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2019.12.10 (Tue)
【2019インカレ】12/10レポート(1回戦)
大会2日目にして1回戦の戦いがすべて終了
天理大・福岡大・名古屋学院大は粘るも関東越えはならず
インカレは 2日目を迎え、ここまで全16試合を消化し、ベスト16が出揃った。この日は接戦が目立ち、特に神奈川大と名古屋学院大戦は最後までわからない熱戦になったが、神奈川大がシーソーゲームを制した。早稲田大は昨年に引き続き、劇的な逆転スリーポイントで天理大を下した。福岡大も前半東海大にリードし、4Q途中まで拮抗した展開を見せたが、4Qの中盤に失速した。
関東は出場した全12チームが1回戦を突破。それ以外の連盟では東海1位の中京大、関西1位の京都産業大、2位の近畿大、九州1位の九州共立大が2回戦へと進んだ。
◆Aコート

写真:3Pが沈み、仲間に囲まれる早稲田大・神田。
早稲田大は#1神田の劇的な3Pが決まり逆転勝利
東海大は3Qまで福岡大にリードされる危ない展開
競り合いが見られたのは関東9位の早稲田大と関西4位の天理大。早稲田大は高い位置からのプレス、天理大は持ち味のゾーンを使いながらの戦いとなり、2Qの半ばまでは競り合いに。しかし天理大はそこからは早稲田大の圧力の前に点が伸びずに前半は17点のビハインド。しかし3Qに奮起する。#55ディアラ(1年・C・福岡第一)、#24佐々木(4年・SG)、#3藤澤(3年・PG)が機能して次々に得点。タフショットもよく決まって一気に差を詰め、67―63の4点差にして4Qに突入。すると早稲田大はシュートのみならずフリースローまでどんどん外れていき、ディフェンスで粘るも天理大が#28二見(2年・PF)のシュートで残り3分に逆転。さらに天理大はディレイドからのオフェンスで差を広げて残り1分をきり4点のリード。早稲田大は#7宮本がゴール下に入り込んでなんとかねじ込むが、天理大は#24佐々木がフリースローを1本決めて残り7.4秒でリードは3。最後のオフェンス、早稲田大はボールが渡った#1神田が(1年・PG・浜松開誠館)放った3Pがリングに跳ねて吸い込まれ、78-77。昨年同様、劇的な逆転3Pで1回戦を突破した。
昨年のインカレ3位、そして関東8位でインカレに挑む日本大は、中国1位の徳山大相手に1Qから3―29と快調に飛ばし、まんべんなくメンバーを使いながらの展開となった。中国1位の徳山大はインサイドで#99サインバヤル(1年・C・57r buren dund surguuli)が体を張り、シュートもコンスタントに入って3Qは持ち直すが、日本大はベンチメンバーを使いながら57-85で1回戦突破。日本大はリーグ戦中怪我人が相次いだがそれも全員復帰し、メンバーがようやく揃った状態でこのインカレを戦っていくことになる。
昨年の覇者・東海大は九州3位の福岡大に対して前半からビハインド。福岡大は3Pがよく沈み、速い動きと泥臭い粘りでシュートチャンスをものにしていった。ハイスコアな展開となり、東海大は前半50-44と出遅れる形に。後半、東海大は開始3分でようやく追いつくが、そこからもシーソーゲームで推移し、一気に突き放すことができない。終盤になって#1大倉 龍之介(4年・F)のアウトサイドが決まってようやく抜け出していくが、福岡大も最後はブザーとともに放った#24林田(4年・PF)のシュートが3Pとして認められ、72―73と1点差で4Qへ。すると福岡大は#46今林がフローターを沈め逆転と、シーソーゲームが続く。しかし開始3分頃から福岡大のアウトサイドが落ちていくと、東海大はインサイドでファウルをもらい、また#11大倉颯太(2年・G)のレイアップ、3Pなども好調で最後は福岡大を突き放し、80-99で試合終了。福岡大は昨年も1回戦で筑波大に食い下がり、9点差の大健闘を見せたチーム。何より光った粘り強さで、東海大をあわやと思わせるところまで追い込んだ。
そのほか、地方同士の対戦となった九州1位の九州共立大と四国1位の松山大の対戦は、2Q以降に九州共立大が30点台のハイペースで試合を展開。シュートが決まるごとに大きな歓声が上がり、116-67で1回戦を突破。次戦は東海大と対戦する。
写真上:天理大は藤澤も攻撃起点として後半に活躍。
写真下:福岡大・青山は22点のチームハイで何度も東海大を脅かした。
◆Bコート

膝の怪我でリーグ戦に出られなかった白鴎大・シェッハ。3Pを決め、笑顔が戻った。
関東勢が全チーム初戦を突破
名古屋学院大が神奈川大を追い詰めたが惜敗
Bコートでは関東勢が全チーム2回戦進出を決めた。関東12位の中央大は東海3位の名古屋経済大に91-66で勝利。序盤からディフェンスを締め、アウトサイドもよく入った。リーグ戦同様、タイムシェアでまんべんなく活躍をみせた。名古屋経済大は序盤、#21エマニエル(2年・C)は高さを活かしいいリズムで入ったが、中央大のディフェンスが厳しく攻めあぐねた。しかし#14遠藤(4年・G)は声でチームを鼓舞する姿が見え、ディフェンスでも中央大を苦しめる時間があった。
関東5位の筑波大は114-45で北信越2位の金沢大を圧倒した。高さで優勢となりリバウンドやブロックを量産。終盤は#0伊藤(4年・SG)が出場し5得点で、応援席やベンチが大きく盛り上がった。金沢大は果敢にドライブやシュートに向かったが、筑波大の高さに苦しんだ。
中国2位の広島大は、関東7位の白鴎大に食らいついた。1Qは互いに天を取り合う形に。サイズでは劣る広島大はスピードで白鴎大のディフェンスを割っていき、1Qを19-18とすると2Qも勢いあるオフェンスを展開。しかし白鴎大は#0関屋(1年・G・飛龍)のシュートをきっかけに広島大を引き離し、前半で15点差をつけ、後半さらにリードを広げた。白鴎大は残り時間わずかになって、リーグを怪我で欠場した#75シェッハ(4年・C)をコートに送り出した。その#75シェッハが3Pを見事決めると、ベンチも応援席も大歓声を上げ、ゲームは91-55で試合終了となった。
写真:中央大は大﨑が10得点。4年生としてインカレで結果を出したい。
【神奈川大#5緒方が2本の3Pでチームを救う】

関東10位の神奈川大と東海2位の名古屋学院大の対戦は、終始両チームのディフェンス力が光り、どちらに転ぶかわからない展開となった。神奈川大は#75小酒部(3年・SF)が安定の活躍をみせ18-10で1Qをリード。名古屋学院大は点が伸び悩んだが一転して2Q、#27鈴木(4年・SG)の3Pを皮切りに、#28村鳥(4年・F)がバスケットカウント、残り5分で#32栗山(2年・F)がドライブで逆転する。ディフェンスも寄りが早く、簡単にシュートまでいかせない。神奈川大は逆転されるとすぐに#21岡部(3年・PG)が3P、#5緒方(4年・PF)がバスケットカウントで再びリード。しかし名古屋学院大も#20村鳥、#11山本(3年・PG)がシュートを決め34-34と同点にして前半終了。
3Q5分まで両チーム我慢の時間となるが、先に抜け出したのは神奈川大でその後はややリードで進む。名古屋学院大はミスが続いたが#2田中(2年・PG)のフローターから息を吹き返し、#20村鳥の3P、#32栗山のバスケットカウントで再逆転。しかしブザーと共に#5緒方が速攻を決め神奈川大が50-49で1点リードし最終Qへ。4Qも終盤までディフェンスの強度が両チーム落ちず。名古屋学院大はゴール下では攻守で#1王(3年・C)がねばり、#27鈴木、#20村鳥を中心に連続得点しリード。神奈川大は#11工(3年・PF)がシュートを決め、#5緒方が速攻をブロックし気を吐く。名古屋学院大は残り3分、#27鈴木が24秒いっぱいで角度のないジャンパーを決めリード。神奈川大はタイムアウト後、#5緒方が3P、#3小針がディフェンスでみせ、さらに3Pを決め逆転し、リードは2点。名古屋学院大はミスが続き得点できず、残り10秒で再び#5緒方が3Pを沈めて勝負を決定づけると、そのまま幕。68-63で神奈川大が2回戦に進んだ。
何度も逆転に成功し、惜しくも破れた名古屋学院大だが、ディフェンスの強度は関東のチームに劣らなかった。ヘルプの寄りが速く、また神奈川大の#75小酒部に対しては#20村鳥と#32栗山が交互に徹底マーク。最後は神奈川大に外のシュートを許してしまったが、終盤まで強度が落ちることはなかった。#27鈴木は持ち味のジャンパーや攻撃力を活かし22点のチームハイ。#20村鳥は苦しい時間にバスケットカウントを決めてきた。また#1王がゴール下で献身的にリバウンドを取っていたのは大きかった。
写真上:11得点15リバウンド。インサイドでは神奈川大を凌駕した名古屋学院大・王。
写真下:終盤の3Pを沈めた緒方。小酒部が押さえられる中で見事な働きだった。
※以下のインタビューは「続きを読む」へ。
早稲田大・神田選手
中京大・鈴木選手、村鳥選手
福岡大・今村選手
「なにか起こしたいと、準備をしていた」
憧れの存在に近づくための努力と熱量
◆#1神田誠仁(早稲田大・1年・PG・浜松開誠館)

2点ビハインドの中でブザーとともに放たれたスリーポイントは、リングに一度弾かれたが静かにネットを揺らした。昨年のインカレと同じような勝負強さをルーキーがみせてくれた。打った瞬間「落ちた」と思ったが、諦めない気持ちが伝わったと笑顔で振り返った。リーグ戦から熱さを全開にしたプレースタイルが強みの選手で、ディフェンスや泥臭いプレーが魅力。関東大学バスケットボールの世界で、自分が生き残る術を探し、かつ憧れである先輩長谷川 暢からも学んだ。今年も番狂わせを起こせるか。次の試合にも目が離せない。
-最後は見事な3Pでした。試合を振り返って。
「打った瞬間、入る気はしませんでした。最後まで諦めなかった気持ちを神様が見てくれていたのかなと思います。ただ前半に17点差をつけて追いつかれて逆転されて、正直嬉しいという気持ちよりは反省点が多いです。トーナメントなので結果が全てですが、リーグ戦を23試合やってきてあの出来だったら物足りないですし、成長はもっとできると思います。課題点はたくさんあると思います」
-課題点を具体的にいうと何でしょうか?
「前半は離れましたが、ディフェンスリバウンドが55%しかとれていませんでした。後半も結構取られてしまいましたね。後半、相手のシュートが当たる時間帯に、相手のシュートを打たせるまでの頑張りができていなくて。スクリーンを壊すのも、ディナイ一つとっても、どこかシュート以前のところが緩んでいました」
-最後コートに立った時はどのような意識を持っていたのでしょうか?
「桑田さん(#39)がファウルアウトをしてしまって、自分の出番がありました。いつでも行けるように準備はしていました。桑田さんは今日スリーが当たったので、出ていた方が良かったと思いますがファウルアウトはしょうがないです。自分が出たら『なんかしてやろう』という気持ちはあったので、シュートが入って良かったです」
-神田選手は熱い気持ちが全面に出ていますね。
「熱さは常に出すようにしていて、それが空回りをしてしまう時もありました。ディフェンスでハードに当たってファウルをしてしまうこともありました。でもこの身長で、技術もなくて関東リーグで生きていくのは簡単ではありません。僕はディフェンスとスポットアップ、ドライブでどれだけ貢献できるかをずっと考えていました。それが最後いい形で表現できて良かったです」
-神田選手が入学前ですが、昨年も早稲田大は同じような試合展開で勝利しました。
「入学前でしたが、ちょうど入試が終わった後で、 バスケットLIVEで早稲田の試合をずっと見ていました。1回戦の京都産業大での暢さん(現Bリーグ秋田・長谷川)の3Pも、2回戦の大東大の濱田さん(現関東実業団・東京海上日動)の3Pも見ていました。暢さんに憧れて早稲田に来たので、いつかやってやりたいと思っていました。それができてよかったですね」
-長谷川選手に憧れて早稲田を選んだということで、彼と何か話とかはしますか?
「入学前の2月頃から練習に参加させていただいていました。暢さんがずっと声をかけてくれて、秋田から帰って来た時も必ず2人で話す機会を作ってくれます。私生活の話やバスケの話、PGのスキル、気持ちの持ち方も教えてくださるので、本当に偉大な先輩だと思います。暢さんは、『自分が行く』と決めたら絶対に行くのは、心で決めているんです。去年のインカレもそう思っていたと思いますし、時間帯によりますが、自分が点を取らなくてはいけない時は絶対に行く気持ちを強く持つと聞きました。自分はまだ1年生ですし、これから表現していきたいと思います。いい経験をこのインカレでもさせてもらっているので明日も頑張りたいです」
-もうすぐ早稲田大に入り1年になりますが、リーグ戦でもプレータイムがある中でどんなことを意識してきたのでしょうか?
「自分はこの1年間苦労しました。高校まではオフェンスのファーストオプションで、攻撃も組み立てることができました。でも関東にきて、それはできなくて。4月の段階で痛感しました。自分のスタイルを見つけられたのはリーグ戦でした。徹底的なディフェンス、ドライブ、スポットアップでシュートを決めることを意識してきました。長いリーグ戦で、自分のスタイルを見つけられたのはよかったです」
-先程おっしゃっていたように、明日も大会は続きます。意気込みをお願いします。
「明日は、日本大だと思いますが、リーグ戦で2敗している相手です。自分たちの何かを変えないといけませんし、今日を通して成長できたこともあると思います。1分、1秒成長していきたいと思います」
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「一歩チームの伝統が進めた」(鈴木)
「勝つ気持ちはみんな一つだった」(村鳥)
◆#27鈴木 空(名古屋学院大・4年・主将・SG)/#20村鳥 匠(名古屋学院大・4年・F)

鈴木は春にBリーグの特別指定を経験するエース。村鳥は下級生の頃からプレータイムを得てきた選手だ。試合経験も豊富なチームの核となる2人は、攻守で存在感を発揮し、途中までリードして終盤はクロスゲームを展開した。しかし、ラストシーズンは春先からチーム作りにやや苦しみ、東海地区2位でのインカレ出場。それでも「打倒関東」の意地を大舞台で見せてくれた。特にチームディフェンスには目を引くものがあり、ここで集大成としてのチーム力が発揮されたといえよう。関東の壁まであと少し。頼もしい背中を見せてくれた2人は、この目標を後輩たちに託した。
-惜しい試合でした。振り返って。
鈴木:ちょうど5年前にインカレに出てから『打倒関東』をチームの目標としてやってきました。僕らの代は4年間インカレを経験しました。目標は果たせませんでしたが、チームとして関東を倒す姿勢を伝えられたと思いますし、僕らにみんなが付いてきてくれたと思います。そこは、一歩チームの伝統が進めたかなと思います。
村鳥:4回、関東へのチャレンジができて4回勝てませんでした。毎年ナイスゲームはできていましたが、勝ちきれない。後輩たちにはそこが課題になってくると思います。この1年でしっかり勝ちきれるチームを作って欲しいです。
-このインカレはどのような気持ちで臨みましたか?
鈴木:焦りはほとんどなくて、落ち着いて準備ができました。いつかは対戦する関東で、それが初戦になっただけです。トーナメントなので勝つしかないですし、みんなで初っぱなからやってやろうという気持ちで吹っ切れていたと思います。
村鳥:関東だからという気持ちはありませんでした。一つのチームと戦うということで、これまでやってきたハードなディフェンスをしっかりやろうと。ゲームプラン通りに進めましたが、最後勝ちきれなかったです。勝つ気持ちでは、みんな一つになって向かっていきました。
-4年目のインカレはどうでしたか?
鈴木:関東のチームはリーグ戦の試合数も多いですし、どのチームが勝ってもおかしくない状況でやっていて、そこに合わせて慣れないといけないと思いました。4年間インカレを経験したことは、気負わないとか、いつも通りの力を発揮するだとか、そういうことが身についたと思います。
村鳥:楽しくみんなでできたのはとても良かったです。勝てればもっと楽しかったですが、何より楽しめてよかったですね。
-この1年、どんなチームを作ってきましたか?
鈴木:僕が主将でしたが、春先は特別指定で3カ月間チームを抜けました。みんなと練習する時間もなければ、その時に怪我もしてしまったので出遅れてしまった感じになって。ずっとまとまらない感じが続いてしまって、それは僕の責任です。でもみんながめげずについてきてくれて。周りの同期が一緒になって引っ張ってくれたことが大きかったです。主将だけでなくて、4年生全員がチームをまとめて引っ張ってくれたおかげで、3年生や下級生もついてきてくれました。徐々にチームが良くなっていって、今日が集大成として成果が出た試合だと思います。
村鳥:空が春先にいなくて、副主将の泉(#37)を始め、4年生でまとめていこうとなり、うまくいかずトーナメントでも勝てなくて。勝てない期間が今年は続きました。それでも4年生についてきてくれて、ここまで来られたので、後輩たちにも頑張って欲しいです。
-今シーズンの自身の役割はそれぞれ何でしたか?
村鳥:泉は今年からですが、自分は去年から試合に出させてもらう立場でした。プレーや行動で示そうと思っていましたが、ようやくできたと思います。
鈴木:自分はあまり言うタイプではなく、背中で見せるタイプでした。でも4年になり声を出すことも多くなりました。自分でも色々考えながらやりましたが、うまくまとめられない時もありました。3年生まではただプレーをしていればいいだけの立場で、4年生になると下を引っ張らなくてはいけない。そういう立場を経験できたことは、難しさもありましたが選手として成長できたかなと思います。
-来年のチームにメッセージをお願いします。
鈴木:普通にバスケットをやっていたら関東のチームには勝てません。環境も全く違います。それ以上にがんばらないといけないと、みんな感じたと思います。僕は特に感じたので、1年間関東を倒す気持ちを持ち続けることですね。来年こそは出して欲しいです。
村鳥:今日のゲームで関東のチームと戦えることは証明できたと思います。このゲームを見直して反省して、足りないところを補い、新チームで頑張ってほしいです。打倒関東を掲げていれば、東海地区では優勝できると思います。
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「経験のない中で話し合うチーム作りをしてきた」
九州3位の立場から関東の強豪を脅かす
◆#15今村優樹(福岡大・4年・主将・PG)

昨年もスタメンとしてインカレに出場し、筑波大相手に最後まで食い下がって15得点。今年も同様に最後まで東海大相手に奮闘した。何度もやめたいと思いながら続けてきて、関東の強豪に一歩も引かない粘り強さを2年連続で見事に披露した。
昨年チームを率いていた田方監督がB2広島のアシスタントコーチとなり、長嶺監督に交代。こうした環境の変化もあってチームとしてはリーグ戦の出足でぐらついた秋だった。9月のリーグ1週間前に就任した長嶺監督は「自分が来るまではアシスタントコーチが中心になって、学生主体で頑張っていた。ただ、リーグ戦では40点差で負けてしまった試合もあり、そこで選手たちともよく話し合い、協力し合ってここまで来られた」と、荒波を乗り越えてきた様子が伺える。この試合では終盤こそ体力や選手層の差で引き離されたが、4Qの頭までは東海大を凌駕したのは、昨年はずっと追いかける展開だった筑波大戦よりも目に見える成長ポイント。そうした環境の変化を感じさせず、昨年と同じ粘り強さを披露した。チームとして一つになったからこその出場と、奮闘だった。
―昨年は筑波大に善戦し、今年は東海大を途中までリードする試合となりました。ここまで戦えたのは何が要因でしょうか。
「全国と戦うことを課題としてきました。3Qまでですが、そこができたのかなと。最後に途切れたのが敗因でもあり、課題ではあります。やっぱり30人という人数が少ない中でやってきて、ここまで戦えたのはディフェンスの部分だったり、アタックの部分だったり、シュートだったりついていけました」
―夏に田方監督が交代されて変化があったと思いますが、その中でどのような意識があってやってきたのでしょう?
「田方さんがいなくなる前から、今年は自分がキャプテンとしてみんなで話そうとチーム作りをしてきました。下級生が多い中で上級生に言ったり、練習中も止めて言ったり、試合中も5人で話すことを多くしてきました。大きくは変わってはいないですが、やはり監督がいなくなられて、去年の経験がない状態で今年のチーム作りをしてきて、個人個人として精神的な部分では大変だったかなと思います。チームとして客観的に見る分には姿はまったく変わらなかったですが、個人的なところ、戦術の考え方、ミスが起こったときの対応など、気持ちが落ち込んだときの切り替え方など、監督が変わったことで大きな痛手があったのは確かです」
―今日の試合を見る限りそんな変化にさらされていたとは感じにくい部分があります。でも先程長嶺監督にお伺いすると、リーグ戦では40点差ほどで負けてしまった試合もあるとか(vs九州共立大47-88)。
「そこが一番大きかったですね。10試合ある中で、最初の試合は延長で負けてしまいました。4年間でリーグ戦を負けて入ったのが初めてで、その気持ちの切り替えができず2試合目の40点差の試合につながったと思います。そのあと長嶺監督と4年生がよく話して、変えていかなければならないねと、チームとして変わっていけました。3戦目はたまたまホームゲームでラッキーでしたが、そこからギリギリ戻せて3位でインカレに来ることができました」
―その状況を乗り越えてきてのこの試合となって、来年以降もさらによくなっていけるのでは。
「下級生も多いのでぜんぜんよくなると思います。ただ、やはり一つのリバウンドだったり、相手が大きい状況でそこを押さえきれなかったり、ミスからの1点は関東との大きな差です。ピックのかけ方やフィジカルの差にも大きな溝があります。そこを日頃の練習からしていかないと、最後にこういう結果になるのかなと思います」
―今村選手は4年間を振り返るとどうでしたか?
「きつかったです。何度もやめたいと思いました。一般でここに入り、試合に出だしたのが3年生でした。高校ではフォワードとして結構目立つプレイヤーとしてやってきたんですが、大学ではうまくいかずギャップに悩まされました。でも負けたくなかったので続けてこられたかなと思います。2年生のときにディフェンスを頑張ろうとなって、そこで出番をもらえるようになって、去年はあんな形でインカレにも来られました。それに試合であれだけできたので、今年はやってやろうという気持ちも強かったです。後輩たちに向けては、今年インカレに来られたのはやはり大きいです。監督も変わったけれど、こういう試合ができたのはいい財産になるはず。来年はやってくれると思います」
天理大・福岡大・名古屋学院大は粘るも関東越えはならず
インカレは 2日目を迎え、ここまで全16試合を消化し、ベスト16が出揃った。この日は接戦が目立ち、特に神奈川大と名古屋学院大戦は最後までわからない熱戦になったが、神奈川大がシーソーゲームを制した。早稲田大は昨年に引き続き、劇的な逆転スリーポイントで天理大を下した。福岡大も前半東海大にリードし、4Q途中まで拮抗した展開を見せたが、4Qの中盤に失速した。
関東は出場した全12チームが1回戦を突破。それ以外の連盟では東海1位の中京大、関西1位の京都産業大、2位の近畿大、九州1位の九州共立大が2回戦へと進んだ。
◆Aコート

写真:3Pが沈み、仲間に囲まれる早稲田大・神田。
早稲田大は#1神田の劇的な3Pが決まり逆転勝利
東海大は3Qまで福岡大にリードされる危ない展開

昨年のインカレ3位、そして関東8位でインカレに挑む日本大は、中国1位の徳山大相手に1Qから3―29と快調に飛ばし、まんべんなくメンバーを使いながらの展開となった。中国1位の徳山大はインサイドで#99サインバヤル(1年・C・57r buren dund surguuli)が体を張り、シュートもコンスタントに入って3Qは持ち直すが、日本大はベンチメンバーを使いながら57-85で1回戦突破。日本大はリーグ戦中怪我人が相次いだがそれも全員復帰し、メンバーがようやく揃った状態でこのインカレを戦っていくことになる。

そのほか、地方同士の対戦となった九州1位の九州共立大と四国1位の松山大の対戦は、2Q以降に九州共立大が30点台のハイペースで試合を展開。シュートが決まるごとに大きな歓声が上がり、116-67で1回戦を突破。次戦は東海大と対戦する。
写真上:天理大は藤澤も攻撃起点として後半に活躍。
写真下:福岡大・青山は22点のチームハイで何度も東海大を脅かした。
◆Bコート

膝の怪我でリーグ戦に出られなかった白鴎大・シェッハ。3Pを決め、笑顔が戻った。
関東勢が全チーム初戦を突破
名古屋学院大が神奈川大を追い詰めたが惜敗

関東5位の筑波大は114-45で北信越2位の金沢大を圧倒した。高さで優勢となりリバウンドやブロックを量産。終盤は#0伊藤(4年・SG)が出場し5得点で、応援席やベンチが大きく盛り上がった。金沢大は果敢にドライブやシュートに向かったが、筑波大の高さに苦しんだ。
中国2位の広島大は、関東7位の白鴎大に食らいついた。1Qは互いに天を取り合う形に。サイズでは劣る広島大はスピードで白鴎大のディフェンスを割っていき、1Qを19-18とすると2Qも勢いあるオフェンスを展開。しかし白鴎大は#0関屋(1年・G・飛龍)のシュートをきっかけに広島大を引き離し、前半で15点差をつけ、後半さらにリードを広げた。白鴎大は残り時間わずかになって、リーグを怪我で欠場した#75シェッハ(4年・C)をコートに送り出した。その#75シェッハが3Pを見事決めると、ベンチも応援席も大歓声を上げ、ゲームは91-55で試合終了となった。
写真:中央大は大﨑が10得点。4年生としてインカレで結果を出したい。
【神奈川大#5緒方が2本の3Pでチームを救う】

関東10位の神奈川大と東海2位の名古屋学院大の対戦は、終始両チームのディフェンス力が光り、どちらに転ぶかわからない展開となった。神奈川大は#75小酒部(3年・SF)が安定の活躍をみせ18-10で1Qをリード。名古屋学院大は点が伸び悩んだが一転して2Q、#27鈴木(4年・SG)の3Pを皮切りに、#28村鳥(4年・F)がバスケットカウント、残り5分で#32栗山(2年・F)がドライブで逆転する。ディフェンスも寄りが早く、簡単にシュートまでいかせない。神奈川大は逆転されるとすぐに#21岡部(3年・PG)が3P、#5緒方(4年・PF)がバスケットカウントで再びリード。しかし名古屋学院大も#20村鳥、#11山本(3年・PG)がシュートを決め34-34と同点にして前半終了。


写真上:11得点15リバウンド。インサイドでは神奈川大を凌駕した名古屋学院大・王。
写真下:終盤の3Pを沈めた緒方。小酒部が押さえられる中で見事な働きだった。
※以下のインタビューは「続きを読む」へ。
早稲田大・神田選手
中京大・鈴木選手、村鳥選手
福岡大・今村選手
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【INTERVIEW】「なにか起こしたいと、準備をしていた」
憧れの存在に近づくための努力と熱量
◆#1神田誠仁(早稲田大・1年・PG・浜松開誠館)

2点ビハインドの中でブザーとともに放たれたスリーポイントは、リングに一度弾かれたが静かにネットを揺らした。昨年のインカレと同じような勝負強さをルーキーがみせてくれた。打った瞬間「落ちた」と思ったが、諦めない気持ちが伝わったと笑顔で振り返った。リーグ戦から熱さを全開にしたプレースタイルが強みの選手で、ディフェンスや泥臭いプレーが魅力。関東大学バスケットボールの世界で、自分が生き残る術を探し、かつ憧れである先輩長谷川 暢からも学んだ。今年も番狂わせを起こせるか。次の試合にも目が離せない。
-最後は見事な3Pでした。試合を振り返って。
「打った瞬間、入る気はしませんでした。最後まで諦めなかった気持ちを神様が見てくれていたのかなと思います。ただ前半に17点差をつけて追いつかれて逆転されて、正直嬉しいという気持ちよりは反省点が多いです。トーナメントなので結果が全てですが、リーグ戦を23試合やってきてあの出来だったら物足りないですし、成長はもっとできると思います。課題点はたくさんあると思います」
-課題点を具体的にいうと何でしょうか?
「前半は離れましたが、ディフェンスリバウンドが55%しかとれていませんでした。後半も結構取られてしまいましたね。後半、相手のシュートが当たる時間帯に、相手のシュートを打たせるまでの頑張りができていなくて。スクリーンを壊すのも、ディナイ一つとっても、どこかシュート以前のところが緩んでいました」
-最後コートに立った時はどのような意識を持っていたのでしょうか?
「桑田さん(#39)がファウルアウトをしてしまって、自分の出番がありました。いつでも行けるように準備はしていました。桑田さんは今日スリーが当たったので、出ていた方が良かったと思いますがファウルアウトはしょうがないです。自分が出たら『なんかしてやろう』という気持ちはあったので、シュートが入って良かったです」
-神田選手は熱い気持ちが全面に出ていますね。
「熱さは常に出すようにしていて、それが空回りをしてしまう時もありました。ディフェンスでハードに当たってファウルをしてしまうこともありました。でもこの身長で、技術もなくて関東リーグで生きていくのは簡単ではありません。僕はディフェンスとスポットアップ、ドライブでどれだけ貢献できるかをずっと考えていました。それが最後いい形で表現できて良かったです」
-神田選手が入学前ですが、昨年も早稲田大は同じような試合展開で勝利しました。
「入学前でしたが、ちょうど入試が終わった後で、 バスケットLIVEで早稲田の試合をずっと見ていました。1回戦の京都産業大での暢さん(現Bリーグ秋田・長谷川)の3Pも、2回戦の大東大の濱田さん(現関東実業団・東京海上日動)の3Pも見ていました。暢さんに憧れて早稲田に来たので、いつかやってやりたいと思っていました。それができてよかったですね」

「入学前の2月頃から練習に参加させていただいていました。暢さんがずっと声をかけてくれて、秋田から帰って来た時も必ず2人で話す機会を作ってくれます。私生活の話やバスケの話、PGのスキル、気持ちの持ち方も教えてくださるので、本当に偉大な先輩だと思います。暢さんは、『自分が行く』と決めたら絶対に行くのは、心で決めているんです。去年のインカレもそう思っていたと思いますし、時間帯によりますが、自分が点を取らなくてはいけない時は絶対に行く気持ちを強く持つと聞きました。自分はまだ1年生ですし、これから表現していきたいと思います。いい経験をこのインカレでもさせてもらっているので明日も頑張りたいです」
-もうすぐ早稲田大に入り1年になりますが、リーグ戦でもプレータイムがある中でどんなことを意識してきたのでしょうか?
「自分はこの1年間苦労しました。高校まではオフェンスのファーストオプションで、攻撃も組み立てることができました。でも関東にきて、それはできなくて。4月の段階で痛感しました。自分のスタイルを見つけられたのはリーグ戦でした。徹底的なディフェンス、ドライブ、スポットアップでシュートを決めることを意識してきました。長いリーグ戦で、自分のスタイルを見つけられたのはよかったです」
-先程おっしゃっていたように、明日も大会は続きます。意気込みをお願いします。
「明日は、日本大だと思いますが、リーグ戦で2敗している相手です。自分たちの何かを変えないといけませんし、今日を通して成長できたこともあると思います。1分、1秒成長していきたいと思います」
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「一歩チームの伝統が進めた」(鈴木)
「勝つ気持ちはみんな一つだった」(村鳥)
◆#27鈴木 空(名古屋学院大・4年・主将・SG)/#20村鳥 匠(名古屋学院大・4年・F)

鈴木は春にBリーグの特別指定を経験するエース。村鳥は下級生の頃からプレータイムを得てきた選手だ。試合経験も豊富なチームの核となる2人は、攻守で存在感を発揮し、途中までリードして終盤はクロスゲームを展開した。しかし、ラストシーズンは春先からチーム作りにやや苦しみ、東海地区2位でのインカレ出場。それでも「打倒関東」の意地を大舞台で見せてくれた。特にチームディフェンスには目を引くものがあり、ここで集大成としてのチーム力が発揮されたといえよう。関東の壁まであと少し。頼もしい背中を見せてくれた2人は、この目標を後輩たちに託した。
-惜しい試合でした。振り返って。
鈴木:ちょうど5年前にインカレに出てから『打倒関東』をチームの目標としてやってきました。僕らの代は4年間インカレを経験しました。目標は果たせませんでしたが、チームとして関東を倒す姿勢を伝えられたと思いますし、僕らにみんなが付いてきてくれたと思います。そこは、一歩チームの伝統が進めたかなと思います。

-このインカレはどのような気持ちで臨みましたか?
鈴木:焦りはほとんどなくて、落ち着いて準備ができました。いつかは対戦する関東で、それが初戦になっただけです。トーナメントなので勝つしかないですし、みんなで初っぱなからやってやろうという気持ちで吹っ切れていたと思います。
村鳥:関東だからという気持ちはありませんでした。一つのチームと戦うということで、これまでやってきたハードなディフェンスをしっかりやろうと。ゲームプラン通りに進めましたが、最後勝ちきれなかったです。勝つ気持ちでは、みんな一つになって向かっていきました。
-4年目のインカレはどうでしたか?
鈴木:関東のチームはリーグ戦の試合数も多いですし、どのチームが勝ってもおかしくない状況でやっていて、そこに合わせて慣れないといけないと思いました。4年間インカレを経験したことは、気負わないとか、いつも通りの力を発揮するだとか、そういうことが身についたと思います。
村鳥:楽しくみんなでできたのはとても良かったです。勝てればもっと楽しかったですが、何より楽しめてよかったですね。
-この1年、どんなチームを作ってきましたか?
鈴木:僕が主将でしたが、春先は特別指定で3カ月間チームを抜けました。みんなと練習する時間もなければ、その時に怪我もしてしまったので出遅れてしまった感じになって。ずっとまとまらない感じが続いてしまって、それは僕の責任です。でもみんながめげずについてきてくれて。周りの同期が一緒になって引っ張ってくれたことが大きかったです。主将だけでなくて、4年生全員がチームをまとめて引っ張ってくれたおかげで、3年生や下級生もついてきてくれました。徐々にチームが良くなっていって、今日が集大成として成果が出た試合だと思います。
村鳥:空が春先にいなくて、副主将の泉(#37)を始め、4年生でまとめていこうとなり、うまくいかずトーナメントでも勝てなくて。勝てない期間が今年は続きました。それでも4年生についてきてくれて、ここまで来られたので、後輩たちにも頑張って欲しいです。
-今シーズンの自身の役割はそれぞれ何でしたか?
村鳥:泉は今年からですが、自分は去年から試合に出させてもらう立場でした。プレーや行動で示そうと思っていましたが、ようやくできたと思います。

-来年のチームにメッセージをお願いします。
鈴木:普通にバスケットをやっていたら関東のチームには勝てません。環境も全く違います。それ以上にがんばらないといけないと、みんな感じたと思います。僕は特に感じたので、1年間関東を倒す気持ちを持ち続けることですね。来年こそは出して欲しいです。
村鳥:今日のゲームで関東のチームと戦えることは証明できたと思います。このゲームを見直して反省して、足りないところを補い、新チームで頑張ってほしいです。打倒関東を掲げていれば、東海地区では優勝できると思います。
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「経験のない中で話し合うチーム作りをしてきた」
九州3位の立場から関東の強豪を脅かす
◆#15今村優樹(福岡大・4年・主将・PG)

昨年もスタメンとしてインカレに出場し、筑波大相手に最後まで食い下がって15得点。今年も同様に最後まで東海大相手に奮闘した。何度もやめたいと思いながら続けてきて、関東の強豪に一歩も引かない粘り強さを2年連続で見事に披露した。
昨年チームを率いていた田方監督がB2広島のアシスタントコーチとなり、長嶺監督に交代。こうした環境の変化もあってチームとしてはリーグ戦の出足でぐらついた秋だった。9月のリーグ1週間前に就任した長嶺監督は「自分が来るまではアシスタントコーチが中心になって、学生主体で頑張っていた。ただ、リーグ戦では40点差で負けてしまった試合もあり、そこで選手たちともよく話し合い、協力し合ってここまで来られた」と、荒波を乗り越えてきた様子が伺える。この試合では終盤こそ体力や選手層の差で引き離されたが、4Qの頭までは東海大を凌駕したのは、昨年はずっと追いかける展開だった筑波大戦よりも目に見える成長ポイント。そうした環境の変化を感じさせず、昨年と同じ粘り強さを披露した。チームとして一つになったからこその出場と、奮闘だった。
―昨年は筑波大に善戦し、今年は東海大を途中までリードする試合となりました。ここまで戦えたのは何が要因でしょうか。
「全国と戦うことを課題としてきました。3Qまでですが、そこができたのかなと。最後に途切れたのが敗因でもあり、課題ではあります。やっぱり30人という人数が少ない中でやってきて、ここまで戦えたのはディフェンスの部分だったり、アタックの部分だったり、シュートだったりついていけました」
―夏に田方監督が交代されて変化があったと思いますが、その中でどのような意識があってやってきたのでしょう?
「田方さんがいなくなる前から、今年は自分がキャプテンとしてみんなで話そうとチーム作りをしてきました。下級生が多い中で上級生に言ったり、練習中も止めて言ったり、試合中も5人で話すことを多くしてきました。大きくは変わってはいないですが、やはり監督がいなくなられて、去年の経験がない状態で今年のチーム作りをしてきて、個人個人として精神的な部分では大変だったかなと思います。チームとして客観的に見る分には姿はまったく変わらなかったですが、個人的なところ、戦術の考え方、ミスが起こったときの対応など、気持ちが落ち込んだときの切り替え方など、監督が変わったことで大きな痛手があったのは確かです」

「そこが一番大きかったですね。10試合ある中で、最初の試合は延長で負けてしまいました。4年間でリーグ戦を負けて入ったのが初めてで、その気持ちの切り替えができず2試合目の40点差の試合につながったと思います。そのあと長嶺監督と4年生がよく話して、変えていかなければならないねと、チームとして変わっていけました。3戦目はたまたまホームゲームでラッキーでしたが、そこからギリギリ戻せて3位でインカレに来ることができました」
―その状況を乗り越えてきてのこの試合となって、来年以降もさらによくなっていけるのでは。
「下級生も多いのでぜんぜんよくなると思います。ただ、やはり一つのリバウンドだったり、相手が大きい状況でそこを押さえきれなかったり、ミスからの1点は関東との大きな差です。ピックのかけ方やフィジカルの差にも大きな溝があります。そこを日頃の練習からしていかないと、最後にこういう結果になるのかなと思います」
―今村選手は4年間を振り返るとどうでしたか?
「きつかったです。何度もやめたいと思いました。一般でここに入り、試合に出だしたのが3年生でした。高校ではフォワードとして結構目立つプレイヤーとしてやってきたんですが、大学ではうまくいかずギャップに悩まされました。でも負けたくなかったので続けてこられたかなと思います。2年生のときにディフェンスを頑張ろうとなって、そこで出番をもらえるようになって、去年はあんな形でインカレにも来られました。それに試合であれだけできたので、今年はやってやろうという気持ちも強かったです。後輩たちに向けては、今年インカレに来られたのはやはり大きいです。監督も変わったけれど、こういう試合ができたのはいい財産になるはず。来年はやってくれると思います」
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