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2019.05.04 (Sat)

【2019全関】5/4 準決勝・順位決定戦 レポート

順位決定戦も白熱する全関西はあと1日
決勝は今年も近畿大と京産大の対戦に


190504TENRI.jpg

 全関は、この日は準決勝と順位決定戦が行われた。前半2試合と後半2試合とで、コートに立つチーム、選手の立ち位置は異なるが、気持ちのこもったプレーに会場のボルテージも上がった。

写真:順位決定戦も白熱の様相。藤澤が勝利に近づく3Pを決めると天理大ベンチも沸き立った。


190504FUTAMI.jpg この日特に盛り上がったのは、天理大大阪学院大による順位決定戦。昨年も全く同じ段階で戦った両者が、今年も火花を散らした。天理大は立ち上がりから#28二見(2年・PF)がゴール下シュート、速攻を決め、交代出場の#95山本(2年・SF)も要所で3Pを沈めるなどしてチームに活力を注入する。対する大阪学院大も、#9儀間(2年・PG)、#71小川(2年・SF)が内外でバランス良く得点していき引かない。大阪学院大がわずかなリードを得た最終盤、天理大は#68高松(3年・SF)の3P、#3藤澤(3年・PG)のフリースローで追いつき、勝負は延長に。するとここで#3藤澤が勝負強さを発揮。貴重な3Pで天理大が抜け出し、最後もフリースローを落とさず75−71で勝利した。

 一方、順位決定戦のもう一カードの関西大流通科学大は、開始から関西大ペース。#6秋岡(3年・PG)や#0足立(4年・PG)らが積極的に得点していく。流通科学大は、サイズ面でも苦しく単発な得点が続いた。関西大は1Qで早々に20点のリードを得ると、そのまま優位にゲームを進めていった。最後は104−65という大差となり、関西大が5位決定戦進出を決めた。

写真:天理大唯一の45分フル出場となった二見。派手さはないが、こぼれ球への反応が良く、この日は11リバウンドをマークした。


京産大が決勝進出も、大阪体育大も最後まで食らいつく

190504UEDA.jpg 準決勝でまず登場したのは京都産業大大阪体育大。序盤は大阪体育大が#9藤本(3年・PG)のミドルシュート、それに続いてこの日スタート起用の#10大橋(4年・PF)も続けて得点し、先制パンチに成功したかに見えた。ただ京産大は慌てず、#23サンブ(2年・C)のバスケットカウント、#24大庭(4年・SF)の3Pですかさず応戦する。#23サンブが早々に2ファウルとなって下げざるを得ないが、#16川尻(4年・C)がそれをつなぐ。この日は全体的に笛がやや軽く、2Qには#90北條(2年・PG)も2つ目となってしまうが、ここも#10上田(2年・SG)を当てがうことでカバー。#9藤本、#20山田(4年・SG)の得点もあり、大阪体育大も大きくは離されないが、#10上田が最後に得点を重ねていった京産大が12点リードでハーフタイムに入った。

 3Q、大阪体育大は変わらず#9藤本が攻め気を見せてペリメーターの得点でなんとか食いさがる。しかし京産大は、コートに戻った#90北條の3P、#23サンブのダンクで着実に加点。ファウルで得たフリースローも確実に決めていき、相手にボディーブローを与えていく。これに対して大阪体育大は集中を切らさない。#23サンブのブロックが立て続けにテンディングとなり、15〜20点程度のビハインドを広げさせない。最後の10分は#24大庭、#38リンダー(4年・PF)の得点が続き、最後は86−73で京産大が決勝行きを決めたが、終始締まった好ゲームとなった。

写真:味方のファウルトラブルを埋める活躍だった京産大・上田。速攻では積極的に先頭を駆け抜けていく姿が頼もしい。


近畿大が関西学院大を押し切り、連覇に王手

190504ENOKIDA.jpg この日の最終試合、準決勝2試合目の近畿大関西学院大は、立ち上がりから近畿大がラッシュを見せた。#9パトリック(2年・C)のゴール下はもちろん、#13渡辺(3年・SG)、#36榎田(2年・PF)も果敢に仕掛けていき得点を重ねる。関西学院大は#7横川(3年・SG)が気を吐くが、インサイドの劣勢がのしかかり1Qから二桁の差を追いかける展開に。#7横川だけでなく、#2森山(4年・PG)や#11小西聖也(2年・PG)のアウトサイド陣の奮起で、10点前後のビハインドをどうにか保つ。しかし、それでも#9パトリックの高さには苦しみ、前半終了時は15点差となった。

 迎えた後半、近畿大はなおも#9パトリックのローポストで優勢な構図。#13渡辺にもバスケットカウントが飛び出しベンチも盛り上がり、試合を決めにかかる。ただここで関西学院大も黙らず、ゾーンを敷いて失点を押しとどめ、#50坂本拓馬(4年・SF)、#7横川、もう一度#7横川と3連続3Pで10点差にまで戻した。相手の尻尾が見え始めたその刹那、それでも近畿大は動じず。#9パトリック、#24今村(4年・SF)とダンクが続き、再び点差を拡大した。関西学院大は、#13古家(4年・PG)が執念で3Pを沈めて追い上げを図るが、近畿大の優位を覆すには至らなかった。最終的には90−64とした近畿大が、関西三冠タイトルの「4連覇」にあと1勝とした。

写真:外角の確率が上がらない分をドライブで補った榎田。マルチな能力があるのがこの選手の大きな強みだ。


◼5/4 順位決定戦・準決勝結果(大阪市立東淀川体育館)
流通科学大学65(13-33,13-21,16-25,23-25)104関西大学(順位決定戦)
天理大学75(15-20,14-11,21-21,16-14,9-5*)71大阪学院大学 *OT(順位決定戦)
大阪体育大学73(17-24,11-16,22-25,23-21)86京都産業大学(準決勝)
近畿大学90(26-15,16-12,22-23,26-14)64関西学院大学(準決勝)


※近畿大・渡辺選手、京都産業大・サンブ選手、天理大・藤澤選手、関西大・菅原選手のインタビューは「続きを読む」へ。

[続きを読む]

【INTERVIEW】

「雰囲気が悪い時に自分が動いて良くしていければ」
スタメン起用に応える活躍を決勝でも

◆#13渡辺 新(近畿大・3年・SG)
190504WATANABE.jpg 濱高が卒業した今季の近畿大で、今大会はスタメンに名を連ねることとなった。この日はパトリックに次ぐ14得点。食らいつく相手に引く姿勢を見せず、大きなバスケットカウントも飛び出した。次の舞台である「決勝」は、自身これまで何度も経験しているが、それでも慣れないと苦笑いする。その中でも持ち味を発揮し、2年連続の栄冠への足がかりとしたい。


—ここまでのご自身のプレーの出来ぶりはいかがでしょうか。
「自分の役目はチームにスピード感を与えることだと思っていて、そういう点では貢献できているのかなと思っています。チームが重たい時間帯というのはどうしても出てきてしまうので、そういう時に自分が動いていってチームの雰囲気を少しでも良くしたいと思っています」

—プレーの中で意識されていることは。
「去年は絶対的なエースの濱高さんがいて、その穴がめちゃめちゃ大きい中に自分を入れてもらったんですけど、そこで濱高さんを超えるということではなく、自分には自分の役割があると思っています。それをしっかりやって、チームに貢献できたらと思っています」

—スピード面のみならず、濱高選手とは違ったご自身の良さを出していくということですね。
「濱高さんは、貴流馬さん(#33濱田)と二人でボールをコントロールしつつ攻めていく感じでした。ドリブルからでもピックとかで攻められていたんですけど、自分の場合はパトリック(#0)にボールが入った時に裏カットで合わせるとか、パトがいるからできるオフェンスというのを意識しています」

—チームからは、思い切ってやれと言われていると聞いていますが、その通りできていますか。
「はい。まあ、半分半分って感じですかね(笑)」

—坂口選手(#30)が欠場中ということで、負担も大きい状況だと思います。
「坂口がいないのは大きくて、自分が今はスタメンですけれど、いればたとえ自分の調子が悪くても、代わりに出る坂口がそれを埋めてくれれば自分も嬉しいですし、逆に坂口が調子の悪い時は自分が代わりにやる、という感じなんですよね。2人でも結構話し合っているので、いないというのは正直大きいです。でもその分やってやろうという気持ちもあります」

—今季はどのようなシーズンにしたいですか。
「2年連続の3冠ですね。今年もできる力はあると思うので、毎試合万全の状態で、気を抜かずにやっていきたいです」

—明日に向けて。
「自分のマッチアップが大庭さんだと思うんですけど、少しでもあの人の得点を抑えて。それと近大としてはオフェンスではなくディフェンスからリズムを作っていきたいので、少しでも大庭さんを止めてこっちのムードにできたらと思っています」

—延岡学園出身ということで、大会の決勝戦というのは何度も経験していると思いますが、その点は。
「これまで何回も経験していますけれど、やっぱり決勝は何回やっても慣れないですね(苦笑)。でも積極的に走って、少しでもほぐしていけたらと思います」

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「先輩に任せきりにせず、自分たちの力も出していきたい」
今度こそ強力なライバルを倒し、タイトルに手をする覚悟

◆#23サンブ アンドレ(京都産業大・2年・C)
190504THUMB.jpg 大学1年目となった昨年は、最後のインカレを含め印象に残るプレーを続けてきた。充実感もあるだろう。しかし、同時にタイトルにはどうしても届かなかった悔しさもある。決勝の相手は、宿敵・近畿大。今回こそはライバルを倒し、京産大に凱歌をもたらせるか。


—今日の試合は簡単ではなかったですね。
「体大と言えばトランジションの速いチームで、インサイドで守ってきます。気をつけていたんですけど、僕自身1Qにファウルでベンチに下がってしまって。でも、その中でみんなが下を向かずに僕の分まで頑張ってくれました。今日は昨日よりも自分の出来が良くなかったので、今日帰ったらビデオを見て良くなかった部分を反省して、明日の決勝ではしっかり戦えるように準備したいです」

—チーム全体としての反省はありますか。
「ディフェンスの時の出足やリバウンドの絡み方が良くなかったですね。あとターンオーバーももっと気をつけたら、全然違うと思います」

—決勝は近畿大が相手です。今回こそ勝ちたいという気持ちは強いと思います。
「去年3回もやられているので、ずーっとその悔しさを持って日々練習してきました。その気持ちを持って、リベンジできるようにみんなで全力で戦っていきたいと思います」

—チーム内でのコミュニケーションについて。
「京産は先輩後輩の関係がなくて、例えば後輩の話も聞いたりしますけれど、意見を言い合う時も後輩の言うことが正しいこともあるので、そういう時は、僕は先に相手の話を聞いて、それをやってみます。もしそれがダメだったら自分の意見も出して『これは、こうしたら?』という感じです。基本的に誰の話でも、まずは聞くようにしています」

—北條選手(#90)は、まずはかなり自分から言うタイプのようですね。
「以前はそれほど多くなかったんですけど、色々と言われて、その中でも自分からもっとコミュニケーションを取らないといけないと分かってきました。そうする中で、みんなで家族のようになって、コート以外でもバスケの話をいっぱいするようにしています。海樹(北條)は、何かあったら僕に部屋に話をしに来たり、試合の中でも『こうして欲しい』とかを言うんですけど、良いポイントを見つけてくれます。試合の中でアリウープパスが出てきたりするのも、そのおかげです」

—試合に出ているメンバーは2年生も多い状況ですが、同じ学年同士で話し合っていることは何かありますか。
「同じ寮にも住んでいるので、そこで話し合うこともそうですし、グループLINEでも『こうしよう。ああしよう』ということは多いです(笑)。今話しているのは、大庭さん(#24)とかライアンさん(#38リンダー)とか、先輩に任せきりではなく、自分たちの力も出してチーム全体で一つになって戦えるように頑張っていきたいと思っています」

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「自分の中でのプレーの幅も少しずつ広がってきた」
紆余曲折を経ながら感じる確かな成長の跡

◆#3藤澤尚之(3年・天理大・PG)
190504FUJISAWA.jpg 1番ポジションとして、周囲を活かすことも考えながら、と話す。それでもこの日最終盤の勝負どころでシュートを落とさない姿はさすがだった。昨年は2部リーグでの戦いを強いられたが、今年は2年ぶりの1部での戦いが待っている。天理大の復活のためには、なくてはならない存在だ。


—昨日惜しくも負けたことで、今日を臨むにあたって特別なテーマなどはあったのでしょうか。
「昨日は点数を取ったのが自分や黄(#15)になっていて、エースである佐々木さん(#24)があまり取れていない状態でした。その分、パスを回すことを意識していました。センターの点数が伸びなかったというのは反省ですけれど、佐々木さんの良い部分であるキャッチ&シュートが出ていたので、天理のバスケットも昨日より少しは出せたかなと思います」

—本来のハーフコートオフェンスだけでなく、要所で速攻を出せていますね。
「そうですね。佐々木さんもスピードがあって、周りも走れるメンバーがスタートに入っているので、簡単な得点は簡単に取れるようにということは意識しています」

—今年は2年ぶりの1部リーグが控えますが、やはりそこに向かっていく気持ちも過去2年とは違っているはずです。
「1年の時は1部でしたけど、その時は1部の厳しさというのを分かっていなくて、大会にも軽く入ってしまった部分もあったのかなと思います。今年はまだ全関西の段階ですけど、自分たちのプレーを発揮できるように、入りというのは意識したいと思っています」

—1部相手に通用する手応えは感じましたか。
「昨日は体大相手で、自分たちの調子も今ひとつで負けてしまった部分もあって、もう少し自分たちのプレーができていれば試合の流れも変わっていたと思います。試合自体昨日は負けたんですけど、天理のロースコアで戦えたというのは、天理のディフェンスも通用すると感じました」

—去年は2部でしたが、その中でも成長できたと感じる部分はあると思います。
「自分が得点することも大事ですけど、周りも得点できる選手が増えてきて、アシストする時と得点する時とで、自分の中でのプレーの幅も少しずつ広がってきたと感じます。あとは、余裕を持ってプレーすることができるようになってきたのかなと思います」

—東山の同級生ともまた戦えますね。
「そうですね(笑)。パトリック(近畿大#9)も松本(関西学院大#6)もいて、絶対に負けへんぞという気持ちでいます」

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「先輩が抜けた穴を自分が埋めないといけない意識」
自らの色を出しながら、チームの強みとするために

◆#17菅原紳太郎(3年・関西大・PF)
190504SUGAWARA.jpg 年を追うごとに出番を増やし、今大会からスタメンに定着した。インサイド陣が比較的豊富なチームにあって、自らの良さは5番ポジションとして中での仕事に徹することという。大黒柱だった梶原が卒業した今年は特にその真価が問われる一年になる。


—まず、チームとして今目指しているバスケットは。
「厳しいディフェンスからディフェンスリバウンドを取って、みんなで走って速攻を出していくというのを新チームになってからずっとやってきました」

—今大会ここまでを振り返って。
「昨日の試合に関しては、相手のディフェンスも厳しくて自分たちのハーフコートのオフェンスでやりたいことができなくて、ディフェンスでも相手にノーマークのシュートを多く打たせてしまい、それを決められたことで自分たちの速攻も出せませんでした。自分たちのリズムを作れなかったのが敗因だと思っています」

—今日はその反省を修正できましたか。
「今日については自分たちの方が身長もあったということで、リバウンドも多く取れて、それをブレイクにつなげることができて出だしから自分たちのリズムを出せて、良い勝ち方だったと思います」

—インサイド陣では岩本選手(#12)が台頭していますが、その中でご自身意識されていることは何でしょうか。
「岩本や拓海先輩(#7河野)とかは、身長があって能力も高くて、2人とも外のシュートを打てるので、そうなるとみんながアウトサイドに広がりがちということにもなるんですけど、そこで自分は5番ポジションに徹して、中で得点したり、相手にシールして周りに得点させたりすることが自分の役割だと思っています。それが役割でもあって、自分でも強みだと思っている部分です」

—インサイドという部分では、梶原選手が卒業したことで責任も大きくなります。
「去年は梶原さんがいる分、自分や関野(#33)さんは梶原さんがいて、かなりリバウンドを拾ってくれていた状況だったので、そこは大きい穴です。けれどそこは自分が穴を埋めていかないといけない意識でやってきています」

—明日が大会最後のゲームになります。
「明日は身長もあって、能力のある選手もいるので、そこで自分がボックスアウトや堅いディフェンスができるようにしないと、リバウンドも取れずに自分たちのリズムが掴めなくなってくると思います。明日はインサイドがより一層やらないと勝てないと思うので、頑張っていきたいです」
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