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2008.08.11 (Mon)

第1回 慶應義塾大学VS延世大学校バスケットボール定期戦

慶應義塾大79(13-25,15-22,27-23,22-14)82延世大学校
080811YONSE.jpg8月11日、代々木第二体育館において第1回慶應大と延世大学校との定期戦が行われた。
同じアジア、良きライバルと表現されることも多い日本と韓国。しかしバスケットにおいては大学に限らず、A代表でも韓国の方が上位にいる。強いフィジカル、正確なシュート、早い攻撃は言わずもがな、パスの強さなど基本がしっかりとしたバスケは確実で、力強い。隣国の強豪との戦いで慶應大がどのような試合を見せるのかが注目された。

来日してから例年交流のある青山学院大と2試合と半分をこなし、精力的にスケジュールをこなしてきた延世大は序盤から力を発揮。対する慶應大は最初の1本が決まらずペースが上がらない。フォワード中心の延世大に次々と速攻を決められ、前半15点差をつけられた。しかし後半に入ると慶應大のディフェンスが良くなり、延世大のシュートが外れ始める。追い上げた慶應大は残り3秒で3点差。同点を狙って放った#10小林(3年・GF)の3Pは惜しくも外れ、タイムアップ。第1回の戦いは、延世大に軍配が上がった。

慶應大はシーズンインしてから集中的に合宿を行い、リーグに向けて調整する中でこの試合にも意識を向けてきた。現在大学界のトップに君臨する青山学院大でさえ容易に勝てない延世大に対し、健闘したと言えるだろう。今後も意義と中味のある定期戦として続くことを望む。だが慶應大の本番はこれから。延世大との試合でもまだ向上の必要な部分は多く見られた。残りの日程でどこまで仕上げていくかが大切になる。
この試合の翌日は更に慶應大と合同練習をこなし、帰国の途についた延世大。せっかくの来日を中味の濃いものに、という意欲が伝わってきた。そのストイックな姿勢が強さの一つの秘訣なのだろうと感じさせられた。

慶應義塾大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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■GAME REPORT■
08081132KIM.jpgサイズが大きいというものの、フォワード中心の延世大のインサイドで目立つのは203cmの#32Kim Seung Won(1年・C)のみ。高さでは慶應大も負けてはいない。だが序盤、慶應大は最初の1本を#7岩下(2年・C)が決めきれず、その後も#12田上(3年・F)、#4鈴木(4年・F)、#10小林、と連続で落とす。その一方で延世大はエースガード#4Park Hyoung Chul(4年・G)、#32Kim Seung Wonがミドルシュートを決めると、#6Kwon Yong Wooug(2年・G)がバスカンを獲得。一気に差をつけた。慶應大は開始3分で#16二ノ宮(2年・G)の3Pが初得点。それ以降も延世大のディフェンスに阻まれ、なかなか得点が伸びない。一方の延世大はアウトサイドはもちろん、ドライブを仕掛けてのパスアウト、合わせもきっちりと決めてくる。慶應大は#16二ノ宮が2本目の3P、#7岩下がダンクを決めるが1Q最後には延世大#7Song Su In(4年・F)にスティールからレイアップを決められ、1Qは15-23となった。

2Q、延世大のファールで連続フリースローを得た慶應大。5点差に追い上げるが、延世大はゾーンを展開。慶應大はオフェンスでファンブルするなどミスが続き、速攻も1本出るが、#16二ノ宮が好スティールをシュートにはつなげられずリズムを崩しそうになる。延世大はこうした隙を逃さず、#9Park Sung Hoonが3Pを沈め、#11Lee Jung Hyun(3年・F)がバスカンを奪うと#6Kwon Yong Woougがたたみかけるように速攻に走り、再び10点差。さらには#11Lee Jung Hyunが3Pのバスケットカウントで4点プレーを披露すると、慶應大に15点差をつけて2Qを終えた。

3Qで反撃したい慶應大。ディフェンスが激しくなり、延世大のシュート確率が落ちてきたところで#4鈴木が速攻を出し、#12田上も連続得点。パスも回るようになり#12田上のアシストから#7岩下のダンクも飛び出した。それでも延世大は焦らない。ファールは混んでベンチへ下がる選手もいるが、#10Park Jea Hyum(3年・F)が連続得点し、差は縮まらない。しかし激しさを増す攻防に思わず#6Kwon Yong Woougが#16二ノ宮に対しアンスポーツマンライクファウル。慶應大はこれを機に#4鈴木がスティールから速攻を決め、#15酒井(2年・F)のシュートが続いて必死に追い上げにかかった。残り2分、ゾーンで延世大を止めにかかるも、#10Park Jea Hyumに2連続で3Pを決められ、機能はしない。粘りは見えたが延世大も大事なところでシュートを外さず、結局慶應大が3Qで詰めることができたのは4点にとどまった。

080811TANOUE.jpg4Q、慶應大は#12田上のミドルシュートに#16二ノ宮がするするとゴール下へ入りレイアップを決め、#12田上がカバーでシュートを押し込むと63-70。しかし慶應大、延世大ともにファールトラブルが厳しくなり、#4鈴木は4つ、延世大も#31Kim Hyun Hoがファウルアウト。更に#16二ノ宮も4つ目を宣告されてしまう。それでも慶應大は#15酒井の得点で3点差。なかなか得点できなくなった延世大だがピンチには#4Park Hyoung Chulが確実にシュートを決めてくる。残り3分半で#4鈴木がファウルアウト。替わって入った#15酒井が連続でシュートして75-77に慶應大が追いつくと、#7岩下がポストから押し込み遂に残り2分で77-77の同点に押し戻した。激しいプレーにファウルが続く慶應大は、延世大に2連続でフリースローを与えてしまうが、プレスからターンオーバーを奪い、最後まで粘る。残り5.2秒、3点リードの延世大は#13Jun Ywon Sik(3年・C)がフリースローを2本ミス。慶應大は残り3.2秒から最後に#10小林の3Pにつなげるが、ボールはリングを外れタイムアップ。延世大が慶應大の猛追を振り切って勝利をあげた。


◆#4鈴木惇志(慶應義塾大・4年・主将・F)
080811SUZUKI.jpg-7月末のシーズンインからこの試合に向けてだいぶ調整してきた部分もあると思います。
「この夏は短期的な目標と長期的な目標があると思いますが、ここは短期的目標として備えてきたというのはあります」

-戦ってみての印象は?
「去年の印象が強くて(※1)、去年はインサイドがだいぶ強かった。3Pはある程度はいると思うので、セカンドチャンスを与えてしまうのはまずいなと思っていました。でも意外と今年はセンターが1枚だったのでうちとしてはやりやすかった。達郎(#7岩下)がセンター勝負で優位に立てて、周りが頑張ればうちのペースになるとは思いました」

-ただ、立ち上がりにはまだ課題がありますね。
「うちが1本入ればクロスゲームに持っていけるかなというのはあったんですが、1本までが遠かったですね。どこで点を取るのかというのが絞り切れていなかったところがあるし、もう少し達郎に入れてガンガンやらせても良かったのかな。後半は岩下も大祐(#10小林)が調子が上がってきたのもあって追いつくことはできましたけど」

-ただ後半は延世大もシュートが落ちましたが。
「でも大事な場面では入れていましたよね。ベンチに下がったりして見ているとうちはハーフからのピックアップが遅いなと。そこで簡単に回されてシュートされている。そこが7点、8点差のところでもう少しマンツーマンをきっちりした勝負ができればもっと面白い展開になったんじゃないかと思います」

-親善という意味合い以上の意識で臨んできたと思いますが、収穫はありましたか?
「負けてしまったら意味はないですけど、僕は昨日も思ったんですが(※2)僕以外の4人は韓国のトップクラスの選手とやっても遜色ないレベルまできているなと感じました。2部リーグも取りこぼしがなければ、他のチームを圧倒できるだけの力がついてきたかなと思えたのが収穫です。ただ徹底しきれていない部分があるので、残りの時間でもう少し工夫は必要ですね。最初の1本をどう、誰が決めていくのか、ディフェンスの部分も含めて考えたいです」

※1)昨年は韓国遠征で延世大と練習試合を行い、差をつけられている。
※2)前日にも青学大・延世大と合同で軽いゲームを行っている。


0808117SO.jpg
延世大は隙あれば簡単に速攻を連発。


080811_4PARK.jpg
今年の李相佰杯代表でもあるガードの朴(Park)。


080811IWASHITA.jpg
ダンクにいく岩下。高さでは上回り、相手インサイドがファウルトラブルでベンチに下がりがちだったのが功を奏した。


080811SAKAI.jpg
酒井のゴール下の活躍で終盤追い上げた。


080811KOBAYASHI.jpg
後半動きが良かった小林は最後の3Pがはずれたのが惜しい。


080811NINOMIYA.jpg
スティールやスピードある攻撃を引っ張った二ノ宮。





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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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