑えたそのディフェンスが機能しなくなった要因は?
「やっぱり吉満に打たれ始めたのがきっかけです。2Qに3連チャンで決められて、あれで国士舘のペースに巻き込まれて、そのまま3・4Qとずるずる行った感じ。そこでしっかり止めて、その3本がなければプラス10点くらいの差だったと思うと、それはやっぱり大きいですよね。それで前半14点とかで終わっておけば全然違ったゲームになったって言われましたし自分達もそう思います」
―明日の試合は。
「今日の点差以上で勝って。来週から上位3つなのでつなげて行けるようにしたいです」

終盤の粘りは驚異的。立花はゴール下に切れ込み、難しいシュートを何本も決めた。

豪快、かつ柔らかな馬のプレーは国士舘大の強力な武器。抜かれれば「左かー!」、ベンチに下がる時は「あー、疲れた」と屈託ない様子で観客から笑顔を引き出し、2部の密かな人気者だ。

ルーキーでスタメンの三村。臆することなくシュートを放つ。

#6吉本に声をかける#10吉満。吉本はスタメンとして、吉満はベンチから勝利に貢献する。

明治大は川崎のファウルトラブルが痛かった。
ここまで全勝の明治大は遂に1敗目

今週の大一番である国士舘大とここまで全勝の明治大の戦いに、2部は観客の入りも上々、皆が期待を持って試合を待ちかまえた。
しかし序盤は明治大が大量リード。国士舘大はボールが手に付かないなど、ちょっとしたミスも多く出てしまう。負けている時は大差がついている国士舘大だけに、このまま萎んでしまうのかと思われた。だが、後半になって目を覚ます。次第にファウルトラブルに陥った明治大は特に4Qでリズムに乗った国士舘大のオフェンスを止められない。終盤は点の取り合いになり、どちらに転ぶか最後まで分からない状態が続いたが、#4寺嶋(4年・F)のブザービーターで国士舘大が強敵明治大に競り勝った。
試合のレポートと国士舘大・寺嶋選手、三村選手、明治大・伊與田選手、川崎選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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■GAME REPORT■
2Q前半もそのままの流れで明治大の3Pが簡単に決まる。だが、国士舘大も#10吉満(3年・G)が3連続で3Pを決め、少しずつ点差を詰め始めた。明治大が立て続けにファウルコールされると、国士舘大は#5立花(4年・G)が奮起。ここまで#6伊與田(4年・G)のディフェンスに苦しんでいたがフェイダウェイのミドル、スティールから速攻を決めて差を一桁にし、更にディフェンスをかいくぐって難しい体勢からレイアップを決める活躍。明治大は#14金丸晃輔が決め返すも、国士舘大は#6吉本(4年・C)が明治大のファウルトラブルから得たフリースローをきっちり決めて53-48、5点差まで詰めて前半を終えた。
3Q、明治大は#19田村(1年・PF)、#21川崎、#6伊與田らが得点するが、開始2分で#6伊與田が3つ目のファウル。5分で#21川崎が4つ目のファウルを犯してしまう。それでも明治大には2人の頼れる金丸がいる。この2人で得点し、再び点差を12点まで開いた。国士舘大は#4寺嶋や#23三村(1年・F)が要所で#14金丸晃輔を押さえてはいるが、それでも簡単には止めることができない。#10吉満の3Pでなんとか傷を広げずに済んだが、それでも差は11点に。再び苦しくなった。

国士舘大はリードされながらも持ち直す底力をこの試合で見せた。「自分達はチャレンジャーという気持ちがあるので、いくら離されても、15点なら10点にして、10点なら5点にするって意識でやっていくしかない。そこで切れて20点、30点って行ってしまったら、これまでの国士舘と同じというのもあります。そこは徹さん(#4寺嶋)も変わっていきたい変わっていきたいってずっと言ってきたので、それが形として表れてきたんだと思います」(国士舘大・吉満)というように、2部や3部を行き来しつつも、選手達は力や精神力を萎えさせず鍛えてきたことになる。
#5立花28点、#10吉満24点、#13馬21点と3人が20点越え。特に吉満は「筑波の試合くらいからタイトにディフェンスされて、簡単にシュートを打てなくなってきたんです。慌てて打っている自分がいたんで、練習中にムービングから打つ練習を入れてやったら、それが当たりました」と、言うように試合の合間の修正もできている。強い相手との戦いで、国士舘は確実に経験値を積み上げている。

―お見事でした。
「ありがとうございます!最後のシュートはたまたまですね(笑)。まぐれですよ、本当に」
―筑波大との第1戦もそうだったのですが、今日も立ち上がりが悪かったですね。
「本当に最悪でしたね。なんでっていうのは、結局自分達のミスだったりディフェンスだったりするんですよね。ディフェンスに関してはマンツーとゾーンをやっていたんですけど、それが機能しなくて、簡単なところでやられていたっていうのが多かった。でも、やられてた、という感じはなかったんです。結局、自分達のミスですから」
―2Qからはディフェンスも機能し始めましたね。
「そこら辺からやーっとエンジンかかり始めて(笑)」
―寺嶋選手のマッチアップは金丸晃輔選手でした。
「勝ったから喜べばいいんですけど、44点やられたっていうのが…。試合中ずっと“くそー”って(苦笑)。あー腹立つ! マジ悔しいもん! 明日は絶対に8点に抑えてやる!」
―金丸選手を抑えるために意識していたことはありましたか?
「とにかく熱くならないようにっていう。いつも熱くなるとガチャガチャ行き過ぎて、ブレーキかけられなくなる。それじゃあ、ファウルを取られるんじゃないかなって思って。だから今日はちょっと熱くならないように、それを意識していました」
―今日は苦しい場面では立花選手の活躍が光りましたね。
「ああいう風になったときは、立花は好きにやらせておけばいい。絶対決めてくれるから。逆にああいう場面で変な風にセットオフェンスなんてやるとだめ。自由にやらせておけばいいんすよ」
―吉満選手も最近調子を落としていましたが、今日はしっかりと決めてくれましたね。
「今日はよかったですよね。最初はちょっと決まってなかったけど、後半は決めてくれました。本当によくやってくれましたよ!」
―馬選手ついて。
「あいつディフェンスやらないっすからね(苦笑)。それで僕に“ついて下さい”とか言われても“つけるか!”っていう(笑)。あそこの分まで見なきゃいけないっていうのが、僕と吉本(#6)のキツい部分ですね。ゾーンになったら中も外もあいつのところもってなると結構キツいですね。オフェンスに関しては、今日はちょっとファウルをもらいに行こうとしすぎて、落としていたところもたくさんありました。でも、勝ったからよしとします!(笑)」
―第2戦へ向けて。
「立ち上がりを修正することはもちろん。あとは、ゾーンとマンツーのどっちを使うかということもある。ゾーンだったらお互いにもっと連絡して、早くピックアップにつくことが大事。今日はそれが遅かったし、曖昧なつき方だった。それで無駄なシュートを何本も決められました。そこはもっとはっきりさせようと思います」
―今日は金丸晃輔選手に決められたという印象はあまりなかったのですが、他の部分でやられていたなという印象を受けました。例えば、伊與田選手とか。
「それは多分、金丸のところを意識しすぎたということがあるかもしれません。それで、簡単にやられたり、ヘルプが中途半端になって他に決められるっていうのがありましたね。今日は伊與田に入ってきて何本も決められているし、3Pも打ってる。明治は伊與田から始まるので、あそこを止められれば違うかなって思います」
―全勝のチームに第1戦で勝てたことは大きいですね。
「大きいですね。けど、やっぱり今日勝っても明日勝たないと意味がないんですよ。明日勝ってこそ大事だと思う。みんなそう言ってますし、そういう雰囲気もある。でも、僕は1つ1つってみんなには言ってるんですけどね。先を見ずにとりあえず、目の前のことをって。先ばかり見てると足元をすくわれてしまうから」

実はこの日、大学の集中講義を受けそれから会場に来たという1年生。
大所帯の国士舘大でスターティングメンバーを射止めたシンデレラボーイだ。
1年生らしい思い切りの良さで、チームにアクセントを加えている。
―終わった瞬間の気持ちはどうでしたか?
「最初に点差が離れてしまって追い掛ける展開だったので、正直めっちゃ嬉しかったです。もう、嬉しいの一言ですね。(ベンチから見た寺嶋のラストショットは)ちょっと曲がったかなって思ったんですけど(笑)、入ってくれて本当によかったです。試合を重ねて、競った試合で勝つ力がついてきたと思います」
―立ち上がり、波に乗れなかった要因はなんだと思いますか。
「ディフェンスですね。ゾーンとマンツーマンを場面によって使い分ける形だったのですが、受けてしまっていつも通りできず、うまく機能しませんでした。それで2Qからマンツーマンだけにしたんですけど、それがだんだん効いていったと思います」
―マンツーのマッチアップは初めから決めていたんですか?
「そうですね、相手の14番(明治大・金丸晃輔)のところを寺嶋さん(#4)が抑えて、周りがカバーする。ポイントはそこだけです」
―三村選手が金丸選手とマッチアップする時間帯もあり、好ディフェンスを見せていましたが…
「あれはまぐれです(苦笑)。感覚でこっちかなと思ってついたらたまたまそっちに来たっていうだけ。やっぱり格が違うと言うかそんな感じでしたよ」
―リーグはここまでずっとスタートで出ていますが、それについてはどう思いますか?
「高校でも同じ経験をしたので、別に緊張とかはないです。もともと緊張するタイプではないし、先輩が皆カバーしてくれるから気持ちよくシュートを打てる。特にリーグは最初の試合で結構シュートも入っていつも通り普通にできたのがよかったかな。ただ、競ってくるといつも先輩が出ていて、まだしょうがないかなとは思いますけど出たいって気持ちもありますね」
―リーグの後半に向けてはどんなプレーをしていきたいですか。
「個人的には1年生なので、思い切りよくやりたいと思います。チーム的には、インカレは絶対出たいし入替戦ももちろん行きたいので、とりあえずこれから1敗もしたくない。全部勝つつもりでやっていきます」

通りかかった山下選手が一言「10番(吉満)に3本やられたってやつっすよ」、と伊與田のかわりに敗因を語った。思うようにいかなかった自分を反省する。
―試合を振り返って。
「あれが国士のやりたいバスケだったと思う。やっぱり2Q目で、山下君の後輩に…(※1)あそこからですね。あとは僕がちょっとまあ……塚さんの作戦通りにやれなかったっていうか、欲求が出てしまって取りに行って、やられてしまって…。言われたことをきちんと最後までやるということができませんでした」
※#10吉満は大濠高校出身、明治大・山下の後輩。
―塚本監督の言う通りにできなかったというのは、マッチアップしていた立花選手の影響や、試合の流れで「自分が」という気持ちが強くなってしまったからでしょうか?
「マッチアップしていた相手(国士舘大#6立花)にもそうですし、後半に入ってからは全然流れがよくなくて。ガードとして仕事もできていなかったので。やっぱりああいう展開になったときこそ、ガードがしっかりしなきゃいけなかったので、そこがだめでした」
―早稲田に2勝、筑波に1勝という国士舘大との対戦だったわけですが、試合前の指示というのは?
「ガードを自由にしないって話をしていたんですけど、できなかったですね。あとは、5番(立花)にはある程度点は決められてもいいけど、そこからさばいて色んなところから得点されるのはやめようって。そこも上手くできてなかったですね」
―金丸晃輔選手が抑えられるということは分かりきっていたと思うのですが。
「そうですね、わかりきってました。そこで別のオフェンスっていうのもあるんですけど、そこで自分がやらなくて。そのまま3Pでずるずるやっちゃったので、そこがダメでした」
―とにかく、「自分がだめだった」と。
「今日は本当にだめでした。春だと自分でシュートを打ててよかったんですけど、リーグだとそういうわけにもいかないので。周りをもっと生かせるようにしなければいけないと思うので。アシストだけではなくて。動かすって意味で。今日はそういうことができていませんでした」
―明日へ向けて。
「ある意味、切り替えるなとは言われました。塚さんの指示は明確で、わかりやすく言ってくれているので、それをガードとしてしっかりとこなすこと。それがやれれば問題ないと思います。明日は勝ちます」

―競る展開で勝ちきれなかった要因は。
「金丸に頼りすぎていました。決めてくれていたからいいというのもありますけど、明治の流れではなかったです」
※金丸晃輔は44得点。
―今日は大事なところのリバウンドでつないでいたので、最後のファールアウトが痛かったと思いますが。
「僕そんなに取ってました? もともとセンターなので、やっぱり大事なところのリバウンドって身体で覚えてるんでしょうね。今日は相手にフェイスガードでついたのでなかなかリバウンドに行けなかったですけど。そこが難しいところで、4・5番だけじゃなくてもう1人リバウンドがほしいとき、いつもは俊さんが取っていたんですけど今日は立花さんにフェイスガードでついていて、そこまで回らないかった。それだったら他の人がって、チームでやっていかなきゃだめですよね。もう3年だから、周りと考えを共有しながらやっていかないと」
―フェイスガードということですが、そのマッチアップでミスマッチが多くありました。
「あれはもう攻めるしかないと思いましたけど、なかなかボールが入らなくて苦しかったです。サイズはこちらが大きいから、岩澤にしても僕にしても晃輔にしても、上のポジションでミスマッチになったらそれが1番確率の高い攻めなのでどんどん攻めていこうとしていたのですが」
―そういうところをつけないということからも、最初におっしゃったように「明治の流れ」ではなかった?
「なんかちぐはくして、皆違うこと考えていたと思います。結局それはディフェンスがうまく行っていないからで、全てはそこからです。今日は相手が強かったというよりうちのディフェンスがだめだった。シュートもよく入っていたけど、あれだけ打たせたら入りますよね、いいシューターがいるわけだから」
―1Qは相手を14点に抑えたそのディフェンスが機能しなくなった要因は?
「やっぱり吉満に打たれ始めたのがきっかけです。2Qに3連チャンで決められて、あれで国士舘のペースに巻き込まれて、そのまま3・4Qとずるずる行った感じ。そこでしっかり止めて、その3本がなければプラス10点くらいの差だったと思うと、それはやっぱり大きいですよね。それで前半14点とかで終わっておけば全然違ったゲームになったって言われましたし自分達もそう思います」
―明日の試合は。
「今日の点差以上で勝って。来週から上位3つなのでつなげて行けるようにしたいです」

終盤の粘りは驚異的。立花はゴール下に切れ込み、難しいシュートを何本も決めた。

豪快、かつ柔らかな馬のプレーは国士舘大の強力な武器。抜かれれば「左かー!」、ベンチに下がる時は「あー、疲れた」と屈託ない様子で観客から笑顔を引き出し、2部の密かな人気者だ。

ルーキーでスタメンの三村。臆することなくシュートを放つ。

#6吉本に声をかける#10吉満。吉本はスタメンとして、吉満はベンチから勝利に貢献する。

明治大は川崎のファウルトラブルが痛かった。
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