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2020.01.15 (Wed)
【2019インカレ】12/15 決勝 筑波大VS専修大

高確率の3Pで筑波大がスタートダッシュ
専修大の追い上げをかわし大学日本一に輝く
決勝の組み合わせは準決勝でリーグ覇者の大東文化大を僅差で下して勝ち上がった筑波大と、ここ数年で着実に実力をつけ、2年連続で決勝に進んだ専修大との対戦となった。
口火を切ったのは#34盛實(4年・SG)の2連続3P。専修大に大きな勢いをもたらしたかのように見えた。ところがすぐさま流れは筑波大に。#88牧(4年・SG)の3Pで返し、#27山口(3年・SG)、#8菅原(3年・PG)の速攻で、あっという間に逆転に成功。専修大も#46寺澤(2年・SF)のゴール下が出るが、ターンオーバーやトラベリングも目立ち始め、ここからはスコアが伸びない。それとは対照的に筑波大は、相手のミスからの速攻が面白いように決まり、#75井上(2年・C)や#27山口などの3Pも落ちず、5分半で20−10という大きなリードを得た。専修大はタイムアウトを挟み#23キング(2年・SG)のバスケットカウント、#12西野(3年・SF)のジャンプシュートなどで迫る。今度はファウルの混み始めた筑波大が停滞。#34盛實のタフショットもあって、さらに点差が縮まる。しかし筑波大も黙らず#10村岸(4年・SF)にも3Pが出て僅かなリードを堅持。25−21というハイペースで1Q終了。

早く追いつきたい専修大。2Q、立ち上がりにいきなり#34盛實がスティールから華麗なレイアップを決めてワンゴール差に。しかし筑波大の集中は切れず、#27山口のドライブがすぐに決まり追いつかせない。専修大は、相変わらずターンオーバーから走られる場面も目立ち、なかなかリズムに乗れない状況が続く。やや落ち着いた時間帯となったが、これを打ち破ったのは#11増田(4年・PF)の3P。ここから再度筑波大が引き離しにかかる。専修大も#12西野の3Pが出るが、直後に#75井上が値千金の2連続3Pを決める。筑波大のリードは再びこれで10点となった。この後は互いにファウルを犯しつつ得点を決め合い、46−36となってハーフタイムに入った。

3Q、専修大はいきなり#12西野が3つ目のファウルを吹かれる。この不穏な空気を振り払うように#30フィリップ(4年・C)のバスケットカウントが決まったのもつかの間、#75井上のリバウンドシュート、#11増田の3Pで筑波大の流れを変えられない。このQ筑波大は#11増田が好調で、ゴール下の得点はもちろん、速攻でバスケットカウントも獲得。専修大はこのプレーで#12西野が4つ目となりより苦しい状況に。#34盛實、#30フィリップという4年生が奮闘を見せるが、筑波大は手を緩めない。速攻を次々と決め続け、リードも20点に乗せてきた。4Qも#1山本(2年・SF)の3Pこそ決まって立ち上がりは専修大が良い入りとなるが、勝利を意識する段階となったこの状況でも筑波大は#27山口の3Pなどで加点し、隙を見せない。#34盛實を中心に攻め気を見せる専修大にようやくリズムが出始めるが、時既に遅しだった。最後は4年生のみの布陣とした筑波大が、91−76。笑顔と涙を交錯させながら、3年ぶりの優勝を果たした。

「私が思っているよりも3Pが入った」と筑波大の吉田監督は話す。3P確率50%というのはかなりいい数字だ。スタッツ上での差は項目ごとには少なく、両者を分けたのは、数字上では3Pだけだった。しかしこの数字こそが最後まで精神的な優位性を保てた大きな要因であることは間違いない。開始直後は6-0と置かれかけたが、好調なシュートに支えられ、相手の細かなミスを見逃さずにボールを奪い、すかさず専修大を上回る速攻を決めて5分半を終えて二桁点差。専修大も切れずに最後まで攻め続けたが、終わってみれば、立ち上がりの攻防が勝負の趨勢を象徴する決勝となった。
2年連続の準優勝となった専修大。ここ数年はタイムシェアをしながらチーム全体の総力を上げる戦い方で、着実な成長を見せている。以前よりもムラが少なくなり、最後まで粘る姿勢も強くなった。今大会、2本柱の盛實とアブ フィリップは大会を通して献身的なプレーでチームを引っ張った。あとはそこに続く後輩たちが最後の壁を超えるべく、さらなるレベルアップをはかるのみだ。

※筑波大の記者会見は「続きを読む」へ。
※インタビューは別途掲載します。
[続きを読む]
【筑波大記者会見】吉田監督「優勝できて良かった。ゲームについては、大会前に専修と練習ゲームをやっていて、うちがリーグ戦とは違うディフェンススタイルを構築しての練習ゲームだったが、それに対する対策はしてくると思っていた。その中で、まずディフェンスのことよりもスタートの5分だった。神がかり的な、気持ちの入ったアウトサイドシュートで、信じられないような良い入りができた。そこはこの大会を象徴している上級生がチームをまとめて戦っている、という部分が出たと思う。リーグ戦が終わって変えたディフェンスのシステムを信じて、このままいけばと感じた。向こうも途中からうちのディフェンスに対応するオフェンスを仕掛けてきたが、それにも対応できた」
牧「インカレの決勝ということで、過去の全国大会では決勝で負けるという苦い思いを続けてきていた。40分間何が起こるか分からないから自分たちのやってきたことを信じて、それをやり通そうと話していて、それをメンバーでやり続けられたことが勝利につながったと思う。日本一になることがこんなに嬉しいことなんだと、素直に嬉しく感じている」
増田「厳しい時間帯もあったが、筑波の柱であるディフェンスからのブレイクを徹底できたからこそこの結果になったと思う。ディフェンスに関して全員で理解を深められたことが大きかった。今年はトーナメントで2位、リーグは5位で、まだ優勝していなかったので、最後にこうして優勝できて本当に嬉しい」
菅原「何としても4年生のために、という思いが強かった。増田さんと牧さんと一緒にやってきて、辛い思いも多かったので、何としても勝たせたいという気持ちだった。それで出だしに気持ちの入ったプレーができて、ディフェンスも徹底して走れたので、40分間それを喋り続けて徹底し続けられたことが勝因だと思う」
山口「優勝できて嬉しいし、菅原も言ったように4年生とはずっと一緒に出ていて、辛い思いや僕のカバーも何度もしてくれて、最後は優勝で恩返ししたいという気持ちだった。その結果優勝できたと思う」
井上「牧さん増田さんは高校の時からの先輩で、高校で1位になったことがないというのは知っていたし、ラストチャンスで優勝させてあげたいという思いが強かった。それがこの結果になったと思う。今日の試合でも厳しい場面があったが、それでも4年生がずっと声を出してくれたからこそ今日のあのペースになったと思う。4年生のおかげで優勝できたと思う」
(1年生の時の優勝との違い)
牧「高校生の時は自分の代には全国で一回も勝てずに終わっていて、その中で日本一ということは考えられないものだったし、人生で最高の瞬間だった。1年生時はメンバーも揃っていて、先輩が作り上げてきたことがあっての優勝だった。今回はここにいるメンバーで作り上げてきたことがあっての優勝なので、感じ方も違う」
(スリーポイントについて)
吉田監督「フィリップがゴール下にいるので、インサイドで点を取ることが難しい。ただうちは外だけのチームかというとそうではない。バランスの良いオフェンスを考えている中で、私が思っているよりも3Pが入った。それとディフェンスでボールを奪ってからの速攻で、自分たちの持ち味がうまくはまったと思う。速攻は出さないといけないと思っていたが、ハーフコートで私が思っている以上に3Pが入った。それは予想外だったが、それでうちがイニシアチブを取れたので、あとはディフェンス、オフェンスを続けながらリズムを持って、点が止まらないようにすることを考えていた」
増田「インカレではここまであまり3Pが入っていない中で、今日が最後なので、仲間がリバウンドを取ってくれることを信じてシュートを打った結果入ったという感じ」
井上「試合前に牧さんから空いたら打てと言われていて、打ち切れた」
【専修大記者会見】
◆専修大・佐々木監督
「去年に続いてファイナルの舞台に立てたことは選手たちを誇らしく思う。苦しいトーナメントだったが、選手がよく我慢してやってくれたことは感謝したい。ゲームの内容としては、筑波のやりたいバスケットである堅い守りからのトランジションで、どんどんアタックしてくるということを把握していて、そこをやってくるだろうと選手にも伝えていた。昨日筑波が大東相手にそれを阻まれていたので、今日こそはやってくるだろうと思って準備してきていた。逆に自分たちが堅い守りからアタックをしていこうと話していたが、相手がフィリップに対して対策をしてきていて、得点が取れない中で気持ちがオフェンスに向いてしまって、自分たちのやりたいバスケットであるディフェンスの部分から、ということを逆に筑波にやられてしまったことが、今回の敗因だと思う。ただ選手たちはやるべきことをやってくれてこの結果なので、私の采配や指示だけの差が大きかった。あとはチーム力だと思う。また来年そこを高めていきたい。
2メンピックのバスケットをやってくると思っていて、うちがケアしていたのはピックからのダイブ、ウィークサイドの寄りは対応していこうと話していたが、3Pが入るチームなので、捨てる部分といえばあの部分だったが、そこが高確率で入ったことについては、相手が一枚上手だったかなと思う。
決勝で大事なのは技術よりも負けたくないという気持ちがどれだけ強いかだと思う。ディフェンス、リバウンド、一本走ることにどれだけ込められるか。連戦が続いていてしんどい状況ではあったが、選手にもそれを伝えていた。やはりその部分が必要になってくることだと思う。そういう気持ちは持っているが、それが2年連続で相手の方が強かったんだと思う」
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