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2019.06.09 (Sun)

【2019新人戦】6/9 決勝 専修大VS東海大

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専修大は高い身体能力で前半リード
東海大が後半は勢いに乗り2年ぶりの優勝

 新人戦決勝は昨年ベスト16にとどまった専修大と、昨年3位の東海大が激突。ともに昨年から全体チームでも出番を得ている2年生が主力を占め、能力の高さも持ち合わせる。試合は互いの持ち味を見せる好勝負となった。

190609terasawa.jpg 開始すぐに抜け出したのは専修大。まず#23キング(2年・SG)がミドルシュートを決めると、ターンオーバーを奪って#46寺澤(2年・F)が走り、さらに#23キングのアシストから#0ケイタ(1年・C・日体柏)のゴール下、#95齋藤(2年・G)のシュートと怒涛の攻撃。さらに#0ケイタが#11大倉(2年・G)のシュートをブロックし、#10喜志永(1年・G・豊浦)のジャンパーも決まった。東海大は#60坂本(2年・SG)、#31松本(2年・SG)、#86八村(2年・PF)と地道に返すが、専修大はボールがよく回り、開始4分半で最大14-6とリード。東海大は残り5分を切ってから盛り返し、#60坂本、#86八村のスリーが決まると逆転。ディフェンスも締めて24秒オーバーを奪い、19-24として1Q終了。

 1Q終盤の勢いのまま東海大は#24松崎(1年・F・福岡第一)の3Pが開始早々に入ると、7点のリードとなる。しかし専修大は外がよく決まり、開始2分半の#46寺澤の3Pで同点に追いついて拮抗した展開となった。東海大はベンチ主体のメンバーで#50長尾(2年・G)のシュートも好調だが、専修大の勢いある攻撃も切れず、内外から決めていく。すると残り4分半で#28野﨑(2年・G)のバスケットカウントが決まり、逆転。そこから#23キングの速攻、#0ケイタのタップと攻撃が続いていく。東海大は主力を戻すがパスが合わない場面も。専修大は#23キングが大きく跳ねたボールに対して大きな跳躍でのオフェンスリバウンドを入れて観客を驚かせ、身体能力の高さを見せつけた。専修大は#95齋藤のシュートで49-44と前半リードして終了。

 後半3Q、ここで一気に爆発したのは東海大#23佐土原(2年・PF)。立ち上がりにシュートのカバー、フリースロー、ミドルシュート、バスケットカウントと4連続得点で逆転。専修大は#0ケイタ、#23キングの得点で対抗するが、#23佐土原の勢いにほかも乗ってくると、#60坂本、#23八村のアウトサイドも決まって専修大を引き離し、#60坂本の速攻で10点のリードに成功。ディフェンスでも激しく当たり、24秒オーバーを奪った。専修大は苦しい中で#28野﨑が3Pを沈めて点差を詰めるが、#23佐土原のジャンパー、#11大倉の速攻も決まり、東海大が9点リードの64-73で4Qへ。

190609sadohara.jpg 4Qの頭も東海大は激しいディフェンスで専修大に当たっていく。10点差がついたまま試合が進むが、専修大は残り5分を過ぎたあたりから巻き返し、#1山本(2年・F)の3Pに#46寺澤が2本の速攻、そのうち片方はダンクで叩き込み、さらには#10喜志永のシュートで2点差に迫った。しかしここで東海大は焦らない。#11大倉が相手の流れを断ち切る3Pを決めると、残り3分で#23佐土原がコートにイン。ここですぐにボールカットからの得点、続けてフリースローを獲得して再び#23佐土原の連続得点が決まると、#31松本の速攻、#11大倉のシュートで点差は10。専修大は残り2分に#28野﨑の3Pで迫るが#11大倉が落ち着いてコントロールすると、それ以降は得点を許さず82-97と差を広げて優勝を決めた。

 専修大の面々の身体能力の高さはもともと定評があったが、それを立ち上がりから発揮し、東海大相手でもその走りを存分に見せた。またトーナメントでは粘りきれない場面があったがこの決勝では点差が離れてからも再び追い上げるなど、最後まで粘りを見せた。

 東海大は先行される展開はこの新人戦で何度かあったが、「相手のリズムでも自分たちのリズムに引き戻せることがわかった」(大倉)と、ハイスコア展開でもディフェンスの引き締めで自分たちの展開にできることを示した。昨年、1年生主体のメンバーで挑んだこの大会は3位に終わったが、2年生が主体となった今年、この1年の成長力をしっかり見せての優勝となった。

写真上:ダンクに行く専修大・寺澤。一試合のうちの必ず爆発的なプレーを見せる選手。
写真下:東海大は佐土原が29点9リバウンド。3Qに怒涛のオフェンスを見せた。

※東海大・伊藤選手、八村選手、専修大・キング選手のインタビューは「続きを読む」へ。


[続きを読む]

【INTERVIEW】

「やってきたものがちゃんと出せた」
チームとして強いディフェンスを勝負どころで発揮

◆#20伊藤 領(東海大・2年・PG)
190609ito2.jpgバックアップとして安定感あるプレーを大会を通じて見せた。八村や大倉は春から代表合宿で不在がち。彼らの能力を考慮の上、残ったメンバーはチームとしてやるべきことをしっかり見据えて、ディフェンスから基礎を作ってきた。展開は専修大が先行、また迫ってきた場面もあったが、そうした勝負際をディフェンスで持ちこたえたところに、大きな成長の跡が見えた。


―優勝おめでとうございます。決勝を振り返っていかがですか?
「専修さんの得点力を注意してはやっていたんですが、前半に自分たちが受け身になってしまった部分があって、相手に思い通りにプレーさせてしまいました。そこで自分たちが苦しんでしまいました。ハーフタイムに全員でコミュニケーションを取って立て直したのは、決勝では良かったと思います」

―伊藤選手は途中から出ていく役割になりますが、そこで意識していることは?
「ゲームの流れにもよりますが、この決勝だったら相手の失点だったりをどうにかして抑えたいと考えて一線のプレッシャーなどを意識していましたね」

―昨年の新人戦に比べればチームとしてもディフェンスなどは非常に圧も強くなって、成長の跡が見えるようでした。伊藤選手もディフェンスは頑張っていましたね。
「自分たちがやるべきことを徹底してやるということが大切です。自分たちがきつい状況は専修さんもきついだろうということもわかってやっていたので、そこはチームでコミュニケーションを取ってできたので良かったです。1年前と比べると自分たちもディフェンスの強度などはぜんぜん違っていると思います。個人的にも高校までは得点ばかり狙っていましたが、大学に来ていろいろ課題をもらって、やってきたものが出て良かったです」

―新人戦ではキャプテンという立場でしたが、どのようなことを意識していましたか?
「活動し始めは颯太(#11大倉)と阿蓮(#86八村)が李相佰杯でいませんでした。ただ、あの2人がいない状況でもどんなバスケットボールをするかというのははっきりしていて、自分たちのアイデンティティであるディフェンスを崩さずに練習してきました。それが最後までできたのは良かったです。あの2人はオフェンスの出来は文句ないレベルなので、自分たちはやってきたディフェンスを主体に、彼らが困ったら自分たちもオフェンスもやるぐらいの気持ちでやっていました。あとは新人チームということもあってフレッシュなので、コミュニケーションを取って勢いがあるチームを作れたらと思ってやっていました」

―この新人戦ではほかに松本選手(#31)や坂本選手(#60)などの活躍も見られて良かったのではないでしょうか。
「2年生はAチームとして3人が昨年のリーグ戦に絡んでいて、残りの3人が絡めていないという状況でした。昨年試合にあまり絡んでいなかった面々が今大会を通して活躍できたということは、これからの自信にもつながりますし、チームの底上げにも少しでもなればいいかなと思っています。自分も入学してからいろいろ課題がありました。フィジカル的にも足りないところがあって、それはまだまだですが、強化してチームに少しでも貢献できればと思ってやっています」

―伊藤選手の目指す自分のプレーというのは?
「今回は点を取るべきところでもパスをさばいてしまったりというのは少し反省です。オフェンスを2人に頼ってしまうのは良くないので、そこも考えながらやっていきたいと思います」

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「全員が一つになってプレーできた」
成長途上で示した優勝という結果

◆#86八村阿蓮(東海大・2年・PF)
190609hatimura1.jpg決勝は27点14リバウンドと、大黒柱として十分な活躍を見せた。体重は入学時よりも10キロ増、ジャンプ力も上がっているという。それに加えてこの春からはアウトサイドのプレーにも積極的に取り組み、3Pを打つ場面もしばしば見られる。3番程度にまでプレー幅を広げていくことは昨年からの目標であり、徐々にそれを実践に移しているというところだ。インサイドには佐土原もおり、張も加入した。その中でどのように動き、幅を広げながら成長していくかがこれからも楽しみだ。


―優勝おめでとうございます。ただ、試合の入りはまた追う展開でしたね。
「出だしは悪いですね。そこだけ修正はできなかったですけど、そこから巻き返せる力はあると証明というか、あったので助かったと思います。どの試合も競ったときに崩れず、全員が一つになってプレーできたことは今後につながると思います」

―李相佰杯から帰ってきてすぐの大会でしたが、問題はなかったでしょうか。
「僕と颯太は実質2週間ほどの練習でしたが、チームとしてはそこまでにディフェンス練習をしっかりしていました。今大会はディフェンスで聖芽(#60坂本)なんか特にそうでしたが、光ったと思います。そこで助けられました」

―準決勝は八村選手に少しファウルトラブルもありましたが、決勝ではそこまで気にせずに?
「試合が違えば審判も違いますし、そこはもし吹かれてもアジャストしようと思っていました」

―トーナメントは息が合わなかったり、コンディション面で整わなかったりという状況がありましたが、新人戦ではそれは少し解消されていたでしょうか?
「トーナメントは代表活動で抜けたり、怪我も直前のものや、大会中にしてしまった選手もいて、バラバラの状態でした。今回の新人戦チームはそうしたこともなく、全員が一つになってやれていました。コンディションは本当に鍵だと思います」

―新人チームは2年生の結束力が強いことが強みだったのかなと思います。1年とはまだここからかもしれませんが。
「2年はそうですね。日本一仲がいいと思ってます。でも1年も松崎(#24)とかはフレンドリーだし正亮(#10張)も試合中に頑張ってくれますし、そこで僕たちも勇気づけられたところがあったし、1年生に感謝してます」

―秋に向けて。
「この2か月は個人のスキルアップを重点的にやっていくと思います。今年は山形合宿にも参加できると思うので、そこでバシバシ鍛えてリーグに挑みたいと思います」

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「中も外も幅広くできる選手になるのが目標」
先を見据えて着実な成長を

◆#23キング 開(専修大・2年・G)
190609king2.jpg立ち上がりから抜群の身体能力を見せて度肝を抜いた。昨リーグ戦から本格的に出番を得て、試合で見せるプレーも多彩になってきた。持ち前のドライブでの切れ込み以外にも、この新人戦ではインサイドへのアシストやアウトサイドも効果的に決まり、成長ぶりが頼もしい。能力の高い選手が揃う専修大は伸び盛りといってもいいチームだ。インカレに続いての2位ではあるが、先の見える2位としてさらなる飛躍を待ちたい。


―先行リードし、途中まではわからない展開でした。東海大との決勝はいかがでしたか。
「途中はいい感じで勝てると思ったんですが、彼らは粘り強くて戦うチームです。セカンドチャンスでリバウンドをやられている場面もあったし、最後は大倉選手のところのピックや攻撃を止めきれずに終わってしまいました。でも学べることがあったと思います」

―昨年のリーグ戦から公式戦には本格的に出場していますが、走るプレーが目立っていたと思います。今大会を見ているとアシストやアウトサイドも良かったですね。プレー幅の広がりを感じます。
「幅広くしていかないと上にいっても戦えないと思っています。だから少しずつ中も外も広くできるような選手になりたいと思って日々練習で頑張っています。自分は身体能力もありますし、ドライブやオフェンスリバウンドなどは得意ですが、それ以外もやっていかないといけません」

―専修大は全員が40分間走り続けられるのではないかという勢いがすごいですね。
「自分たちはチーム自体がトランジションのチームです。そこはリーグ戦になって3、4年が加わったチームになってもその意識を変えないで、頑張って走っていきたいと思っています」

―練習でそこまで走るのでしょうか?
「そうですね。たまには走りますが基本は個々の意識が大きいと思います。専修は練習自体がそこまできついという訳ではないのですが、やっているメンバーが濃いので、そこが力になっているし、まだ自分たちは若いので高校時代につけた持久力もある選手が多いので、大いに活かしていきたい部分です。今日の東海大戦を振り返っても、後半でも飛び勝てるチームを目指したいです」

―春は盛實選手(#34)が怪我でいない中で戦い、逆に多くの選手が出番を得られたというのはありますが、それは新人戦でも活きましたか?
「海翔さん(盛實)がいない中でベスト4に入れて、そこから先はチームとしての戦い方自体は良くはなかったです。でもそれを経験できたということは大事なことです。秋は海翔さんが帰ってきたときにチームでどうアジャストしてやっていけるかが問題です。昨年は3位でリーグ戦を終えましたが、それを越えられるように頑張っていきたいです」

190609king1.jpg―専修大は個性的な選手が多くいますが、今回はキャプテンを努めていかがでしたか?
「キャプテンは監督に『キャプテンだから』と言われてあ、そうなんだという感じだったんですが(笑)。でもなったからにはチームをまとめないといけないなと思って、積極的に声を出していきました。あと昨年の主将で卒業した塚本選手とは高校が同じだったんですが、あの人はリーダーシップが強い人で、それをお手本にしてチームに『上を向いて頑張っていこう』と言っていました。でも楽しむことが一番なので、それも言っていましたね」

―専修大は頂点まであと少し、というところまで近づいてきていますね。年々進んでいるというところだと思います
「昨年のインカレも2位だったので、今年こそはということでリーグ戦もインカレも頑張っていきたいです」

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ディフェンスはもちろん、決勝はオフェンスでも効果的なシュートが決まった坂本。


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15点の大倉。アシスト王も獲得した。


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大会が進むにつれてらしさが見えてきた松崎。今年度の新人王に輝く。


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高確率のアウトサイドなどオフェンスでの働きも目立った松本。


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14点10リバウンドの専修大・ケイタは新人戦で本格デビュー。


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喜志永も春から出場機会を得ているルーキーだが先が楽しみな選手。


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野﨑は9点。2本の3Pで粘った。


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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