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2019.12.13 (Fri)
【2019インカレ】12/13 準々決勝 筑波大VS日本体育大

筑波大が終始日本体育大を圧倒
日本体育大は最後までらしさを見せて戦う
準々決勝第3試合は奇しくも昨年と同カード、同時刻に行われる関東5位の筑波大と関東4位の日本体育大の対戦となった。しかも日筑戦は今年6度目。筑波大の5勝1敗ではあるが、因縁の戦いでもある。

2Qの立ち上がりはともにやや停滞。筑波大はフリースローが悪く、日体大は交代した#21クリスティン(1年・C・東山)が筑波大の固いディフェンスに阻まれてシュートが決まらない。日体大は#50バムに交代。するとブロックが出て、#5磯野(4年・SF)の速攻が決まり、#50バムのオフェンスリバウンド、#5磯野が連続でアシストを生み出し、4分半で34―34の同点に追いつく。しかしここからの筑波大も付け入る隙を与えず、#27山口を中心に加点し、最後は#11増田のドライブも出て50―42と引き離して前半終了。

筑波大は悪かったリーグ戦が嘘のような見事な展開を見せた。ディフェンス・オフェンスとも手堅く、日体大を圧倒した。
日本体育大は今大会の直前にエースの大浦が体調を崩し、今大会は大事をとって欠場した。磯野や土居、遠藤を中心に日体大らしい早い展開を最後まで続けたが、勝利は叶わなかった。
写真上:自分よりもサイズのある筑波大のビッグマン相手に奮闘した日本体育大・バム。
写真下:21得点の筑波大・牧。増田も23点を稼ぎ、4年生の頼もしさを見せた。
※筑波大・山口選手、日本体育大・大浦選手、磯野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「4年についていって迷いなくやれば負けない」
気持ちを一新して4年を核に一つのチームに
◆#27山口颯斗(筑波大・3年・SG)

伸びやかな速攻や確率の高い3Pなど、本来山口が持っている良さがすべて出た試合となった。身体能力の高い日体大のウイング陣もこれを簡単に止めることはできず、26点。
リーグ戦ではチームとして終盤に課題が噴出し、山口自身リーグ期間中には怪我もあって、もどかしさを抱えた。しかしインカレまでの時間は何度もミーティングを行い、チームの心を一つに結集。このインカレでは本来の筑波大が持つ強さがコート上できちんと発揮されていた。山口は自信に満ちた顔で、次の準決勝に臨む。
―素晴らしい内容でした。振り返って。
「今年6度目の日筑ということでしたが、前回のリーグ戦の2巡目では負けています。そのときは僕は怪我をしていてあまりいい形で関われませんでした。しかも今日負けたら4年生が引退になります。僕の中では最終日までなんとしても4年生と一緒にやりたい気持ちだったので、一生懸命やりました」
―山口選手はこのインカレはここまでずっといいですね。
「シュートの調子はいいですね」
―リーグ戦の後半はチームの調子が今ひとつでしたが、インカレまでの1カ月はどのようにチームで過ごしてきたのでしょうか。
「全員で気持ちを切り替えてこのままの雰囲気ではダメだと、練習からも厳しくなっていきました。練習試合があって、その後少しゆるんでしまったんですが、牧さん(#88)や伊藤さん(#0)がコート内で雰囲気を締めて最後まで厳しくやろうという状況を作っていきました。チームが変わったというか、新しいチームになった感じで気持ちを一新してやってきました」
―話し合いをしたということでしょうか?
「まず4年でミーティングをして、3年生は3年だけで話し合って4年生をサポートしようということを確認しました。ミーティングだけでも何回かやっています」
―雰囲気があまりよくない状態だったのに、よくこの調子を戻してきたなと思います。
「4年生のおかげです。今日も頼もしくて、自分は性格的にふわっとしてしまうことがあるんですが、そんなときも牧さんがコートの中で『こういうときだぞ』と声をかけてくれたおかげで、集中力を切らさずできました。4年生はすごいです」

「今年のリーグ戦もそうなんですが、得点が止まったときにコートの中で変えられる人がいませんでした。でもこのインカレになって4年生は頼もしくて絶対に声をかけてくれますし、3年の僕と暉(#8菅原)、宗一郎(#75井上)がしっかりついていって、迷いなくやれば絶対にどこにも負けないと思います。迷わずやるだけです」
―あと2つあります。自信はありますか?
「優勝の自信はあります。僕らもずっと同じメンバーでやってきているのでチームワークは一番だろうし、この1カ月間本当に厳しい練習をやってきて、負けていられないし、今の牧さんと増田さんは高校のときに全国大会1回戦負けという苦い経験をしています。最後は僕らの力で優勝してみんなで笑って終わりたいです」
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「申し訳ない気持ちでいっぱい。4年間は仲間が支えてくれた」
ここまで助け合ってきた4年生の仲間に深く感謝
◆#3大浦颯太(日本体育大・4年・PG)

インカレ直前に急性盲腸炎に見舞われ、手術と2週間の入院を余儀なくされた。結果として、軽く動けるところまでは回復したが、最後のインカレは大事を取ってベンチから見守らざるを得なかった。チームの成長を見せて獲得した第4シードのポジションは、何かを起こしてくれるのではという周囲の期待もあったが、エースの大浦の欠場の影響は小さくない。努めて変わらない顔ではあったが、一番悔しいのは本人に違いない。
ただ、チームが1部に復帰した今年、大浦が見せたリーダーシップは見事なものだった。タイムアウトになれば自身が作戦版で指示し、コートでもゲームを引っ張った。40分間あきらめず、前に突き進む姿勢は彼の最大の持ち味だ。ここから続くバスケット人生もその推進力でぜひ切り開いていって欲しい。
ー試合に出られないということで、複雑なところはあったと思いますが、どんな気持ちでしたか?
「大会直前での欠場というのがほぼ決まってしまった中で、チームに迷惑をかけることで申し訳ない気持ちもあったし、練習から自分が何をできるかと考えていきました。今まで試合に出て、コート上で選手たちに指示を出していたんですが、それができなくなり、練習の中でいろいろなアドバイスをするようにしていました。でもただただ、申し訳ない気持ちでいっぱいです」
ー他の4年には何か言いましたか?
「手術が決まった段階で、もしかしたら出られないかもしれないと他の4年生には伝えていました」
ー指示という面では、タイムアウト中も作戦ボードを持って大浦選手がプレーについて話す立場でした。プレイングマネージャーに近い立場だったと思いますが、それはごく自然にだったのでしょうか?
「今年からポイントガードを務める機会が増え、コート上では監督の声が届かないシーンが多々ある中で、自分がここはこうしよう、と言っていました。やはり試合に出ている人にしかわからない状況判断もあるので、そこで自分が指示していく中でチーム自体も成長することができたと思います。ハーフタイムも試合に出ている自分が気づかない部分は学生コーチにも聞きますが、その上で自分が指示をしていました。高校は指示される中でバスケをしていましたが、大学の4年間で学んだのは、そういう意味で考える力ですね。それを養えたからこそ、ここでやってこられたと思います」
ー高校時代は全国大会の出場経験はありません。そんな中で日本体育大でエースと目される存在になったことは、大きなチャレンジが実を結んだという感じではないでしょうか。
「高校時代は県大会では全国大会につながる試合では勝てず、自分自身でも弱かったと思います。だから大学に来るときも最初は関東に挑戦するという気持ちではなく、来る気もなかったんです。でもいろんな関係で日体大にお世話になることが決まって、全国の強豪が集まる関東でプレーすることになりました。だからどこまでできるかというよりも、自分自身が何ができるか、何が通用するのかをワクワクというか、挑戦したい気持ちで入ってやってきました。1年目、2年目は悔しい結果で1部にも上がれず、その中でいろんな人にアドバイスをもらったりしながらプレーを続けました。この4年目のインカレには出られませんでしたが、リーグ戦、トーナメントで今まで自分のような全国大会に出ていない選手でも、関東の1部相手にできることがあるなとわかりました」
ー4年生はどういう仲間でしたか?
「自分と磯野が試合に出て、他の4年はなかなか出られないという状況がありました。でも彼らは相手チームのフォーメーションを正確に練習で再現して、助けてくれました。ほかにも学生コーチの竹村は元々はプレイヤーで、そこからコーチになってくれと打診されてその道を選んでいます。そんな風に多くの4年生たちがサポート役に回って、ずいぶん支えてくれました。仲もよかったし、練習でのメリハリもあって、最後までみんなで一緒に戦ってくれたことに感謝したいと思います」

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「出ている4年もそうでない4年も全員が頑張った」
チームが一つになり、追い求めた結果が躍進につながる
◆#5磯野寛晃(日本体育大・4年・SF)

186cmの身長で軽々とダンクをこなし、またディフェンスではその高い運動能力を活かして相手エースを徹底マーク。この1年は磯野のプレーなくして日体大は語れない。2部からスタートし、また自身の怪我もあって頭角を表したのは3年目からと遅咲きではあったが、秘めた能力は高く、まだ成長の余地がある。最後のインカレは盟友の大浦を欠いたことで4年生としてチームを支えなければならない場面も多かったが、最後までらしさを貫いた。
結果はベスト8だが、長年の我慢の上にようやく成果が出始めたチームは、今もまだ伸びている途上にある。磯野たちが残した財産が来季にさらに大きく花開くことを期待したい。
ー試合を振り返っていかがですか。
「終始相手のペースだったと思います。少しうちのペースになりかけたところもあったけれど、それを完全に持ってこられなかったのが一番の敗因ではありました」
ー大浦選手の出場が難しいとなり、4年生としてはどのような気持ちでしたか?
「正直今年は大浦中心のチームでスタートしました。最後はこうなってしまいましたが、彼の分までみんながしっかり頑張っていかないとインカレは勝てないと思いましたし、そこで意識して一からやっていこうとやっていました」
ーコートに立つメインの4年生が磯野選手だけになってしまって大変だったかと思いますが、下級生たちには何か言いましたか?
「ルーズボールの一つひとつ、リバウンドのボックスアウトといったことを一つひとつちゃんとやらないといけないよと。トーナメントは一発勝負なので、少しでも流れを引き寄せるプレーができていないと勝てないということを話していました。でもそこは今日の相手の筑波大がそれをリーグを踏まえて修正してきていましたし、相手のほうが引き寄せるプレーで上だった。そういう意味でも完敗でした」
ーでも日体大らしいプレーを続けようとしているのも見えました。どんな心境でしたか?
「最後の方は追いつくためには開き直ってプレーするしかないと思っていたので、コートに集まったときやベンチでも打てるときは積極的にシュートを狙おうと言っていましたね」
ー磯野選手はあの大きな筑波大の選手相手でもよく跳んでリバウンドにも絡みますね。
「そこはそうするしかないと思っていたので、やりました。高校時代もチーム内でも最高身長が185くらいのチームだったので、それで大濠や福岡第一相手にやってきて、その延長ですね」
ー今季1部に上がり、リーグ戦では4位。そういう意味では結果は出た年といえるのでは?
「よかったとは思いますが、それでもリーグはよくてもインカレで勝てないとダメだということは思い知らされましたね。どこのチームもリーグはダメでもインカレに合わせてきているので、僕らもそういう形でインカレで勝てるチームを作って欲しいと思います」

「そんなことはないと思います。僕らだけではなくて、試合に出ていない4年生、武藤(#9)、津田(#54)、河野(#45)たちも練習からしっかりコミュニケーションを取ってリーダーシップを発揮してやってきてくれたから、その上での僕らです。2人だけではなく4年生全員、コーチの2人もそうです。見えているところ、見えていないところでも4年生の頑張りがあってやってこられたと思います。応援も率先して4年生が来てくれていたし、そこは本当に感謝です」
ー大学での4年間はどうでしたか?
「1、2年生のときは1部に上がれなくて4年生も来年こそは、来年こそは、と言ってきてそれを昨年のキャプテンである井出さん(現社会人・JR東日本秋田)が中心となって1部に上げてくれました。だからこそ簡単に2部に落ちる訳にはいかないし、1部の上位に食い込むチームを作らなくてはいけないという感じでスタートしたので、そこは僕らの目標達成はできました。でもインカレでは去年とまったく同じ日、同じ時間の試合で筑波大相手に負けてしまい、後輩たちに悔しい思いをさせてしまったというのは申し訳ないです」
ー来年はどのようなことに期待しますか?
「今年出場していた選手はもちろん、僕のように最初はプレータイムがなくても最後3、4年になって頑張って出ていくこともできると思います。だから徐々にでもいいからプレータイムを獲得して、チーム一丸となって、勝てるようにやっていって欲しいです」
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